JP2023049511A - 容器詰アルコール飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】低アルコールかつ低甘味でありながらも、酒感が増強された容器詰アルコール飲料の提供。【解決手段】アルコール濃度が0.1~3.5v/v%であり、甘味値が6.0g/100mL以下であり、β-ダマセノン濃度が1~2000ppbである、容器詰アルコール飲料、β-ダマセノン濃度を1~2000ppbに調整する工程を含み、アルコール濃度を0.1~3.5v/v%であり、甘味値が6.0以下である容器詰アルコール飲料を製造する、容器詰アルコール飲料の製造方法、及び、g/100mLアルコール濃度を0.1~3.5v/v%であり、甘味値が6.0g/100mL以下である容器詰アルコール飲料において、β-ダマセノン濃度を1~2000ppbに調整することを特徴とする、容器詰アルコール飲料の香味改善方法。【選択図】なし

Description

本発明は、容器詰アルコール飲料、容器詰アルコール飲料の製造方法、及び容器詰アルコール飲料の香味向上方法に関する。
原料用アルコールや、焼酎、ジン、ウォッカ等の蒸留酒をベース酒とし、このベース酒に、果汁、フレーバー、甘味料、及び酸味料等を添加し、風味を付したアルコール飲料が広く好まれている。近年は、その手軽さから、容器に充填されたRTD(Ready To Drink)飲料として、缶入り酎ハイ等に代表される容器詰アルコール飲料の市場が拡大している。
容器詰アルコール飲料の中でも、アルコール濃度が3.5%程度以下の低アルコール飲料やいわゆるノンアルコール飲料は、健康上の理由や、あまり酔わずに本格的なお酒の味わいやアルコールを飲む場の雰囲気を楽しみたい人々に支持され、そのニーズが増えてきている。しかしながら、低アルコール飲料には、アルコール濃度が低いために、アルコール自体が有する特有のコク感や味の厚み、複雑味が不足することにより、本格的なお酒の味わいが乏しくなるという問題がある。低アルコールで、さらに低甘味のアルコール飲料では、よりこの問題が顕著になる。
低アルコール飲料であっても、本格的なお酒の味わいやアルコール感が得られるように香味を改善する技術が幾つか報告されている。例えば、特許文献1には、アセスルファムカリウムの有する甘味とかすかな苦味が「酒らしい味わい」につながること、低アルコール飲料に対してアセスルファムカリウムに加えて特定の重合度のマルトオリゴ糖を一定量飲料に含有させることにより、甘味と苦味に加えて、酒らしい味わいの厚み、舌の上にぽってりと乗るような丸みのある味わいを付与することができることが開示されている。また、特許文献2には、pHが2~5であり、アルコール含有量が2.8v/v%以下である飲料に対して、1,2,3-トリアセトキシプロパンを7~1300ppmとなるように含有させることにより、酒感を向上させられることが開示されている。
特開2016-127812号公報 特開2017-212932号公報
しかしながら、特許文献1及び2に開示されるような方法では、低アルコール飲料に対して酒感を増強する点において、まだ改善の余地があった。
本発明は、低アルコール及び低甘味でありながらも、酒感を増強する方法、及び当該方法により得られた容器詰アルコール飲料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、アルコール濃度が0.1~3.5v/v%であり、甘味値が6.0g/100mL以下であるアルコール飲料に、β-ダマセノン(beta-damascenones:C1318O)を特定量含有させることによって、アルコール自体が有する特有のコク感や、味の厚みと複雑味を付与又は増強して、酒感を増強できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明に係る容器詰アルコール飲料、容器詰アルコール飲料の製造方法、及び容器詰アルコール飲料の香味改善方法は、下記[1]~[12]である。
[1] アルコール濃度が0.1~3.5v/v%であり、
甘味値が6.0g/100mL以下であり、
β-ダマセノン濃度が1~2000ppbである、容器詰アルコール飲料。
[2] アルコール濃度(v/v%)に対するβ-ダマセノン濃度(ppb)の比率が、0.5~1000である、前記[1]の容器詰アルコール飲料。
[3] β-ダマセノン濃度が10~2000ppbである、前記[1]又は[2]の容器詰アルコール飲料。
[4] 柑橘風味を有する、前記[1]~[3]のいずれかの容器詰アルコール飲料。
[5] リモネンを含有する、前記[1]~[4]のいずれかの容器詰アルコール飲料。
[6] リモネン濃度が0.1~10ppmである、前記[5]の容器詰アルコール飲料。
[7] クエン酸に換算した酸度が0.35g/100mL以下である、前記[1]~[6]のいずれかの容器詰アルコール飲料。
[8] 炭酸ガスを含有する、前記[1]~[7]のいずれかの容器詰アルコール飲料。
[9] 炭酸ガス圧が1.5~3.5ガスボリュームである、前記[8]の容器詰アルコール飲料。
[10] アルコール濃度が0.1~3.5v/v%である、前記[1]~[9]のいずれかの容器詰アルコール飲料。
[11] β-ダマセノン濃度を1~2000ppbに調整する工程を含み、
アルコール濃度を0.1~3.5v/v%であり、甘味値が6.0g/100mL以下である容器詰アルコール飲料を製造する、容器詰アルコール飲料の製造方法。
[12] アルコール濃度を0.1~3.5v/v%であり、甘味値が6.0g/100mL以下である容器詰アルコール飲料において、
β-ダマセノン濃度を1~2000ppbに調整することを特徴とする、容器詰アルコール飲料の香味改善方法。
本発明に係る容器詰アルコール飲料は、低アルコールかつ低甘味であるにもかかわらず、アルコール自体が有する特有のコク感や、味の厚みや複雑味があり、酒感が増強されており、嗜好性が高い。
また、本発明に係る容器詰アルコール飲料の製造方法や容器詰アルコール飲料の香味改善方法により、酒感が増強された、低アルコールかつ低甘味の容器詰アルコール飲料が製造できる。
本発明及び本願明細書において、容器詰アルコール飲料とは、容器に充填されたアルコール飲料を意味する。
本発明及び本願明細書において、アルコール飲料とは、アルコールを含有する飲料であればよく、発泡性飲料であってもよく、非発泡性飲料であってもよい。また、発酵工程を経て製造される飲料であってもよく、発酵工程を経ずに製造される飲料であってもよい。すなわち、本発明におけるアルコール飲料には、ウォッカ、ウイスキー、ブランデー、焼酎、ラム酒、スピリッツ、及びジン等の蒸留酒やリキュール等の非発泡性のアルコール飲料;ビールテイストアルコール飲料(ビールと同等の又はそれと似た風味・味覚及びテクスチャーを有するアルコール飲料)、発泡ワイン、シードル等の発泡性のアルコール飲料;蒸留酒やリキュール等の非発泡性のアルコール飲料を、ジュース、清涼飲料、サイダー、ラムネ、炭酸水等のノンアルコール飲料と混合したチューハイ、カクテル等が挙げられる。
本発明及び本願明細書において、「酒感」とは、アルコール自体が有する特有のコク感や、味の厚みや複雑味等により総合的に感じられる「酒らしい味わい」を意味する。
本発明及び本願明細書において、「甘味値」とは、飲料の甘さの強さを示すパラメータであり、飲料中に含まれる甘味料の含有量を、甘味の観点からショ糖に換算して求めたパラメータである。具体的には、飲料に含まれる各甘味料について、その濃度(g/100mL)に、当該甘味料の「甘味度」を乗じることにより、ショ糖に換算した時の各甘味料の含有量(g/100mL)が求められる。そして、飲料に含まれる全甘味料についてのショ糖換算含有量の合計値(g/100mL)が、飲料の「甘味値」として求められる。
なお、「甘味度」とは、ショ糖と比較した時の各甘味料の甘味の強さを示すパラメータであり、本発明においては、「甘味度」として、「飲料用語事典、平成11年6月25日発行、株式会社ビバリッジジャパン社、資11」の値を採用する。甘味度の値に幅がある場合には、その中央値を採用する。 例えば、代表的な甘味料の甘味度は、例えば、ブドウ糖が0.65、果糖が1.5、スクラロースが600、アセスルファムカリウムが200、アスパルテームが200である。
本発明に係る容器詰アルコール飲料は、アルコール濃度が0.1~3.5v/v%であり、甘味値が6.0g/100mL以下であり、β-ダマセノン濃度が1~2000ppbである。甘味が弱いアルコール飲料は、一般的に、後味はすっきりしているものの、甘味に由来するコク味やボディ感が低い。これに対して、本発明に係る容器詰アルコール飲料は、特定量のβ-ダマセノンを含有することにより、低アルコールかつ低甘味であるにもかかわらず、アルコール自体が有する特有のコク感と味の厚みと複雑味とが付与又は増強され、酒感が増強されている。すなわち、アルコール濃度が0.1~3.5v/v%かつ甘味値が6.0g/100mL以下である容器詰アルコール飲料に、特定量のβ-ダマセノンを含有させることにより、酒感が増強された、嗜好性の高い低アルコールかつ低甘味の容器詰アルコール飲料を製造できる。
本発明に係る容器詰アルコール飲料のアルコール濃度は、0.1~3.5v/v%の範囲内であれば、特に限定されるものではない。例えば、本発明に係る容器詰アルコール飲料のアルコール濃度としては、0.5~3.5w/v%であることが好ましい。
本発明に係る容器詰アルコール飲料の甘味値は、6.0g/100mL以下であれば、特に限定されるものではない。例えば、本発明に係る容器詰アルコール飲料の甘味値は、0.5~6.0g/100mLであることが好ましく、1.0~6.0g/100mLであることがより好ましい。
β-ダマセノンは、ケトンの1種であり、バラやコーヒー、芋焼酎等に含まれている香気成分である。本発明に係る容器詰アルコール飲料のβ-ダマセノン濃度は、1~2000ppbの範囲内であれば、特に限定されるものではない。例えば、本発明に係る容器詰アルコール飲料のβ-ダマセノン濃度としては、10ppb以上であることが好ましく、30ppb以上であることがより好ましい。本発明に係る容器詰アルコール飲料のβ-ダマセノン濃度としては、1500ppb以下であることが好ましく、1200ppb以下であることがより好ましく、1000ppb以下であることがさらに好ましく、300ppb以下であることがよりさらに好ましい。
本発明に係る容器詰アルコール飲料における、アルコール濃度(v/v%)に対するβ-ダマセノン濃度(ppb)の比率([β-ダマセノン濃度(ppb)]/[アルコール濃度(v/v%)])(以下、「Dam/Alc比」ということがある。)は、β-ダマセノンによる酒感増強効果が得られる比率であればよく、特に限定されるものではない。本発明に係る容器詰アルコール飲料のDam/Alc比としては、5以上であることが好ましく、15以上であることがより好ましい。また、本発明に係る容器詰アルコール飲料のDam/Alc比としては、β-ダマセノン自体の香気成分による影響が抑えられる点から、500以下であることが好ましく、300以下であることがより好ましく、200以下であることがさらに好ましい。
本発明に係る容器詰アルコール飲料に、β-ダマセノンを含有させる手段は特に限定されない。例えば、β-ダマセノンを原料として用いることにより、β-ダマセノンを含有する容器詰アルコール飲料を製造することができる。使用する原料としては、合成の又は天然物に由来するβ-ダマセノンであってもよく、β-ダマセノンを含有する香料であってもよい。
本発明に係る容器詰アルコール飲料としては、より酒感が増強されることから、さらにリモネンを含有することが好ましい。リモネンは、柑橘類から得られる精油成分に多く含まれているテルペン炭化水素であり、柑橘類に共通する爽やかな、さっぱりとした香りである。本発明に係る容器詰アルコール飲料がリモネンを含有する場合には、本発明に係る容器詰アルコール飲料のリモネン濃度としては、0.1ppm以上であることが好ましく、0.5ppm以上であることがより好ましく、1.0ppm以上であることがさらに好ましい。本発明に係る容器詰アルコール飲料のリモネン濃度としては、20ppm以下が好ましく、15ppm以下がより好ましく、10ppm以下がさらに好ましい。
本発明に係る容器詰アルコール飲料に、リモネンを含有させる手段は特に限定されない。例えば、リモネンを原料として用いることにより、リモネンを含有する容器詰アルコール飲料を製造することができる。使用する原料としては、合成の又は天然物から抽出・精製されたリモネンであってもよく、リモネンを含有する香料であってもよい。本発明に係る容器詰アルコール飲料としては、柑橘類の果汁、精油、又はリモネンを含有している柑橘系香料を原料として製造することが好ましい。
なお、本発明に係る容器詰アルコール飲料のβ-ダマセノン及びリモネンの濃度は、例えば、GC-MS(ガスクロマトグラフィー質量分析法)により定量することができる。
本発明に係る容器詰アルコール飲料としては、柑橘風味を有することが好ましい。
本発明及び本願明細書において、「柑橘風味を有する飲料」とは、柑橘類が有する風味を備えた飲料を意味する。柑橘風味を有する飲料としては、喫飲者にいずれかの柑橘類の果実を想起させる風味を有する飲料であれば、特に限定されるものではなく、柑橘類の果汁を含有する飲料や、柑橘類の果実の特徴的な香気成分を含有する飲料が挙げられる。柑橘類としては、みかん、オレンジ、夏みかん、レモン、ゆず、すだち、カボス、グレープフルーツ、シークワァーサー、はっさく、ライム等が挙げられる。本発明に係る容器詰アルコール飲料が柑橘風味を有する場合、当該柑橘風味は、1種類の柑橘類の風味であってもよく、2種類以上の柑橘類の風味を組み合わせたものであってもよい。
本発明に係る容器詰アルコール飲料が柑橘風味を有する飲料である場合、本発明に係る容器詰アルコール飲料は、例えば、柑橘類の果実の果汁、柑橘類の果皮の精油、又は柑橘系香料を原料として含有させることにより製造できる。果汁や果皮の精油は、常法により調製されたものを用いることができる。本発明に係る容器詰アルコール飲料としては、柑橘類の果汁等に加えて又は果汁等に代えて、柑橘類の果実又は果皮を含有させることもできる。これらの果汁等は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
柑橘系香料としては、柑橘類の果実の特徴的な香気成分を有する香料が挙げられる。例えば、レモンの特徴的な香気成分としては、シトラール、リモネン、ネロール、ゲラニオール、酢酸ネリル、酢酸ゲラニル等が挙げられ、シトラールはレモン由来の精油に含まれる含酸素化合物の半分以上を占める。グレープフルーツの特徴的な香気成分としては、オクタナール、デカナール、ヌートカトン等が挙げられる。ユズの特徴的な香気成分としては、リナロール、チモール、ユズノン(登録商標)、N-メチルアントラニル酸メチル等が挙げられる。オレンジの特徴的な香気成分としては、オクタナール、デカナール、リナロール、酢酸ゲラニル、シネンサール等が挙げられる。
柑橘系香料としては、例えば、柑橘類の果実の果皮等から香気成分をアルコール等の溶媒で抽出したものやこれを減圧蒸留や常圧蒸留等により濃縮したものを用いることができる。その他、飲料に添加される各種の市販の柑橘系香料を適宜用いることもできる。これらの柑橘系香料は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
果汁には、果糖をはじめとする果実由来の様々な成分が含まれている。このため、本発明に係る容器詰アルコール飲料が果汁を含有する場合には、飲料の甘味値が6.0g/100mL以下の範囲内になるように調整される。例えば、本発明に係る容器詰アルコール飲料が果汁を含有する場合には、本発明に係る容器詰アルコール飲料の果汁含有量は、5w/v%以下であることが好ましい。
本発明に係る容器詰アルコール飲料のエキス分は、特に限定されるものではない。例えば、本発明に係る容器詰アルコール飲料のエキス分としては、0.5~6.0w/v%であることが好ましく、1.0~2.5w/v%であることがより好ましい。また、0.5w/v%未満であってもよい。
なお、エキス分とは、飲料中に含まれる不揮発性固形分の含有量を示す数値である。エキス分は、15℃のときにおいて原容量100cm中に含有する不揮発性成分のグラム数をいう。エキス分の測定は、第四回改正国税庁所定分析法注解(平成5年2月20日、第四回改正版、財団法人日本醸造協会発行)を用いて行うことができる。
本発明に係る容器詰アルコール飲料の糖質含有量は、特に限定されるものではない。本発明に係る容器詰アルコール飲料の糖質含有量としては、6.0g/100mL以下であることが好ましく、3.0g/100mL以下であることがより好ましい。
なお、糖質とは、食物繊維ではない炭水化物をいう。糖質は、栄養表示基準(一部改正平成21年消費者庁告示第9号)の別表第2に記載の方法(当該食品の重量から、たんぱく質、脂質、食物繊維、灰分及び水分の量を控除して算定する)に従って算出できる。
本発明に係る容器詰アルコール飲料は、酸味料を含有していてもよい。酸味料としては、リン酸、有機酸、又はこれらの塩を用いることができる。有機酸としては、クエン酸、グルコン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、酢酸、アジピン酸、及びフマル酸等の有機酸が挙げられる。また、リン酸や有機酸の塩としては、ナトリウム塩やカリウム塩が挙げられる。これらの酸味料は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
本発明に係る容器詰アルコール飲料のクエン酸換算した酸度は、特に限定されるものではなく、飲料の種類や求める製品品質等を考慮して適宜調整することができる。本発明に係る容器詰アルコール飲料のクエン酸換算した酸度としては、1.0g/100mL以下であることが好ましく、0.5g/100mL以下であることがより好ましく、0.35g/100mL以下であることがさらに好ましい。本発明に係る容器詰アルコール飲料のクエン酸換算した酸度としては、0.01g/100mL以上であることが好ましく、0.15g/100mL以上であることがより好ましい。
なお、飲料のクエン酸換算した酸度は、国税庁所定分析法(平19国税庁訓令第6号)の8頁、総酸(遊離酸)にて定められた酸度の測定方法に基づいて算出される。詳細には、酸度は、以下の方法により測定できる。
まず、試料1~50mLを正確に量りとり、水で適宜希釈する。これを、0.1mol/L 水酸化ナトリウム溶液で滴定し、pHメーターで8.2を終点とし、下記の式により算出する。式中、「A」は0.1mol/L 水酸化ナトリウム溶液による滴定量(mL)であり、「f」は0.1mol/L 水酸化ナトリウム溶液の力価であり、Wは試料重量(g)である。また、「0.0064」は、0.1mol/L 水酸化ナトリウム溶液1mLに相当する無水クエン酸の重量(g)である。
[クエン酸換算酸度(%)]=A×f×100/W×0.0064
本発明に係る容器詰アルコール飲料は、炭酸ガスを含有していない非発泡性飲料であってもよく、炭酸ガスを含有する発泡性飲料であってもよい。本発明に係る容器詰アルコール飲料が発泡性飲料の場合、炭酸ガス圧は、0.5~5.0ガスボリューム(GV)であることが好ましく、1.0~4.0GVであることがより好ましく、1.5~3.5GVであることがさらに好ましい。
本発明に係る容器詰アルコール飲料は、各種アルコールをベース酒として製造することもできる。ベース酒とするアルコールは、原料用アルコールであってもよく、常法により製造された酒類であってもよい。当該酒類としては、蒸留酒であってもよく、醸造酒であってもよい。蒸留酒としては、ウォッカ、ウイスキー、ブランデー、スピリッツ、焼酎、ラム酒、ジン等が挙げられ、リキュールであってもよい。醸造酒としては、ビール、ワイン、シードル等が挙げられる。
原料用アルコールとしては、好ましくは、廃糖蜜を発酵させて高度(例えばアルコール濃度が9v/v%以上)に精製したものが用いられる。原料用アルコールは、安価であることから、製造コストを低減できる。また、原料用アルコールは、他のベース酒として香気成分の含有量が少ないため、すっきりとした味わいの飲料を得やすくなる。
本発明に係る容器詰アルコール飲料は、β-ダマセノンによる酒感増強効果を損なわない限りにおいて、アルコール及びβ-ダマセノンに加えて、その他の成分を含有していてもよい。当該その他の成分としては、リモネン、果汁、果実、果皮、酸味料、炭酸ガス、炭酸水、甘味料、清涼飲料水、水溶性食物繊維、着色料、起泡剤、タンパク質若しくはその分解物、酵母エキス、原料水、酸化防止剤、乳化剤等が挙げられる。
甘味料としては、ショ糖、液糖、オリゴ糖、デキストリン、でんぷん、甘味系アミノ酸、高甘味度甘味料等が挙げられる。当該高甘味度甘味料としては、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、ステビア、酵素処理ステビア、スクラロース等が挙げられる。これらの甘味料は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
水溶性食物繊維とは、水に溶解し、かつヒトの消化酵素により消化されない又は消化され難い炭水化物を意味する。水溶性食物繊維としては、例えば、大豆食物繊維、ポリデキストロース、難消化性デキストリン、ガラクトマンナン、イヌリン、グアーガム分解物、ペクチン、アラビアゴム等が挙げられる。これらの水溶性食物繊維は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
起泡剤としては、例えば、大豆ペプチド、大豆サポニン、アルギン酸エステル、キラヤサポニン等が挙げられる。これらの起泡剤は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
タンパク質分解物としては、例えば、大豆タンパク分解物等が挙げられる。これらのタンパク質分解物は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
着色料としては、例えば、カラメル色素等の飲食品に一般的に使用される色素等が挙げられる。これらの着色料は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
酸化防止剤としては、例えば、亜硫酸やビタミンC等が挙げられる。これらの酸化防止剤は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
乳化剤としては、例えば、レシチン、サポニン、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。これらの乳化剤は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
本発明に係る容器詰アルコール飲料は、例えば、β-ダマセノンを含む各原料を混合する方法(調合法)によって製造できる。各原料を混合する順番は特に限定されるものではない。原料水に、全ての原料を同時に添加してもよく、先に添加した原料を溶解させた後に残る原料を添加する等、順次原料を添加してもよい。また、例えば、原料水に、固形(例えば粉末状や顆粒状)の原料及びアルコールを混合してもよく、固形原料を予め水溶液としておき、これらの水溶液、及びアルコール、必要に応じて原料水を混合してもよい。さらに、原料水に原料を加熱したものを入れてもよく、調製した調合液を加熱してもよい。
調製された調合液に、不溶物が生じた場合には、当該調合液に対して濾過等の不溶物を除去する処理を行うことが好ましい。不溶物除去処理は、特に限定されるものではなく、濾過法、遠心分離法等の当該技術分野で通常用いられている方法で行うことができる。本発明においては、不溶物は濾過除去することが好ましく、珪藻土濾過により除去することがより好ましい。
本発明に係る容器詰アルコール飲料が発泡性アルコール飲料の場合、例えば、原料として炭酸水や、サイダーやラムネ等の発泡性清涼飲料を用いることにより製造できる。また、炭酸ガス以外の原料を全て混合した調合液を調製した後、この調合液に炭酸ガスを導入することによっても、発泡性アルコール飲料を製造できる。炭酸ガスの導入は、常法により行うことができる。
製造されたアルコール飲料を容器に充填して密封することにより、容器詰アルコール飲料が製造できる。容器への充填及び密封は、常法により行うことができる。また、容器詰アルコール飲料の空寸部には、窒素、二酸化炭素等の不活性ガスを充填させてもよい。これらの不活性ガスにより、容器内に存在する酸素を減少させることができる。
本発明に係る容器詰アルコール飲料を充填する容器としては、特に限定されるものではなく、ツーピース飲料缶、スリーピース飲料缶、ボトル缶、可撓性容器、ガラス瓶などを用いることができる。可撓性容器としては、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、EVOH(エチレン・ビニルアルコール共重合体)、PET(ポリエチレンテレフタレート)等の可撓性樹脂をボトル形状等に成形してなる容器が挙げられる。可撓性容器は、単層樹脂からなるものであってもよく、多層樹脂からなるものであってもよい。
本発明に係る容器詰アルコール飲料が発泡性飲料の場合、耐圧性の高い容器を使用する。現在、流通しているアルミニウム(合金)製ツーピース飲料缶やアルミニウム(合金)製ボトル缶のメーカー保証耐圧は、高いもので686kPa程度であり、実際の耐圧を考慮すると加熱殺菌を要する場合はおおよそ3.2GV以下、加熱殺菌が不要な場合はおおよそ3.8GV以下となる。
また、本発明に係る容器詰アルコール飲料は、その製造工程において、必要に応じて加熱殺菌処理を行う。加熱殺菌処理は、容器に充填前に行ってもよく、容器充填後に行ってもよい。殺菌方法としては、UHT(超高温)殺菌処理、パストライザー殺菌処理、レトルト殺菌処理等の常法により行うことができる。
次に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
β-ダマセノンを各種濃度で含有させた容器詰アルコール飲料を製造し、β-ダマセノンの酒感等に対する影響を調べた。
原料用アルコール(アルコール濃度95容量%)、果糖ぶどう糖液糖、クエン酸(無水)、クエン酸三ナトリウム、β-ダマセノン、及び炭酸水を用いて、アルコール濃度、β-ダマセノン濃度、甘味値、及びクエン酸換算酸度が表1~2に記載の値であるアルコール飲料を製造し、容器に充填した。各容器詰アルコール飲料のガス圧は2.5GV(ガスボリューム)に調整した。
製造した各容器詰アルコール飲料について、訓練された識別能力のあるパネル5名により、酒感及び美味しさの総合評価について、官能評価を行った。官能評価は、β-ダマセノンを添加していないサンプルを対照(評点0)とする7段階(-3~+3)の相対評価を行った。全パネルの評価点の平均値を、評価対象の評価点とした。表1及び表2に記載のサンプル1-1~1-6の官能評価は、サンプル1-0を対照として行った。
具体的には、酒感については、対照よりかなり強い場合に+3点、対照より強い場合に+2点、対照よりやや強い場合に+1点、対照と同程度の場合に0点、対照よりやや弱い場合に-1点、対照より弱い場合に-2点、対照よりかなり弱い場合に-3点、と評価した。美味しさの総合評価については、対照よりかなり良い場合に+3点、対照より良い場合に+2点、対照よりやや良い場合に+1点、対照と同程度の場合に0点、対照よりやや悪い場合に-1点、対照より悪い場合に-2点、対照よりかなり悪い場合に-3点、と評価した。評価結果を表1~2に示す。
Figure 2023049511000001
Figure 2023049511000002
表1及び2に示すように、アルコール濃度が2.0v/v%、甘味値が3.0g/100mLである容器詰アルコール飲料では、β-ダマセノンを1~1000ppbの範囲内で含有させた場合であって、Dam/Alc比が0.5~500の場合に、嗜好性を低下させることなく、酒感が強くなった。また、β-ダマセノンを10~1000ppbの範囲内で含有させた場合に、美味しさの総合評価が改善された。これらの結果から、低アルコールかつ低甘味の容器詰アルコール飲料においては、β-ダマセノンを含有させることによって、酒感を強め、香味を改善させられることがわかった。
[実施例2]
β-ダマセノンを含有させた各種アルコール濃度の容器詰アルコール飲料を製造し、酒感等を調べた。
実施例1と同様にして、アルコール濃度、β-ダマセノン濃度、甘味値、及びクエン酸換算酸度が表3に記載の値である容器詰アルコール飲料を製造した。また、実施例1と同様にして、製造した容器詰アルコール飲料の官能評価を行った。
Figure 2023049511000003
サンプル2-1の官能評価は、サンプル2-0を対照として行い、サンプル3-1の官能評価は、サンプル3-0を対照として行った。評価結果を表3に示す。表3に示すように、アルコール濃度0.5~3.5v/v%であり、かつ甘味値が3.0g/100mLである容器詰アルコール飲料では、β-ダマセノンを含有させることで、酒感が強くなり、美味しさの総合評価が向上した。
[実施例3]
β-ダマセノンを含有させた、甘味値が様々な濃度である容器詰アルコール飲料を製造し、酒感等を調べた。
実施例1と同様にして、アルコール濃度、β-ダマセノン濃度、甘味値、及びクエン酸換算酸度が表4に記載の値である容器詰アルコール飲料を製造した。また、実施例1と同様にして、製造した容器詰アルコール飲料の官能評価を行った。
Figure 2023049511000004
サンプル4-1~4-4の官能評価は、サンプル1-0を対照として行った。評価結果を表4に示す。表4に示すように、アルコール濃度が2.0v/v%の容器詰アルコール飲料では、甘味値が1.0~6.0g/100mLの範囲で、β-ダマセノンを含有させることで、酒感が強くなり、美味しさの総合評価が向上した。
[実施例4]
β-ダマセノンを含有させた低アルコールかつ低甘味の容器詰アルコール飲料に、リモネンを添加し、酒感等を調べた。
原料用アルコール(アルコール濃度95容量%)、果糖ぶどう糖液糖、クエン酸(無水)、クエン酸三ナトリウム、β-ダマセノン、リモネン、及び炭酸水を用いて、アルコール濃度、β-ダマセノン濃度、甘味値、及びクエン酸換算酸度が表5及び6に記載の値であるアルコール飲料を製造し、容器に充填した。各容器詰アルコール飲料のガス圧は2.5GV(ガスボリューム)に調整した。
Figure 2023049511000005
Figure 2023049511000006
サンプル5-1~5-5の官能評価は、サンプル1-0を対照として行った。評価結果を表5及び6に示す。表5及び6に示すように、アルコール濃度が2.0v/v%、甘味値3.0g/100mLの容器詰アルコール飲料では、β-ダマセノンに加えてリモネンを1.0~10ppmの範囲で含有させることで、酒感がより強くなり、美味しさの総合評価が向上した。

Claims (12)

  1. アルコール濃度が0.1~3.5v/v%であり、
    甘味値が6.0g/100mL以下であり、
    β-ダマセノン濃度が1~2000ppbである、容器詰アルコール飲料。
  2. アルコール濃度(v/v%)に対するβ-ダマセノン濃度(ppb)の比率が、0.5~1000である、請求項1に記載の容器詰アルコール飲料。
  3. β-ダマセノン濃度が10~2000ppbである、請求項1又は2に記載の容器詰アルコール飲料。
  4. 柑橘風味を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の容器詰アルコール飲料。
  5. リモネンを含有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の容器詰アルコール飲料。
  6. リモネン濃度が0.1~10ppmである、請求項5に記載の容器詰アルコール飲料。
  7. クエン酸に換算した酸度が0.35g/100mL以下である、請求項1~6のいずれか一項に記載の容器詰アルコール飲料。
  8. 炭酸ガスを含有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の容器詰アルコール飲料。
  9. 炭酸ガス圧が1.5~3.5ガスボリュームである、請求項8に記載の容器詰アルコール飲料。
  10. アルコール濃度が0.1~3.5v/v%である、請求項1~9のいずれか一項に記載の容器詰アルコール飲料。
  11. β-ダマセノン濃度を1~2000ppbに調整する工程を含み、
    アルコール濃度を0.1~3.5v/v%であり、甘味値が6.0g/100mL以下である容器詰アルコール飲料を製造する、容器詰アルコール飲料の製造方法。
  12. アルコール濃度を0.1~3.5v/v%であり、甘味値が6.0g/100mL以下である容器詰アルコール飲料において、
    β-ダマセノン濃度を1~2000ppbに調整することを特徴とする、容器詰アルコール飲料の香味改善方法。
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