JP2023096939A - ビールテイスト飲料、ビールテイスト飲料の製造方法、及び、ビールテイスト飲料の香味向上方法 - Google Patents
ビールテイスト飲料、ビールテイスト飲料の製造方法、及び、ビールテイスト飲料の香味向上方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】溶媒感が低減されたビールテイスト飲料、ビールテイスト飲料の製造方法、及び、溶媒感を低減するビールテイスト飲料の香味向上方法を提供することを課題とする。【解決手段】本発明に係るビールテイスト飲料は、酢酸エチルの含有量が1ppm以上20ppm以下であるビールテイスト飲料であって、ゲラン酸の含有量が10ppb以上である。本発明に係るビールテイスト飲料の香味向上方法は、酢酸エチルの含有量が1ppm以上20ppm以下であるビールテイスト飲料の溶媒感を低減させる香味向上方法であって、前記ビールテイスト飲料のゲラン酸の含有量を10ppb以上とする工程を含む。【選択図】なし
Description
本発明は、ビールテイスト飲料、ビールテイスト飲料の製造方法、及び、ビールテイスト飲料の香味向上方法に関する。
消費者の多様な嗜好に応えるべく、多くの種類のビールテイスト飲料やその製造方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、全タンパク質の含有量に対する分子量35~50kDaのタンパク質の含有量の質量比が0.005以上、0.1以下である、ビールテイスト飲料が開示されている。
特許文献1に係る発明は、飲み応えを有しつつ香味安定性に優れたビールテイスト飲料の提供を目的とした発明であって、ビールテイスト飲料に含まれるタンパク質を特定する発明である。
一方、本発明者らは、ビールテイスト飲料の香味について詳細に検討したところ、ホップ香を際立たせたいビールテイスト飲料については、ビールテイスト飲料に含まれる酢酸エチルに起因した「溶媒感」(詳細には、シンナーのような香味)の存在があると、ホップ香が際立ちにくいことを確認した。そのため、ホップ香を際立たせたいビールテイスト飲料については、この「溶媒感」を少しでも低減させることができれば、ビールテイスト飲料の香味を更に良い香味にできるのではないかと本発明者らは考えた。
そこで、本発明は、溶媒感が低減されたビールテイスト飲料、ビールテイスト飲料の製造方法、及び、溶媒感を低減するビールテイスト飲料の香味向上方法を提供することを課題とする。
前記課題は、以下の手段により解決することができる。
(1)酢酸エチルの含有量が1ppm以上20ppm以下であるビールテイスト飲料であって、ゲラン酸の含有量が10ppb以上であるビールテイスト飲料。
(2)前記ゲラン酸の含有量が40ppb未満である前記1に記載のビールテイスト飲料。
(3)2-メチルブチルイソブチレートの含有量が5~50ppbである前記1又は前記2に記載のビールテイスト飲料。
(4)前記2-メチルブチルイソブチレートの含有量が15ppb以上である前記3に記載のビールテイスト飲料。
(5)アルコールを含有する前記1から前記4のいずれか1つに記載のビールテイスト飲料。
(6)酢酸エチルの含有量を1ppm以上20ppm以下とし、ゲラン酸の含有量を10ppb以上とする工程を含むビールテイスト飲料の製造方法。
(7)酢酸エチルの含有量が1ppm以上20ppm以下であるビールテイスト飲料の溶媒感を低減させる香味向上方法であって、前記ビールテイスト飲料のゲラン酸の含有量を10ppb以上とする工程を含むビールテイスト飲料の香味向上方法。
(1)酢酸エチルの含有量が1ppm以上20ppm以下であるビールテイスト飲料であって、ゲラン酸の含有量が10ppb以上であるビールテイスト飲料。
(2)前記ゲラン酸の含有量が40ppb未満である前記1に記載のビールテイスト飲料。
(3)2-メチルブチルイソブチレートの含有量が5~50ppbである前記1又は前記2に記載のビールテイスト飲料。
(4)前記2-メチルブチルイソブチレートの含有量が15ppb以上である前記3に記載のビールテイスト飲料。
(5)アルコールを含有する前記1から前記4のいずれか1つに記載のビールテイスト飲料。
(6)酢酸エチルの含有量を1ppm以上20ppm以下とし、ゲラン酸の含有量を10ppb以上とする工程を含むビールテイスト飲料の製造方法。
(7)酢酸エチルの含有量が1ppm以上20ppm以下であるビールテイスト飲料の溶媒感を低減させる香味向上方法であって、前記ビールテイスト飲料のゲラン酸の含有量を10ppb以上とする工程を含むビールテイスト飲料の香味向上方法。
本発明に係るビールテイスト飲料は、溶媒感が低減している。
本発明に係るビールテイスト飲料の製造方法は、溶媒感が低減したビールテイスト飲料を製造することができる。
本発明に係るビールテイスト飲料の香味向上方法は、ビールテイスト飲料の溶媒感を低減させることができる。
本発明に係るビールテイスト飲料の製造方法は、溶媒感が低減したビールテイスト飲料を製造することができる。
本発明に係るビールテイスト飲料の香味向上方法は、ビールテイスト飲料の溶媒感を低減させることができる。
以下、本発明に係るビールテイスト飲料、ビールテイスト飲料の製造方法、及び、ビールテイスト飲料の香味向上方法を実施するための形態(本実施形態)について説明する。
[ビールテイスト飲料]
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、酢酸エチルを含有するだけでなく、ゲラン酸の含有量が所定値以上となるビールテイスト飲料である。
ここで、ビールテイスト飲料とは、ビール様(風)飲料とも呼ばれ、ビール様の香味を奏する飲料、言い換えると、ビール様の香味を奏するように調製された飲料である。そして、ビールテイスト飲料としては、例えば、酒税法(平成三十年六月二十日公布(平成三十年法律第五十九号)改正)で定義される「発泡性酒類」(ビール、発泡酒、その他の発泡性酒類)に分類されるものが挙げられる。なお、前記したその他の発泡性酒類としては、「その他の醸造酒(発泡性)(1)」や「リキュール(発泡性)(2)」がある。また、ビールテイスト飲料としては、ビール様の香味を奏していればよく、酒税法で定義される発泡性酒類には属さない飲料および清涼飲料水(例えばノンアルコールビールテイスト飲料など)も挙げることができる。
以下、本実施形態に係るビールテイスト飲料を構成する各要素について説明する。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、酢酸エチルを含有するだけでなく、ゲラン酸の含有量が所定値以上となるビールテイスト飲料である。
ここで、ビールテイスト飲料とは、ビール様(風)飲料とも呼ばれ、ビール様の香味を奏する飲料、言い換えると、ビール様の香味を奏するように調製された飲料である。そして、ビールテイスト飲料としては、例えば、酒税法(平成三十年六月二十日公布(平成三十年法律第五十九号)改正)で定義される「発泡性酒類」(ビール、発泡酒、その他の発泡性酒類)に分類されるものが挙げられる。なお、前記したその他の発泡性酒類としては、「その他の醸造酒(発泡性)(1)」や「リキュール(発泡性)(2)」がある。また、ビールテイスト飲料としては、ビール様の香味を奏していればよく、酒税法で定義される発泡性酒類には属さない飲料および清涼飲料水(例えばノンアルコールビールテイスト飲料など)も挙げることができる。
以下、本実施形態に係るビールテイスト飲料を構成する各要素について説明する。
(酢酸エチル)
酢酸エチル(ethyl acetate)とは、化学式C4H8O2で表される酢酸エステルの一種である。
そして、本発明者らは、ビールテイスト飲料に含まれる酢酸エチルが消費者に溶媒感を感じさせてしまうことを確認した。
酢酸エチル(ethyl acetate)とは、化学式C4H8O2で表される酢酸エステルの一種である。
そして、本発明者らは、ビールテイスト飲料に含まれる酢酸エチルが消費者に溶媒感を感じさせてしまうことを確認した。
酢酸エチルの含有量は、1ppm以上が好ましく、3ppm以上、5ppm以上、8ppm以上、10ppm以上、13ppm以上、15ppm以上がより好ましい。酢酸エチルの含有量が所定値以上であることによって、本発明の課題(溶媒感)が明確となる。
酢酸エチルの含有量は、20ppm以下が好ましく、19ppm以下、18ppm以下、17ppm以下、16ppm以下がより好ましい。酢酸エチルの含有量が所定値以下であることによって、ホップ感をより感じることができる。
なお、本明細書において「ppm」という単位は「mg/L」と同義である。
酢酸エチルの含有量は、20ppm以下が好ましく、19ppm以下、18ppm以下、17ppm以下、16ppm以下がより好ましい。酢酸エチルの含有量が所定値以下であることによって、ホップ感をより感じることができる。
なお、本明細書において「ppm」という単位は「mg/L」と同義である。
(ゲラン酸)
ゲラン酸(geranic acid)とは、化学式C10H16O2で表され、3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン酸とも呼ばれる。
そして、本発明者らは、ゲラン酸が、ビールテイスト飲料に含まれる酢酸エチルに基づく溶媒感を低減できることを見出した。
また、本発明者らは、ゲラン酸が、ビールテイスト飲料のホップ感を増強できることも見出した。
なお、ゲラン酸には、シス型及びトランス型の幾何異性体が存在する。この点、本実施形態において、本飲料のゲラン酸の含有量は、シス型のゲラン酸(シス-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン酸)の含有量と、トランス型のゲラン酸(トランス-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン酸)の含有量との合計である。
ゲラン酸(geranic acid)とは、化学式C10H16O2で表され、3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン酸とも呼ばれる。
そして、本発明者らは、ゲラン酸が、ビールテイスト飲料に含まれる酢酸エチルに基づく溶媒感を低減できることを見出した。
また、本発明者らは、ゲラン酸が、ビールテイスト飲料のホップ感を増強できることも見出した。
なお、ゲラン酸には、シス型及びトランス型の幾何異性体が存在する。この点、本実施形態において、本飲料のゲラン酸の含有量は、シス型のゲラン酸(シス-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン酸)の含有量と、トランス型のゲラン酸(トランス-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン酸)の含有量との合計である。
ゲラン酸の含有量は、10ppb以上が好ましく、13ppb以上、15ppb以上、17ppb以上、19ppb以上、20ppb以上、25ppb以上、28ppb以上、30ppb以上がより好ましい。ゲラン酸の含有量が所定値以上であることによって、ビールテイスト飲料の溶媒感を低減しホップ感を増強させることができる。
ゲラン酸の含有量は、40ppb未満が好ましく、38ppb以下、35ppb以下、33ppb以下がより好ましい。ゲラン酸の含有量が所定値以下(又は、所定値未満)であることによって、ホップ感の増強効果が得られなくなるといった事態を回避することができる。
なお、本明細書において「ppb」という単位は「μg/L」と同義である。
ゲラン酸の含有量は、40ppb未満が好ましく、38ppb以下、35ppb以下、33ppb以下がより好ましい。ゲラン酸の含有量が所定値以下(又は、所定値未満)であることによって、ホップ感の増強効果が得られなくなるといった事態を回避することができる。
なお、本明細書において「ppb」という単位は「μg/L」と同義である。
(ゲラン酸の含有量/酢酸エチルの含有量)
本実施形態に係るビールテイスト飲料の酢酸エチルの含有量をXppmとし、ゲラン酸の含有量をYppbとした場合、Y/Xは、例えば、以下のとおりである。
Y/Xは、0.7以上が好ましく、1.0以上、1.1以上、1.2以上、1.3以上がより好ましい。Y/Xが所定値以上となることによって、ビールテイスト飲料の溶媒感の低減効果とホップ感の増強効果とをしっかりと発揮させることができる。
Y/Xは、10.0以下が好ましく、7.0以下、6.0以下、5.0以下がより好ましい。Y/Xが所定値以下となることによって、ホップ感の増強効果が得られなくなるといった事態を回避することができる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料の酢酸エチルの含有量をXppmとし、ゲラン酸の含有量をYppbとした場合、Y/Xは、例えば、以下のとおりである。
Y/Xは、0.7以上が好ましく、1.0以上、1.1以上、1.2以上、1.3以上がより好ましい。Y/Xが所定値以上となることによって、ビールテイスト飲料の溶媒感の低減効果とホップ感の増強効果とをしっかりと発揮させることができる。
Y/Xは、10.0以下が好ましく、7.0以下、6.0以下、5.0以下がより好ましい。Y/Xが所定値以下となることによって、ホップ感の増強効果が得られなくなるといった事態を回避することができる。
(2-メチルブチルイソブチレート)
2-メチルブチルイソブチレート(2-Methylbutyl isobutyrate)とは、化学式C9H18O2で表され、イソ酪酸2-メチルブチルとも呼ばれる。
本発明者らは、2-メチルブチルイソブチレートが、ゲラン酸による溶媒感の低減効果を強化することを見出した。
また、本発明者らは、2-メチルブチルイソブチレートが、ビールテイスト飲料のホップ感を増強させ、味の厚みも増強させることを見出した。
2-メチルブチルイソブチレート(2-Methylbutyl isobutyrate)とは、化学式C9H18O2で表され、イソ酪酸2-メチルブチルとも呼ばれる。
本発明者らは、2-メチルブチルイソブチレートが、ゲラン酸による溶媒感の低減効果を強化することを見出した。
また、本発明者らは、2-メチルブチルイソブチレートが、ビールテイスト飲料のホップ感を増強させ、味の厚みも増強させることを見出した。
2-メチルブチルイソブチレートの含有量は、5ppb以上が好ましく、8ppb以上、10ppb以上、13ppb以上、15ppb以上がより好ましい。2-メチルブチルイソブチレートの含有量が所定値以上であることによって、ビールテイスト飲料の溶媒感をより低減し、ホップ感と味の厚みとを増強させることができる。
2-メチルブチルイソブチレートの含有量は、50ppb以下が好ましく、40ppb以下、30ppb以下、28ppb以下、25ppb以下がより好ましい。2-メチルブチルイソブチレートの含有量が所定値以下であることによって、ホップ感と味の厚みとを増強させることができる。
2-メチルブチルイソブチレートの含有量は、50ppb以下が好ましく、40ppb以下、30ppb以下、28ppb以下、25ppb以下がより好ましい。2-メチルブチルイソブチレートの含有量が所定値以下であることによって、ホップ感と味の厚みとを増強させることができる。
(測定方法)
ビールテイスト飲料の酢酸エチルの含有量は、例えば、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編、2013年増補改訂)の「8.22 低沸点香気成分」の方法にしたがい、FID検出器付きガスクロマトグラフ(装置名:Agilent 6890ガスクロマトグラフ)を用いて測定することができる。
ビールテイスト飲料のゲラン酸の含有量は、例えば、固相マイクロ抽出-質量分析計付きガスクロマトグラフィー(Solid Phase MicroExtraction-Gas Chromatography-Mass Spectrometry:SPME-GC-MS)法によって測定することができる。具体的な分析条件は、例えば以下のとおりとすることができる。
分析対象とする飲料を0.5%リン酸水溶液で2倍希釈して調製された試料溶液8mLを、あらかじめ3gのNaClを入れたSPME用バイアルに入れ、さらに、内部標準としてBenzyl acetateを500ppbとなるように加え、密栓する。検量線は標準添加法にて作成する。各バイアルを40℃で15分間振盪した後、SPME用ファイバー(Polydimethylsiloxane/Divinylbenzene65μm:スペルコ社製)をバイアル中のヘッドスペースに露出させる。40℃で15分間、揮発性成分をファイバーに吸着させた後、注入口で3分間脱着させ、GC/MSにより分析を行う。
ビールテイスト飲料の2-メチルブチルイソブチレートの含有量は、例えば、固相マイクロ抽出-質量分析計付きガスクロマトグラフィー(Solid Phase MicroExtraction-Gas Chromatography-Mass Spectrometry:SPME-GC-MS)法によって測定することができる。
ビールテイスト飲料の酢酸エチルの含有量は、例えば、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編、2013年増補改訂)の「8.22 低沸点香気成分」の方法にしたがい、FID検出器付きガスクロマトグラフ(装置名:Agilent 6890ガスクロマトグラフ)を用いて測定することができる。
ビールテイスト飲料のゲラン酸の含有量は、例えば、固相マイクロ抽出-質量分析計付きガスクロマトグラフィー(Solid Phase MicroExtraction-Gas Chromatography-Mass Spectrometry:SPME-GC-MS)法によって測定することができる。具体的な分析条件は、例えば以下のとおりとすることができる。
分析対象とする飲料を0.5%リン酸水溶液で2倍希釈して調製された試料溶液8mLを、あらかじめ3gのNaClを入れたSPME用バイアルに入れ、さらに、内部標準としてBenzyl acetateを500ppbとなるように加え、密栓する。検量線は標準添加法にて作成する。各バイアルを40℃で15分間振盪した後、SPME用ファイバー(Polydimethylsiloxane/Divinylbenzene65μm:スペルコ社製)をバイアル中のヘッドスペースに露出させる。40℃で15分間、揮発性成分をファイバーに吸着させた後、注入口で3分間脱着させ、GC/MSにより分析を行う。
ビールテイスト飲料の2-メチルブチルイソブチレートの含有量は、例えば、固相マイクロ抽出-質量分析計付きガスクロマトグラフィー(Solid Phase MicroExtraction-Gas Chromatography-Mass Spectrometry:SPME-GC-MS)法によって測定することができる。
(アルコール度数)
本実施形態に係るビールテイスト飲料のアルコール度数は、特に限定されないものの、例えば、1%(v/v%)未満であってもよく、好ましくは1%(v/v%)以上、3%以上、4%以上であり、15%以下、10%以下、9%以下、8%以下、6%以下である。
本実施形態に係るビールテイスト飲料のアルコール度数は、特に限定されないものの、例えば、1%(v/v%)未満であってもよく、好ましくは1%(v/v%)以上、3%以上、4%以上であり、15%以下、10%以下、9%以下、8%以下、6%以下である。
本実施形態に係るビールテイスト飲料のアルコール度数は、麦由来原料を発酵させて得られた飲料の値であってもよいが、当該飲料に対して、適宜、蒸留アルコールを添加して調整してもよいし、発酵を経ない場合(調合の場合)は、蒸留アルコールの添加のみで調整してもよい。
蒸留アルコールとしては、焼酎、ブランデー、ウォッカ、ウイスキー等の各種スピリッツ、原料用アルコール等が挙げられる。蒸留アルコールは1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。なお、本明細書において「スピリッツ」とは、蒸留酒であるスピリッツを指し、酒税法上のスピリッツとは異なる場合もある。
なお、本明細書においてアルコールとは、特に明記しない限り、エタノールのことをいう。そして、ビールテイスト飲料のアルコール度数は、例えば、国税庁所定分析法(訓令)3清酒3-4アルコール分(振動式密度計法)に基づいて測定することができる。
蒸留アルコールとしては、焼酎、ブランデー、ウォッカ、ウイスキー等の各種スピリッツ、原料用アルコール等が挙げられる。蒸留アルコールは1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。なお、本明細書において「スピリッツ」とは、蒸留酒であるスピリッツを指し、酒税法上のスピリッツとは異なる場合もある。
なお、本明細書においてアルコールとは、特に明記しない限り、エタノールのことをいう。そして、ビールテイスト飲料のアルコール度数は、例えば、国税庁所定分析法(訓令)3清酒3-4アルコール分(振動式密度計法)に基づいて測定することができる。
(発泡性)
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、発泡性であるのが好ましい。
そして、本実施形態に係るビールテイスト飲料の20℃におけるガス圧は、特に限定されないものの、例えば、2.0kg/cm2以上、2.2kg/cm2以上、2.3kg/cm2以上、2.4kg/cm2以上であり、5.0kg/cm2以下、4.0kg/cm2以下、3.0kg/cm2以下である。そして、ビールテイスト飲料のガス圧は、例えば、国税庁所定分析法(訓令)8-3ガス圧に基づいて測定することができる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、発泡性であるのが好ましい。
そして、本実施形態に係るビールテイスト飲料の20℃におけるガス圧は、特に限定されないものの、例えば、2.0kg/cm2以上、2.2kg/cm2以上、2.3kg/cm2以上、2.4kg/cm2以上であり、5.0kg/cm2以下、4.0kg/cm2以下、3.0kg/cm2以下である。そして、ビールテイスト飲料のガス圧は、例えば、国税庁所定分析法(訓令)8-3ガス圧に基づいて測定することができる。
(その他)
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、本発明の所望の効果が阻害されない範囲で飲料として通常配合される甘味料、高甘味度甘味料、酸化防止剤、香料、酸味料、塩類、食物繊維など(以下、適宜「添加剤」という)を添加することもできる。甘味料としては、例えば、果糖ぶどう糖液糖、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、ラクトース、スクロース、マルトース、グリコーゲンやデンプンなどを用いることができる。高甘味度甘味料としては、例えば、ネオテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、サッカリン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二ナトリウム、チクロ、ズルチン、ステビア、グリチルリチン、ソーマチン、モネリン、アスパルテーム、アリテームなどを用いることができる。酸化防止剤としては、例えば、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールなどを用いることができる。酸味料としては、例えば、アジピン酸、クエン酸、クエン酸三ナトリウム、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、DL-酒石酸、L-酒石酸、DL-酒石酸ナトリウム、L-酒石酸ナトリウム、二酸化炭素、乳酸、乳酸ナトリウム、氷酢酸、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、リン酸などを用いることができる。塩類としては、例えば、食塩、酸性りん酸カリウム、酸性りん酸カルシウム、りん酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、メタ重亜硫酸カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硝酸カリウム、硫酸アンモニウムなどを用いることができる。食物繊維としては、例えば、難消化性デキストリン、ペクチン、ポリデキストロース、グアーガム分解物などを用いることができる。
そして、前記した各原料は、一般に市販されているものを使用することができる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、本発明の所望の効果が阻害されない範囲で飲料として通常配合される甘味料、高甘味度甘味料、酸化防止剤、香料、酸味料、塩類、食物繊維など(以下、適宜「添加剤」という)を添加することもできる。甘味料としては、例えば、果糖ぶどう糖液糖、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、ラクトース、スクロース、マルトース、グリコーゲンやデンプンなどを用いることができる。高甘味度甘味料としては、例えば、ネオテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、サッカリン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二ナトリウム、チクロ、ズルチン、ステビア、グリチルリチン、ソーマチン、モネリン、アスパルテーム、アリテームなどを用いることができる。酸化防止剤としては、例えば、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールなどを用いることができる。酸味料としては、例えば、アジピン酸、クエン酸、クエン酸三ナトリウム、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、DL-酒石酸、L-酒石酸、DL-酒石酸ナトリウム、L-酒石酸ナトリウム、二酸化炭素、乳酸、乳酸ナトリウム、氷酢酸、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、リン酸などを用いることができる。塩類としては、例えば、食塩、酸性りん酸カリウム、酸性りん酸カルシウム、りん酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、メタ重亜硫酸カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硝酸カリウム、硫酸アンモニウムなどを用いることができる。食物繊維としては、例えば、難消化性デキストリン、ペクチン、ポリデキストロース、グアーガム分解物などを用いることができる。
そして、前記した各原料は、一般に市販されているものを使用することができる。
(容器詰めビールテイスト飲料)
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、各種容器に入れて提供することができる。各種容器にビールテイスト飲料を詰めることにより、長期間の保管による品質の劣化を好適に防止することができる。
なお、容器は密閉できるものであればよく、金属製(アルミニウム製又はスチール製など)のいわゆる缶容器・樽容器を適用することができる。また、容器は、ガラス容器、ペットボトル容器などを適用することもできる。容器の容量は特に限定されるものではなく、現在流通しているどのようなものも適用することができる。なお、気体、水分および光線を完全に遮断し、長期間常温で安定した品質を保つことが可能な点から、金属製の容器を適用することが好ましい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、各種容器に入れて提供することができる。各種容器にビールテイスト飲料を詰めることにより、長期間の保管による品質の劣化を好適に防止することができる。
なお、容器は密閉できるものであればよく、金属製(アルミニウム製又はスチール製など)のいわゆる缶容器・樽容器を適用することができる。また、容器は、ガラス容器、ペットボトル容器などを適用することもできる。容器の容量は特に限定されるものではなく、現在流通しているどのようなものも適用することができる。なお、気体、水分および光線を完全に遮断し、長期間常温で安定した品質を保つことが可能な点から、金属製の容器を適用することが好ましい。
以上説明したように、本実施形態に係るビールテイスト飲料は、溶媒感が低減している。
また、本実施形態に係るビールテイスト飲料は、ホップ感と味の厚みとが増強している。
また、本実施形態に係るビールテイスト飲料は、ホップ感と味の厚みとが増強している。
[ビールテイスト飲料の製造方法]
次に、本実施形態に係るビールテイスト飲料の製造方法について説明する。
本実施形態に係るビールテイスト飲料の製造方法は、酢酸エチルの含有量と、ゲラン酸の含有量とを、所定範囲内(又は所定値以上)とする工程を含む。そして、詳細には、本実施形態に係るビールテイスト飲料の製造方法は、発酵前工程と、発酵工程と、発酵後工程と、を含む。
次に、本実施形態に係るビールテイスト飲料の製造方法について説明する。
本実施形態に係るビールテイスト飲料の製造方法は、酢酸エチルの含有量と、ゲラン酸の含有量とを、所定範囲内(又は所定値以上)とする工程を含む。そして、詳細には、本実施形態に係るビールテイスト飲料の製造方法は、発酵前工程と、発酵工程と、発酵後工程と、を含む。
(発酵前工程)
発酵前工程では、麦芽、麦、糖類、酵素、各種添加剤、副原料等を適宜混合して原料を糖化し、糖化液を得る。そして、糖化液を適宜ろ過して得られた麦汁に、適宜、ホップの添加、煮沸、冷却等を行って発酵前液を調製する。
なお、ホップの添加タイミングは適宜選択でき、この工程に限定されない。
発酵前工程では、麦芽、麦、糖類、酵素、各種添加剤、副原料等を適宜混合して原料を糖化し、糖化液を得る。そして、糖化液を適宜ろ過して得られた麦汁に、適宜、ホップの添加、煮沸、冷却等を行って発酵前液を調製する。
なお、ホップの添加タイミングは適宜選択でき、この工程に限定されない。
発酵前工程において調製される発酵前液は、酵母が資化可能な窒素源及び炭素源となる麦由来原料(麦芽や麦、又はそれらのエキス)を含む溶液であれば特に限られない。窒素源及び炭素源は、酵母が資化可能なものであれば特に限られない。酵母が資化可能な窒素源とは、例えば、麦由来原料に含まれるアミノ酸及びペプチドのうちの少なくとも一つである。酵母が資化可能な炭素源とは、例えば、前記した発酵前工程で添加する糖類や麦由来原料に含まれる糖類である。
発酵前工程で使用する麦芽は、麦を発芽させ焙燥した後に根を除いたものであり、また、発酵前工程で使用する麦とは、発芽させていない状態の麦である。そして、麦とは、大麦、小麦、ライ麦、燕麦等であるが、大麦が好ましい。
なお、麦芽比率(ビールテイスト飲料の製造に用いられる原料のうち水及びホップ以外のものの全重量に占める麦芽の重量の比率)は、特に限定されないものの、例えば、下限は1%以上、10%以上、25%以上、30%以上、50%以上であり、上限は100%以下、95%以下である。
なお、麦芽比率(ビールテイスト飲料の製造に用いられる原料のうち水及びホップ以外のものの全重量に占める麦芽の重量の比率)は、特に限定されないものの、例えば、下限は1%以上、10%以上、25%以上、30%以上、50%以上であり、上限は100%以下、95%以下である。
発酵前工程で使用する副原料は、酒税法施行規則(平成三十年三月三十一日公布(平成三十年財務省令第十九号)改正)の第4条第2項各号に掲げられている物品、さらには、果実(果実を乾燥させ、若しくは煮つめたもの又は濃縮させた果汁を含む)等が挙げられる。
発酵前工程で使用するホップは、特に限定されず、例えば、乾燥ホップ、ホップペレット、ホップエキス、ホップ毬花(球果、毬果)が挙げられるとともに、ローホップ、ヘキサホップ、テトラホップ、イソ化ホップエキス等のホップ加工品であってもよい。
(発酵工程)
発酵工程は、発酵前液に酵母を添加してアルコール発酵を行う工程である。本実施形態においては、例えば、予め温度が所定の範囲内(例えば、0~40℃の範囲)に調整された発酵前液に酵母を添加して発酵液を調製し、発酵を行う。
発酵工程は、発酵前液に酵母を添加してアルコール発酵を行う工程である。本実施形態においては、例えば、予め温度が所定の範囲内(例えば、0~40℃の範囲)に調整された発酵前液に酵母を添加して発酵液を調製し、発酵を行う。
発酵工程においては、さらに熟成を行うこととしてもよい。熟成は、上述のような発酵後の発酵液をさらに所定の温度で所定の時間だけ維持することにより行う。この熟成により、発酵液中の不溶物を沈殿させて濁りを取り除き、また、香味を向上させることができる。
こうして発酵工程においては、酵母により生成されたエタノール及び各種成分を含有する発酵後液を得ることができる。発酵後液に含まれるエタノールの濃度(アルコール度数)は、例えば、1~20%とすることができる。
(発酵後工程)
発酵後工程は、発酵後液に所定の処理を施して最終的にビールテイスト飲料を得る工程である。発酵後工程としては、例えば、発酵工程により得られた発酵後液のろ過(いわゆる一次ろ過)が挙げられる。この一次ろ過により、発酵後液から不溶性の固形分や酵母を除去することができる。また、発酵後工程においては、さらに発酵後液の精密ろ過(いわゆる二次ろ過)を行ってもよい。二次ろ過により、発酵後液から雑菌や、残存する酵母を除去することができる。なお、精密ろ過に代えて、発酵後液を加熱することにより殺菌することとしてもよい。発酵後工程における一次ろ過、二次ろ過、加熱は、ビールテイスト飲料を製造する際に使用される一般的な設備で行うことができる。
なお、発酵後工程には、前記した容器に充填する工程も含まれる。
発酵後工程は、発酵後液に所定の処理を施して最終的にビールテイスト飲料を得る工程である。発酵後工程としては、例えば、発酵工程により得られた発酵後液のろ過(いわゆる一次ろ過)が挙げられる。この一次ろ過により、発酵後液から不溶性の固形分や酵母を除去することができる。また、発酵後工程においては、さらに発酵後液の精密ろ過(いわゆる二次ろ過)を行ってもよい。二次ろ過により、発酵後液から雑菌や、残存する酵母を除去することができる。なお、精密ろ過に代えて、発酵後液を加熱することにより殺菌することとしてもよい。発酵後工程における一次ろ過、二次ろ過、加熱は、ビールテイスト飲料を製造する際に使用される一般的な設備で行うことができる。
なお、発酵後工程には、前記した容器に充填する工程も含まれる。
発酵後工程によって得られるビールテイスト飲料について、酢酸エチルの含有量、ゲラン酸の含有量、2-メチルブチルイソブチレートの含有量を所定範囲内(又は、所定値以上)とする方法としては、以下の方法が挙げられる。
例えば、各工程において、各成分(又は、各成分を含む香料や麦芽、ホップなどの原料)を、添加して調整する方法が挙げられる。
また、酢酸エチルの含有量は、発酵工程での発酵時間や発酵温度の調整、発酵前液(麦汁、仕込液)の溶存酸素量やアミノ酸含有量の調整等によっても調製でき、ゲラン酸の含有量と2-メチルブチルイソブチレートの含有量は、ホップの種類やホップの添加タイミング等によっても調製できる。
例えば、各工程において、各成分(又は、各成分を含む香料や麦芽、ホップなどの原料)を、添加して調整する方法が挙げられる。
また、酢酸エチルの含有量は、発酵工程での発酵時間や発酵温度の調整、発酵前液(麦汁、仕込液)の溶存酸素量やアミノ酸含有量の調整等によっても調製でき、ゲラン酸の含有量と2-メチルブチルイソブチレートの含有量は、ホップの種類やホップの添加タイミング等によっても調製できる。
また、本実施形態に係るビールテイスト飲料は、発酵工程を経ないで製造することもできる。つまり、本実施形態に係るビールテイスト飲料は、非発酵飲料として製造されてもよい。
この場合、本実施形態に係るビールテイスト飲料の製造方法は、混合タンクに、水、酢酸エチル、ゲラン酸、2-メチルブチルイソブチレート、添加剤、麦芽エキス、蒸留アルコールなどの原料を適宜投入する調合工程(混合工程)と、ろ過、殺菌、炭酸ガスの付加、容器への充填などの処理を行う後処理工程と、を含むこととなる。
この場合、本実施形態に係るビールテイスト飲料の製造方法は、混合タンクに、水、酢酸エチル、ゲラン酸、2-メチルブチルイソブチレート、添加剤、麦芽エキス、蒸留アルコールなどの原料を適宜投入する調合工程(混合工程)と、ろ過、殺菌、炭酸ガスの付加、容器への充填などの処理を行う後処理工程と、を含むこととなる。
以上説明したように、本実施形態に係るビールテイスト飲料の製造方法によると、溶媒感が低減したビールテイスト飲料を製造することができる。
また、本実施形態に係るビールテイスト飲料の製造方法によると、ホップ感と味の厚みとが増強したビールテイスト飲料を製造することができる。
また、本実施形態に係るビールテイスト飲料の製造方法によると、ホップ感と味の厚みとが増強したビールテイスト飲料を製造することができる。
[ビールテイスト飲料の香味向上方法]
次に、本実施形態に係るビールテイスト飲料の香味向上方法を説明する。
本実施形態に係るビールテイスト飲料の香味向上方法は、酢酸エチルを含有するビールテイスト飲料の溶媒感を低減させる香味向上方法であって、ゲラン酸の含有量を所定値以上とする方法である。
なお、各成分の含有量等については、前記した「ビールテイスト飲料」において説明した値と同じである。
次に、本実施形態に係るビールテイスト飲料の香味向上方法を説明する。
本実施形態に係るビールテイスト飲料の香味向上方法は、酢酸エチルを含有するビールテイスト飲料の溶媒感を低減させる香味向上方法であって、ゲラン酸の含有量を所定値以上とする方法である。
なお、各成分の含有量等については、前記した「ビールテイスト飲料」において説明した値と同じである。
以上説明したように、本実施形態に係るビールテイスト飲料の香味向上方法によると、ビールテイスト飲料の溶媒感を低減することができる。
また、本実施形態に係るビールテイスト飲料の香味向上方法によると、ビールテイスト飲料のホップ感と味の厚みとを増強することができる。
また、本実施形態に係るビールテイスト飲料の香味向上方法によると、ビールテイスト飲料のホップ感と味の厚みとを増強することができる。
次に、本発明の要件を満たす実施例とそうでない比較例とを例示して、本発明について説明する。
[サンプルの準備]
(表1~3のサンプル)
表1~3に係るサンプルは、ゲラン酸、酢酸エチル、2-メチルブチルイソブチレートおよび炭酸水を適宜配合してサンプルを準備した。
(表1~3のサンプル)
表1~3に係るサンプルは、ゲラン酸、酢酸エチル、2-メチルブチルイソブチレートおよび炭酸水を適宜配合してサンプルを準備した。
(表4のサンプル)
麦芽(粉砕した大麦麦芽)、水を仕込槽に投入し、常法にしたがって糖化液を製造した。得られた糖化液を濾過して麦汁を得た。得られた麦汁にホップを添加して煮沸し、沈殿物を分離、除去した後、冷却した。得られた発酵前液(冷麦汁)にビール酵母を添加し、所定期間発酵させてビールテイスト飲料(ベース液)を得、これをサンプル4-1とした。
なお、ゲラン酸を含むホップを多く使用することによって、サンプル4-1のゲラン酸(及び、2-メチルブチルイソブチレート)の含有量が表の値となった。
麦芽(粉砕した大麦麦芽)、水を仕込槽に投入し、常法にしたがって糖化液を製造した。得られた糖化液を濾過して麦汁を得た。得られた麦汁にホップを添加して煮沸し、沈殿物を分離、除去した後、冷却した。得られた発酵前液(冷麦汁)にビール酵母を添加し、所定期間発酵させてビールテイスト飲料(ベース液)を得、これをサンプル4-1とした。
なお、ゲラン酸を含むホップを多く使用することによって、サンプル4-1のゲラン酸(及び、2-メチルブチルイソブチレート)の含有量が表の値となった。
そして、サンプル4-1の20℃におけるガス圧(全圧)は約2.1kg/cm2であり、アルコール度数は5v/v%であった。なお、表4のサンプル4-1のゲラン酸、酢酸エチル、2-メチルブチルイソブチレートの含有量は、前記した「ビールテイスト飲料」で示した方法で測定した値であった。
[試験内容]
前記の方法により製造した各サンプルについて、選抜された識別能力のあるパネル4名が下記評価基準に則って「溶媒感」、「ホップ感」、「味の厚み」について、1~5点の5段階評価で独立点数付けし、その平均値を算出した。
なお、各評価は、各サンプルを飲んで実施した。
前記の方法により製造した各サンプルについて、選抜された識別能力のあるパネル4名が下記評価基準に則って「溶媒感」、「ホップ感」、「味の厚み」について、1~5点の5段階評価で独立点数付けし、その平均値を算出した。
なお、各評価は、各サンプルを飲んで実施した。
(溶媒感:評価基準)
溶媒感の評価については、「溶媒感が強い」場合を5点、「溶媒感が弱い」場合を1点として5段階で評価した。そして、溶媒感の評価については、点数が低いほど、低減されており好ましいと判断できる。
なお、「溶媒感」とは、詳細には、シンナーのような香味である。
溶媒感の評価については、「溶媒感が強い」場合を5点、「溶媒感が弱い」場合を1点として5段階で評価した。そして、溶媒感の評価については、点数が低いほど、低減されており好ましいと判断できる。
なお、「溶媒感」とは、詳細には、シンナーのような香味である。
(ホップ感:評価基準)
ホップ感の評価については、「ホップ感が強い」場合を5点、「ホップ感が弱い」場合を1点として5段階で評価した。そして、ホップ感の評価については、点数が高いほど、増強されており好ましいと判断できる。
なお、「ホップ感」とは、ビールに特有のホップ由来の香味である。
ホップ感の評価については、「ホップ感が強い」場合を5点、「ホップ感が弱い」場合を1点として5段階で評価した。そして、ホップ感の評価については、点数が高いほど、増強されており好ましいと判断できる。
なお、「ホップ感」とは、ビールに特有のホップ由来の香味である。
(味の厚み:評価基準)
味の厚みの評価については、「味の厚みが強い」場合を5点、「味の厚みが弱い」場合を1点として5段階で評価した。そして、味の厚みの評価については、点数が高いほど、増強されており好ましいと判断できる。
なお、「味の厚み」とは、ボリューム感であり、味が厚く感じるほど(つまり、味の厚みを強く感じるほど)点数が高くなる。
味の厚みの評価については、「味の厚みが強い」場合を5点、「味の厚みが弱い」場合を1点として5段階で評価した。そして、味の厚みの評価については、点数が高いほど、増強されており好ましいと判断できる。
なお、「味の厚み」とは、ボリューム感であり、味が厚く感じるほど(つまり、味の厚みを強く感じるほど)点数が高くなる。
表に、各サンプルの各評価結果を示す。そして、表における各成分の含有量は、最終製品における含有量を示している。
(結果の検討)
表1は、酢酸エチルの含有量を固定しつつ、ゲラン酸の含有量を変化させた場合の結果である。
この表1の結果から、ゲラン酸の含有量が増加すれば増加するほど、「溶媒感」の点数が低下しており(例えば、4点以下)、ゲラン酸によって「溶媒感」を低減できることが確認できた。また、ゲラン酸の含有量を所定の範囲とすることで、「ホップ感」の点数が上昇しており(例えば、3点以上)、ゲラン酸によって「ホップ感」を増強できることも確認できた。
しかしながら、ゲラン酸の含有量が多過ぎると、「ホップ感」の点数が若干低下することも確認できた。
そして、全ての評価項目を考慮すると、表1のサンプルの中でも、サンプル1-2~1-6が好ましく、サンプル1-3~1-5が特に好ましいと判断できた。
表1は、酢酸エチルの含有量を固定しつつ、ゲラン酸の含有量を変化させた場合の結果である。
この表1の結果から、ゲラン酸の含有量が増加すれば増加するほど、「溶媒感」の点数が低下しており(例えば、4点以下)、ゲラン酸によって「溶媒感」を低減できることが確認できた。また、ゲラン酸の含有量を所定の範囲とすることで、「ホップ感」の点数が上昇しており(例えば、3点以上)、ゲラン酸によって「ホップ感」を増強できることも確認できた。
しかしながら、ゲラン酸の含有量が多過ぎると、「ホップ感」の点数が若干低下することも確認できた。
そして、全ての評価項目を考慮すると、表1のサンプルの中でも、サンプル1-2~1-6が好ましく、サンプル1-3~1-5が特に好ましいと判断できた。
表2は、ゲラン酸の含有量を固定しつつ、酢酸エチルの含有量を変化させた場合の結果である。
この表2の結果から、酢酸エチルの含有量が増加すればするほど、「溶媒感」の点数が上昇していることから、「溶媒感」は酢酸エチルに起因することが確認できた。そして、酢酸エチルの含有量が多過ぎると、ゲラン酸を含有させたとしても「溶媒感」を十分には低減できないことも確認できた(サンプル2-4)。
また、酢酸エチルの含有量を所定の範囲とすることで「ホップ感」の点数が上昇するものの、酢酸エチルの含有量が増え過ぎると、逆に「ホップ感」の点数が低下してしまうことも確認できた。
そして、全ての評価項目を考慮すると、表2のサンプルの中でも、サンプル2-1~2-3が好ましく、サンプル2-2~2-3が特に好ましいと判断できた。
この表2の結果から、酢酸エチルの含有量が増加すればするほど、「溶媒感」の点数が上昇していることから、「溶媒感」は酢酸エチルに起因することが確認できた。そして、酢酸エチルの含有量が多過ぎると、ゲラン酸を含有させたとしても「溶媒感」を十分には低減できないことも確認できた(サンプル2-4)。
また、酢酸エチルの含有量を所定の範囲とすることで「ホップ感」の点数が上昇するものの、酢酸エチルの含有量が増え過ぎると、逆に「ホップ感」の点数が低下してしまうことも確認できた。
そして、全ての評価項目を考慮すると、表2のサンプルの中でも、サンプル2-1~2-3が好ましく、サンプル2-2~2-3が特に好ましいと判断できた。
表3は、ゲラン酸の含有量と酢酸エチルの含有量とを固定しつつ、2-メチルブチルイソブチレートの含有量を変化させた場合の結果である。
この表3の結果から、2-メチルブチルイソブチレートの含有量が増加すればするほど、「溶媒感」の点数が低下していることから、2-メチルブチルイソブチレートによってゲラン酸に基づく溶媒感の低減効果が強化されていることが確認できた。
また、2-メチルブチルイソブチレートの含有量を所定の範囲とすることで、「ホップ感」の点数が上昇するだけでなく、「味の厚み」の点数もかなり上昇する(例えば、3.5点以上)ことが確認できた。
そして、全ての評価項目を考慮すると、表3のサンプルの全サンプルであるサンプル3-1~3-6が好ましく、サンプル3-2~3-5が特に好ましいと判断できた。
この表3の結果から、2-メチルブチルイソブチレートの含有量が増加すればするほど、「溶媒感」の点数が低下していることから、2-メチルブチルイソブチレートによってゲラン酸に基づく溶媒感の低減効果が強化されていることが確認できた。
また、2-メチルブチルイソブチレートの含有量を所定の範囲とすることで、「ホップ感」の点数が上昇するだけでなく、「味の厚み」の点数もかなり上昇する(例えば、3.5点以上)ことが確認できた。
そして、全ての評価項目を考慮すると、表3のサンプルの全サンプルであるサンプル3-1~3-6が好ましく、サンプル3-2~3-5が特に好ましいと判断できた。
表4は、発酵工程を経て製造したビールテイスト飲料(発酵飲料)の結果である。
この表4のサンプル4-1の結果から、発酵飲料であっても、表1~3のサンプルと同様、ゲラン酸を含有することによって「溶媒感」を低減できることが確認できた。
また、サンプル4-1は、「ホップ感」の点数と「味の厚み」の点数も非常に高くなることが確認できた。
この表4のサンプル4-1の結果から、発酵飲料であっても、表1~3のサンプルと同様、ゲラン酸を含有することによって「溶媒感」を低減できることが確認できた。
また、サンプル4-1は、「ホップ感」の点数と「味の厚み」の点数も非常に高くなることが確認できた。
Claims (7)
- 酢酸エチルの含有量が1ppm以上20ppm以下であるビールテイスト飲料であって、
ゲラン酸の含有量が10ppb以上であるビールテイスト飲料。 - 前記ゲラン酸の含有量が40ppb未満である請求項1に記載のビールテイスト飲料。
- 2-メチルブチルイソブチレートの含有量が5~50ppbである請求項1又は請求項2に記載のビールテイスト飲料。
- 前記2-メチルブチルイソブチレートの含有量が15ppb以上である請求項3に記載のビールテイスト飲料。
- アルコールを含有する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のビールテイスト飲料。
- 酢酸エチルの含有量を1ppm以上20ppm以下とし、ゲラン酸の含有量を10ppb以上とする工程を含むビールテイスト飲料の製造方法。
- 酢酸エチルの含有量が1ppm以上20ppm以下であるビールテイスト飲料の溶媒感を低減させる香味向上方法であって、
前記ビールテイスト飲料のゲラン酸の含有量を10ppb以上とする工程を含むビールテイスト飲料の香味向上方法。
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