JP6582771B2 - 信号再生回路、電子装置および信号再生方法 - Google Patents

信号再生回路、電子装置および信号再生方法 Download PDF

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Description

本発明は、信号再生(クロック・データ・リカバリィ(Clock Data Recovery: CDR))回路、信号再生回路を搭載した電子装置、および信号再生方法に関する。
通信基幹向け装置やサーバ等の情報処理機器の性能向上に伴い、装置内外での信号送受信のデータレートを高くすることが要望されている。例えば、集積回路チップ内、チップ間(装置内、装置間)で信号を送受信する高速I/Oの分野、光通信の分野で、ビットレートの一層の高速化が望まれている。
受信回路では、伝送されてきたデータを適切なタイミングで判定し、データとクロックを再生(CDR: Clock and Data Recovery)することが求められる。入力データと受信(サンプリング)クロックとの位相差および周波数差を検出し、その情報を基にサンプリングクロックの位相調整を行うことによってCDRが実現される。受信回路の中でもリファレンスクロックを用いず、入力データから再生したクロックによってリタイムし、ジッタを削減したデータを出力するCDR回路が知られている。
CDR回路では、入力データとクロックとの位相差を検出する位相検出回路(Phase Detector: PD)を利用することが知られているが、位相検出回路のみを使用するCDR回路は、クロック再生が可能な周波数範囲が狭いという課題があった。そこで、入力データとクロックとの位相差に加えて入力データとクロックとの周波数関係を検出する位相周波数検出(Phase Frequency Detector: PFD)回路を利用するCDR回路が用いられる。
このCDR回路は、発振周波数が可変の発振器(例えば、VCO(Voltage controlled oscillator)と、位相周波数検出回路と、チャージポンプ(CP: Charge pump)と、ループフィルタ(LPF: Loop filter)と、を含むフィードバック制御回路を有する。位相周波数検出回路は、入力データとクロック間の位相差及び周波数関係を検出し位相差信号及び周波数位相信号を生成する。チャージポンプおよびループフィルタは、位相差情報及び周波数差情報に従い電流の足し引きを行い、VCOの制御電圧を生成する。言い換えれば、チャージポンプおよびループフィルタは、フィードバック制御回路の制御部を形成する。VCOは、制御電圧に応じて発振周波数を変化させ、クロックを出力する。生成されたクロックは、判定回路(Decision)に供給され、判定回路は、入力データに対してタイミングが調整されたクロックに応じて入力データを取り込む。判定回路は、位相周波数検出回路の一部として形成される場合もある。
位相周波数検出回路は、各種提案されている。例えば、高速のデータ受信には、第1および第2位相検出回路と、周波数位相検出回路と、を有する比較的小さな回路規模の差動位相周波数検出回路が広く使用されている。第1位相検出回路は、入力データと第1クロックの位相関係に応じてクロック位相制御信号を生成する。第1位相検出回路は、例えば、第1クロックを入力データの変化エッジでラッチする2個のラッチ回路およびマルチプレクサで形成され、マルチプレクサの出力がクロック位相制御信号となる。第2位相検出回路は、第2位相検出回路と同様の回路構成を有し、入力データと第2クロックの位相関係に応じてクロック位相検出信号を生成する。第2クロックは、第1クロックと同じ周波数を有し、位相が例えば90度異なる。第2クロックは、第1クロックと共にVCOから出力されるか、第1クロックを移相器で位相シフトすることにより生成される。
周波数位相検出回路は、第2位相検出回路の出力するクロック位相検出信号を第1位相検出回路の出力するクロック位相制御信号の変化エッジでラッチする2個のラッチ回路およびマルチプレクサで形成される。マルチプレクサは、クロック位相制御信号の変化エッジの方向およびラッチした値から、第1クロックの周波数が入力データの周波数に対して小さいかまたは大きいかを示す周波数位相信号を生成する。周波数位相信号は、第1クロックの周波数が入力データの周波数に対して小さい時に+1、大きい時に−1、同じ時に0を示す。クロック位相制御信号および周波数位相信号は、チャージポンプに供給される。すなわち、VCOの制御は、クロック位相制御信号および周波数位相信号に基づいて行われる。
入力データと第1クロックの周波数差が小さくなり一致すると、周波数位相信号はゼロになり、VCOの制御は、周波数位相信号に影響されない状態になる。言い換えれば、VCOの制御は、クロック位相制御信号のみに応じて行われ、入力データと第1クロックが所定の位相差を有する状態になるように制御される。この状態をロック状態と称する。
なお、周波数位相信号がゼロになるまではチャージポンプに周波数位相信号を供給し、周波数位相信号が固定値になった後にはチャージポンプにクロック位相制御信号を供給するように切り替えるセレクタを設けることも提案されている。
ロック状態であっても、ジッタの大きい信号受信時には周波数位相信号が変動し、周波数位相検出回路が誤動作し、クロック位相検出信号が入力データと第1クロックの周波数が不一致であることを示す信号を出力することが起こり得る。このようなクロック位相検出信号がチャージポンプに入力されると、VCOの制御が一時的に変化し、第1クロックの周波数が入力データの周波数と異なることを示す同期外れ(非ロック)エラーが発生する。
さらに、上記のCDR回路は、正常なロック状態では、第1クロックの一方の変化エッジ(ここでは立下りエッジとする)が、入力データの変化エッジに一致するように制御される。しかし、上記のCDR回路は、第1クロックの他方の変化エッジ(立上りエッジ)が入力データの変化エッジに一致する場合にも、周波数位相信号がゼロになる準安定状態を有しており、同期外れエラーが発生するとこの準安定状態になる場合が起こり得る。
特開平11−355111号公報 特開2010−141594号公報 特開平6−216765号公報 特開2002−135093号公報
Ansgar Pottbacker, et al., "A Si Bipolar Phase and Frequency Detector IC for Clock Extraction up to 8 Gb/s", IEEE Journal of Solid-State Circuits, Vol. 27, No. 12, December 1992
ロック状態でも、ジッタの大きい信号受信時にも同期外れにならない同期エラーフリーの信号再生(CDR)回路が望まれる。
第1の態様の信号再生回路は、発振器と、フィードバック回路と、を有する。発振器は、周波数が可変の第1クロックおよび第1クロックと周波数が同じで位相の異なる第2クロックを発生する。フィードバック回路は、入力データと第1クロックの位相関係および周波数関係に応じて、入力データと第1クロックが同期するように発振器を制御する。フィードバック回路は、制御部と、第1位相検出回路と、第2位相検出回路と、周波数位相検出回路と、状態検出回路と、セレクタと、を有する。制御部は、入力データと第1クロックの位相関係に応じて発振器を制御する。第1位相検出回路は、入力データと第1クロックの位相関係に応じてクロック位相制御信号を生成する。第2位相検出回路は、入力データと第2クロックの位相関係に応じてクロック位相検出信号を生成する。周波数位相検出回路は、クロック位相制御信号とクロック位相検出信号を比較し、入力データと第1クロックの周波数関係を示す周波数位相信号を生成する。状態検出回路は、クロック位相検出信号または周波数位相信号を利用し、入力データと第1クロックの立下りエッジが同期する正常ロック状態と、入力データと第1クロックの立上りエッジが同期する逆相ロック状態と、周波数が異なる周波数差状態と、を検出する。セレクタは、周波数位相信号を、周波数差状態において前記制御部へ供給し、正常ロック状態および逆相ロック状態において制御部へ供給しないように切り替える。
第2の態様の信号再生方法は、受信した入力データからクロックを再生する。第2の態様の信号再生方法によれば、周波数が可変の第1クロックおよび第1クロックと周波数が同じで位相の異なる第2クロックを発生する。入力データと第1クロックの位相関係に応じてクロック位相制御信号を生成し、入力データと第2クロックの位相関係に応じてクロック位相検出信号を生成する。クロック位相制御信号とクロック位相検出信号を比較し、入力データと第1クロックの周波数関係を示す周波数位相信号を生成する。クロック位相検出信号または周波数位相信号を利用し、入力データと第1クロックの立下りエッジが同期する正常ロック状態と、入力データと第1クロックの立上りエッジが同期する逆相ロック状態と、周波数が異なる周波数差状態と、を検出する。クロック位相制御信号に応じて、入力データと第1クロックが同期するように第1クロックの周波数を制御するフィードバック制御を行い、周波数差状態において周波数位相信号をクロック位相制御信号と共にフィードバック制御に利用する。正常ロック状態および逆相ロック状態において、クロック位相制御信号のみでフィードバック制御を行う。
実施形態の信号再生回路は、ロック状態では、ジッタの大きい信号受信時にも同期外れにならない。
図1は、入力データとクロックとの位相差を検出する位相検出回路を利用するCDR回路を示す図であり、(A)がブロック図を示し、(B)が入力データ、クロックおよび出力データの関係を示す。 図2は、位相検出回路(PD)の回路例およびCDR回路における動作を示すタイムチャートであり、(A)がPDの回路例を、(B)がタイムチャートを示す。 図3は、PFD回路を利用するCDR回路を示す図であり、(A)がブロック図を示し、(B)がPFD回路の構成を示すブロック図である。 図4は、図3の(B)のPFDの各部の動作を示すタイムチャートであり、(A)が入力データと第1クロックの周波数が異なる状態の波形を、(B)が周波数および位相が一致した正常なロック状態の波形を示す。 図5は、特許文献1の図8に記載されたCDR(位相同期ループ回路)を含むPLL−ICのブロック図である。 図6は、入力データのジッタが小さい場合と大きい場合のCDR回路の動作のタイムチャートであり、(A)はジッタが小さい通常動作時を、(B)はジッタが大きいエラー発生時を示す。 図7は、入力データのジッタが小さい場合と大きい場合のCDR回路の動作を複数UIに渡って示すタイムチャートであり、(A)はジッタが小さい通常動作時を、(B)はジッタが大きいエラー発生時を示す。 図8は、第1クロックの立下りまたは立上りエッジが入力データの変化エッジに同期した場合のCDR回路の動作を複数UIに渡って示すタイムチャートであり、(A)は立下りに、(B)は立上りに同期した場合を示す。 図9は、第1実施形態の信号再生(CDR)回路の構成を示すブロック図である。 図10は、第1実施形態のCDR回路の起動時の動作を示す図である。 図11は、第1実施形態のCDR回路の動作を示すタイムチャートであり、各状態におけるクロック位相検出信号を示す。 図12は、第1実施形態のCDR回路の動作を示すタイムチャートであり、周波数差(FD)状態における各部の信号の変化を示す。 図13は、第1実施形態のCDR回路における各部の信号変化を示すタイムチャートであり、(A)が正常ロック状態を、(B)が逆相ロック状態を示す。 図14は、第1実施形態のCDR回路のFDマスク回路の回路構成およびその動作を示す図であり、(A)が回路構成を、(B)から(D)が動作波形を示す。 図15は、第1実施形態におけるセレクタの回路例を示す図である。 図16は、第1実施形態におけるセレクタおよびチャージポンプ(CP)の変形例の回路図である。 図17は、第1実施形態のCDR回路の動作シミュレーションの結果を示す図である。 図18は、正常ロック時に大きなジッタが発生した場合の第1実施形態のCDR回路の動作シミュレーション結果を示す図である。 図19は、第2実施形態のCDR回路を示す図である。 図20は、第3実施形態のCDR回路を示す図であり、(A)が第1および第2位相検出回路、周波数位相検出回路、FDマスク回路、セレクタおよびCPの部分の構成を示す回路ブロック図であり、(B)が第1位相検出回路の回路例を示す。 図21は、実施形態のCDR回路を使用する光通信システムの構成を示す図である。
実施形態を説明する前に、一般的なクロック・データ・リカバリィ(CDR)回路について説明する。
図1は、入力データとクロックとの位相差を検出する位相検出回路(Phase Detector: PD)を利用するCDR回路を示す図であり、(A)がブロック図を示し、(B)が入力データ、クロックおよび出力データの関係を示す。
図1の(A)に示すように、CDR回路10は、電圧制御発振器(Voltage Control Oscillator: VCO)11と、位相検出回路(PD)12と、チャージポンプ(CP)13と、ループフィルタ14と、を有する。VCO11は、周波数が可変であれば電圧制御に限定されるものではないが、VCOが広く使用されているので、以下のVCOを使用する例を説明する。VCO11は、クロックCLK−Iを発生し、制御電圧を変化させることによりクロックCLK−Iの周波数が変化する。PD12は、入力データDataとクロックCLK−Iの位相差(クロック位相制御信号)PDIを検出する。後述するように、ここでは、PD12は、ラッチ回路の機能を有し、位相差PDIを検出すると共に、入力データDataをクロックCLK−Iの変化エッジに同期して取り込み、受信データData outとして出力する。CP13は、位相差PDIに従いループフィルタ14に対する電流の足し引きを行い、ループフィルタ14は、位相差PDIに対応する制御電圧を生成する。言い換えれば、CP13およびループフィルタ14は、VCO11の制御部を形成する。VCO11は、制御電圧に応じて発振周波数を変化させる。
以上の構成により、VCO11の発振周波数(クロックCLK−Iの周波数)を変化させるフィードバック回路が形成される。このフィードバック回路により、入力データDataとクロックCLK−Iの周波数が一致し、クロックCLK−Iの変化エッジ(立下りエッジ)が入力データDataの変化エッジに一致するように、すなわち位相が一致するように制御される。
入力データDataおよびクロックCLK−Iの周波数および位相一致した状態では、クロックCLK−Iの立上りエッジは、入力データDataが変化エッジの中間の位相、すなわちDataが安定した状態に一致する。そこで、クロックCLK−Iの立上りエッジに同期して入力データDataを取り込み、正しい受信データData outを出力する。
図1の(B)に示すように、入力データDataおよびクロックCLK−Iの周波数および位相一致した状態でも、入力データDataの信号経路の影響で、入力データDataは、クロックCLK−Iに対して位相が変動するジッタを有する。ジッタがある状態でも、クロックCLK−Iの立上りエッジは、入力データDataが変化エッジの中間の位相の安定した状態に一致するので、正しい受信データData outを取り込み、位相の安定した受信データData outを出力できる。
図2は、位相検出回路(PD)の回路例およびCDR回路における動作を示すタイムチャートであり、(A)がPDの回路例を、(B)がタイムチャートを示す。
図2の(A)に示すように、位相検出回路(PD)は、D型(D−type)フリップフロップ(FF)で形成され、ここでは、入力データDataがD−FFのクロック端子に、クロックCLK−IがD−FFのデータ端子に入力される。このD−FFは、入力データDataが変化した時のクロックCLK−Iの値をラッチして位相差PDIとして出力する。ここでは、入力データDataがD−FFのクロック端子に、クロックCLK−IがD−FFのデータ端子に入力される例を示すが、クロックCLK−IがD−FFのクロック端子に、入力データDataがD−FFのデータ端子に入力される構成も可能である。さらに、入力データDataおよびクロックCLK−Iを単相信号として図示するが、数GHz以上の高速信号については、差動回路で実現されることが望ましい。したがって、図2の(A)のD−FFは、入力データDataの立上りエッジのみでなく、立下りエッジでもクロックCLK−Iをラッチするものとし、これは、以下の説明および他の信号についても同様とする。ただし、実施形態はこれに限定されるものではなく、単相信号でも動作可能である。差動信号の場合には、2個のラッチ回路を使用して反転した入力データDataおよびクロックCLK−Iを入力することにより立上りおよび立下りの両方のエッジでの変化を検出するようにする。
図2の(B)のタイムチャートでは、CLK−IがDataに対して位相遅れの場合を左側に、位相進みの場合を中央に、位相が最適(位相一致)の場合を右側に、それぞれ示す。
CLK−IがDataに対して位相遅れの場合、Dataの変化エッジでは、CLK−Iは高(High: H)レベルであり、位相差PDIはHレベルになる。これに応じて、VCO11は、発振周波数を増加させる方向に制御される。
CLK−IがDataに対して位相進みの場合、Dataの変化エッジでは、CLK−Iは低(Low: L)レベルであり、位相差PDIはLレベルになる。これに応じて、VCO11は、発振周波数を減少させる方向に制御される。
CLK−IのDataに対する位相が最適の場合、Dataの変化エッジでは、CLK−IはLまたはHと判定されるが、その後逆の判定になるようにVCO11が制御され、このような制御が繰り返されるため、LまたはHと判定される確率が等しくなる。これにより、PDIは、LとHの間で変化し、ループフィルタ14の出力する制御電圧は、LとHの中間レベルになる。図2の(A)では、説明の都合上、PDIとして、LまたはHに交互に変化する波形ではなく、ループフィルタ14で平均化された中間レベルで示している。
図1の(A)に示したCDR回路は、クロック再生が可能な周波数範囲が狭いという課題があった。そこで、入力データとクロックとの位相差に加えて入力データとクロックとの周波数関係を検出する位相周波数検出(Phase Frequency Detector: PFD)回路を利用するCDR回路が用いられる。
図3は、PFD回路を利用するCDR回路を示す図であり、(A)がブロック図を示し、(B)がPFD回路の構成を示すブロック図である。
図3の(A)に示すように、CDR回路20は、VCO21と、位相周波数検出回路(PFD)22と、CP23と、ループフィルタ24と、を有する。VCO21は、第1クロックCLK−Iに加えて、CLK−Iと同じ周波数で位相の異なる第2クロックCLK−Qを出力する。例えば、CLK−Qは、CLK−Iに対して90度位相が進んでいる。PFD22は、入力データDataとクロックCLK−Iの位相差PDIおよび周波数情報PDIを検出する。
図3の(B)に示すように、PFD22は、第1位相検出回路31と、第2位相検出回路32と、周波数位相検出回路33と、を有する。第1位相検出回路31、第2位相検出回路32および周波数位相検出回路33は、例えば、非特許文献1に記載されたものが使用できる。非特許文献1は、2個のサンプルホールド回路(ラッチ回路)およびマルチプレクサで形成される差動型の第1位相検出回路および第2位相検出回路を記載している。また、非特許文献1は、2個のラッチ回路および変形マルチプレクサで形成される差動型の周波数位相検出回路を記載している。
第1位相検出回路31は、入力データDataの変化エッジでラッチした第1クロックCLK−Iの値を合成してクロック位相制御信号PDIとして出力する。クロック位相制御信号PDIは、Dataの変化エッジに対してCLK−Iの変化エッジが進んでいるか、遅れているかを示す。第2位相検出回路32は、Dataの変化エッジでラッチした第2クロックCLK−Qの値を合成してクロック位相検出信号PDQとして出力する。クロック位相検出信号PDQは、Dataの変化エッジに対してCLK−Qの変化エッジが進んでいるか、遅れているかを示す。
周波数位相検出回路33は、PDIの変化エッジの方向およびPDIの変化エッジでラッチしたPDQの値から、CLK−Iの周波数がDataの周波数に対して小さいかまたは大きいかを示す周波数位相信号FDOを生成する。FDOは、CLK−Iの周波数がDataの周波数に対して小さい時に+1、大きい時に−1、同じ時に0を示す。クロック位相制御信号PDIおよび周波数位相信号FDOは、チャージポンプ23に供給される。これにより、VCO21の制御は、クロック位相制御信号PDIおよび周波数位相信号FDOに基づいて行われる。
図4は、図3の(B)のPFDの各部の動作を示すタイムチャートであり、(A)が入力データDataと第1クロックCLK−Iの周波数が異なる状態の波形を、(B)が周波数および位相が一致した正常なロック状態の波形を示す。
図4の(A)に示すように、DataとCLK−Iの周波数が異なる状態では、クロック位相制御信号PDIおよびクロック位相検出信号PDQの両方が変化し、周波数位相信号FDOも変化する。図4の(A)は、CLK−Iの周波数がDataの周波数より小さい状態であり、図示のように、FDOは、0と+1の間でPDIと逆相で変化する。CLK−Iの周波数がDataの周波数より大きい状態の時には、FDOは0と−1の間で変化する。チャージポンプ23およびループフィルタ24により、PDIとFDOを1:1で合成したPDI+FDOが制御信号として生成される場合、PDI+FDOは、0と+1の間で変化し、VCO21の発振周波数を増加させる。なお、制御信号は、PDI+FDOに限定されず、合成の重み付けを異ならせる場合もある。
図4の(B)に示すように、DataとCLK−Iの周波数および位相が一致した状態では、クロック位相制御信号PDIは変化するが、クロック位相検出信号PDQは所定値(−1)に固定される。そのため、周波数位相信号FDOはゼロになる。したがって、PDI+FDOはPDIになり、VCO21の制御は、周波数位相信号FDOを使用せず、クロック位相制御信号PDIのみを使用する制御が行われる。
なお、上記のように、クロック位相制御信号PDIとクロック位相検出信号PDQの合成信号を使用せずに、チャージポンプに供給する信号を切り替えるセレクタを設けることが、特許文献1で提案されている。
図5は、特許文献1の図8に記載されたCDR(位相同期ループ回路)を含むPLL−ICのブロック図である。位相比較装置(I-channel)28A、位相比較装置(Q-channel)29Aおよび周波数比較装置31Aが、図3の(A)の第1位相検出回路31、第2位相検出回路32および周波数位相検出回路33に対応する。図5に示すように、位相比較装置28Aの出力と周波数位相検出回路33の出力を選択するセレクタ33Aが設けられる。切換信号生成回路32Aは、第2位相検出回路32の出力から、DataとCLK−Iの周波数が一致したかを検出し、セレクタ33Aの切換信号を出力する。セレクタ33Aは、DataとCLK−Iの周波数が一致していない時には周波数位相検出回路33の出力を、一致している時には位相比較装置28Aの出力を選択する。これにより、DataとCLK−Iの周波数が異なる時には周波数位相検出回路33の出力(図3のFDO)が、入力データとクロックの周波数が一致した時には位相比較装置28Aの出力(図3のPDI)がループフィルタ34Aに供給される。
図3におけるPDI+FDOと、図5においてセレクタで切り替えられる信号によるVCOの制御は実質的に類似しているので、以下、図3におけるPDI+FDOを利用して説明を行う。
上記のように、DataとCLK−Iの周波数および位相が一致した状態では、FDOはゼロになり、VCO21の制御は、実質的にクロック位相制御信号PDIに基づいてのみ行われる。しかし、DataとCLK−Iの周波数が一致していても、通信経路等の影響で受信した入力データDataのジッタが大きい場合、VCO21の制御に周波数位相信号FDOが影響する場合が起きり得る。周波数位相信号FDOが影響しない状況から影響する状況に変化すると、制御が大きく変動してロック状態から外れ、ロック状態に復帰するまでに時間が長くなる場合がある。
図6は、入力データDataのジッタが小さい場合と大きい場合のCDR回路の動作のタイムチャートであり、(A)はジッタが小さい通常動作時を、(B)はジッタが大きいエラー発生時を示す。
図6の(A)に示すように、通常ロック時には、Dataの変化エッジに、CLK−Iの立下りエッジが同期しており、PDIは、Dataの変化エッジに同期してHigh(+1)またはLow(−1)に変化する。PDIがDataの変化エッジに同期して変化しない場合も起こり得るが、変化しない状態が続くことは無い。図6では、HまたはLに変化することを示すために、PDIが頻繁に変化するように示しているが、実際の生じるPDIの変化は、Dataの変化エッジに対して多くても1回である。
第2クロックCLK−Qは、第1クロックCLK−Iと同じ周波数で、90度位相の進んだ信号であり、通常ロック時にはDataの変化エッジがCLK−Iの立下りエッジが同期しているため、Dataの変化エッジにおいてCLK−Qは常にLである。したがって、クロック位相検出信号PDQは常にLとなるから、周波数位相信号FDOは常にゼロ(0)になる。したがって、PDI+FDOは実質的にPDIであり、VCO21は、クロック位相制御信号PDIのみに応じて制御される。
図6の(B)に示すように、入力データDataのジッタが大きい場合、Dataの変化エッジは、CLK−Iの立下りエッジに対して変動する。この変動が最大でも±90度(±0.25UI)の範囲より小さければ、PDQはLの状態を維持するが、変動が±90度を超えると、PDQは、Hに変化した後Lに変化することが起きる。UIは、入力データDataおよびクロックの1周期(Unit Interval)である。図6の(B)では、HまたはLに変化することを示すために、PDQが頻繁に変化するように示しているが、実際の生じるPDQの変化は、Dataの変化エッジに対して多くても1回である。
PDQが変化すると、周波数位相信号FDOも増加(UP)または減少(DOWN)に変化することになり、その変化は、PDIの変化と逆であり、PDI+FDOがゼロになる場合が起こる。PDI+FDOがゼロになる場合は、断続的に発生するために、PDI+FDOは、PDIの変化中に断続的にゼロとなる期間が生じる。PDI+FDOがゼロになると、PDIに応じた位相調整が行われるべき状態で位相調整が行われなくなるため、異常位相で制御が停止し、エラーが発生する。
図7は、入力データDataのジッタが小さい場合と大きい場合のCDR回路の動作を複数UIに渡って示すタイムチャートであり、(A)はジッタが小さい通常動作時を、(B)はジッタが大きいエラー発生時を示す。図7の(A)および(B)において、入力データDataのクロス領域はDataのジッタの範囲を示す。
図7の(A)に示すように、ジッタが小さい通常動作時には、入力データDataの変化エッジに、第1クロックCLK−Iの立下りエッジが同期しており、クロック位相制御信号PDIは、Dataの変化エッジに同期してHまたはLに変化する。クロック位相検出信号PDQは常にLとなり、周波数位相信号FDOは常にゼロになる。したがって、PDI+FDOは実質的にPDIであり、VCO21は、クロック位相制御信号PDIのみに応じて制御される。
図7の(B)に示すように、ジッタが大きい場合、クロック位相制御信号PDIは、図7の(A)と同様に変化するが、クロック位相検出信号PDQは、Lの状態に固定されず、Xで示す部分のようにHとなる場合が発生する。そのため、Yで示す部分で、FDOは−1および+1となり、ゼロ以外の値になる。そのため、Zで示す部分で、PDI+FDOはゼロになる。このため、Zで示す部分で、CLK−IをDataの変化エッジに追従させる制御信号がVCO21に印加されず、異常位相で制御が停止し、エラーが発生する。
以上の通り、図3のCDR回路は、ジッタによる変動が±90度、すなわち0.5UI(unit interval)を超えるようなジッタを有する入力データDataを受信できない。
さらに、Dataのジッタが大きく、周波数位相検出回路33が誤ったFDOを出力すると、PDI+FDOがゼロとなり、ロックが外れるので、CLK−Iの立上りエッジがDataの変化エッジに同期する逆相の準安定状態でロックすることが起こり得る。
図8は、第1クロックCLK−Iの立下りまたは立上りエッジが入力データDataの変化エッジに同期した場合のCDR回路の動作を複数UIに渡って示すタイムチャートであり、(A)は立下りに、(B)は立上りに同期した場合を示す。
図8の(A)は、図7の(A)の場合と同じタイムチャートであり、説明は省略する。
図8の(B)に示すように、CLK−Iの立上りエッジがDataの変化エッジに同期する場合、PDIは、HとLの間で変化するが、PDQは、LでなくHの状態に固定される。そのため、FDOは、PDIが逆相で変化し、PDI+FDOはゼロになり、VCO21のフィードバック制御は、逆相の準安定状態でロックする。この準安定状態では、CLK−Iの立上りエッジがDataの変化エッジの位相差は、徐々に一方に変化し、PDQはいずれLに変化し、準安定状態から外れる。そして、再び正常なロック状態になるようにフィードバック制御が行われるが、正常なロック状態になるまで長い時間を要する。
以下に説明する実施形態では、ロック状態では、ジッタの大きい信号受信時にも同期外れにならない同期エラーフリーで、逆相の準安定状態でロックすることのない信号再生(CDR)回路が実現される。
図9は、第1実施形態の信号再生(Clock Data Recovery : CDR)回路の構成を示すブロック図である。
第1実施形態のCDR回路40は、電圧制御発振器(VCO)41と、第1位相検出回路42と、第2位相検出回路43と、周波数位相検出回路44と、FDマスク回路45と、セレクタ46と、チャージポンプ(CP)47と、ループフィルタ48と、を有する。VCO41、第1位相検出回路42、第2位相検出回路43、周波数位相検出回路44、CP47およびループフィルタ48は、図3の対応する要素と同じものが利用可能であるが、それに限定されるものではない。
VCO41は、第1クロックCLK−IおよびCLK−Iと同じ周波数で位相の異なる第2クロックCLK−Qを発生し、制御電圧を変化させることによりCLK−IおよびCLK−Qの周波数を変化させる。CLK−Qは、CLK−Iに対して90度位相が進んでいる。
第1位相検出回路42は、入力データDataの変化エッジでラッチした第1クロックCLK−Iの値を合成してクロック位相制御信号PDIとして出力する。クロック位相制御信号PDIは、Dataの変化エッジに対してCLK−Iの変化エッジが進んでいるか、遅れているかを示す。第2位相検出回路43は、Dataの変化エッジでラッチした第2クロックCLK−Qの値を合成してクロック位相検出信号PDQとして出力する。クロック位相検出信号PDQは、Dataの変化エッジに対してCLK−Qの変化エッジが進んでいるか、遅れているかを示す。周波数位相検出回路44は、PDIの変化エッジの方向およびPDIの変化エッジでラッチしたPDQの値から、CLK−Iの周波数がDataの周波数に対して小さいかまたは大きいかを示す周波数位相信号FDOを生成する。FDOは、CLK−Iの周波数がDataの周波数に対して小さい時に+1、大きい時に−1、同じ時に0を示す。第1位相検出回路42、第2位相検出回路43および周波数位相検出回路44は、例えば、非特許文献1に記載された差動型の回路で実現される。
FDマスク回路45は、クロック位相検出信号PDQを利用し、正常ロック状態、逆相ロック状態および周波数差(FD)状態の何れの状態であるか検出する。正常ロック状態は、入力データDataと第1クロックCLK−Iの周波数が一致し、CLK−Iの立下りエッジがDataの変化エッジに同期する状態である。逆相ロック状態は、DataとCLK−Iの周波数が一致し、CLK−Iの立上りエッジがDataの変化エッジに同期する状態である。周波数差状態は、DataとCLK−Iの周波数が異なる状態である。FDマスク回路45は、このような状態を検出するので、ここでは状態検出回路とも称する。FDマスク回路45は、正常ロック状態および逆相ロック状態の時には遮断を指示し、周波数差状態の時には接続を指示する選択信号FD−SELを出力する。
セレクタ46は、FDマスク回路45の出力する選択信号FD−SELに応じて、周波数位相検出回路44が出力する周波数位相信号FDOを、CP47に供給するか否かを切り替える。具体的には、周波数差(FD)状態においてはFDOをCP47に供給し、正常ロック状態および逆相ロック状態においては、FDOをCP47に供給しないように切り替える。ここでは、セレクタ46からCP47に供給される信号を、FD−cntで表す。したがって、FD−cntは、周波数差状態においてはFDOであり、正常ロック状態および逆相ロック状態では、CP47に影響しない固定値(例えば0)である。
CP47は、周波数差状態においてはPDIおよびFDOに従いループフィルタ48に対する電流の足し引きを行い、正常ロック状態および逆相ロック状態においては、PDIに従いループフィルタ48に対する電流の足し引きを行う。ループフィルタ48は、電流の足し引きにより制御電圧を生成し、VCO41に供給する。
以上の構成により、入力データDataの周波数に第1クロックCLK−Iの周波数が一致し、Dataの変化エッジにCLK−Iの立下りエッジが同期するフィードバック制御系が形成される。すなわち、第1位相検出回路42、第2位相検出回路43、周波数位相検出回路44、FDマスク回路45、セレクタ46、CP47およびループフィルタ48は、VCO41を制御するフィードバック制御回路を形成する。さらに、第1位相検出回路42、第2位相検出回路43および周波数位相検出回路44は、DataとCLK−Iの位相関係および周波数関係を検出する位相周波数検出器(Phase Frequency Detector: PFD)を形成する。
図10は、第1実施形態のCDR回路40の起動時の動作を示す図である。
図10において、VCO41の発振周波数(CLK−Iの周波数)の変化を上側に、FD−SELの変化を下側に示す。
CDR回路40が起動すると、VCO41の発振周波数は、フィードバック制御により自走周波数から単調に増加する。この間、FD−SELは、FDOがFD−cntとして供給されるゲート・オン(Gate ON)を示す。VCO41の発振周波数が、Dataの周波数であるロック周波数の前後の所定範囲(PDIのトラッキング範囲)にまで増加し、それをFDマスク回路45が検出すると、FD−SELは正常ロックを示す値に変化する。正常ロック時には、FD−SELは、FD−cntとしてFDOを供給しないゲート・オフ(Gate OFF)に変化する。これにより、VCO41の制御電圧はPDIのみで制御される。自走周波数からPDIのトラッキング範囲までのVCO41の発振周波数の変化範囲が周波数差(FD)動作による周波数引込範囲である。PFDを使用することにより、PDを使用する場合に比べて、周波数引込範囲を大きくできる。正常ロック状態では、VCO41の発振周波数は、フィードバック制御により、ロック周波数に一致するように、増減を繰り返す。
図11は、第1実施形態のCDR回路40の動作を示すタイムチャートであり、各状態におけるPDQを示す。
図11に示すように、クロック位相検出信号PDQは、正常ロック状態ではLに固定され、周波数差(FD)状態ではHとLに交番で変化し、逆相ロック状態ではHとなる状態がある程度長く続く。このように、PDQは、正常ロック状態、FD状態、逆相ロック状態を示す信号である。
図3のCDR回路は、正常ロック状態で、入力データDataと第1クロックCLK−Iの周波数が一致している場合でも、Dataのジッタが大きいと、FD状態となり、ロックが外れ、その後再び正常ロック状態に収束する動作を行う。このようなロック外れを防止するには、正常ロック状態の時には、ジッタによりPDQが一時的にLでなくなってもすぐにFD状態と判定せず、FDOのCP47への供給停止を維持する。
さらに、上記のように、PDQにより逆相ロック状態であることが検出できるので、逆相ロック状態の時にはFDOのCP47への供給停止を維持することにより、準安定状態にロックするのを防止する。
図12は、第1実施形態のCDR回路40の動作を示すタイムチャートであり、周波数差(FD)状態におけるPDI、PDQ、FD−SEL、PD−cntおよびPDI+FDOの変化を示す。
CLK−IおよびCLK−Qの周波数はDataの周波数と異なる(小さい)ため、位相関係、すなわちDataの変化エッジにおけるCLK−IおよびCLK−Qの位相が徐々に変化する。そのため、PDIおよびPDQは、図12に示すように、複数UIごとに交番でHとLに変化する。PDQが変化するため、FDマスク回路45は、FD状態と判定し、FD−SELをオン(ON)にする。これにより、セレクタ46がゲート・オンし、FDOがFD−cntとしてCP47に供給される。この時のFDOは、図12においてFD−cntとして示される波形と同じ信号であり、UPとゼロに交互に変化する。したがって、CP47に供給されるPDI+FDOは、図示のように、ゼロとUPに交互に変化し、VCO41は、発振周波数を増加するように制御される。
図13は、第1実施形態のCDR回路40におけるPDI、PDQ、FD−SEL、PD−cntおよびPDI+FDOの変化を示すタイムチャートであり、(A)が正常ロック状態を、(B)が逆相ロック状態を示す。
正常ロック状態では、図13の(A)に示すように、CLK−IおよびCLK−Qの周波数はDataの周波数と同じであり、CLK−Iの立下りエッジがDataの変化エッジに追従するようにフィードバック制御される。そのため、PDIは、1回または複数回(2回)のDataの変化エッジごとに交番でHとLに変化する。これに対して、CLK−Qは、Dataの変化エッジでは常にLであり、PDQはLに固定されるため、FDマスク回路45は、正常ロック状態と判定し、FD−SELをオフ(OFF)にする。これにより、セレクタ46がゲート・オフし、FD−cntはゼロとなり、FDOはCP47に供給されない。したがって、CP47に供給されるPDI+FDOは、PDIと同じになり、VCO41は、CLK−Iの立下りエッジがDataの変化エッジに追従するように、発振周波数の増加と減少を繰り返す。
逆相ロック状態では、図13の(B)に示すように、CLK−IおよびCLK−Qの周波数はDataの周波数と同じであり、CLK−Iの立上りエッジがDataの変化エッジに同期している。そのため、PDIは、1回または複数回(2回)のDataの変化エッジごとに交番でHとLに変化する。これに対して、CLK−Qは、Dataの変化エッジでは常にHであり、PDQはHに固定されるため、FDマスク回路45は、逆相ロック状態と判定し、FD−SELをオフ(OFF)にする。これにより、セレクタ46がゲート・オフし、FD−cntはゼロとなり、FDOはCP47に供給されない。したがって、CP47に供給されるPDI+FDOは、PDIと同じになる。逆相ロック状態ではCLK−Iの立上りエッジがDataの変化エッジに同期しているが、CLK−Iの立下りエッジがDataの変化エッジに同期するのが正常ロック状態である。そのため、VCO41は、発振周波数の増加と減少を繰り返し、CLK−Iの立下りエッジがDataの変化エッジに追従するまで位相を変化させるように制御される。
図14は、第1実施形態のCDR回路40のFDマスク回路45の回路構成およびその動作を示す図であり、(A)が回路構成を、(B)から(D)が動作波形を示す。
図14の(A)に示すように、FDマスク回路45は、ローパスフィルタ51と、コンパレータ52および53と、ANDゲート54と、を有する。ローパスフィルタ51は、抵抗Rおよび容量素子Cを有する公知の回路で、入力するPDQから高周波成分を除去し、PDQ−filを出力する。ローパスフィルタ51の透過帯域は、CDR回路40のジッタ透過帯域以下にすることが望ましく、それにより、Dataのジッタによるゆれの発生を防止できる。コンパレータ52は、PDQ−filを第1閾値Vth1と比較し、大きければH(High)を、小さければL(Low)を、PDQF1として出力する。コンパレータ53は、PDQ−filを第2閾値Vth2と比較し、大きければLを、小さければHを、PDQF2として出力する。ANDゲート54は、PDQF1とPDQF2の論理積を演算し、FD−SELとして出力する。したがって、PDQから高周波成分を除去したPDQ−filが、Vth1より大きく、Vth2より小さい範囲内であれば、FD−SELがH(オン)となり、範囲外であればL(オフ)となる。
図14の(B)から(D)は、FDマスク回路45の各部の動作波形を示し、(B)が正常ロック状態を、(C)がFD状態を、(D)が逆相ロック状態を、示す。図14の(B)に示すように、正常ロック状態では、PDQはL(0)に固定されるため、PDQ−filもL(0)であり、PDQF1はL(0)に、PDQF2はH(1)になり、FD−SELはL(OFF)となる。図14の(C)に示すように、FD状態では、PDQはH(1)とL(0)に交番に変化し、HとLの比率はほぼ等しいので、PDQ−filは平均化されて0.5を中心として小さな振幅、すなわちVth1より大きく、Vth2より小さい範囲で変化を繰り返す。そのため、PDQF1およびPDQF2はH(1)になり、FD−SELはH(ON)となる。図14の(D)に示すように、逆相ロック状態では、PDQはH(1)に固定されるため、PDQ−filもH(1)であり、PDQF1はH(1)に、PDQF2はL(0)になり、FD−SELはL(OFF)となる。
以上の通り、図14の(A)のFDマスク回路45は、FD状態の時にFD−SEL=H(ON)を出力し、それ以外の正常ロック状態および逆相ロック状態の時にFD−SEL=L(OFF)を出力する。
第1実施形態におけるチャージポンプ(CP)47は、公知の2入力型の差動対を有するチャージポンプ回路で実現できる。ただし、CP47には、FDOをCP47へ入力するか否かを切り替えてもCP47の出力が変動しないことが求められる。そこで、ロック状態ではFDOとしてゼロが出力され、差動対のFDO入力用の部分が変化しないようにする。
図15は、第1実施形態におけるセレクタ46の回路例を示す図である。
第1実施形態におけるセレクタ46は、FDOを通過させるか否かを切り替えるスイッチで実現できる。ただし、単にスイッチを遮断するだけでは、セレクタ46の出力FD−cntがフローティングになり、それがCP47に入力されることは望ましくない場合もある。そこで、図15に示すような、FD動作時にはFDOを通過させ、正常ロック時および逆相ロック時には、CP47が動作するのに最適なバイアス値FD−biasを出力するセレクタ回路を用いることが望ましい。
図15のセレクタ回路は、トランスファーゲート(TG)61および62と、FD−biasを出力するバイアス源(FDbias)63と、インバータ64とを有する。FD−SELがONの時、TG61は通過状態となりFDOを通過させ、TG62は遮断状態になり、FD−cntとしてFDOが出力される。FD−SELがOFFの時、TG61は遮断状態となり、TG62は通過状態となりFD−biasを通過させ、FD−cntとしてFD−biasが出力される。
セレクタ46は、CP47と一体に設けることも可能である。
図16は、第1実施形態におけるセレクタ46およびチャージポンプ(CP)47の変形例の回路図である。
図16は、2入力チャージポンプ(CP)において、一方の入力をPDI入力用とし、他方の入力をFDO入力用とし、各入力の電流源を形成するNMOSのゲートにnbias_PDおよびnbias_FDを印加し、寄与する電流比を設定可能にしている。差動対の各負荷は、並列に接続した2個のPMOSで形成され、PMOSのゲートにpbias_PDおよびpbias_FDを印加し、負荷を変更可能にしている。このCPは、さらに、セレクタ46に相当するスイッチ回路55および56を有する。スイッチ回路55は、FDO入力用の電流源を形成するNMOSのゲートと低側基準電源間に接続され、ゲートにFD−SELが印加されるスイッチNMOSを有する。このスイッチNMOSは、FD−SELがOFF(L)の時にはオフし、差動対のFDO入力は通常通り動作するが、FD−SELがON(H)の時にはオンし、FDO入力の電流源をオフして差動対のFDO入力が動作しないようにする。また、スイッチ回路56は、pbias_FDがゲートに印加される負荷用PMOSのゲートと高側基準電源間に接続され、ゲートにインバータで反転したFD−SELが印加されるスイッチPMOSを有する。このスイッチPMOSは、FD−SELがOFF(L)の時にはオフし、pbias_FDがゲートに印加されるPMOSは負荷として動作する。しかし、このスイッチPMOSは、FD−SELがON(H)の時にはオンし、pbias_FDがゲートに印加されるPMOSをオフして負荷として動作しないようにする。
図16のセレクタ46およびチャージポンプ(CP)47を使用することにより、FD−SELによりセレクタ46(スイッチ65および66)を切り替えてもチャージポンプの出力CP outが連続的に変化するようにできる。
図17は、第1実施形態のCDR回路40の動作シミュレーションの結果を示す図である。図17では、CDR回路40が起動し、正常ロック状態になりその状態を保持する場合のVCO41の制御信号VCO cnf、PDQ、PDQ−fil、FDO、FD−SELおよびFD−cntの動作波形が示される。
CDR回路40の起動後、VCO41は、発振周波数を自走周波数から増加させる。これに応じて、PDQ、FDOが変化し、PDQ−filはゼロから増加するがVth1より小さいため、FD−SELはOFFであり、FD−cntはゼロである。PDQ−filがVth1を超えると、FD−SELがONに変化し、FD−cntはFDOを出力するので、VCO41の制御電圧は、PDI+FDOに基づいて生成される。
VCO41の発振周波数は、PDI+FDOに基づいた制御電圧により、入力データDataの周波数に近づき、これに応じてPDQはLに固定されるため、PDQ−filはLに向かって徐々に低下する。そして、PDQ−filがVth1より小さくなるとFD−SELがOFFに変化し、FD−cntはゼロになる。これにより、正常ロック状態になる。正常ロック状態中は、Dataにジッタがあっても、PDQ−filはLに固定されるため、FD−cntはゼロであり、FD誤検出によるエラー発生を防止できる。実際に試作し評価した結果によれば、第1実施形態のCDR回路40は、0.65UI以上のジッタでもエラー発生を防止できる。FD−cntによるCP47へのFDOの供給制御を行わない場合にエラー発生が防止できるジッタは、0.45UIであり、許容可能なジッタが大幅に改善する。このように、第1実施形態のCDR回路40は、0.5UI以上のジッタを有する入力データの受信も可能である。
図18は、正常ロック時に大きなジッタが発生した場合の第1実施形態のCDR回路の動作シミュレーション結果を示す図であり、上側にPDQおよびPDQ−filの変化を、下側にFDおよびFD−cntの変化を示す。上側において、点線はPDQの変化を、実線はPDQ−filの変化を示し、下側において、点線はFDの変化を、実線はFD−cntの変化を示す。
正常ロック状態に収束する時、PDQおよびPDQ−filは変化の振幅を徐々に減少させるが、FD−SELはONのままである。そのため、時折短パルス状に変化するFDがFD−cntとして出力される。PDQ−filの変化が所定範囲内に入ると、ロック状態と判定してFD−SELがOFFになる。一旦FD−SELがOFFになると、PDQが変動し、FDが短パルス状に変化しても、PDQ−filの変化は平均化されるので、所定範囲外にならず、FD−SELはONの状態を維持する。
例えば、図18に示すように、FD−SELがOFFの状態で、PDQおよびFDが大きく変化しても、PDQ−filの変化は比較的小さく、FD−SELはOFFの状態が維持され、正常ロック状態を外れない。これに対して、FD−SELによるFDのCP47への供給制御を行わない場合には、FDの短パルス状に変化、特に上記のような大きな変化に対して、FDがそのままCP47に供給されるため、位相外れが発生し、CDR回路40はロック状態から外れる。そして、再びロック状態になるようにフィードバック動作を行うことになり、大きなジッタによるFD変化とロック外れおよびロック状態への復帰という動作が頻繁に繰り返されるという悪循環が発生し、長時間の安定した受信動作が行えないという問題がある。第1実施形態のCDR回路40では、このような悪循環は発生せず、長時間の安定した受信動作が可能である。
第1実施形態のCDR回路40では、FDマスク回路45は、PDQを利用して正常ロック状態、FD状態および逆相ロック状態のいずれであるかを検出したが、FDOを利用して検出することも可能である。次に説明する第2実施形態は、FDマスク回路45がFDOを利用してFD−SELを生成する。
図19は、第2実施形態のCDR回路を示す図である。図19の(A)は、第1および第2位相検出回路、周波数位相検出回路、FDマスク回路、セレクタおよびCPの部分の構成を示す回路ブロック図である。図19の(B)はFDOの動作波形を示し、図19の(C)はFDマスク回路の回路図である。
第2実施形態のCDR回路は、図9の第1実施形態のCDR回路と類似の構成を有し、FDマスク回路の部分のみが異なり、他は第1実施形態と同じである。第2実施形態のFDマスク回路70は、周波数位相検出回路44の出力する周波数位相信号FDOを利用して、正常ロック状態、FD状態および逆相ロック状態のいずれであるかを検出し、選択信号FD−SELを生成する。
図19の(B)に示すように、FDOは、正常ロック状態ではゼロに固定され、FDOの平均を取るとゼロになる。また、FDOは、FD状態ではゼロと+1(UP)(低発振周波数時)またはゼロと−1(DOWN)(高発振周波数時)の間で交番に変化し、FDOの平均を取ると、+0.5または−0.5の付近になる。さらに、逆相ロック状態では、FDOは、+1(UP)と−1の間で交番に変化し、FDOの平均を取るとゼロになる。前述のように、正常ロック状態および逆相ロック状態では、FD−SELをOFFにしてFDOのCP47への供給を停止し、FD状態では、FD−SELをONにしてFDOのCP47への供給を行う。そこで、FD状態と、正常ロック状態および逆相ロック状態の何れかであるかを検出し、FD−SELを生成すればよい。上記のように、FDOの平均は、正常ロック状態および逆相ロック状態ではゼロであり、FD状態では+0.5または−0.5である。そこで、第2実施形態では、FDマスク回路70は、FDOの平均が±0.25の範囲内であれば正常ロック状態および逆相ロック状態と判定し、±0.25の範囲外であればFD状態と判定する。
第2実施形態のFDマスク回路70は、図19の(C)に示すように、ローパスフィルタ71と、コンパレータ72および73と、NORゲート74と、を有する。ローパスフィルタ71は、図14の(A)に示した第1実施形態のFDマスク回路45のローパスフィルタ51と同じであるが、入力がPDQからFDOに変更されている。コンパレータ72は、FDO−filを第3閾値Vth3(+0.25)と比較し、大きければH(High)を、小さければL(Low)を、PDQF3として出力する。コンパレータ73は、FDO−filを第4閾値Vth4(−0.25)と比較し、大きければLを、小さければHを、PDQF4として出力する。NORゲート64は、PDQF3とPDQF4の論理和を演算し、FD−SELとして出力する。したがって、FDOから高周波成分を除去したFDO−filが、Vth3(+0.25)より大きく、Vth4(−0.25)より小さい範囲内であれば、FD−SELがH(オン)となり、範囲外であればL(オフ)となる。言い換えれば、FDO−filが、Vth3(+0.25)とVth4(−0.25)の範囲内であれば、FD−SELがL(オフ)となり、範囲外であればH(オン)となる。
第2実施形態における他の動作および効果は第1実施形態と同じであり、説明を省略する。
第1および第2実施形態では、第1位相検出回路42および第2位相検出回路43として、入力データDataをトリガとする回路を使用したが、クロックをトリガとする回路を使用してもよい。次に説明する第3実施形態は、クロックをトリガとする位相検出回路を使用する。
図20は、第3実施形態のCDR回路を示す図であり、(A)が第1および第2位相検出回路、周波数位相検出回路、FDマスク回路、セレクタおよびCPの部分の構成を示す回路ブロック図であり、(B)が第1位相検出回路の回路例を示す。
第3実施形態のCDR回路は、図9の第1実施形態のCDR回路と類似の構成を有し、第1位相検出回路および第2位相検出回路の構成のみが異なり、他は第1実施形態と同じである。第1位相検出回路81は、第1クロックCLK−Iをトリガとして、CLK−Iの変化エッジに対する入力データDataの位相を検出する。第2位相検出回路82は、CLK−Iと同じ周波数を有し、位相が90度進んだ第2クロックCLK−Qをトリガとして、CLK−Qの変化エッジに対する入力データDataの位相を検出する。
図20の(B)に示すように、第1位相検出回路81は、インバータ83と、第1フリップフロップ(FF)84と、第2FF85と、マルチプレクサ(MUX)86と、を有する。インバータ83は、CLK−Iを反転して/CLK−Iを出力する。第1FF84は、Dataを入力とし、/CLK−IをトリガとするFFで、/CLK−Iの立上りエッジにおけるDataの値をラッチし、sample1として出力する。第2FF85は、Dataを入力とし、CLK−IをトリガとするFFで、CLK−Iの立上りエッジにおけるDataの値をラッチし、sample2として出力する。MUX86は、sample1およびsample2を合成し、クロック位相制御信号PDIを生成する。
第2位相検出回路82は、図20の(B)に示す構成を有するが、CLK−Iの代わりにCLK−Qが入力され、クロック位相検出信号PDQを出力することが異なる。
Data、CLK−IおよびCLK−Qが差動信号である場合には、図20の(B)の位相検出回路は、例えば、非特許文献1に記載された位相検出器PDのように実現される。
第3実施形態における他の動作および効果は第1および第2実施形態と同じであり、説明を省略する。
以上、第1から第3実施形態の信号再生(CDR)回路について説明したが、次に、実施形態のCDR回路を使用する装置について説明する。
図21は、実施形態のCDR回路を使用する光通信システムの構成を示す図である。
光通信システムは、送信信号を光信号に変換して出力する送信機100と、送信機100からの光信号を伝送する光ファイバ200と、光信号を受けて受信信号を再生する受信機300と、を有する。送信機100は、電子装置等から送信された送信信号を再生して光信号を生成する。また、送信機100は、光ファイバを介して受信した光信号を一旦電気信号に変換した後、再度光信号に変換して出力する中継装置でもよい。受信機300は、再生した受信信号を電気信号として電子装置等に出力する。また、受信機300は、受信信号を再度光信号に変換して出力する中継装置でもよい。
送信機100は、信号再生(CDR)回路101と、ドライバ(Driver)102と、レーザダイオード(LD)103と、を有する。信号再生(CDR)回路101は、受信したデータ信号からクロックを再生すると共に送信データ信号を再生する。ドライバ102は、送信データ信号に応じてLD103を駆動し、光信号を生成して光ファイバ200に出力する。
受信機300は、フォトダイオード(PD)301と、トランスインピーダンス増幅器(TIA)302と、信号再生(CDR)回路303と、を有する。PD301は、光ファイバ200から受信した光信号を電気的な受信データ信号に変換する。TIA302は、受信データ信号を増幅する。CDR回路303は、受信データ信号からクロックを再生すると共に受信データ信号を再生する。
実施形態の信号再生(CDR)回路は、図21の信号再生(CDR)回路101および303として使用される。
なお、実施形態の信号再生(CDR)回路は、光通信システムに利用可能なだけでなく、電子装置の内外で、クロックに同期して変調したデータ信号の送受信を行う回路で、データ信号からクロックを再生する場合には、どのような回路にも適用可能である。例えば、集積回路チップ内、チップ間(装置内、装置間)で信号を送受信する高速I/Oの分野等のビットレートの一層の高速化が望まれている分野で使用可能である。
以上、実施形態を説明したが、ここに記載したすべての例や条件は、発明および技術に適用する発明の概念の理解を助ける目的で記載されたものである。特に記載された例や条件は発明の範囲を制限することを意図するものではなく、明細書のそのような例の構成は発明の利点および欠点を示すものではない。発明の実施形態を詳細に記載したが、各種の変更、置き換え、変形が発明の精神および範囲を逸脱することなく行えることが理解されるべきである。
40 信号再生(CDR)回路
41 電圧制御発振器(VCO)
42 第1位相検出回路
43 第2位相検出回路
44 周波数位相検出回路
45 FDマスク回路
46 セレクタ
47 チャージポンプ(CP)
48 ループフィルタ

Claims (6)

  1. 周波数が可変の第1クロックおよび前記第1クロックと周波数が同じで位相の異なる第2クロックを発生する発振器と、
    入力データと前記第1クロックの位相関係および周波数関係に応じて、前記入力データと前記第1クロックが同期するように前記発振器を制御するフィードバック回路と、を有し、
    前記フィードバック回路は、
    前記入力データと前記第1クロックの位相関係に応じて前記発振器を制御する制御部と、
    前記入力データと前記第1クロックの位相関係に応じてクロック位相制御信号を生成する第1位相検出回路と、
    前記入力データと前記第2クロックの位相関係に応じてクロック位相検出信号を生成する第2位相検出回路と、
    前記クロック位相制御信号と前記クロック位相検出信号を比較し、前記入力データと前記第1クロックの周波数関係を示す周波数位相信号を生成する周波数位相検出回路と、
    前記クロック位相検出信号または前記周波数位相信号を利用し、前記入力データと前記第1クロックの立下りエッジが同期する正常ロック状態と、前記入力データと前記第1クロックの立上りエッジが同期する逆相ロック状態と、前記入力データと前記第1クロックの周波数が異なる周波数差状態と、を検出する状態検出回路と、
    前記周波数位相信号を、前記周波数差状態において前記制御部へ供給し、前記正常ロック状態および前記逆相ロック状態において前記制御部へ供給しないように切り替えるセレクタと、を有することを特徴とする信号再生回路。
  2. 前記第2クロックは、前記第1クロックに対して90度位相が異なる請求項1に記載の信号再生回路。
  3. 前記状態検出回路は、
    前記クロック位相検出信号から低周波成分を抽出するローパスフィルタと、
    前記ローパスフィルタの出力が、中間レベルを含む所定のレベル範囲内であるか検出する演算回路と、を有し、
    前記ローパスフィルタの出力が、前記所定のレベル範囲内である時に前記周波数差状態であると判定し、前記所定のレベル範囲外である時に前記正常ロック状態または前記逆相ロック状態であると判定する請求項1または2に記載の信号再生回路。
  4. 前記状態検出回路は、
    前記周波数位相信号から低周波成分を抽出するローパスフィルタと、
    前記ローパスフィルタの出力が、中間レベルを含む所定のレベル範囲外であるか検出する演算回路と、を有し、
    前記ローパスフィルタの出力が、前記所定のレベル範囲外である時に前記周波数差状態であると判定し、前記所定のレベル範囲内である時に前記正常ロック状態または前記逆相ロック状態であると判定する請求項1または2に記載の信号再生回路。
  5. 受信した入力データからクロックを再生し、再生したクロックにより前記入力データを取り込む信号再生回路を有する電子装置であって、
    前記信号再生回路は、
    周波数が可変の第1クロックおよび前記第1クロックと周波数が同じで位相の異なる第2クロックを発生する発振器と、
    入力データと前記第1クロックの位相関係および周波数関係に応じて、前記入力データと前記第1クロックが同期するように前記発振器を制御するフィードバック回路と、を有し、
    前記フィードバック回路は、
    前記入力データと前記第1クロックの位相関係および周波数関係に応じて前記発振器を制御する制御部と、
    前記入力データと前記第1クロックの位相関係に応じてクロック位相制御信号を生成する第1位相検出回路と、
    前記入力データと前記第2クロックの位相関係に応じてクロック位相検出信号を生成する第2位相検出回路と、
    前記クロック位相制御信号と前記クロック位相検出信号を比較し、前記入力データと前記第1クロックの周波数関係を示す周波数位相信号を生成する周波数位相検出回路と、
    前記クロック位相検出信号または前記周波数位相信号を利用し、前記入力データと前記第1クロックの立下りエッジが同期する正常ロック状態と、前記入力データと前記第1クロックの立上りエッジが同期する逆相ロック状態と、前記入力データと前記第1クロックの周波数が異なる周波数差状態と、を検出する状態検出回路と、
    前記周波数位相信号を、前記周波数差状態において前記制御部へ供給し、前記正常ロック状態および前記逆相ロック状態において前記制御部へ供給しないように切り替えるセレクタと、を有することを特徴とする電子装置。
  6. 受信した入力データからクロックを再生する信号再生方法であって、
    周波数が可変の第1クロックおよび前記第1クロックと周波数が同じで位相の異なる第2クロックを発生し、
    前記入力データと前記第1クロックの位相関係に応じてクロック位相制御信号を生成し、
    前記入力データと前記第2クロックの位相関係に応じてクロック位相検出信号を生成し、
    前記クロック位相制御信号と前記クロック位相検出信号を比較し、前記入力データと前記第1クロックの周波数関係を示す周波数位相信号を生成し、
    前記クロック位相検出信号または前記周波数位相信号を利用し、前記入力データと前記第1クロックの立下りエッジが同期する正常ロック状態と、前記入力データと前記第1クロックの立上りエッジが同期する逆相ロック状態と、前記入力データと前記第1クロックの周波数が異なる周波数差状態と、を検出し、
    前記クロック位相制御信号に応じて、前記入力データと前記第1クロックが同期するように前記第1クロックの周波数を制御するフィードバック制御を行い、前記周波数差状態において前記周波数位相信号を前記クロック位相制御信号と共に前記フィードバック制御に利用し、前記正常ロック状態および前記逆相ロック状態において前記クロック位相制御信号のみで前記フィードバック制御を行うことを特徴とする信号再生方法。
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