JP6698079B2 - ポリアミドエラストマー、医療機器及びポリアミドエラストマーの製造方法 - Google Patents

ポリアミドエラストマー、医療機器及びポリアミドエラストマーの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ポリアミドエラストマー、該ポリアミドエラストマーを用いた医療機器及び当該ポリアミドエラストマーの製造方法に関する。
ポリアミドエラストマーは、食品等の包装材料、医療機器用部材、電気・機械精密機器用部材、自動車用部材等の様々な分野で幅広く用いられている樹脂化合物である。これらのうち、医療機器用部材としては、例えば医療用チューブ、カテーテル用バルーン等の構成材料として用いられている。医療機器用部材に用いる場合は、ポリアミドエラストマーには、所望の形状に精密に成形できる押出成形性、ブロー成形性等の成形性や使用時の圧力や屈曲などによる破壊に耐えうる柔軟性、破断伸度、破断強度等の力学的特性が求められている。
特許文献1には、所定の両末端にカルボキシル基を有するポリアミド、炭素数が3以上のアルキレン基を持つ両末端アミノポリオキシアルキレン及び所定のジアミンを縮重合させて得られるブロックポリエーテルアミドが開示されている。また、特許文献2には、ポリアミド形成性モノマー、炭素数が3以上のアルキレン基を持つ両末端アミノポリオキシアルキレン、所定のジアミン及び特定量のジカルボン酸を重縮合させて得られるポリエーテルアミドが開示されている。特許文献1及び特許文献2に記載のポリエーテルアミドは、ある程度の柔軟性や耐衝撃性を有すると考えらえる。しかしながら、特許文献1及び2に記載の成分構成のポリーテルアミドでは、炭素数が3以上のアルキレン基を持つポリエーテルを用いても、柔軟性、破断伸度や破断強度等の機械的強度が不十分であり、更なる向上が求められていた。
特許文献3には、(A)所定のアミノカルボン酸化合物及び所定のラクタム化合物から選ばれるポリアミド形成性モノマー、(B)PTMO(ポリテトラメチレンオキサイド)骨格を有するポリエーテルジアミン並びに分岐型ジアミン、分岐脂環式ジアミン、ノルボルナンジアミンから選ばれる少なくとも1種のジアミン化合物、(C)所定のジカルボン酸化合物を重合して得られるポリアミドエラストマーが開示されている。しかしながら、特許文献3に記載の発明で用いられるこれらのジアミン化合物は反応性に乏しく、長い重合時間を要する。そのため、重合中に重合物の一部が熱分解し、得られるエラストマーが着色したり、十分に反応しない等により得られたエラストマーの破断伸び、破断強度等の強度が十分ではないという問題がある。
特許文献4には、破断伸度が1000%以上、弾性率が15MPa以下の柔軟な織編物へのコーティングもしくは含浸用共重合ポリエーテルポリアミド樹脂が開示されている。また、具体的な構成として、炭素数2〜3のアルキレン基を有するポリエーテルジアミン化合物と所定のジカルボン酸化合物とから構成されたポリエーテルポリアミドからなるソフトセグメント、並びに、所定のアミノカルボン酸及び/又は所定のラクタム化合物から構成されたポリアミドからなるハードセグメントが結合されてなるポリエーテルポリアミド樹脂が開示されている。しかしながら、特許文献4に記載のポリエーテルポリアミド樹脂は、ポリエーテル成分の反応性が低く、樹脂の破断強度が十分ではないという問題がある。
特開昭59−193923号公報 特開昭59−131628号公報 国際公開第2007/145324号 国際公開第2009/139087号
上記の問題点に鑑みて、本発明の目的は、固体状態での柔軟性、破断伸度、破断強度、等の力学的強度、溶融状態における押出成形性、固体状態におけるブロー成形性等の成形性に優れるポリアミドエラストマーを提供することにある。
本発明者は、前述の課題解決のために鋭意検討を行なった結果、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、下記[1]〜[4]のポリアミドエラストマー、[5]および[6]の医療機器、および[7]〜[9]の製造方法に関する。
[1]少なくとも下記(a)、(b)、(c)及び(d)成分を反応させて得られるポリアミドエラストマーであって、前記(c)成分と前記(d)成分のモル比率(c/d)が8/2〜1/9であるポリアミドエラストマー。
(a)成分
下記一般式(1)で表される少なくとも1種の化合物
Figure 0006698079
(式中、Rは、各々独立して炭素数1以上の直鎖状飽和炭化水素基であり、nは0以上の実数を示す。また、Rを含む繰り返し単位が2種以上含まれる場合、Rを含む繰り返し単位毎の総和をnとする。)
(b)成分
下記一般式(2)で表される少なくとも1種の化合物
Figure 0006698079
(式中、Rは、直結、または、炭素数1以上の直鎖状飽和炭化水素基を示す。)
(c)成分
下記一般式(3)で表される少なくとも1種の化合物
Figure 0006698079
(式中、Rは、炭素数1以上の飽和炭化水素基を示す。)
(d)成分
下記一般式(4)で表される少なくとも1種の化合物
Figure 0006698079
(式中、x+zは1以上6以下の実数で、yは1以上20以下の実数を示す。)
[2]数平均分子量が10000以上150000以下である前記[1]に記載のポリアミドエラストマー。
[3]前記(c)成分がエチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2−4/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンから選択される少なくとも1種の脂肪族ジアミンである前記[1]又は[2]に記載のポリアミドエラストマー。
[4]前記(a)成分のアミノ基(A)と(b)成分のモノカルボン酸基(B)のモル比(A/B)が、実質的に1/1である前記[1]〜[3]のいずれかに記載のポリアミドエラストマー。
[5]リン元素が5ppm以上5000ppm以下となるようにリン化合物が含まれる前記[1]〜[4]のいずれかに記載のポリアミドエラストマー。
[6]前記[1]〜[5]のいずれかに記載のポリアミドエラストマーを用いて作製された医療用部材を有する医療機器。
[7]前記医療用部材がカテーテル用バルーン又は医療用チューブである前記[5]に記載の医療機器。
[8](i)前記(a)成分と前記(b)成分を反応させてプレポリマーを得る工程と、(ii)前記プレポリマーに前記(c)成分と前記(d)成分を混合し反応させる工程、とを含む前記[1]〜前記[5]のいずれかに記載のポリアミドエラストマーの製造方法。
[9]少なくとも前記(i)及び(ii)の工程における各成分を溶融混練法で反応させる前記[8]に記載のポリアミドエラストマーの製造方法。
[10]前記(i)及び(ii)の工程のうち少なくとも一方において、前記(a)乃至(d)成分の合計量に対して10ppm以上10000ppm以下となるようにリン化合物を含有させる前記[8]または[9]に記載のポリアミドエラストマーの製造方法。
本発明によれば、固体状態での柔軟性、破断伸度、破断強度等の力学的特性、溶融状態における押出成形性、固体状態におけるブロー成形性等の成形性に優れるポリアミドエラストマーを得ることができる。
以下に、本発明のポリアミドエラストマーの実施形態について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明のポリアミドエラストマーは、少なくとも上記(a)、(b)、(c)及び(d)成分を反応させて得られ、(c)成分と(d)成分のモル比率(c/d)が8/2〜1/9である。換言すると、上記(a)、(b)、(c)及び(d)成分にそれぞれ由来する構造を有し、(c)成分に由来する構造と(d)成分に由来する構造のモル比率(c/d)が8/2〜1/9である。このように、所定の(a)乃至(d)成分を用いるとともに(c)及び(d)成分を所定範囲のモル比率とする、換言すると、所定の(a)乃至(d)成分に由来する構造を有するとともに(c)及び(d)成分に由来する構造を所定範囲のモル比率にすることで、本発明の効果が奏される。また、本発明のポリアミドエラストマーは、(a)成分に由来するポリアミド構成単位及び/又は(b)及び(c)成分の反応物に由来するポリアミド構成単位をハードセグメントとして有し、(d)成分に由来するポリエーテル構成単位をソフトセグメントとして有する。そして、特に、(b)成分を介して(a)成分と(c)成分又は(d)が結合した構造を形成させた場合、溶融粘度を低下させてポリアミドエラストマーの高分子量化がより容易になり、破断伸度、破断強度をより一層向上させることができる。
以下に前記(a)〜(d)成分と本発明のポリアミドエラストマーについてより詳細に説明する。
本発明で用いる(a)成分は、下記一般式(1)で表される少なくとも1種の化合物である。
Figure 0006698079
一般式(1)中、Rは、各々独立して炭素数1以上の直鎖状飽和炭化水素基である。また、nは0以上の実数を示す。また、Rを含む繰り返し単位が2種以上含まれる場合、Rを含む繰り返し単位毎の総和をnとする。nは重合反応性および得られるポリアミドエラストマーの力学的特性の観点で、好ましくは1以上100以下、より好ましくは10以上50以下、さらに好ましくは20以上40以下である。ここで、nは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により得られる数平均分子量により決定することができる。
このような(a)成分を構成するRは、炭素数1以上の飽和炭化水素基であればよい。但し、重合反応性及び得られるポリアミドエラストマーの力学的特性の点で、Rが炭素数6以上18以下の飽和炭化水素基であることが好ましい。好ましい(a)成分としては、例えば、1−6アミノヘキサン酸、1−7アミノヘプタン酸、1−8アミノオクタン酸、1−9アミノノナン酸、1−10アミノデカン酸、1−11アミノウンデカン酸、1−12アミノドデカン酸、1−14アミノテトラデカン酸、1−16アミノヘキサデカン酸、1−17アミノヘプタデカン酸、1−18アミノオクタデカン酸等のアミノカルボン酸、その縮合生成物が挙げられる。また、(a)成分がアミノカルボン酸の縮合生成物である場合は、これらのアミノカルボン酸を1種用いた縮合生成物でもよいし、2種以上組み合わせた縮合生成物でもよい。
尚、特にRの炭素鎖が長くなるにしたがい、ポリアミドエラストマーの靱性が向上する傾向にある。
本発明で用いる(b)成分は、下記一般式(2)で表される少なくとも1種の化合物である。
Figure 0006698079
一般式(2)中、Rは、直結、または、炭素数1以上の直鎖状飽和炭化水素基である。
直鎖状飽和炭化水素基としては、炭素数が1以上であれば特に限定はないが、重合反応性および得られるポリアミドエラストマーの力学的特性の観点で、炭素数が2以上10以下であることが好ましい。
このような(b)成分として用いることが可能な化合物としては、具体的には、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等のジカルボン酸が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。また、これらのジカルボン酸は、1種でもよいし、2種以上でもよい。
本発明で用いる(c)成分は、下記一般式(3)で表される少なくとも1種の化合物である。
Figure 0006698079
一般式(3)中、Rは、炭素数1以上の飽和炭化水素基を示す。
は、炭素数1以上の直鎖状、または、分岐状飽和炭化水素基であれば限定はないが、得られるポリアミドエラストマーの力学的特性をより向上させる観点で、炭素数が2以上14以下であることが好ましく、4以上12以下がより好ましい。具体的には、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2−4/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、3−メチルペンタメチルジアミン等の脂肪族ジアミンが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。また、これらのうち、上記観点から、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミンから選択される少なくとも1種の脂肪族ジアミンがより好ましい。
本発明で用いる(d)成分は、下記一般式(4)で表される少なくとも1種の化合物である。
Figure 0006698079
一般式(4)中、x、y及びzは、x+zは1以上6以下の実数で、yは1以上20以下の実数である。これにより、重合反応性と柔軟性の好適なバランスを取ることができる。x+zは、好ましくは1以上5以下、さらに好ましくは1以上3.8以下である。また、yは、好ましくは1以上15以下、より好ましくは1以上9.2以下である。さらに、x+zは1以上6以下の実数で、yは1以上15以下の実数であるのが好ましい。ここで、x、y、zは、例えば後述の実施例のようにしてGPC測定により決定することができる。
このような(d)成分としては、例えば、ポリオキシエチレン、1,2−ポリオキシプロピレン、1,3−ポリオキシプロピレンあるいはそれらの共重合物であるポリオキシアルキレンのアミノ変性体等のポリエーテルジアミン化合物が挙げられる。具体的には、米国HUNTSMAN社製のジェファーミンEDシリーズ等を好ましく用いることができる。このジェファーミンEDシリーズは、一般式(4)中、x+zは1以上6以下で、yは1以上20以下を示すものとしては、ED600とED900である。このうち、x+zが1以上6以下のものとしては、ED900、x+zが1以上3.8以下のものとしては、ED600、yが1以上15以下のものとしてはED900、yが1以上9.2以下のものとしては、ED600である。また、x+z及びyがこのような範囲のうち、ED600の数平均分子量は500〜700が好ましく、ED900の数平均分子量は800〜1000が好ましい。この場合の数平均分子量は、重クロロホルム溶媒を用いた核磁気共鳴法によるプロトン比により算出した数値である。
本発明では、前述のように、(c)成分と(d)成分のモル比率(c/d)、換言すると、(c)成分に由来する構造と(d)成分に由来する構造のモル比率(c/d)は、8/2〜1/9である。これにより好適な加工性および機械特性が付与できる。より加工性や機械的特性に優れる点で、モル比率(c/d)は、7/3〜2/8が好ましく、6/4〜3/7がより好ましい。尚、このモル比率は、核磁気共鳴(NMR)法により、アミン末端基に隣接するα炭素のプロトンおよび側鎖のプロトンおよびエーテル基に隣接するα炭素のプロトンで測定することができる。また、製造段階では使用する各成分のモル比率に対応する。
本発明では、(a)成分アミノ基(A)と(b)成分のモノカルボン酸基(B)のモル比(A/B)は、好適な数平均分子量のポリアミドエラストマーを得られやすい観点から、モル比(A/B)は1/2以上5/4以下が好ましく、実質的に1/1であるのがより好ましい。ここで、実質的に1/1であるとは、原料の重量から算出されるアミノ基のモル数とモノカルボン酸基が概ね等モルであることを示す。
本発明のポリアミドエラストマーの溶融粘度(メルトフローレート、MFR)は、230℃、2.16kgf(21.2N)において0.1〜20(g/10min)であることが好ましい。これにより、押出し成形性が良好となる。溶融粘度をこの様な範囲とするためには、重合時の反応温度、反応時間、溶液濃度などを適宜調整すればよい。
本発明のポリアミドエラストマーのショアD硬度は、50〜100が好ましく、60〜80がより好ましい。これにより、成形体の柔軟性が得られる。ショアD硬度をこの様な範囲とするためには、(c)及び(d)成分の仕込み比を適宜調整すればよい。
本発明のポリアミドエラストマーの数平均分子量は10000以上150000以下が好ましく、20000以上100000以下がより好ましい。数平均分子量をこのような範囲にすることで、加工性や機械的特性に優れる。
本発明のポリアミドエラストマーにおいて、成形体の引張試験における破断伸びは100%以上600%以下が好ましく、200%以上600%以下がより好ましい。また破断応力は20MPa以上100MPa以下が好ましく、30MPa以上90MPa以下がより好ましい。尚、引張試験は、例えば、後述の方法により行うことができる。
本発明のポリアミドエラストマーには、リン化合物が含まれていてもよい。これにより、成形体の破断伸びや破断応力をより向上させることができる。そのため、例えば医療用バルーンに好適である。また、後述するように、ポリアミドエラストマーの製造工程においては、重合反応の安定化や酸化に起因する着色を防止することができる。このようなリン化合物としては、リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、亜リン酸、次亜リン酸、及びこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等が挙げられる。このうち、重合反応の安定性の向上、ポリアミドエラストマーに対する耐熱安定性の付与、成形体の力学的特性の向上の観点からは、亜リン酸、次亜リン酸、及びこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩が好ましい。
リン化合物の含有量は、リン元素として5ppm以上5000ppm以下が好ましく、20ppm以上4000ppm以下がより好ましく、30ppm以上3000ppm以下がさらに好ましい。
本発明のポリアミドエラストマーには、前述のリン化合物以外に、特性を損なわない範囲で、目的に応じて種々の添加剤を配合することができる。具体的には、耐熱剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、滑材、スリップ剤、結晶核剤、粘着性付与剤、離型剤、可塑剤、顔料、染料、難燃剤、補強材、無機フィラー、微小繊維、X線不透過剤などを添加することができる。
本発明のポリアミドエラストマーのより好ましい実施形態は、表1〜4に示すNo.1〜64の(a)〜(d)成分を反応させて得られるもの、換言すると、No.1〜64の(a)〜(d)成分の組み合わせに由来する構造を有するものを例示することができる。
Figure 0006698079
Figure 0006698079
Figure 0006698079
Figure 0006698079
以下に、本発明のポリアミドエラストマーの製造方法の実施形態について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明のポリアミドエラストマーは、(a)、(b)、(c)、(d)成分を反応させることで得ることができる。例えば、(a)乃至(d)成分を同時に混合し反応させる方法、例えば(a)成分と(b)成分とを反応させた後に残りの成分を添加して、反応させる方法等が挙げられる。このうち、所望のハードセグメントとソフトセグメントを有するブロック共重合体を効率的に合成する観点からは、(i)(a)成分と(b)成分を混合し反応させてプレポリマーを得る工程(以下、「工程(i)」と称する。)と、工程(i)で得られたプレポリマーに(c)成分と(d)成分を混合し反応させる工程(以下、「工程(ii)」と称する。)と、を含む製造方法により得ることが好ましい。
工程(i)において、(a)成分と(b)成分を混合する際の混合比率は、特に限定はないが、所望のハードセグメント長が得られやすい点で、(a)成分のアミノ基(A)と(b)成分のモノカルボン酸基(B)のモル比(A/B)は1/2以上5/4以下が好ましく、実質的に1/1であるのがより好ましい。
尚、(a)乃至(d)成分を同時に混合し反応させる製造方法の場合でも、工程(i)及び(ii)を含む製造方法の場合でも、(a)乃至(d)成分の全成分におけるアミノ基とカルボン酸基が実質的に等モルになるように混合することが好ましい。
本発明のポリアミドエラストマーの製造方法において、アミノ基とカルボン酸基の等モル性を崩す要因となり得る化合物の添加は、所望の物性を低下させない程度にすることが望ましい。
本発明のポリアミドエラストマーの製造方法においては、(a)〜(d)各成分の混合比率は、特に制限はないが(a)成分は、(a)乃至(d)成分の全成分に対して70〜98.5重量%が好ましく、85〜98重量%がより好ましい。(b)成分は、(a)乃至(d)成分の全成分に対して0.5〜20重量%が好ましく、1〜10重量%がより好ましい。(c)成分は、(a)乃至(d)成分の全成分に対して0.5〜20重量%が好ましく、1〜10重量%がより好ましい。(d)成分は、(a)乃至(d)成分の全成分に対して0.5〜30重量%が好ましく、1〜20重量%がより好ましい。
したがって、工程(i)においては、工程(ii)を考慮して(a)成分と(b)成分の混合量を決定するとよい。但し、上述したように、(a)乃至(d)成分の全成分におけるアミノ基とカルボン酸基のモル比を考慮するのが好ましく、そのモル比が実質的に等モルになるように混合量を決定することが好ましい。また、(a)成分が縮合重合生成物である場合は、重合前の化合物を基準に混合量を決定することもできる。
本発明のポリアミドエラストマーの製造方法においては、工程(i)及び(ii)における反応は、溶媒中で、あるいは溶媒を用いずに無溶媒の状態で行うことが出来るが、精製などが必要なく、簡便に目的のポリアミドエラストマーが得られやすい点で、溶媒を用いずに無溶媒で反応させることが好ましい。このような無溶媒での反応は、溶融混練法により行うことができる。したがって、工程(i)における(a)成分及び(b)成分、並びに、工程(ii)におけるプレポリマー、(c)成分及び(d)成分を溶融混練法で反応させるのが好ましい。
本発明のポリアミドエラストマーの製造方法において、(a)〜(d)成分の重合反応としては、常圧溶融重縮合反応または減圧溶融重縮合反応、あるいはその組合せを採用することができる。減圧溶融重縮合の場合は、重合反応性の点で、窒素ガス雰囲気で、反応容器内の圧力を0.1〜0.01(MPa)とするのが好ましい。これらの溶融重縮合反応は、無溶媒の状態で溶融混練法により行うことができる。
本発明のポリアミドエラストマーの製造方法における工程(i)および工程(ii)の反応温度は、重合反応が起これば特に制限されないが、反応速度と熱分解の抑制のバランスから160〜300℃が好ましく、200〜280℃で行うことがより好ましい。なお、工程(i)および(ii)の反応温度は同一でも異なっていても良い。
本発明のポリアミドエラストマーの製造方法における工程(i)および(ii)の重合反応時間は、分子量の高分子量化や着色の抑制等の観点から、3〜10時間であることが好ましい。なお、工程(i)および(ii)の重合反応時間は同一でも異なっていても良い。
本発明のポリアミドエラストマーの製造方法は、回分式でも、連続式であってもよい。例えば、バッチ式反応釜等を用いた回分式でもよいし、一槽式又は多槽式の連続反応装置、管状連続反応装置等を単独または組み合わせて用いた連続式でもよい。
本発明のポリアミドエラストマーの製造において、必要に応じて触媒として、リン化合物を用いることができる。このようなリン化合物としては、例えば、リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、亜リン酸、次亜リン酸、及びこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等が挙げられる。このうち、重合反応の安定性の向上、ポリアミドエラストマーに対する耐熱安定性の付与、成形体の力学的特性の向上の観点からは、亜リン酸、次亜リン酸、及びこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等の無機リン化合物を用いるのが好ましい。
このようなリン化合物の仕込み時の重量は、工程(i)及び工程(ii)のうち少なくとも1方において、(a)乃至(d)成分の合計重量に対して、好ましくは10以上10000ppm以下であり、より好ましくは100ppm以上5000ppm以下である。また、この時(a)成分が縮合重合生成物である場合は、縮合重合前の化合物の添加量を基準とすることができる。なお、反応で発生する副生成物によって、リン化合物が反応系外へ排出されることがあるため、仕込み重量とポリアミドエラストマー中のリン元素含有量は同じでなくても良い。得られるポリアミドエラストマー中のリン元素量が、5ppm以上5000ppm以下となるように含有させるのが好ましく、20ppm以上4000ppm以下がより好ましく、30ppm以上3000ppm以下がさらに好ましい。
工程(ii)において各成分を反応させた後は、例えば溶融状態の重合体をひも状に引き出して冷却し、必要に応じて、ペレット等として得ることができる。
本発明のポリアミドエラストマーは、ポリエーテル鎖基やポリアミド基を適度に含んでいるため、吸水性による物性変化が小さく、樹脂の溶融特性により押出し成形性及び引取り成形性に優れ、ブロー成形性に優れ、強靭性に優れている。そのため、様々な分野の成形品の製造に用いることが出来る。例えば、本発明のポリアミドエラストマーを用いて押出し成形し、チューブ、ホース、医療用チューブ等の部材を製造することができる。また、本発明のポリアミドエラストマーをブロー成形し、ボトル、容器、カテーテル用バルーン等の部材を製造することが出来る。
特に、本発明のポリアミドエラストマーは、医療機器に用いられる医療用部材の構成材料として好適である。医療用部材としては、例えば、カテーテル用バルーン、医療用チューブ等が挙げられる。
以下では、ポリアミドエラストマーを用いて作製された医療用部材について、医療用部材がカテーテル用バルーンである場合を例に説明するが、本発明はこれに限定されない。
カテーテル用バルーン(以下、単に「バルーン」と称する。)は、まず、本発明のポリアミドエラストマーを用いてチューブ(以下、「パリソン」と称することがある。)を製造し、次いで、得られたパリソンを更に加工することにより製造することが出来る。
ポリアミドエラストマーを用いてパリソンを製造する方法としては、一般的な公知の成型方法を用いることができる。例えば、押出成形、射出成型、溶融紡糸成形などが挙げられる。パリソンの形状は、一般的には、径が長軸方向に一定の円筒形状を有する。
パリソンからバルーンを製造する方法としては、一般的な公知の成型方法を用いることができる。例えば、宙吹法や型吹法等のブロー成形、真空成形等により二軸延伸成形して所望の形状のバルーンを作製することができる。成形温度は、一般的には、95〜165℃である。
パリソンからバルーンの内径拡張率は400%以上900%以下が好ましく、500%以上800%以下がより好ましい。尚、本発明における内径拡張率とは、下記式で算出される値である。
内径拡張率(%)=(成形時バルーン拡張時の内径/パリソン内径)×100
以上のようにして得られたバルーンに対して外観検査等を行い、検査に合格したもののみがバルーンカテーテル等の医療機器の医療用部材として用いることができる。外観検査により、バルーンの表面に、菱型の傷やフィッシュアイ、クラックが観察されたものは不良とみなされる。
以上のように、本発明のポリアミドエラストマーは、柔軟性、破断伸度、破断強度等の力学的特性、溶融状態における押出成形性、固体状態におけるブロー成形性等の加工性などに優れているため、医療機器用部材の他にも、食品等の包装材料、電気・機械精密機器用部材、自動車用部材等様々な用途に用いることが出来ることは勿論のことである。
(メルトフローレートの測定)
メルトフローレート(MFR)は、メルトインデクサーG−01(東洋精機製作所製)によりASTM−D3418に準拠して測定した。その際、樹脂の乾燥は80℃、4時間のオーブンで実施した。
(数平均分子量Mnの測定)
数平均分子量Mnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により算出した。GPCの測定は、GPC測定装置として島津製作所社製GPCユニット(システムユニット:SCL−10Avp、送液ユニット:LC−10ADvp、カラムオーブン:CTO−10Avp、検出器:RID−10A)を用い、カラムにSHODEX社製LFー404を用い、溶媒としてヘキサフルオロイソプロパノールを用い行い、数平均分子量は、得られた分子量分布からPMMA(ポリメチルメタクリレート)標準物質による検量線で、PMMA換算分子量として算出した。
尚、数平均分子量は、10%程度の測定のバラツキがあり、3回測定した平均値とした。
(引張試験)
引張試験は、ASTM−D638(TYPE5)に準拠した試験片を使用した。試験片は、実施例及び比較例で得られたポリアミドエラストマーのペレットを小型プレス機(東洋精機製作所社製、製品名MP−2FH)を用いて190℃にてプレスし、冷却させた厚み1(mm)のフィルムを用意し、上記規格の打抜き刃により打ち抜いて作製した。そして、試験片の乾燥処理は80℃、4時間とした。引張試験は速度200(mm/min)で行った。
(ショアD硬度の測定)
ショアDの測定は、ASTM−D2240に準拠し、厚み6mmのシートを用いて、23℃恒温室で実施した。厚み6mmのシートは、実施例及び比較例のポリアミドエラストマーのペレットを用いて前記プレス機により作製した。測定装置として、高分子計器社製、ゴム硬度計荷重検査器D型を用いた。
(残留リン元素の定量)
実施例10、11で得られたポリアミドエラストマーを用いて、それに含まれるリン元素を測定した。
前処理法として、試料約0.1gを分解容器に精評し、硫酸および硝酸を加えてマイクロウェーブ分解装置(マイルストーンゼネラル社製、製品名ETHOS One)で加圧酸分解を行った。分解液を50mlにして測定液とし、ICP発光分光分析法(島津製作所ICPS−8100)により算出した。
(バルーン成形外観検査)
実施例で成形したパリソンを用いてブロー成形した後のバルーン表面を、20倍ルーペを用いて目視により観察し、0.0005mm以上の大きさのクラックの有無を評価した。
(耐圧強度の測定)
実施例及び比較例のポリアミドエラストマーのペレットを用いて得られたブロー成形体の片方をヒートシールし、37℃湯浴中で、バーストリークテスター(Crescent Design社製、製品名MODEL1000)を用いて測定した。
(実施例1)
撹拌機、温調計、圧力計、窒素ガス導入口、縮合水排出口を備えた容積3Lの反応容器に、12アミノドデカン酸1200gおよび次亜リン酸0.6gを仕込み、容器内を十分窒素置換し、溶融させるために280℃で1時間昇温し、数平均分子量が5000となるまで重合し、ハードセグメントとなる(a)成分を得た。
そして、(b)成分として、ハードセグメントの末端アミン基のモル量と等モルのアジピン酸35g(0.24mol)を添加し、220℃で1時間反応させハードセグメントのジカルボン酸化を行った(工程(i))。
得られたジカルボン酸化ハードセグメントの両末端カルボン酸基と等モルになるように、(c)成分としてヘキサメチレンジアミン22.3g(0.19mol)、(d)成分としてポリエーテルジアミン(HUNTSMAN社製のジェファーミンED600、一般式(4)中、x+zは1以上3.8以下、yは1以上9.2以下である。数平均分子量は500〜700である。)を28.8g(0.048mol)仕込み、260℃まで昇温し、さらに4時間重合を行ってポリマーを得た(工程(ii))。
重合終了後、撹拌を停止し、取り出し口から溶融状態の無色透明のポリマーをひも状に抜き出し、水冷した後、ペレタイズして、約1kgのペレットを得た。得られたペレットについて、MRFと数平均分子量Mnを測定し、結果を表5に示した。
また、得られたペレットを用いて作製された成形体(試験片)を用い、引張試験、ショアD硬度を測定し、結果を表5に示した。
(実施例2)
撹拌機、温調計、圧力計、窒素ガス導入口、縮合水排出口を備えた容積3Lの反応容器に、12アミノドデカン酸1200gおよび次亜リン酸0.6gを仕込み、容器内を十分窒素置換し、溶融させるために280℃で1時間昇温し、数平均分子量が5200となるまで重合し、ハードセグメントとなる(a)成分を得た。
そして、(b)成分として、ハードセグメントの末端アミン基のモル量と等モルのアジピン酸35g(0.24mol)を添加し、220℃で1時間反応させハードセグメントのジカルボン酸化を行った(工程(i))。
得られたジカルボン酸化ハードセグメントの両末端カルボン酸基と等モルになるように、(c)成分としてヘキサメチレンジアミン19.5g(0.17mol)、(d)成分としてポリエーテルジアミン(HUNTSMAN社製のジェファーミンED600)を43.2g(0.072mol)仕込み、260℃まで昇温し、さらに4時間重合を行ってポリマーを得た(工程(ii))。
重合終了後、撹拌を停止し、取り出し口から溶融状態の無色透明のポリマーをひも状に抜き出し、水冷した後、ペレタイズして、約1kgのペレットを得た。得られたペレットについて、MRFと数平均分子量Mnを測定し、結果を表5に示した。
また、得られたペレットを用いて作製された成形体(試験片)を用い、引張試験、ショアD硬度を測定し、結果を表5に示した。
(実施例3)
撹拌機、温調計、圧力計、窒素ガス導入口、縮合水排出口を備えた容積3Lの反応容器に、12アミノドデカン酸1200gおよび次亜リン酸0.6gを仕込み、容器内を十分窒素置換し、溶融させるために280℃で1時間昇温し、数平均分子量が5400となるまで重合し、ハードセグメントとなる(a)成分を得た。
そして、(b)成分として、ハードセグメントの末端アミン基のモル量と等モルのアジピン酸35g(0.24mol)を添加し、220℃で1時間反応させハードセグメントのジカルボン酸化を行った(工程(i))。
得られたジカルボン酸化ハードセグメントの両末端カルボン酸基と等モルになるように、(c)成分としてヘキサメチレンジアミン14g(0.12mol)、(d)成分としてポリエーテルジアミン(HUNTSMAN社製のジェファーミンED600)を72g(0.12mol)仕込み、260℃まで昇温し、さらに4時間重合を行った(工程(ii))。
重合終了後、撹拌を停止し、ポリマーを取り出し口から溶融状態の無色透明の重合体をひも状に抜き出し、水冷した後、ペレタイズして、約1kgのペレットを得た。得られたペレットについて、MRFと数平均分子量Mnを測定し、結果を表5に示した。
また、得られたペレットを用いて作製された成形体(試験片)を用い、引張試験、ショアD硬度を測定し、結果を表5に示した。
(実施例4)
撹拌機、温調計、圧力計、窒素ガス導入口、縮合水排出口を備えた容積3Lの反応容器に、12アミノドデカン酸1200gおよび次亜リン酸0.6gを仕込み、容器内を十分窒素置換し、溶融させるために280℃で1時間昇温し、数平均分子量が5100となるまで重合し、ハードセグメントとなる(a)成分を得た。
そして、(b)成分として、ハードセグメントの末端アミン基のモル量と等モルのアジピン酸35g(0.24mol)を添加し、220℃で1時間反応させハードセグメントのジカルボン酸化を行った(工程(i))。
得られたジカルボン酸化ハードセグメントの両末端カルボン酸基と等モルになるように、(c)成分としてヘキサメチレンジアミン8g(0.069mol)、(d)成分としてポリエーテルジアミン(HUNTSMAN社製のジェファーミンED600)を101g(0.168mol)仕込み、260℃まで昇温し、さらに5時間重合を行ってポリマーを得た(工程(ii))。
重合終了後、撹拌を停止し、取り出し口から溶融状態の無色透明のポリマーをひも状に抜き出し、水冷した後、ペレタイズして、約1kgのペレットを得た。得られたペレットについて、MRFと数平均分子量Mnを測定し、結果を表5に示した。
また、得られたペレットを用いて作成された成形体(試験片)を用い、引張試験、ショアD硬度を測定し、結果を表5に示した。
(実施例5)
撹拌機、温調計、圧力計、窒素ガス導入口、縮合水排出口を備えた容積3Lの反応容器に、12アミノドデカン酸1200gおよび次亜リン酸0.6gを仕込み、容器内を十分窒素置換し、溶融させるために280℃で1時間昇温し、数平均分子量が4900となるまで重合し、ハードセグメントとなる(a)成分を得た。
そして、(b)成分として、ハードセグメントの末端アミン基のモル量と等モルのアジピン酸35g(0.24mol)を添加し、220℃で1時間反応させハードセグメントのジカルボン酸化を行った(工程(i))。
得られたジカルボン酸化ハードセグメントの両末端カルボン酸基と等モルになるように、(c)成分としてヘキサメチレンジアミン3g(0.026mol)、(d)成分としてポリエーテルジアミン(HUNTSMAN社製のジェファーミンED600)を130g(0.217mol)仕込み、260℃まで昇温し、さらに4時間重合を行った。その後、4時間減圧で重合を行ってポリマーを得た(工程(ii))。
重合終了後、撹拌を停止し、取り出し口から溶融状態の無色透明のポリマーをひも状に抜き出し、水冷した後、ペレタイズして、約1kgのペレットを得た。得られたペレットについて、MRFと数平均分子量Mnを測定し、結果を表5に示した。
また、得られたペレットを用いて作成された成形体(試験片)を用い、引張試験、ショアD硬度を測定し、結果を表5に示した。
参考例6)
撹拌機、温調計、圧力計、窒素ガス導入口、縮合水排出口を備えた容積3Lの反応容器に、12アミノドデカン酸((a)成分)1200gおよび次亜リン酸0.6gを仕込み、さらにハードセグメントを数平均分子量5000に想定した片末端アミン基のモル量と等モルのアジピン酸((b)成分)35g(0.24mol)とジカルボン酸化ハードセグメントの両末端カルボン酸基と等モルになるように、ヘキサメチレンジアミン((c)成分)22.3g(0.20mol)、ポリエーテルジアミン(HUNTSMAN社製のジェファーミンED600)((d)成分)を28.8g(0.048mol)仕込み、容器内を十分窒素置換し、溶融させるために280℃で1時間昇温し、その後260℃にし、6時間重合を行ってポリマーを得た。
重合終了後、撹拌を停止し、取り出し口から溶融状態の無色透明のポリマーをひも状に抜き出し、水冷した後、ペレタイズして、約1kgのペレットを得た。得られたペレットについて、MRFと数平均分子量Mnを測定し、結果を表5に示した。
また、得られたペレットを用いて作製された成形体(試験片)を用い、引張試験、ショアD硬度を測定し、結果を表5に示した。
参考例7)
撹拌機、温調計、圧力計、窒素ガス導入口、縮合水排出口を備えた容積3Lの反応容器に、12アミノドデカン酸((a)成分)1200gおよび次亜リン酸0.6gを仕込み、さらにハードセグメントを数平均分子量5000に想定した片末端アミン基のモル量と等モルのアジピン酸((b)成分)35g(0.24mol)とジカルボン酸化ハードセグメントの両末端カルボン酸基と等モルになるように、ヘキサメチレンジアミン((c)成分)2.78g(0.024mol)、ポリエーテルジアミン(HUNTSMAN社製のジェファーミンED600)((d)成分)を129.6g(0.22mol)仕込み、容器内を十分窒素置換し、溶融させるために280℃で1時間昇温し、その後260℃にし、6時間重合を行ってポリマーを得た。
重合終了後、撹拌を停止し、取り出し口から溶融状態の無色透明のポリマーをひも状に抜き出し、水冷した後、ペレタイズして、約1kgのペレットを得た。得られたペレットについて、MRFと数平均分子量Mnを測定し、結果を表5に示した。
また、得られたペレットを用いて作製された成形体(試験片)を用い、引張試験、ショアD硬度を測定し、結果を表5に示した。
参考例8)
撹拌機、温調計、圧力計、窒素ガス導入口、縮合水排出口を備えた容積3Lの反応容器に、6−アミノヘキサン酸((a)成分)1200gおよび次亜リン酸0.6gを仕込み、さらにハードセグメントを数平均分子量5000に想定した片末端アミン基のモル量と等モルのアジピン酸((b)成分)35g(0.24mol)とジカルボン酸化ハードセグメントの両末端カルボン酸基と等モルになるように、ヘキサメチレンジアミン((c)成分)2.78g(0.024mol)、ポリエーテルジアミン(HUNTSMAN社製のジェファーミンED600)((d)成分)を129.6g(0.22mol)仕込み、容器内を十分窒素置換し、溶融させるために280℃で1時間昇温し、その後260℃にし、6時間重合を行ってポリマーを得た。
重合終了後、撹拌を停止し、取り出し口から溶融状態の無色透明のポリマーをひも状に抜き出し、水冷した後、ペレタイズして、約1kgのペレットを得た。得られたペレットについて、MRFと数平均分子量Mnを測定し、結果を表5に示した。
また、得られたペレットを用いて作製された成形体(試験片)を用い、引張試験、ショアD硬度を測定し、結果を表5に示した。
(実施例9)
撹拌機、温調計、圧力計、窒素ガス導入口、縮合水排出口を備えた容積3Lの反応容器に、12アミノドデカン酸1200gおよび次亜リン酸0.6gを仕込み、容器内を十分窒素置換し、溶融させるために280℃で1時間昇温し数平均分子量が5100となるまで重合し、ハードセグメントとなる(a)成分を得た。
そして、(b)成分として、ハードセグメントの末端アミン基のモル量と等モルのセバシン酸48.5g(0.24mol)を添加し、220℃で1時間反応させハードセグメントのジカルボン酸化を行った(工程(i))。
得られたジカルボン酸化ハードセグメントの両末端カルボン酸基と等モルになるように、(c)成分としてドデカメチレンジアミン24g(0.12mol)、(d)成分としてポリエーテルジアミン(HUNTSMAN社製のジェファーミンED600)を72g(0.12mol)仕込み、260℃まで昇温し、さらに4時間重合を行ってポリマーを得た(工程(ii))。
重合終了後、撹拌を停止し、取り出し口から溶融状態の無色透明のポリマーをひも状に抜き出し、水冷した後、ペレタイズして、約1kgのペレットを得た。得られたペレットについて、MRFと数平均分子量Mnを測定し、結果を表5に示した。
また、得られたペレットを用いて作製された成形体(試験片)を用い、引張試験、ショアD硬度を測定し、結果を表5に示した。
(比較例1)
撹拌機、温調計、圧力計、窒素ガス導入口、縮合水排出口を備えた容積3Lの反応容器に、12アミノドデカン酸1200gおよび次亜リン酸0.6gを仕込み、容器内を十分素置換し、溶融させるために280℃で1時間昇温し、数平均分子量が5300となるまで重合し、ハードセグメントとなる(a)成分を得た。
そして、(b)成分として、ハードセグメントの末端アミン基のモル量と等モルのアジピン酸35g(0.24mol)を添加し、220℃で1時間反応させハードセグメントのジカルボン酸化を行った(工程(i))。
得られたジカルボン酸化ハードセグメントの両末端カルボン酸基と等モルになるように、(d)成分としてポリエーテルジアミン(HUNTSMAN社製のジェファーミンED600)を144g(0.24mol)仕込み、260℃まで昇温し、さらに4時間重合を行った。その後、4時間減圧で重合を行ってポリマーを得た。
重合終了後、撹拌を停止し、取り出し口から溶融状態の無色透明のポリマーをひも状に抜き出し、水冷した後、ペレタイズして、約1kgのペレットを得た。得られたペレットについて、MRFと数平均分子量Mnを測定し、結果を表5に示した。
また、得られたペレットを用いて作製された成形体(試験片)を用い、引張試験、ショアD硬度を測定し、結果を表5に示した。
(比較例2)
撹拌機、温調計、圧力計、窒素ガス導入口、縮合水排出口およびを備えた容積3Lの反応容器に、12アミノドデカン酸1200gおよび次亜リン酸0.6gを仕込み、容器内を十分窒素置換し、溶融させるために280℃で1時間昇温し、数平均分子量が5100となるまで重合し、ハードセグメントとなる(a)成分を得た。
そして、(b)成分として、ハードセグメントの末端アミン基のモル量と等モルのアジピン酸35g(0.24mol)を添加し、220℃で1時間反応させハードセグメントのジカルボン酸化を行った(工程(i))。
得られたジカルボン酸化ハードセグメントの両末端カルボン酸基と等モルになるように、(c)成分としてヘキサメチレンジアミン25g(0.216mol)、(d)成分としてポリエーテルジアミン(HUNTSMAN社製のジェファーミンED600)を14.4g(0.024mol)仕込み、260℃まで昇温し、さらに4時間重合を行った。その後、3時間減圧で重合を行ってポリマーを得た。
重合終了後、撹拌を停止し、取り出し口から溶融状態の無色透明のポリマーをひも状に抜き出し、水冷した後、ペレタイズして、約1kgのペレットを得た。得られたペレットについて、MRFと数平均分子量Mnを測定し、結果を表5に示した。
また、得られたペレットを用いて作製された成形体(試験片)を用い、引張試験、ショアD硬度を測定し、結果を表5に示した。
(比較例3)
撹拌機、温調計、圧力計、窒素ガス導入口、縮合水排出口及びを備えた容積3Lの反応容器に、12アミノドデカン酸1200gおよび次亜リン酸0.6gを仕込み、容器内を十分窒素置換し、溶融させるために280℃で1時間昇温し、数平均分子量が5300となるまで重合し、ハードセグメントとなる(a)成分を得た。
そして、(b)成分として、ハードセグメントの末端アミン基のモル量と等モルのアジピン酸35g(0.24mol)を添加し、220℃で1時間反応させハードセグメントのジカルボン酸化を行った(工程(i))。
得られたジカルボン酸化ハードセグメントの両末端カルボン酸基と等モルになるように、(d)成分としてポリエーテルジアミン(HUNTSMAN社製のジェファーミンED900、一般式(4)中、x+zは1以上6.2以下、yは1以上13以下である。数平均分子量は800〜1000である。)を216g(0.24mol)仕込み、260℃まで昇温し、さらに4時間重合を行った。その後、4時間減圧で重合を行ってポリマーを得た。
重合終了後、撹拌を停止し、ポリマーを取り出し口から溶融状態の無色透明のポリマーをひも状に抜き出し、水冷した後、ペレタイズして、約1kgのペレットを得た。得られたペレットについて、MRFと数平均分子量Mnを測定し、結果を表5に示した。
また、得られたペレットを用いて作製された成形体(試験片)を用い、引張試験、ショアD硬度を測定し、結果を表5に示した。
(比較例4)
撹拌機、温調計、圧力計、窒素ガス導入口、縮合水排出口及びを備えた容積3Lの反応容器に、12アミノドデカン酸1200gおよび次亜リン酸0.6gを仕込み、容器内を十分窒素置換し、溶融させるために280℃で1時間昇温し、数平均分子量が5000となるまで重合し、ハードセグメントとなる(a)成分を得た。
そして、(b)成分として、ハードセグメントの末端アミン基のモル量と等モルのアジピン酸35g(0.24mol)を添加し、220℃で1時間反応させハードセグメントのジカルボン酸化を行った(工程(i))。
得られたジカルボン酸化ハードセグメントの両末端カルボン酸基と等モルになるように、ポリエーテルジアミン(HUNTSMAN社製のジェファーミンD230、全てポリプロピレンオキサイドのトリブロックポリエーテルジアミン。)55g(0.24mol)仕込み、260℃まで昇温し、さらに4時間重合を行った。その後、4時間減圧で重合を行ってポリマーを得た。
重合終了後、撹拌を停止し、取り出し口から溶融状態の無色透明のポリマーをひも状に抜き出し、水冷した後、ペレタイズして、約1kgのペレットを得た。得られたペレットについて、MRFと数平均分子量Mnを測定し、結果を表5に示した。
また、得られたペレットを用いて作製された成形体(試験片)を用い、引張試験、ショアD硬度を測定し、結果を表5に示した。
(比較例5)
撹拌機、温調計、圧力計、窒素ガス導入口、縮合水排出口及びを備えた容積3Lの反応容器に、12アミノドデカン酸1200gおよび次亜リン酸0.6gを仕込み、容器内を十分窒素置換し、溶融させるために280℃で1時間昇温し、数平均分子量が4800となるまで重合し、ハードセグメントとなる(a)成分を得た。
そして、(b)成分として、ハードセグメントの末端アミン基のモル量と等モルのアジピン酸35g(0.24mol)を添加し、220℃で1時間反応させハードセグメントのジカルボン酸化を行った(工程(i))。
得られたジカルボン酸化ハードセグメントの両末端カルボン酸基と等モルになるように、ポリエーテルジアミン(HUNTSMAN社製のジェファーミンD2000、全てポリプロピレンオキサイドのトリブロックポリエーテルジアミン。)480g(0.24mol)仕込み、260℃まで昇温し、さらに4時間重合を行った。その後、4時間減圧で重合を行ってポリマーを得た。
重合終了後、撹拌を停止し、取り出し口から溶融状態の白色のポリマーをひも状に抜き出し、水冷した後、ペレタイズして、約1kgのペレットを得た。得られたペレットについて、MRFと数平均分子量Mnを測定し、結果を表5に示した。
また、得られたペレットを用いて作製された成形体(試験片)を用い、引張試験、ショアD硬度を測定し、結果を表5に示した。
(比較例6)
撹拌機、温調計、圧力計、窒素ガス導入口、縮合水排出口およびを備えた容積3Lの反応容器に、12アミノドデカン酸1200gおよび次亜リン酸0.6gを仕込み、容器内を十分窒素置換し、溶融させるために280℃で1時間昇温し、数平均分子量が5100となるまで重合し、ハードセグメントとなる(a)成分を得た。
そして、(b)成分として、ハードセグメントの末端アミン基のモル量と等モルのアジピン酸35g(0.24mol)を添加し、220℃で1時間反応させハードセグメントのジカルボン酸化を行った(工程(i))。
得られたジカルボン酸化ハードセグメントの両末端カルボン酸基と等モルになるように、ポリエーテルジアミン(HUNTSMAN社製のジェファーミンTHF−100;トリブロックポリテトラメチレンオキサイドジアミン、Mn:1000)を240g(0.24mol)仕込み、260℃まで昇温し、さらに6時間重合を行ってポリマーを得た。
重合終了後、撹拌を停止し、取り出し口から溶融状態の無色透明のポリマーをひも状に抜き出し、水冷した後、ペレタイズして、約1kgのペレットを得た。得られたペレットについて、MRFと数平均分子量Mnを測定し、結果を表5に示した。
また、得られたペレットを用いて作成された成形体(試験片)を用い、引張試験、ショアD硬度を測定し、結果を表5に示した。
(比較例7)
撹拌機、温調計、圧力計、窒素ガス導入口、縮合水排出口を備えた容積3Lの反応容器に、6−アミノヘキサン酸((a)成分)1200gおよび次亜リン酸0.6gを仕込み、さらにハードセグメントを数平均分子量5000に想定した片末端アミン基のモル量と等モルのアジピン酸((b)成分)35g(0.24mol)とジカルボン酸化ハードセグメントの両末端カルボン酸基と等モルになるように、ポリエーテルジアミン(HUNTSMAN社製のジェファーミンED600)((d)成分)を144g(0.24mol)仕込み、容器内を十分窒素置換し、溶融させるために280℃で1時間昇温し、その後260℃にし、6時間重合を行ってポリマーを得た。
重合終了後、撹拌を停止し、取り出し口から溶融状態の無色透明のポリマーをひも状に抜き出し、水冷した後、ペレタイズして、約1kgのペレットを得た。得られたペレットについて、MRFと数平均分子量Mnを測定し、結果を表5に示した。
また、得られたペレットを用いて作成された成形体(試験片)を用い、引張試験、ショアD硬度を測定し、結果を表5に示した。
Figure 0006698079
実施例1〜9のポリアミドエラストマーは、押出し成形可能なMFR値を有し、溶融成形性に優れており、引張試験結果より破断伸びや破断強度の機械的特性に優れていることがわかる。特性バランスが良く、医療用のチューブやバルーンの製造に好適に用いることが出来る。また実施例と比較例との対比から、同程度のショアD硬度である場合に、破断伸びや破断強度が優れていることが分かる。
(実施例10)
次亜リン酸の添加量を0.13g(100ppm)とした以外は実施例3と同様にして、透明なペレットを得た。そのペレットを用いて押出し成形によりチューブ(パリソン)を得た。そのパリソンを用いてブロー成形を実施し、内径拡張率640%のカテーテル用バルーンを得た。そのときの含有リン元素濃度と得られた成形結果および成形体の耐圧試験結果を表6に示した。尚、次亜リン酸の仕込み時の濃度(100ppm)は、12アミノドデカン酸、アジピン酸、ヘキサメチレンジアミン、ポリエーテルジアミンの合計量を基準として算出したものである。実施例11についても同様である。
(実施例11)
次亜リン酸の添加量を1.32g(1000ppm)とした以外は実施例3と同様にして、透明なペレットを得た。そのペレットを用いて押出し成形によりチューブ(パリソン)を得た。そのパリソンを用いてブロー成形を実施し、内径拡張率640%のカテーテル用バルーンを得た。そのときの含有リン元素濃度と得られた成形結果および成形体の耐圧試験結果を表6に示した。
Figure 0006698079
リン元素濃度が所定範囲にある場合、バルーン成形時の内径拡張率が大きくてもクラックの発生がなくパリソンからバルーンへの成形性がより良好で、耐圧強度がより向上していることが分かる。

Claims (10)

  1. 少なくとも下記(a)、(b)、(c)及び(d)成分を反応させて得られるポリアミドエラストマーであって、前記(c)成分と前記(d)成分のモル比率(c/d)が8/2〜1/9であるポリアミドエラストマー。
    (a)成分
    下記一般式(1)で表される少なくとも1種の化合物
    Figure 0006698079

    (式中、Rは、各々独立して炭素数1以上の直鎖状飽和炭化水素基であり、nは0以上の実数を示す。また、Rを含む繰り返し単位が2種以上含まれる場合、Rを含む繰り返し単位毎の総和をnとする。)
    (b)成分
    下記一般式(2)で表される少なくとも1種の化合物
    Figure 0006698079

    (式中、Rは、直結、あるいは、炭素数1以上の直鎖状飽和炭化水素基を示す。)
    (c)成分
    下記一般式(3)で表される少なくとも1種の化合物
    Figure 0006698079

    (式中、Rは、炭素数1以上の飽和炭化水素基を示す。)
    (d)成分
    下記一般式(4)で表される少なくとも1種の化合物
    Figure 0006698079

    (式中、x+zは1以上6以下の実数で、yは1以上20以下の実数を示す。)
  2. 数平均分子量が10000以上150000以下である請求項1に記載のポリアミドエラストマー。
  3. 前記(c)成分が、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン及び2,24/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンから選択される少なくとも1種の脂肪族ジアミンである請求項1又は2に記載のポリアミドエラストマー。
  4. 前記(a)成分のアミノ基(A)と(b)成分のモノカルボン酸基(B)のモル比(A/B)が、実質的に1/1である請求項1〜3のいずれかに記載のポリアミドエラストマー。
  5. リン元素が5ppm以上5000ppm以下となるようにリン化合物が含まれる請求項1〜4のいずれかに記載のポリアミドエラストマー。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載のポリアミドエラストマーを用いて作製された部材を有する医療機器。
  7. 前記部材がカテーテル用バルーン又は医療用チューブである請求項6に記載の医療機器。
  8. (i)前記(a)成分と前記(b)成分を反応させてプレポリマーを得る工程と、
    (ii)プレポリマーに前記(c)成分と前記(d)成分を混合し反応させる工程と、を含む請求項1〜5のいずれかに記載のポリアミドエラストマーの製造方法。
  9. 少なくとも前記(i)及び(ii)の工程における各成分を溶融混練法で反応させる請求項8に記載のポリアミドエラストマーの製造方法。
  10. 前記(i)及び(ii)の工程のうち少なくとも1方において、前記(a)乃至(d)成分の合計量に対して10ppm以上10000ppm以下となるようにリン化合物を含有させる請求項8または9に記載のポリアミドエラストマーの製造方法。

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