JP6786363B2 - トナー及びトナーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式に用いられるトナー及びトナーの製造方法に関する。
近年、画像形成に際して、省エネルギー化への要求の高まりに伴い、トナーの定着温度をより低温にする取り組みが採られるようになってきている。トナーの低温定着性を向上させる方法のひとつとして融点を超えると粘度が大きく低下するシャープメルト性を有した結晶性ポリエステル樹脂を用いる技術が提案されている(特許文献1〜3)。
また、その他の方法としてガラス転移温度の低い樹脂を用いることで、定着温度を下げることが提案されている。ガラス転移温度の低い樹脂として結晶性を有するポリブタジエン樹脂を含有したトナーが提案されている(特許文献4)。
特公昭56−13943号公報 特公昭62−39428号公報 特開平4−120554号公報 特開2004−184561号公報
従来の結晶性ポリエステル樹脂を電子写真用トナーの樹脂として使用すると、樹脂のシャープメルト性により、優れた低温定着性を示した。しかし、結晶性ポリエステル樹脂は電気抵抗が低くトナーの帯電保持性に課題があった。
そこで、本発明者らは、体積抵抗が高く、ガラス転移温度が室温以下である樹脂として、結晶性を有するポリブタジエン樹脂に着目し、低温定着性と帯電保持性の両立を試みた。
しかし、特許文献4で提案されているようなトナー中に結晶性を有するポリブタジエン樹脂を一部含有させるだけでは、高速条件での低温定着性を満足することは困難であった。
一方で、結晶性を有するポリブタジエン樹脂をトナーのメイン樹脂として使用すると、トナーと紙との密着性が低いといった問題が発生した。特に、定着時にトナーにかかる圧力が低い加熱定着方式の電子写真記録方法において、トナーと紙との密着性が顕著に低くなる欠点があった。そのために加熱定着後の定着物を消しゴムなどでこすると紙からトナーがはがれてしまうといった課題があった。
本発明は、低温定着性、帯電保持性、耐ホットオフセット性及び紙との密着性に優れたトナー及び該トナーの製造方法を提供するものである。
本発明者らが鋭意検討した結果、特定の融点を有する結晶性ポリブタジエン樹脂をメイン樹脂として使用し、さらに、酸価を有するオレフィン系酸基含有共重合体を併用することで、低温定着性、帯電保持性、耐ホットオフセット性及び紙との密着性に優れたトナーが得られることが明らかとなった。
結晶性を有するポリブタジエン樹脂と、オレフィン系酸基含有共重合体はその化学構造の類似性より、高い相溶性を有するためトナー中で完全な相分離を起こすことなく存在する。一方、オレフィン系酸基含有共重合体の酸基は、定着時に紙表面の水酸基と水素結合を形成する。その結果、紙との高い密着性が発現したと考えられる。
すなわち、本発明は、
樹脂を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該樹脂が、結晶性ポリブタジエン樹脂、及び、オレフィン系酸基含有共重合体を含有し、
該樹脂中の該結晶性ポリブタジエン樹脂の含有量が50質量%以上であり、
該結晶性ポリブタジエン樹脂の融点が、70℃以上110℃以下であり、
該オレフィン系酸基含有共重合体の酸価が、50mgKOH/g以上300mgKOH/g以下であることを特徴とするトナーである。
また、本発明は、
樹脂を含有するトナー粒子を有するトナーの製造方法であって、
該樹脂を含有する樹脂微粒子が水系媒体に分散された、樹脂微粒子分散液を調製する調製工程、又は、
該樹脂を有機溶媒に溶解して得られた樹脂溶解液が水系媒体に分散された、樹脂溶解液の分散体を調製する調製工程、を含み、
該樹脂が、結晶性ポリブタジエン樹脂、及び、オレフィン系酸基含有共重合体を含有し、
該樹脂中の該結晶性ポリブタジエン樹脂の含有量が50質量%以上であり、
該結晶性ポリブタジエン樹脂の融点が、70℃以上110℃以下であり、
該オレフィン系酸基含有共重合体の酸価が、50mgKOH/g以上300mgKOH/g以下であることを特徴とするトナーの製造方法である。
本発明によれば、低温定着性、帯電保持性、耐ホットオフセット性及び紙との密着性に優れたトナー及び該トナーの製造方法を提供することができる。
本発明において、数値範囲を表す「○○以上××以下」や「○○〜××」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
また、モノマーユニットとは、ポリマー又は樹脂中のモノマー物質の反応した形態をいう。
また、結晶性樹脂とは、示差走査熱量測定(DSC)において吸熱ピークが観測される樹脂である。
上記樹脂は、主に定着性能に寄与する高分子成分をいう。
該樹脂は、結晶性ポリブタジエン樹脂、及び、オレフィン系酸基含有共重合体を含有する。以下、本発明の構成材料について説明する。
<結晶性ポリブタジエン樹脂>
ポリブタジエン樹脂は結晶性を有していれば特に限定されるものではない。
該ポリブタジエンを構成する構造は、シス−1,4−ポリブタジエン構造、トランス−1,4−ポリブタジエン構造、1,2−ポリブタジエン構造が挙げられる。
また、1,2−ポリブタジエン構造は、立体異性体としてランダムに異なる異性体が連なっている1,2−アタクチック構造体、同じ異性体が連なっている1,2−イソタクチック構造体、交互に異なる異性体が連なっている1,2−シンジオタクチック構造体が挙げられる。
該ポリブタジエン樹脂は、1,2−ポリブタジエン構造を有し、その一部が1,2−シンジオタクチック構造体を形成していることが結晶性を発現させるために好ましい。
また、ポリブタジエン樹脂は不飽和二重結合を有するため、架橋反応させることでトナーの耐ホットオフセット性及び保存安定性(耐ブロッキング性)をさらに向上させることができる。側鎖に不飽和二重結合を有する1,2−ポリブタジエン構造は、主鎖に不飽和
二重結合を有するその他のポリブタジエン構造と比較し、反応性が高いため好ましい。
結晶性の観点から、結晶性ポリブタジエン樹脂中の1,2−ポリブタジエン構造の含有割合は、70質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。
また、結晶性の観点から、1,2−ポリブタジエン構造中の1,2−シンジオタクチック構造体の含有割合が、50質量%以上であることが好ましい。
1,2−ポリブタジエン構造及び1,2−シンジオタクチック構造体の含有割合は、一般的な分析手法を用いて測定することができる。例えば、核磁気共鳴法(NMR)などの手法が適用できる。
また、該ポリブタジエン樹脂は、その物性に影響を与えない範囲で、ブタジエン由来のモノマーユニット以外のモノマーユニットを含むことも可能である。該ブタジエン由来のモノマーユニット以外のモノマーユニットの含有量は、ポリブタジエン樹脂を構成する全モノマーユニット中に10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、実質的に0質量%であることがさらに好ましい。
低温定着性の観点から、樹脂中の結晶性ポリブタジエン樹脂の含有量は、50質量%以上であり、70質量%以上であることが好ましい。
結晶性ポリブタジエン樹脂は、ガラス転移温度が0℃以下であるために、樹脂中に50質量%以上含有されることによって、低温定着性が良好になる。
また、結晶性ポリブタジエン樹脂の融点は、低温定着性、耐ホットオフセット性及び保存安定性の観点から、70℃以上110℃以下である。
融点が110℃以下であることによって低温定着性が向上し、融点が90℃以下であることによって低温定着性がより向上する。一方、融点が70℃より低い場合は耐ホットオフセット性及び保存安定性が顕著に低下する。
本発明において、樹脂又は重合体などの融点は示査走査熱量計(DSC)を用いて測定することができる。
具体的には、0.01〜0.02gの試料をアルミニウム製パンに精秤し、昇温速度10℃/minで、0℃から200℃まで昇温し、DSC曲線を得る。
得られたDSC曲線より、最大吸熱ピークのピーク温度を融点とする。
<オレフィン系酸基含有共重合体>
オレフィン系酸基含有共重合体の酸価は、50mgKOH/g以上300mgKOH/g以下であり、80mgKOH/g以上200mgKOH/g以下であることが好ましい。
上記酸価を有するオレフィン系酸基含有共重合体を含有することによって、オレフィン系酸基含有共重合体のカルボキシ基が紙表面の水酸基と水素結合を形成し、トナーと紙との密着性が高まり、定着物が消しゴムなどで消えることがなくなる。酸価が50mgKOH/g以上であることで紙との十分な密着性が発現し、300mgKOH/g以下にすることで帯電保持性がより良化する。
オレフィン系酸基含有共重合体とは、ポリエチレンやポリプロピレンのようなポリオレフィンを主成分とし、さらに酸基を有するように、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、スルホン酸ビニルなどの化合物を共重合などの手段で導入したポリマーである。
また、物性に影響しない程度であれば、ポリオレフィンや酸基を有する化合物由来のモノマーユニット以外のモノマーユニットを含んでもよく、ポリオレフィンや酸基を有する化合物由来のモノマーユニット以外のモノマーユニットの含有量は、オレフィン系酸基含有共重合体を構成する全モノマーユニット中に20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましく、実
質的に0質量%であることが特に好ましい。
定着性の観点からポリエチレンを主成分とした酸基を有するポリマーであることが好ましく、紙との密着性の観点から酸基はアクリル酸、メタクリル酸由来のモノマーユニットであることが好ましい。該オレフィン系酸基含有共重合体は、エチレン−アクリル酸共重合体及びエチレン−メタクリル酸共重合体の少なくとも一方を含有することが好ましい。
樹脂中のオレフィン系酸基含有共重合体の含有量は、10質量%以上50質量%未満であることが好ましく、10質量%以上30質量%以下であることがより好ましい。
オレフィン系酸基含有共重合体の含有量が上記範囲を満たす場合、紙との密着性と帯電保持性により優れたものとなる。
酸価は、試料1g中に含まれる、遊離脂肪酸又は樹脂酸のような酸成分を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数である。該酸価は、JIS−K0070に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
(1)試薬の準備
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95体積%)90mLに溶かし、イオン交換水を加えて100mLとし、フェノールフタレイン溶液を得る。
特級水酸化カリウム7gを5mLの水に溶かし、エチルアルコール(95体積%)を加えて1Lとする。炭酸ガスなどに触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間放置後、ろ過して、水酸化カリウム溶液を得る。得られた水酸化カリウム溶液は、耐アルカリ性の容器に保管する。前記水酸化カリウム溶液のファクターは、0.1モル/L塩酸25mLを三角フラスコに取り、前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液で滴定し、中和に要した前記水酸化カリウム溶液の量から求める。前記0.1モル/L塩酸は、JIS K 8001−1998に準じて作製されたものを用いる。
(2)操作
(A)本試験
粉砕した試料2.0gを200mLの三角フラスコに精秤し、トルエン/エタノール(2:1)の混合溶液100mLを加え、5時間かけて溶解する。次いで、指示薬として前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液を用いて滴定する。なお、滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が約30秒間続いたときとする。
(B)空試験
試料を用いない(すなわちトルエン/エタノール(2:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
(3)得られた結果を下記式に代入して、酸価を算出する。
A=[(C−B)×f×5.61]/S
ここで、A:酸価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)、C:本試験の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料(g)である。
トナーの耐ブロッキング性の観点から、オレフィン系酸基含有共重合体のメルトフローレートは、200[g/10分]以下であることが好ましい。
また、トナーと紙との密着性の観点から、オレフィン系酸基含有共重合体のメルトフローレートは、10[g/10分]以上であることが好ましい。
メルトフローレートは、JIS K 7210に基づき、190℃、2160g荷重の条件で測定する。
オレフィン系酸基含有共重合体の融点は、低温定着性及び保存安定性の観点から、50℃以上100℃以下であることが好ましく、50℃以上90℃以下であることがより好ましい。融点が100℃以下であることによって低温定着性がより向上する。また、融点が90℃以下であることによって低温定着性がさらに向上する。一方、融点が50℃以上で
あることで、保存安定性がより向上する。
該樹脂は、本発明の効果を損なわない程度に、結晶性ポリブタジエン樹脂及びオレフィン系酸基含有共重合体以外の他の重合体又は樹脂を含有してもよい。
具体的には、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然樹脂変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などが挙げられる。
トナー粒子は、融点が50℃以上100℃以下の脂肪族炭化水素を含有してもよい。
該脂肪族炭化水素の含有量は、低温定着性と帯電保持性の観点から、樹脂100質量部に対して、1質量部以上40質量部以下であることが好ましく、10質量部以上30質量部以下であることがより好ましい。
脂肪族炭化水素は加熱すると、結晶性ポリブタジエン樹脂の可塑化を促進することができる。そのために、トナー粒子中に脂肪族炭化水素を含有させることで、トナー粒子中でマトリックスを形成している結晶性ポリブタジエン樹脂を可塑化し、低温定着性をより高めることができる。
さらに、融点が50℃以上100℃以下の脂肪族炭化水素は結晶性ポリブタジエン樹脂の結晶核剤としても作用することができる。そのために、結晶性ポリブタジエン樹脂のミクロな運動性が抑制され帯電保持性がより向上する。
脂肪族炭化水素の具体例としては、ヘキサコサン、トリアコンタン、及びヘキサトリアコンタンなどの炭素数が20以上60以下の脂肪族炭化水素が挙げられる。
トナー粒子は、離型剤として、シリコーンオイルを含有してもよい。
アルキルワックスなどのトナーに一般に使用される離型剤は、結晶性ポリブタジエン樹脂を相溶化しやすく、離型効果が得られにくい。
また、トナー粒子が着色剤を含有する場合、シリコーンオイルを添加することによって、着色剤の分散性が向上し、高濃度の画像が得られやすくなる。
シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、カルボキシ変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルなどが例示できる。
シリコーンオイルの粘度は、5mm/S以上1000mm/S以下であることが好ましく、20mm/S以上1000mm/S以下であることがより好ましい。
シリコーンオイルの含有量は、流動性の低下を抑えつつ、良好な分離性を得るという観点から、樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましく、5質量部以上20質量部以下であることがより好ましい。
トナー粒子は、着色剤を含有していてもよい。該着色剤としては、以下のものが挙げられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、又はイエロー着色剤、マゼンタ着色剤及びシアン着色剤とを用いて黒色に調色したものが挙げられる。
これら着色剤は、顔料を単独で使用してもかまわないが、染料と顔料とを併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。
マゼンタトナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、1
7、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、146、147、150、163、184、202、206、207、209、238、269、282;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35。
マゼンタトナー用染料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27;C.I.ディスパーバイオレット1のような油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40;C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28のような塩基性染料。
シアントナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー2、3、15:2、15:3、15:4、16、17;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1個以上5個以下置換した銅フタロシアニン顔料。
シアントナー用染料としては、C.I.ソルベントブルー70がある。
イエロートナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185;C.I.バットイエロー1、3、20。
イエロートナー用染料としては、C.I.ソルベントイエロー162がある。
これらの着色剤は、単独又は混合して、さらには固溶体の状態で用いることができる。
着色剤は、色相角、彩度、明度、耐光性、OHP透明性、及びトナー粒子への分散性の点から選択される。
着色剤の含有量は、樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
トナーは、高精細な画像を得るという観点から、体積基準のメジアン径が3.0μm以上10.0μm以下であることが好ましく、4.0μm以上7.0μm以下であることがより好ましい。
なお、トナーの体積基準のメジアン径は、コールター法による粒度分布解析装置(コールターマルチサイザーIII:コールター製)を用いて測定するとよい。
本発明のトナーの製造方法は、
樹脂を含有するトナー粒子を有するトナーの製造方法であって、
該樹脂を含有する樹脂微粒子が水系媒体に分散された、樹脂微粒子分散液を調製する調製工程、又は、
該樹脂を有機溶媒に溶解して得られた樹脂溶解液が水系媒体に分散された、樹脂溶解液の分散体を調製する調製工程、を含み、
該樹脂が、結晶性ポリブタジエン樹脂、及び、オレフィン系酸基含有共重合体を含有し、
該樹脂中の該結晶性ポリブタジエン樹脂の含有量が50質量%以上であり、
該結晶性ポリブタジエン樹脂の融点が、70℃以上110℃以下であり、
該オレフィン系酸基含有共重合体の酸価が、50mgKOH/g以上300mgKOH/g以下であることを特徴とする。
トナーの製造方法は、乳化凝集法、懸濁重合法又は溶解懸濁法など、水系媒体中でトナー粒子を製造する製造方法を用いる。トナー粒子が水系媒体中で製造された場合、オレフィン系酸基含有共重合体に含まれる酸基がトナー粒子の表面に存在しやすいため、紙との密着性が向上する。
また、乳化凝集法ではオレフィン系酸基含有共重合体が樹脂微粒子の表面に存在しやすく、凝集制御が容易となり、結果として、トナー粒子の粒度分布がシャープになる。
さらに、水系媒体中では、不飽和二重結合を有する結晶性ポリブタジエン樹脂を、架橋剤(例えば、ラジカル重合開始剤)を用いて架橋する架橋反応工程も容易に実施でき、耐ホットオフセット性及び保存安定性(耐ブロッキング性)をさらに向上させることができる。
また、乳化凝集法を用いた場合は、架橋反応工程にて、トナー粒子中を均一に架橋することも、トナー粒子の表面層を選択的に架橋することもできる。
以下、溶解懸濁法及び乳化凝集法における、トナーの製造方法について具体的に例示するが、これらに限定されるものではない。
<溶解懸濁法>
溶解懸濁法とは、樹脂、並びに、必要に応じて着色剤及び離形剤などを有機溶媒に溶解又は分散し、得られた溶液又は分散液を水系媒体などの貧溶媒中に、トナー粒子の大きさ程度に分散させ、その状態で有機溶媒を留去してトナーを製造する方法である。
溶解懸濁法では、例えば、樹脂溶解液分散体の調製工程、造粒工程、脱溶剤工程、及び洗浄乾燥工程を経てトナーが製造される。
また、架橋反応工程を実施する場合、ラジカル重合開始剤は樹脂溶解工程から洗浄及び乾燥工程前までであればいずれで投入してもよく、ラジカル重合開始剤を投入後、所望の温度で加熱すればよい。
(樹脂溶解液分散体の調製工程)
樹脂溶解液の分散体を調製する調製工程は、樹脂を有機溶媒に溶解して樹脂溶解液を調製する樹脂溶解工程と、得られた樹脂溶解液を水系媒体に分散して、樹脂溶解液の分散体を調製する造粒工程を含む。
(樹脂溶解工程)
樹脂溶解工程は、例えば、結晶性ポリブタジエン樹脂及びオレフィン系酸基含有共重合体を有機溶媒に加熱溶解して樹脂溶解液を調製する工程である。また、必要に応じて、樹脂溶解液は、その他の樹脂、着色剤、脂肪族炭化水素、及びシリコーンオイルなどを溶解又は分散させて樹脂溶解液としてもよい。
有機溶媒は樹脂を溶解しうるものであれば任意の溶媒を使用できる。具体的には、トルエン及びキシレンなどが挙げられる。
有機溶媒の使用量には制限がないが、樹脂溶解液を水系媒体中に分散して、造粒できる粘度となる量であればよい。具体的には、結晶性ポリブタジエン樹脂及びオレフィン系酸基含有共重合体、並びに、その他の樹脂、着色剤及び離形剤などを含む樹脂組成物と有機溶媒との質量比が10/90〜50/50であることが造粒性及びトナー粒子の生産効率の観点から好ましい。
一方、着色剤や離形剤は有機溶媒に溶解している必要はなく、分散していてもよい。着色剤及び離形剤を分散状態で使用する場合は、ビーズミルなどの分散機を使用して分散させるとよい。
(造粒工程)
造粒工程は、得られた樹脂溶解液を水系媒体に所定のトナー粒子径になるように分散剤を用いて分散させて、分散体(造粒物)を調製する工程である。水系媒体は、主に水を含む媒体が用いられる。また、水系媒体は、1価の金属塩を1質量%以上30質量%以下含有することが好ましい。1価の金属塩を含有していることにより、樹脂溶解液中の有機溶
媒が水系媒体中へ拡散することが抑制され、得られたトナー粒子に含まれる樹脂の結晶性が高まることにより、トナーの耐ブロッキング性が良好になりやすく、かつ、トナー粒子の粒度分布が良好になりやすい。
1価の金属塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、臭化カリウムが例示でき、これらのうち、塩化ナトリウム、塩化カリウムが好ましい。
また、水系媒体と樹脂組成物の混合比(質量比)は、水系媒体/樹脂組成物=90/10〜50/50が好ましい。
分散剤は特に限定されないが、有機系分散剤として、陽イオンタイプ、陰イオンタイプ及びノニオンタイプの界面活性剤が用いられ、陰イオンタイプのものが好ましい。例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。一方、無機系分散剤としてリン酸三カルシウム、ヒドロキシアパタイト、炭酸カルシウム、酸化チタン及びシリカ粉末などが挙げられる。
無機系分散剤のリン酸三カルシウムが好ましい。この理由は、造粒性及びその安定性、さらには得られるトナー粒子の特性に対する悪影響が極めて少ないためである。
分散剤の添加量は造粒物の粒子径に応じて決定され、分散剤の添加量が増加すれば粒子径が小さくなる。そのために、所望の粒子径によって分散剤の添加量は異なるが、樹脂組成物に対して0.1〜15質量%の範囲で用いられるのが好ましい。
また、樹脂溶解液の分散体は、高速剪断下で調製することが好ましい。樹脂溶解液の分散体の体積基準のメジアン径は、10μm以下であることが好ましく、4〜9μm程度であることがより好ましい。
高速剪断を与える装置としては各種の高速分散機や超音波分散機が挙げられる。
(脱溶剤工程)
脱溶剤工程は、得られた分散体から有機溶媒を除去する工程である。有機溶媒の除去は撹拌しながら、実施するとよい。また、必要に応じて加熱、減圧をすることで有機溶媒の除去速度を制御することもできる。
(洗浄乾燥工程)
脱溶剤工程の後に、水などで複数回洗浄し、トナー粒子をろ過及び乾燥する洗浄乾燥工程を実施してもよい。また、分散剤にリン酸三カルシウムなどの酸性条件で溶解する分散剤を使用した場合は、塩酸などで洗浄後に水洗することが好ましい。洗浄を行うことで分散剤が除去され、トナー特性を向上させることができる。洗浄後、ろ過乾燥することでトナー粒子を得ることができる。得られたトナー粒子は必要に応じてシリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウムなどの無機微粒子や、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂などの樹脂粒子を、乾燥状態で剪断力を印加して添加してトナーとしてもよい。
これらの無機微粒子や樹脂粒子は、帯電助剤、流動性助剤、クリーニング助剤などの外添剤として機能する。
(架橋反応工程)
架橋反応工程は、下記ラジカル重合開始剤を用いて、ポリブタジエン樹脂の一部を架橋する工程である。ラジカル重合開始剤は、油溶性又は水溶性のものがあり、どちらを用いてもよい。
ラジカル重合開始剤の具体例として、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ヒドロクロリドなどのアゾビス系化合物;アセチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロ
イルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド;ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチル−α−クミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキサイド;t−ブチルパーオキシアセテート、α−クミルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレートなどのパーオキシエステル;t−ブチルヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、ジ−イソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイドなどのヒドロパーオキサイド;t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートなどのパーオキシカーボネートなどの有機過酸化物類;過酸化水素などの無機過酸化物類;過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩類などが挙げられる。
ラジカル重合開始剤の添加量としては、樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上2.0質量部以下であることが好ましい。ラジカル重合開始剤の添加量を上記範囲にすることで、低温定着性と耐ホットオフセット性をより高いレベルで両立させることができる。
<乳化凝集法>
乳化凝集法とは、目的の粒子径に対して、十分に小さい樹脂微粒子分散液を前もって準備し、その樹脂微粒子を水系媒体中で凝集することによりトナー粒子を製造する製造方法である。
乳化凝集法では、樹脂を含有する樹脂微粒子が水系媒体に分散された、樹脂微粒子分散液を調製する調製工程の後に、
該樹脂微粒子を凝集して凝集体粒子を形成する凝集工程、及び、
該凝集体粒子を加熱して融合する融合工程をさらに有することが好ましい。
また、上記融合工程の後に、冷却工程、洗浄工程及び乾燥工程などを有してもよい。
一方、架橋剤を用いて、ポリブタジエン樹脂の一部を架橋する架橋反応工程を実施する場合、架橋剤(例えば、上記ラジカル重合開始剤)は樹脂微粒子分散液を調製する調製工程から、乾燥工程前までであればいずれで投入してもよく、ラジカル重合開始剤を投入後、所望の温度で加熱すればよい。
該架橋反応工程は、その目的に応じて架橋反応工程の実施時期を選択できる。
例えば、トナー粒子全体に架橋反応効果を適度に与え、低温定着性を阻害せず耐ホットオフセット性をより向上させたい場合には、樹脂微粒子分散液を調製する調製工程の後に(より具体的には、樹脂微粒子分散液を調製する調製工程と凝集工程の間に)架橋反応工程を実施するとよい。
また、トナー粒子表面層を選択的に架橋反応させて、保存安定性(耐ブロッキング性)をより向上させたい場合には、融合工程中又は融合工程後に架橋反応工程を実施するとよい。
以下、乳化凝集法を用いたトナー粒子の製造方法を具体的に記載するが、これに限定されるわけではない。
(樹脂微粒子分散液を調製する調製工程)
樹脂微粒子分散液は公知の方法で調製できるが、以下の方法が好適にできる。
例えば、結晶性ポリブタジエン樹脂及びオレフィン系酸基含有共重合体を有機溶媒に溶解し、均一な溶解液を形成する。その後、塩基性化合物及び必要に応じて界面活性剤を添加する。さらに、この溶解液に水系媒体を添加し微粒子を形成する。最後に有機溶媒を除去し樹脂微粒子が分散された樹脂微粒子分散液を作製する。
また、結晶性ポリブタジエン樹脂とオレフィン系酸基含有共重合体を共乳化手法で樹脂微粒子を形成した場合には、微粒子化した有機相の中で結晶性ポリブタジエン樹脂とオレ
フィン系酸基含有共重合体とが微粒子中で均一に混ざりあう。その結果、トナー粒子中での両者の相溶性が高まり、トナーと紙との密着性が高まる。
より具体的には、結晶性ポリブタジエン樹脂及びオレフィン系酸基含有共重合体を有機溶媒に加熱溶解し、界面活性剤や塩基性化合物を加える。続いて、ホモジナイザーなどによりせん断力を付与しながら水系媒体をゆっくり添加することで樹脂を含む共乳化液(樹脂微粒子分散液)を作製する。
又は、水系媒体を添加後にホモジナイザーなどによりせん断力を付与することで樹脂を含む共乳化液を作製する。その後、加熱又は減圧して有機溶媒を除去することにより、樹脂微粒子の共乳化液(樹脂微粒子分散液)を作製する。
該樹脂微粒子分散液の調製に際し、有機溶媒に溶解させる樹脂の添加量は、有機溶媒100質量部に対して、10質量部以上50質量部以下とすることが好ましく、30質量部以上50質量部以下とすることがより好ましい。
有機溶媒としては、樹脂を溶解できるものであればどのようなものでも使用可能であるが、トルエン、キシレン、酢酸エチルなどの結晶性ポリブタジエン樹脂に対する溶解度の高い溶媒が好ましい。
界面活性剤としては、特に限定されるものでは無い。例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、カルボン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型などのカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系の非イオン系界面活性剤が挙げられる。
塩基性化合物としては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどの無機塩類やトリエチルアミン、トリメチルアミン、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノールなどの有機塩類が挙げられる。塩基性化合物は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂微粒子の体積基準のメジアン径は0.05μm以上1.00μm以下であることが好ましく、0.10μm以上0.60μm以下であることがより好ましい。メジアン径が上記の範囲内である場合、所望の粒径を有するトナー粒子が得られやすくなる。
なお、該体積基準のメジアン径の測定には、動的光散乱式粒度分布計(ナノトラックUPA−EX150:日機装製)を使用するとよい。
(凝集工程)
凝集工程は、例えば、上記樹脂微粒子分散液に、着色剤微粒子分散液、脂肪族炭化水素微粒子分散液及びシリコーンオイル乳化液を混合し、混合液を調製し、ついで、調製された混合液中に含まれる微粒子を凝集し、凝集体粒子を形成させる工程である。
凝集体粒子を形成させる方法としては、凝集剤を混合液中に添加及び混合し、温度を上げたり、機械的動力などを適宜加えたりする方法が好適に例示できる。
着色剤微粒子分散液は、上記着色剤を分散させて調製される。着色剤微粒子は公知の方法で分散されるが、例えば、回転せん断型ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、アトライターなどのメディア式分散機、高圧対向衝突式の分散機などが好ましく用いられる。また、必要に応じて分散安定性を付与する界面活性剤や高分子分散剤を添加することができる。
脂肪族炭化水素微粒子分散液、及びシリコーンオイル乳化液は、各材料を水系媒体中に分散させて調製する。各材料は公知の方法で分散されるが、例えば、回転せん断型ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、アトライターなどのメディア式分散機、高圧対向衝突式の分散機などが好ましく用いられる。また、必要に応じて分散安定性を付与する界面活性剤や高分子分散剤を添加することができる。
凝集剤としては、例えば、ナトリウム、カリウムなどの1価の金属の金属塩;カルシウム、マグネシウムなどの2価の金属の金属塩;鉄、アルミニウムなどの3価の金属の金属
塩;ポリ塩化アルミなどの多価金属塩が挙げられる。凝集工程の粒子径制御性の観点から、塩化カルシウムや硫酸マグネシウムなどの2価の金属の金属塩が好ましい。
凝集剤の添加及び混合は、室温から75℃までの温度範囲で行うことが好ましい。この温度条件下で混合を行うと、凝集が安定した状態で進行する。混合は、公知の混合装置、ホモジナイザー、ミキサーなどを用いて行うことができる。
凝集工程で形成される凝集体粒子の体積基準のメジアン径は、特に制限はないが、通常、得ようとするトナー粒子のメジアン径と同じ程度になるよう、4.0μm以上7.0μm以下程度に制御するとよい。制御は、例えば、凝集剤などの添加及び混合時の温度と攪拌混合の条件を適宜設定及び変更することにより容易に行うことができる。
なお、凝集体粒子の体積基準のメジアン径は、コールター法による粒度分布解析装置(コールターマルチサイザーIII:コールター製)を用いて測定するとよい。
(融合工程)
融合工程は、凝集体粒子を、加熱し融合することで、凝集体粒子表面を平滑化した粒子を製造する工程である。
一次融合工程に入る前に、得られた樹脂粒子間の融着を防ぐため、キレート剤、pH調整剤、界面活性剤などを適宜投入することができる。
キレート剤の例としては、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)及びそのNa塩などのアルカリ金属塩、グルコン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、クエン酸カリウム及びクエン酸ナトリウム、ニトリロトリアセテート(NTA)塩、COOH及びOHの両方の官能基を含む多くの水溶性ポリマー類(高分子電解質)が挙げられる。
加熱温度としては、凝集体粒子に含まれる結晶性ポリブタジエン樹脂の融点以上から、結晶性ポリブタジエン樹脂又はオレフィン系酸基含有共重合体が熱分解する温度の間が好ましい。加熱融合の時間は、加熱温度が高ければ短い時間で足り、加熱温度が低ければ長い時間が必要である。すなわち、加熱融合の時間は、加熱の温度に依存するので一概に規定することはできないが、一般的には10分〜10時間程度である。
(冷却工程)
冷却工程は、融合工程で得られた樹脂粒子を含む水系分散体の温度を、結晶性ポリブタジエン樹脂の結晶化温度より低い温度まで冷却する工程である。
冷却を結晶化温度より低い温度まで行うことで、粗大粒子が発生を防止することができる。また、冷却速度は、0.1〜50℃/分程度である。
また、冷却中又は冷却後に結晶性ポリブタジエン樹脂の結晶化速度が速い温度に保持し、結晶化を促進させるアニーリングを行うことが好ましい。30〜70℃の温度で保持することで結晶化が促進される、その結果、トナーの耐ブロッキング性がより向上する。
(洗浄工程)
上記工程を経て作製された樹脂粒子を、洗浄及びろ過を繰り返すことにより、樹脂粒子中の不純物を除去することができる。
具体的には、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)及びそのNa塩などのキレート剤を含有した水溶液を用いて樹脂粒子を洗浄し、さらに純水で洗浄することが好ましい。
純水での洗浄はろ過を複数回繰り返すことにより、樹脂粒子中の金属塩や界面活性剤などを除くことができる。ろ過の回数は3〜20回程度が製造効率の点から好ましく、3〜10回程度がより好ましい。
(乾燥工程)
洗浄された樹脂粒子の乾燥を行い、トナー粒子を得るとよい。
該トナー粒子はそのままトナーとしてもよい。また、必要に応じて、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウムなどの無機微粒子や、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂などの樹脂微粒子を、乾燥状態で剪断力を印加して添加して、トナーとして
もよい。なお、無機微粒子や樹脂微粒子は、流動性助剤やクリーニング助剤などの外添剤として機能する。
以下、本発明を実施例と比較例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明の態様はこれらに限定されない。なお、実施例及び比較例の部数及び%は特に断りが無い場合、すべて質量基準である。
<樹脂微粒子1分散液の製造例>
・トルエン(和光純薬製) 300部
・結晶性ポリブタジエン樹脂A 100部
(1,2−ポリブタジエン構造の含有割合:90質量%、シンジオタクチック構造体の含有割合:50質量%、融点:70℃)
・オレフィン系酸基含有共重合体A 25部
(エチレン−メタクリル酸共重合体、メルトフローレート:60g/10分、融点:90℃、酸価:90mgKOH/g)
以上の処方を混合し、90℃で溶解させた。
別途、イオン交換水700部にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.7部、ラウリン酸ナトリウム1.5部、及びN,N−ジメチルアミノエタノール3.6部を加え90℃で加熱溶解させた。
次いで、上記のトルエン溶液と水溶液を混ぜ合わせ、超高速攪拌装置T.K.ロボミックス((株)プライミクス製)を用いて7000rpmで攪拌した。
さらに、高圧衝撃式分散機ナノマイザー(吉田機械興業製)用いて200MPaの圧力で乳化した。
その後、エバポレーターを用いて、トルエンを除去し、イオン交換水で濃度調整を行い樹脂微粒子1の濃度20%の水系分散液(樹脂微粒子1分散液)を得た。
該樹脂微粒子1の体積基準のメジアン径を動的光散乱式粒度分布径(ナノトラック:日機装製)を用いて測定したところ、0.35μmであった。
<樹脂微粒子2分散液の製造例>
オレフィン系酸基含有共重合体Aの使用量を11部に変更し、N,N−ジメチルアミノエタノールの使用量を1.6部に変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造例と同様にして、樹脂微粒子2分散液を得た。得られた樹脂微粒子2の体積基準のメジアン径は、0.48μmであった。
<樹脂微粒子3分散液の製造例>
オレフィン系酸基含有共重合体Aの使用量を43部に変更し、N,N−ジメチルアミノエタノールの使用量を6.1部に変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造例と同様にして、樹脂微粒子3分散液を得た。得られた樹脂微粒子3の体積基準のメジアン径は、0.33μmであった。
<樹脂微粒子4分散液の製造例>
オレフィン系酸基含有共重合体Aの使用量を5.3部に変更し、N,N−ジメチルアミノエタノールの使用量を0.8部に変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造例と同様にして、樹脂微粒子4分散液を得た。得られた樹脂微粒子4の体積基準のメジアン径は、0.61μmであった。
<樹脂微粒子5分散液の製造例>
結晶性ポリブタジエン樹脂Aを結晶性ポリブタジエン樹脂B(1,2−ポリブタジエン構造の含有割合:93質量%、シンジオタクチック構造体の含有割合:50質量%、融点
:105℃)に変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造例と同様にして、樹脂微粒子5分散液を得た。得られた樹脂微粒子5の体積基準のメジアン径は、0.89μmであった。
<樹脂微粒子6分散液の製造例>
結晶性ポリブタジエン樹脂Aを結晶性ポリブタジエン樹脂C(1,2−ポリブタジエン構造の含有割合:76質量%、シンジオタクチック構造体の含有割合:50質量%、融点:80℃)に変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造例と同様にして、樹脂微粒子6分散液を得た。得られた樹脂微粒子6の体積基準のメジアン径は、0.48μmであった。
<樹脂微粒子7分散液の製造例>
結晶性ポリブタジエン樹脂Aを結晶性ポリブタジエン樹脂D(トランス−1,4−ポリブタジエン構造の含有割合:100質量%、融点:110℃)に変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造例と同様にして、樹脂微粒子7分散液を得た。得られた樹脂微粒子7の体積基準のメジアン径は、0.92μmであった。
<樹脂微粒子8分散液の製造例>
オレフィン系酸基含有共重合体Aをオレフィン系酸基含有共重合体B(エチレン−メタクリル酸共重合体、メルトフローレート:500g/10分、融点:95℃、酸価:60mgKOH/g)に変更し、N,N−ジメチルアミノエタノールの使用量を2.4部に変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造例と同様に樹脂微粒子8分散液を得た。得られた樹脂微粒子8の体積基準のメジアン径は、0.40μmであった。
<樹脂微粒子9分散液の製造例>
結晶性ポリブタジエン樹脂Aを結晶性ポリブタジエン樹脂E(1,2−ポリブタジエン構造の含有割合:90質量%、シンジオタクチック構造体の含有比率:50質量%、融点:60℃)に変更した以外は樹脂微粒子2分散液の製造例と同様にして、樹脂微粒子9分散液を得た。得られた樹脂微粒子9の体積基準のメジアン径は、0.33μmであった。
<樹脂微粒子10分散液の製造例>
結晶性ポリブタジエン樹脂Aを結晶性ポリブタジエン樹脂F(1,2−ポリブタジエン構造の含有割合:94質量%、シンジオタクチック構造体の含有割合:50質量%、融点:126℃)に変更した以外は樹脂微粒子2分散液の製造例と同様にして、樹脂微粒子10分散液を得た。得られた樹脂微粒子10の体積基準のメジアン径は、3.81μmであった。
<樹脂微粒子11分散液の製造例>
結晶性ポリブタジエン樹脂Aをポリブタジエン樹脂G(1,2−ポリブタジエン構造の含有割合:65質量%、シンジオタクチック構造体の含有割合:50質量%、融点:なし)に変更した以外は樹脂微粒子2分散液の製造例と同様にして、樹脂微粒子11分散液を得た。得られた樹脂微粒子11の体積基準のメジアン径は、0.22μmであった。
<樹脂微粒子12分散液の製造例>
オレフィン系酸基含有共重合体Aをオレフィン系酸基含有共重合体C(エチレン−メタクリル酸共重合体、メルトフローレート:33g/10分、融点:88℃、酸価:30mgKOH/g)に変更し、N,N−ジメチルアミノエタノールの使用量を1.2部に変更した以外は樹脂微粒子2分散液の製造例と同様に樹脂微粒子12分散液を得た。得られた樹脂微粒子12の体積基準のメジアン径は、0.47μmであった。
<樹脂微粒子13分散液の製造例>
オレフィン系酸基含有共重合体A及びN,N−ジメチルアミノエタノールを使用しなかった以外は樹脂微粒子1分散液の製造例と同様にして、樹脂微粒子13分散液を得た。得られた樹脂微粒子13の体積基準のメジアン径は、5.51μmであった。
<樹脂微粒子14分散液の製造例>
結晶性ポリブタジエン樹脂Aを12.5部とし、ポリエステル樹脂A[組成(モル比)〔ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:イソフタル酸:テレフタル酸=100:50:50〕、数平均分子量(Mn):4,600、重量平均分子量(Mw):16,500、ピーク分子量(Mp):10,400、ガラス転移温度(Tg):70℃、酸価:13mgKOH/g]を87.5部加えた以外は樹脂微粒子1分散液の製造例と同様にして、樹脂微粒子14分散液を得た。得られた樹脂微粒子14の体積基準のメジアン径は、0.22μmであった。
<樹脂微粒子15分散液の製造例>
結晶性ポリブタジエン樹脂A及びオレフィン系酸基含有共重合体Aを使用せず、結晶性ポリエステル樹脂A(組成(モル比)〔1,9−ノナンジオール:セバシン酸=100:100〕、数平均分子量(Mn):5,500、重量平均分子量(Mw):15,500、ピーク分子量(Mp):11,400、融点:72℃、酸価:13mgKOH/g)の使用量を125部にした以外は樹脂微粒子1分散液の製造例と同様にして、樹脂微粒子15分散液を得た。得られた樹脂微粒子15の体積基準のメジアン径は、0.25μmであった。
<樹脂微粒子16分散液の製造>
樹脂微粒子1分散液500部を用い、加熱用ウォーターバス中で撹拌翼を用いて、分散液が撹拌される回転数に設定し、ペルオキソ二硫酸ナトリウム0.5部を加え。90℃まで加熱した。90℃で3時間保持した後、25℃まで冷却し、樹脂微粒子16分散液を得た。得られた樹脂微粒子16の体積基準のメジアン径は、0.36μmであった。
<着色剤微粒子分散液の製造例>
・着色剤 10.0部
(シアン顔料 大日精化製:Pigment Blue 15:3)
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬製:ネオゲンRK) 1.5部
・イオン交換水 88.5部
以上を混合し、溶解し、高圧衝撃式分散機ナノマイザー(吉田機械興業製)を用いて約1時間分散して、着色剤を分散させてなる着色剤微粒子の濃度10%の水系分散液(着色剤微粒子分散液)を調製した。得られた着色剤微粒子の体積基準のメジアン径は動的光散乱式粒度分布径(ナノトラック:日機装製)を用いて測定し、0.20μmであった。
<脂肪族炭化水素微粒子分散液の製造例>
・脂肪族炭化水素化合物 20.0部
(HNP−51、融点78℃、日本精蝋製)
・アニオン性界面活性剤 1.0部
(第一工業製薬製:ネオゲンRK)
・イオン交換水 79.0部
以上を攪拌装置付きの混合容器に投入した後、90℃に加熱し、クレアミックスWモーション(エム・テクニック製)へ循環させて分散処理を60分間行った。
分散処理の条件は、以下のようにした。
・ローター外径3cm
・クリアランス0.3mm
・ローター回転数19000r/min
・スクリーン回転数19000r/min
分散処理後、ローター回転数1000r/min、スクリーン回転数0r/min、冷却速度10℃/minの冷却処理条件にて40℃まで冷却することで、脂肪族炭化水素微粒子の濃度20%の水系分散液(脂肪族炭化水素微粒子分散液)を得た。該脂肪族炭化水素微粒子の体積基準のメジアン径は動的光散乱式粒度分布径(ナノトラック:日機装製)を用いて測定し、0.15μmであった。
<シリコーンオイル乳化液の製造例>
・シリコーンオイル 20.0部
(ジメチルシリコーンオイル 信越化学製:KF96−50CS)
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬製:ネオゲンRK) 1.0部
・イオン交換水 79.0部
以上を混合し、溶解し、高圧衝撃式分散機ナノマイザー(吉田機械興業製)を用いて約1時間分散して、シリコーンオイルを分散させてなるシリコーンオイルの濃度20%の水系分散液(シリコーンオイル乳化液)を調製した。得られたシリコーンオイル乳化液中のシリコーンオイル粒子の体積基準のメジアン径を動的光散乱式粒度分布径(ナノトラック:日機装製)を用いて測定したところ、0.09μmであった。
<トナー1の製造例>
・樹脂微粒子1分散液 500部
・着色剤微粒子分散液 80部
・脂肪族炭化水素微粒子分散液 150部
・シリコーンオイル乳化液 50部
・イオン交換水 160部
上記の各材料を丸型ステンレス製フラスコに投入、混合した後、10%硫酸マグネシウム水溶液60部を添加した。続いてホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて5000r/minで10分間分散した。
その後、加熱用ウォーターバス中で撹拌翼を用いて、混合液が撹拌されるような回転数を適宜調節しながら73℃まで加熱した。
73℃で20分保持した後、形成された凝集体粒子の体積基準のメジアン径が、約6.2μmであることを確認した。
上記凝集体粒子を含む分散液に、5%エチレンジアミン4酢酸ナトリム水溶液330部を追加した後、攪拌を継続しながら、98℃まで加熱した。そして、98℃で1時間保持することで凝集体粒子を融合させた。
その後、50℃まで冷却し3時間保持することでポリブタジエン樹脂の結晶化を促進させた。その後、25℃まで冷却し、ろ過及び固液分離した後、ろ物を0.5%エチレンジアミン4酢酸ナトリム水溶液で洗浄し、さらにイオン交換水で洗浄を行った。
洗浄終了後に真空乾燥機を用いて乾燥することで、体積基準のメジアン径が5.6μmのトナー粒子1を得た。
100部のトナー粒子1に対して、一次粒子の個数平均粒径が10nmの疎水化処理されたシリカ微粒子1.5部、及び、一次粒子の個数平均粒径が100nmの疎水化処理されたシリカ微粒子2.5部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山製)で乾式混合してトナー1を得た。得られたトナー1の構成条件を表1に示す。
<トナー2の製造例>
樹脂微粒子1分散液を樹脂微粒子2分散液とした以外は、トナー1の製造例と同様にして、トナー2を得た。得られたトナー2の体積基準のメジアン径は5.3μmであった。
<トナー3の製造例>
樹脂微粒子1分散液を樹脂微粒子3分散液とした以外は、トナー1の製造例と同様にし
て、トナー3を得た。得られたトナー3の体積基準のメジアン径は5.3μmであった。
<トナー4の製造例>
樹脂微粒子1分散液を樹脂微粒子4分散液とした以外は、トナー1の製造例と同様にして、トナー4を得た。得られたトナー4の体積基準のメジアン径は5.2μmであった。
<トナー5の製造例>
樹脂微粒子1分散液を樹脂微粒子5分散液とした以外は、トナー1の製造例と同様にして、トナー5を得た。得られたトナー5の体積基準のメジアン径は5.5μmであった。
<トナー6の製造例>
樹脂微粒子1分散液を樹脂微粒子6分散液とした以外は、トナー1の製造例と同様にして、トナー6を得た。得られたトナー6の体積基準のメジアン径は5.2μmであった。
<トナー7の製造例>
樹脂微粒子1分散液を樹脂微粒子7分散液とした以外は、トナー1の製造例と同様にして、トナー7を得た。得られたトナー7の体積基準のメジアン径は5.8μmであった。
<トナー8の製造例>
樹脂微粒子1分散液を樹脂微粒子8分散液とした以外は、トナー1の製造例と同様にして、トナー8を得た。得られたトナー8の体積基準のメジアン径は5.1μmであった。
<トナー9の製造例>
脂肪族炭化水素微粒子分散液の添加量を50部とした以外は、トナー1の製造例と同様にして、トナー9を得た。得られたトナー9の体積基準のメジアン径は5.2μmであった。
<トナー10の製造例>
シリコーンオイル乳化液の添加量を100部とした以外は、トナー1の製造例と同様にして、トナー10を得た。得られたトナー10の体積基準のメジアン径は5.2μmであった。
<トナー11の製造例>
樹脂微粒子1分散液500部を、樹脂微粒子1分散液450部と樹脂微粒子16分散液50部の混合液とした以外は、トナー1の製造例と同様にして、トナー11を得た。得られたトナー11の体積基準のメジアン径は6.0μmであった。
<トナー12の製造例>
・樹脂微粒子1分散液 500部
・着色剤微粒子分散液 80部
・脂肪族炭化水素微粒子分散液 150部
・シリコーンオイル乳化液 50部
・イオン交換水 160部
上記の各材料を丸型ステンレス製フラスコに投入、混合した後、10%硫酸マグネシウム水溶液60部を添加した。続いてホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて5000r/minで10分間分散した。
その後、加熱用ウォーターバス中で撹拌翼を用いて、混合液が撹拌されるような回転数を適宜調節しながら73℃まで加熱した。
73℃で20分保持した後、形成された凝集体粒子の体積基準のメジアン径が、約5.9μmであることを確認した。
上記凝集体粒子を含む分散液に、5%エチレンジアミン4酢酸ナトリム水溶液330部を追加した後、2,2‘−アゾビスイソブチロニトリル1.0部を加え、攪拌を継続しながら、98℃まで加熱した。そして、98℃で1時間保持することで凝集体粒子を融合させるとともにポリブタジエン樹脂の一部をラジカル反応により架橋させた。
その後はトナー1の製造例と同様にして、トナー12を得た。得られたトナー12の体積基準のメジアン径は5.7μmであった。
<比較トナー1の製造例>
樹脂微粒子1分散液を樹脂微粒子9分散液とした以外は、トナー1の製造例と同様にして、比較トナー1を得た。得られた比較トナー1の体積基準のメジアン径は5.1μmであった。
<比較トナー2の製造例>
樹脂微粒子1分散液を樹脂微粒子10とした以外は、トナー1の製造例と同様にして、比較トナー2を得た。得られた比較トナー2の体積基準のメジアン径は5.3μmであった。
<比較トナー3の製造例>
樹脂微粒子1を樹脂微粒子11分散液とした以外は、トナー1の製造例と同様にして、比較トナー3を得た。得られた比較トナー3の体積基準のメジアン径は5.5μmであった。
<比較トナー4の製造例>
樹脂微粒子1分散液を樹脂微粒子12分散液とした以外は、トナー1の製造例と同様にして、比較トナー4を得た。得られた比較トナー4の体積基準のメジアン径は5.5μmであった。
<比較トナー5の製造例>
樹脂微粒子1分散液を樹脂微粒子13分散液とした以外は、トナー1の製造例と同様にして、比較トナー5を得た。得られた比較トナー5の体積基準のメジアン径は10.3μmであった。
<比較トナー6の製造例>
樹脂微粒子1分散液を樹脂微粒子14分散液とし、凝集工程の温度を73℃から60℃にした以外は、トナー1の製造例と同様にして、比較トナー6を得た。得られた比較トナー6の体積基準のメジアン径は5.4μmであった。
<比較トナー7の製造例>
樹脂微粒子1分散液を樹脂微粒子15分散液とし、凝集工程の温度を73℃から60℃にした以外は、トナー1の製造例と同様にして、比較トナー7を得た。得られた比較トナー7の体積基準のメジアン径は5.4μmであった。
<実施例1〜12及び比較例1〜7>
トナー1〜12及び比較トナー1〜7を用いて、下記の評価試験を行った。評価結果を表2に示す。
<低温定着性の評価>
トナーと、シリコーン樹脂で表面コートしたフェライトキャリア(平均粒径42μm)とを、トナー濃度が8質量%になるように混合し、二成分現像剤を調製した。
市販のフルカラーデジタル複写機(CLC1100、キヤノン社製)を使用し、受像紙
(64g/m)上に未定着のトナー画像(0.6mg/cm)を形成した。
市販のフルカラーデジタル複写機(imageRUNNER ADVANCE C5051、キヤノン製)から取り外した定着ユニットを定着温度が調節できるように改造し、これを用いて未定着のトナー画像の定着試験を行った。
常温常湿下、プロセススピードを246mm/秒に設定し、上記未定着のトナー画像を定着させたときの様子を目視にて評価した。
A:120℃以下の温度で定着が可能
B:120℃より高く、140℃以下の温度で定着が可能
C:140℃より高い温度で定着が可能、又は定着可能な温度領域がない
<消しゴム耐性(紙との密着性)の評価>
「低温定着性の評価」と同様の手法でトナーを定着させた。そして、定着可能な最高温度における定着物を、消しゴム(製品名:MONO,トンボ鉛筆社製)を用いて消去耐性を試験した。
A:消しゴムで消去されず
B:消しゴムで消去されることで画像の濃度が低下する
C:消しゴムで消去される
<帯電保持性の評価>
トナー0.01gをアルミニウム製パンに計量し、ストロコロン帯電装置を用いて−600Vに帯電させた。続いて、温度30℃湿度80%RHの雰囲気下で表面電位計(トレックジャパン製 model347)を用いて表面電位の変化挙動を30分間測定した。
測定した結果より、電荷保持率を以下の式より算出した。該電荷保持率に基づき帯電保持性を評価した。
30分後の電荷保持率(%)=(30分後の表面電位/初期表面電位)×100
A:電荷保持率が90%以上
B:電荷保持率が50%以上90%未満
C:電荷保持率が10%以上50%未満
D:電荷保持率が10%未満
<耐ホットオフセット性の評価>
「低温定着性の評価」と同様の手法でトナーを定着させた。そして、耐ホットオフセット性を以下の基準で評価した。
A:200℃でホットオフセットが発生しない
B:170℃以上200℃未満でホットオフセットが発生する
C:170℃未満でホットオフセットが発生する
<保存安定性(耐ブロッキング性)の評価>
トナーを、温度50℃湿度50%RHの恒温恒湿槽中で3日静置し、目視によりブロッキングの程度を評価した。
A:ブロッキングが発生しないか、ブロッキングが発生しても軽い振動により容易に分散する
B:ブロッキングが発生するが、振動し続けると分散する
C:ブロッキングが発生し、力を加えても分散しない
Figure 0006786363
Figure 0006786363

Claims (12)

  1. 樹脂を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
    該樹脂が、結晶性ポリブタジエン樹脂、及び、オレフィン系酸基含有共重合体を含有し、
    該樹脂中の該結晶性ポリブタジエン樹脂の含有量が50質量%以上であり、
    該結晶性ポリブタジエン樹脂の融点が、70℃以上110℃以下であり、
    該オレフィン系酸基含有共重合体の酸価が、50mgKOH/g以上300mgKOH/g以下であることを特徴とするトナー。
  2. 前記結晶性ポリブタジエン樹脂が、1,2−ポリブタジエン構造を有し、
    該結晶性ポリブタジエン樹脂中の該1,2−ポリブタジエン構造の含有割合が、70質量%以上であり、
    該1,2−ポリブタジエン構造中の1,2−シンジオタクチック構造体の含有割合が、50質量%以上である、請求項1に記載のトナー。
  3. 前記オレフィン系酸基含有共重合体が、エチレン−メタクリル酸共重合体及びエチレン−アクリル酸共重合体の少なくとも一方を含有する、請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 前記樹脂中の前記オレフィン系酸基含有共重合体の含有量が、10質量%以上50質量%未満である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナー。
  5. 前記オレフィン系酸基含有共重合体の融点が、50℃以上100℃以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のトナー。
  6. 前記トナー粒子は、融点が50℃以上100℃以下の脂肪族炭化水素を含有し、
    該脂肪族炭化水素の含有量が、前記樹脂100質量部に対して、1質量部以上40質量部以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のトナー。
  7. 前記トナー粒子が、シリコーンオイルを含有し、
    前記シリコーンオイルの含有量が、前記樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のトナー。
  8. 樹脂を含有するトナー粒子を有するトナーの製造方法であって、
    該樹脂を含有する樹脂微粒子が水系媒体に分散された、樹脂微粒子分散液を調製する調製工程、又は、
    該樹脂を有機溶媒に溶解して得られた樹脂溶解液が水系媒体に分散された、樹脂溶解液の分散体を調製する調製工程、を含み、
    該樹脂が、結晶性ポリブタジエン樹脂、及び、オレフィン系酸基含有共重合体を含有し、
    該樹脂中の該結晶性ポリブタジエン樹脂の含有量が50質量%以上であり、
    該結晶性ポリブタジエン樹脂の融点が、70℃以上110℃以下であり、
    該オレフィン系酸基含有共重合体の酸価が、50mgKOH/g以上300mgKOH/g以下であることを特徴とするトナーの製造方法。
  9. 前記結晶性ポリブタジエン樹脂を、架橋剤を用いて架橋する架橋工程をさらに含む、請求項8に記載のトナーの製造方法。
  10. 前記樹脂微粒子分散液を調製する調製工程の後に、
    該樹脂微粒子を凝集して凝集体粒子を形成する凝集工程、及び、
    該凝集体粒子を加熱して融合する融合工程をさらに含む、
    請求項9に記載のトナーの製造方法。
  11. 前記架橋工程が、前記樹脂微粒子分散液を調製する調製工程と前記凝集工程の間に実施される、請求項10に記載のトナーの製造方法。
  12. 前記架橋工程が、前記融合工程中又は前記融合工程後に実施される、請求項10に記載のトナーの製造方法。
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