JP6656072B2 - トナーの製造方法 - Google Patents
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Description
一方で、高分子量のエチレン−酢酸ビニル共重合体を結着樹脂の主成分として使用した場合は、トナーの製造時に課題があった。トナーの製造方法として一般的である粉砕法では、高分子量のエチレン−酢酸ビニル共重合体の粘度が高く弾性的であるために、粉砕することが困難であった。また、乳化凝集法では乳化工程において樹脂微粒子分散液を作製する必要があるが、高分子量のエチレン−酢酸ビニル共重合体は粘度が高く、疎水性が高いために所望の粒径まで微粒子化することが困難であった。さらには、界面活性剤を多量に用いて微粒子化したとしても、微粒子化した状態を安定に保つことができず、樹脂微粒子分散液の作製後に粒径が大きくなってしまった。また、前記樹脂微粒子を用いて乳化凝集法の凝集工程を行おうとすると、樹脂微粒子の凝集および凝集停止を制御できず、所望の粒径を有する凝集体粒子が得られないことがわかった。さらに、得られるトナーの樹脂微粒子内への顔料分散性が悪く、定着物の画像濃度が低下するという課題もあった。
界面活性剤の存在下で水系媒体中において樹脂微粒子を作製する工程(1)、
前記樹脂微粒子を凝集させて凝集体粒子を作製する工程(2)、および、
前記凝集体粒子を加熱し融合させてトナー粒子を作製する工程(3)
を有するトナーの製造方法において、
前記樹脂微粒子中の樹脂成分がオレフィン系共重合体及び樹脂Aを含有し、
前記オレフィン系共重合体が、
下記式(1)で示されるユニットY1と、
下記式(2)で示されるユニット及び下記式(3)で示されるユニットからなる
群より選択される少なくとも1種のユニットY2と、
を有し、
前記オレフィン系共重合体のメルトフローレートが、5g/10分以上30g/10分以下であり、
前記樹脂Aの酸価が、1mgKOH/g以上50mgKOH/g以下であり、
前記オレフィン系共重合体のSP値が、16.0(J/cm3)0.5以上19.0(J/cm3)0.5以下であり、
前記樹脂AのSP値が、19.0(J/cm3)0.5以上21.0(J/cm3)0.5以下であり、
前記樹脂成分に含まれる前記オレフィン系共重合体の含有量が、前記樹脂成分の全質量に対して50質量%以上であり、
前記樹脂成分に含まれる樹脂Aの含有量が、前記樹脂成分の全質量に対して10質量%以上50質量%以下であり、
前記オレフィン系共重合体における前記ユニットY2の含有量が、前記オレフィン系共重合体の全質量に対して3質量%以上35質量%以下である、
ことを特徴とするトナーの製造方法に関する。
樹脂Aの酸性極性基が顔料と相互作用し分散を安定化したためであると推測される。
本発明に使用するオレフィン系共重合体は、樹脂成分を構成し樹脂成分の全質量に対し50質量%以上含有されることが必要であり、より好ましくは70質量%以上含有されることが、高速での低温定着の観点から好ましい。オレフィン系共重合体は、ガラス転移温度が0℃以下であるために、樹脂成分の全質量に対し50質量%以上含有されることによって、高速での低温定着性が良好になる。
式:δi=[Ev/V]^(1/2)=[Δei/Δvi]^(1/2)
Ev:蒸発エネルギー
V:モル体積
Δei:i成分の原子または原子団の蒸発エネルギー
Δvi:i成分の原子または原子団のモル体積
オレフィン系オレフィン系共重合体との相溶性の観点から、樹脂AはSP値が19.0(J/cm3)0.5以上20.0(J/cm3)0.5以下の樹脂であることがさらに好ましい。
樹脂Aは重量平均分子量が1000以上500000以下であることが好ましく、10000以上500000以下がより好ましい。重量平均分子量が1000以上であることにより、オレフィン系共重合体との吸着力が強くなり、凝集停止時における脱着が起こらなくなるために粒度分布制御性が良好になると考えられる。また、重量平均分子量が500000以下であることにより、トナーとしての低温定着性が良好になる。
・溶剤:テトラヒドロフラン−エチルアルコール混液(2:1)を、使用直前にフェノールフタレインを指示薬として0.1mol/Lの水酸化カリウムエチルアルコール溶液で中和しておく。
・フェノールフタレイン溶液:フェノールフタレイン1gをエチルアルコール(95体積%)100mLに溶かす。
・0.1mol/Lの水酸化カリウムエチルアルコール溶液:水酸化カリウム7.0gをできるだけ少量の水に溶かしエチルアルコール(95体積%)を加えて1Lとし、2日または3日放置後ろ過する。標定はJIS K 8006(試薬の含量試験中滴定に関する基本事項)に準じて行う。
試料として樹脂1g以上20g以下を正しくはかりとり、これに上記溶剤100mL及び指示薬として上記フェノールフタレイン溶液数滴を加え、試料が完全に溶けるまで十分に振る。固体試料の場合は水浴上で加温して溶かす。冷却後これを上記0.1mol/Lの水酸化カリウムエチルアルコール溶液で滴定し、指示薬の微紅色が30秒間続いたときを中和の終点とする。
次の式によって酸価を算出する。
A=B×f×5.611/S
A:酸価(mgKOH/g)
B:0.1mol/Lの水酸化カリウムエチルアルコール溶液の使用量(mL)
f:0.1mol/Lの水酸化カリウムエチルアルコール溶液のファクター
S:試料(g)
また、本発明のトナーの製造方法におけるトナーは、融点が50℃以上100℃以下の脂肪族炭化水素を、樹脂成分100質量部に対して、1質量部以上40質量部以下含有することが好ましい。
イエロートナー用染料としては、C.I.ソルベントイエロー162がある。
まず、所望のトナー粒径よりも十分に小さい樹脂微粒子を準備する。樹脂微粒子の体積基準のメジアン径は0.05μm以上1.0μm以下であることが好ましく、0.1μm以上0.6μm以下であることがより好ましい。メジアン径が上記の範囲内である場合、所望の粒度分布および高い顔料分散性を有するトナー粒子が得られやすくなる。なお、体積基準のメジアン径は動的光散乱式粒度分布計(ナノトラックUPA−EX150:日機装製)を使用することで測定可能である。
工程(1)が、式(1)で示され、式(1)中のR1がHであるユニット、および、式(2)で示され、式(2)中のR2がHであり、R3がCH3であるユニットを有する共重合体(酢酸ビニルー共重合体)と、
前記樹脂Aとを有機溶媒中に溶解させる工程を含む場合が挙げられる。
工程(2)とは、上述の樹脂微粒子分散液に、着色剤微粒子分散液や、離型剤微粒子分散液を混合し、混合液を調製し、ついで、調製された混合液中に含まれる粒子を凝集し、凝集体粒子を作製させる工程である。凝集体粒子を作製させる方法としては、樹脂微粒子の酸性極性基および微粒子分散液中の界面活性剤を凝集の反応点とし、イオン架橋の効果を用いる。具体的には、凝集剤を用いる場合であって、上記混合液中に添加・混合し、温度を上げたり、機械的動力等を適宜加えたりする方法が好適に例示できる。
工程(2)で使用する着色剤微粒子分散液は、上述の着色剤を分散させて調製される。着色剤微粒子は公知の方法で分散されるが、例えば、回転せん断型ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、アトライター等のメディア式分散機、高圧対向衝突式の分散機等が好ましく用いられる。また、必要に応じて分散安定性を付与する界面活性剤や高分子分散剤を添加することができる。
工程(3)とは、上記凝集体粒子を、樹脂成分の融点以上に加熱し融合することで、所望の形状を有するトナー粒子を製造する工程である。工程(3)に入る前に、トナー粒子間の融着を防ぐため、キレート剤、pH調整剤、界面活性剤を適宜投入することができる。
冷却工程とは、上記粒子を含む水系媒体の温度を、オレフィン系共重合体の結晶化温度より低い温度まで冷却する工程である。冷却を結晶化温度より低い温度まで行わないと、粗大粒子が発生してしまう。具体的な冷却速度は0.1℃/分以上50℃/分以下である。
界面活性剤を多量に含む条件下での工程(3)で得たトナー粒子表面には、幅および高さが50nm以上300nm以下の微小な凹凸や粒径1μm以下の微小粒子が発生することがある。必要に応じて、これらの微小な凹凸や微小粒子をトナー粒子と融合させトナー表面を平滑にする平滑化工程を行ってもよい。平滑化工程は、前記工程(3)または冷却工程の次に水系媒体中で行ってもよいし、後述の乾燥工程の次に行ってもよい。水系媒体中で平滑化を行う場合、界面活性剤濃度を下げたのちに樹脂成分の融点以上の温度まで加熱する。水系媒体中の界面活性剤濃度を下げる方法としては、ろ過を行ったのちに再分散してもよいし、水系媒体中に水を追加してもよい。乾燥工程の次に平滑化を行う場合、剪断力を印加することで微小な凹凸や微小粒子を変形させる。このとき、必要に応じて無機粒体や樹脂微粒子を添加して流動性を向上させ、トナー粒子に均一な剪断力を印加することが好ましい。
上記工程を経て作製したトナー粒子を、洗浄、ろ過、繰り返すことによりトナー粒子中の不純物を除去することができる。具体的にはエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)及びそのNa塩などのキレート剤を含有した水溶液を用いてトナー粒子を洗浄し、さらに純水で洗浄することが好ましい。純水での洗浄はろ過を複数回繰り返すことによりトナー粒子中の金属塩や界面活性剤などを除くことができる。ろ過の回数は3回以上20回以下が製造効率の点から好ましく、3回以上10回以下がより好ましい。
上記工程で得た粒子の乾燥を行い、必要に応じて、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム等の無機粒体や、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂粒子を、乾燥状態で剪断力を印加して添加してもよい。これらの無機粒体や樹脂粒子は、流動性助剤やクリーニング助剤等の外添剤として機能する。トナー粒子表面に微小な凹凸や微小粒子が発生している場合、これらの外添剤の効果が損なわれることがあるが、必要に応じて前記平滑化工程を行うことにより、外添剤の効果を十分に得ることができる。
・トルエン(和光純薬製)300g
・エチレン−酢酸ビニル共重合体E1(酢酸ビニルに由来するユニット比率:15質量%、メルトフローレート:12g/10分、融点:86℃、破断伸度=700%)100g
・樹脂A1(組成(モル比)〔1,9−ノナンジオール:セバシン酸=100:100〕、数平均分子量(Mn)=5,500、重量平均分子量(Mw)=15,500、ピーク分子量(Mp)=11,400、融点=72℃、酸価=13mgKOH/g、SP値=20.0(J/cm3)0.5)25g
以上の処方を混合し、90℃で溶解させた。
樹脂A1の使用量を50gに変更した以外は樹脂微粒子1の分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子2分散液を得た。得られた樹脂微粒子2の体積基準のメジアン径は、0.50μmであった。
樹脂A1の使用量を15gに変更した以外は樹脂微粒子1の分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子3の分散液を得た。得られた樹脂微粒子3の体積基準のメジアン径は、0.55μmであった。
樹脂A1を樹脂A2(組成(モル比)〔1,12−ドデカンジオール:1,12−ドデカンジカルボン酸=100:100〕、数平均分子量(Mn)=9,000、重量平均分子量(Mw)=37,700、ピーク分子量(Mp)=30,500、融点=85℃、酸価=11mgKOH/g、SP値=19.3(J/cm3)0.5)に変更した以外は樹脂微粒子1の分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子4分散液を得た。得られた樹脂微粒子4の体積基準のメジアン径は、0.51μmであった。
樹脂A1を樹脂A3(組成(モル比)〔1,6−ヘキサンジオール:1,2−プロパンジオール:1,8−オクタンジカルボン酸=50:50:100〕、数平均分子量(Mn)=3,020、重量平均分子量(Mw)=7,170、ピーク分子量(Mp)=66,40、融点=31℃、酸価=15mgKOH/g、SP値=20.8(J/cm3)0.5)に変更した以外は樹脂微粒子1の分散液の製造方法と同様に樹脂微粒子5の分散液を得た。得られた樹脂微粒子5の体積基準のメジアン径は、0.45μmであった。
樹脂A1を樹脂A4(組成(モル比)〔1,12−ドデカンジオール:1,2−ドデカンジオール:1,8−オクタンジカルボン酸=50:50:100〕、数平均分子量(Mn)=3,810、重量平均分子量(Mw)=9,590、ピーク分子量(Mp)=8,800、融点=42℃、酸価=5mgKOH/g、SP値=19.5(J/cm3)0.5)に変更した以外は樹脂微粒子1の分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子6の分散液を得た。得られた樹脂微粒子6の体積基準のメジアン径は、0.52μmであった。
樹脂A1を樹脂A5(組成(モル比)〔1,9−ノナンジオール:トリメリット酸:1,10−デカンジカルボン酸=100:5:100〕、数平均分子量(Mn)=6,520、重量平均分子量(Mw)=14,100、ピーク分子量(Mp)=10,400、融点=69℃、酸価=30mgKOH/g、SP値=19.9(J/cm3)0.5)に変更した以外は樹脂微粒子1の分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子7の分散液を得た。得られた樹脂微粒子7の体積基準のメジアン径は、0.45μmであった。
樹脂A1を樹脂A6(組成(モル比)〔1,9−ノナンジオール:トリメリット酸:1,10−デカンジカルボン酸=100:10:100〕、数平均分子量(Mn)=5,270、重量平均分子量(Mw)=13,900、ピーク分子量(Mp)=9,530、融点=67℃、酸価=45mgKOH/g、SP値=20.2(J/cm3)0.5)に変更した以外は樹脂微粒子1の分散液の製造方法と同様に樹脂微粒子8の分散液を得た。得られた樹脂微粒子8の体積基準のメジアン径は、0.41μmであった。
樹脂A1を樹脂A7(組成(モル比)〔1,6−ヘキサンジオール:アジピン酸=100:100〕、数平均分子量(Mn)=6,200、重量平均分子量(Mw)=22,700、ピーク分子量(Mp)=18,600、酸価=1mgKOH/g、SP値=21.0(J/cm3)0.5)に変更した以外は樹脂微粒子1の分散液の製造方法と同様に樹脂微粒子9の分散液を得た。得られた樹脂微粒子9の体積基準のメジアン径は、0.65μmであった。
エチレン−酢酸ビニル共重合体E1をエチレン−酢酸ビニル共重合体E2(酢酸ビニルに由来するユニット比率:20質量%、メルトフローレート:14g/10分、融点:75℃、破断伸度=800%)に変更した以外は樹脂微粒子1の分散液の製造方法と同様に樹脂微粒子10の分散液を得た。得られた樹脂微粒子10の体積基準のメジアン径は、0.45μmであった。
エチレン−酢酸ビニル共重合体E1をエチレン−酢酸ビニル共重合体E3(酢酸ビニルに由来するユニット比率:28質量%、メルトフローレート:20g/10分、融点:69℃、破断伸度=800%)に変更した以外は樹脂微粒子1の分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子11の分散液を得た。得られた樹脂微粒子11の体積基準のメジアン径は、0.50μmであった。
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを6.3gにし、ラウリン酸ナトリウムを3.1gに変更した以外は樹脂微粒子1の分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子12の分散液を得た。得られた樹脂微粒子12の体積基準のメジアン径は、0.50μmであった。
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを18.8gにし、ラウリン酸ナトリウムを使用しなかった以外は樹脂微粒子1の分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子13の分散液を得た。得られた樹脂微粒子13の体積基準のメジアン径は、0.52μmであった。
オレフィン系共重合体E1をエチレン−アクリル酸エチル共重合体E4(アクリル酸エチルに由来するユニット比率:25質量%、メルトフローレート:20g/10分、融点:91℃、破断伸度=900%)に変更した以外は樹脂微粒子1の分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子14の分散液を得た。得られた樹脂微粒子14の体積基準のメジアン径は、0.44μmであった。
オレフィン系共重合体E1をエチレン−アクリル酸メチル共重合体E5(アクリル酸メチルに由来するユニット比率:25質量%、メルトフローレート:20g/10分、融点:91℃、破断伸度=900%)に変更した以外は樹脂微粒子1の分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子15の分散液を得た。得られた樹脂微粒子15の体積基準のメジアン径は、0.42μmであった。
樹脂A1を使用しなかった以外は樹脂微粒子1の分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子16の分散液を得た。得られた樹脂微粒子16の体積基準のメジアン径は、0.55μmであった。
樹脂A1をシクロオレフィンコポリマー(酸価=0mgKOH/g、SP値17.6(J/cm3)0.5)に変更した以外は樹脂微粒子1の分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子17の分散液を得た。得られた樹脂微粒子17の体積基準のメジアン径は、5.70μmであった。
樹脂A1をポリエステル樹脂[組成(モル比)〔ビスフェノールA−EO2付加物:ビスフェノールA−PO2付加物:トリメリット酸:テレフタル酸:ドデシルコハク酸=17:34:6:23:20〕、数平均分子量(Mn)=4,800、重量平均分子量(Mw)=150,000、ピーク分子量(Mp)=9,600、ガラス転移温度(Tg)=56℃、酸価=11mgKOH/g、水酸基価=11mgKOH/g、SP値23.1(J/cm3)0.5]に変更した以外は樹脂微粒子1の分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子18の分散液を得た。得られた樹脂微粒子18の体積基準のメジアン径は、0.47μmであった。
樹脂微粒子の工程(1)で使用するエチレン−酢酸ビニル共重合体E1をエチレン−酢酸ビニル共重合体E6(酢酸ビニルに由来するユニットの割合:20質量%、メルトフローレート:200g/10分、融点:75℃、破断伸度=210%)に変更た。、樹脂A1を使用しなかった以外は樹脂微粒子1の分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子19の分散液を得た。得られた樹脂微粒子19の体積基準のメジアン径は、0.22μmであった。
エチレン−酢酸ビニル共重合体E1を使用せず、樹脂A1の使用量を125gにした以外は樹脂微粒子1の分散液の製造方法と同様にして、樹脂微粒子20の分散液を得た。得られた樹脂微粒子20の体積基準のメジアン径は、0.25μmであった。
・着色剤 10.0質量部
(シアン顔料 大日精化製:Pigment Blue 15:3)
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬製:ネオゲンRK) 1.5質量部
・イオン交換水 88.5質量部
以上を混合し、溶解し、高圧衝撃式分散機ナノマイザー(吉田機械興業製)を用いて約1時間分散して、着色剤を分散させてなる着色剤微粒子の濃度10%の水系分散液(着色剤微粒子分散液)を調製した。得られた着色剤微粒子の体積基準のメジアン径は動的光散乱式粒度分布径(ナノトラック:日機装製)を用いて測定し、0.20μmであった。
・脂肪族炭化水素(HNP−51、融点78℃、日本精蝋製)20.0質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬製:ネオゲンRK) 1.0質量部
・イオン交換水 79.0質量部
以上を攪拌装置付きの混合容器に投入した後、90℃に加熱し、クレアミックスWモーション(エム・テクニック製)へ循環させて分散処理を60分間行った。分散処理の条件は、以下のようにした。
・ローター外径3cm
・クリアランス0.3mm
・ローター回転数19000r/min
・スクリーン回転数19000r/min
・シリコーンオイル 20.0質量部
(ジメチルシリコーンオイル 信越化学製:KF96−50CS)
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬製:ネオゲンRK) 1.0質量部
・イオン交換水 79.0質量部
・樹脂微粒子1の分散液 50g
・着色剤微粒子の分散液 5g
・脂肪族炭化水素の微粒子分散液 5g
・イオン交換水 10g
・シリコーンオイルの乳化液 5g
樹脂微粒子1を樹脂微粒子2とした以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。トナー粒子の体積基準のメジアン径は5.1μm、粒度分布1.11、円形度0.963であった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子3とした以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。トナー粒子の体積基準のメジアン径は5.2μm、粒度分布1.16、円形度0.962であった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子4とした以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。トナー粒子の体積基準のメジアン径は5.2μm、粒度分布1.10、円形度0.965であった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子5とした以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。トナー粒子の体積基準のメジアン径は5.4μm、粒度分布1.35、円形度0.961であった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子6とした以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。トナー粒子の体積基準のメジアン径は5.4μm、粒度分布1.41、円形度0.962であった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子7とした以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。トナー粒子の体積基準のメジアン径は5.1μm、粒度分布1.15、円形度0.963であった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子9とした以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。トナー粒子の体積基準のメジアン径は5.2μm、粒度分布1.15、円形度0.965であった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子9とした以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。トナー粒子の体積基準のメジアン径は5.3μm、粒度分布1.55、円形度0.960であった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子10とした以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。トナー粒子の体積基準のメジアン径は5.2μm、粒度分布1.17、円形度0.963であった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子11とした以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。トナー粒子の体積基準のメジアン径は5.2μm、粒度分布1.18、円形度0.964であった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子12とした以外は実施例1と同様にして、トナーを得た。トナー粒子の体積基準のメジアン径は5.6μm、粒度分布1.45、円形度0.961であった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子13とした以外は実施例1と同様にして、トナーを得た。トナー粒子の体積基準のメジアン径は5.5μm、粒度分布1.40、円形度0.961であった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子14とした以外は実施例1と同様にして、トナーを得た。トナー粒子の体積基準のメジアン径は5.6μm、粒度分布1.41、円形度0.961であった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子15とした以外は実施例1と同様にして、トナーを得た。トナー粒子の体積基準のメジアン径は5.2μm、粒度分布1.35、円形度0.961であった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子14に変更した以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。トナー粒子の体積基準のメジアン径は10.3μm、粒度分布1.65、円形度0.945であった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子15に変更した以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。トナー粒子の体積基準のメジアン径は11.2μm、粒度分布1.70、円形度0.942であった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子16に変更した以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。トナー粒子の体積基準のメジアン径は15.4μm、粒度分布1.65、円形度0.938であった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子17に変更した以外は、実施例1と同様にしてトナーを得た。トナー粒子の体積基準のメジアン径は7.1μm、粒度分布1.60、円形度0.962であった。
樹脂微粒子1を樹脂微粒子18に変更し、シリコーンオイルの乳化液を使用せず、脂肪族炭化水素の微粒子分散液の添加量を5gとし、凝集温度を60℃にした以外は実施例1と同様にして、トナーを得た。トナー粒子の体積基準のメジアン径は5.4μm、粒度分布1.12、円形度0.98であった。
トナー粒子を粒度分布の測定結果より評価した。
A:体積基準のメジアン径4μm以上7μm以下
かつ粒度分布1以上1.2以下
B:体積基準のメジアン径4μm以上7μm以下
かつ粒度分布1.2より大きい1.5以下
C:体積基準のメジアン径4μm以上7μm以下
かつ粒度分布1.5より大きい
D:体積基準のメジアン径は4μm未満または7μmより大きい
上記トナーを、40℃、湿度95%の条件の恒温恒湿槽中で2週間静置し目視によりブロッキングの程度を評価した。
A:ブロッキングが発生しないか、ブロッキングが発生しても軽い振動により容易に分散する。
B:ブロッキングが発生するが、振動し続けると分散する。
C:ブロッキングが発生し、力を加えても分散しない。
上記トナーと、シリコーン樹脂で表面コートしたフェライトキャリア(平均粒径42μm)とを、トナー濃度が8質量%になるように混合し、二成分現像剤を調製した。市販のフルカラーデジタル複写機(CLC1100、キヤノン社製)を使用し、受像紙(64g/m2)上に未定着のトナー画像(0.6mg/cm2)を形成した。市販のフルカラーデジタル複写機(imageRUNNER ADVANCE C5051、キヤノン製)から取り外した定着ユニットを定着温度が調節できるように改造し、これを用いて未定着画像の定着試験を行った。常温常湿下、プロセススピードを246mm/秒に設定し、前記未定着画像を定着させたときの様子を目視にて評価した。
A:120℃以下の温度で定着が可能。
B:120℃より高く、140℃以下の温度で定着が可能。
C:140℃より高い温度で定着が可能、または定着可能な温度領域がない。
トナー0.01gをアルミニウム製パンに計量し、ストロコロン帯電装置を用いて−600Vに帯電させた。続いて、温度25℃湿度50%の雰囲気下で表面電位計(トレックジャパン製model347)を用いて表面電位の変化挙動を30分間測定した。測定した結果より、電荷保持率を以下の式より算出した。
30分後の電荷保持率(%)=(30分後の表面電位/初期表面電位)×100
A:電荷保持率が90%以上
B:電荷保持率が50%以上90%未満
C:電荷保持率が10%以上50%未満
D:電荷保持率が10%未満
上記光沢評価で定着させた画像を画像濃度計(X−rite社製:分光濃度計)で測定し評価した。
A:画像濃度が0.6以上
B:画像濃度が0.6未満
Claims (10)
- 界面活性剤の存在下で水系媒体中において樹脂微粒子を作製する工程(1)、
前記樹脂微粒子を凝集させて凝集体粒子を作製する工程(2)、および、
前記凝集体粒子を加熱し、融合させて、トナー粒子を作製する工程(3)
を有するトナーの製造方法において、
前記樹脂微粒子中の樹脂成分がオレフィン系共重合体及び樹脂Aを含有し、
前記オレフィン系共重合体が、
下記式(1)で示されるユニットY1と、
下記式(2)で示されるユニット及び下記式(3)で示されるユニットからなる
群より選択される少なくとも1種のユニットY2と、
を有し、
前記オレフィン系共重合体のメルトフローレートが、5g/10分以上30g/10分以下であり、
前記樹脂Aの酸価が、1mgKOH/g以上50mgKOH/g以下であり、
前記オレフィン系共重合体のSP値が16.0(J/cm3)0.5以上19.0(J/cm3)0.5以下であり、
前記樹脂AのSP値が、19.0(J/cm3)0.5以上21.0(J/cm3)0.5以下であり、
前記樹脂成分に含まれる前記オレフィン系共重合体の含有量が、前記樹脂成分の全質量に対して50質量%以上であり、
前記樹脂成分に含まれる樹脂Aの含有量が、前記樹脂成分の全質量に対して10質量%以上50質量%以下であり、
前記オレフィン系共重合体における前記ユニットY2の含有量が、前記オレフィン系共重合体の全質量に対して3質量%以上35質量%以下である、
ことを特徴とするトナーの製造方法。
(式中、R1はHまたはCH3であり、R2はHまたはCH3であり、R3はCH3またはC2H5であり、R4はHまたはCH3であり、R5はCH3またはC2H5である。) - 前記工程(1)が、
前記式(1)で示され、前記式(1)中のR1がHであるユニット、および、前記式(2)で示され、前記式(2)中のR2がHであり、R3がCH3であるユニットを有する共重合体と、
前記樹脂Aと
を有機溶媒中に溶解させる工程を含む請求項1に記載のトナーの製造方法。 - 前記樹脂Aが、脂肪族ポリエステル樹脂である請求項1または2に記載のトナーの製造方法。
- 前記樹脂Aの酸価が、5mgKOH/g以上50mgKOH/g以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナーの製造方法。
- 前記オレフィン系共重合体における、前記ユニットY2の含有量が、前記オレフィン系共重合体の全質量に対して5質量%以上20質量%以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のトナーの製造方法。
- 前記工程(1)において、前記界面活性剤を、前記樹脂微粒子中の樹脂成分100質量部に対して10質量部以上30質量部以下で用い、前記界面活性剤が、アニオン界面活性剤である請求項1〜5のいずれか1項に記載のトナーの製造方法。
- 前記アニオン性界面活性剤が、カルボン酸系界面活性剤およびスルホン酸系界面活性剤である請求項1〜6のいずれか1項に記載のトナーの製造方法。
- 前記工程(2)が、凝集剤を用いて前記樹脂微粒子を凝集させる工程であって、
前記凝集剤が多価金属塩である請求項1〜7のいずれか1項に記載のトナーの製造方法。 - 前記工程(2)において、シリコーンオイルの存在下で凝集体粒子を作製させることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のトナーの製造方法。
- 前記オレフィン系共重合体が、
前記式(1)で示され、前記式(1)中のR1がHであるユニット、および、前記式(3)で示され、前記式(3)中のR4がHであり、R5がCH3であるユニットを有する共重合体、
前記式(1)で示され、前記式(1)中のR1がHであるユニット、および、前記式(3)で示され、前記式(3)中のR4がHであり、R5がC2H5であるユニットを有する共重合体、および、
前記式(1)で示され、前記式(1)中のR1がHであるユニット、および、前記式(3)で示され、前記式(3)中のR4がCH3であり、R5がCH3であるユニットを有する共重合体、
からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1〜9にいずれか1項に記載のトナーの製造方法。
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