JP6898079B2 - 工作機械およびその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明による実施形態は、工作機械およびその制御方法に関する。
工作機械は、例えば、主軸に装着された工具を用いてワークを加工する。工作機械の数値制御装置(以下、NC(Numerical Controller)装置ともいう)は、主軸に指令を出力し、該主軸の動作を制御するとともに、主軸のトルク、即ち、モータの負荷電流を監視する。NC装置は、主軸のトルクを監視することによって、ワークの加工に用いられる工具の異常を検知している。
特開2015−143969号公報
しかし、例えば、該主軸のトルクが小さい場合等には、主軸のトルクによって工具の異常を正確に検知することは困難であった。
また、工具の異常を検知するために、切削状態を検出するセンサを工作機械に付加することが考えられる。しかし、この場合、追加のセンサが別途必要になるため、工作機械が大型になり、コストも高くなる。さらに、センサが壊れると、工具の異常は検知することができなくなるという問題も生じる。
そこで本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、工具の異常を容易かつ正確に検知することができる工作機械およびその制御方法を提供することである。
本実施形態による工作機械は、ワークを移動させるテーブルまたは工具等の制御対象を駆動する駆動機構と、駆動機構を動作させるモータと、制御対象の位置を検出する第1位置センサと、モータの位置を検出する第2位置センサと、モータへの供給電流を制御する電流制御部と、供給電流を決定するトルク指令を電流制御部へ出力するサーボ制御部と、第2位置センサから得たモータの位置情報と第1位置センサから得た制御対象の位置情報とトルク指令とに基づいて、制御対象のワークに対する加工力を算出し、加工力のうち所定の周波数未満の第1成分の絶対値が、ワークの加工中に第1閾値以上になったときに制御対象に異常が生じたと判断する数値制御部と、を備える。
数値制御部は、ワークの加工中に第1成分の絶対値が第1閾値よりも小さい第2閾値を超えなかった場合に制御対象に異常が生じたと判断してもよい。
第1成分の原点は、制御対象の重量に基づいたオフセットを有してもよい。
数値制御部は、加工力のうち所定の周波数以上の第2成分の絶対値に基づいて工具に異常が生じたと判断してもよい。
他の実施形態による工作機械は、ワークまたは工具を駆動する駆動機構と、駆動機構を動作させるモータと、制御対象の位置を検出する第1位置センサと、モータの位置を検出する第2位置センサと、モータへの供給電流を制御する電流制御部と、供給電流を決定するトルク指令を電流制御部へ出力するサーボ制御部と、第2位置センサから得たモータの位置情報と第1位置センサから得た工具の位置情報とトルク指令とに基づいて、工具のワークに対する加工力を算出し、加工力のうち所定の周波数以上の第2成分の絶対値に基づいて工具に異常が生じたと判断する数値制御部と、を備えている。
工具は、ワークを切削する少なくとも1枚の刃を有し、駆動機構は、工具を回転させながらワークを切削し、第2成分の周期よりも短い期間の間、第2成分が第1閾値以上になった場合、数値制御部は、工具に異常が生じたと判断してもよい。
工具は、ワークを切削する複数の刃を有し、駆動機構は、工具を回転させながらワークを切削し、数値制御部は、第2成分を用いて複数の刃のうち第1刃の加工力に対する他の刃の加工力の比率を演算し、該比率に基づいて工具に異常が生じたと判断してもよい。
数値制御部は、加工開始当初における他の刃の比率と加工開始後の他の刃の比率との差の絶対値が第3閾値以上になったときに、工具に異常が生じたと判断してもよい。
数値制御部は、ローパスフィルタ機能またはローパスフィルタ回路を備え、所定の周波数は、ローパスフィルタ機能またはローパスフィルタ回路のカットオフ周波数でよい。
本実施形態による工作機械の制御方法は、ワークを移動させるテーブルまたは工具等の制御対象を駆動する駆動機構と、駆動機構を動作させるモータと、モータへの供給電流を制御する電流制御部と、供給電流を決定するトルク指令を電流制御部へ出力するサーボ制御部と、サーボ制御部を制御する数値制御部とを備えた工作機械の制御方法であって、数値制御部は、モータの位置情報と工具の位置情報とトルク指令とに基づいて、工具のワークに対する加工力を算出し、数値制御部は、加工力のうち所定の周波数未満の第1成分の絶対値が、ワークの加工中に第1閾値以上になったときに工具に異常が生じたと判断する、ことを具備する。
数値制御部は、加工力のうち所定の周波数以上の第2成分の絶対値に基づいて制御対象に異常が生じたと判断してもよい。
他の実施形態による工作機械の制御方法は、ワークを移動させるテーブルまたは工具等の制御対象を駆動する駆動機構と、駆動機構を動作させるモータと、モータへの供給電流を制御する電流制御部と、供給電流を決定するトルク指令を電流制御部へ出力するサーボ制御部と、サーボ制御部を制御する数値制御部とを備えた工作機械の制御方法であって、数値制御部は、モータの位置情報と工具の位置情報とトルク指令とに基づいて、工具のワークに対する加工力を算出し、数値制御部は、加工力のうち所定の周波数以上の第2成分の絶対値に基づいて制御対象に異常が生じたと判断する、ことを具備する。
工具は、ワークを切削する複数の刃を有し、駆動機構は、工具を回転させながらワークを切削し、数値制御部は、第2成分を用いて複数の刃のうち第1刃の加工力に対する他の刃の加工力の比率を演算し、該比率に基づいて工具に異常が生じたと判断してもよい。
数値制御部は、加工開始当初における他の刃の比率と加工開始後の他の刃の比率との差の絶対値が第3閾値以上になったときに、工具に異常が生じたと判断してもよい。
数値制御部は、ローパスフィルタ機能またはローパスフィルタ回路を備え、所定の周波数は、ローパスフィルタ機能またはローパスフィルタ回路のカットオフ周波数でよい。
第1実施形態に従った工作機械のサーボモータ14および駆動機構2の構成の一例を示す図。 第1実施形態によるサーボ部1、駆動機構2および数値制御装置4の構成の一例を示すブロック図。 第1実施形態による工具の異常の判断手法の一例を示すグラフ。 第1実施形態による工具の異常の判断手法の一例を示すグラフ。 第1実施形態による工具の異常の判断手法の他の例を示すグラフ。 第1実施形態による工具の異常の判断手法の他の例を示すグラフ。 第1実施形態による工具の折損検知動作を示すフロー図。 第1実施形態による工具の折損検知動作を示すフロー図。 第2実施形態による工具の異常の判断手法の一例を示すグラフ。 第2実施形態による工具の重摩耗を示すフロー図。 第3実施形態による切削力の第2成分を示すグラフ。 第3実施形態による工具の折損検知動作を示すフロー図。
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態を説明する。本実施形態は、本発明を限定するものではない。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に従った工作機械のサーボモータ14および駆動機構2の構成の一例を示す図である。サーボモータ14は、カップリング3を介して駆動機構2と連結されている。駆動機構2は、ベッド20と、支持ブラケット22と、ナット23と、ボールねじ25と、ベアリング26と、リニアガイド27と、テーブル28とを備えている。
ベッド20は、工作機械の本体に固定され、駆動機構2の他の構成要素を搭載する。支持ブラケット22は、ベッド20上に固定配置されており、ベアリング26を介してボールねじ25の両端を支持するように構成されている。ボールねじ25は、カップリング3によってサーボモータ14と連結されており、サーボモータ14の軸の回転に従って回転するように構成されている。ナット23は、ボールねじ25のねじ部と螺合するようにねじ孔が形成されており、ボールねじ25の回転に従ってボールねじ25の軸方向に移動することができる。制御対象としてのテーブル28は、ナット23に固定されており、かつ、リニアガイド27によって支持されている。テーブル28は、ナット23の移動に伴って、ボールねじ25およびリニアガイド27の軸方向(矢印Aの方向)に移動する。このように、工作機械は、サーボモータ14の回転運動をテーブル28の直線運動に変換することができる。
テーブル28は、ワークを搭載し、ワークを工具で切削するために、ワークをベッド20に対して相対的に移動させる。この場合、制御対象は、テーブル28およびワーク等の移動物である。あるいは、テーブル28の代わりに、工具を回転させる工具用モータ(図示せず)、工具用モータに工具を装着するチャック、および、該工具を搭載した主軸頭でもよい。この場合、制御対象は、テーブル28、工具用モータ、チャック、工具等の移動物となる。工具は、ワークを加工する部材であり、例えば、ドリル、エンドミル等である。ドリル、エンドミル等は、ワークを切削する少なくとも1枚の刃を有し、回転しながらその刃でワークを切削することができる。
図2は、本実施形態によるサーボ部1、駆動機構2および数値制御装置(NC装置)4の構成の一例を示すブロック図である。NC装置4は、HMI(Human-Machine Interface)40と、プログラム供給部41と、プログラム解析部42と、軌道生成部44と、切削力推定部45と、メモリ46と、エラー検出部47とを備えている。
HMI40は、操作者と数値制御装置4との間のインタフェースであり、例えば、タッチパネル式ディスプレイ等である。操作者は、HMI40において加工プログラムを入力または選択する。また、HMI40は、操作者に対して、工作機械の動作状態を示し、あるいは、エラー検出部47からのエラー信号を受けてエラーの発生を表示する。
プログラム供給部41は、メモリ46に格納されている加工プログラムを得て、この加工プログラムをプログラム解析部42へ供給する。メモリ46は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disc Drive)またはSSD(Solid State Drive)である。メモリ46は、工作機械全体を制御するシステムプログラム、加工プログラム、工作機械のパラメータ、各種データを格納する。メモリ46のRAM領域は、システムプログラム等を実行する際に、ロード領域あるいは作業領域としても用いられる。
プログラム解析部42は、メモリ46から得た加工プログラムを解析し、軌道生成用データを作成する。加工プログラムの解析は、加工プログラムの各ブロックについて、駆動機構2の移動部(例えば、テーブル、主軸頭等)を移動させる目標位置の座標、および、移動部の目標移動速度等を得る。ブロックとは、加工プログラムの基本単位であり、例えば、1行分の指令を示す。1ブロックは、例えば、直線移動、円弧移動、主軸の回転開始/停止等の基本的な動作の指令を示す。軌道生成用データは、ブロックごとに作成され、軌道生成部44へ転送される。
軌道生成部44は、軌道生成用データに基づいてサンプリング周期(サーボ部1の制御周期)ごとの位置指令を生成する。軌道生成部44は、位置指令をサーボ部1のサーボ制御部12へ出力する。尚、NC装置4の内部のメモリ46、プログラム解析部42、軌道生成部44、切削力推定部45およびエラー検出部47は、1つのCPU(Central Processing Unit)で実現されてもよく、それぞれ個別のメモリまたはCPUで実現されていてもよい。
サーボ制御部12は、位置指令に従って制御周期ごとにトルク指令を電流制御部13へ出力する。制御周期は、例えば、約1msecである。トルク指令は、モータ14への供給電流を決定する指令である。電流制御部13は、トルク指令に従った電流をモータ14へ供給する。モータ14には、ロータリエンコーダ60が設けられている。第2位置センサとしてのロータリエンコーダ60は、モータ14の軸の回転を検出し、モータ14の軸の回転位置の変移を測定する。ロータリエンコーダ60は、モータ14の軸の回転位置の変移をサーボ制御部12へフィードバックする。以下、モータ14の軸の回転位置の情報を“モータ位置”と呼び、そのフィードバックを“モータ位置フィードバック”とも呼ぶ。
モータ14は、図1を参照して説明したように、駆動機構2を駆動する。これにより、テーブル28がリニアガイド27に沿って移動する。
駆動機構2には、テーブル28に接続されたリニアエンコーダ50が設けられている。第1位置センサとしてのリニアエンコーダ50は、テーブル28の線形位置の変移を測定する。リニアエンコーダ50は、テーブル28の線形位置の変移をサーボ制御部12へフィードバックする。以下、テーブル28の線形位置の情報を“スケール位置”と呼び、そのフィードバックを“スケール位置フィードバック”とも呼ぶ。
サーボ制御部12は、リニアエンコーダ50およびロータリエンコーダ60からのフィードバックを受けて、スケール位置およびモータ位置を制御するために指令位置に対する誤差を小さくするようにトルク指令を生成する。
さらに、トルク指令、スケール位置およびモータ位置は、切削力推定部45へもフィードバックされる。切削力推定部45は、トルク指令、スケール位置およびモータ位置に基づいて、制御対象のワークに対する切削力を算出する。加工力としての切削力は、例えば、ドリルまたはエンドミルがワークを切削するときにドリルまたはエンドミルをワークに押し付ける力または回転しているドリルまたはエンドミルがワークに加える力でよい。切削力推定部45は、特許文献1の式(3)または式(4)を演算することによって切削力Fcutを算出すればよい。
Figure 0006898079
ここで、refが右上添え字として付されたIa(以下、Ia_refという)は、トルク指令から得られる電流指令値である。xtはスケール位置であり、その上のドットは2回の時間微分を示す。θmはモータ位置(回転角)であり、その上のドットは2回の時間微分を示す。Tfricは、摩擦トルクである。Ffricは、テーブル28のA方向への直動に対する摩擦力である。Jrはモータからボールねじまでの慣性モーメントである。Ktはモータ14のトルク定数である。Rは回転系と直動系との変換係数である。Mtは、ワークおよびテーブル28等の移動物の質量である。
さらに、予め推定された摩擦トルクTfricおよび摩擦力Ffricを用い、かつ、高周波ノイズ抑制用のローパスフィルタを用いることで、切削力Fcutの推定値は、式(4)となる。
Figure 0006898079
ここで、推定値を示すパラメータには、「ハット」が付されている。gcutは、エラー検出部47内のフィルタの遮断周波数である。各パラメータの右下添え字nは、ノミナル値を示す。
式3、式4に含まれるパラメータのうち、トルク指令から得られる電流指令値Ia_ref、スケール位置xt、モータ位置θm以外のパラメータは、メモリ46に格納されている。尚、メモリ46は、NC装置4内に内蔵されていてもよく、あるいは、その外部に設けられていてもよい。パラメータは、工作機械の外部から受け取ってもよい。
切削力推定部45は、トルク指令、スケール位置およびモータ位置を、式3または式4に適用して、ワークに対する切削力を算出する。切削力推定部45は、サーボ制御部12のサンプリング周期(制御周期)ごとに、トルク指令、スケール位置フィードバックおよびモータ位置フィードバックを受けて、この切削力を算出する。このように、切削力推定部45は、力センサ等の付加的なセンサを用いることなく、制御周期ごとに切削力を推定することができる。
このような切削力は、工具の各刃の切削力を第2成分として含む。さらに、切削力は、第2成分だけでなく、摩擦(例えば、摩擦トルクTfric、摩擦力Ffric)、電流制御部13におけるモータ14の電流フィードバックのオフセットずれに起因するリップル(低周波成分)などの第1成分をも含む。このように、様々な周波数帯域の成分を含む切削力を用いた場合、エラー検出部47は、工具の折損検知や摩耗検知を正確に行うことが困難である。
そこで、本実施形態によるエラー検出部47は、ローパスフィルタ機能またはローパスフィルタ回路(例えば、移動平均フィルタ)を有し、切削力のうち所定の周波数以上の第2成分をカットし、所定の周波数未満の第1成分を取り出す。即ち、所定の周波数は、例えば、エラー検出部47に設けられたローパスフィルタまたはローパスフィルタ回路のカットオフ周波数である。さらに、エラー検出部47は、ワークの加工中に、切削力の第1成分が第1閾値以上になったときに工具に異常が生じたと判断する。
例えば、工具の刃数(工具が1回転するごとにワークの同じ箇所を切削する刃の数)をMとする。工具を回転させる主軸の回転速度をN(回転/分)とする。この場合、切削力のピークは、1秒間に、P=M×N/60だけ観測される。即ち、切削力の第2成分は、加工中において、ほぼ周波数P(Hz)で現れる。従って、エラー検出部47は、ローパスフィルタを用いて、P(Hz)以上の高周波数帯域の切削力をカットすることによって、切削力の第1成分(P未満の低周波数帯域の切削力)が得られる。
本実施形態では、切削力の第1成分に基づいて工具の異常を判断する。エラー検出部47は、サーボ制御部12のサンプリング周期(制御周期)ごとに切削力に基づいて工具の異常をリアルタイムで判断する。工具の異常の判断については、図3(A)〜図4(B)を参照して後で説明する。
工具のエラーが検出されると、エラー検出部47は、軌道生成部44に停止信号を出力するとともに、HMI40にエラー信号を出力する。軌道生成部44は、停止信号を受けると、位置指令の更新を停止する。従って、モータ14および駆動機構2の動作が停止する。それとともに、HMI40は、エラー信号を受けると、工具の異常をディスプレイに表示する。これにより、ユーザは、工具の異常を知ることができる。
図3(A)〜図4(B)は、本実施形態による工具の異常の判断手法の一例を示すグラフである。縦軸はドリル方向の切削力の第1成分(N(Newton))を示し、横軸は時間を示す。本実施形態において、駆動機構2は、テーブル28を略水平方向に移動させるものとする。即ち、駆動機構2は、所謂、水平軸を有する。この場合、ゼロ(N(Newton))を切削力の原点Fcenterとすればよい。また、本実施形態において、NC装置4は、ドリルモードでワークに穴開け作業を実行する。従って、工具はドリルである。ドリルモードは、NCプログラムで指定され、ドリルで穴あけ作業を行う際に用いられるモードである。
図3(A)および図3(B)は、ドリルの折損を検知する手法を示す。ドリルの折損は、ドリルの軸が途中で折れて切断されてしまう異常である。ドリルの折損は、ワークに穴を開けている最中に生じる場合と、ドリルがワークに接触した瞬間に生じる場合とがある。ドリルが折損しても、ドリルの根元部分と先端部分との間で軸中心があまりずれておらず、ドリルの根元部分がその先端部分と接触していれば、そのドリルの根元部分は、ほとんど回転しない先端部分を押し続ける。即ち、ドリルの根元部分は穴開けを継続しようと回転するが、一方で、先端部分はほとんど回転せずにワークを切削しない。従って、ワークは切削されないまま、ドリルの進行方向に大きな切削力が印加される。
図3(A)に示すように、ドリルがワークに穴を開けている最中、時点te1で折損した場合、時点te1まで切削力は正常に推移し、時点te1以降、切削力の第1成分は第1閾値としての上限値Fref1を超える。エラー検出部47は、切削力の第1成分が上限値Fref1以上となったときに工具の異常を判断し、停止信号およびエラー信号を出力する。
図3(B)に示すように、ドリルがワークに接触した瞬間に折損した場合、ドリルがワークに接触した直後の時点te2において、切削力の第1成分は上限値Fref1を超える。エラー検出部47は、切削力の第1成分が上限値Fref1以上となったときに工具の異常を判断し、停止信号およびエラー信号を出力する。例えば、ドリルの刃が既に摩耗しており、ドリルがワークに当たっても穴を掘れずに折損する場合に図3(B)に示す異常が発生し得る。このように、エラー検出部47は、ワークの切削中に切削力の第1成分が上限値Fref1を1度でも超えた場合に、工具に異常が発生していると判断してもよい。
図4(A)および図4(B)も、ドリルの折損を検知する手法を示す。例えば、図3(A)および図3(B)に示す異常が検出できなかった場合、ドリルの根元部分は次の穴を開けるために移動する。一方、ドリルの先端部分は根元部分とともには移動しない。この場合、ドリルの根元部分と先端部分との間で軸中心がずれて、ドリルの根元部分が先端部分と接触しない。従って、ドリルがワークに届かない場合には、図4(A)に示すように、切削力の第1成分は、低いまま第2閾値としての下限値Fref2を超えない。下限値Fref2は、上限値Fref1よりも小さい閾値である。例えば、ドリルをモータに装着するチャック近傍でドリルが折損したような場合、ドリルの根元部分はワークに届かない。従って、エラー検出部47は、ワークの切削中に、切削力の第1成分が下限値Fref2を1度も超えない。この場合に、エラー検出部47は、工具に異常が発生していると判断する。即ち、エラー検出部47は、ワークの切削中に、切削力の第1成分が下限値Fref2を一度も超えないとき、時点te3において、工具の異常を判断し、停止信号およびエラー信号を出力する。
また、ドリルの根元部分がワークに届いたとしてもワークを切削することができない。この場合、図4(B)に示すように、切削力の第1成分は、上限値Fref1以上に上昇する。従って、エラー検出部47は、切削力の第1成分が上限値Fref1以上となった時点te4において工具の異常を判断し、停止信号およびエラー信号を出力する。
このように、エラー検出部47は、ワークの切削中に、上限値Fref1を超えた場合、あるいは、切削力の第1成分が下限値Fref2を1度も超えなかった場合に、工具に異常が発生していると判断してもよい。
図5(A)〜図6(B)は、本実施形態による工具の異常の判断手法の他の例を示すグラフである。この例では、駆動機構2は、テーブル28を略垂直方向(略鉛直方向)に移動させるものとする。即ち、駆動機構2は、所謂、垂直軸を有する。この場合、工具、該工具を回転駆動するモータ、および、テーブル28等の移動物の重量が重力により下方に印加される。切削していない待機状態のときにおいて、移動物を鉛直上方向に支持して移動物の重量をキャンセルするために、サーボ部1は、移動物に対して鉛直上方向の力を印加しておく必要がある。従って、原点Fcenterは、鉛直上方向に移動物の重量とほぼ等しいオフセットを有する。鉛直上方向を正方向とすると、原点Fcenterは、図5(A)〜図6(B)に示すように移動物の重量とほぼ等しい正のオフセット値となる。
工具は、ワークを切削する際に、ワークに対して下方へ向かって切削するものとする。即ち、駆動機構2は、原点Fcenterを基準として下方へ切削力を印加する。以下、図5(A)〜図6(B)では、切削力の第1成分は、原点Fcenterを基準とした絶対値で表す。即ち、切削力の第1成分は、原点Fcenterと推定切削力F^cutとの差の絶対値(|Fcenter−F^cut|)の第1成分となる。原点Fcenterがオフセットしているものの、図5(A)〜図6(B)に示す手法は、それぞれ図3(A)〜図4(B)に示す手法と基本的に同じである。
例えば、図5(A)に示すように、ドリルがワークに穴を開けている最中、時点te11で折損した場合、切削力の第1成分の絶対値は、時点te11までは正常に推移し、時点te11以降、上限値Fref1を上回る。エラー検出部47は、この切削力の第1成分の絶対値が上限値Fref1以上となったときに工具の異常を判断し、停止信号およびエラー信号を出力する。
図5(B)に示すように、ドリルがワークに接触した瞬間に折損した場合、切削力の第1成分の絶対値は、ドリルがワークに接触した直後の時点te12において上限値Fref1以上となる。エラー検出部47は、この切削力の第1成分の絶対値が上限値Fref1以上となったときに工具の異常を判断し、停止信号およびエラー信号を出力する。例えば、ドリルの刃が摩耗し、ドリルがワークに当たっても穴を掘れず折損する場合に図5(B)に示す異常が発生し得る。このように、エラー検出部47は、ワークの切削中に、切削力の第1成分の絶対値が上限値Fref1を1度でも超えた場合に、工具に異常が発生していると判断してもよい。
図6(A)に示すように、ドリルがワークに届かない場合には、切削力の第1成分の絶対値は、下限値Fref2を超えない。下限値Fref2は、上限値Fref1よりも小さい閾値である。例えば、ドリルをモータに装着するチャック近傍でドリルが折損したような場合、ドリルの根元部分はワークに届かない。従って、エラー検出部47は、ワークの切削中に、切削力の第1成分の絶対値が下限値Fref2を1度も超えない。この場合に、エラー検出部47は、工具に異常が発生していると判断する。即ち、エラー検出部47は、ワークの切削中に、切削力の第1成分の絶対値が下限値Fref2を一度も超えないとき、時点te3において、工具の異常を判断し、停止信号およびエラー信号を出力する。
また、図6(B)に示すように、ドリルの根元部分がワークに届いたとしてもワークを切削することができない場合、切削力の第1成分の絶対値は、上限値Fref1以上に上昇する。従って、エラー検出部47は、切削力の第1成分の絶対値が上限値Fref1以上となった時点te4において工具の異常を判断し、停止信号およびエラー信号を出力する。このように、エラー検出部47は、ワークの切削中に、切削力の第1成分の絶対値が上限値Fref1を超えた場合、あるいは、下限値Fref2を1度も超えなかった場合に、工具に異常が発生していると判断してもよい。
図7Aおよび図7Bは、本実施形態による工具の折損検知動作を示すフロー図である。
まず、図7Aに示すように、NC装置4がドリルモードであるか否かを判断する(S10)。ドリルモードとは、工具としてのドリルを用いてワークに穴を開ける工程である。図7Aおよび図7BのSTARTからENDまでの1回のドリルモードで、1つの穴がワークに開けられる。複数の穴を開ける場合には、穴の数だけドリルモードが繰り返される。ドリルモードである場合(S10のYES)、エラー検出部47が切削力推定部45から推定された切削力を得る。エラー検出部47は、フィルタ機能を用いて、その切削力から第1成分を取り出す。切削力の第1成分の絶対値を上限値Fref1と比較する(S20)。尚、駆動機構2が重力軸を有する場合には、図5(A)〜図6(B)を参照して説明したように、切削力の第1成分の原点Fcenterは、移動物の重量分だけオフセットを有する。この場合、切削力の第1成分は、原点Fcenterと推定切削力F^cutとの差の絶対値(|Fcenter−F^cut|)の第1成分となる。
切削力の第1成分の絶対値が上限値Fref1以上である場合(S20のYES)、エラー検出部47は、工具が折損したと判断し、停止信号およびエラー信号をそれぞれ軌道生成部44およびHMI40へ送信する(S30)。これにより、軌道生成部44は、位置指令の更新を停止し、HMI40は、エラーをディスプレイに表示する(S40)。
一方、切削力の第1成分の絶対値が上限値Fref1未満である場合(S20のNO)、エラー検出部47は、工具が折損していないと判断する。この場合、軌道生成部44は、位置指令を継続して更新する。
ドリルモードが継続される場合(S70のNO)、図7AのステップS20〜S70は繰り返し実行される。
一方、エラー検出部47は、図7Aのフローと併行して、図7Bに示すフローを実行する。例えば、ステップS10において、ドリルモードに入ると(S10のYES)、エラー検出部47は、メモリ46に格納されているフラグFgを0に設定する(S55)。
次に、エラー検出部47は、切削力の第1成分の絶対値を下限値Fref2と比較する(S60)。第1成分の絶対値が下限値Fref2よりも小さい場合(S60のNO)、エラー検出部47は、フラグFgを変更せずに、ドリルモードを継続する(S70のNO)。第1成分の絶対値が下限値Fref2以上である場合(S60のYES)、エラー検出部47は、フラグFgを1に変更してドリルモードを継続する(S65、S70のNO)。
図7BのステップS60、S70が繰り返し実行され、ドリルモードが終了すると(S70のYES)、エラー検出部47は、メモリ46のフラグFgが1であるか否かを確認する(S80)。フラグFgが1である場合(S80のYES)、即ち、第1成分の絶対値が下限値Fref2を1度でも超えている場合、エラー検出部47は、工具が折損していないと判断する。一方、フラグFgが0である場合(S80のNO)、即ち、第1成分の絶対値がドリルモード中に下限値Fref2を1度も超えていなかった場合、エラー検出部47は、工具が折損したと判断し、停止信号およびエラー信号をそれぞれ軌道生成部44およびHMI40へ送信する(S30)。これにより、軌道生成部44は、次のドリルモードにおける位置指令の更新を停止し、HMI40は、エラーをディスプレイに表示する(S40)。
工具の折損を検出した場合、HMI40には、例えば、エラーメッセージとともに、工具の交換を促すメッセージが表示される。ユーザが工具を交換することによって、NC装置4は、加工を継続することができる。
エラー検出部47は、図7Aおよび図7Bのフローを同時併行して実行してよい。しかし、エラー検出部47は、図7Aおよび図7Bのいずれか一方を他方の後に実行してもよい。
このように、NC装置4は、切削力の第1成分を用いて工具の折損を検知することができる。尚、本実施形態によるNC装置4は、上限値Fref1および下限値Fref2の両方を用いて、工具の欠損検知を実行している。しかし、NC装置4は、上限値Fref1および下限値Fref2のいずれか一方を用いて、工具の欠損検知を実行してもよい。
もし、本実施形態のような工具の異常検知を行っていない場合、工具の折損を正確に検知できない。工具の折損を正確に検知できないと、NCプログラムの自動運転で多数の穴開けを行っている最中に、途中からワークに穴が開かなくなる可能性がある。この場合、穴開け作業の継続は、ユーザにとって時間および経費の無駄となってしまう。
これに対し、本実施形態による工作機械は、推定された切削力(F^cut)の第1成分を用いて工具の折損を検知する。切削力の第2成分は、工具の各刃の切削によって発生するので、工具の各刃の摩耗や欠損等により変化する。一方、切削力の第1成分は、工具自体の折損のように摩擦を定常的に大きく変化させる異常や故障によって変化する。従って、本実施形態は、切削力の第1成分を用いることによって、工具の折損のような異常や故障を正確かつ確実に検出することができる。尚、ドリルによる穴開け工程の場合、切削力は工具をワークに押し付ける力であるので、切削力は、第1成分を多く含み、第2成分はあまり含まない。従って、この場合、下限値Fref2は、非常に小さく、ゼロに近い値に設定される。
また、本実施形態によれば、追加の部品(追加のセンサ等)を必要としない。従って、本実施形態による工作機械は、小型化に優れ、コストを低く抑えることができる。また、追加の部品の故障を考慮する必要が無い。
(第2実施形態)
図8は、第2実施形態による工具の異常の判断手法の一例を示すグラフである。縦軸は、第2成分および第1成分を含む切削力を示し、横軸は時間を示す。駆動機構2は、水平軸を有するものとする。よって、ゼロ(N(Newton))を切削力の原点Fcenterとすればよい。尚、駆動機構2が重力軸を有する場合、図4(A)および図4(B)を参照して説明した通り、原点Fcenterをオフセットさせればよい。従って、ここでは、重力軸の場合の説明を省略する。
例えば、エンドミルのように少なくとも1枚の刃を有する工具は、1回転するごとに、ワークのほぼ同じ箇所を刃の数だけ切削する。この工具の刃数をMとし、工具を回転させる回転速度をN(回転/分)とすると、上述の通り、切削力の第2成分は、加工中において、周波数P=M×N/60(Hz)の波形となる。従って、エラー検出部47は、P(Hz)以上の高周波数帯域の切削力をカットすることによって、切削力の第1成分が得られる。図8の実線L2は、第2成分の切削力を示し、破線L1は、切削力の第1成分を示す。
時点t20以前において、工具が正常に切削している場合、周波数P(Hz)の第2成分が現れる。しかし、工具の刃が摩耗してくると、工具の切削能力が低下する。よって、1刃あたりの切削力が大きくなるため、第2成分が大きくなる。また第1成分は第2成分をローパスフィルタに通した直流成分を含むため、第1成分も大きくなる。従って、工具の刃が摩耗してくると、図8のラインL1、L2に示すように、切削力の第1成分、第2成分が次第に増加する。
さらに工具の摩耗が進むと、工具がワークをほとんど切削できなくなり、位置指令に対する実際のスケール位置の誤差(位置誤差)が大きくなる。この場合、エラーが生じて工作機械が停止する場合がある。また、工具の摩耗が進んだ状態(重摩耗ともいう)が継続すると、工具がワークに焼き付く場合もある。このような場合、ワークの加工面の品質に悪影響を及ぼしてしまう。
そこで、第2実施形態では、工具の重摩耗を検出するために、エラー検出部47は、第2成分が上限値Frefa以上になっている期間を計測する。その期間が所定期間taよりも長い場合に、エラー検出部47は、工具に異常が生じたと判断する。第1閾値としての上限値Frefaは、第1実施形態の上限値Fref1と等しくてよい。あるいは、上限値Frefaは、上限値Fref1とは別に設定してもよい。エラー検出部47は、期間taを計時するためにタイマ機能を有する。
例えば、第2成分を異常判定に用いる場合、エラー検出部47は、図8に示すL2が上限値Frefa以上になってから連続して期間ta以上経過したときに工具に異常が生じたと判断する。このとき、エラー検出部47は、図2の停止信号およびエラー信号を出力する。
代替的に、切削力の第1成分を異常判定に用いる場合、エラー検出部47は、図8に示すL2が上限値Frefa以上になったときに工具に異常が生じたと判断する。このとき、エラー検出部47は、図2の停止信号およびエラー信号を出力する。
期間taは、式1に示すように、0より大きく、切削力の第2成分の周期(1/P)よりも短い期間に設定される。
0<ta<1/P (式1)
これにより、第2成分を含む切削力を用いても、エラー検出部47は、工具の異常を正確に検知することができる。また、本実施形態によれば、工具の重摩耗のように切削力が徐々に変化する場合に、エラー検出部47は、工具の異常を正確に検知することができる。
第2実施形態による異常検知は、工具による切削方向(X、Y、Z)のそれぞれにおいて実行されてもよい。この場合、X軸、Y軸、Z軸にそれぞれの切削力について、上限値Frefx、Frefy、Frefzをそれぞれ設定すればよい。X方向、Y方向、Z方向においてワークに当たる工具の刃数MおよびX方向、Y方向、Z方向における回転速度Nが等しい場合、期間taは切削力のX成分、Y成分、Z成分に対して共通でよい。一方、X方向、Y方向、Z方向において工具の刃数Mおよび/または回転速度Nが異なる場合、切削力のX成分、Y成分、Z成分のそれぞれに対して異なる期間taを設定してもよい。
図9は、第2実施形態の第2成分による工具の重摩耗検知動作を示すフロー図である。尚、図9の例では、期間taは、切削力の第2成分のX成分、Y成分、Z成分に対して共通であるとする。以下、X成分、Y成分、Z成分は、第2成分中のX成分、Y成分、Z成分とする。
まず、エラー検出部47は、切削力のX、Y、Zの各成分がそれぞれ上限値Frefx、Frefy、Frefz以上であるか否かを判断する(S11)。切削力のX、Y、Zの各成分がいずれも上限値Frefx、Frefy、Frefz未満である場合(S11のNO)、エラー検出部47は、工具が正常であると判断する。この場合、エラー検出部47は、タイマをリセットし、あるいは、リセットしたまま(S71)、ステップS11を繰り返す。一方、切削力のX、Y、Zのいずれかの成分が上限値Frefx、Frefy、Frefz以上となった場合(S11のYES)、エラー検出部47は、タイマ機能で計時を開始(カウントアップ)する(S21)。
切削力のX、Y、Zのいずれかの成分が上限値を超えてからまだ期間taを経過していない場合(S31のNO)、エラー検出部47は、ステップS11〜S31を繰り返す。このとき、ステップS11において、切削力のX、Y、Zが上限値Frefx、Frefy、Frefz未満となった場合、工具はまだ正常であると判断し、エラー検出部47は、タイマ機能をリセットして(S71)、ステップS11へ戻る。エラー検出部47は、切削作業および切削力の監視を継続する。即ち、切削力のX、Y、Zのいずれかの成分が上限値を超えてから期間taの経過前に、その成分が上限値を下回った場合、エラー検出部47は、工具が正常であると判断する。
一方、切削力のX、Y、Zのいずれかの成分が上限値を超えてから連続して期間taを経過した場合(S31のYES)、エラー検出部47は、工具に異常(重摩耗)が生じたと判断する(S41)。この場合、エラー検出部47は、停止信号およびエラー信号をそれぞれ軌道生成部44およびHMI40へ送信する。これにより、軌道生成部44は、位置指令の更新を停止し、HMI40は、エラーをディスプレイに表示する(S61)。
一方、切削力のX、Y、Zのいずれかの第2成分が上限値を超えてから期間taの経過前に、その第2成分が上限値を下回った場合(S31のNO)、エラー検出部47は、工具が正常であると判断し、ステップS11へ戻り、切削作業および切削力の監視を継続する。この場合、エラー検出部47は、タイマ機能をリセットする(S71)。これにより、切削力にノイズが含まれていても、エラー検出部47は、工具の異常と判断することなく動作する。即ち、期間taを設定することによって、切削力のノイズの影響を除くことができる。
このように、本実施形態によるNC装置4は、切削力のX成分、Y成分、Z成分のいずれかの第2成分が上限値以上になってから連続して期間ta経過した場合に、工具に重摩耗が生じたと判断する。これにより、本実施形態によるNC装置4は、工具の重摩耗を正確かつ確実に検出することができる。工具の重摩耗を正確かつ確実に検出することによって、位置誤差による工作機械の停止を抑制し、かつ、工具がワークに焼き付くことも抑制することができる。これにより、ワークの加工面の品質を良好に維持することができる。
第2実施形態は、第1実施形態と組み合わせてもよい。
(第3実施形態)
第1および第2実施形態では、NC装置4は、切削力のうち第1成分を用いて工具の異常検知を行っている。これに対し、第3実施形態では、NC装置4は、切削力のうち第2成分を用いて工具の異常検知を行う。切削力は、第1または第2実施形態のそれと同様に算出すればよい。
次に、切削力の第2成分について説明する。工具の刃のいずれかが欠損または摩耗した場合、切削力の第1成分よりも第2成分においてより大きく変化する。例えば、工具が多数の刃を有し、その多数の刃のうち1つの刃が欠損した場合、工具の全体の切削力はさほど変化しないが、該欠損した刃の切削力は大きく変化する。この場合、NC装置4は、工具の異常検知を行うために、各刃の切削力を示す第2成分を用いることが好ましい。従って、NC装置4は、切削力からリップルを含んだ第1成分を除去する。
リップルは、例えば、電流制御部13において電流に含まれる脈動成分であり、電流制御部13の電流フィードバックにおけるオフセットずれ等に起因する。リップルは、モータ14の回転ごとに、モータ14の極対数に対応する数の正弦波として切削力の波形に重畳する。
従って、エラー検出部47は、或る周波数fma以上の周波数帯域をカットオフするローパスフィルタ機能またはローパスフィルタ回路を有し、第1実施形態において算出された切削力をこのローパスフィルタにかける。これにより、エラー検出部47は、切削力のうち低周波数帯域のリップルを含んだ第1成分を得る。エラー検出部47は、この第1成分を切削力から除去することによって、切削力の第2成分を得ることができる。即ち、エラー検出部47は、ローパスフィルタでリップルを含んだ第1成分を抽出し、その第1成分を切削力から除去する。これにより、切削力の第2成分を得ることができる。
ローパスフィルタのカットオフ周波数fmaは、式2の関係を有する。
fm < fma < P (式2)
ここで、fmは、リップルの周波数である。Pは、切削力の第2成分の周波数(即ち、M×N/60)である。
これにより、エラー検出部47は、カットオフ周波数fma以下のリップルを含んだ第1成分を抽出し、その第1成分を切削力から除去する。これにより、P以上の周波数を有する第2成分を得ることができる。
次に、切削力の第2成分を用いた異常検知手法について説明する。
図10(A)および図10(B)は、第3実施形態による切削力の第2成分を示すグラフである。縦軸は切削力の第2成分を示し、横軸は時間を示す。図10(A)は、工具を使用し始めた初期状態の切削力F1〜F4を示す。図10(B)は、工具で切削作業をしばらく実行した後の切削力F1_1〜F4_1を示す。尚、第3実施形態において、駆動機構2は、水平軸を有するものとする。よって、ゼロ(N(Newton))を切削力の原点Fcenterとすればよい。尚、駆動機構2が重力軸を有する場合、図4(A)および図4(B)を参照して説明した通り、原点Fcenterをオフセットさせればよい。従って、ここでは、重力軸の場合の説明を省略する。
工具は、例えば、4つの刃を有し、1回転するごとにこの4つの刃がワークを切削する。この場合、図10(A)のF1〜F4は、工具の4つの刃のそれぞれに対応する切削力を示している。図10(B)のF1_1〜F4_1も、工具の4つの刃のそれぞれに対応する切削力を示している。工具が1回転するごとに、切削力F1〜F4またはF1_1〜F4_1が得られる。工具の1回転は1/P(sec)であるので、切削力F1〜F4またはF1_1〜F4_1は、1/Pの周期で繰り返し現れる。
工具の刃は、初期状態(新品)であっても全て同じ状態ではない。例えば、工具の回転中心から各刃の先端までの距離は、刃によって若干異なる。このため、各刃の切削量は異なる。また、工具を使用してしばらく経過すると、各刃の切削力F1_1〜F4_1のばらつきは、さらに大きくなる場合がある。例えば、図10(A)および図10(B)を参照すると、切削力F3_1が、初期状態のF3と比べて極端に低下している。これは、工具の4つの刃のうち3番目の刃が他の刃と比べて欠損または摩耗していることを示している。
そこで、エラー検出部47は、切削力の第2成分に基づいて工具の異常を検出する。異常の検出において、エラー検出部47は、第2成分の各刃の切削力F1〜F4のうち、第1刃の切削力F1に対する他の刃の切削力F2〜F4の比率R1〜R3を用いる。例えば、R1は、F2/F1である。R2は、F3/F1である。R3は、F4/F1である。この場合、各刃の初期状態の切削力F1〜F4は、加工開始当初において演算された切削力の第2成分から得られる。エラー検出部47は、初期状態の切削力F1〜F4を用いてF2/F1、F3/F1、F4/F1を演算し、それぞれR1〜R3としてエラー検出部47の内部メモリまたはメモリ46に格納する。尚、第1刃の切削力F1に対する第1刃の切削力F1の比率(F1/F1=1)もメモリに格納してもよい。
このような比率R1〜R3は、初期状態における複数の刃の切削力のばらつきを示す。これにより、加工途中において、或る特定の刃の切削力が変化した場合に、エラー検出部47は、その変化が工具の刃全体の摩耗に依る変化(正常な変化)であるか、その特定の刃の欠損や極端な摩耗に依る変化(異常な変化)であるかを判断することができる。
加工開始後、エラー検出部47は、各刃の切削力F1_1〜F4_1のうち、第1刃の切削力F1_1に対する他の刃の切削力F2_1〜F4_1の比率R1_1〜R3_1を用いる。例えば、R1_1は、F2_1/F1_1である。R2_1は、F3_1/F1_1である。R3_1は、F4_1/F1_1である。エラー検出部47は、切削力F1_1〜F4_1を用いてF2_1/F1_1、F3_1/F1_1、F4_1/F1_1を演算し、それぞれR1_1〜R3_1としてエラー検出部47の内部メモリまたはメモリ46に格納する。尚、第1刃の切削力F1_1に対する第1刃の切削力F1_1の比率(F1_1/F1_1=1)もメモリに格納してもよい。
次に、エラー検出部47は、|Ri_1−Ri|と閾値Sとを比較する。尚、iは、1〜3の整数である。第3閾値としての閾値Sは、1以下の正数であり、予めメモリ46に格納されている。閾値Sは、例えば、0.2〜0.5でよい。|Ri_1−Ri|が閾値S以下である場合、エラー検出部47は、工具が正常と判断する。|Ri_1−Ri|が閾値Sよりも大きくなった場合、エラー検出部47は、工具に異常が生じた判断する。
例えば、工具の複数の刃が初期状態から全体としてほぼ一律に摩耗している場合には、Ri_1は、Riからあまり変化しない。従って、|Ri_1−Ri|は、閾値S以下に留まる。この場合、エラー検出部47は工具が正常であると判断する。即ち、初期状態において複数の刃の切削力にばらつきがあっても、切削途中において、その比率Riが維持されている場合には、エラー検出部47は工具が正常であると判断する。
一方、特定の刃が欠損したり、他の刃と比べて極端に摩耗が激しい場合、その特定の刃の切削力が他の刃の切削力と比べて大きく低下する。例えば、図10(B)に示す第3刃の切削力F3_1は、他の刃の切削力F1_1、F2_1、F4_1と比べて極端に低下している。この場合、第3刃が欠損したことが考えられる。比率R2_1=F3_1/F1_1は、R2=F3/F1から大きく低下する。従って、|Ri_1−Ri|は、閾値Sより大きくなる。この場合、エラー検出部47は工具が異常であると判断する。即ち、切削途中における複数の刃の切削力の比率Ri_1が、初期状態における比率Riと大きく異なる場合、エラー検出部47は工具が異常であると判断する。
尚、エラー検出部47は、|Ri_1−Ri|の全てが閾値S以上となったときに、第1刃の切削力F1_1の異常であると判断する。切削力F1_1の異常は、R1_1〜R3_1の全てに関連するからである。
図11は、第3実施形態による工具の折損検知動作を示すフロー図である。
まず、加工開始当初、エラー検出部47が切削力推定部45で推定された切削力を得る(S12)。エラー検出部47は、ローパスフィルタを用いて、その切削力から第1成分を取り出し、さらに、切削力から第1成分を取り除いて第2成分を得る(S22)。
次に、エラー検出部47は、切削力の第2成分の絶対値から工具の各刃の切削力F1〜F4を算出する。さらに、エラー検出部47は、切削力F1〜F4を用いて初期状態の比率R1〜R3を算出する(S32)。比率R1〜R3は、メモリ46またはエラー検出部47の内部メモリに格納される。
その後、制御周期ごとに、エラー検出部47は、切削力推定部45からの切削力に基づいて、ステップS12〜S32と同様に、比率R1_1〜R3_1を算出する(S42)。比率R1_1〜R3_1も、メモリ46またはエラー検出部47の内部メモリに格納される。また、エラー検出部47は、|Ri_1−Ri|を算出し(S52)、|Ri_1−Ri|を閾値Sと比較する(S62)。
|Ri_1−Ri|が閾値S以下である場合(S62のNO)、エラー検出部47は、工具が正常と判断し、切削作業および切削力の監視を継続する。
|Ri_1−Ri|が閾値Sよりも大きくなった場合(S62のYES)、エラー検出部47は、工具に異常が生じた判断する(S72)。この場合、エラー検出部47は、停止信号およびエラー信号をそれぞれ軌道生成部44およびHMI40へ送信する。これにより、軌道生成部44は、位置指令の更新を停止し、HMI40は、エラーをディスプレイに表示する(S81)。
このように、第3実施形態によるNC装置4は、第2成分を用いて第1刃の加工力に対する他の刃の加工力の比率R1〜R3を演算する。そして、NC装置4は、加工開始当初における比率R1〜R3と加工開始後の比率R1_1〜R3_3との差の絶対値が閾値S以上になったときに、工具に異常が生じたと判断する。これにより、第3実施形態によるNC装置4は、工具の各刃の細かい欠損や摩耗を精度良く検出することができる。
第3実施形態は、第1実施形態および/または第2実施形態と組み合わせてもよい。
本実施形態による工作機械における異常検知方法の少なくとも一部は、ハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアで構成してもよい。ソフトウェアで構成する場合には、異常検知方法の少なくとも一部の機能を実現するプログラムをフレキシブルディスクやCD−ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。また、異常検知方法の少なくとも一部の機能を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布してもよい。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布してもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
14 モータ、2 駆動機構、4 NC装置、40 入力表示部、40 HMI、41 プログラム供給部、42 プログラム解析部、44 軌道生成部、45 切削力推定部、46 メモリ、47 エラー検出部

Claims (4)

  1. ワークまたは工具を移動させる制御対象を駆動する駆動機構と、
    前記駆動機構を動作させるモータと、
    前記制御対象の位置を検出する第1位置センサと、
    前記モータの位置を検出する第2位置センサと、
    前記モータへの供給電流を制御する電流制御部と、
    前記供給電流を決定するトルク指令を前記電流制御部へ出力するサーボ制御部と、
    前記第1位置センサから得た前記制御対象の位置情報と前記第2位置センサから得た前記モータの位置情報と前記トルク指令とに基づいて、前記制御対象の前記ワークに対する加工力を算出し、前記加工力のうち所定の周波数以上の第2成分の絶対値に基づいて前記工具に異常が生じたと判断する数値制御部と、を備え
    前記工具は、前記ワークを切削する複数の刃を有し、
    前記駆動機構は、前記工具を回転させながら前記ワークを切削し、
    前記数値制御部は、前記第2成分を用いて前記複数の刃のうち第1刃の加工力に対する他の刃の加工力の比率を演算し、加工開始当初における前記他の刃の比率と加工開始後の前記他の刃の比率との差の絶対値が第3閾値以上になったときに、前記工具に異常が生じたと判断する、工作機械。
  2. 前記数値制御部は、ローパスフィルタ機能またはローパスフィルタ回路を備え、
    前記所定の周波数は、前記ローパスフィルタ機能またはローパスフィルタ回路のカットオフ周波数である、請求項1に記載の工作機械。
  3. ワークまたは工具を移動させる制御対象を駆動する駆動機構と、前記駆動機構を動作させるモータと、前記モータへの供給電流を制御する電流制御部と、前記供給電流を決定するトルク指令を前記電流制御部へ出力するサーボ制御部と、前記サーボ制御部を制御する数値制御部とを備えた工作機械の制御方法であって、
    前記数値制御部は、前記モータの位置情報と前記制御対象の位置情報と前記トルク指令とに基づいて、前記工具の前記ワークに対する加工力を算出し、
    前記数値制御部は、前記加工力のうち前記所定の周波数以上の第2成分の絶対値に基づいて、前記工具の複数の刃のうち第1刃の加工力に対する他の刃の加工力の比率を演算し、加工開始当初における前記他の刃の比率と加工開始後の前記他の刃の比率との差の絶対値が第3閾値以上になったときに、前記工具に異常が生じたと判断する、ことを具備する工作機械の制御方法。
  4. 前記数値制御部は、ローパスフィルタ機能またはローパスフィルタ回路を備え、
    前記所定の周波数は、前記ローパスフィルタ機能またはローパスフィルタ回路のカットオフ周波数である、請求項3に記載の工作機械の制御方法。
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