JP6869947B2 - 置換キナゾリン化合物ならびにそのg12c変異kras、hrasおよび/またはnrasタンパク質の阻害剤としての使用 - Google Patents

置換キナゾリン化合物ならびにそのg12c変異kras、hrasおよび/またはnrasタンパク質の阻害剤としての使用 Download PDF

Info

Publication number
JP6869947B2
JP6869947B2 JP2018502355A JP2018502355A JP6869947B2 JP 6869947 B2 JP6869947 B2 JP 6869947B2 JP 2018502355 A JP2018502355 A JP 2018502355A JP 2018502355 A JP2018502355 A JP 2018502355A JP 6869947 B2 JP6869947 B2 JP 6869947B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alkyl
compound according
aminyl
compound
cancer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018502355A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018520195A (ja
JP2018520195A5 (ja
Inventor
リアンシェン リー,
リアンシェン リー,
フェン, ジュン
ジュン フェン,
ユン オリバー ロング,
ユン オリバー ロング,
ユアン リウ,
ユアン リウ,
タオ ウー,
タオ ウー,
ピンダ レン,
ピンダ レン,
イー リウ,
イー リウ,
Original Assignee
アラクセス ファーマ エルエルシー
アラクセス ファーマ エルエルシー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from JOP/2016/0150A external-priority patent/JOP20160150B1/ar
Application filed by アラクセス ファーマ エルエルシー, アラクセス ファーマ エルエルシー filed Critical アラクセス ファーマ エルエルシー
Publication of JP2018520195A publication Critical patent/JP2018520195A/ja
Publication of JP2018520195A5 publication Critical patent/JP2018520195A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6869947B2 publication Critical patent/JP6869947B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D215/00Heterocyclic compounds containing quinoline or hydrogenated quinoline ring systems
    • C07D215/02Heterocyclic compounds containing quinoline or hydrogenated quinoline ring systems having no bond between the ring nitrogen atom and a non-ring member or having only hydrogen atoms or carbon atoms directly attached to the ring nitrogen atom
    • C07D215/16Heterocyclic compounds containing quinoline or hydrogenated quinoline ring systems having no bond between the ring nitrogen atom and a non-ring member or having only hydrogen atoms or carbon atoms directly attached to the ring nitrogen atom with hetero atoms or with carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. ester or nitrile radicals, directly attached to ring carbon atoms
    • C07D215/38Nitrogen atoms
    • C07D215/42Nitrogen atoms attached in position 4
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • A61P35/04Antineoplastic agents specific for metastasis
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D239/00Heterocyclic compounds containing 1,3-diazine or hydrogenated 1,3-diazine rings
    • C07D239/70Heterocyclic compounds containing 1,3-diazine or hydrogenated 1,3-diazine rings condensed with carbocyclic rings or ring systems
    • C07D239/72Quinazolines; Hydrogenated quinazolines
    • C07D239/86Quinazolines; Hydrogenated quinazolines with hetero atoms directly attached in position 4
    • C07D239/88Oxygen atoms
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D401/00Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, at least one ring being a six-membered ring with only one nitrogen atom
    • C07D401/02Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, at least one ring being a six-membered ring with only one nitrogen atom containing two hetero rings
    • C07D401/04Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, at least one ring being a six-membered ring with only one nitrogen atom containing two hetero rings directly linked by a ring-member-to-ring-member bond
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D403/00Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by group C07D401/00
    • C07D403/02Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by group C07D401/00 containing two hetero rings
    • C07D403/04Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by group C07D401/00 containing two hetero rings directly linked by a ring-member-to-ring-member bond
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D403/00Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by group C07D401/00
    • C07D403/14Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by group C07D401/00 containing three or more hetero rings

Description

背景
技術分野
本発明は、一般に、例えば、がんの処置のための新規の化合物ならびに治療薬または予防薬としてのその調製方法および使用方法に関する。
関連技術の説明
RASは、原形質膜と会合し、GDPまたはGTPのいずれかと結合する、189個のアミノ酸(分子質量21kDa)の密接に関連した単量体球状タンパク質群を表す。RASは分子スイッチとして作用する。RASが結合したGDPを有する場合は、休止状態またはオフ側にあり、「不活性」である。一定の成長促進刺激に対する細胞の曝露に応答して、RASは、結合したGDPをGTPと交換するように誘導される。GTP結合により、RASは「スイッチオン」し、他のタンパク質(その「下流標的」)と相互作用し、活性化することができる。RASタンパク質自体はGTPを加水分解してGDPに戻し、それによってRAS自体をオフ状態にする内因性の能力は非常に低い。RASのスイッチオフには、RASと相互作用してGTPのGDPへの変換を非常に促進するGTPアーゼ活性化タンパク質(GAP)と呼ばれる外因性タンパク質が必要である。GAPと相互作用するかGTPを変換してGDPに戻す能力に影響をおよぼすRASの任意の変異により、そのタンパク質の活性化が延長され、その結果細胞に成長および***を継続するように指示するシグナルが延長される。これらのシグナルによって細胞が成長および***するので、過度に活動的なRASシグナル伝達は、最終的にがんを引き起こし得る。
構造的に、RASタンパク質は、RASの酵素活性(グアニンヌクレオチド結合および加水分解(GTPアーゼ反応))を担うGドメインを含む。RASタンパク質はまた、CAAXボックスとして公知のC末端伸長領域を含み、このCAAXボックスは翻訳後修飾することができ、RASタンパク質の膜へのターゲティングを担う。Gドメインは、サイズがおよそ21〜25kDaであり、リン酸結合ループ(P−loop)を含む。P−loopは、RASタンパク質中のヌクレオチドが結合するポケットを示し、ヌクレオチド結合および加水分解に不可欠な保存アミノ酸残基(グリシン12、トレオニン26、およびリジン16)を有する上記ドメインの固定部分である。Gドメインはまた、いわゆるスイッチI領域(残基30〜40)およびスイッチII領域(残基60〜76)を含み、これらの領域は共に休止状態と負荷状態とをスイッチする能力のためにしばしば「スプリング負荷」機構と表されるタンパク質の動的部分である。重要な相互作用は、スイッチ1領域およびスイッチ2領域をそれぞれその活性な高次構造に維持する、トレオニン−35およびグリシン−60とGTPのγ−リン酸とによって形成される水素結合である。GTPの加水分解およびリン酸の放出後、これら2つは不活性なGDP高次構造に弛緩される。
RASサブファミリーの最も顕著なメンバーは、主に多くのがん型に関与するHRAS、KRAS、およびNRASである。しかし、多数の他のメンバー(DIRAS1;DIRAS2;DIRAS3;ERAS;GEM;MRAS;NKIRAS1;NKIRAS2;NRAS;RALA;RALB;RAP1A;RAP1B;RAP2A;RAP2B;RAP2C;RASD1;RASD2;RASL10A;RASL10B;RASL11A;RASL11B;RASL12;REM1;REM2;RERG;RERGL;RRAD;RRASおよびRRAS2が含まれる)が存在する。
RAS遺伝子の3つの主なイソ型(HRAS、NRAS、またはKRAS)のうちのいずれか1つの変異は、ヒト腫瘍発生において最も一般的な事象である。全ヒト腫瘍の約30%が、いくらかのRAS遺伝子変異を保有することが見出されている。意外なことに、KRAS変異は25〜30%の腫瘍で検出される。比較すると、NRASおよびHRASファミリーメンバーで生じる発がん性変異の割合ははるかに低い(それぞれ、8%および3%)。最も一般的なKRAS変異は、P−loop中の残基G12およびG13ならびに残基Q61で見出される。
G12Cは、KRAS遺伝子の頻繁な変異である(グリシン−12からシステインへの変異)。この変異は、約13%のがん、約43%の肺がん、およびほぼ100%のMYH関連ポリポーシス(家族性結腸がん症候群)で見出されている。しかし、小分子を使用したこの遺伝子のターゲティングは困難である。
したがって、この分野は進歩しているが、例えば、KRAS、HRAS、またはNRASの阻害によるがん処置のための化合物および方法の改良が当該分野で依然として必要とされている。本発明は、この要求を満たし、さらに関連する利点を提供する。
概要
簡潔に述べれば、本発明は、G12C変異体KRAS、HRAS、および/またはNRASタンパク質を調整することができる化合物(その立体異性体、薬学的に許容され得る塩、互変異性体、およびプロドラッグが含まれる)を提供する。いくつかの例では、本化合物は、KRAS、HRAS、またはNRAS G12C変異体タンパク質の12位でシステイン残基と共有結合を形成することができる求電子剤として作用する。がんなどの種々の疾患または状態の処置のためのかかる化合物の使用方法も提供する。
1つの実施形態では、以下の構造(I):
Figure 0006869947
(式中、R、R、R2a、R2b、R2c、A、B、L、およびEは本明細書中に定義の通りである)を有する化合物またはその薬学的に許容され得る塩、立体異性体、もしくはプロドラッグを提供する。構造(I)の1つまたはそれよりも多くの化合物および薬学的に許容され得るキャリアを含む薬学的組成物も種々の他の実施形態で提供する。
他の実施形態では、本発明は、がんの処置方法であって、有効量の構造(I)の化合物のいずれか1つまたはそれよりも多くを含む薬学的組成物を必要とする被験体に投与する工程を含む、方法を提供する。
他の提供した方法は、KRAS、HRAS、またはNRAS G12C変異体タンパク質の活性を調節する方法であって、KRAS、HRAS、またはNRAS G12C変異体タンパク質を構造(I)の化合物のうちのいずれか1つと反応させる工程を含む、方法を含む。他の実施形態では、細胞集団の増殖を阻害する方法であって、細胞集団を構造(I)の化合物のうちのいずれか1つと接触させる工程を含む、方法も提供する。
他の実施形態では、本発明は、KRAS、HRAS、またはNRASのG12C変異によって媒介される障害の処置を必要とする被験体において該処置を行う方法であって、
被験体がKRAS、HRAS、またはNRASのG12C変異を有するかどうかを決定する工程;および
被験体がKRAS、HRAS、またはNRASのG12C変異を有すると決定された場合、被験体に治療有効量の1つまたはそれよりも多くの構造(I)の化合物を含む薬学的組成物を投与する工程を含む、方法に関する。
なおさらなる実施形態では、本発明は、標識されたKRAS、HRAS、またはNRAS G12C変異体タンパク質を調製する方法であって、KRAS、HRAS、またはNRAS G12C変異体を構造(I)の化合物と反応させて標識されたKRAS、HRAS、またはNRAS G12Cタンパク質を得る工程を含む、方法に関する。
本発明のこれらおよび他の態様は、以下の詳細な説明を参照すると明らかになるであろう。
図面では、同一の参照符号は類似の要素を示す。図中の要素のサイズおよび相対的位置は、必ずしも一定の比率の縮尺で描写しておらず、これらの要素のうちのいくつかは、図面の視認性を改善するために任意に拡大し、配置している。さらに、描写した要素の特定の形状は、特定の要素の実際の形状に関する任意の情報を伝達することを意図しておらず、専ら図面の認識を容易にするために選択している。
図1は、RASの酵素活性を示す。
図2は、RASのシグナル伝達経路を示す。
図3は、いくつかの一般的ながん遺伝子、その各腫瘍型、および累積変異頻度(全腫瘍)を示す。
詳細な説明
以下の説明では、本発明の種々の実施形態の完全な理解を得るために特定の具体的な細目が示される。しかし、当業者は、本発明をこれらの細目を用いることなく実施することができると理解するであろう。
文脈上他の意味に解すべき場合を除き、本明細書および特許請求の範囲を通して、用語「含む(comprise)」およびその変形形態(「含む(comprises)」および「含む(comprising)」など)は、オープンエンド型、すなわち、「〜が含まれるが、これらに限定されない」のような包含の意味と解釈すべきである。
本明細書を通して、「一実施形態(one embodiment)」または「ある実施形態(an embodiment)」への参照は、実施形態と併せて記載した特定の特性、構造、または特徴が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通した種々の箇所において認められる句「一実施形態において(in one embodiment)」または「ある実施形態において(in an embodiment)」は、全てが必ずしも同一の実施形態について言及していない。さらに、特定の特性、構造、または特徴を、任意の適切な様式で1つまたはそれよりも多くの実施形態中で組み合わせることができる。
他で定義しない限り、本明細書中で使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する当業者によって一般的に理解されているものと同じ意味を有する。文脈上そうでないと明確に示されない限り、本明細書および特許請求の範囲中で使用する場合、単数形「a」、「an」、および「the」には、複数の参照が含まれる。
「アミノ」は、−NHラジカルをいう。
「カルボキシ」または「カルボキシル」は、−COHラジカルをいう。
「シアノ」は、−CNラジカルをいう。
「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」は、−OHラジカルをいう。
「イミノ」は、=NH置換基をいう。
「ニトロ」は、−NOラジカルをいう。
「オキソ」は、=O置換基をいう。
「チオキソ」は、=S置換基をいう。
「アルキル」は、炭素原子および水素原子のみからなり、飽和または不飽和であり(すなわち、1つまたはそれよりも多くの二重結合および/または三重結合を含む)、1〜12個の炭素原子(C〜C12アルキル)、好ましくは1〜8個の炭素原子(C〜Cアルキル)、または1〜6個の炭素原子(C〜Cアルキル)を有し、単結合によって分子の残部に結合する直鎖または分岐鎖の炭化水素鎖ラジカルをいう(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、1−メチルエチル(イソ−プロピル)、n−ブチル、n−ペンチル、1,1−ジメチルエチル(t−ブチル)、3−メチルヘキシル、2−メチルヘキシル、エテニル、プロパ−1−エニル、ブタ−1−エニル、ペンタ−1−エニル、ペンタ−1,4−ジエニル、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、およびヘキシニルなど)。いくつかの実施形態では、アルキルは、飽和である。他の実施形態では、アルキルは、不飽和であり、ゆえに、アルケニル(1つまたはそれよりも多くの炭素−炭素二重結合)および/またはアルキニル(1つまたはそれよりも多くの炭素−炭素三重結合、例えば、エチニルなど)を含む。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、アルキル基は、任意選択的に置換される。
「アルキレン」または「アルキレン鎖」は、炭素および水素のみからなり、飽和または不飽和であり(すなわち、1つまたはそれよりも多くの二重結合および/または三重結合を含む)、1〜12個の炭素原子を有する、分子の残部をラジカル基に連結する直鎖または分岐鎖の2価の炭化水素鎖をいう(例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、n−ブチレン、エテニレン、プロペニレン、n−ブテニレン、プロピニレン、およびn−ブチニレンなど)。アルキレン鎖は、単結合または二重結合を介して分子の残部に結合し、単結合または二重結合を介してラジカル基に結合する。分子の残部およびラジカル基へのアルキレン鎖の結合点は、鎖内の1つの炭素または任意の2つの炭素を介し得る。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、アルキレン鎖は任意選択的に置換される。
「アルコキシ」は、式−OR(式中、Rは、1〜12個の炭素原子を含む上記定義のアルキルラジカルである)のラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、アルコキシ基は、任意選択的に置換される。
「アルコキシアルキル」は、式−ROR(式中、Rは1〜12個の炭素原子を含む上記定義のアルキルラジカルであり、Rbは1〜12個の炭素原子を含む上記定義のアルキレンラジカルである)のラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、アルコキシアルキル基は任意選択的に置換される。
「アルコキシカルボニル」は、式−C(=O)OR(式中、Rは1〜12個の炭素原子を含む上記定義のアルキルラジカルである)のラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、アルコキシカルボニル基は任意選択的に置換される。
「アルキルアミニル」は、式−NHRまたは−NR(式中、各Rは、独立して、1〜12個の炭素原子を含む上記定義のアルキルラジカルである)のラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、アルキルアミニル基は、任意選択的に置換される。
「アミニルアルキル」は、少なくとも1つのアミニル置換基(−NR(式中、RおよびRは、それぞれ独立して、HまたはC〜Cアルキルである))を含むアルキル基をいう。アミニル置換基は、第三級炭素、第二級炭素、または第一級炭素上に存在し得る。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、アミニルアルキル基は任意選択的に置換される。
「アミニルアルキルアミニル」は、式−NR(式中、RはHまたはC〜Cアルキルであり、Rはアミニルアルキルである)のラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、アミニルアルキルアミニル基は任意選択的に置換される。
「アミニルアルコキシ」は、式−ORNH(式中、Rはアルキレンである)のラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、アミニルアルコキシ基は任意選択的に置換される。
「アルキルアミニルアルコキシ」は、式−ORNR(式中、Rはアルキレンであり、RおよびRは、それぞれ独立して、HまたはC〜Cアルキルであり、但し、RまたはRのうちの1つはC〜Cアルキルであることを条件とする)のラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、アルキルアミニルアルコキシ基は任意選択的に置換される。
「アルキルカルボニルアミニル」は、式−NH(C=O)R(式中、Rは1〜12個の炭素原子を含む上記定義のアルキルラジカルである)のラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、アルキルカルボニルアミニル基は任意選択的に置換される。アルケニルカルボニルアミニルは、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含むアルキルカルボニルアミニルである。アルケニルカルボニルアミニル基は任意選択的に置換される。
「アルキルカルボニルアミニルアルコキシ」は、式−ORNH(C=O)R(式中、Rは1〜12個の炭素原子を含む上記定義のアルキルラジカルであり、Rはアルキレンである)のラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、アルキルカルボニルアミニルアルコキシ基は任意選択的に置換される。
「アミニルカルボニルアルキル」は、式−RC(=O)NR(式中、RおよびRは、それぞれ独立して、Hまたはアルキルであり、Rはアルキレンである)のラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、アミニルカルボニルアルキル基は任意選択的に置換される。
「アリール」は、水素、6〜18個の炭素原子、および少なくとも1つの芳香環を含む炭素環式環系ラジカルをいう。本発明の目的のために、アリールラジカルは、単環式環系、二環式環系、三環式環系、または四環式環系であり、この環系は縮合環系または架橋環系を含むことができる。アリールラジカルには、アセアントリレン、アセナフチレン、アセフェナントリレン、アントラセン、アズレン、ベンゼン、クリセン、フルオランテン、フルオレン、as−インダセン、s−インダセン、インダン、インデン、ナフタレン、フェナレン、フェナントレン、プレイアデン、ピレン、およびトリフェニレン由来のアリールラジカルが含まれるが、これらに限定されない。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、用語「アリール」または接頭辞「ar−」(「アラルキル」などの場合)は、任意選択的に置換されたアリールラジカルを含むことを意味する。
「アラルキル」は、式−R−R(式中、Rは上記定義のアルキレン鎖であり、Rは1つまたはそれよりも多くの上記定義のアリールラジカル(例えば、ベンジルおよびジフェニルメチルなど)である)のラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、アラルキル基は任意選択的に置換される。
「カルボキシアルキル」は、式−R−R(式中、Rは上記定義のアルキレン鎖であり、Rは上記定義のカルボキシル基である)のラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、カルボキシアルキル基は任意選択的に置換される。
「シアノアルキル」は、式−R−R(式中、Rは上記定義のアルキレン鎖であり、Rは上記定義のシアノ基である)のラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、シアノアルキル基は任意選択的に置換される。
「炭素環式」または「炭素環」は、各環原子が炭素である環系をいう。
「シクロアルキル」は、炭素原子および水素原子のみからなり、縮合環系または架橋環系を含むことができ、3〜15個の炭素原子を有し、好ましくは3〜10個の炭素原子を有し、飽和または不飽和であり、単結合によって分子の残部に結合する安定な非芳香族の単環式または多環式の炭素環式ラジカルをいう。単環式ラジカルには、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルが含まれる。多環式ラジカルには、例えば、アダマンチル、ノルボルニル、デカリニル、7,7−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタニルなどが含まれる。「シクロアルキレン」は、典型的には分子の一部分を別の部分に接続する二価のシクロアルキルである。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、シクロアルキル(またはシクロアルキレン)基は、任意選択的に置換される。
「シクロアルキルアルキル」は、式−R(式中、Rは上記定義のアルキレン鎖であり、Rは上記定義のシクロアルキルラジカルである)のラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、シクロアルキルアルキル基は任意選択的に置換される。
「シクロアルキルアミニル」は、式−NR(式中、Rは、Hまたはアルキルであり、Rは、シクロアルキルである)のラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、ヘテロシクリルアルコキシ基は、任意選択的に置換される。
「縮合」は、本発明の化合物中の既存の環構造に縮合した本明細書中に記載の任意の環構造をいう。融合環がヘテロシクリル環またはヘテロアリール環である場合、縮合ヘテロシクリル環または縮合ヘテロアリール環の一部となる既存の環構造上の任意の炭素原子が窒素原子で置換される。
「ハロ」または「ハロゲン」は、ブロモ、クロロ、フルオロ、またはヨードをいう。
「ハロアルキル」は、1つまたはそれよりも多くの上記定義のハロラジカルによって置換された上記定義のアルキルラジカルをいう(例えば、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリクロロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、1,2−ジフルオロエチル、3−ブロモ−2−フルオロプロピル、および1,2−ジブロモエチルなど)。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、ハロアルキル基は任意選択的に置換される。
「ヘテロシクリル」または「複素環式環」は、1〜12個の環炭素原子(例えば、2〜12個)ならびに窒素、酸素および硫黄からなる群より選択される1〜6個の環ヘテロ原子を有する安定な3〜18員の非芳香環ラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、ヘテロシクリルラジカルは、単環式環系、二環式環系、三環式環系、または四環式環系であり、この環系は縮合環系、スピロ環系(「スピロ−ヘテロシクリル」)、および/または架橋環系を含むことができ;ヘテロシクリルラジカル中の窒素原子、炭素原子、または硫黄原子は任意選択的に酸化され;窒素原子は任意選択的に四級化され;ヘテロシクリルラジカルは部分的にまたは完全に飽和している。かかるヘテロシクリルラジカルの例には、ジオキソラニル、チエニル[1,3]ジチアニル、デカヒドロイソキノリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4−ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、キヌクリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロフリル、トリチアニル、テトラヒドロピラニル、チオモルホリニル、チアモルホリニル、1−オキソ−チオモルホリニル、および1,1−ジオキソ−チオモルホリニルが含まれるが、これらに限定されない。「ヘテロシクリレン」は、典型的には分子の一部分を別の部分に接続する二価のヘテロシクリル基をいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、ヘテロシクリルおよび/またはヘテロシクリレン基は、任意選択的に置換される。
「N−ヘテロシクリル」は、少なくとも1つの窒素を含み、ヘテロシクリルラジカルの分子の残部への結合点がヘテロシクリルラジカル中の窒素原子を介する上記定義のヘテロシクリルラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、N−ヘテロシクリル基は任意選択的に置換される。
「ヘテロシクリルアルキル」は、式−R(式中、Rは上記定義のアルキレン鎖であり、Rは上記定義のヘテロシクリルラジカルであり、ヘテロシクリルが窒素含有ヘテロシクリルである場合、ヘテロシクリルの窒素原子がアルキルラジカルに任意選択的に結合する)のラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、ヘテロシクリルアルキル基は任意選択的に置換される。
「ヘテロシクリルアルコキシ」は、式−OR(式中、Rは、アルキレンであり、Rは、ヘテロシクリルである)のラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、ヘテロシクリルアルコキシ基は、任意選択的に置換される。
「ヘテロシクリルアミニル」は、式−NR(式中、Rは、Hまたはアルキルであり、Rは、ヘテロシクリルである)のラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、ヘテロシクリルアルコキシ基は、任意選択的に置換される。
「ヘテロアリール」は、水素原子、1〜13個の環炭素原子、1〜6個の窒素、酸素、および硫黄からなる群から選択される環ヘテロ原子、および少なくとも1つの芳香環を含む5〜14員の環系ラジカルをいう。本発明の目的のために、ヘテロアリールラジカルは、単環式環系、二環式環系、三環式環系、または四環式環系であってよく、この環系は縮合環系または架橋環系を含むことができ;ヘテロアリールラジカル中の窒素原子、炭素原子、または硫黄原子は任意選択的に酸化されていてよく;窒素原子は任意選択的に四級化されていてよい。例には、アゼピニル、アクリジニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズインドリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾ[b][1,4]ジオキセピニル、1,4−ベンゾジオキサニル、ベンゾナフトフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキシニル、ベンゾピラニル、ベンゾピラノニル、ベンゾフラニル、ベンゾフラノニル、ベンゾチエニル(ベンゾチオフェニル)、ベンゾトリアゾリル、ベンゾ[4,6]イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、カルバゾリル、シンノリニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、フラニル、フラノニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、インダゾリル、インドリル、インダゾリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、イソキノリル、インドリジニル、イソオキサゾリル、ナフチリジニル、オキサジアゾリル、2−オキソアゼピニル、オキサゾリル、オキシラニル、1−オキシドピリジニル、1−オキシドピリミジニル、1−オキシドピラジニル、1−オキシドピリダジニル、1−フェニル−1H−ピロリル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピロリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、キノリニル、キヌクリジニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニル、およびチオフェニル(すなわち、チエニル)が含まれるが、これらに限定されない。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、ヘテロアリールは、任意選択的に置換される。
「N−ヘテロアリール」は、少なくとも1つの窒素を含み、ヘテロアリールラジカルの分子の残部への結合点がヘテロアリールラジカル中の窒素原子を介する上記定義のヘテロアリールラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、N−ヘテロアリール基は任意選択的に置換される。
「ヘテロアリールアルキル」は、式−R(式中、Rは上記定義のアルキレン鎖であり、Rは上記定義のヘテロアリールラジカルである)のラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、ヘテロアリールアルキル基は任意選択的に置換される。
「ヒドロキシルアルキル」は、少なくとも1つのヒドロキシル置換基を含むアルキル基をいう。その−OH置換基は、第一級炭素、第二級炭素、または第三級炭素上に存在し得る。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、ヒドロキシルアルキル基は、任意選択的に置換される。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、ヒドロキシルアルキル基は、任意選択的に置換される。
「ホスフェート」は、−OP(=O)(R)R基(式中、Rは、OH、O、またはORであり、Rは、OH、O、OR、またはさらなるホスフェート基(例えば、ジホスフェートまたはトリホスフェートを形成する)であり、Rは、対イオン(例えば、Na+など)である)をいう。
「ホスホアルコキシ」は、本明細書中に定義の少なくとも1つのホスフェート基で置換された本明細書中に定義のアルコキシ基をいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、ホスホアルコキシ基は、任意選択的に置換される。
「チオアルキル」は、式−SR(式中、Rは1〜12個の炭素原子を含む上記定義のアルキルラジカルである)のラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、チオアルキル基は任意選択的に置換され得る。
本明細書中で使用される用語「置換」は、少なくとも1つの水素原子(例えば、1つ、2つ、3つ、または全ての水素原子)が非水素原子(ハロゲン原子(F、Cl、Br、およびIなど);基(ヒドロキシル基、アルコキシ基、およびエステル基など)中の酸素原子;基(チオール基、チオアルキル基、スルホン基、スルホニル基、およびスルホキシド基など)中の硫黄原子;基(アミン、アミド、アルキルアミン、ジアルキルアミン、アリールアミン、アルキルアリールアミン、ジアリールアミン、N−オキシド、イミド、およびエナミンなど)中の窒素原子;基(トリアルキルシリル基、ジアルキルアリールシリル基、アルキルジアリールシリル基、およびトリアリールシリル基など)中のケイ素原子;および種々の他の基中の他のヘテロ原子などであるが、これらに限定されない)への結合によって置き換えられる、上記の任意の基(例えば、アルキル、アルキレン、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アミニルアルキル、アミニルアルキルアミニル、アミニルアルコキシ、アルキルアミニルアルコキシ、アルキルアミニル、アルキルカルボニルアミニル、アルキルカルボニルアミニルアルコキシ、アミニルカルボニルアルキル、チオアルキル、アリール、アラルキル、カルボキシアルキル、シアノアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ヘテロシクリル、N−ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミニル、N−ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、N−ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ホスホアルコキシ、および/またはヒドロキシルアルキル)を意味する。「置換」はまた、1つまたはそれよりも多くの水素原子がヘテロ原子(オキソ基、カルボニル基、カルボキシル基、およびエステル基中の酸素;および基(イミン基、オキシム基、ヒドラゾン基、およびニトリル基など)中の窒素など)へのより高次の結合(例えば、二重結合または三重結合)によって置き換えられる上記の任意の基を意味する。例えば、「置換」には、1つまたはそれよりも多くの水素原子が、−NR、−NRC(=O)R、−NRC(=O)NR、−NRC(=O)OR、−NRSO、−OC(=O)NR、−OR、−SR、−SOR、−SO、−OSO、−SOOR、=NSO、および−SONRで置き換えられる上記の任意の基が含まれる。「置換」はまた、1つまたはそれよりも多くの水素原子が−C(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)NR、−CHSO、−CHSONRで置き換えられる上記の任意の基を意味する。前述では、RおよびRは、同一または異なり、独立して、水素、アルキル、アルコキシ、アルキルアミニル、チオアルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ヘテロシクリル、N−ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、N−ヘテロアリール、および/またはヘテロアリールアルキルである。「置換」は、さらに、1つまたはそれよりも多くの水素原子がアミニル基、シアノ基、ヒドロキシル基、イミノ基、ニトロ基、オキソ基、チオキソ基、ハロ基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルアミニル基、チオアルキル基、アリール基、アラルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、ハロアルキル基、ヘテロシクリル基、N−ヘテロシクリル基、ヘテロシクリルアルキル基、ヘテロアリール基、N−ヘテロアリール基、および/またはヘテロアリールアルキル基への結合によって置き換えられる上記の任意の基を意味する。さらに、前述の置換基の各々を、1つまたはそれよりも多くの上記置換基で任意選択的に置換することもできる。
「求電子剤」または「求電子部分」は、求核剤(例えば、孤立電子対、負電荷、部分的負電荷、および/または過剰な電子を有する部分、例えば、−SH基)と反応することができる任意の部分である。求電子剤は、典型的には、電子不足であるか、電子不足の原子を含む。一定の実施形態では、求電子剤は、正電荷または部分的正電荷を含むか、正電荷または部分的正電荷を含む共鳴構造を有するか、電子の非局在化または分極により1つまたはそれよりも多くの正電荷または部分的正電荷を含む原子が得られる部分である。いくつかの実施形態では、求電子剤は、共役二重結合を含む(例えば、α,β−不飽和カルボニル化合物またはα,β−不飽和チオカルボニル化合物)。
用語「有効量」または「治療有効量」は、意図する適用(以下に定義の疾患処置が含まれるが、これらに限定されない)を達成するのに十分な本明細書中に記載の化合物の量をいう。治療有効量は、意図する処置への適用(in vivo)、または処置される被験体および病状(例えば、被験体の体重および年齢、病状の重症度、および投与様式など)に応じて変動してよく、当業者によって容易に決定することができる。本用語は、標的細胞における特定の応答(例えば、血小板接着および/または細胞遊走の低下)を誘導する用量にも適用する。特定の用量は、選択した特定の化合物、従うべき投与レジメン、他の化合物と組み合わせて投与するかどうか、投与のタイミング、投与される組織、および保有される物理的送達系に応じて変動する。
本明細書中で使用する場合、「処置(treatment)」または「処置する(treating)」は、疾患、障害、または病状に関して有利または望ましい結果(治療的利点および/または予防的利点が含まれるが、これらに限定されない)を得るためのアプローチをいう。治療的利点は、処置される基礎障害の根絶または改善を意味する。また、治療的利点は、被験体が依然として基礎障害を罹患し得るにもかかわらず、被験体において改善が認められるように基礎障害に関連する1つまたはそれよりも多くの生理学的症状の根絶または改善をもって達成される。一定の実施形態では、予防的利点について、組成物を、疾患が診断されていないかもしれない場合でさえ、特定の疾患を発症するリスクのある被験体または疾患の1つまたはそれよりも多くの生理学的症状が報告されている被験体に投与する。
「治療効果」は、本用語を本明細書中で使用する場合、上記の治療的利点および/または予防的利点を含む。予防効果には、疾患もしくは状態の出現の遅延もしくは除去、疾患もしくは状態の症状の発生の遅延もしくは除去、疾患もしくは状態の進行の遅延、停止、もしくは逆転、またはその任意の組み合わせが含まれる。
用語「共投与」、「〜と組み合わせた投与」、およびその文法上の等価物は、本明細書中で使用する場合、2つまたはそれよりも多くの薬剤の動物(ヒトが含まれる)への投与であって、両方の薬剤および/またはそれらの代謝産物が同時に被験体内に存在する、投与を含む。共投与には、個別の組成物の共投与、個別の組成物の異なる時間の投与、または両薬剤が存在する組成物での投与が含まれる。
「薬学的に許容され得る塩」には、酸付加塩および塩基付加塩の両方が含まれる。
「薬学的に許容され得る酸付加塩」は、遊離塩基の生物学的有効性および性質が保持され、生物学的またはその他の点で望ましくないわけではなく、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、およびリン酸などであるが、これらに限定されない)および有機酸(例えば、酢酸、2,2−ジクロロ酢酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4−アセトアミド安息香酸、ショウノウ酸、カンファー10−スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、炭酸、桂皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタミン酸、グルタル酸、2−オキソ−グルタル酸、グリセロリン酸、グリコール酸、馬尿酸、イソ酪酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムチン酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、オレイン酸、オロチン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、プロピオン酸、ピログルタミン酸、ピルビン酸、サリチル酸、4−アミノサリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、酒石酸、チオシアン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、およびウンデシレン酸などであるが、これらに限定されない)を使用して形成される塩をいう。
「薬学的に許容され得る塩基付加塩」は、遊離酸の生物学的有効性および性質が保持され、生物学的またはその他の点で望ましくないわけではない塩をいう。これらの塩を、遊離酸への無機塩基または有機塩基の付加から調製する。無機塩基由来の塩には、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、マンガン塩、およびアルミニウム塩などが含まれるが、これらに限定されない。好ましい無機塩は、アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、およびマグネシウム塩である。有機塩基由来の塩には、第一級アミン、第二級アミン、および第三級アミン、置換アミン(天然に存在する置換アミンが含まれる)、環状アミン、および塩基性イオン交換樹脂(例えば、アンモニア、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、デアノール、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、ジシクロヘキシルアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、ベネタミン、ベンザチン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、N−エチルピペリジン、およびポリアミンの樹脂など)の塩が含まれるが、これらに限定されない。特に好ましい有機塩基は、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、コリン、およびカフェインである。
用語「アンタゴニスト」および「インヒビター」を互換的に使用し、これらの用語は、標的タンパク質(KRAS、HRAS、またはNRASのG12Cなど)の活性または発現の阻害によって標的タンパク質の生物学的機能を阻害する能力を有する化合物をいう。したがって、用語「アンタゴニスト」および「インヒビター」を、標的タンパク質の生物学的役割の文脈で定義する。本明細書中の好ましいアンタゴニストが標的と特異的に相互作用する(例えば、結合する)一方で、標的タンパク質がメンバーであるシグナル伝達経路の他のメンバーとの相互作用によって標的タンパク質の生物学的活性を阻害する化合物も本定義内に具体的に含まれる。アンタゴニストによって阻害される好ましい生物学的活性は、腫瘍の発生、成長、または拡大に関連する。
用語「アゴニスト」は、本明細書中で使用する場合、標的タンパク質の活性または発現の阻害によって標的タンパク質の生物学的機能を開始または増強する能力を有する化合物をいう。したがって、用語「アゴニスト」を、標的ポリペプチドの生物学的役割の文脈で定義する。本明細書中の好ましいアゴニストが標的と特異的に相互作用する(例えば、結合する)一方で、標的ポリペプチドがメンバーであるシグナル伝達経路の他のメンバーとの相互作用によって標的ポリペプチドの生物学的活性を開始または増強する化合物も本定義内に具体的に含まれる。
本明細書中で使用する場合、「薬剤」または「生物学的に活性な薬剤」は、生物学的、薬学的、または化学的な化合物または他の部分をいう。非限定的な例には、単純または複雑な有機分子または無機分子、ペプチド、タンパク質、オリゴヌクレオチド、抗体、抗体誘導体、抗体フラグメント、ビタミン誘導体、炭水化物、毒素、または化学療法化合物が含まれる。種々の化合物(例えば、小分子およびオリゴマー(例えば、オリゴペプチドおよびオリゴヌクレオチド)、および種々のコア構造に基づいた合成有機化合物)を合成することができる。さらに、種々の天然供給源(例えば、植物性または動物性の抽出物など)からスクリーニングのための化合物を得ることができる。
「シグナル伝達」は、細胞内応答を誘発するために刺激シグナルまたは阻害シグナルが細胞中または細胞内に伝達される過程である。シグナル伝達経路の調整因子は、同一の特異的シグナル伝達経路にマッピングされる1つまたはそれよりも多くの細胞タンパク質の活性を調整する化合物をいう。調整因子は、シグナル伝達分子の活性を増強する(アゴニスト)または抑制する(アンタゴニスト)ことができる。
「抗がん剤」、「抗腫瘍剤」、または「化学療法剤」は、新生物性状態の処置で有用な任意の薬剤をいう。1つの抗がん剤クラスは、化学療法薬を含む。「化学療法」は、種々の方法(静脈内、経口、筋肉内、腹腔内、嚢内、皮下、経皮、口内、もしくは吸入、または坐剤の形態が含まれる)によるがん患者への1つまたはそれよりも多くの化学療法薬および/または他の薬剤の投与を意味する。
用語「細胞増殖」は、***の結果として細胞数が変化した現象をいう。本用語はまた、増殖シグナルに一致して細胞の形態が変化した(例えば、サイズが増加した)細胞成長を含む。
用語「選択的阻害」または「選択的に阻害する」は、生物学的に活性な薬剤が、オフターゲットのシグナル伝達活性と比較して、標的との直接または間接的な相互作用を介して標的シグナル伝達活性を優先的に低下させるその薬剤の能力をいう。
「被験体」は、哺乳動物(例えば、ヒト)などの動物をいう。本明細書中に記載の方法は、ヒト治療および動物への応用の両方で有用であり得る。いくつかの実施形態では、被験体は哺乳動物であり、いくつかの実施形態では、被験体はヒトである。
「哺乳動物」には、ヒトならびに飼育動物(実験動物および愛玩動物(例えば、ネコ、イヌ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ウサギ)など)および非飼育動物(例えば、野生動物など)の両方が含まれる。
「放射線療法」は、当業者に公知の日常的な方法および組成物を使用して、被験体を放射線放出体(α粒子放出放射性核種(例えば、アクチニウム放射性核種およびトリウム放射性核種)、低線エネルギー付与(LET)放射線放出体(すなわち、β放出体)、転換電子放出体(例えば、ストロンチウム−89およびサマリウム−153−EDTMP)など)、または高エネルギー放射線(X線、γ線、および中性子が含まれるが、これらに限定されない)に暴露することを意味する。
「抗がん剤」、「抗腫瘍剤」、または「化学療法剤」は、新生物性状態の処置で有用な任意の薬剤をいう。1つの抗がん剤クラスは、化学療法剤を含む。「化学療法」は、1つまたはそれよりも多くの化学療法薬および/または他の薬剤を、種々の方法(静脈内、経口、筋肉内、腹腔内、嚢内、皮下、経皮、口内、または吸入、または坐剤の形態が含まれる)によってがん患者に投与することを意味する。
「プロドラッグ」は、生理学的条件下または加溶媒分解によって本明細書中に記載の生物学的に活性な化合物(例えば、構造(I)の化合物)に変換することができる化合物を示すことを意味する。したがって、用語「プロドラッグ」は、薬学的に許容され得る生物学的に活性な化合物の前駆体をいう。いくつかの態様では、プロドラッグは、被験体への投与時は不活性であるが、例えば、加水分解によってin vivoで活性な化合物に変換される。プロドラッグ化合物は、しばしば、哺乳動物において溶解性、組織適合性、または遅延放出といった利点を付与する(例えば、Bundgard,H.,Design of Prodrugs(1985),pp.7−9,21−24(Elsevier,Amsterdam)を参照のこと)。プロドラッグは、Higuchi,T.,ら,”Pro−drugs as Novel Delivery Systems,” A.C.S.Symposium Series,Vol.14およびBioreversible Carriers in Drug Design,ed.Edward B.Roche,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987(その両方が本明細書中で参考として完全に組み込まれる)で考察されている。用語「プロドラッグ」はまた、かかるプロドラッグを哺乳動物被験体に投与した場合にin vivoで活性化合物を放出する任意の共有結合したキャリアが含まれることを意味する。活性化合物のプロドラッグを、本明細書中に記載されるように、典型的には、日常的な操作またはin vivoのいずれかにて修飾を切断して親活性化合物となるような方法で活性化合物中に存在する官能基を修飾することによって調製する。プロドラッグには、ヒドロキシ基、アミノ基、またはメルカプト基を、活性化合物のプロドラッグを哺乳動物被験体に投与した場合にこれらの基が切断されて遊離ヒドロキシ基、遊離アミノ基、または遊離メルカプト基をそれぞれ形成する任意の基に結合した化合物が含まれる。プロドラッグの例には、ヒドロキシ官能基の酢酸誘導体、ギ酸誘導体、および安息香酸誘導体またはアミン官能基のアセトアミド誘導体、ホルムアミド誘導体、およびベンズアミド誘導体を含む活性化合物などが含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、プロドラッグには、ホスフェート置換基、ホスホアルコキシ置換基、エステル置換基、またはボロン酸エステル置換基を有する構造(I)の化合物が含まれる。理論に拘束されるものではないが、かかる置換基は、生理学的条件下においてヒドロキシル基に変換されると考えられている。したがって、実施形態は、ヒドロキシル基が、ホスフェート基、ホスホアルコキシ基、エステル基、またはボロン酸エステル基、例えば、ホスフェートまたはホスホアルコキシ基で置き換えられた、本明細書中に開示の任意の化合物を含む。例えば、いくつかの実施形態では、R部分上のヒドロキシル基は、ホスフェート基、ホスホアルコキシ基、エステル基、またはボロン酸エステル基、例えば、ホスフェート基またはアルコキシホスフェート基で置き換えられている。したがって、一定の実施形態の例示的なプロドラッグには、以下のR部分:
Figure 0006869947
(式中、各R’は、独立して、Hまたは任意選択の置換基であり、nは、1、2、3、または4である)のうちの1つを有する化合物が含まれる。
用語「in vivo」は、被験体の体内で起こる事象をいう。
本明細書中に開示の発明の実施形態はまた、1つまたはそれよりも多くの原子が異なる原子質量または質量数を有する原子で置き換えられることによって同位体標識された構造(I)の全ての薬学的に許容され得る化合物を含むことを意味する。開示の化合物中に組み込むことができる同位体の例には、水素、炭素、窒素、酸素、リン(phosphorous)、フッ素、塩素、およびヨウ素の同位体(それぞれ、H、H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、31P、32P、35S、18F、36Cl、123I、および125Iなど)が含まれる。これらの放射性標識された化合物は、例えば、作用部位もしくは作用様式、または薬理学的に重要な作用部位に対する結合親和性を特徴づけることによって化合物の有効性を決定または測定するのを補助するのに有用であり得る。一定の同位体標識した構造(I)の化合物(例えば、放射性同位体を組み込んだ化合物)は、薬物および/または基質の組織分布研究で有用である。放射性同位体であるトリチウム(すなわち、H)および炭素−14(すなわち、14C)は、その組み込みの容易さおよび検出の容易さの見地から、この目的に特に有用である。
重水素(すなわち、H)などのより重い同位体での置換は、より大きな代謝安定性に起因する一定の治療上の利点(例えば、in vivo半減期の増大または必要な投薬量の減少)を得ることができ、それ故、いくつかの状況下で好ましい。
陽電子放出同位体(11C、18F、15O、および13Nなど)での置換は、基質受容体占有率の試験のための陽電子放出断層撮影(Positron Emission Topography)(PET)研究で有用であり得る。同位体標識された構造(I)の化合物を、一般に、当業者に公知の従来技術または前に使用した非標識試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を使用した下記の調製および実施例に記載のプロセスに類似のプロセスによって調製することができる。
特定の実施形態はまた、開示の化合物のin vivo代謝産物を含むことを意味する。かかる代謝産物は、例えば、主に酵素過程による投与した化合物の酸化、還元、加水分解、アミド化、およびエステル化などに起因し得る。したがって、実施形態は、本発明の化合物をその代謝産物を生成するのに十分な期間にわたって哺乳動物に投与する工程を含む過程によって生成された化合物を含む。かかる生成物を、典型的には、検出可能な用量の本発明の放射性標識化合物を動物(ラット、マウス、モルモット、サル、またはヒトなど)に投与し、十分な時間代謝させ、その変換生成物を尿、血液、または他の生物サンプルから単離することによって同定する。
「安定な化合物」および「安定な構造」は、反応混合物からの有用な純度への単離および有効な治療薬への製剤化に耐えるのに十分に頑強である化合物を示すことを意味する。
しばしば、結晶化により本発明の化合物の溶媒和物が生成される。本明細書中で使用する場合、用語「溶媒和物」は、1つまたはそれよりも多くの溶媒分子と共に1つまたはそれよりも多くの本発明の化合物の分子を含む凝集体をいう。いくつかの実施形態では、溶媒は水であり、この場合、溶媒和物は水和物である。あるいは、他の実施形態では、溶媒は有機溶媒である。したがって、本発明の化合物は、水和物(一水和物、二水和物、半水和物、セスキ水和物、三水和物、および四水和物などが含まれる)および対応する溶媒和形態として存在し得る。いくつかの態様では、本発明の化合物は真の溶媒和物であり、一方で、他の場合、本発明の化合物は、外来性の水のみを保持するか、水といくつかの外来性の溶媒との混合物である。
「任意選択的な」または「任意選択的に」は、その後に記載の環境事象が起こっても起こらなくてもよいこと、および記載事項が前記事象または環境が起こる例および起こらない例を含むことを意味する。例えば、「任意選択的に置換されたアリール」は、アリールラジカルが置換されていてもされていなくてもよいこと、および記載事項が置換されたアリールラジカルおよび置換されていないアリールラジカルの両方を含むことを意味する。
「薬学的組成物」は、本発明の化合物と哺乳動物(例えば、ヒト)への生物学的に活性な化合物の送達用として当技術分野で一般に許容されている媒質との製剤をいう。かかる媒質には、該化合物のための全ての薬学的に許容され得るキャリア、希釈剤、または賦形剤が含まれる。
「薬学的に許容され得るキャリア、希釈剤、または賦形剤」には、米国食品医薬品局によってヒトまたは飼育動物での使用が許容できるとして承認されている任意のアジュバント、キャリア、賦形剤、流動促進剤、甘味剤、希釈剤、防腐剤、色素/着色剤、香味強化剤、界面活性剤、湿潤剤、分散剤、懸濁化剤、安定剤、等張剤、溶媒、または乳化剤が含まれるが、これらに限定されない。
本発明の化合物(すなわち、構造(I)の化合物)またはその薬学的に許容され得る塩は、1つまたはそれよりも多くの不斉中心を含むことができ、従って、絶対立体化学の観点から、(R)型または(S)型としてか、アミノ酸の場合(D)型または(L)型として定義される鏡像異性体、ジアステレオマー、および他の立体異性体を生じ得る。したがって、実施形態は、全てのかかる可能な異性体、ならびにそのラセミ体および光学的に純粋な形態が含まれることを意味する。光学的に活性な(+)および(−)、(R)異性体および(S)異性体、または(D)異性体および(L)異性体を、キラルシントンまたはキラル試薬を使用して調製することができるか、従来技術(例えば、クロマトグラフィおよび分別晶出)を使用して分割することができる。各鏡像異性体の調製/単離のための従来技術には、適切な光学的に純粋な前駆体からのキラル合成または、例えば、キラル高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)を使用したラセミ体(またはラセミ体の塩もしくは誘導体)の分離が含まれる。本明細書中に記載の化合物がオレフィン二重結合または他の幾何学非対称の中心を含む場合、特に指定されない限り、該化合物がE幾何異性体およびZ幾何異性体の両方を含むことを意図する。同様に、全ての互変異性型も含まれることが意図される。
本発明の実施形態は、本発明の化合物の回転異性体および高次構造が制限された状態の全ての様式を含む。アトロプ異性体も含まれる。この異性体は、立体ひずみまたは他の誘因によるエネルギー差が各配座異性体を単離するのに十分に高い回転障壁を生じる単結合の回転障害を原因とする立体異性体である。例として、本発明の一定の化合物は、アトロプ異性体の混合物または1つのアトロプ異性体が精製またはその存在が富化された形態として存在することができる。アトロプ異性体として存在する化合物の非限定的な例には、以下の化合物が含まれる。
Figure 0006869947
いくつかの実施形態では、構造(I)の化合物は、アトロプ異性体の混合物である。他の実施形態では、構造(I)の化合物は、実質的に精製されたアトロプ異性体である。いくつかの実施形態では、構造(I)の化合物は、実質的に精製されたR−アトロプ異性体である。いくつかの他の実施形態では、構造(I)の化合物は、実質的に精製されたR−アトロプ異性体である。
「立体異性体」は、同一の結合によって結合した同一の原子で構成されているが、互換的でない異なる三次元構造を有する化合物をいう。本発明は、種々の立体異性体およびその混合物を意図し、「鏡像異性体」が含まれる。鏡像異性体は、2つの立体異性体であって、その2つの分子が相互に重ね合わせられない鏡像である立体異性体をいう。
「互変異性体」は、分子の1つの原子から同一分子の別の原子へのプロトン移動をいう。したがって、実施形態は、開示の化合物の互変異性体を含む。
本明細書中で使用した化学命名プロトコールおよび構造線図は、ACD/Nameバージョン9.07ソフトウェアプログラムおよび/またはChemDraw Ultraバージョン11.0.1ソフトウェア命名プログラム(CambridgeSoft)を使用したI.U.P.A.C.命名法の修正形態である。本明細書中で使用した複雑な化学名について、置換基を、典型的には、置換基が結合している基の前に命名する。例えば、シクロプロピルエチルは、シクロプロピル置換基を有するエチル骨格を含む。下記を除いて、原子価を完全にするのに十分な水素原子に結合すると考えられるいくつかの炭素原子上の全ての結合を除いた全ての結合を本明細書中の化学構造線図中で特定する。
化合物
1つの態様では、本発明は、G12C変異体KRAS、HRAS、またはNRASタンパク質に選択的に結合し、そして/またはこれらを調整することができる化合物を提供する。化合物は、アミノ酸との反応によってG12C変異体KRAS、HRAS、またはNRASタンパク質を調整することができる。理論に拘束されることを望まないが、本出願者らは、いくつかの実施形態では、G12C変異体KRAS、HRAS、またはNRASタンパク質の12位のシステインとの共有結合の形成によって本発明の化合物がG12C変異体KRAS、HRAS、またはNRASタンパク質と選択的に反応すると考える。シスチン12への結合により、本発明の化合物は、G12C変異体KRAS、HRAS、またはNRASのスイッチIIを不活性段階に閉じ込めることができる。この不活性段階は、GTPおよびGDPに結合したKRAS、HRAS、またはNRASで認められるものと異なり得る。いくつかの本発明の化合物はまた、スイッチIの高次構造を乱すことができる。いくつかの本発明の化合物は、GTPよりもむしろGDPに結合したKRAS、HRAS、またはNRASへの結合を優先し、したがって、KRAS、HRAS、またはNRASを不活性なKRAS、HRAS、またはNRASのGDP結合状態に隔離し得る。KRAS、HRAS、またはNRASへのエフェクター結合がスイッチIおよびIIの高次構造に高度に影響を受けやすいので、これらの化合物の不可逆的結合がKRAS、HRAS、またはNRASの下流シグナル伝達を破壊し得る。
上述の通り、本発明の1つの実施形態では、G12C変異体KRAS、HRAS、またはNRASタンパク質の調整因子としての活性を有する化合物を提供し、その化合物は、以下の構造(I):
Figure 0006869947
(式中、
Aは、NまたはCであり;
Bは、オキソ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールアルキル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、−COH、−CONH、アミニルカルボニル、アミニルカルボニルアルキル、ヘテロアリールアミノ、ハロ、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アリール、または−X−L−Rであり;
Xは、−NR−または−O−であり;
は、アルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクリレンであるか、または存在せず;
は、アルキレンであるか、または存在せず;
Rは、H、シアノ、アミノ、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、−COH、−CONH、アミニルカルボニル、C〜Cアルキル、C〜Cアルキルアミニル、またはC〜Cアルコキシであり;
は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、−(C=O)OH、−(C=O)NH、または−(C=O)NHOHであり;
は、各出現において独立して、HまたはC〜Cアルキルであり;
は、アリールまたはヘテロアリールであり;
2a、R2bおよびR2cは、それぞれ独立して、H、アミノ、シアノ、ハロ、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルキルアミニル、−NR(C=O)R、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cシクロアルキル、ヘテロシクリルアルキル、C〜Cアルキニル、C〜Cアルケニル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、アミニルカルボニル、ヘテロアリール、またはアリールであり;
Figure 0006869947
は、全ての原子価を充足するような単結合または二重結合であり;
Eは、KRAS、HRAS、またはNRAS G12C変異体タンパク質の12位のシステイン残基と共有結合を形成することができる求電子部分である)
またはその薬学的に許容され得る塩、立体異性体、もしくはプロドラッグを有する。
構造(I)の化合物の他の実施形態では、
Aは、NまたはCであり;
Bは、オキソ、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールアルキル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、−COH、−CONH、アミニルカルボニル、アミニルカルボニルアルキル、ヘテロアリールアミノ、ハロ、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アリール、または−X−L−Rであり;
Xは、−NR−または−O−であり;
は、アルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクリレンであるか、または存在せず;
は、アルキレンであるか、または存在せず;
Rは、H、シアノ、アミノ、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、−COH、−CONH、アミニルカルボニル、C〜Cアルキル、C〜Cアルキルアミニル、またはC〜Cアルコキシであり;
は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、−(C=O)OH、−(C=O)NH、または−(C=O)NHOHであり;
は、各出現において独立して、HまたはC〜Cアルキルであり;
は、アリールまたはヘテロアリールであり;
2a、R2b、およびR2cは、それぞれ独立して、H、アミノ、ハロ、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルキルアミニル、−NR(C=O)R、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cシクロアルキル、ヘテロシクリルアルキル、C〜Cアルキニル、C〜Cアルケニル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、アミニルカルボニル、ヘテロアリール、またはアリールであり;
Figure 0006869947
は、全ての原子価を充足するような単結合または二重結合であり;
Eは、KRAS、HRAS、またはNRAS G12C変異体タンパク質の12位のシステイン残基と共有結合を形成することができる求電子部分である。
構造(I)の化合物の他の異なる実施形態では、
Aは、NまたはCであり;
Bは、オキソ、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールアルキル、または−X−L−Rであり;
Xは、−NR−または−O−であり;
は、アルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクリレンであるか、または存在せず;
は、アルキレンであるか、または存在せず;
Rは、H、シアノ、アミノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルキルアミニル、またはC〜Cアルコキシであり;
は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、−(C=O)OH、−(C=O)NH、または−(C=O)NHOHであり;
は、HまたはC〜Cアルキルであり;
は、アリールまたはヘテロアリールであり;
2a、R2b、およびR2cは、それぞれ独立して、H、アミノ、ハロ、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルキルアミニル、−NR(C=O)R、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cシクロアルキル、ヘテロアリール、またはアリールであり;
Figure 0006869947
は、全ての原子価を充足するような単結合または二重結合であり;
Eは、KRAS、HRAS、またはNRAS G12C変異体タンパク質の12位のシステイン残基と共有結合を形成することができる求電子部分である。
いくつかの実施形態では、Bは、シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールである。他の実施形態では、Lは、アルキレンであるか、または存在しない。
前述の実施形態のうちの他のいくつかでは、Bは、シクロアルキルまたはヘテロシクリルであり、例えば、いくつかの実施形態では、化合物は、以下の構造(IA):
Figure 0006869947
(式中、
は、NまたはCHであり;
は、NRまたはCHRであり;
は、H、アルキル、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルカルボニルアミニル、アミノカルボニルアミニル、またはヘテロアリールカルボニルであり;
3aおよびR3bは、各出現において独立して、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキニル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、またはアミニルカルボニルであるか;あるいはR3aとR3bとが一緒になって、オキソ、炭素環式環、または複素環式環を形成するか;あるいはR3aは、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキニル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、またはアミニルカルボニルであり、R3bは、R4bと一緒になって、炭素環式環または複素環式環を形成し;
4aおよびR4bは、各出現において独立して、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキニル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、またはアミニルカルボニルであるか;あるいはR4aとR4bとが一緒になって、オキソ、炭素環式環、または複素環式環を形成するか;あるいはR4aは、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキニル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、またはアミニルカルボニルであり、R4bは、R3bと一緒になって、炭素環式環または複素環式環を形成し;
およびmは、それぞれ独立して、1、2、または3であり;
nは、0〜5の整数である)
を有する。
構造(IA)の他の実施形態では、
3aおよびR3bは、各出現において独立して、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルキニル、ヒドロキシルアルキル(hydroxylalkly)、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、またはアミニルカルボニルであるか;あるいはR3aとR3bとが一緒になって、炭素環式環または複素環式環を形成するか;あるいはR3aは、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルキニル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、またはアミニルカルボニルであり、R3bは、R4bと一緒になって、炭素環式環または複素環式環を形成し;
4aおよびR4bは、各出現において独立して、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルキニル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、またはアミニルカルボニルであるか;あるいはR4aとR4bとが一緒になって、炭素環式環または複素環式環を形成するか;あるいはR4aは、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルキニル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、またはアミニルカルボニルであり、R4bは、R3bと一緒になって、炭素環式環または複素環式環を形成する。
他の実施形態では、化合物は、以下の構造(IAa)または(IAb):
Figure 0006869947
(式中、pは、0〜3の整数である)を有する。
なお異なる実施形態では、化合物は、以下の構造(IAc)、(IAd)、または(IAe):
Figure 0006869947
のうちの1つを有する。
前述の実施形態の他の実施形態では、Rは、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルカルボニルアミニル、アミノカルボニルアミニル、またはヘテロアリールカルボニルであり、例えば、いくつかの実施形態では、そのアルキルカルボニルは、アミノカルボニル、ヒドロキシルアミノカルボニル、ヒドロキシル、またはアミノで置換される。
他の実施形態では、Rは、以下の構造:
Figure 0006869947
(式中、pは、1〜3の整数である)のうちの1つを有する。
他の実施形態では、Rは、以下の構造:
Figure 0006869947
のうちの1つを有する。
いくつかの異なる実施形態では、Bは、アルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールアルキル、または−X−L−Rである。例えば、いくつかの実施形態では、Bは、−X−L−Rである。他の実施形態では、Rは、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールである。
種々の他の実施形態では、Lは、アルキレンであるか、または存在しない。いくつかの実施形態では、Lは、アルキレンである。他の実施形態では、Lは、存在しない。
いくつかの実施形態では、Bは、−X−L−Rであり、Lは、アルキレンであるか、または存在せず、例えば、いくつかの実施形態では、化合物は、以下の構造(IB)または(IC):
Figure 0006869947
(式中、
Hは、R3a、R3b、R4a、およびR4bの1つまたはそれよりも多くで任意選択的に置換される5または6員のヘテロアリール環を示し;
は、NまたはCHであり;
は、NRまたはCHRであり;
は、H、アルキル、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルカルボニルアミニル、アミノカルボニルアミニル、またはヘテロアリールカルボニルであり;
3aおよびR3bは、各出現において独立して、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキニル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、またはアミニルカルボニルであるか;あるいはR3aとR3bとが一緒になって、オキソ、炭素環式環、または複素環式環を形成するか;あるいはR3aは、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキニル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、またはアミニルカルボニルであり、R3bは、R4bと一緒になって、炭素環式環または複素環式環を形成し;
4aおよびR4bは、各出現において独立して、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキニル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、またはアミニルカルボニルであるか;あるいはR4aとR4bとが一緒になって、オキソ、炭素環式環、または複素環式環を形成するか;あるいはR4aは、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキニル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、またはアミニルカルボニルであり、R4bは、R3bと一緒になって、炭素環式環または複素環式環を形成し;
およびmは、それぞれ独立して、1、2、または3であり;
nは、0〜5の整数である)
のうちの1つを有する。
構造(IB)および(IC)の他の実施形態では、
3aおよびR3bは、各出現において独立して、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルキニル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、またはアミニルカルボニルであるか;あるいはR3aとR3bとが一緒になって、炭素環式環または複素環式環を形成するか;あるいはR3aは、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルキニル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、またはアミニルカルボニルであり、R3bは、R4bと一緒になって、炭素環式環または複素環式環を形成し;
4aおよびR4bは、各出現において独立して、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルキニル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、またはアミニルカルボニルであるか;あるいはR4aとR4bとが一緒になって、炭素環式環または複素環式環を形成するか;あるいはR4aは、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルキニル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、またはアミニルカルボニルであり、R4bは、R3bと一緒になって、炭素環式環または複素環式環を形成する。
いくつかの実施形態では、Hは、ピロリジニルまたはピリジニルである。
他の実施形態では、化合物は、以下の構造(IBa)または(IBb):
Figure 0006869947
(式中、Rは、各出現において独立して、H、ハロ、またはヒドロキシルであり、pは、0〜3の整数である)のうちの1つを有する。
なお異なる実施形態では、化合物は、以下の構造(IBc)、(IBd)、(IBe)、または(IBf):
Figure 0006869947
のうちの1つを有する。
前述の実施形態のうちのいくつかでは、Xは、−NH−である。他の前述の実施形態のいくつかでは、Xは、−O−である。
なお他の実施形態では、Bは、以下の構造:
Figure 0006869947
のうちの1つを有する。
他の実施形態では、Bは、−X−L−Rであり、化合物は、以下の構造(ID):
Figure 0006869947
(式中、pは、0〜3の整数である)を有する。
前述の実施形態では、Rは、−(C=O)OH、−(C=O)NH、または−(C=O)NHOHである。
なお異なる実施形態では、化合物は、以下の構造(IDa):
Figure 0006869947
を有する。
化合物(ID)または(IDa)のいくつかの実施形態では、Xは、−NH−である。化合物(ID)または(IDa)のいくつかの他の実施形態では、Xは、−O−である。
前述の実施形態のうちのいくつかでは、Bは、アルキルであり、例えば、いくつかの実施形態では、そのアルキルは、−(C=O)OH、−(C=O)NH、または−(C=O)NHOHで置換される。
他の異なる実施形態では、Bは、ヘテロアリールアルキルである。これらの実施形態のうちのいくつかでは、そのヘテロアリールアルキルは、ピロリジニルアルキルまたはピリジニルアルキルである。
なお他の実施形態では、Bは、オキソである。他の実施形態では、Lは、ヘテロシクリレンである。さらなる実施形態では、Bは、オキソであり、Lは、ヘテロシクリレンである。例えば、いくつかの実施形態では、化合物は、以下の構造(IE):
Figure 0006869947
(式中、
は、CHであり;
は、NまたはCHであり;
3aおよびR3bは、各出現において独立して、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキニル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、またはアミニルカルボニルであるか;あるいはR3aとR3bとが一緒になって、オキソ、炭素環式環、または複素環式環を形成するか;あるいはR3aは、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキニル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、またはアミニルカルボニルであり、R3bは、R4bと一緒になって、炭素環式環または複素環式環を形成し;
4aおよびR4bは、各出現において独立して、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキニル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、またはアミニルカルボニルであるか;あるいはR4aとR4bとが一緒になって、オキソ、炭素環式環、または複素環式環を形成するか;あるいはR4aは、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキニル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、またはアミニルカルボニルであり、R4bは、R3bと一緒になって、炭素環式環または複素環式環を形成し;
およびmは、それぞれ独立して、1、2、または3である)
を有する。
構造(IE)の化合物の他の実施形態では、
3aおよびR3bは、各出現において独立して、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルキニル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、またはアミニルカルボニルであるか;あるいはR3aとR3bとが一緒になって、炭素環式環または複素環式環を形成するか;あるいはR3aは、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルキニル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、またはアミニルカルボニルであり、R3bは、R4bと一緒になって、炭素環式環または複素環式環を形成し;
4aおよびR4bは、各出現において独立して、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルキニル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、またはアミニルカルボニルであるか;あるいはR4aとR4bとが一緒になって、炭素環式環または複素環式環を形成するか;あるいはR4aは、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルキニル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、またはアミニルカルボニルであり、R4bは、R3bと一緒になって、炭素環式環または複素環式環を形成する。
他の実施形態では、化合物は、以下の構造(IEa)、(IEb)、(IEc)、または(IEd):
Figure 0006869947
のうちの1つを有する。
いくつかの異なる実施形態では、化合物は、以下の構造(IEe)、(IEf)、(IEg)、(IEh);(IEi)または(of)(IEj):
Figure 0006869947
のうちの1つを有する。
いくつかの異なる実施形態では、化合物は、以下の構造(IEl):
Figure 0006869947
を有する。
理論に拘束されることを望まないが、出願人は、R置換基の正確な選択が(例えば、KRAS、HRAS、またはNRASのG12Cに対する)化合物の阻害活性において役割を果たし得ると考える。いくつかの実施形態では、Rはアリールまたはヘテロシクリル(例えば、ヘテロアリールまたは脂肪族ヘテロシクリル)であり、これらはそれぞれ1つまたはそれよりも多くの置換基で任意選択的に置換される。いくつかの他の実施形態では、Rは、アリールまたはヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Rは、KRAS、HRAS、またはNRAS G12C変異体タンパク質と可逆的に相互作用することができる。いくつかの実施形態では、Rは、KRAS、HRAS、またはNRASに対して高い親和性を有し、G12CのKRAS、HRAS、またはNRASに高い特異性を示す。いくつかの実施形態では、Rは、KRAS、HRAS、またはNRAS G12Cと疎水性相互作用することができる。いくつかの実施形態では、Rは、G12CのKRAS、HRAS、またはNRASタンパク質の種々の残基と水素結合を形成することができる。
前述の実施形態のいずれかでは、Rは、アリールである。例えば、いくつかの実施形態では、Rは、フェニルであり、他の実施形態では、Rは、ナフチルである。Rは、置換されるか、または非置換である。いくつかの特定の実施形態では、Rは、1つまたはそれよりも多くの置換基で置換される。いくつかの実施形態では、Rは、ハロ、アミノ、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、シアノ、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、アルキルアミニル、シクロアルキル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアミニル、シクロアルキルアミニル、アリール、ヘテロアリール、ホスフェート、ホスホアルコキシ、ボロン酸、ボロン酸エステル、−OC(=O)R、もしくはC〜Cアルキルカルボニルオキシ、またはそれらの組み合わせ(式中、Rは、C〜Cアルキルである)で置換される。例えば、いくつかの実施形態では、Rは、ハロ、アミノ、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、シアノ、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、アルキルアミニル、シクロアルキル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、ヘテロアリール、ホスフェート、ホスホアルコキシ、ボロン酸、ボロン酸エステル、−OC(=O)R、もしくはC〜Cアルキルカルボニルオキシ、またはそれらの組み合わせ(式中、Rは、C〜Cアルキル(alky)である)で置換される。他の実施形態では、Rは、ハロ、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、もしくはC〜Cアルキルカルボニルオキシ、またはそれらの組み合わせで置換される。異なる実施形態では、Rは、フルオロ、クロロ、シクロプロピル、シクロブチル、ヒドロキシル、アミノ、メチル、エチル、イソプロピル、トリフルオロメチル、もしくはメトキシ、またはそれらの組み合わせで置換される。いくつかのなおさらなる実施形態では、Rは、フルオロ、ヒドロキシル、メチル、イソプロピル、トリフルオロメチル、もしくはメトキシ、またはそれらの組み合わせで置換される。
いくつかのより特定の実施形態では、Rは、以下の構造:
Figure 0006869947
のうちの1つ、例えば、
Figure 0006869947
を有する。
前述の化合物のいくつかの異なる実施形態では、Rは、ヘテロアリール、例えば、窒素を含むヘテロアリールである。他の実施形態では、Rは、インダゾリルまたはキノリニルである。さらなる実施形態では、Rは、1つまたはそれよりも多くの置換基で置換されたヘテロアリールである。例えば、一定の実施形態では、Rは、ヒドロキシルもしくはC〜Cアルキル、または両方で置換される。
いくつかの他の実施形態では、Rは、以下の構造:
Figure 0006869947
のうちの1つ、例えば、
Figure 0006869947
を有する。
前述の実施形態のうちのいくつかでは、R2cは、Hである。前述の実施形態の他のいずれかでは、R2aおよびR2bは、それぞれハロである。例えば、いくつかの実施形態では、R2aは、フルオロであり、他の実施形態では、R2bは、クロロである。
他の実施形態では、R2aおよびR2bは、それぞれ独立して、ハロ、ハロアルキル、アルキル、アミノ、ヒドロキシル、またはアルコキシである。他の実施形態では、R2aおよびR2bは、それぞれ独立して、ハロ、ハロアルキル、アルキル、またはアルコキシである。いくつかの実施形態では、R2aは、フルオロ、クロロ、CF、またはメトキシである。いくつかの実施形態では、R2aは、フルオロ、クロロ、またはメトキシである。異なる実施形態では、R2bは、クロロ、フルオロ、アミノ、ヒドロキシル、またはCFである。なお他の異なる実施形態では、R2bは、クロロ、フルオロ、またはCFである。
いくつかのより特定の実施形態では、化合物は、以下の構造(IF):
Figure 0006869947
を有する。
例えば、なおさらに異なる実施形態では、化合物は、以下の構造(IFa)または(IFb):
Figure 0006869947
のうちの1つを有する。
前述の実施形態のいずれかでは、Rは、Hである。
前述の実施形態のうちの他のいくつかでは、
Figure 0006869947
は、全ての原子価を充足するような単結合である。他の異なる実施形態では、
Figure 0006869947
は、全ての原子価を充足するような二重結合である。
いくつかの実施形態では、Aは、Nである。他の実施形態では、Aは、Cである。
KRAS、HRAS、またはNRAS G12C変異体タンパク質の12位のシステイン残基などの求核剤と共有結合を形成することができる限り、本明細書中に記載される全ての実施形態におけるEの構造は特に制限されない。したがって、(例えば、共有結合形成によって)求核剤と反応することができるE部分が好ましい。一定の実施形態では、Eは、共役付加様式(例えば、1,4−共役付加)で適切な反応性を示す求核剤と反応することができる。いくつかの実施形態では、Eは、電子の非局在化により正電荷、部分的正電荷、または分極結合を有する少なくとも1つの原子(例えば、炭素原子)が得られるような共役π結合を含む。他の実施形態では、Eは、部分的正電荷が(例えば、結合の分極によって)1つの原子上(例えば、炭素原子上)に存在するように結合を形成する2つの原子の電気陰性度が十分に異なる1つまたはそれよりも多くの結合を含む。炭素−ハロゲン結合、炭素−酸素結合、または当該分野で公知の種々の脱離基への炭素結合を含むE部分は、かかるE部分の例である。
したがって、前述の実施形態のいずれかでは、Eは、以下の構造:
Figure 0006869947
(式中、
Qは、−C(=O)−、−C(=NR8’)−、−NRC(=O)−、−S(=O)−、または−NRS(=O)−であり;
は、H、C〜Cアルキル、またはヒドロキシルアルキルであり;
8’は、H、−OH、−CN、またはC〜Cアルキルであり;
およびR10は、それぞれ独立して、H、ハロ、シアノ、カルボキシル、C〜Cアルキル、アルコキシカルボニル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、またはヒドロキシルアルキルであるか、あるいはRとR10とが一緒になって、炭素環式環、複素環式環、またはヘテロアリール環を形成する)
を有する。
前述の実施形態のいずれかのなお他の実施形態では、Eは、以下の構造:
Figure 0006869947
(式中、
Qは、−C(=O)−、−NRC(=O)−、−S(=O)−、または−NRS(=O)−であり;
は、H、C〜Cアルキル、またはヒドロキシルアルキルであり;
10は、H、C〜Cアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、またはヒドロキシルアルキルである)
を有する。
Q部分は、典型的には、Eの反応性(すなわち、求電子性)を最適にするように選択される。前述の実施形態のうちのいくつかでは、Qは、−C(=O)−、−NRC(=O)−、−S(=O)−、または−NRS(=O)−である。一定の前述の実施形態では、Qは、−C(=O)−である。他の実施形態では、Qは、−S(=O)−である。なおさらなる実施形態では、Qは、−NRC(=O)−である。なおより異なる実施形態では、Qは、−NRS(=O)−である。
前述の実施形態のうちのいくつかの他の実施形態では、Qは、−C(=NR8’)−(式中、R8’は、H、−OH、−CN、またはC〜Cアルキルである)である。例えば、いくつかの実施形態では、R8’は、Hである。他の実施形態では、R8’は、−CNである。他の実施形態では、R8’は、−OHである。
前述の実施形態のうちのいくつかでは、Rは、Hである。これらの実施形態の他の実施形態では、Rは、ヒドロキシルアルキルであり、例えば、いくつかの実施形態では、そのヒドロキシルアルキルは、2−ヒドロキシルアルキルである。
前述の実施形態のうちのいずれか1つのいくつかでは、RまたはR10のうちの少なくとも1つがHである。例えば、いくつかの実施形態では、RおよびR10は、それぞれHである。
前述の実施形態の他の実施形態では、R10は、アルキルアミニルアルキルである。これらの実施形態のうちのいくつかでは、R10は、以下の構造:
Figure 0006869947
を有する。
他の実施形態では、R10は、ヒドロキシルアルキル(2−ヒドロキシルアルキルなど)である。
前述の実施形態のいくつかの他の異なる実施形態では、RとR10とが一緒になって炭素環式環を形成する。例えば、これらの実施形態のうちのいくつかの実施形態では、炭素環式環は、シクロペンテン環、シクロヘキセン環、またはフェニル環である。他の実施形態では、炭素環式環は、シクロペンテン環またはシクロヘキセン環である。他の実施形態では、炭素環式環はフェニル環、例えば、以下の構造:
Figure 0006869947
を有するフェニル環である。
任意の前述の実施形態のうちのいくつかの実施形態では、Eは、G12C変異を含むKRAS、HRAS、またはNRASタンパク質と結合することができる求電子剤である。いくつかの実施形態では、求電子剤Eは、G12C変異体KRAS、HRAS、またはNRASタンパク質と不可逆的な共有結合を形成することができる。いくつかの場合、求電子剤Eは、G12C変異体KRAS、HRAS、またはNRASタンパク質の12位のシステイン残基に結合することができる。任意の前述のうちの種々の実施形態では、Eは、以下の構造:
Figure 0006869947
Figure 0006869947
のうちの1つを有する。
いくつかの実施形態では、Eは、以下の構造:
Figure 0006869947
のうちの1つを有する。
前述のいずれかの他の実施形態では、Eは、以下の構造:
Figure 0006869947
のうちの1つを有する。
異なる実施形態では、Eは、以下の構造:
Figure 0006869947
のうちの1つを有する。
いくつかの場合、Eは、以下の構造:
Figure 0006869947
(式中、
は、HまたはC〜Cアルキルであり;
は、H、シアノ、またはC〜Cアルキルであるか、あるいはRは、R10と一緒になって、炭素環を形成し;
10は、HまたはC〜Cアルキルであるか、あるいはR10は、Rと一緒になって、炭素環を形成し、
10aは、HまたはC〜Cアルキルである)
のうちの1つを有する。
いくつかの実施形態では、Eは、
Figure 0006869947
である。いくつかの実施形態では、Eは、
Figure 0006869947
である。いくつかの実施形態では、Eは、
Figure 0006869947
である。
一定の実施形態では、R3aおよびR3bは、各出現において独立して、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、ヒドロキシルアルキル、アミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、またはアミニルカルボニルであり、R4aおよびR4bは、各出現において独立して、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、ヒドロキシルアルキル、アミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、またはアミニルカルボニルである。
前述の実施形態の他の実施形態では、R3aおよびR4aは、各出現において独立して、H、−OH、ヒドロキシルアルキル、シアノ、またはアミニルカルボニルであり、R3bおよびR4bは、Hである。
一定の他の実施形態では、R3aおよびR4aは、Hであり、R3bおよびR4bは、各出現において独立して、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、ヒドロキシルアルキル、アミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、またはアミニルカルボニルである。
前述の実施形態のいずれかでは、R3a、R3b、R4a、またはR4bのうちの少なくとも1つは、Hである。いくつかの実施形態では、R3a、R3b、R4a、およびR4bの各々は、Hである。
前述の実施形態の他の実施形態では、R3aおよびR4aは、各出現において独立して、HまたはC〜Cアルキルであり、但し、R3aまたはR4aのうちの少なくとも1つは、C〜Cアルキルであることを条件とする。いくつかの実施形態では、R3a、R4a、R3b、およびR4bのうちの少なくとも1つは、独立して、C〜Cアルキル(メチルなど)である。いくつかの実施形態では、R3aの1つの出現は、C〜Cアルキル(メチルなど)であり、残りのR3aおよび各R4aは、Hである。いくつかの他の実施形態では、R3aの2つの出現は、C〜Cアルキル(メチルなど)であり、残りのR3aおよび各R4aは、Hである。いくつかの他の実施形態では、R3aの1つの出現およびR4aの1つの出現は、独立して、C〜Cアルキル(メチルなど)であり、残りのR3aおよびR4aは、それぞれHである。
いくつかの実施形態では、R3aは、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、ヒドロキシルアルキル、アミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、またはアミニルカルボニルであり、R3b、R4a、およびR4bは、Hである。
他の実施形態では、R4aは、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、ヒドロキシルアルキル(hydroxylalkly)、アミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、またはアミニルカルボニルであり、R3a、R3b、およびR4bはHである。
他の実施形態では、R3aは、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、ヒドロキシルアルキル、アミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、またはアミニルカルボニルであり、R3bは、R4bと一緒になって、炭素環式環または複素環式環を形成する;
なおさらなる実施形態では、R4aは、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、ヒドロキシルアルキル、アミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、またはアミニルカルボニルであり、R4bは、R3bと一緒になって、炭素環式環または複素環式環を形成する。
他の実施形態では、R3aとR3bとが一緒になって、炭素環式環または複素環式環を形成する。他の実施形態では、R4aとR4bとが一緒になって、炭素環式環または複素環式環を形成する。
なお他の実施形態では、R3aまたはR4aは、アミニルカルボニルである。例えば、一定の実施形態では、アミニルカルボニルは、
Figure 0006869947
である。他の実施形態では、R3aまたはR4aは、シアノである。他の実施形態では、R3aまたはR4aは、−OHである。他の実施形態では、R3aまたはR4aは、ヒドロキシルアルキル、例えば、ヒドロキシルメチルである。
前述の化合物のいずれかのいくつかの実施形態では、Rは、アリールまたはヘテロアリールであり、R2a、R2b、およびR2cは、独立して、Hおよびハロから選択され、例えば、いくつかのさらなる実施形態では、Rは、アリールまたはヘテロアリールであり、R2aおよびR2bは、独立して、ハロ(クロロおよびフルオロなど)から選択され、R2cは、Hである。いくつかの実施形態では、Rは、アリールまたはヘテロアリールであり、R2aは、クロロであり、R2bは、フルオロであり、R2cは、Hである。他の実施形態では、Rは、アリールまたはヘテロアリールであり、R2aまたはR2bのうちの1つは、ハロ(クロロまたはフルオロなど)であり、R2aまたはR2bのうちの他の1つは、Hである。
いくつかの実施形態では、mは、1である。他の実施形態では、mは、2である。なおさらなる実施形態では、mは、3である。異なる実施形態では、mは、1である。いくつかの他の実施形態では、mは、2である。なおさらなる実施形態では、mは、3である。
前述の化合物のいずれかのいくつかの他の特定の実施形態では、mは、1であり、mは、1である。他の実施形態では、mは、1であり、mは、2である。さらに他の実施形態では、mは、2であり、mは、2である。さらなる実施形態では、mは、1であり、mは、3である。
化合物のいくつかの実施形態は、1種より多い立体異性体を含む。他の実施形態は、単一の立体異性体に関する。いくつかの実施形態では、化合物は、ラセミ体(例えば、アトロプ異性体の混合物)である一方で、他の実施形態では、化合物は、実質的に単一の異性体、例えば、実質的に精製されたアトロプ異性体である。
種々の異なる実施形態では、化合物は、以下の表1に記載の構造のうちの1つを有する。表1の化合物をそれぞれ調製し、質量分析および/またはH NMRによって解析した。実験の質量分析データを表1に含める。例示的な合成手順は、下記および実施例に詳細に記載されている。化合物を調製することができる一般的方法を、以下に提供し、表1に示す。
Figure 0006869947
Figure 0006869947
Figure 0006869947
本説明では、置換基の組み合わせおよび/または記載の式の変形形態は、かかる寄与によって安定な化合物が得られる場合に限り、容認されると理解される。
さらに、遊離塩基または遊離酸の形態で存在する本発明の全ての化合物を、当業者に公知の方法による適切な無機または有機の塩基または酸を用いた処理によってその薬学的に許容され得る塩に変換することができる。本発明の化合物の塩を、標準的技術によってその遊離塩基形態または遊離酸形態に変換することができる。
以下の一般的反応スキームは、構造(I):
Figure 0006869947
(式中、R、R、R2a、R2b、R2c、A、B、L、およびEは本明細書中に定義の通りである)の化合物の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、立体異性体、もしくはプロドラッグを作製する例示的な方法を例示している。当業者は、類似の方法によって、または当業者に公知の他の方法を組み合わせることによって、これらの化合物を作製することができ得ると理解される。当業者は、下記に具体的に例示されない構造(I)の他の化合物を、適切な出発成分を使用し、必要に応じて合成のパラメータを改変することによって、下記に記載されるものと同様の様式で、作製することができるとも理解される。一般に、出発成分を、Sigma Aldrich、Lancaster Synthesis,Inc.、Maybridge、Matrix Scientific、TCI、およびFluorochem USAなどの供給者から入手することができるか、当業者に公知の情報源にしたがって合成することができるか(例えば、Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms,and Structure,5th edition(Wiley,December 2000)を参照のこと)、または本発明に記載のように調製することができる。
Figure 0006869947
構造(I)の化合物の実施形態(例えば、化合物A−6)(式中、R、R2a、R2b、R2c、R3a、R3b、R4a、R4b、R、R10、Q、m、およびmは本明細書中に定義の通りである)を、一般的反応スキーム1(「方法A」)にしたがって調製することができる。一般的反応スキーム1に関して、構造A−1の化合物を商業的供給源から購入するか、または当該分野で公知の技術にしたがって調製する。所望のR置換基をSuzukiカップリングによってA−1に付加してA−2を生成する。A−2を試薬(ホルムアミジン酢酸塩など)で環化することによりキナゾリノンA−3を得る。A−3を、適切に置換された環式基および活性化剤(HATUなど)で処理してA−4を得て、次いでそれを酸で処理することによって脱保護することができる。次いで、「E」部分を当該分野で公知の条件下で導入して、A−6を生成する。
Figure 0006869947
構造(I)の化合物の実施形態(例えば、化合物B−3)(式中、R、R2a、R2b、R2c、R3a、R3b、R4a、R4b、R、R10、m、およびmは本明細書中に定義の通りである)を、一般的反応スキーム2(「方法B」)にしたがって調製することができる。一般的反応スキーム2に関して、構造A−3の化合物を一般的スキーム1に記載のように調製する。A−3を、適切に置換された環式基および活性化剤(HATUなど)で処理してB−1を得る。B−1を脱保護し、一般的反応スキーム1に関して上に記載されたものと類似の様式で「E」部分を導入してB−3を生成する。
Figure 0006869947
構造(I)の化合物の実施形態(例えば、化合物C−9)(式中、R、R2a、R2b、R2c、R3a、R3b、R4a、R4b、R、R10、m、およびmは本明細書中に定義の通りである)を、一般的反応スキーム3(「方法C」)にしたがって調製することができる。一般的反応スキーム3に関して、構造C−1の化合物を商業的供給源から購入するか、または当該分野で公知の方法にしたがって調製する。C−1をジエチル2−(エトキシメチレン)マロナートと反応させて、C−2を生成する。次いで、C−2を適切な高沸点溶媒(例えば、PhO)中で加熱することによって環化してキノロンC−3を生成することができる。C−3を塩素化してC−4を生成し、それを適切な複素環式部分と反応させてC−5を生成する。所望のR部分を、上に記載のようにSuzuki化学を用いて導入する。C−6の保護基を除去し、遊離アミンを任意選択的に官能化してC−7を生成する。C−7の鹸化後、脱炭酸およびアミノ化によりC−8を生成する。次いで、C−8を、方法Aに対して記載されたものと類似の様式で処理して、C−9を生成する。
さらなる一般的合成方法を実施例に提供する。構造(I)の全ての化合物を、本明細書中に記載されているかそうでなければ当該分野で公知の1つまたはそれよりも多くの方法にしたがって調製することができることが当業者に明らかであろう。いくつかの例において、本明細書中に記載の一般的手順に従う場合に、所望の化合物に到達するために、異なるように置換された出発物質および/または保護基を使用する必要があることも明らかであろう。所望の化合物を調製するために、種々の置換基を合成スキームの種々の時点で付加することもできる。
さらに、当業者は、上記のスキームおよび実施例に提供されるスキームの一定の修正により、構造(I)の化合物の異なる実施形態を調製することが可能であると認識するであろう。例えば、例示を容易にするために、上記の一般的反応スキームは、R2a、R2b、およびR2cが出発物質に存在する構造(I)の化合物の調製を示す。しかし、これらの置換基は、合成スキーム中の任意の時点において付加することができるか、または異なるように置換された出発物質を使用することおよび/もしくは当該分野で公知の方法を用いて所望の置換基を付加することによって得ることができることが当業者に明らかであろう。
当業者は、本明細書中に記載の化合物の調製プロセスにおいて、中間体化合物の官能基を適切な保護基によって保護する必要があり得るとも認識するであろう。かかる官能基には、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、およびカルボン酸が含まれるが、これらに限定されない。ヒドロキシに適切な保護基には、トリアルキルシリルまたはジアリールアルキルシリル(例えば、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル、またはトリメチルシリル)、テトラヒドロピラニル、およびベンジルなどが含まれる。アミノ、アミジノ、およびグアニジノに適切な保護基には、t−ブトキシカルボニルおよびベンジルオキシカルボニルなどが含まれる。メルカプトに適切な保護基には、−C(O)−R’’(式中、R’’は、アルキル、アリール、またはアリールアルキルである)、p−メトキシベンジル、およびトリチルなどが含まれる。カルボン酸に適切な保護基には、アルキルエステル、アリールエステル、またはアリールアルキルエステルが含まれる。保護基を、当業者に公知であり、本明細書中に記載の標準的技術にしたがって任意選択的に付加または除去する。保護基の使用は、Green,T.W.and P.G.M.Wutz,Protective Groups in Organic Synthesis(1999),3rd Ed.,Wileyに詳述されている。当業者が認識するように、保護基はまた、ポリマー樹脂(Wang樹脂、Rink樹脂、または2−クロロトリチル−クロリド樹脂など)であり得る。
当業者は、かかる本発明の化合物の保護された誘導体自体は薬理学的活性を保有しなくてよいが、誘導体を哺乳動物に投与し、体内で代謝後に薬理学的に活性な本発明の化合物を形成することができることも認識するであろう。したがって、かかる誘導体を、「プロドラッグ」と記載することができる。本発明の化合物の全てのプロドラッグは、本発明の範囲内に含まれる。
薬学的組成物
他の実施形態は、薬学的組成物に関する。薬学的組成物は、前述の化合物のうちのいずれか1つ(または複数)および薬学的に許容され得るキャリアを含む。いくつかの実施形態では、薬学的組成物は経口投与のために製剤化されている。他の実施形態では、薬学的組成物は注射のために製剤化されている。なおさらなる実施形態では、薬学的組成物は、本明細書中に開示の化合物およびさらなる治療薬(例えば、抗がん剤)を含む。かかる治療薬の非限定的な例を、本明細書中の以下に記載する。
適切な投与経路には、経口、静脈内、直腸、エアロゾル、非経口、眼、肺、経粘膜、経皮、膣、耳、鼻、および局所への投与が含まれるが、これらに限定されない。さらに、ほんの一例として、非経口送達には、筋肉内、皮下、静脈内、髄内への注射、ならびに髄腔内、直接的な脳室内、腹腔内、リンパ管内、および鼻腔内への注射が含まれる。
一定の実施形態では、本明細書中に記載の化合物を、全身様式よりもむしろ局所に、例えば、しばしばデポー調製物または徐放製剤に含めた化合物の器官への直接注射を介して投与する。特定の実施形態では、長時間作用性製剤を、埋め込み(例えば、皮下または筋肉内)または筋肉内注射によって投与する。さらに、他の実施形態では、薬物を、標的化された薬物送達系、例えば、器官特異的抗体をコーティングしたリポソームに含めて送達する。かかる実施形態では、リポソームは、器官にターゲティングされ、器官によって選択的に取り込まれる。さらに他の実施形態では、本明細書中に記載の化合物を、急速放出製剤の形態、長期放出製剤の形態、または中期放出製剤の形態で提供する。さらに他の実施形態では、本明細書中に記載の化合物を局所投与する。
本発明の化合物は、広い投薬範囲で有効である。例えば、成人の処置では、0.01〜1000mg/日、0.5〜100mg/日、1〜50mg/日、および5〜40mg/日の投薬量がいくつかの実施形態で使用される投薬量の例である。例示的投薬量は10〜30mg/日である。正確な投薬量は、投与経路、化合物が投与される形態、処置すべき被験体、処置すべき被験体の体重、ならびに主治医の優先度および経験に依存する。
いくつかの実施形態では、本発明の化合物を、単回用量で投与する。典型的には、薬剤を迅速に導入するためのかかる投与は注射(例えば、静脈内注射)による。しかし、必要に応じて他の経路を使用する。本発明の化合物の単回用量を、急性状態の処置のために使用することもできる。
いくつかの実施形態では、本発明の化合物を、複数回用量で投与する。いくつかの実施形態では、投与は、1日あたりおよそ1回、2回、3回、4回、5回、6回、または6回よりも多い。他の実施形態では、投与は、およそ1ヶ月に1回、2週間毎に1回、1週間に1回、1日おきに1回である。別の実施形態では、本発明の化合物および別の薬剤を共に約1回/日〜約6回/日投与する。別の実施形態では、本発明の化合物および薬剤の投与を、約7日未満継続する。さらに別の実施形態では、投与を、約6日間、10日間、14日間、28日間、2ヶ月間、6ヶ月間、または1年間を超えて継続する。いくつかの場合、継続投与を行い、必要な限り投与を維持する。
本発明の化合物の投与を、必要な限り継続することができる。いくつかの実施形態では、本発明の化合物を、1、2、3、4、5、6、7、14、または28日間を超えて投与する。いくつかの実施形態では、本発明の化合物を、28、14、7、6、5、4、3、2、または1日未満投与する。いくつかの実施形態では、本発明の化合物を、例えば、慢性効果を得る処置のために継続して長期に投与する。
いくつかの実施形態では、本発明の化合物を、複数の投薬量で投与する。被験体間で化合物の薬物動態が変動するので、最適な治療のためには投与レジメンの個別化が必要であることが当該分野で公知である。本開示を考慮した日常的試験によって本発明の化合物の投与レジメンを見出すことができる。
いくつかの実施形態では、本明細書中に記載の化合物を、薬学的組成物に製剤化する。特定の実施形態では、薬学的組成物を、活性化合物の、薬学的に使用することができる調製物への加工を容易にする賦形剤および佐剤を含む1つまたはそれよりも多くの生理学的に許容され得るキャリアを使用する従来の様式で製剤化する。適切な製剤は、選択した投与経路に依存する。任意の薬学的に許容され得る技術、キャリア、および賦形剤を、本明細書中に記載の薬学的組成物の製剤化に適切なように使用する。Remington:The Science and Practice of Pharmacy,Nineteenth Ed(Easton,Pa.:Mack Publishing Company,1995);Hoover,John E.,Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.,Easton,Pennsylvania 1975;Liberman,H.A.and Lachman,L.,Eds.,Pharmaceutical Dosage Forms,Marcel Decker,New York,N.Y.,1980;およびPharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,Seventh Ed.(Lippincott Williams & Wilkins1999)。
構造(I)の化合物および薬学的に許容され得る希釈剤、賦形剤、またはキャリアを含む薬学的組成物を本明細書中に提供する。一定の実施形態では、記載の化合物を、併用療法を目的として構造(I)の化合物を他の有効成分と混合した薬学的組成物として投与する。以下の併用療法の節および本開示を通して記載の活性物質の全ての組み合わせが本明細書中に含まれる。特定の実施形態では、薬学的組成物は、1つまたはそれよりも多くの構造(I)の化合物を含む。
薬学的組成物は、本明細書中で使用する場合、構造(I)の化合物の他の化学成分(キャリア、安定剤、希釈剤、分散剤、懸濁化剤、増粘剤、および/または賦形剤など)との混合物をいう。一定の実施形態では、薬学的組成物は、化合物の生物への投与を容易にする。いくつかの実施形態では、本明細書中に提供した処置方法または使用方法の実施の際、治療有効量の本明細書中に提供した構造(I)の化合物を、薬学的組成物に含めて処置すべき疾患、障害、または病状を有する哺乳動物に投与する。特定の実施形態では、哺乳動物はヒトである。一定の実施形態では、治療有効量は、疾患の重症度、被験体の年齢および相対的な健康状態、使用する化合物の効力、ならびに他の要因に応じて変動する。本明細書中に記載の化合物を単独で使用するか、混合物の成分として1つまたはそれよりも多くの治療薬と組み合わせて使用する。
1つの実施形態では、1つまたはそれよりも多くの構造(I)の化合物を、水溶液に含めて製剤化する。特定の実施形態では、水溶液は、ほんの一例として、生理学的に適合性を示す緩衝液(ハンクス液、リンゲル液、または生理食塩緩衝液など)から選択される。他の実施形態では、1つまたはそれよりも多くの構造(I)の化合物を、経粘膜投与のために製剤化する。特定の実施形態では、経粘膜製剤は、浸透すべきバリアに適切な浸透剤を含む。本明細書中に記載の化合物を他の非経口注射のために製剤化するさらに他の実施形態では、適切な製剤は、水溶液または非水溶液を含む。特定の実施形態では、かかる溶液は、生理学的に適合する緩衝液および/または賦形剤を含む。
別の実施形態では、本明細書中に記載の化合物は、経口投与のために製剤化されている。本明細書中に記載の化合物は、活性化合物を、例えば、薬学的に許容され得るキャリアまたは賦形剤と組み合わせることにより製剤化されている。種々の実施形態では、本明細書中に記載の化合物は、経口投薬形態で製剤化し、この形態には、ほんの一例として、錠剤、散剤、丸薬、糖衣錠、カプセル、液体、ゲル、シロップ、エリキシル、スラリー、および懸濁液などが含まれる。
一定の実施形態では、経口使用用の薬学的調製物を、1つまたはそれよりも多くの固体賦形剤を1つまたはそれよりも多くの本明細書中に記載の化合物と混合し、任意選択的に得られた混合物を粉砕し、必要に応じて適切な佐剤の添加後に顆粒の混合物を加工して錠剤または糖衣錠コアを得ることによって得る。適切な賦形剤は、特に、糖(ラクトース、スクロース、マンニトール、またはソルビトールが含まれる);セルロース調製物(例えば、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなど);またはその他(ポリビニルピロリドン(PVPまたはポビドン)またはリン酸カルシウムなど)などの充填剤である。特定の実施形態では、崩壊剤を任意選択的に添加する。崩壊剤には、ほんの一例として、架橋クロスカルメロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸またはその塩(アルギン酸ナトリウムなど)が含まれる。
1つの実施形態では、1つまたはそれよりも多くの適切なコーティングを有する投薬形態(糖衣錠コアおよび錠剤など)を提供する。特定の実施形態では、濃縮糖溶液を、投薬形態のコーティングのために使用する。糖溶液は、任意選択的に、さらなる成分(ほんの一例として、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコール、および/または二酸化チタン、ラッカー溶液、および適切な有機溶媒または溶媒混合物など)を含む。染料および/または色素も、任意選択的に、識別目的のためにコーティングに添加する。さらに、染料および/または色素を、任意選択的に、活性化合物の用量の異なる組み合わせを特徴づけるために使用する。
一定の実施形態では、治療有効量の少なくとも1つの本明細書中に記載の化合物は、他の経口投薬形態に製剤化されている。経口投薬形態には、ゼラチンで作製されたプッシュフィットカプセルならびにゼラチンおよび可塑剤(グリセロールまたはソルビトールなど)で作製された密封軟カプセルが含まれる。特定の実施形態では、プッシュフィットカプセルは、1つまたはそれよりも多くの充填剤との混合物中に有効成分を含む。充填剤には、ほんの一例として、ラクトース、結合剤(デンプンなど)、および/または滑沢剤(タルクまたはステアリン酸マグネシウムなど)、ならびに、任意選択的に、安定剤が含まれる。他の実施形態では、軟カプセルは、適切な液体に溶解または懸濁した1つまたはそれよりも多くの活性化合物を含む。適切な液体には、ほんの一例として、1つまたはそれよりも多くの脂肪油、流動パラフィン、または液体ポリエチレングリコールが含まれる。さらに、安定剤を任意選択的に添加する。
他の実施形態では、治療有効量の少なくとも1つの本明細書中に記載の化合物は、口内または舌下投与のために製剤化されている。口内または舌下投与に適切な製剤には、ほんの一例として、錠剤、ロゼンジ、またはゲルが含まれる。さらなる他の実施形態では、本明細書中に記載の化合物は、非経口(parental)注射のために製剤化されている(ボーラス注射または連続注入に適切な製剤が含まれる)。特定の実施形態では、注射用製剤は、単位投薬形態(例えば、アンプル中)または多用量容器中に存在する。防腐剤を、任意選択的に、注射製剤に添加する。さらなる他の実施形態では、薬学的組成物は、無菌の油性または水性のビヒクルの懸濁液、溶液、または乳濁液として非経口注射に適切な形態で製剤化されている。非経口注射製剤は、任意選択的に、製剤化剤(懸濁化剤、安定剤、および/または分散剤など)を含む。特定の実施形態では、非経口投与のための薬学的製剤には、水溶性形態の活性化合物の水溶液が含まれる。さらなる実施形態では、活性化合物(例えば、構造(I)の化合物)の懸濁液を、適切な油性注射懸濁液として調製する。本明細書中に記載の薬学的組成物での使用に適切な親油性の溶媒またはビヒクルには、ほんの一例として、脂肪油(ゴマ油など)、または合成脂肪酸エステル(オレイン酸エチルまたはトリグリセリドなど)、またはリポソームが含まれる。一定の特定の実施形態では、水性注射懸濁液は、懸濁液の粘度を増大させる物質(カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、またはデキストランなど)を含む。任意選択的に、懸濁液は、適切な安定剤または高濃度の溶液を調製可能にするために化合物の溶解性を増大させる剤を含む。あるいは、他の実施形態では、有効成分は、使用前に適切なビヒクル(例えば、無菌発熱性物質不含水)で構成するための粉末形態である。
さらなる他の実施形態では、構造(I)の化合物を局所投与する。本明細書中に記載の化合物は、種々の局所投与可能な組成物(溶液、懸濁液、ローション、ゲル、ペースト、薬用スティック、香膏、クリーム、または軟膏など)に製剤化されている。かかる薬学的組成物は、任意選択的に、可溶化剤、安定剤、張度増強剤、緩衝剤、および防腐剤を含む。
さらに他の実施形態では、構造(I)の化合物は、経皮投与のために製剤化されている。特定の実施形態では、経皮製剤は、経皮送達デバイスおよび経皮送達パッチを使用し、ポリマーまたは接着剤に溶解および/または分散される親油性乳濁液または緩衝水溶液であり得る。種々の実施形態では、かかるパッチを、医薬品の連続的、拍動性、またはオンデマンド型の送達のために構築する。さらなる実施形態では、構造(I)の化合物を、イオン導入パッチなどを用いて経皮送達する。一定の実施形態では、経皮パッチにより、構造(I)の化合物が制御送達される。特定の実施形態では、律速膜の使用またはポリマーマトリックスまたはゲル内に化合物を捕捉することによって吸収速度を低下させる。別の実施形態では、吸収促進剤を使用して吸収を増大させる。吸収促進剤またはキャリアには、皮膚の通過を補助する薬学的に許容され得る吸収性溶媒が含まれる。例えば、1つの実施形態では、経皮デバイスは、裏打ち部材、任意選択的にキャリアとともに化合物を含むリザーバ、長期間にわたって制御された所定の速度で宿主の皮膚に化合物を送達させるための任意選択的な律速バリア、および皮膚にデバイスを固定する手段を含む帯具の形態である。
他の実施形態では、構造(I)の化合物は、吸入による投与のために製剤化されている。吸入による投与に適切な種々の形態には、エアロゾル、ミスト、または粉末が含まれるが、これらに限定されない。任意の構造(I)の化合物のいずれかの薬学的組成物は、適切な噴射剤(例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、または他の適切なガス)を使用した加圧パックまたは噴霧器から提供するエアロゾルスプレーの形態で送達させることが都合が良い。特定の実施形態では、加圧エアロゾルの投薬単位を、一定量を送達させるための弁を設けることによって決定する。一定の実施形態では、ほんの一例として、吸入器または注入器で用いる、化合物と適切な粉末基剤(ラクトースまたはデンプンなど)との粉末混合物を含むゼラチンなどのカプセルおよびカートリッジが製剤化される。
さらなる他の実施形態では、構造(I)の化合物は、従来の坐剤基剤(カカオバターまたは他のグリセリドなど)および合成ポリマー(ポリビニルピロリドンおよびPEGなど)を含む直腸組成物(浣腸、直腸ゲル、直腸フォーム、直腸エアロゾル、坐剤、ゼリー坐剤、または停留浣腸など)に含めて製剤化されている。組成物の坐剤形態では、低融点ワックス(任意選択的にカカオバターと組み合わせた脂肪酸グリセリドの混合物などであるが、これらに限定されない)が最初に融解する。
一定の実施形態では、薬学的組成物は、活性化合物の加工を容易にする賦形剤および佐剤を含む1つまたはそれよりも多くの生理学的に許容され得るキャリアを使用した任意の従来の様式で薬学的に使用することができる調製物に製剤化されている。適切な製剤は、選択した投与経路に依存する。任意の薬学的に許容され得る技術、キャリア、および賦形剤を、任意選択的に適宜使用する。構造(I)の化合物を含む薬学的組成物を、従来の様式で(ほんの一例として、従来の混合、溶解、造粒、糖衣錠作製、湿式粉砕、乳化、カプセル化、捕捉、または圧縮プロセスなどによる)製造する。
薬学的組成物は、少なくとも1つの薬学的に許容され得るキャリア、希釈剤、または賦形剤および有効成分としての少なくとも1つの本明細書中に記載の構造(I)の化合物を含む。有効成分は、遊離酸形態または遊離塩基形態または薬学的に許容され得る塩の形態である。さらに、本明細書中に記載の方法および薬学的組成物は、N−オキシド、結晶形態(多形としても公知)、および同じタイプの活性を有するこれらの化合物の活性代謝産物の使用を含む。本明細書中に記載の化合物の全ての互変異性体が本明細書中に示す化合物の範囲内に含まれる。さらに、本明細書中に記載の化合物は、非溶媒和形態および薬学的に許容され得る溶媒(水およびエタノールなど)との溶媒和形態を含む。本明細書中に示す化合物の溶媒和形態も本明細書中に開示されると見なされる。さらに、薬学的組成物は、任意選択的に、他の医薬または医薬品、キャリア、アジュバント(防腐剤、安定剤、湿潤剤、または乳化剤、溶解促進剤、浸透圧を調節するための塩、緩衝剤、および/または他の薬学的に有益な物質など)を含む。
本明細書中に記載の化合物を含む組成物の調製方法は、固体、半固体、または液体を形成するための1つまたはそれよりも多くの不活性の薬学的に許容され得る賦形剤またはキャリアを使用して化合物を製剤化する工程を含む。固体組成物には、散剤、錠剤、分散性顆粒剤、カプセル、カシェ、および坐剤が含まれるが、これらに限定されない。液体組成物には、化合物が溶解した溶液、化合物を含む乳濁液、または本明細書中に開示の化合物を含むリポソーム、ミセル、またはナノ粒子を含む溶液が含まれる。半固体組成物には、ゲル、懸濁液、およびクリームが含まれるが、これらに限定されない。本明細書中に記載の薬学的組成物の形態には、溶液または懸濁液、使用前に液体に含めて溶液または懸濁液にするのに適切な固体、または乳濁液が含まれる。これらの組成物はまた、任意選択的に、少量の非毒性補助物質(湿潤剤または乳化剤、およびpH緩衝剤など)を含む。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの構造(I)の化合物を含む薬学的組成物は、実例として、薬剤が溶液、懸濁液、またはその両方に存在する液体の形態を取る。典型的には、組成物を溶液または懸濁液として投与した場合、薬剤の第1の部分が溶液中に存在し、薬剤の第2の部分が液体マトリックス中の懸濁液中に、粒状の形態で存在する。いくつかの実施形態では、液体組成物にはゲル製剤が含まれる。他の実施形態では、液体組成物は水性である。
一定の実施形態では、有用な水性懸濁液は、懸濁化剤として1つまたはそれよりも多くのポリマーを含む。有用なポリマーには、水溶性ポリマー(セルロースポリマー(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)など)および水不溶性ポリマー(架橋カルボキシル含有ポリマーなど)が含まれる。本明細書中に記載の一定の薬学的組成物は、例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボマー(アクリル酸ポリマー)、ポリ(メチルメタクリラート)、ポリアクリルアミド、ポリカルボフィル、アクリル酸/ブチルアクリラートコポリマー、アルギン酸ナトリウム、およびデキストランから選択される粘膜付着性ポリマーを含む。
有用な薬学的組成物は、任意選択的に、構造(I)の化合物の溶解性を補助する溶解補助剤も含む。用語「溶解補助剤」には、一般に、薬剤のミセル溶液または真溶液を形成する剤が含まれる。一定の許容され得る非イオン性界面活性剤(例えば、ポリソルベート80)は、眼科的に許容され得るグリコール、ポリグリコール(例えば、ポリエチレングリコール400)、およびグリコールエーテルと同様に、溶解補助剤として有用である。
さらに、有用な薬学的組成物は、任意選択的に、1つまたはそれよりも多くのpH調整剤または緩衝剤(酢酸、ホウ酸、クエン酸、乳酸、リン酸、および塩酸などの酸;水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、およびトリス−ヒドロキシメチルアミノメタンなどの塩基;ならびにシトレート/デキストロース、重炭酸ナトリウム、および塩化アンモニウムなどのバッファが含まれる)を含む。かかる酸、塩基、およびバッファは、組成物のpHを許容され得る範囲内に維持するために必要な量で含まれる。
さらに、有用な組成物はまた、任意選択的に、組成物の重量オスモル濃度を許容され得る範囲にするのに必要な量で1つまたはそれよりも多くの塩を含む。かかる塩には、ナトリウム、カリウム、またはアンモニウムの陽イオンおよび塩素、クエン酸、アスコルビン酸、ホウ酸、リン酸、重炭酸、硫酸、チオ硫酸、または亜硫酸水素の陰イオンを有する塩が含まれ、適切な塩には、塩化ナトリウム、塩化カリウム、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、および硫酸アンモニウムが含まれる。
他の有用な薬学的組成物は、任意選択的に、微生物の活動を阻害するための1つまたはそれよりも多くの防腐剤を含む。適切な防腐剤には、水銀含有物質(メルフェンおよびチオメルサールなど);安定化二酸化塩素;ならびに第四級アンモニウム化合物(塩化ベンザルコニウム、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、およびセチルピリジニウムクロリドなど)が含まれる。
さらなる他の有用な組成物は、物理的安定性を増強するか他の目的のための1つまたはそれよりも多くの界面活性剤を含む。適切な非イオン性界面活性剤には、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリドおよび植物油(例えば、ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油);ならびにポリオキシエチレンアルキルエーテルおよびアルキルフェニルエーテル(例えば、オクトキシノール10、オクトキシノール40)が含まれる。
さらに他の有用な組成物は、必要に応じて化学的安定性を増強するための1つまたはそれよりも多くの抗酸化剤を含む。適切な抗酸化剤には、ほんの一例として、アスコルビン酸およびメタ重亜硫酸ナトリウムが含まれる。
一定の実施形態では、水性懸濁液組成物を、単回用量の再度密封できない容器にパッケージングする。あるいは、組成物中に防腐剤を含むことが典型的である場合、複数回用量の再度密封可能な容器を使用する。
別の実施形態では、疎水性薬学的化合物のための他の送達系を使用する。リポソームおよび乳濁液は、本明細書中で有用な送達用ビヒクルまたはキャリアの例である。一定の実施形態では、N−メチルピロリドンなどの有機溶媒も使用する。さらなる実施形態では、本明細書中に記載の化合物を、徐放系(治療薬を含む固体疎水性ポリマーの半透性マトリックスなど)を使用して送達させる。種々の徐放材料が本明細書中で有用である。いくつかの実施形態では、徐放カプセルは、数週間から100日間までにわたって化合物を放出する。治療試薬の化学的性質および生物学的安定性のために、さらなるタンパク質安定化ストラテジーを使用する。
一定の実施形態では、本明細書中に記載の製剤は、1つまたはそれよりも多くの抗酸化剤、金属キレート剤、チオール含有化合物、および/または他の一般的な安定剤を含む。かかる安定剤の例には、以下が含まれるが、これらに限定されない:(a)約0.5%〜約2%w/vグリセロール、(b)約0.1%〜約1%w/vメチオニン、(c)約0.1%〜約2%w/vモノチオグリセロール、(d)約1mM〜約10mM EDTA、(e)約0.01%〜約2%w/vアスコルビン酸、(f)0.003%〜約0.02%w/vポリソルベート80、(g)0.001%〜約0.05%w/vポリソルベート20、(h)アルギニン、(i)ヘパリン、(j)硫酸デキストラン、(k)シクロデキストリン、(l)ペントサンポリサルファートおよび他のヘパリノイド、(m)マグネシウムおよび亜鉛などの2価の陽イオン;または(n)その組み合わせ。
いくつかの実施形態では、本発明の薬学的組成物中に提供された1つまたはそれよりも多くの化合物の濃度は、w/w、w/v、またはv/vで、100%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、19%、18%、17%、16%、15%,14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.09%、0.08%、0.07%、0.06%、0.05%、0.04%、0.03%、0.02%、0.01%、0.009%、0.008%、0.007%、0.006%、0.005%、0.004%、0.003%、0.002%、0.001%、0.0009%、0.0008%、0.0007%、0.0006%、0.0005%、0.0004%、0.0003%、0.0002%、または0.0001%未満である。
いくつかの実施形態では、1つまたはそれよりも多くの本発明の化合物の濃度は、w/w、w/v、またはv/vで、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、19.75%、19.50%、19.25%、19%、18.75%、18.50%、18.25%、18%、17.75%、17.50%、17.25%、17%、16.75%、16.50%、16.25%、16%、15.75%、15.50%、15.25%、15%、14.75%、14.50%、14.25%、14%、13.75%、13.50%、13.25%、13%、12.75%、12.50%、12.25%、12%、11.75%、11.50%、11.25%、11%、10.75%、10.50%、10.25%、10%、9.75%、9.50%、9.25%、9%、8.75%、8.50%、8.25%、8%、7.75%、7.50%、7.25%、7%、6.75%、6.50%、6.25%、6%、5.75%、5.50%、5.25%、5%、4.75%、4.50%、4.25%、4%、3.75%、3.50%、3.25%、3%、2.75%、2.50%、2.25%、2%、1.75%、1.50%、125%、1%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.09%、0.08%、0.07%、0.06%、0.05%、0.04%、0.03%、0.02%、0.01%、0.009%、0.008%、0.007%、0.006%、0.005%、0.004%、0.003%、0.002%、0.001%、0.0009%、0.0008%、0.0007%、0.0006%、0.0005%、0.0004%、0.0003%、0.0002%、または0.0001%よりも多い。
いくつかの実施形態では、1つまたはそれよりも多くの本発明の化合物の濃度は、w/w、w/v、またはv/vで、およそ0.0001%〜およそ50%、およそ0.001%〜およそ40%、およそ0.01%〜およそ30%、およそ0.02%〜およそ29%、およそ0.03%〜およそ28%、およそ0.04%〜およそ27%、およそ0.05%〜およそ26%、およそ0.06%〜およそ25%、およそ0.07%〜およそ24%、およそ0.08%〜およそ23%、およそ0.09%〜およそ22%、およそ0.1%〜およそ21%、およそ0.2%〜およそ20%、およそ0.3%〜およそ19%、およそ0.4%〜およそ18%、およそ0.5%〜およそ17%、およそ0.6%〜およそ16%、およそ0.7%〜およそ15%、およそ0.8%〜およそ14%、およそ0.9%〜およそ12%、およそ1%〜およそ10%の範囲である。
いくつかの実施形態では、1つまたはそれよりも多くの本発明の化合物の濃度は、w/w、w/v、またはv/vで、およそ0.001%〜およそ10%、およそ0.01%〜およそ5%、およそ0.02%〜およそ4.5%、およそ0.03%〜およそ4%、およそ0.04%〜およそ3.5%、およそ0.05%〜およそ3%、およそ0.06%〜およそ2.5%、およそ0.07%〜およそ2%、およそ0.08%〜およそ1.5%、およそ0.09%〜およそ1%、およそ0.1%〜およそ0.9%の範囲である。
いくつかの実施形態では、1つまたはそれよりも多くの本発明の化合物の量は、10g、9.5g、9.0g、8.5g、8.0g、7.5g、7.0g、6.5g、6.0g、5.5g、5.0g、4.5g、4.0g、3.5g、3.0g、2.5g、2.0g、1.5g、1.0g、0.95g、0.9g、0.85g、0.8g、0.75g、0.7g、0.65g、0.6g、0.55g、0.5g、0.45g、0.4g、0.35g、0.3g、0.25g、0.2g、0.15g、0.1g、0.09g、0.08g、0.07g、0.06g、0.05g、0.04g、0.03g、0.02g、0.01g、0.009g、0.008g、0.007g、0.006g、0.005g、0.004g、0.003g、0.002g、0.001g、0.0009g、0.0008g、0.0007g、0.0006g、0.0005g、0.0004g、0.0003g、0.0002g、または0.0001gに等しいか、あるいはこれら未満である。
いくつかの実施形態では、1つまたはそれよりも多くの本発明の化合物の量は、0.0001g、0.0002g、0.0003g、0.0004g、0.0005g、0.0006g、0.0007g、0.0008g、0.0009g、0.001g、0.0015g、0.002g、0.0025g、0.003g、0.0035g、0.004g、0.0045g、0.005g、0.0055g、0.006g、0.0065g、0.007g、0.0075g、0.008g、0.0085g、0.009g、0.0095g、0.01g、0.015g、0.02g、0.025g、0.03g、0.035g、0.04g、0.045g、0.05g、0.055g、0.06g、0.065g、0.07g、0.075g、0.08g、0.085g、0.09g、0.095g、0.1g、、0.15g、0.2g、、0.25g、0.3g、、0.35g、0.4g、、0.45g、0.5g、0.55g、0.6g、、0.65g、0.7g、0.75g、0.8g、0.85g、0.9g、0.95g、1g、1.5g、2g、2.5、3g、3.5、4g、4.5g、5g、5.5g、6g、6.5g、7g、7.5g、8g、8.5g、9g、9.5g、または10gよりも多い。
いくつかの実施形態では、1つまたはそれよりも多くの本発明の化合物の量は、0.0001〜10g、0.0005〜9g、0.001〜8g、0.005〜7g、0.01〜6g、0.05〜5g、0.1〜4g、0.5〜4g、または1〜3gの範囲である。
キット/製品
本明細書中に記載の治療適用で用いるために、キットおよび製品も提供する。いくつかの実施形態では、かかるキットは、キャリア、パッケージ、または容器を含み、該容器は、バイアルおよびチューブなどの1つまたはそれよりも多くの容器(各容器は本明細書中に記載の方法で使用すべき個別の要素のうちの1つを含む)を入れるために区画化されている。適切な容器には、例えば、ボトル、バイアル、シリンジ、および試験管が含まれる。容器は、ガラスまたはプラスチックなどの種々の材料から形成されている。
本明細書中に提供した製品は、包装材料を含む。医薬製品の包装で用いる包装材料には、例えば、米国特許第5,323,907号、同第5,052,558号、および同第5,033,252号に見いだされる包装材料が含まれる。薬学的包装材料の例には、ブリスター包装、ボトル、チューブ、吸入器、ポンプ、バッグ、バイアル、容器、シリンジ、ボトル、ならびに選択された製剤ならびに意図する投与様式および処置様式に適切な任意の包装材料が含まれるが、これらに限定されない。例えば、容器は、任意選択的に組成物中または本明細書中に開示の別の薬剤と組み合わせた1つまたはそれよりも多くの本明細書中に記載の化合物を含む。容器は、任意選択的に、無菌のアクセスポートを有する(例えば、容器は皮下注射針によって貫通可能なストッパーを有する静注用溶液バッグまたはバイアルである)。かかるキットは、任意選択的に、識別用の説明もしくはラベルまたは本明細書中に記載の方法におけるその使用に関する指示と共に化合物を含む。
例えば、キットは、典型的には、1つまたはそれよりも多くのさらなる容器を含み、各容器は、本明細書中に記載の化合物の使用について商業的観点および使用者の観点から望ましい1つまたはそれよりも多くの種々の材料(任意選択的に濃縮形態の試薬および/またはデバイス)を有する。かかる材料の非限定的な例には、バッファ、希釈剤、フィルター、針、シリンジ;内容物および/または使用についての説明を列挙したキャリア、パッケージ、容器、バイアル、および/またはチューブのラベル、ならびに使用のための指示を含む添付文書が含まれるが、これらに限定されない。典型的には、説明書一式も含まれるであろう。ラベルは、任意選択的に、容器上または容器と共に存在する。例えば、ラベルを形成する文字、数字、または他の符号を容器自体に付着させるか、成形するか、エッチングする場合、ラベルは容器上に存在し、容器を保持もする貯蔵容器またはキャリア内に、例えば、添付文書としてラベルが存在する場合、ラベルは容器と共に存在する。さらに、ラベルを、内容物が特定の治療に適用するために使用すべきであることを示すために使用する。さらに、ラベルは、本明細書中に記載の方法などにおける内容物の使用法を示す。一定の実施形態では、薬学的組成物は、本明細書中に提供した化合物を含む1つまたはそれよりも多くの単位投薬形態を含むパックまたはディスペンサーデバイス中に存在する。パックは、例えば、金属またはプラスチック製の箔(ブリスター包装など)を含む。または、パックまたはディスペンサーデバイスは、投与説明書が添付されている。または、パックまたはディスペンサーは、医薬品の製造、使用、または販売を規制する政府機関が指示する形態の容器に関連する通知書が同封されており、この通知書は、政府機関によって承認されたヒトまたは動物への投与のための薬物の形態が反映されている。かかる通知書は、例えば、米国食品医薬品局によって承認された処方薬についてのラベルまたは承認された製品の添付書類である。いくつかの実施形態では、適合性薬学的キャリア中に製剤化した本明細書中に提供した化合物を含む組成物を、調製し、適切な容器に入れ、適応の状態の処置について表示する。
方法
本発明の実施形態は、RAS媒介細胞のシグナル伝達を阻害する方法であって、細胞を有効量の1つまたはそれよりも多くの本明細書中に開示の化合物と接触させる工程を含む方法を提供する。RAS媒介シグナル伝達の阻害を、当該分野で公知の広範な種々の方法によって評価および実証することができる。非限定的な例には、以下を示すことが含まれる:(a)RASのGTPアーゼ活性の減少;(b)GTP結合親和性の減少またはGDP結合親和性の増加;(c)GTPのK offの増加またはGDPのK offの減少;(d)RAS経路の下流のシグナル伝達分子レベルの減少(pMEKレベルの減少など);および/または(e)下流シグナル伝達分子(Rafが含まれるが、これらに限定されない)へのRAS複合体の結合の減少。キットおよび市販のアッセイを、1つまたは複数の上記の決定のために利用することができる。
実施形態はまた、病状(G12CのKRAS、HRAS、またはNRASの変異、G12C HRAS変異および/またはG12C NRAS変異(例えば、がん)に関与する状態が含まれるが、これらに限定されない)を処置するための本発明の化合物または薬学的組成物の使用方法を提供する。
いくつかの実施形態では、がんを処置する方法を提供し、その方法は、がんの処置を必要とする被験体に、有効量の、構造(I)の化合物を含む前述の薬学的組成物のいずれかを投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、がんは、KRAS、HRAS、またはNRASのG12C変異によって媒介される。他の実施形態では、がんは、膵臓がん、結腸がん、MYH関連ポリポーシス、結腸直腸がん、または肺がんである。
いくつかの実施形態では、本発明は、障害の処置を必要とする被験体における障害を処置する方法であって、被験体がKRAS、HRAS、またはNRASのG12C変異を有するかどうかを決定し、被験体がKRAS、HRAS、またはNRASのG12C変異を有すると決定された場合、治療有効用量の少なくとも1つの構造(I)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩、エステル、プロドラッグ、互変異性体、溶媒和物、水和物、または誘導体を被験体に投与する工程を含む、方法を提供する。
開示の化合物は、足場非依存性細胞成長を強く阻害し、したがって、腫瘍転移を阻害する可能性がある。したがって、別の実施形態では、本開示は、腫瘍転移を阻害する方法であって、有効量の本明細書中に開示の任意の化合物および薬学的に許容され得るキャリアを含む薬学的組成物を腫瘍転移を阻害する必要がある被験体に投与する工程を含む、方法を提供する。
KRAS、HRAS、またはNRASのG12C変異はまた、血液学的悪性疾患(例えば、血液、骨髄、および/またはリンパ節に影響を及ぼすがん)で同定されている。したがって、一定の実施形態は、血液学的悪性疾患の処置を必要とする患者への開示の化合物(例えば、薬学的組成物の形態)の投与に関する。かかる悪性疾患には、白血病およびリンパ腫が含まれるが、これらに限定されない。例えば、本開示の化合物を、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性単球性白血病(AMoL)、および/または他の白血病などの疾患の処置のために使用することができる。他の実施形態では、化合物は、リンパ腫(ホジキンリンパ腫または非ホジキンリンパ腫の全てのサブタイプなど)の処置に有用である。
腫瘍またはがんがG12CのKRAS、HRAS、またはNRAS変異を含むかどうかの決定を、KRAS、HRAS、またはNRASタンパク質をコードするヌクレオチド配列の評価、KRAS、HRAS、またはNRASタンパク質のアミノ酸配列の評価、または推定されるKRAS、HRAS、またはNRASの変異体タンパク質の特徴の評価によって行うことができる。野生型のヒトKRAS、HRAS、またはNRASの配列は、当該分野で公知である(例えば、アクセッション番号NP203524)。
KRAS、HRAS、またはNRASのヌクレオチド配列の変異の検出方法は、当業者に公知である。これらの方法には、ポリメラーゼ連鎖反応−制限酵素切断断片長多型(PCR−RFLP)アッセイ、ポリメラーゼ連鎖反応−一本鎖DNA高次構造多型(PCR−SSCP)アッセイ、リアルタイムPCRアッセイ、PCR配列決定、変異体対立遺伝子特異的PCR増幅(MASA)アッセイ、直接配列決定、プライマー伸長反応、電気泳動、オリゴヌクレオチドライゲーションアッセイ、ハイブリッド形成アッセイ、TaqManアッセイ、SNP遺伝子型同定アッセイ、高分解能融解アッセイ、およびマイクロアレイ解析が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、サンプルを、リアルタイムPCRによってG12CのKRAS、HRAS、またはNRAS変異について評価する。リアルタイムPCRでは、KRAS、HRAS、またはNRASのG12C変異に特異的な蛍光プローブを使用する。変異が存在する場合、プローブが結合し、蛍光が検出される。いくつかの実施形態では、KRAS、HRAS、またはNRASのG12C変異を、KRAS、HRAS、またはNRASの遺伝子中の特定の領域(例えば、エクソン2および/またはエクソン3)の直接配列決定法を使用して同定する。この技術は、配列決定された領域中の全ての可能な変異を同定する。
KRAS、HRAS、またはNRASタンパク質中の変異を検出する方法は、当業者に公知である。これらの方法には、変異体タンパク質に特異的な結合剤(例えば、抗体)、タンパク質電気泳動、およびウェスタンブロッティング、ならびに直接ペプチド配列決定を使用したKRAS、HRAS、またはNRAS変異体の検出が含まれるが、これらに限定されない。
腫瘍またはがんがG12CのKRAS、HRAS、またはNRASの変異を含むかどうか決定する方法は、種々のサンプルを使用することができる。いくつかの実施形態では、腫瘍またはがんを有する被験体からサンプルを採取する。いくつかの実施形態では、がんまたは腫瘍を有する被験体からサンプルを採取する。いくつかの実施形態では、サンプルは、新鮮な腫瘍/がんサンプルである。いくつかの実施形態では、サンプルは凍結された腫瘍/がんサンプルである。いくつかの実施形態では、サンプルは、ホルマリン固定パラフィン包埋サンプルである。いくつかの実施形態では、サンプルを、細胞ライセートに加工する。いくつかの実施形態では、サンプルをDNAまたはRNAに加工する。
本発明の実施形態はまた、哺乳動物に治療有効量の本発明の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、エステル、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、もしくは誘導体を投与する工程を含む、哺乳動物の過剰増殖性障害を処置する方法に関する。いくつかの実施形態では、前記方法は、以下などのがんの処置に関する:急性骨髄性白血病、青年期のがん、小児副腎皮質癌、AIDS関連がん(例えば、リンパ腫およびカポジ肉腫)、肛門がん、虫垂がん、星状細胞腫、非定型奇形腫様腫瘍、基底細胞癌、胆管がん、膀胱がん、骨のがん、脳幹部神経膠腫、脳腫瘍、乳がん、気管支腫瘍、バーキットリンパ腫、カルチノイド腫瘍、非定型奇形腫様腫瘍、胎児性腫瘍、胚細胞腫瘍、原発性リンパ腫、子宮頸がん、小児がん、脊索腫、心臓腫瘍、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄増殖性障害(chronic myleoproliferative disorder)、結腸がん、結腸直腸がん、頭蓋咽頭腫、皮膚T細胞リンパ腫、肝外腺管上皮内癌(DCIS)、胎児性腫瘍、CNSがん、子宮内膜がん、上衣腫、食道がん、感覚神経芽細胞腫、ユーイング肉腫、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外生殖細胞腫瘍、眼のがん、骨の線維性組織球腫、胆嚢がん、胃がん、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、胚細胞腫瘍、妊娠性絨毛性腫瘍、毛様細胞白血病、頭頸部がん、心臓がん、肝臓がん、ホジキンリンパ腫、下咽頭がん、眼内黒色腫、島細胞腫、膵神経内分泌腫瘍、腎臓がん、喉頭がん、***がんおよび口腔がん、肝臓がん、小葉上皮内癌(LCIS)、肺がん、リンパ腫、原発不明の転移性頸部扁平上皮がん、正中管癌、口腔がん 多発性内分泌腫瘍症候群、多発性骨髄腫/形質細胞新生物、菌状息肉症、骨髄異形成症候群、骨髄異形成/骨髄増殖性新生物、多発性骨髄腫、メルケル細胞癌、悪性中皮腫、骨の悪性線維性組織球腫および骨肉腫、鼻腔がんおよび副鼻腔がん、鼻咽頭がん、神経芽細胞腫、非ホジキンリンパ腫、非小細胞肺がん(NSCLC)、口腔がん、***がんおよび口腔がん、口腔咽頭がん、卵巣がん、膵臓がん、乳頭腫症、傍神経節腫、副鼻腔がんおよび鼻腔がん、副甲状腺がん、陰茎がん、咽頭がん、胸膜肺芽腫、原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫、前立腺がん、直腸がん、移行細胞がん、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺がん、皮膚がん、胃がん(胃がん)、小細胞肺がん、小腸がん、軟部組織肉腫、T細胞リンパ腫、睾丸がん、咽喉がん、胸腺腫および胸腺癌、甲状腺がん、腎盂および尿管の移行細胞がん、絨毛性腫瘍、小児期のまれながん、尿道がん、子宮肉腫、膣がん、外陰がん、またはウイルス誘発がん。いくつかの実施形態では、前記方法は、非がん性過剰増殖性障害(皮膚の良性過形成(例えば、乾癬)、再狭窄、または前立腺(例えば、良性前立腺肥大症(BPH))など)の処置に関する。
一定の特定の実施形態では、本発明は、肺がんの処置方法であって、有効量の任意の上記化合物(または上記化合物を含む薬学的組成物)を肺がんの処置を必要とする被験体に投与する工程を含む、方法に関する。一定の実施形態では、肺がんは、非小細胞肺癌(NSCLC)(例えば、腺癌、肺扁平上皮癌、または大細胞肺癌)である。他の実施形態では、肺がんは小細胞肺癌である。開示の化合物で処置可能な他の肺がんには、腺腫瘍、カルチノイド腫瘍、および未分化癌が含まれるが、これらに限定されない。
本発明の方法にしたがって本発明の化合物、または前記化合物の薬学的に許容され得る塩、エステル、プロドラッグ、溶媒和物、互変異性体、水和物、もしくは誘導体を用いて処置することができる被験体には、例えば、以下を有すると診断されている被験体が含まれる:急性骨髄性白血病、急性骨髄性白血病、青年期のがん、小児副腎皮質癌、AIDS関連がん(例えば、リンパ腫およびカポジ肉腫)、肛門がん、虫垂がん、星状細胞腫、非定型奇形腫様腫瘍、基底細胞癌、胆管がん、膀胱がん、骨のがん、脳幹部神経膠腫、脳腫瘍、乳がん、気管支腫瘍、バーキットリンパ腫、カルチノイド腫瘍、非定型奇形腫様腫瘍、胎児性腫瘍、胚細胞腫瘍、原発性リンパ腫、子宮頸がん、小児がん、脊索腫、心臓腫瘍、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄増殖性障害、結腸がん、結腸直腸がん、頭蓋咽頭腫、皮膚T細胞リンパ腫、肝外腺管上皮内癌(DCIS)、胎児性腫瘍、CNSがん、子宮内膜がん、上衣腫、食道がん、感覚神経芽細胞腫、ユーイング肉腫、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外生殖細胞腫瘍、眼のがん、骨の線維性組織球腫、胆嚢がん、胃がん、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、胚細胞腫瘍、妊娠性絨毛性腫瘍、毛様細胞白血病、頭頸部がん、心臓がん、肝臓がん、ホジキンリンパ腫、下咽頭がん、眼内黒色腫、島細胞腫、膵神経内分泌腫瘍、腎臓がん、喉頭がん、***がんおよび口腔がん、肝臓がん、小葉上皮内癌(LCIS)、肺がん、リンパ腫、原発不明の転移性頸部扁平上皮がん、正中管癌、口腔がん 多発性内分泌腫瘍症候群、多発性骨髄腫/形質細胞新生物、菌状息肉症、骨髄異形成症候群、骨髄異形成/骨髄増殖性新生物、多発性骨髄腫、メルケル細胞癌、悪性中皮腫、骨の悪性線維性組織球腫および骨肉腫、鼻腔がんおよび副鼻腔がん、鼻咽頭がん、神経芽細胞腫、非ホジキンリンパ腫、非小細胞肺がん(NSCLC)、口腔がん、***がんおよび口腔がん、口腔咽頭がん、卵巣がん、膵臓がん、乳頭腫症、傍神経節腫、副鼻腔がんおよび鼻腔がん、副甲状腺がん、陰茎がん、咽頭がん、胸膜肺芽腫、原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫、前立腺がん、直腸がん、移行細胞がん、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺がん、皮膚がん、胃がん(胃がん)、小細胞肺がん、小腸がん、軟部組織肉腫、T細胞リンパ腫、睾丸がん、咽喉がん、胸腺腫および胸腺癌、甲状腺がん、腎盂および尿管の移行細胞がん、絨毛性腫瘍、小児期のまれながん、尿道がん、子宮肉腫、膣がん、外陰がん、またはウイルス誘発がん。いくつかの実施形態では、本発明の化合物で処置される被験体には、非がん性過剰増殖性障害(皮膚の良性過形成(例えば、乾癬)、再狭窄、または前立腺(例えば、良性前立腺肥大症(BPH))など)を有すると診断されている被験体が含まれる。
本発明の実施形態は、G12C変異体KRAS、HRAS、またはNRASタンパク質活性を、前記タンパク質を有効量の本発明の化合物と接触させることによって調整する方法をさらに提供する。調整は、タンパク質活性の阻害または活性化であり得る。いくつかの実施形態では、本発明は、溶液中でG12C変異体KRAS、HRAS、またはNRASタンパク質を有効量の本発明の化合物と接触させることによってタンパク質活性を阻害する方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、目的のタンパク質を発現する細胞、組織、器官と接触させることによってG12C変異体KRAS、HRAS、またはNRASタンパク質活性を阻害する方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、被験体(齧歯類および哺乳動物(例えば、ヒト)が含まれるが、これらに限定されない)のタンパク質活性を、有効量の本発明の化合物を被験体に投与することによって阻害する方法を提供する。いくつかの実施形態では、調整率は、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%よりも多い。いくつかの実施形態では、制御率は、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%よりも多い。
いくつかの実施形態では、本発明は、細胞中のKRAS、HRAS、またはNRAS G12Cの活性を、前記細胞を前記細胞中のKRAS、HRAS、またはNRAS G12Cの活性を阻害するのに十分な量の本発明の化合物と接触させることによって阻害する方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、組織中のKRAS、HRAS、またはNRAS G12Cの活性を、前記組織を前記組織中のKRAS、HRAS、またはNRAS G12Cの活性を阻害するのに十分な量の本発明の化合物と接触させることによって阻害する方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、生物中のKRAS、HRAS、またはNRAS G12Cの活性を、前記生物を前記生物中のKRAS、HRAS、またはNRAS G12Cの活性を阻害するのに十分な量の本発明の化合物と接触させることによって阻害する方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、動物中のKRAS、HRAS、またはNRAS G12Cの活性を、前記動物を前記動物中のKRAS、HRAS、またはNRAS G12Cの活性を阻害するのに十分な量の本発明の化合物と接触させることによって阻害する方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、哺乳動物中のKRAS、HRAS、またはNRAS G12Cの活性を、前記哺乳動物を前記哺乳動物中のKRAS、HRAS、またはNRAS G12Cの活性を阻害するのに十分な量の本発明の化合物と接触させることによって阻害する方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、ヒト中のKRAS、HRAS、またはNRAS G12Cの活性を、前記ヒトを前記ヒト中のKRAS、HRAS、またはNRAS G12Cの活性を阻害するのに十分な量の本発明の化合物と接触させることによって阻害する方法を提供する。他の実施形態では、本発明は、KRAS、HRAS、またはNRAS G12Cの活性によって媒介される疾患の処置を、かかる処置を必要とする被験体において行う方法を提供する。
他の実施形態は、他の経路、または同一経路の他の成分、またはさらに重複する標的酵素の組を調整することが公知の薬剤を本発明の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩、エステル、プロドラッグ、溶媒和物、互変異性体、水和物、または誘導体と組み合わせて使用する併用療法を提供する。1つの態様では、かかる治療には、相乗的または付加的な治療効果を得るための1つまたはそれよりも多くの本発明の化合物の、化学療法剤、治療抗体、および照射処置との組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
多数の化学療法剤が現在当該分野で公知であり、本発明の化合物と組み合わせて使用することができる。いくつかの実施形態では、化学療法剤は、有糸***インヒビター、アルキル化剤、代謝拮抗物質、挿入抗生物質、成長因子インヒビター、細胞周期インヒビター、酵素、トポイソメラーゼインヒビター、生物学的応答調節物質、アンチホルモン、血管新生インヒビター、および抗アンドロゲン剤からなる群から選択される。
非限定的な例は、化学療法剤、細胞毒性剤、非ペプチド小分子(グリベック(登録商標)(メシル酸イマチニブ)、ベルケイド(登録商標)(ボルテゾミブ)、カソデックス(ビカルタミド)、イレッサ(登録商標)(ゲフィチニブ)、およびアドリアマイシンなど)、ならびに多数の化学療法剤である。化学療法薬の非限定的な例には、アルキル化剤(チオテパおよびシクロホスファミド(cyclosphosphamide)(サイトキサン(商標))など);スルホン酸アルキル(ブスルファン、インプロスルファン、およびピポスルファンなど);アジリジン(ベンゾドーパ、カルボコン、メツレドーパ、およびウレドーパなど);エチレンイミンおよびメチルメラミン(methylamelamine)(アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホラミド(trietylenephosphoramide)、トリエチレンチオホスホラミド(triethylenethiophosphaoramide)、およびトリメチロールメラミン(trimethylolomelamine)が含まれる);ナイトロジェンマスタード(クロラムブシル、クロルナファジン、コロホスファミド、エストラムスチン、イフォスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシド塩酸塩、メルファラン、ノブエンビキン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタードなど);ニトロソ尿素(nitrosurea)(カルムスチン、クロロゾトシン、ホテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、ラニムスチンなど);抗生物質(アクラシノマイシン、アクチノマイシン、アントラマイシン(authramycin)、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カリケアマイシン、カラビシン、カルミノマイシン、カルジノフィリン、カソデックス(商標)、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン、ピューロマイシン、ケラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシンなど);代謝拮抗物質(メトトレキサートおよび5−フルオロウラシル(5−FU)など);葉酸アナログ(デノプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン、トリメトレキサートなど);プリンアナログ(フルダラビン、6−メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニンなど);ピリミジンアナログ(アンシタビン、アザシチジン、6−アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジンなど)、アンドロゲン(カルステロン、ドロモスタノロンプロピオナート、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトンなど);抗副腎剤(アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタンなど);葉酸補充物質(フロリン酸など);アセグラトン;アルドホスファミド グリコシド;アミノレブリン酸;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトラキサート;デフォファミン;デメコルシン;ジアジコン;エルフォミチン;エリプチニウムアセタート;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシ尿素;レンチナン;ロニダミン;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダモール;ニトラクリン;ペントスタチン;フェナメット;ピラルビシン;ポドフィリン酸;2−エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK(登録商標);ラゾキサン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジコン;2,2’,2’’−トリクロロトリエチルアミン;ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン;アラビニノシド(「Ara−C」);シクロホスファミド;チオテパ;タキサン(例えば、パクリタキセル(タキソール(商標)、Bristol−Myers Squibb Oncology、Princeton、N.J.)およびドセタキセル(タキソテール(商標)、Rhone−Poulenc Rorer、Antony、France));レチノイン酸;エスペラミシン;カペシタビン;および上記のいずれかの薬学的に許容され得る塩、酸、または誘導体が含まれる。適切な化学療法細胞調整剤として、腫瘍に対するホルモン作用を調節または阻害するように作用する抗ホルモン剤(抗エストロゲン剤(例えば、タモキシフェン(ノルバデックス(商標))、ラロキシフェン、アロマターゼ阻害4(5)−イミダゾール、4−ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY 117018、オナプリストン、およびトレミフェン(フェアストン)が含まれる);および抗アンドロゲン剤(フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、ロイプロリド、およびゴセレリンなど);クロラムブシル;ゲムシタビン;6−チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;白金アナログ(シスプラチンおよびカルボプラチンなど);ビンブラスチン;白金;エトポシド(VP−16);イフォスファミド;マイトマイシンC;ミトキサントロン;ビンクリスチン;ビノレルビン;ナベルビン;ノバントロン;テニポシド;ダウノマイシン;アミノプテリン;ゼローダ;イバンドロネート;カンプトテシン−11(CPT−11);トポイソメラーゼインヒビターRFS2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO)も含まれる。必要に応じて、本発明の化合物または薬学的組成物を、一般的に処方される抗がん薬(ハーセプチン(登録商標)、アバスチン(登録商標)、エルビタックス(登録商標)、リツキサン(登録商標)、タキソール(登録商標)、アリミデックス(登録商標)、タキソテール(登録商標)、ABVD、AVICINE、アバゴボマブ、アクリジンカルボキサミド、アデカツムマブ、17−N−アリルアミノ−17−デメトキシゲルダナマイシン、アルファラジン、アルボシジブ、3−アミノピリジン−2−カルボキシアルデヒドチオセミカルバゾン、アモナフィド、アントラセンジオン、抗CD22免疫毒素、抗悪性腫瘍薬、抗腫瘍形成性ハーブ、アパジコン、アチプリモド、アザチオプリン、ベロテカン、ベンダムスチン、BIBW2992、ビリコダール、ブロスタリシン、ブリオスタチン、ブチオニンスルホキシミン、CBV(化学療法)、カリクリン、細胞周期非特異的抗新生物剤、ジクロロ酢酸、ジスコデルモリド、エルサミトルシン、エノシタビン、エポチロン、エリブリン、エベロリムス、エクサテカン、エクシスリンド、フェルギノール、フォロデシン、ホスフェストロール、ICE化学療法レジメン、IT−101、イメキソン、イミキモド、インドロカルバゾール、イロフルベン、ラニクイダール、ラロタキセル、レナリドミド、ルカントン、ルルトテカン、マホスファミド、ミトゾロミド、ナホキシジン、ネダプラチン、オラパリブ、オルタタキセル、PAC−1、ポーポー、ピキサントロン、プロテアソームインヒビター、レベッカマイシン、レシキモド、ルビテカン、SN−38、サリノスポラミドA、サパシタビン、スタンフォードV、スワインソニン、タラポルフィン、タリキダール、テガフール−ウラシル、テモダール、テセタキセル、四硝酸トリプラチン、トリス(2−クロロエチル)アミン、トロキサシタビン、ウラムスチン、バジメザン、ビンフルニン、ZD6126、またはゾスキダルなど)と組み合わせて使用することができる。
実施形態は、さらに、哺乳動物における異常細胞成長の阻害または過剰増殖性障害の処置のための放射線療法と組み合わせて本明細書中に提供した化合物または薬学的組成物を使用する方法に関する。放射線療法の施行技術は当該分野で公知であり、これらの技術を本明細書中に記載の併用療法で使用することができる。この併用療法における本発明の化合物の投与を、本明細書中に記載のように決定することができる。
放射線療法を、いくつかの方法のうちの1つまたは方法の組み合わせ(外照射療法、内部放射線療法、組織内照射、定位手術的照射、全身放射線療法、照射療法および持続性または一時的な組織内小線源治療が含まれるが、これらに限定されない)によって施行することができる。用語「近接照射療法」は、本明細書中で使用する場合、体内の腫瘍または他の増殖性組織の罹患部位またはその付近に挿入された空間的に制限された放射性物質によって送達する放射線療法をいう。この用語は、放射性同位体(例えば、At−211、I−131、I−125、Y−90、Re−186、Re−188、Sm−153、Bi−212、P−32、およびLuの放射性同位体)への曝露が含まれることが意図されるが、これらに制限されない。本発明の細胞調整剤としての使用に適切な放射線源には、固体および液体の両方が含まれる。非限定的な例として、放射線源は、放射性核種(固体線源としてのI−125、I−131、Yb−169、Ir−192、固体線源としてのI−125など)、または光子を放射する他の放射性核種、β粒子、γ線、または他の治療用放射線であり得る。放射性物質はまた、任意の放射性核種溶液(例えば、I−125またはI−131の溶液)から作製した流体であり得るか、放射性流体を、固体放射性核種(Au−198、Y−90など)の小粒子を含む適切な流体のスラリーを使用して生成することができる。さらに、放射性核種を、ゲルまたは放射性ミクロスフェア中に組み入れることができる。
いかなる理論にも制限されないが、本発明の化合物は、異常細胞にかかる細胞の死滅および/または成長阻害を目的とした照射を使用した処置により高い感受性を示させることができる。したがって、本発明は、さらに、哺乳動物中の異常細胞の、照射を使用した処置に対する感受性を増加させる方法であって、本発明の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、エステル、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、または誘導体を、異常細胞の、照射を使用した処置に対する感受性を増加させるのに有効な量で哺乳動物に投与する工程を含む、方法に関する。本方法における化合物、塩、または溶媒和物の量を、有効量のかかる本明細書中に記載の化合物を確認する手段にしたがって決定することができる。
本発明の化合物または薬学的組成物を、一定量の抗血管新生剤、シグナル伝達インヒビター、抗増殖剤、解糖インヒビター、または自食作用インヒビターから選択される1つまたはそれよりも多くの物質と組み合わせて使用することができる。
抗血管新生剤(MMP−2(マトリックス−メタロプロテイナーゼ2)インヒビター、MMP−9(マトリックス−メタロプロテイナーゼ(matrix−metalloprotienase)9)インヒビター、およびCOX−11(シクロオキシゲナーゼ11)インヒビターなど)を、本明細書中に記載の本発明の化合物および薬学的組成物と併せて使用することができる。抗血管新生剤には、例えば、ラパマイシン、テムシロリムス(CCI−779)、エベロリムス(RAD001)、ソラフェニブ、スニチニブ、およびベバシズマブが含まれる。有用なCOX−IIインヒビターの例には、セレブレックス(商標)(アレコキシブ)、バルデコキシブ、およびロフェコキシブが含まれる。有用なマトリックスメタロプロテイナーゼインヒビターの例は、WO96/33172号(1996年10月24日公開)、WO96/27583号(1996年3月7日公開)、欧州特許出願第97304971.1号(1997年7月8日出願)、欧州特許出願第99308617.2号(1999年10月29日出願)、WO98/07697号(1998年2月26日公開)、WO98/03516号(1998年1月29日公開)、WO98/34918号(1998年8月13日公開)、WO98/34915号(1998年8月13日公開)、WO98/33768号(1998年8月6日公開)、WO98/30566号(1998年7月16日公開)、欧州特許公開第606,046号(1994年7月13日公開)、欧州特許公開第931、788号(1999年7月28日公開)、WO90/05719号(1990年5月31日公開)、WO99/52910号(1999年10月21日公開)、WO99/52889号(1999年10月21日公開)、WO99/29667号(1999年6月17日公開)、PCT国際出願番号PCT/IB98/01113号(1998年7月21日出願)、欧州特許出願第99302232.1号(1999年3月25日出願)、英国特出願第9912961.1号(1999年6月3日出願)、米国仮特許出願第60/148,464号(1999年8月12日出願)、米国特許第5,863,949号(1999年1月26日発行)、米国特許第5,861,510号(1999年1月19日発行)、および欧州特許公開第780,386号(1997年6月25日公開)(上記の全文献全体が本明細書中で参考として組み込まれる)に記載されている。好ましいMMP−2インヒビターおよびMMP−9インヒビターは、MMP−1阻害活性をほとんどまたは全く持たないインヒビターである。他のマトリックス−メタロプロテイナーゼ(すなわち、MAP−1、MMP−3、MMP−4、MMP−5、MMP−6、MMP−7、MMP−8、MMP−10、MMP−ll、MMP−12、およびMMP−13)と比較してMMP−2および/またはAMP−9を選択的に阻害するインヒビターがより好ましい。本発明で有用なMMPインヒビターのいくつかの具体例は、AG−3340、RO32−3555、およびRS13−0830である。
自食作用インヒビターには、クロロキン、3−メチルアデニン、ヒドロキシクロロキン(プラケニル(商標))、バフィロマイシンA1、5−アミノ−4−イミダゾールカルボキサミドリボシド(AICAR)、オカダ酸、タンパク質ホスファターゼ2A型または1型を阻害する自食作用抑制藻類毒素、cAMPのアナログ、およびcAMPレベルを上昇させる薬物(アデノシン、LY204002、N6−メルカプトプリンリボシド、およびビンブラスチンなど)が含まれるが、これらに限定されない。さらに、タンパク質(ATG5(自食作用に関与する)が含まれるが、これらに限定されない)の発現を阻害するアンチセンスまたはsiRNAも使用することができる。
実施形態はまた、一定量の本発明の化合物、あるいはその薬学的に許容され得る塩、エステル、プロドラッグ、溶媒和物、互変異性体、水和物、または誘導体、またはその同位体標識された誘導体、および一定量の心血管疾患の処置用の1つまたはそれよりも多くの治療薬を含む哺乳動物における心血管疾患の処置のための方法および薬学的組成物に関する。
心血管疾患への適用時に用いる例示的な薬剤は、抗血栓薬(例えば、プロスタサイクリンおよびサリチラート)、血栓溶解剤(例えば、ストレプトキナーゼ、ウロキナーゼ、組織プラスミノゲンアクチベーター(TPA)、およびアニソイル化プラスミノゲン−ストレプトキナーゼアクチベーター複合体(APSAC))、抗血小板剤(例えば、アセチル−サリチル酸(ASA)およびクロピドロゲル)、血管拡張剤(例えば、ニトラート)、カルシウムチャネル遮断薬、抗増殖剤(例えば、コルヒチンおよびアルキル化剤)、挿入剤、成長調整因子(インターロイキン、トランスフォーミング成長因子−β、および血小板由来成長因子の同類物、成長因子に指向するモノクローナル抗体など)、抗炎症剤(ステロイド性および非ステロイド性の両方)、および血管の緊張、機能、動脈硬化、および介入後の血管または器官の傷害に対する治癒応答を調整することができる他の薬剤である。抗生物質を、本発明に含まれる組み合わせまたはコーティング中に含めることもできる。さらに、コーティングを使用して、血管壁内に局所的に治療薬を送達させることができる。膨潤性ポリマー中に活性薬剤を組み込むことにより、ポリマーの膨潤の際に活性薬剤は放出される。
いくつかの実施形態では、本明細書中に記載の化合物を、潤滑剤としも公知の液体または固体の組織バリアと併せて製剤化または投与する。組織バリアの例には、ポリサッカリド、ポリグリカン、セプラフィルム、インターシード、およびヒアルロン酸が含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、本明細書中に記載の化合物と併せて投与される薬品には、吸入によって有用に送達される任意の適切な薬物(例えば、鎮痛薬(例えば、コデイン、ジヒドロモルヒネ、エルゴタミン、フェンタニル、またはモルヒネ);アンギナ調製物(例えば、ジルチアゼム);抗アレルギー薬(例えば、クロモグリカート、ケトチフェン、またはネドクロミル);抗感染症薬(例えば、セファロスポリン、ペニシリン、ストレプトマイシン、スルホンアミド、テトラサイクリン、またはペンタミジン);抗ヒスタミン薬(例えば、メタピリレン;抗炎症薬(例えば、ベクロメタゾン、フルニソリド、ブデソニド、チプレダン、トリアムシノロンアセトニド、またはフルチカゾン);鎮咳薬(例えば、ノスカピン);気管支拡張薬(例えば、エフェドリン、アドレナリン、フェノテロール、ホルモテロール、イソプレナリン、メタプロテレノール、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、ピルブテロール、レプロテロール、リミテロール、サルブタモール、サルメテロール、テルブタリン、イソエタリン、ツロブテロール、オルシプレナリン、または(−)−4−アミノ−3,5−ジクロロ−α−[[[6−[2−(2−ピリジニル)エトキシ]ヘキシル]−アミノ]メチル]ベンゼンメタノール);利尿薬(例えば、アミロライド);抗コリン作用薬(例えば、イプラトロピウム、アトロピン、またはオキシトロピウム);ホルモン(例えば、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、またはプレドニゾロン);キサンチン(例えば、アミノフィリン、コリンテオフィリナート、リジンテオフィリナート、またはテオフィリン);ならびに治療タンパク質および治療ペプチド(例えば、インスリンまたはグルカゴン))が含まれる。適切な場合には、薬品を、薬品の活性および/または安定性を最適にするために塩の形態(例えば、アルカリ金属塩またはアミン塩としてまたは酸付加塩として)で、またはエステル(例えば、低級アルキルエステル)として、または溶媒和物(例えば、水和物)として使用することが当業者に明らかであろう。
併用療法に有用な他の例示的な治療薬には、上記放射線療法の薬剤、ホルモンアンタゴニスト、ホルモンおよびその放出因子、甲状腺薬および抗甲状腺薬、エストロゲンおよびプロゲスチン、アンドロゲン、副腎皮質刺激ホルモン;副腎皮質ステロイドおよびその合成アナログ;副腎皮質ホルモンの合成および作用、インスリン、経口血糖降下剤、ならびに膵内分泌部の薬理作用のインヒビター、石灰化および骨代謝回転に影響をおよぼす薬剤:カルシウム、ホスファート、副甲状腺ホルモン、ビタミンD、カルシトニン、ビタミン(水溶性ビタミン、ビタミンB複合体、アスコルビン酸、脂溶性ビタミン、ビタミンA、K、およびEなど)、成長因子、サイトカイン、ケモカイン、ムスカリン受容体アゴニストおよびアンタゴニスト;抗コリンエステラーゼ剤;神経筋接合部および/または自律神経節で作用する薬剤;カテコールアミン、交感神経様作用薬、およびアドレナリン作動性受容体のアゴニストまたはアンタゴニスト;ならびに5−ヒドロキシトリプタミン(5−HT、セロトニン)受容体のアゴニストおよびアンタゴニストが含まれるが、これらに限定されない。
治療薬には、疼痛および炎症のための薬剤(ヒスタミンおよびヒスタミンアンタゴニスト、ブランジキニンおよびブランジキニンアンタゴニスト、5−ヒドロキシトリプタミン(セロトニン)など)、膜リン脂質の選択的加水分解生成物の生体内変換によって生成される脂質物質、エイコサノイド、プロスタグランジン、トロンボキサン、ロイコトリエン、アスピリン、非ステロイド性抗炎症剤、鎮痛剤−解熱剤、プロスタグランジンおよびトロンボキサンの合成を阻害する薬剤、誘導型シクロオキシゲナーゼの選択的インヒビター、誘導型シクロオキシゲナーゼ−2の選択的インヒビター、オータコイド、パラクリンホルモン、ソマトスタチン、ガストリン、体液性免疫応答および細胞性免疫応答に関与する相互作用を媒介するサイトカイン、脂質由来オータコイド、エイコサノイド、β−アドレナリン作動性アゴニスト、イプラトロピウム、糖質コルチコイド、メチルキサンチン、ナトリウムチャネル遮断薬、オピオイド受容体アゴニスト、カルシウムチャネル遮断薬、膜安定剤、およびロイコトリエンインヒビターも含まれ得る。
本明細書中で意図されるさらなる治療薬には、利尿薬、バソプレシン、腎臓内の保水に影響を及ぼす薬剤、レンニン、アンギオテンシン、心筋虚血の処置に有用な薬剤、抗高血圧薬、アンギオテンシン変換酵素インヒビター、β−アドレナリン作動性受容体アンタゴニスト、高コレステロール血症処置のための薬剤、および異常脂質血症処置のための薬剤が含まれる。
意図される他の治療薬には、胃液酸度の調節のために使用される薬物、消化性潰瘍処置のための薬剤、胃食道逆流疾患処置のための薬剤、消化管運動促進剤、制吐薬、過敏性腸症候群で使用される薬剤、下痢のために使用される薬剤、便秘のために使用される薬剤、炎症性腸疾患のために使用される薬剤、胆管疾患のために使用される薬剤、膵疾患のために使用される薬剤が含まれる。原生動物感染症を処置するために使用される治療薬、マラリア、アメーバ症、ジアルジア症、トリコモナス症、トリパソノーマ症、および/もしくはリーシュマニア症を処置するために使用される薬物、ならびに/または蠕虫症の化学療法で用いる薬物。他の治療薬には、抗菌剤、スルホンアミド、トリメトプリム−スルファメトキサゾールキノロン、および***症のための薬剤、ペニシリン、セファロスポリンなど、β−ラクタム抗生物質、アミノグリコシドを含む薬剤、タンパク質合成インヒビター、結核、マイコバクテリウム・アビウム複合体病、および癩病の化学療法で用いる薬物、抗真菌薬、抗ウイルス薬(非レトロウイルス薬および抗レトロウイルス薬が含まれる)が含まれる。
本発明の化合物と組み合わせることができる治療抗体の例には、抗受容体チロシンキナーゼ抗体(セツキシマブ、パニツムマブ、トラスツズマブ)、抗CD20抗体(リツキシマブ、トシツモマブ)、および他の抗体(アレムツズマブ、ベバシズマブ、およびゲムツズマブなど)が含まれるが、これらに限定されない。
さらに、免疫調節のために使用される治療薬(免疫調節薬、免疫抑制薬、寛容原、および免疫刺激薬など)は、本明細書中の方法で意図される。さらに、血液および血液形成器官に作用する治療薬、造血剤、成長因子、ミネラル、およびビタミン、抗凝固薬、血栓溶解薬、および抗血小板薬。
腎癌の処置のために、本発明の化合物をソラフェニブおよび/またはアバスチンと組み合わせることができる。子宮内膜障害の処置のために、本発明の化合物をドキソルビシン(doxorubincin)、タキソテール(タキソール)、および/またはシスプラチン(カルボプラチン)と組み合わせることができる。卵巣がんの処置のために、本発明の化合物をシスプラチン(カルボプラチン)、タキソテール、ドキソルビシン(doxorubincin)、トポテカン、および/またはタモキシフェンと組み合わせることができる。乳がんの処置のために、本発明の化合物をタキソテール(タキソール)、ゲムシタビン(カペシタビン)、タモキシフェン、レトロゾール、タルセバ、ラパチニブ、PD0325901、アバスチン、ハーセプチン、OSI−906、および/またはOSI−930と組み合わせることができる。肺がんの処置のために、本発明の化合物をタキソテール(タキソール)、ゲムシタビン、シスプラチン、ペメトレキセド、タルセバ、PD0325901、および/またはアバスチンと組み合わせることができる。
他の実施形態では、構造(I)の1つまたはそれよりも多くの化合物との併用療法のための方法において有用な薬剤には、エルロチニブ、アファチニブ、イレッサ、GDC0941、MLN1117、BYL719(アルペリシブ)、BKM120(ブパルリシブ(Buparlisib))、CYT387、GLPG0634、バリシチニブ、レスタウルチニブ、モメロチニブ、パクリチニブ、ルキソリチニブ、TG101348、クリゾチニブ、チバンチニブ、AMG337、カボザンチニブ、フォレチニブ、オナルツズマブ、NVP−AEW541、ダサチニブ、ポナチニブ、サラカチニブ、ボスチニブ、トラメチニブ、セルメチニブ、コビメチニブ、PD0325901、RO5126766、アクシチニブ、ベバシズマブ、ボスチニブ(Bostutinib)、セツキシマブ、クリゾチニブ、ホスタマチニブ、ゲフィチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、レンバチニブ、イブルチニブ、ニロチニブ、パニツムマブ、パゾパニブ、ペガプタニブ、ラニビズマブ、ルキソリチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、SU6656、トラスツズマブ、トファシチニブ、バンデタニブ、ベムラフェニブ、イリノテカン、タキソール、ドセタキセル、ラパマイシン、またはMLN0128が含まれるが、これらに限定されない。
本発明の化合物と組み合わせることができるさらなる治療薬は、Goodman and Gilman’s “The Pharmacological Basis of Therapeutics” Tenth Edition edited by Hardman,Limbird and Gilmanまたはthe Physician’s Desk Reference(共にその全体が本明細書中で参考として組み込まれる)に見いだされる。
本明細書中に記載の化合物を、処置する状態に応じて、本明細書中に開示の薬剤または他の適切な薬剤と組み合わせて使用することができる。それ故、いくつかの実施形態では、1つまたはそれよりも多くの本発明の化合物を、上記の他の薬剤と共投与する。併用療法で使用する場合、本明細書中に記載の化合物を、第2の薬剤と同時または個別に投与する。この組み合わせ投与には、同一の投薬形態中の2つの薬剤の同時投与、個別の投薬形態中の同時投与、および個別の投与が含まれ得る。すなわち、本明細書中に記載の化合物および任意の上記薬剤は、同一の投薬形態中で共に製剤化されて、同時に投与することができる。あるいは、個別の製剤中に存在する本発明の化合物および任意の上記薬剤を、同時投与することができる。別の代替的方法では、本発明の化合物の投与直後に任意の上記薬剤を投与するか、その逆を行うことができる。個別投与プロトコールのいくつかの実施形態では、本発明の化合物および任意の上記薬剤を、数分間、数時間、または数日間の間隔をあけて投与する。
以下に提供した実施例および調製は、本発明の化合物およびかかる化合物の調製方法をさらに説明および例示している。本発明の範囲が以下の実施例および調製の範囲に決して制限されないと理解すべきである。以下の実施例中ならびに明細書および特許請求の範囲を通して、単一のキラル中心を有する分子は、別途記載がない限り、ラセミ混合物として存在する。2つまたはそれよりも多くのキラル中心を有する分子は、別途記載がない限り、ジアステレオマーのラセミ混合物として存在する。単一の鏡像異性体/ジアステレオマーを、当業者に公知の方法によって得ることができる。
以下の例は、例示的な目的で提供される。構造(I)の他の化合物を、表1に示されたような以下の一般的手順にしたがって調製した。
実施例1
3−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−7−(2−フルオロ−6−ヒドロキシフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン(1)の合成
Figure 0006869947
化合物1を、以下のように上記の合成スキームにしたがって調製した。
3−アミノ−2,2’−ジフルオロ−6’−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−4−カルボン酸
2−アミノ−4−ブロモ−3−フルオロ安息香酸(10g、43mmol)の1,4−ジオキサン(400mL)およびHO(100mL)中の撹拌溶液に、2−フルオロ−6−メトキシフェニルボロン酸(36g、213mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2.5g、2.15mmol)およびNaCO(27g、258mmol)を添加した。この混合物を数回脱気し、Nで充填し直し、100℃で一晩撹拌した。この混合物を水(500mL)と分割し、酢酸エチルで抽出した(200mL×2)。有機層を廃棄し、水相に1M HCl溶液を添加してpHを<3に調整した。水相を酢酸エチルで抽出し(200mL×2)、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮して、所望の生成物(11g、収率92%)を白色固体として得た。ESI−MS m/z:280.1[M+H]
3−アミノ−6−クロロ−2,2’−ジフルオロ−6’−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−4−カルボン酸
RTの3−アミノ−2,2’−ジフルオロ−6’−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−4−カルボン酸(11g、39.6mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(100mL)中の溶液に、N−クロロスクシンイミド(chlorosuccinimde)(5.27g、39.6mmol)を添加した。得られた混合物を100℃で1時間撹拌した。この混合物をRTに冷却し、この反応混合物を水(300mL)にゆっくり添加し、混合物を濾過し、ケークを乾燥させて、所望の生成物(11.5g、収率93.1%)を茶色固体として得た。
6−クロロ−8−フルオロ−7−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)キナゾリン−4−オール
3−アミノ−6−クロロ−2,2’−ジフルオロ−6’−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−4−カルボン酸(8.1g、25.8mmol)のEtOH(150mL)中の混合物に、ホルムイミドアミドアセタート(35g、336.4mmol)を添加した。この混合物を100℃で一晩撹拌した。この反応混合物を濃縮し、水を添加した。この混合物を濾過し、ケークを乾燥させて、所望の生成物(7.5g、収率90.3%)を淡黄色固体として得た。
tert−ブチル3−(6−クロロ−8−フルオロ−7−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル)ピペリジン−1−カルボキシラート
6−クロロ−8−フルオロ−7−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン(1.0g、3.1mmol)のMeCN(20mL)中の溶液に、HATU(4.7g、12.4mmol)、DBU(1.9g、12.4mmol)およびtert−ブチル3−アミノピペリジン−1−カルボキシラート(2.3g、12.4mmol)を添加し、得られた混合物をRTで48時間撹拌した。この混合物を酢酸エチルと水とに分割した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル/石油エーテル=1:5〜1:3)によって精製して、生成物を得た(670mg、収率42.7%)。ESI−MS m/z:506.2[M+H]
6−クロロ−8−フルオロ−7−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)−3−(ピペリジン−3−イル)キナゾリン−4(3H)−オン
tert−ブチル3−(6−クロロ−8−フルオロ−7−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル)ピペリジン−1−カルボキシラート(230mg、0.57mmol)のジクロロメタン(10mL)中の溶液に、TFA(4mL)を添加し、得られた混合物をRTで1時間撹拌した。この混合物を真空中で濃縮した。残渣を水と酢酸エチルとに分割した。有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣(230mg)をDCM(10mL)に溶解し、BBr(1.4g、5.7mmol)を−78℃において添加し、この混合物をRTで3時間撹拌した。この混合物を飽和NaHCO溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(MeOH/DCM=1:30)によって精製して、生成物を得た(150mg、収率67%)。ESI−MS m/z:392.1[M+H]
3−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−7−(2−フルオロ−6−ヒドロキシフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン
0℃の6−クロロ−8−フルオロ−7−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)−3−(ピペリジン−3−イル)キナゾリン−4(3H)−オン(150mg、0.38mmol)およびトリエチルアミン(0.3mL、1.9mmol)のDCM(10mL)中の溶液に、塩化アクリロイル(70mg、0.77mmol)を添加し、得られた混合物を20分間撹拌した。この混合物を飽和NaHCO溶液でクエンチし、水とジクロロメタンとに分割した。有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をTHF(7mL)およびHO(7mL)に溶解した。水酸化リチウム水和物(70mg、1.67mmol)を添加し、この混合物をRTで40分間撹拌した。混合物のpHを7に調整し、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をPre−TLCプレート(MeOH/DCM=1:20)によって精製して、生成物を得た(42mg、収率22.6%)。ESI−MS m/z: 446.3 [M+H]H−NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ: 10.36 (s, 1H), 8.59 (s, 1H), 8.10 (s, 1H), 7.41−7.35 (m, 1H), 6.90−6.75 (m, 3H), 6.16 (d, J = 16.7 Hz, 1H), 5.73 (dd, J = 2.1, 10.6 Hz, 1H), 4.61−4.48 (m, 2H), 4.19 (dd, J = 12.2, 71.5 Hz, 1H), 3.54−2.65 (m, 1H), 3.20−3.09 (m, 1H), 2.28−2.16 (m, 1H), 2.04−1.88 (m, 2H), 1.59−1.53 (m, 1H).
実施例2
N−(3−(6−クロロ−8−フルオロ−7−(2−フルオロ−6−ヒドロキシフェニル)−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル)シクロブチル)アクリルアミド(2)の合成
Figure 0006869947
化合物2を、以下のように上記の合成スキームにしたがって調製した。
tert−ブチル3−(6−クロロ−8−フルオロ−7−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル)シクロブチルカルバマート
6−クロロ−8−フルオロ−7−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン(0.6g、1.86mmol)のMeCN(30mL)中の溶液に、HATU(1.4g、3.72mmol)、DBU(1.7g、11.16mmol)およびtert−ブチル3−アミノシクロブチルカルバマート(0.415g、2.23mmol)を添加し、得られた混合物をRTで48時間撹拌した。この混合物を酢酸エチルと水とに分割した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル/石油エーテル=1:3)によって精製して、生成物を得た(200mg、収率22%)。ESI−MS m/z:491.1[M+H]
N−(3−(6−クロロ−8−フルオロ−7−(2−フルオロ−6−ヒドロキシフェニル)−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル)シクロブチル)アクリルアミド
tert−ブチル3−(6−クロロ−8−フルオロ−7−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル)シクロブチルカルバマート(200mg、0.40mmol)のDCM(5mL)中の溶液に、TFA(2mL)を添加し、得られた混合物をRTで1時間撹拌した。この混合物を真空中で濃縮した。残渣をDCM(3mL)に溶解し、BBr(1mL、10.79mmol)を−78℃において添加し、この混合物をRTで2時間撹拌した。この混合物を−78℃にてMeOHおよび飽和NaHCO溶液でクエンチし、次いで、混合溶媒(DCM:MeOH=10:1)で抽出した。有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をDCM(2mL)に溶解し、EtN(162mg、1.6mmol)および塩化アクリロイル(55mg、0.6mmol)を0℃において添加し、得られた混合物を20分間撹拌した。この混合物を飽和NaHCO溶液でクエンチし、水とDCMとに分割した。有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をTHF(3mL)およびHO(2mL)に溶解した。水酸化リチウム水和物(42mg、1.2mmol)を添加し、この混合物をRTで40分間撹拌した。混合物のpHを6に調整し、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をPre−TLCプレート(MeOH/ジクロロメタン=1:20)によって精製して、生成物を得た(4工程で31mg、収率18%)。ESI−MS m/z: 431.1 [M+H]H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ:10.35 (s, 1H), 8.75 (d, J = 6.7 Hz, 1H), 8.61 (s, 1H), 8.07 (d, J = 1.4 Hz, 1H), 7.40−7.34 (m, 1H), 6.87−6.79 (m, 2H), 6.30−6.23 (m, 1H), 6.15−6.10 (m, 1H), 5.63 (dd, J = 2.1, 9.9Hz, 1H), 5.30−5.22 (m, 1H), 4.39−4.33 (m, 1H), 2.91−2.84 (m, 2H), 2.48−2.44 (m, 2H).
実施例3
N−(4−(4−アセチルピペラジン−1−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−7−(2−フルオロ−6−ヒドロキシフェニル)キノリン−3−イル)アクリルアミド(3)の合成
Figure 0006869947
化合物3を、以下のように上記の合成スキームにしたがって調製した。
3−ブロモ−2−フルオロベンゼンアミン
RTの1−ブロモ−2−フルオロ−3−ニトロベンゼン(13.75g、62.76mmol)のHOAc(26.36g、439mmol)、EtOH(150mL)およびHO(60mL)中の混合物に、鉄粉(9.14g、163mmol)を小分けにして添加した。得られた混合物をRTで16時間撹拌し、次いで、NaOH(5N)溶液で中和した。この混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(石油エーテル/酢酸エチル=10:1)によって精製して、所望の生成物(7.77g、収率65%)を茶色オイルとして得た。
3−ブロモ−4−クロロ−2−フルオロベンゼンアミン
RTの3−ブロモ−2−フルオロベンゼンアミン(1.9g、10mmol)のDMF(10mL)中の溶液に、NCS(1.4g、10.5mmol)を添加し、得られた混合物をRTで16時間撹拌した。この混合物を氷水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィ(石油エーテル/酢酸エチル=30:1)によって精製して、所望の生成物を得た(1.15g、収率51%)。ESI−MSm/z:225.9[M+H]
ジエチル2−((3−ブロモ−4−クロロ−2−フルオロフェニルアミノ)メチレン)マロナート
3−ブロモ−4−クロロ−2−フルオロベンゼンアミン(2.3g、10.2mmol)およびジエチル2−(エトキシメチレン)マロナート(2.42g、11.22mmol)の混合物を120℃で3時間撹拌した。この混合物をRTに冷却した。石油を添加し、RTで1時間撹拌した。沈殿物を濾過し、乾燥させて、所望の生成物を得た(2.76g、収率68.7%)。ESI−MS m/z:395.9[M+H]
エチル7−ブロモ−6−クロロ−8−フルオロ−4−ヒドロキシキノリン−3−カルボキシラート
ジエチル2−((3−ブロモ−4−クロロ−2−フルオロフェニルアミノ)メチレン)マロナート(2.76g、6.99mmol)をPhO(20mL)に懸濁した。この混合物を250℃で2時間撹拌した。この混合物をRTに冷却し、次いで、100mLの石油エーテルを添加した。白色固体を濾過によって回収し、石油エーテル(100mL)でリンスして、所望の生成物を得た(1.85g、収率76%)。ESI−MS m/z:349.9[M+H]
エチル7−ブロモ−4,6−ジクロロ−8−フルオロキノリン−3−カルボキシラート
エチル7−ブロモ−6−クロロ−8−フルオロ−4−ヒドロキシキノリン−3−カルボキシラート(1.85g、5.31mmol)およびPOCl(10mL)の混合物を4時間還流しながら撹拌した。この混合物をRTに冷却し、真空中で濃縮して、粗生成物(1.41g)を得て、これを次の工程で直接使用した。
エチル4−(4−(tert−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル)−7−ブロモ−6−クロロ−8−フルオロキノリン−3−カルボキシラート
エチル7−ブロモ−4,6−ジクロロ−8−フルオロキノリン−3−カルボキシラート(1.41g、3.84mmol)、tert−ブチルピペラジン−1−カルボキシラート(1.43g、7.68mmol)、EtN(1.55g、15.36mmol)のDMSO(20mL)中の混合物をアルゴン下、80℃で2時間撹拌した。この混合物をRTに冷却し、氷水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィ(石油エーテル/酢酸エチル=3:1)によって精製して、所望の生成物を得た(1.96g、収率98%)。ESI−MS m/z:518.1[M+H]
エチル4−(4−(tert−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−7−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)キノリン−3−カルボキシラート
エチル4−(4−(tert−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル)−7−ブロモ−6−クロロ−8−フルオロキノリン−3−カルボキシラート(1.13g、2.19mmol)および(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)ボロン酸(1.86g、10.93mmol)のNaCO水溶液(3.64mL、1.5M)およびジオキサン(80mL)中の混合物に、Pd(PPh)をAr下で添加した。この混合物を90℃で16時間撹拌した。溶媒を除去し、残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィ(石油エーテル/酢酸エチル=6:1)によって精製して、所望の生成物を得た(851mg、収率69%)。ESI−MS m/z:562.2[M+H]
エチル4−(4−アセチルピペラジン−1−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−7−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)キノリン−3−カルボキシラート
RTのエチル4−(4−(tert−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−7−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)キノリン−3−カルボキシラート(851mg、1.52mmol)のDCM(20mL)中の混合物に、TFA(4mL)を添加し、得られた混合物を2時間撹拌した。この混合物を2M NaOH(40mL)および酢酸エチル(40mL)の撹拌混合物に添加した。次いで、この反応物に塩化アセチル(4mL)をゆっくり添加した。この混合物を酢酸エチルで抽出した。残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィ(石油エーテル/酢酸エチル=1:1)によって精製して、所望の生成物を得た(575mg、収率75%)。ESI−MS m/z:504.3[M+H]
4−(4−アセチルピペラジン−1−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−7−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)キノリン−3−カルボン酸
エチル4−(4−アセチルピペラジン−1−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−7−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)キノリン−3−カルボキシラート(267mg、053mmol)のTHF(20mL)および水(20mL)中の混合物に、水酸化リチウム(111mg、2.651mmol)を添加し、得られた混合物をRTで16時間撹拌した。この混合物を2M NaOH(30mL)で希釈し、50%酢酸エチル/石油エーテルで抽出した。水層を1M HClによって酸性化し、酢酸エチルで抽出した。溶媒を除去して、生成物を得た(277mg、粗)。ESI−MS m/z:476.2[M+H]
1−(4−(3−アミノ−6−クロロ−8−フルオロ−7−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)キノリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)エタノン
4−(4−アセチルピペラジン−1−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−7−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)キノリン−3−カルボン酸(277mg、0.58mmol)およびEtN(235mg、2.33mmol)のDMF(20mL)およびt−BuOH(3mL)中の混合物に、DPPA(401mg、1.456mmol)を添加し、得られた混合物を120℃で2.5時間撹拌した。この混合物をRTに冷却し、水(50mL)でクエンチした。この混合物を酢酸エチルで抽出し、真空中で濃縮した。残渣をDCM(10mL)およびTFA(3mL)の混合物に溶解し、次いで、1時間撹拌した。この混合物を2M NaOH(30mL)に添加し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィ(DCM/MeOH=30:1)によって精製して、所望の生成物を得た(120mg、収率46%)。ESI−MS m/z:447.2[M+H]
1−(4−(3−アミノ−6−クロロ−8−フルオロ−7−(2−フルオロ−6−ヒドロキシフェニル)キノリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)エタノン
−78℃の1−(4−(3−アミノ−6−クロロ−8−フルオロ−7−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)キノリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)エタノン(120mg、0.27mmol)のDCM(10mL)中の混合物に、BBr(674mg、2.69mmol)を添加し、得られた混合物をRTで2時間撹拌した。この混合物を氷水に注ぎ、酢酸エチルとNaHCO溶液とに分割した。有機層をNaSOで乾燥させ、真空中で濃縮して、所望の生成物を得た(194mg、粗)。ESI−MS m/z:433.2[M+H]
N−(4−(4−アセチルピペラジン−1−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−7−(2−フルオロ−6−ヒドロキシフェニル)キノリン−3−イル)アクリルアミド
1−(4−(3−アミノ−6−クロロ−8−フルオロ−7−(2−フルオロ−6−ヒドロキシフェニル)キノリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)エタノン(194mg、0.45mmol)およびEtN(181mg、1.80mmol)のDCM(20mL)およびTHF(20mL)中の混合物に、塩化アクリロイル(162mg、1.796mmol)を添加し、得られた混合物を0℃で30分間撹拌した。この混合物をDCMとNaHCO溶液とに分割した。有機層をNaSOで乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をTHF(10mL)および水(10mL)に溶解し、水酸化リチウム(75mg、1.794mmol)を添加した。この混合物をRTで1時間撹拌した。この混合物を1N HClおよびNaHCO溶液でpH8に調整し、次いで、酢酸エチルで抽出した。有機層をNaSOで乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィ(DCM/MeOH=30:1)によって精製して、所望の生成物を得た(2工程で32mg、収率24%)。ESI−MS m/z: 487.3 [M+H]H−NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ: 10.26 (s, 1H), 10.06 (s, 1H), 8.70 (s, 1H), 8.04 (s, 1H), 7.39 (t, J = 7.6 Hz, J = 15.2 Hz, 1H), 6.88 (m, 2H), 6.61 (m, 1H), 6.36 (m, 1H), 5.88 (m, 1H), 3.69 (m, 4H), 3.29 (m, 4H), 2.07 (s, 3H).
実施例4
3−(1−アクリロイルアゼチジン−3−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−7−(2−フルオロ−6−ヒドロキシフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン(4)の合成
Figure 0006869947
化合物4を、以下のように上記の合成スキームにしたがって調製した。
tert−ブチル3−(6−クロロ−8−フルオロ−7−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル)アゼチジン−1−カルボキシラート
6−クロロ−8−フルオロ−7−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン(1g、3.1mmol)のMeCN(20mL)中の溶液に、HATU(3.53g、9.32mmol)、DBU(4.73g、31.06mmol)およびtert−ブチル3−アミノアゼチジン−1−カルボキシラート(2.14g、12.42mmol)を添加し、得られた混合物をRTで16時間撹拌した。この混合物を酢酸エチルと水とに分割した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル/石油エーテル=1:10〜1:2)によって精製して、生成物を得た(500mg、収率34%)。ESI−MS m/z:478.2[M+H]
3−(アゼチジン−3−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−7−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン
tert−ブチル3−(6−クロロ−8−フルオロ−7−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル)アゼチジン−1−カルボキシラート(400mg、0.84mmol)のDCM(10mL)中の溶液に、TFA(4mL)を添加し、得られた混合物をRTで1時間撹拌した。この混合物を真空中で濃縮した。残渣を水と酢酸エチルとに分割した。有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣(220mg)をDCM(20mL)に溶解し、BBr(0.2mL、2.16mmol)を−78℃において添加し、得られた混合物をRTで1.5時間撹拌した。この混合物を飽和NaHCO溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのPre−TLCプレート(MeOH/DCM=1:10)によって精製して、生成物を得た(2工程で42mg、収率39%)。ESI−MS m/z:364.1[M+H]
3−(1−アクリロイルアゼチジン−3−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−7−(2−フルオロ−6−ヒドロキシフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン
−78℃の3−(アゼチジン−3−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−7−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン(130mg、0.36mmol)およびトリエチルアミン(217mg、2.15mmol)のDCM(10mL)中の溶液に、塩化アクリロイル(65mg、0.72mmol)を添加し、この混合物を−60℃で20分間撹拌した。この混合物を飽和NaHCO溶液でクエンチし、水とDCMとに分割した。有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をTHF(7mL)およびHO(7mL)に溶解した。水酸化リチウム水和物(360mg、8.6mmol)を添加し、得られた混合物をRTで40分間撹拌した。混合物のpHを6に調整し、次いで、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をPre−TLCプレート(MeOH/DCM=1:15)によって精製して、生成物を得た(42mg、収率29%)。ESI−MS m/z: 418.1 [M+H]HNMR (400MHz, DMSO−d6) δ:10.36 (s, 1H), 8.53 (s, 1H), 8.09 (s, 1H),7.40−7.34 (m ,1H), 6.87−6.80 (m ,2H), 6.40−6.33 (m, 1H), 6.18−6.13 (m,1H), 5.76−5.71(m, 1H), 5.34−5.30 (m, 1H), 4.68−4.64 (m, 2H), 4.47−4.44 (m,1H), 4.43−4.31(m,1H).
実施例5
3−(1−アクリロイルアゼチジン−3−イル)−6−アミノ−8−クロロ−7−(3−ヒドロキシナフタレン−1−イル)キナゾリン−4(3H)−オン(12)の合成
Figure 0006869947
2−ブロモ−6−ニトロアニリン
1−ブロモ−2−フルオロ−3−ニトロベンゼン(20.0g、91.37mmol)およびNHのCHOH溶液(7M、60mL)の混合物を密封チューブ内にて100℃で16時間撹拌した。溶媒を除去し、残渣をHOに溶解し、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣を、(酢酸エチル/石油エーテル=1:100)で溶出するカラムクロマトグラフィによって精製して、所望の生成物を黄色固体として得た(16.0g、収率81.2%)。
1−ブロモ−2−クロロ−3−ニトロベンゼン
2−ブロモ−6−ニトロアニリン(16.0g、74.10mmol)、亜硝酸tert−ブチル(11.40g 111.15mmol)およびCuCl(12.0g、88.90mmol)のCHCN(160mL)中の混合物をアルゴン下、60℃で1時間撹拌した。この混合物をRTに冷却し、HOでクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカのカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル/石油エーテル=1:100)によって精製して、生成物を得た(15.0g、収率86.2%)。
3−ブロモ−2−クロロベンゼンアミン
RTの1−ブロモ−2−クロロ−3−ニトロベンゼン(15.0g、63.60mmol)、HOAc(20mL)、EtOH(120mL)およびHO(40mL)の混合物に、鉄粉(10.7g、190.70mmol)を小分けにして添加した。得られた混合物をRTで16時間撹拌し、次いで、NaOH(5N)溶液で中和した。この混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(石油エーテル/酢酸エチル=10:1)によって精製して、所望の生成物を得た(14.0g、収率100%)。
(E)−N−(3−ブロモ−2−クロロフェニル)−2−(ヒドロキシイミノ)アセトアミド
2,2,2−トリクロロエタン−1,1−ジオール(13.5g、82.00mmol)およびNaSO(87.3g、614.70mmol)の水中の混合物を35℃に加温した。3−ブロモ−2−クロロベンゼンアミン(14.0g、68.30mmol)の水溶液を添加した後、35%HCl水溶液(30mL)および塩酸ヒドロキシルアミン(14.2g、204.90mmol)を添加した。得られた混合物を90℃で16時間撹拌したところ、黄色沈殿物が形成した。この混合物をRTに冷却した。固体を濾過し、水で洗浄し、風乾して、所望の生成物を得た(14.5g、収率76.3%)。
6−ブロモ−7−クロロインドリン−2,3−ジオン
60℃の濃硫酸(120mL)に、(E)−N−(3−ブロモ−2−クロロフェニル)−2−(ヒドロキシイミノ)アセトアミド(14.5g、52.25mmol)を添加した。温度を90℃に上げ、3時間維持した。この反応混合物をRTに冷却し、氷に注いで、黄色沈殿物を得た。この沈殿物を濾過によって回収し、乾燥させて、所望の生成物を得た(7.4g、収率54.4%)。
2−アミノ−4−ブロモ−3−クロロ安息香酸
0℃の6−ブロモ−7−クロロインドリン−2,3−ジオン(7.4g、28.57mmol)の2N NaOH(200mL)中の溶液に、H(30%、20mL)を添加し、得られた混合物を0℃で30分間撹拌し、次いで、RTで16時間撹拌した。この混合物を氷水に注ぎ、この溶液を濃HClで酸性化した。沈殿物を濾過によって回収し、風乾して、所望の生成物を得た(2.5g、収率35.2%)。
7−ブロモ−8−クロロキナゾリン−4(3H)−オン
RTの2−アミノ−4−ブロモ−3−クロロ安息香酸(2.5g、10.00mmol)の2−メトキシエタノール(50mL)中の溶液に、酢酸ホルムアミジン(6.2g、60.00mmol)を添加し、得られた混合物を16時間還流しながら撹拌した。この混合物を真空中で濃縮した。残渣を水と酢酸エチルとに分割した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィ(DCM/メタノール=100:1〜50:1)によって精製して、所望の生成物を得た(1.8g、収率69.2%)。ESI−MSm/z:258.8[M+H]
7−ブロモ−8−クロロ−6−ニトロキナゾリン−4(3H)−オン
RTの7−ブロモ−8−クロロキナゾリン−4(3H)−オン(1.8g、6.95mmol)のHSO(20mL)中の溶液に、KNO(1.1g、10.42mmol)を添加し、この混合物を100℃で16時間撹拌した。この混合物を氷水に注いだ。沈殿物を濾過によって回収し、水で洗浄し、乾燥させて、所望の生成物を得た(1.5g、収率71.4%)。ESI−MS m/z:303.9[M+H]
tert−ブチル3−(7−ブロモ−8−クロロ−6−ニトロ−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル)アゼチジン−1−カルボキシラート
7−ブロモ−8−クロロ−6−ニトロキナゾリン−4(3H)−オン(1.5g、4.93mmol)のMeCN(20mL)中の溶液に、HATU(3.75g、9.86mmol)、DBU(4.5g、29.58mmol)およびtert−ブチル3−アミノアゼチジン−1−カルボキシラート(1.3g、7.40mmol)を添加し、得られた混合物をRTで2時間撹拌した。この混合物を酢酸エチルと水とに分割した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル/石油エーテル=1:5〜1:3)によって精製して、生成物を得た(1.0g、収率43.5%)。ESI−MS m/z:459.0[M+H]
tert−ブチル3−(6−アミノ−7−ブロモ−8−クロロ−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル)アゼチジン−1−カルボキシラート
RTのtert−ブチル3−(7−ブロモ−8−クロロ−6−ニトロ−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル)アゼチジン−1−カルボキシラート(300mg、0.66mmol)、HOAc(2mL)、EtOH(12mL)およびHO(4mL)の混合物に、鉄粉(183.4mg、3.28mmol)を小分けにして添加し、得られた混合物をRTで16時間撹拌した。この混合物をNaOH(2N)溶液で中和し、次いで、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(石油エーテル/酢酸エチル=10:1)によって精製して、所望の生成物を得た(283mg、収率100%)。
tert−ブチル3−(6−アミノ−8−クロロ−7−(2−ヒドロキシナフタレン−4−イル)−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル)アゼチジン−1−カルボキシラート
tert−ブチル3−(6−アミノ−7−ブロモ−8−クロロ−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル)アゼチジン−1−カルボキシラート(283mg、0.66mmol)、3−ヒドロキシナフタレン−1−イル−1−ボロン酸(142.1mg、0.66mmol)、Pd(PPh(76.2mg、0.1mmol)およびNaCO(209.9mg、1.98mmol)の1,4−ジオキサン/HO(16mL/4mL)中の混合物をアルゴン下、100℃で16時間撹拌した。この混合物をRTに冷却し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィによって精製して、所望の生成物を白色固体として得た(150mg、収率46.2%)。
6−アミノ−3−(アゼチジン−3−イル)−8−クロロ−7−(2−ヒドロキシナフタレン−4−イル)キナゾリン−4(3H)−オン
tert−ブチル3−(6−アミノ−8−クロロ−7−(2−ヒドロキシナフタレン−4−イル)−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル)アゼチジン−1−カルボキシラート(150mg、0.30mmol)のDCM(16mL)中の溶液に、TFA(4mL)を添加し、得られた混合物をRTで1時間撹拌した。この混合物を真空中で濃縮した。残渣を水と酢酸エチルとに分割した。有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、所望の生成物を得た(80mg)。
3−(1−アクリロイルアゼチジン−3−イル)−6−アミノ−8−クロロ−7−(2−ヒドロキシナフタレン−4−イル)キナゾリン−4(3H)−オン
0℃の6−アミノ−3−(アゼチジン−3−イル)−8−クロロ−7−(2−ヒドロキシナフタレン−4−イル)キナゾリン−4(3H)−オン(80mg、0.20mmol)およびNaOH(5mL、2N)のTHF(20mL)中の混合物に、塩化アクリロイル(18mg、0.20mmol)を添加し、得られた混合物を0℃で30分間撹拌した。この混合物を酢酸エチルとNaHCO溶液とに分割した。有機層をNaSOで乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィ(DCM/MeOH=30:1)によって精製して、所望の生成物を得た(18mg、収率20.2%)。ESI−MS m/z: 447.1 [M+H]H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ: 8.31 (s, 1H), 8.02(d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.78 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.47−7.43 (m, 1H), 7.35−7.33 (m, 1H), 7.26−7.21 (m, 2H), 7.10 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 6.44 (dd, J = 1.6, 17.2 Hz, 1H), 6.24 (dd, J = 10.4, 17.2 Hz, 1H), 5.79 (dd, J = 1.2, 10.4 Hz, 1H), 5.43−5.30 (m, 1H), 4.78−4.56 (m, 4H).
実施例6
3−(1−アクリロイルアゼチジン−3−イル)−8−クロロ−5−ヒドロキシ−7−(3−ヒドロキシナフタレン−1−イル)キナゾリン−4(3H)−オン(14)の合成
Figure 0006869947
2−ブロモ−4−メトキシ−6−ニトロベンゼンアミン
−20℃の4−メトキシ−2−ニトロベンゼンアミン(6.72g、40mmol)のDCM(70mL)中の溶液に、臭素(2.50mL、48mmol)を滴下した。この混合物を−20℃で30分間撹拌した。この混合物を氷水に注いだ。pHを飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で8に調整し、次いで、DCMで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィ(DCM/石油エーテル=1:2)によって精製して、生成物を得た(6.42g、収率65%)。ESI−MS m/z:247.0[M+H]
1−ブロモ−2−クロロ−5−メトキシ−3−ニトロベンゼン
60℃の亜硝酸t−ブチル(3.75g、36.4mmol)およびCuCl(3.92g、29.2mmol)のアセトニトリル(120mL)中の溶液に、2−ブロモ−4−メトキシ−6−ニトロベンゼンアミン(6.0g、24.3mmol)を添加し、得られた混合物を60℃で一晩撹拌した。この混合物を真空中で濃縮した。残渣をDCM(100mL)に溶解し、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィ(DCM/石油エーテル=1:3)によって精製して、生成物を得た(5.01g、収率77%)。
3−ブロモ−2−クロロ−5−メトキシベンゼンアミン
RTの1−ブロモ−2−クロロ−5−メトキシ−3−ニトロベンゼン(5.01g、18.8mmol)およびHOAc(6mL)のEtOH(36mL)およびHO(12mL)中の混合物に、鉄粉(3.14g、56.3mmol)を分割して添加した。得られた混合物をRTで16時間撹拌し、次いで、NaOH(5N)溶液で中和した。この混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(DCM/石油エーテル=1:3)によって精製して、所望の生成物(3.90g、収率88%)を茶色オイルとして得た。ESI−MSm/z:237.9[M+H]
6−ブロモ−7−クロロ−4−メトキシインドリン−2,3−ジオン
0℃の3−ブロモ−2−クロロ−5−メトキシベンゼンアミン(3.9g、16.5mmol)の1,2−ジクロロメタン(50mL)中の溶液に、塩化オキサリル(2.7g、21.4mmol)を添加し、得られた混合物をRTに加温し、RTで4時間撹拌した。この混合物を55℃で30分間撹拌し、0℃に冷却し直した。AlCl(2.8g、21.4mmol)を小分けにして添加した。この混合物を55℃で一晩撹拌した。この混合物をDCM(50mL)で希釈し、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィ(DCM/石油エーテル=1:3)によって精製して、生成物を得た(3.1g、収率65%)。ESI−MS m/z:291.9[M+H]
2−アミノ−4−ブロモ−3−クロロ−6−メトキシ安息香酸
6−ブロモ−7−クロロ−4−メトキシインドリン−2,3−ジオン(3.1g、10.7mmol)の2N NaOH(80mL)中の溶液に、H(30%、8mL)を0℃において添加し、この混合物を0℃で30分間撹拌した。室温で16時間撹拌した後、この混合物を氷水に注ぎ、この溶液を濃HClで酸性化し、沈殿物を濾過し、風乾して、所望の生成物を白色固体として得た(1.6g、収率53%)。ESI−MSm/z:278.9[M+H]
7−ブロモ−8−クロロ−5−メトキシキナゾリン−4(3H)−オン
RTの2−アミノ−4−ブロモ−3−クロロ−6−メトキシ安息香酸(1.6g、5.7mmol)のエタノール(25mL)中の溶液に、酢酸ホルムアミジン(3.6g、34.3mmol)を添加し、得られた混合物を16時間還流しながら撹拌した。この混合物を真空中で濃縮し、残渣を水で希釈した。この水溶液を酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィ(DCM/メタノール=100:1〜50:1)によって精製して、所望の生成物を得た(700mg、収率42%)。
tert−ブチル3−(7−ブロモ−8−クロロ−5−メトキシ−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル)アゼチジン−1−カルボキシラート
7−ブロモ−8−クロロ−5−メトキシキナゾリン−4(3H)−オン(630mg、2.18mmol)のMeCN(15mL)中の溶液に、HATU(1.66g、4.36mmol)、DBU(1.99g、13.08mmol)およびtert−ブチル3−アミノアゼチジン−1−カルボキシラート(562mg、3.27mmol)を添加し、得られた混合物を80℃で一晩撹拌した。この混合物を酢酸エチルと水とに分割した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル/石油エーテル=1:1)によって精製して、生成物を得た(360mg、収率37%)。ESI−MSm/z:446.0[M+H]
tert−ブチル3−(8−クロロ−7−(2−ヒドロキシナフタレン−4−イル)−5−メトキシ−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル)アゼチジン−1−カルボキシラート
tert−ブチル3−(7−ブロモ−8−クロロ−5−メトキシ−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル)アゼチジン−1−カルボキシラート(300mg、0.67mmol)、3−ヒドロキシナフタレン−1−イル−1−ボロン酸(127mg、0.67mmol)、Pd(PPh(81mg、0.07mmol)およびNaCO(142mg、1.34mmol)の1,4−ジオキサン/HO(8mL/2mL)中の混合物をアルゴン下、100℃で一晩撹拌した。この混合物をRTに冷却し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル/石油エーテル=1:2)によって精製して、生成物を得た(221mg、収率65%)。ESI−MS m/z:508.2[M+H]
3−(アゼチジン−3−イル)−8−クロロ−7−(2−ヒドロキシナフタレン−4−イル)−5−メトキシキナゾリン−4(3H)−オン
tert−ブチル3−(8−クロロ−7−(2−ヒドロキシナフタレン−4−イル)−5−メトキシ−4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル)アゼチジン−1−カルボキシラート(160mg、0.44mmol)のDCM(6mL)中の溶液に、TFA(2mL)を添加し、得られた混合物をRTで1時間撹拌した。この混合物を真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(DCM/MeOH/NHO=5:1:0.2)によって精製して、生成物を得た(160mg、収率90%)。ESI−MS m/z:408.1[M+H]
3−(アゼチジン−3−イル)−8−クロロ−5−ヒドロキシ−7−(2−ヒドロキシナフタレン−4−イル)キナゾリン−4(3H)−オン
−78℃の3−(アゼチジン−3−イル)−8−クロロ−7−(2−ヒドロキシナフタレン−4−イル)−5−メトキシキナゾリン−4(3H)−オン(160mg、0.39mmol)のDCM(5mL)中の混合物に、BBr(490mg、1.96mmol)をゆっくり添加した。この混合物をRTで3時間撹拌し、氷水に注いだ。KCOを添加した。この混合物を真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィ(DCM/MeOH/NHO=5:1:0.2)によって精製して、所望の生成物を得た(92mg、収率60%)。ESI−MS m/z:394.1[M+H]
3−(1−アクリロイルアゼチジン−3−イル)−8−クロロ−5−ヒドロキシ−7−(2−ヒドロキシナフタレン−4−イル)キナゾリン−4(3H)−オン
−78℃の3−(アゼチジン−3−イル)−8−クロロ−5−ヒドロキシ−7−(2−ヒドロキシナフタレン−4−イル)キナゾリン−4(3H)−オン(92mg、0.23mmol)およびDIPEA(59mg、0.46mmol)のDCM(5mL)中の混合物に、塩化アクリロイル(21mg、0.23mmol)のDCM(2mL)中の溶液を滴下した。この混合物を−78℃で10分間撹拌した。この混合物を真空中で濃縮し、残渣をprep−TLCプレート(DCM/MeOH=8:1)によって精製して、所望の生成物を得た(8mg、収率8%)。ESI−MS m/z: 448.1 [M+H]. 1HNMR (400MHz, CDCl) δ:11.36 (s, 1H), 8.28 (s, 1H), 7.75 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.45−7.41 (m, 1H), 7.35−7.32 (m, 1H), 7.28 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.24〜7.21 (m, 1H), 7.06 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.03 (s, 1H), 6.44 (dd, J = 1.6, 17.2 Hz, 1H), 6.24 (dd, J = 10.4, 16.8 Hz, 1H), 5.80 (dd, J = 1.6, 10.8 Hz, 1H), 5.41−5.34 (m, 1H), 4.77−4.57 (m, 4H).
実施例7
化合物の生化学アッセイ
試験化合物を、10mMのDMSO原液(Fisherカタログ番号BP−231−100)として調製した。KRAS G12C 1−169(hisタグ化タンパク質、GDP負荷)を、緩衝液(20mM Hepes、150mM NaCl、1mM MgCl)で2μmに希釈した。化合物を、以下のように活性について試験した。
化合物を、96ウェル保存プレート中でDMSOにて50×最終試験濃度に希釈した。化合物原液を、使用前にボルテックスし、任意の沈殿の兆候を注意深く観察した。以下のように希釈した。
1.最終化合物濃度を100μMにするために、化合物を5000μM(5μlの10mM化合物原液+5μlのDMSO)に希釈し、ピペッティングによって十分に混合した。
2.最終化合物濃度を30μMにするために、化合物を1500μM(3μlの10mM化合物原液+17μlのDMSO)に希釈し、ピペッティングによって十分に混合した。
3.最終化合物濃度を10μMにするために、化合物を500μM(2μlの10mM化合物原液+38μlのDMSO)に希釈し、ピペッティングによって十分に混合した。
49μlのタンパク質原液を、96−ウェルPCRプレート(Fisherカタログ番号1423027)の各ウェルに添加した。1μlの50×希釈化合物を、12−チャネルピペッターを使用してPCRプレート中の適切なウェルに添加した。反応物を、200μl多チャネルピペッターを使用したピペットの上下操作によって慎重且つ完全に混合した。プレートを、アルミニウムプレートシールで十分に密封し、引き出しにて室温で30分間、2時間、または24時間保存した。次いで、5μlの2%ギ酸(Fisherカタログ番号A117)のDI HO溶液を各ウェルに添加後、ピペットを使用して混合した。次いで、プレートをアルミニウムシールで再度密封し、下記のように分析するまでドライアイス上で保存した。
上記アッセイを、以下の2つの手順のうちの1つにしたがった質量分析によって分析した。
RapidFire/TOFアッセイ:
MS装置を、正極性、分解能2GHz、および低質量(1700)モードに設定し、30分間平衡化する。次いで、装置を較正し、収集モードに切り替え、適切な方法をロードする。
さらに30分間の平衡時間の後、ブランクバッチ(すなわち、緩衝液)で運転して、装置が適切に操作されていることを確認する。サンプルを37℃で10分間解凍し、短時間遠心分離し、ベンチトップに移す。ウェルA1およびH12を1uLの500uM内部標準ペプチドでスパイクし、プレートを2000×gで5分間遠心分離する。次いで、方法を実施し、各ウェルの質量を記録する。
各ウェルの質量(積算データが望ましい)をプレートマップにペーストし、分析からエクスポートする。内部標準の質量もエクスポートする。50ppmでのデータを荷電状態+19について抽出し、内部標準スパイクを使用してウェルA1の同一性を割り当て、積算する。ピークデータをTOFリストとしてエクスポートし、上記工程を荷電状態+20、21、22、23、24、および25についてそれぞれ反復する。
Q−Exactiveアッセイ:
KRAS G12Cタンパク質種の質量およびピーク強度を、Q Exactive Plus質量分析計(Thermo Scientific)に接続されたDionex RSLCナノシステム(Thermo Scientific)を使用して測定した。
20mLの各サンプルを、20%溶媒A(HO中0.1%のギ酸)および80%溶媒B(アセトニトリル中0.1%のギ酸)を用いて40℃、600μl分−1の流速で維持されたAeris(商標)3.6μm WIDEPORE C4 200Å,LC Column 50×2.1mmカラム上にロードした。液体クロマトグラフィの条件は、1分間の20%溶媒B、1.5分間の20%〜60%溶媒B、0.5分間の60%〜90%溶媒、0.2分間の90%溶媒B、0.2分間の90%〜20%溶媒B、次いで、1.6分間の平衡化であり、その後、サンプルを注入した。流速は、サンプルの分析全体を通して600μl分−1で維持した。
質量分析計を、50ミリ秒の最大注入時間および1e6のAGCターゲットを使用して17500の分解能、5マイクロスキャンのプロファイルモードで操作し、800〜1850m/zの全質量範囲を記録した。インタクトなタンパク質に対する感度を最大にするために、HCDトラッピングガスを最適化した。イオン化の方法は、4kVのスプレー電圧、50auに設定されたシースガス流、10auに設定された補助ガス流および1auに設定されたスイープガス流を使用する、エレクトロスプレーイオン化であった。毛細管イオン移動温度は、320℃であり、S−レンズRFレベルを50電圧に設定した。Protein Deconvolutionソフトウェア(Thermo Scientific)を用いて、サンプル中のタンパク質種の電荷エンベロープをデコンボリュートした。
Thermoタンパク質デコンボリューションパッケージを用いてデータを解析した。簡潔には、観察された種のそれぞれに対する電荷エンベロープを定量的にデコンボリュートして、各親種(修飾タンパク質または非修飾タンパク質)の質量および強度を決定した。デコンボリュートされたピーク強度に基づいて%修飾を算出した。
他のin vitro分析を以下に示す。
細胞成長の阻害:
本発明の化合物がRAS媒介細胞成長を阻害する能力を、以下のように評価し、実証する。野生型RASまたは変異体RASを発現する細胞を、白色透明底96ウェルプレート中に5,000細胞/ウェルの密度でプレートする。細胞を、プレート後約2時間付着させ、本明細書中に開示の化合物を添加する。一定時間後(例えば、24時間、48時間、または72時間の細胞成長後)、細胞増殖を、製造者の指示にしたがってCell Titer Glo試薬(Promega)を使用して総ATP含有量を測定することによって決定する。増殖EC50を、100μMからハーフログ間隔で減少する8点の化合物用量応答の分析によって決定する。
RAS媒介シグナル伝達の阻害:
本明細書中に開示の化合物がRAS媒介シグナル伝達を阻害する能力を、以下のように評価し、実証する。野生型RASまたは変異体RAS(G12C、G12V、もしくはG12Aなど)を発現する細胞を、本発明の化合物を用いるか、用いずに(コントロール細胞)処置する。1つまたはそれよりも多くの本発明の化合物によるRASシグナル伝達の阻害を、コントロール細胞と比較した場合の1つまたはそれよりも多くの本発明の化合物で処置した細胞におけるリン酸化MEK、リン酸化ERK、リン酸化RSKの定常状態レベルおよび/またはRaf結合の減少によって実証する。
化合物2を、上記方法にしたがって試験すると、約30%よりも多い範囲でKRAS G12Cに共有結合することが見出された(すなわち、ウェル中に存在するタンパク質の少なくとも約30%が試験化合物に共有結合することが見出された)。他の化合物も同様の条件下で試験した。結果を表2に示す。
Figure 0006869947
別途記載がない限り、結合活性を2時間後に測定した
+は、5%までの結合活性を示す。
++は、5%から50%までの結合活性を示す。
+++は、50%またはそれよりも多くの結合活性を示す。
†は、4時間後に測定した結合活性を示す。
‡は、6時間後に測定した結合活性を示す。
TBD=未測定
本明細書中で言及した全ての米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願、および非特許刊行物または添付の出願データシートは、本説明に矛盾しない範囲でその全体が本明細書中で参考として組み込まれる。
2015年7月22日に出願された米国仮特許出願第62/195,636号、2016年5月26日に出願された米国仮特許出願第62/342,078号、2016年7月21日に出願されたGCC特許出願第31750号および2016年7月21日に出願されたヨルダン特許出願第150/2016号は、その全体が本明細書中に参照によって組み込まれる。
前述から、本発明の特定の実施形態が例示を目的として本明細書に記載されているが、本発明の精神および範囲を逸脱することなく種々の修正形態が可能であると認識されるであろう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲以外から制限されない。
特定の実施形態では、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
以下の構造(I):
Figure 0006869947

(式中、
Aは、NまたはCであり;
Bは、オキソ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールアルキル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、−CO H、−CONH 、アミニルカルボニル、アミニルカルボニルアルキル、ヘテロアリールアミノ、ハロ、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アリール、または−X−L −R であり;
Xは、−NR −または−O−であり;
は、アルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクリレンであるか、または存在せず;
は、アルキレンであるか、または存在せず;
Rは、H、シアノ、アミノ、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、−CO H、−CONH 、アミニルカルボニル、C 〜C アルキル、C 〜C アルキルアミニル、またはC 〜C アルコキシであり;
は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、−(C=O)OH、−(C=O)NH 、または−(C=O)NHOHであり;
は、各出現において独立して、HまたはC 〜C アルキルであり;
は、アリールまたはヘテロアリールであり;
2a 、R 2b およびR 2c は、それぞれ独立して、H、アミノ、シアノ、ハロ、ヒドロキシル、C 〜C アルキル、C 〜C アルキルアミニル、−NR (C=O)R 、C 〜C ハロアルキル、C 〜C アルコキシ、C 〜C シクロアルキル、ヘテロシクリルアルキル、C 〜C アルキニル、C 〜C アルケニル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、アミニルカルボニル、ヘテロアリール、またはアリールであり;
Figure 0006869947

は、全ての原子価を充足するような単結合または二重結合であり;
Eは、KRAS、HRAS、またはNRAS G12C変異体タンパク質の12位のシステイン残基と共有結合を形成することができる求電子部分である)
を有する化合物またはその薬学的に許容され得る塩、立体異性体、もしくはプロドラッグ。
(項目2)
Bが、シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールである、項目1に記載の化合物。
(項目3)
が、アルキレンであるか、または存在しない、項目1または2のいずれか1項に記載の化合物。
(項目4)
前記化合物が、以下の構造(IA):
Figure 0006869947

(式中、
は、NまたはCHであり;
は、NR またはCHR であり;
は、H、アルキル、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルカルボニルアミニル、アミノカルボニルアミニル、またはヘテロアリールカルボニルであり;
3a およびR 3b は、各出現において独立して、H、−OH、−NH 、−CO H、ハロ、シアノ、C 〜C アルキル、C 〜C ハロアルキル、C 〜C ハロアルコキシ、C 〜C アルキニル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、またはアミニルカルボニルであるか;あるいはR 3a とR 3b とが一緒になって、オキソ、炭素環式環、または複素環式環を形成するか;あるいはR 3a は、H、−OH、−NH 、−CO H、ハロ、シアノ、C 〜C アルキル、C 〜C ハロアルキル、C 〜C ハロアルコキシ、C 〜C アルキニル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、またはアミニルカルボニルであり、R 3b は、R 4b と一緒になって、炭素環式環または複素環式環を形成し;
4a およびR 4b は、各出現において独立して、H、−OH、−NH 、−CO H、ハロ、シアノ、C 〜C アルキル、C 〜C ハロアルキル、C 〜C ハロアルコキシ、C 〜C アルキニル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、またはアミニルカルボニルであるか;あるいはR 4a とR 4b とが一緒になって、オキソ、炭素環式環、または複素環式環を形成するか;あるいはR 4a は、H、−OH、−NH 、−CO H、ハロ、シアノ、C 〜C アルキル、C 〜C ハロアルキル、C 〜C ハロアルコキシ、C 〜C アルキニル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、またはアミニルカルボニルであり、R 4b は、R 3b と一緒になって、炭素環式環または複素環式環を形成し;
およびm は、それぞれ独立して、1、2、または3であり;
nは、0〜5の整数である)
を有する、項目1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
(項目5)
前記化合物が、以下の構造(IAa)または(IAb):
Figure 0006869947

(式中、p は、0〜3の整数である)を有する、項目4に記載の化合物。
(項目6)
前記化合物が、以下の構造(IAc)、(IAd)、または(IAe):
Figure 0006869947

のうちの1つを有する、項目4または5のいずれか1項に記載の化合物。
(項目7)
が、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルカルボニルアミニル、アミノカルボニルアミニル、またはヘテロアリールカルボニルである、項目4〜6のいずれか1項に記載の化合物。
(項目8)
アルキルカルボニルが、アミノカルボニル、ヒドロキシルアミノカルボニル、ヒドロキシル、またはアミノで置換される、項目7に記載の化合物。
(項目9)
が、以下の構造:
Figure 0006869947

(式中、p は、1〜3の整数である)
のうちの1つを有する、項目4〜8のいずれか1項に記載の化合物。
(項目10)
Bが、アルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールアルキル、または−X−L −R である、項目1に記載の化合物。
(項目11)
Bが、−X−L −R である、項目10に記載の化合物。
(項目12)
が、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールである、項目11に記載の化合物。
(項目13)
が、アルキレンであるか、または存在しない、項目10〜12のいずれか1項に記載の化合物。
(項目14)
前記化合物が、以下の構造(IB)または(IC):
Figure 0006869947

(式中、
Hは、R 3a 、R 3b 、R 4a 、およびR 4b の1つまたはそれよりも多くで任意選択的に置換される5または6員のヘテロアリール環を示し;
は、NまたはCHであり;
は、NR またはCHR であり;
は、H、アルキル、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルカルボニルアミニル、アミノカルボニルアミニル、またはヘテロアリールカルボニルであり;
3a およびR 3b は、各出現において独立して、H、−OH、−NH 、−CO H、ハロ、シアノ、C 〜C アルキル、C 〜C ハロアルキル、C 〜C ハロアルコキシ、C 〜C アルキニル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、またはアミニルカルボニルであるか;あるいはR 3a とR 3b とが一緒になって、オキソ、炭素環式環、または複素環式環を形成するか;あるいはR 3a は、H、−OH、−NH 、−CO H、ハロ、シアノ、C 〜C アルキル、C 〜C ハロアルキル、C 〜C ハロアルコキシ、C 〜C アルキニル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、またはアミニルカルボニルであり、R 3b は、R 4b と一緒になって、炭素環式環または複素環式環を形成し;
4a およびR 4b は、各出現において独立して、H、−OH、−NH 、−CO H、ハロ、シアノ、C 〜C アルキル、C 〜C ハロアルキル、C 〜C ハロアルコキシ、C 〜C アルキニル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、またはアミニルカルボニルであるか;あるいはR 4a とR 4b とが一緒になって、オキソ、炭素環式環、または複素環式環を形成するか;あるいはR 4a は、H、−OH、−NH 、−CO H、ハロ、シアノ、C 〜C アルキル、C 〜C ハロアルキル、C 〜C ハロアルコキシ、C 〜C アルキニル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、またはアミニルカルボニルであり、R 4b は、R 3b と一緒になって、炭素環式環または複素環式環を形成し;
およびm は、それぞれ独立して、1、2、または3であり;
nは、0〜5の整数である)
のうちの1つを有する、項目10〜13のいずれか1項に記載の化合物。
(項目15)
Hが、ピロリジニルまたはピリジニルである、項目14に記載の化合物。
(項目16)
前記化合物が、以下の構造(IBa)または(IBb):
Figure 0006869947

(式中、R は、各出現において独立して、H、ハロ、またはヒドロキシルであり、p は、0〜3の整数である)
のうちの1つを有する、項目14に記載の化合物。
(項目17)
前記化合物が、以下の構造(IBc)、(IBd)、(IBe)、または(IBf):
Figure 0006869947

のうちの1つを有する、項目14〜16のいずれか1項に記載の化合物。
(項目18)
Xが、NHである、項目11〜17のいずれか1項に記載の化合物。
(項目19)
が、存在しない、項目11〜18のいずれか1項に記載の化合物。
(項目20)
が、アルキレンである、項目11〜18のいずれか1項に記載の化合物。
(項目21)
Bが、以下の構造:
Figure 0006869947

のうちの1つを有する、項目11〜20のいずれか1項に記載の化合物。
(項目22)
前記化合物が、以下の構造(ID):
Figure 0006869947

(式中、p は、0〜3の整数である)
を有する、項目11に記載の化合物。
(項目23)
が、−(C=O)OH、−(C=O)NH 、または−(C=O)NHOHである、項目22に記載の化合物。
(項目24)
前記化合物が、以下の構造(IDa):
Figure 0006869947

を有する、項目22または23のいずれか1項に記載の化合物。
(項目25)
Xが、NHである、項目22〜24のいずれか1項に記載の化合物。
(項目26)
Bが、アルキルである、項目10に記載の化合物。
(項目27)
アルキルが、−(C=O)OH、−(C=O)NH 、または−(C=O)NHOHで置換される、項目26に記載の化合物。
(項目28)
Bが、ヘテロアリールアルキルである、項目10に記載の化合物。
(項目29)
前記ヘテロアリールアルキルが、ピロリジニルアルキルまたはピリジニルアルキルである、項目28に記載の化合物。
(項目30)
Bが、オキソである、項目1に記載の化合物。
(項目31)
前記化合物が、以下の構造(IE):
Figure 0006869947

(式中、
は、CHであり;
は、NまたはCHであり;
3a およびR 3b は、各出現において独立して、H、−OH、−NH 、−CO H、ハロ、シアノ、C 〜C アルキル、C 〜C ハロアルキル、C 〜C ハロアルコキシ、C 〜C アルキニル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、またはアミニルカルボニルであるか;あるいはR 3a とR 3b とが一緒になって、オキソ、炭素環式環、または複素環式環を形成するか;あるいはR 3a は、H、−OH、−NH 、−CO H、ハロ、シアノ、C 〜C アルキル、C 〜C ハロアルキル、C 〜C ハロアルコキシ、C 〜C アルキニル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、またはアミニルカルボニルであり、R 3b は、R 4b と一緒になって、炭素環式環または複素環式環を形成し;
4a およびR 4b は、各出現において独立して、H、−OH、−NH 、−CO H、ハロ、シアノ、C 〜C アルキル、C 〜C ハロアルキル、C 〜C ハロアルコキシ、C 〜C アルキニル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、またはアミニルカルボニルであるか;あるいはR 4a とR 4b とが一緒になって、オキソ、炭素環式環、または複素環式環を形成するか;あるいはR 4a は、H、−OH、−NH 、−CO H、ハロ、シアノ、C 〜C アルキル、C 〜C ハロアルキル、C 〜C ハロアルコキシ、C 〜C アルキニル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、またはアミニルカルボニルであり、R 4b は、R 3b と一緒になって、炭素環式環または複素環式環を形成し;
およびm は、それぞれ独立して、1、2、または3である)
を有する、項目30に記載の化合物。
(項目32)
前記化合物が、以下の構造(IEa)、(IEb)、(IEc)、または(IEd):
Figure 0006869947

のうちの1つを有する、項目31に記載の化合物。
(項目33)
前記化合物が、以下の構造(IEe)、(IEf)、(IEg)、(IEh)、(IEi)、(IEj)、(IEk)、または(IEl):
Figure 0006869947

のうちの1つを有する、項目31または32のいずれか1項に記載の化合物。
(項目34)
が、アリールである、項目1〜33のいずれか1項に記載の化合物。
(項目35)
が、フェニルである、項目34に記載の化合物。
(項目36)
が、ナフチルである、項目34に記載の化合物。
(項目37)
が、1つまたはそれよりも多くの置換基で置換される、項目34〜36のいずれか1項に記載の化合物。
(項目38)
が、ハロ、アミノ、ヒドロキシル、C 〜C アルキル、C 〜C アルケニル、C 〜C アルキニル、シアノ、C 〜C ハロアルキル、C 〜C アルコキシ、アルキルアミニル、シクロアルキル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアミニル、シクロアルキルアミニル、アリール、ヘテロアリール、ホスフェート、ホスホアルコキシ、ボロン酸、ボロン酸エステル、−OC(=O)R、もしくはC 〜C アルキルカルボニルオキシ、またはそれらの組み合わせで置換され、ここで、Rは、C 〜C アルキルである、項目37に記載の化合物。
(項目39)
が、フルオロ、クロロ、シクロプロピル、シクロブチル、ヒドロキシル、アミノ、メチル、エチル、イソプロピル、トリフルオロメチル、もしくはメトキシ、またはそれらの組み合わせで置換される、項目38に記載の化合物。
(項目40)
が、以下の構造:
Figure 0006869947

のうちの1つを有する、項目34〜39のいずれか1項に記載の化合物。
(項目41)
が、ヘテロアリールである、項目1〜33のいずれか1項に記載の化合物。
(項目42)
が、以下の構造:
Figure 0006869947

のうちの1つを有する、項目41に記載の化合物。
(項目43)
2c が、Hである、項目1〜42のいずれか1項に記載の化合物。
(項目44)
2a およびR 2b が、それぞれ独立して、ハロ、ハロアルキル、アルキル、アミノ、ヒドロキシル、またはアルコキシである、項目1〜43のいずれか1項に記載の化合物。
(項目45)
2a が、フルオロ、クロロ、またはメトキシである、項目1〜44のいずれか1項に記載の化合物。
(項目46)
2b が、クロロ、フルオロ、アミノ、ヒドロキシル、またはCF である、項目1〜45のいずれか1項に記載の化合物。
(項目47)
Rが、Hである、項目1〜46のいずれか1項に記載の化合物。
(項目48)
Eが、以下の構造:
Figure 0006869947

(式中、
Figure 0006869947

は、二重結合または三重結合を示し;
Qは、−C(=O)−、−C(=NR 8’ )−、−NR C(=O)−、−S(=O) −、または−NR S(=O) −であり;
は、H、C 〜C アルキル、ヒドロキシルアルキル、アミノアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、C 〜C シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり;
8’ は、H、−OH、−CN、またはC 〜C アルキルであり;
Figure 0006869947

が、二重結合である場合、R およびR 10 は、それぞれ独立して、H、ハロ、シアノ、カルボキシル、C 〜C アルキル、アルコキシカルボニル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、またはヒドロキシルアルキルであるか、あるいはR とR 10 とが一緒になって、炭素環式環、複素環式環、またはヘテロアリール環を形成し;
Figure 0006869947

が、三重結合である場合、R は、存在せず、且つR 10 は、H、C 〜C アルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、またはヒドロキシルアルキルである)
を有する、項目1〜47のいずれか1項に記載の化合物。
(項目49)
Qが、−C(=O)−である、項目48に記載の化合物。
(項目50)
Qが、−S(=O) −である、項目48に記載の化合物。
(項目51)
Qが、−NR C(=O)−である、項目48に記載の化合物。
(項目52)
Qが、−NR S(=O) −である、項目48に記載の化合物。
(項目53)
およびR 10 の各々が、Hである、項目48〜52のいずれか1項に記載の化合物。
(項目54)
Eが、以下の構造:
Figure 0006869947

Figure 0006869947

のうちの1つを有する、項目1〜53のいずれか1項に記載の化合物。
(項目55)
前記化合物が、表1における化合物から選択される、項目1に記載の化合物。
(項目56)
項目1〜55のいずれか1項に記載の化合物の実質的に精製されたアトロプ異性体。
(項目57)
項目1〜56のいずれか1項に記載の化合物および薬学的に許容され得るキャリアを含む薬学的組成物。
(項目58)
前記薬学的組成物が経口投与のために製剤化されている、項目57に記載の薬学的組成物。
(項目59)
前記薬学的組成物が注射のために製剤化されている、項目57に記載の薬学的組成物。
(項目60)
がんの処置方法であって、有効量の項目57に記載の薬学的組成物を該処置を必要とする被験体に投与することを含む、方法。
(項目61)
前記がんが、KRAS G12C変異、HRAS G12C変異、またはNRAS G12C変異によって媒介される、項目60に記載の方法。
(項目62)
前記がんが、血液がん、膵臓がん、MYH関連ポリポーシス、結腸直腸がん、または肺がんである、項目60に記載の方法。
(項目63)
KRAS、HRAS、またはNRAS G12C変異体タンパク質の活性を調節する方法であって、該KRAS G12C変異体タンパク質を項目1〜56のいずれか1項に記載の化合物と反応させることを含む、方法。
(項目64)
細胞集団の増殖を阻害する方法であって、該細胞集団を項目1〜56のいずれか1項に記載の化合物と接触させることを含む、方法。
(項目65)
増殖の阻害が、前記細胞集団の細胞生存度の減少として測定される、項目64に記載の方法。
(項目66)
KRAS G12C変異、HRAS G12C変異、またはNRAS G12C変異によって媒介される障害の処置を必要とする被験体における、該障害の該処置方法であって、
該被験体がKRAS、HRAS、またはNRASのG12C変異を有するかどうかを決定すること;および
該被験体が該KRAS、HRAS、またはNRASのG12C変異を有すると決定された場合、該被験体に治療有効量の項目57に記載の薬学的組成物を投与すること
を含む、方法。
(項目67)
前記障害が、がんである、項目66に記載の方法。
(項目68)
前記がんが、血液がん、膵臓がん、MYH関連ポリポーシス、結腸直腸がん、または肺がんである、項目67に記載の方法。
(項目69)
標識されたKRAS、HRAS、またはNRAS G12C変異体タンパク質を調製する方法であって、該KRAS、HRAS、またはNRAS G12C変異体を項目1〜56のいずれか1項に記載の化合物と反応させて該標識されたKRAS、HRAS、またはNRAS G12Cタンパク質を得ることを含む、方法。
(項目70)
腫瘍転移を阻害する方法であって、有効量の項目57に記載の薬学的組成物を該阻害を必要とする被験体に投与することを含む、方法。

Claims (67)

  1. 以下の構造(I):
    Figure 0006869947
    (式中、
    Aは、NまたはCであり;
    Bは、オキソ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールアルキル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、−COH、−CONH、アミニルカルボニル、アミニルカルボニルアルキル、ヘテロアリールアミノ、ハロ、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アリール、または−X−L−Rであり;
    Xは、−NR−または−O−であり;
    は、アルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクリレンであるか、または存在せず;
    は、アルキレンであるか、または存在せず;
    Rは、H、シアノ、アミノ、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、−COH、−CONH、アミニルカルボニル、C〜Cアルキル、C〜Cアルキルアミニル、またはC〜Cアルコキシであり;
    は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、−(C=O)OH、−(C=O)NH、または−(C=O)NHOHであり;
    は、各出現において独立して、HまたはC〜Cアルキルであり;
    は、アリールまたはヘテロアリールであり;
    2a、R2bおよびR2cは、それぞれ独立して、H、アミノ、シアノ、ハロ、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルキルアミニル、−NR(C=O)R、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cシクロアルキル、ヘテロシクリルアルキル、C〜Cアルキニル、C〜Cアルケニル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、アミニルカルボニル、ヘテロアリール、またはアリールであり;
    Figure 0006869947
    は、全ての原子価を充足するような単結合または二重結合であり;
    Eは、以下の構造:
    Figure 0006869947
    を有し、ここで、
    Figure 0006869947
    は、二重結合を示し;
    Qは、−C(=O)−、−C(=NR8’)−、−NRC(=O)−、−S(=O)−または−NRS(=O)−であり;
    は、H、C〜Cアルキル、ヒドロキシルアルキル、アミノアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、C〜Cシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルであり;
    8’は、H、−OH、−CN、またはC〜Cアルキルであり;そして
    およびR10は、両方ともHである)
    を有する化合物またはその薬学的に許容され得る塩、もしくは立体異性体。
  2. Bが、シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールである、請求項1に記載の化合物。
  3. が、アルキレンであるか、または存在しない、請求項1または2のいずれか1項に記載の化合物。
  4. 前記化合物が、以下の構造(IA):
    Figure 0006869947
    (式中、
    は、NまたはCHであり;
    は、NRまたはCHRであり;
    は、H、アルキル、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルカルボニルアミニル、アミノカルボニルアミニル、またはヘテロアリールカルボニルであり;
    3aおよびR3bは、各出現において独立して、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキニル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、またはアミニルカルボニルであるか;あるいはR3aとR3bとが一緒になって、オキソ、炭素環式環、または複素環式環を形成するか;あるいはR3aは、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキニル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、またはアミニルカルボニルであり、R3bは、R4bと一緒になって、炭素環式環または複素環式環を形成し;
    4aおよびR4bは、各出現において独立して、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキニル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、またはアミニルカルボニルであるか;あるいはR4aとR4bとが一緒になって、オキソ、炭素環式環、または複素環式環を形成するか;あるいはR4aは、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキニル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、またはアミニルカルボニルであり、R4bは、R3bと一緒になって、炭素環式環または複素環式環を形成し;
    およびmは、それぞれ独立して、1、2、または3であり;
    nは、0〜5の整数である)
    を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
  5. 前記化合物が、以下の構造(IAa)または(IAb):
    Figure 0006869947
    (式中、pは、0〜3の整数である)を有する、請求項4に記載の化合物。
  6. 前記化合物が、以下の構造(IAc)、(IAd)、または(IAe):
    Figure 0006869947
    のうちの1つを有する、請求項4または5のいずれか1項に記載の化合物。
  7. が、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルカルボニルアミニル、アミノカルボニルアミニル、またはヘテロアリールカルボニルである、請求項4〜6のいずれか1項に記載の化合物。
  8. アルキルカルボニルが、アミノカルボニル、ヒドロキシルアミノカルボニル、ヒドロキシル、またはアミノで置換される、請求項7に記載の化合物。
  9. が、以下の構造:
    Figure 0006869947
    (式中、pは、1〜3の整数である)
    のうちの1つを有する、請求項4〜8のいずれか1項に記載の化合物。
  10. Bが、アルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールアルキル、または−X−L−Rである、請求項1に記載の化合物。
  11. Bが、−X−L−Rである、請求項10に記載の化合物。
  12. が、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールである、請求項11に記載の化合物。
  13. が、アルキレンであるか、または存在しない、請求項10〜12のいずれか1項に記載の化合物。
  14. 前記化合物が、以下の構造(IB)または(IC):
    Figure 0006869947
    (式中、
    Hは、R3a、R3b、R4a、およびR4bの1つまたはそれよりも多くで任意選択的に置換される5または6員のヘテロアリール環を示し;
    は、NまたはCHであり;
    は、NRまたはCHRであり;
    は、H、アルキル、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルカルボニルアミニル、アミノカルボニルアミニル、またはヘテロアリールカルボニルであり;
    3aおよびR3bは、各出現において独立して、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキニル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、またはアミニルカルボニルであるか;あるいはR3aとR3bとが一緒になって、オキソ、炭素環式環、または複素環式環を形成するか;あるいはR3aは、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキニル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、またはアミニルカルボニルであり、R3bは、R4bと一緒になって、炭素環式環または複素環式環を形成し;
    4aおよびR4bは、各出現において独立して、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキニル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、またはアミニルカルボニルであるか;あるいはR4aとR4bとが一緒になって、オキソ、炭素環式環、または複素環式環を形成するか;あるいはR4aは、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキニル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、またはアミニルカルボニルであり、R4bは、R3bと一緒になって、炭素環式環または複素環式環を形成し;
    およびmは、それぞれ独立して、1、2、または3であり;
    nは、0〜5の整数である)
    のうちの1つを有する、請求項10〜13のいずれか1項に記載の化合物。
  15. Hが、ピロリジニルまたはピリジニルである、請求項14に記載の化合物。
  16. 前記化合物が、以下の構造(IBa)または(IBb):
    Figure 0006869947
    (式中、Rは、各出現において独立して、H、ハロ、またはヒドロキシルであり、pは、0〜3の整数である)
    のうちの1つを有する、請求項14に記載の化合物。
  17. 前記化合物が、以下の構造(IBc)、(IBd)、(IBe)、または(IBf):
    Figure 0006869947
    のうちの1つを有する、請求項14〜16のいずれか1項に記載の化合物。
  18. Xが、NHである、請求項11〜17のいずれか1項に記載の化合物。
  19. が、存在しない、請求項11〜18のいずれか1項に記載の化合物。
  20. が、アルキレンである、請求項11〜18のいずれか1項に記載の化合物。
  21. Bが、以下の構造:
    Figure 0006869947
    のうちの1つを有する、請求項11〜20のいずれか1項に記載の化合物。
  22. 前記化合物が、以下の構造(ID):
    Figure 0006869947
    (式中、pは、0〜3の整数である)
    を有する、請求項11に記載の化合物。
  23. が、−(C=O)OH、−(C=O)NH、または−(C=O)NHOHである、請求項22に記載の化合物。
  24. 前記化合物が、以下の構造(IDa):
    Figure 0006869947
    を有する、請求項22または23のいずれか1項に記載の化合物。
  25. Xが、NHである、請求項22〜24のいずれか1項に記載の化合物。
  26. Bが、アルキルである、請求項10に記載の化合物。
  27. アルキルが、−(C=O)OH、−(C=O)NH、または−(C=O)NHOHで置換される、請求項26に記載の化合物。
  28. Bが、ヘテロアリールアルキルである、請求項10に記載の化合物。
  29. 前記ヘテロアリールアルキルが、ピロリジニルアルキルまたはピリジニルアルキルである、請求項28に記載の化合物。
  30. Bが、オキソである、請求項1に記載の化合物。
  31. 前記化合物が、以下の構造(IE):
    Figure 0006869947
    (式中、
    は、CHであり;
    は、NまたはCHであり;
    3aおよびR3bは、各出現において独立して、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキニル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、またはアミニルカルボニルであるか;あるいはR3aとR3bとが一緒になって、オキソ、炭素環式環、または複素環式環を形成するか;あるいはR3aは、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキニル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、またはアミニルカルボニルであり、R3bは、R4bと一緒になって、炭素環式環または複素環式環を形成し;
    4aおよびR4bは、各出現において独立して、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキニル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、またはアミニルカルボニルであるか;あるいはR4aとR4bとが一緒になって、オキソ、炭素環式環、または複素環式環を形成するか;あるいはR4aは、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキニル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、またはアミニルカルボニルであり、R4bは、R3bと一緒になって、炭素環式環または複素環式環を形成し;
    およびmは、それぞれ独立して、1、2、または3である)
    を有する、請求項30に記載の化合物。
  32. 前記化合物が、以下の構造(IEa)、(IEb)、(IEc)、または(IEd):
    Figure 0006869947
    のうちの1つを有する、請求項31に記載の化合物。
  33. 前記化合物が、以下の構造(IEe)、(IEf)、(IEg)、(IEh)、(IEi)、(IEj)、(IEk)、または(IEl):
    Figure 0006869947
    のうちの1つを有する、請求項31または32のいずれか1項に記載の化合物。
  34. が、アリールである、請求項1〜33のいずれか1項に記載の化合物。
  35. が、フェニルである、請求項34に記載の化合物。
  36. が、ナフチルである、請求項34に記載の化合物。
  37. が、1つまたはそれよりも多くの置換基で置換される、請求項34〜36のいずれか1項に記載の化合物。
  38. が、ハロ、アミノ、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、シアノ、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、アルキルアミニル、シクロアルキル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアミニル、シクロアルキルアミニル、アリール、ヘテロアリール、ホスフェート、ホスホアルコキシ、ボロン酸、ボロン酸エステル、−OC(=O)R、もしくはC〜Cアルキルカルボニルオキシ、またはそれらの組み合わせで置換され、ここで、Rは、C〜Cアルキルである、請求項37に記載の化合物。
  39. が、フルオロ、クロロ、シクロプロピル、シクロブチル、ヒドロキシル、アミノ、メチル、エチル、イソプロピル、トリフルオロメチル、もしくはメトキシ、またはそれらの組み合わせで置換される、請求項38に記載の化合物。
  40. が、以下の構造:
    Figure 0006869947
    のうちの1つを有する、請求項34〜39のいずれか1項に記載の化合物。
  41. が、ヘテロアリールである、請求項1〜33のいずれか1項に記載の化合物。
  42. が、以下の構造:
    Figure 0006869947
    のうちの1つを有する、請求項41に記載の化合物。
  43. 2cが、Hである、請求項1〜42のいずれか1項に記載の化合物。
  44. 2aおよびR2bが、それぞれ独立して、ハロ、ハロアルキル、アルキル、アミノ、ヒドロキシル、またはアルコキシである、請求項1〜43のいずれか1項に記載の化合物。
  45. 2aが、フルオロ、クロロ、またはメトキシである、請求項1〜44のいずれか1項に記載の化合物。
  46. 2bが、クロロ、フルオロ、アミノ、ヒドロキシル、またはCFである、請求項1〜45のいずれか1項に記載の化合物。
  47. Rが、Hである、請求項1〜46のいずれか1項に記載の化合物。
  48. Qが、−C(=O)−である、請求項1〜47のいずれか1項に記載の化合物。
  49. Qが、−S(=O)−である、請求項1〜47のいずれか1項に記載の化合物。
  50. Qが、−NRC(=O)−である、請求項1〜47のいずれか1項に記載の化合物。
  51. Qが、−NRS(=O)−である、請求項1〜47のいずれか1項に記載の化合物。
  52. Eが、以下の構造:
    Figure 0006869947
    のうちの1つを有する、請求項1〜51のいずれか1項に記載の化合物。
  53. 前記化合物が、以下の構造:
    Figure 0006869947
    Figure 0006869947
    のうちの1つを有する、請求項1に記載の化合物。
  54. 請求項1〜53のいずれか1項に記載の化合物および薬学的に許容され得るキャリアを含む薬学的組成物。
  55. 前記薬学的組成物が経口投与のために製剤化されている、請求項54に記載の薬学的組成物。
  56. 前記薬学的組成物が注射のために製剤化されている、請求項54に記載の薬学的組成物。
  57. がんの処置のための請求項54に記載の薬学的組成物。
  58. 前記がんが、KRAS G12C変異、HRAS G12C変異、またはNRAS G12C変異によって媒介される、請求項57に記載の薬学的組成物。
  59. 前記がんが、血液がん、膵臓がん、MYH関連ポリポーシス、結腸直腸がん、または肺がんである、請求項57に記載の薬学的組成物。
  60. KRAS、HRAS、またはNRAS G12C変異体タンパク質の活性を調節する方法において使用するための、請求項1〜53のいずれか1項に記載の化合物を含む組成物であって、該方法は、該KRAS G12C変異体タンパク質を請求項1〜53のいずれか1項に記載の化合物と反応させることを含む、組成物。
  61. 細胞集団の増殖を阻害するための、請求項1〜53のいずれか1項に記載の化合物を含む組成物であって、該細胞集団が、該組成物と接触されることを特徴とする、組成物。
  62. 増殖の阻害が、前記細胞集団の細胞生存度の減少として測定される、請求項61に記載の組成物。
  63. KRAS G12C変異、HRAS G12C変異、またはNRAS G12C変異によって媒介される障害の処置を必要とする被験体において、該障害を処置する方法において使用するための、請求項54に記載の薬学的組成物であって、該方法は、
    該被験体がKRAS、HRAS、またはNRASのG12C変異を有するかどうかを決定すること;および
    該被験体が該KRAS、HRAS、またはNRASのG12C変異を有すると決定された場合、該被験体に該薬学的組成物を投与すること
    を含む、薬学的組成物。
  64. 前記障害が、がんである、請求項63に記載の薬学的組成物。
  65. 前記がんが、血液がん、膵臓がん、MYH関連ポリポーシス、結腸直腸がん、または肺がんである、請求項64に記載の薬学的組成物。
  66. 標識されたKRAS、HRAS、またはNRAS G12C変異体タンパク質を調製する方法に使用するための、請求項1〜53のいずれか1項に記載の化合物を含む組成物であって、ここで、該方法は、該KRAS、HRAS、またはNRAS G12C変異体を請求項1〜53のいずれか1項に記載の化合物と反応させて該標識されたKRAS、HRAS、またはNRAS G12Cタンパク質を得ることを含む、組成物。
  67. 腫瘍転移を阻害するための請求項54に記載の薬学的組成物。
JP2018502355A 2015-07-22 2016-07-22 置換キナゾリン化合物ならびにそのg12c変異kras、hrasおよび/またはnrasタンパク質の阻害剤としての使用 Active JP6869947B2 (ja)

Applications Claiming Priority (9)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201562195636P 2015-07-22 2015-07-22
US62/195,636 2015-07-22
US201662342078P 2016-05-26 2016-05-26
US62/342,078 2016-05-26
GCGC-2016-31750 2016-07-21
GC201631750 2016-07-21
JOP/2016/0150A JOP20160150B1 (ar) 2015-07-22 2016-07-21 مركبات كينازولين مستبدلة وطرق استعمالها
JO150/2016 2016-07-21
PCT/US2016/043568 WO2017015562A1 (en) 2015-07-22 2016-07-22 Substituted quinazoline compounds and their use as inhibitors of g12c mutant kras, hras and/or nras proteins

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2018520195A JP2018520195A (ja) 2018-07-26
JP2018520195A5 JP2018520195A5 (ja) 2019-08-15
JP6869947B2 true JP6869947B2 (ja) 2021-05-12

Family

ID=57821530

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018502355A Active JP6869947B2 (ja) 2015-07-22 2016-07-22 置換キナゾリン化合物ならびにそのg12c変異kras、hrasおよび/またはnrasタンパク質の阻害剤としての使用

Country Status (5)

Country Link
EP (1) EP3325447A1 (ja)
JP (1) JP6869947B2 (ja)
CA (1) CA2993013A1 (ja)
MX (1) MX2018000777A (ja)
WO (1) WO2017015562A1 (ja)

Families Citing this family (78)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
UY35464A (es) 2013-03-15 2014-10-31 Araxes Pharma Llc Inhibidores covalentes de kras g12c.
JO3805B1 (ar) 2013-10-10 2021-01-31 Araxes Pharma Llc مثبطات كراس جي12سي
JO3556B1 (ar) 2014-09-18 2020-07-05 Araxes Pharma Llc علاجات مدمجة لمعالجة السرطان
ES2826443T3 (es) 2014-09-25 2021-05-18 Araxes Pharma Llc Inhibidores de proteínas mutantes KRAS G12C
WO2016049568A1 (en) 2014-09-25 2016-03-31 Araxes Pharma Llc Methods and compositions for inhibition of ras
TW201702232A (zh) 2015-04-10 2017-01-16 亞瑞克西斯製藥公司 經取代之喹唑啉化合物及其使用方法
CA2982360A1 (en) 2015-04-15 2016-10-20 Liansheng Li Fused-tricyclic inhibitors of kras and methods of use thereof
US10144724B2 (en) 2015-07-22 2018-12-04 Araxes Pharma Llc Substituted quinazoline compounds and methods of use thereof
WO2017058768A1 (en) 2015-09-28 2017-04-06 Araxes Pharma Llc Inhibitors of kras g12c mutant proteins
WO2017058728A1 (en) 2015-09-28 2017-04-06 Araxes Pharma Llc Inhibitors of kras g12c mutant proteins
EP3356339A1 (en) 2015-09-28 2018-08-08 Araxes Pharma LLC Inhibitors of kras g12c mutant proteins
US10975071B2 (en) 2015-09-28 2021-04-13 Araxes Pharma Llc Inhibitors of KRAS G12C mutant proteins
WO2017058805A1 (en) 2015-09-28 2017-04-06 Araxes Pharma Llc Inhibitors of kras g12c mutant proteins
WO2017058792A1 (en) 2015-09-28 2017-04-06 Araxes Pharma Llc Inhibitors of kras g12c mutant proteins
US10875842B2 (en) 2015-09-28 2020-12-29 Araxes Pharma Llc Inhibitors of KRAS G12C mutant proteins
WO2017070256A2 (en) 2015-10-19 2017-04-27 Araxes Pharma Llc Method for screening inhibitors of ras
TW201726656A (zh) 2015-11-16 2017-08-01 亞瑞克西斯製藥公司 包含經取代雜環基團之2-經取代喹唑啉化合物及其使用方法
WO2017100546A1 (en) 2015-12-09 2017-06-15 Araxes Pharma Llc Methods for preparation of quinazoline derivatives
SG11201804901WA (en) 2015-12-22 2018-07-30 SHY Therapeutics LLC Compounds for the treatment of cancer and inflammatory disease
WO2017172979A1 (en) 2016-03-30 2017-10-05 Araxes Pharma Llc Substituted quinazoline compounds and methods of use
US10646488B2 (en) 2016-07-13 2020-05-12 Araxes Pharma Llc Conjugates of cereblon binding compounds and G12C mutant KRAS, HRAS or NRAS protein modulating compounds and methods of use thereof
WO2018064510A1 (en) 2016-09-29 2018-04-05 Araxes Pharma Llc Inhibitors of kras g12c mutant proteins
WO2018068017A1 (en) 2016-10-07 2018-04-12 Araxes Pharma Llc Heterocyclic compounds as inhibitors of ras and methods of use thereof
MA47107B1 (fr) 2016-12-22 2021-11-30 Amgen Inc Dérivés de benzisothiazole, isothiazolo[3,4-b]pyridine, quinazoline, phthalazine, pyrido[2,3-d]pyridazine et pyrido[2,3-d]pyrimidine en tant qu'inhibiteurs de kras g12c pour le traitement de cancer du poumon, du pancréas ou de l'intestin
JOP20190272A1 (ar) 2017-05-22 2019-11-21 Amgen Inc مثبطات kras g12c وطرق لاستخدامها
BR112019024674A2 (pt) 2017-05-25 2020-06-16 Araxes Pharma Llc Inibidores covalentes da kras
JP2020521741A (ja) * 2017-05-25 2020-07-27 アラクセス ファーマ エルエルシー がんの処置のための化合物およびその使用の方法
SG11201911929XA (en) 2017-06-21 2020-01-30 SHY Therapeutics LLC Compounds that interact with the ras superfamily for the treatment of cancers, inflammatory diseases, rasopathies, and fibrotic disease
IL272512B (en) 2017-09-08 2022-07-01 Amgen Inc kras g12c inhibitors and methods of using them
MA50180A (fr) * 2017-09-20 2021-05-26 Us Health Récepteurs de lymphocytes t restreints au hla de classe ii contre kras muté
US10597405B2 (en) 2017-12-08 2020-03-24 Astrazeneca Ab Chemical compounds
TW201942115A (zh) * 2018-02-01 2019-11-01 美商輝瑞股份有限公司 作為抗癌藥之經取代的喹唑啉和吡啶並嘧啶衍生物
MX2020011582A (es) 2018-05-04 2020-11-24 Amgen Inc Inhibidores de kras g12c y metodos para su uso.
CA3098574A1 (en) 2018-05-04 2019-11-07 Amgen Inc. Kras g12c inhibitors and methods of using the same
US11932633B2 (en) * 2018-05-07 2024-03-19 Mirati Therapeutics, Inc. KRas G12C inhibitors
TW202012415A (zh) 2018-05-08 2020-04-01 瑞典商阿斯特捷利康公司 化學化合物
US10988485B2 (en) 2018-05-10 2021-04-27 Amgen Inc. KRAS G12C inhibitors and methods of using the same
ES2938987T3 (es) 2018-06-01 2023-04-18 Amgen Inc Inhibidores de KRAS G12c y métodos de uso de los mismos
US11285156B2 (en) 2018-06-12 2022-03-29 Amgen Inc. Substituted piperazines as KRAS G12C inhibitors
EP3816160A4 (en) * 2018-06-27 2022-03-16 Reborna Biosciences, Inc. PROPHYLACTIC OR THERAPEUTIC AGENT FOR SPINAL MUSCULAR ATROPHY
AU2019344897B2 (en) 2018-09-18 2024-01-18 Nikang Therapeutics, Inc. Tri-substituted heteroaryl derivatives AS SRC homology-2 phosphatase inhibitors
JP2020090482A (ja) 2018-11-16 2020-06-11 アムジエン・インコーポレーテツド Kras g12c阻害剤化合物の重要な中間体の改良合成法
WO2020106640A1 (en) 2018-11-19 2020-05-28 Amgen Inc. Kras g12c inhibitors and methods of using the same
JP7377679B2 (ja) 2018-11-19 2023-11-10 アムジエン・インコーポレーテツド がん治療のためのkrasg12c阻害剤及び1種以上の薬学的に活性な追加の薬剤を含む併用療法
JP2022520079A (ja) 2019-02-12 2022-03-28 ノバルティス アーゲー Tno155及びkrasg12c阻害剤を含む医薬組合せ
WO2020173935A1 (en) 2019-02-26 2020-09-03 Boehringer Ingelheim International Gmbh New isoindolinone substituted indoles and derivatives as ras inhibitors
EP3738593A1 (en) 2019-05-14 2020-11-18 Amgen, Inc Dosing of kras inhibitor for treatment of cancers
WO2020234103A1 (en) 2019-05-21 2020-11-26 Bayer Aktiengesellschaft Identification and use of kras inhibitors
BR112021023277A2 (pt) 2019-05-21 2022-01-04 Amgen Inc Formas em estado sólido
WO2021086833A1 (en) 2019-10-28 2021-05-06 Merck Sharp & Dohme Corp. Small molecule inhibitors of kras g12c mutant
AU2020379734A1 (en) 2019-11-04 2022-05-05 Revolution Medicines, Inc. Ras inhibitors
CN114867735A (zh) 2019-11-04 2022-08-05 锐新医药公司 Ras抑制剂
TW202132315A (zh) 2019-11-04 2021-09-01 美商銳新醫藥公司 Ras 抑制劑
CN114980976A (zh) 2019-11-27 2022-08-30 锐新医药公司 共价ras抑制剂及其用途
GB202001344D0 (en) 2020-01-31 2020-03-18 Redx Pharma Plc Ras Inhibitors
TW202210633A (zh) 2020-06-05 2022-03-16 法商昂席歐公司 用於治療癌症之dbait分子與kras抑制劑的組合
CN115916194A (zh) 2020-06-18 2023-04-04 锐新医药公司 用于延迟、预防和治疗针对ras抑制剂的获得性抗性的方法
CN116209438A (zh) 2020-09-03 2023-06-02 锐新医药公司 使用sos1抑制剂治疗具有shp2突变的恶性疾病
CN116457358A (zh) 2020-09-15 2023-07-18 锐新医药公司 作为ras抑制剂以治疗癌症的吲哚衍生物
WO2022133345A1 (en) 2020-12-18 2022-06-23 Erasca, Inc. Tricyclic pyridones and pyrimidones
WO2022140246A1 (en) 2020-12-21 2022-06-30 Hangzhou Jijing Pharmaceutical Technology Limited Methods and compounds for targeted autophagy
IL303661A (en) 2020-12-22 2023-08-01 Nikang Therapeutics Inc COMPOUNDS FOR BREAKING CYCLIN-DEPENDENT KINASE 2 THROUGH THE UBIQUITIN PROTEOSOME PATHWAY
TW202309052A (zh) 2021-05-05 2023-03-01 美商銳新醫藥公司 Ras抑制劑
IL308195A (en) 2021-05-05 2024-01-01 Revolution Medicines Inc RAS inhibitors for cancer treatment
WO2022266206A1 (en) 2021-06-16 2022-12-22 Erasca, Inc. Kras inhibitor conjugates
TW202317100A (zh) 2021-06-23 2023-05-01 瑞士商諾華公司 包含kras g12c抑制劑的藥物組合及其用於治療癌症之用途
WO2023284730A1 (en) 2021-07-14 2023-01-19 Nikang Therapeutics, Inc. Alkylidene derivatives as kras inhibitors
WO2023031781A1 (en) 2021-09-01 2023-03-09 Novartis Ag Pharmaceutical combinations comprising a tead inhibitor and uses thereof for the treatment of cancers
AR127308A1 (es) 2021-10-08 2024-01-10 Revolution Medicines Inc Inhibidores ras
WO2023114954A1 (en) 2021-12-17 2023-06-22 Genzyme Corporation Pyrazolopyrazine compounds as shp2 inhibitors
WO2023152255A1 (en) 2022-02-10 2023-08-17 Bayer Aktiengesellschaft Fused pyrimidines as kras inhibitors
EP4227307A1 (en) 2022-02-11 2023-08-16 Genzyme Corporation Pyrazolopyrazine compounds as shp2 inhibitors
WO2023172940A1 (en) 2022-03-08 2023-09-14 Revolution Medicines, Inc. Methods for treating immune refractory lung cancer
WO2023192801A1 (en) 2022-03-28 2023-10-05 Nikang Therapeutics, Inc. Sulfonamido derivatives as cyclin-dependent kinase 2 inhibitors
WO2023199180A1 (en) 2022-04-11 2023-10-19 Novartis Ag Therapeutic uses of a krasg12c inhibitor
WO2023240024A1 (en) 2022-06-08 2023-12-14 Nikang Therapeutics, Inc. Sulfamide derivatives as cyclin-dependent kinase 2 inhibitors
WO2023240263A1 (en) 2022-06-10 2023-12-14 Revolution Medicines, Inc. Macrocyclic ras inhibitors
GB202212641D0 (en) 2022-08-31 2022-10-12 Jazz Pharmaceuticals Ireland Ltd Novel compounds

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI271406B (en) * 1999-12-13 2007-01-21 Eisai Co Ltd Tricyclic condensed heterocyclic compounds, preparation method of the same and pharmaceuticals comprising the same
JP2002371078A (ja) * 2001-06-12 2002-12-26 Sankyo Co Ltd キノリン誘導体及びキノロン誘導体
WO2003053958A1 (en) * 2001-12-20 2003-07-03 Celltech R & D Limited Quinazolinedione derivatives
WO2005092894A1 (en) * 2004-03-01 2005-10-06 Eli Lilly And Company Fused pyrazole derivatives as tgf-beta signal transduction inhibitors for the treatment of fibrosis and neoplasms
TW200643015A (en) * 2005-03-11 2006-12-16 Akzo Nobel Nv 2-(4-oxo-4H-quinazolin-3-yl)acetamide derivatives
CN103153063B (zh) * 2010-07-30 2016-02-17 肿瘤疗法科学股份有限公司 喹啉衍生物及含有其的melk抑制剂
EP2968360B1 (en) * 2013-03-14 2021-01-20 ConverGene LLC Quinolinone derivatives for the inhibition of bromodomain-containing proteins
JP6559123B2 (ja) * 2013-10-10 2019-08-14 アラクセス ファーマ エルエルシー Krasg12cの阻害剤
SG11201607973XA (en) * 2014-03-24 2016-11-29 Guangdong Zhongsheng Pharmaceutical Co Ltd Quinoline derivatives as smo inhibitors

Also Published As

Publication number Publication date
WO2017015562A1 (en) 2017-01-26
EP3325447A1 (en) 2018-05-30
JP2018520195A (ja) 2018-07-26
CA2993013A1 (en) 2017-01-26
MX2018000777A (es) 2018-03-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6869947B2 (ja) 置換キナゾリン化合物ならびにそのg12c変異kras、hrasおよび/またはnrasタンパク質の阻害剤としての使用
JP6789239B2 (ja) Krasの縮合三環系インヒビターおよびその使用の方法
JP7015059B2 (ja) 置換複素環式基を含む2-置換キナゾリン化合物およびその使用方法
JP6849711B2 (ja) Kras g12cの共有結合性阻害剤
JP2022509830A (ja) がんを処置するための化合物およびその使用方法
JP7327802B2 (ja) 縮合ヘテロ-ヘテロ二環式化合物およびその使用方法
JP2021098721A (ja) 置換キナゾリン化合物およびその使用方法
JP6559123B2 (ja) Krasg12cの阻害剤
JP2022505835A (ja) 腫瘍転移を阻害するためのg12c変異体krasタンパク質の阻害剤としての2-(2-アクリロイル-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-6-(1h-インダゾール-4-イル)-ベンゾニトリル誘導体および関連化合物
JP2021532157A (ja) がんを処置するための複素環式スピロ化合物およびその使用方法
US10144724B2 (en) Substituted quinazoline compounds and methods of use thereof
JP2020521741A (ja) がんの処置のための化合物およびその使用の方法
JP2020521742A (ja) Krasの共有結合性阻害剤
JP2019534260A (ja) Rasの阻害剤としての複素環式化合物およびその使用方法
JP2020521740A (ja) 変異体kras、hrasまたはnrasの調節因子としてのキナゾリン誘導体
JP2019529484A (ja) Kras g12c変異体タンパク質の阻害剤
JP2017528498A (ja) Kras g12c変異体タンパク質のインヒビター
JP2023041763A (ja) 縮合n-複素環式化合物およびその使用方法
JP2017528488A (ja) がんの処置のための併用療法
CN108026046B (zh) 取代的喹唑啉化合物及其作为g12c突变体kras、hras和/或nras蛋白质的抑制剂的用途
JP2021502386A (ja) Ash1l分解剤及びそれを用いた治療方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190703

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190703

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200728

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200722

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201028

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201125

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210225

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210401

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210414

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6869947

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150