JP6471737B2 - 捩り振動低減装置 - Google Patents

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Description

この発明は、慣性質量体(転動体)の往復運動あるいは振子運動によって捩り振動を低減させる装置に関するものである。
この種の装置が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された装置は、捩り振動を受ける円板状の回転体を備え、その回転体の円周方向に延びる転動室が回転体に形成され、その転動室内に転動体が配置されている。その転動体は、回転体の板厚より長い支持軸(軸部とも記す)の軸線方向での両端部に、その支持軸の外径より大きい外径の円板部(大径部とも記す)を設けて構成されており、その断面形状が「H」形を成している。また、特許文献1に記載された装置では、回転体がトルクを受けて回転すると、転動室の転動面に転動体が遠心力によって押し付けられる。そして、トルク変動が生じた場合には、その転動体が転動面に沿って円周方向に往復動することにより振動が低減される。この特許文献1に記載された装置では、回転体が複数の分割体によって構成されている。これらの分割体は、分割面が転動室を横切るように回転体を分割した構成であり、したがって各分割体の分割面に転動室が開口している。すなわち、特許文献1に記載された装置では、二つの分割体を組み合わせることによって転動室が形成されている。そのため、断面H形に構成された転動体を、分割体に形成された転動室の一部に挿入した状態で、前記分割体に他の分割体を連結することにより、断面H形の転動体を転動室に収容することができる。
特開2014−219031号公報
特許文献1に記載された装置では、転動室の開口幅(転動室の曲率半径方向に測った寸法)が転動体における大径部の直径より小さいとしても、互いに組み付ける前のいずれかの分割体における転動室に、その分割面での開口端から軸部を挿入し、その後、各分割体同士を組み付けることにより、それらの分割体同士で構成される回転体における転動室の内部に転動体を収容することができる。しかしながら、特許文献1に記載された装置では、回転体が複数の分割体から構成されているため、部品点数が増大し、またその分割体同士を組み付ける作業が必要となることにより捩り振動低減装置を製造するための工数が増大してしまう。また、このように回転体が分割体から構成されていることを要因として回転体の強度が低下し、あるいは、組み付け精度が低下するおそれがある。分割体の組み付け精度が低下すると、例えば、転動体の往復運動(振子運動)の軌跡が設計上想定した通りにならず、あるいは複数設けられている転動体ごとに往復運動(振子運動)の軌跡が異なってしまうなど、制振性能が設計上想定した性能にならない可能性がある。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであって、製造コストの増大や精度の低下などを招来することなく、転動体を回転体に容易に組み付けることが可能な捩り振動低減装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、この発明は、円板状の回転体と、前記回転体に円周方向に並んで形成されかつ円周方向に長い複数の転動室と、前記転動室の長さ方向に対して直交する方向に測った長さである開口幅より小さい直径の軸部および前記軸部の軸線方向での両端部に形成されかつ前記転動室の前記開口幅より大きい直径の大径部を有し前記軸部を前記転動室に挿入した状態で前記回転体に保持された複数の転動体と、複数の前記転動体を前記回転体の円周方向に所定の間隔を維持するように連結しかつ前記転動体の前記転動室内での移動に伴って前記回転体に対して相対回転する連結部材とを備え、前記回転体に作用するトルクが変動することにより前記転動体が前記転動室の内部を前記転動室に沿って往復動し、前記転動体の往復動によって前記トルクの変動を低減するように構成された捩り振動低減装置において、前記転動体における前記大径部を挿入可能な挿通孔が前記転動室につながった状態で前記回転体に形成され、前記挿通孔と前記転動室とがつながっている部分の幅は前記軸部の外径以上であり、前記連結部材は、前記転動体が前記挿通孔から抜け出る位置に移動することを規制する規制部を有していることを特徴とするものである。
また、この発明では、前記挿通孔の直径は、前記大径部の外径以上であってよい。
また、この発明では、前記挿通孔は、前記回転体の円周方向で互いに隣接する二つの前記転動室の間に形成されて前記二つの転動室につながっており、前記連結部材は、リング部と、前記リング部の外周部から半径方向で外側に突出して設けられかつ前記大径部に前記回転体の円周方向での両側から接触して前記転動体を前記回転体の円周方向に対して保持する、複数の前記転動体ごとに対をなす複数対の爪部とを有し、前記転動室の内面のうち前記回転体の半径方向で外側の内面は、前記転動体に作用する遠心力で前記軸部が接触して転動する転動面を形成しており、前記転動面は前記転動室の長さ方向での中央部が前記回転体の半径方向で外側に凸になる曲面を成し、かつ前記転動面の曲率半径は、前記リング部の外周面のうち対を成す爪部同士の間の部分である中間外周面の回転半径より小さく、前記中間外周面は、前記転動室の長さ方向の端部において、前記転動体の前記大径部を前記回転体の半径方向で外側に押圧して前記軸部を前記転動面に押し付けることにより前記転動体が前記転動室の長さ方向の端部に到達することを規制する前記規制部を構成していてよい。
また、この発明では、前記挿通孔は、前記回転体の円周方向で互いに隣接する二つの転動室の間に形成されて前記二つの転動室につながっていてよい。
また、この発明では、前記挿通孔を介して互いにつながっている二つの転動室同士の間隔より、前記挿通孔が間に存在しない互いに隣接する二つの転動室同士の間隔が広くてよい。
また、この発明では、前記連結部材は、リング部と、前記リング部の外周部から半径方向で外側に突出して設けられかつ前記大径部に前記回転体の円周方向での両側から接触して前記転動体を前記回転体の円周方向に対して保持する、複数の前記転動体ごとに対をなす複数対の爪部とを有し、前記爪部の少なくともいずれか一つの爪部は、前記挿通孔の一部に被さって前記転動体が前記挿通孔に入らないように前記転動体の移動を規制する前記規制部を構成していてよい。
また、この発明では、前記リング部と前記回転体とのいずれか一方に前記回転体の回転中心軸線と平行な方向に突出したガイドピンが設けられ、前記リング部と前記回転体とのいずれか他方に前記ガイドピンを前記回転体の回転方向にガイドする円弧状のガイド孔が設けられ、前記ガイドピンと前記ガイド孔とは、前記ガイドピンが前記ガイド孔の端部に接触した状態で前記いずれか一つの爪部が前記挿通孔の一部に被さるように構成されていてよい。
また、この発明では、前記挿通孔は、前記転動室の長さ方向の中央部でかつ前記転動室の前記回転体の半径方向での内周側に形成され、前記連結部材は、前記転動室内の前記転動体に接触しない外径のリング部と、前記リング部の外周部から半径方向で外側に突出して設けられかつ前記大径部に前記回転体の円周方向での両側から接触して前記転動体を前記回転体の円周方向に対して保持する、複数の前記転動体ごとに対をなす複数対の爪部と、前記リング部の外周面のうち対を成す爪部同士の間の部分である中間外周面とを有し、前記中間外周面は、前記挿通孔の一部に被さって前記転動体が前記挿通孔に入らないように前記転動体の移動を規制する前記規制部を構成していてよい。
この発明においては、回転体に形成された転動室に転動体が配置されており、その転動室は回転体の円周方向に長く、回転体に作用するトルクが変化すると、転動体が転動室の内部で往復動し、その転動体の往復動によってトルクの変動(振動)が低減される。転動体は、軸部の両端部に、転動室の開口幅より大きい大径部を有するいわゆる断面H形を成しているので、転動室から抜け出ることが阻止されている。前記大径部を挿入可能な挿通孔がその転動室につながった状態に形成され、これら転動室と挿通孔とがつながっている部分の幅が転動体の軸部の外径以上になっている。そのため、転動体は、この挿通孔から転動室に入り込ませることができる。さらに、転動体同士を回転体の円周方向に連結する連結部材は、転動体が転動室から挿通孔に入り込んで挿通孔から抜け出ることを阻止する規制部を有しているので、転動体および連結部材を回転体に組み付けた状態では転動体が転動室から脱落するなどの事態を回避できる。そして、転動体同士は連結部材によって連結されているので、重力による転動体の自由落下が、回転体の中心を挟んだ両側の転動体のそれぞれによって作用するトルク(重力)によって抑制され、その結果、転動体が転動室の内面に当接したり、それに伴って異音が生じたりすることを回避もしくは抑制することができる。
また、この発明では、連結部材における前記爪部同士の間の中間外周面によって転動体を回転体の半径方向で外側に押圧し、それに伴って転動体の軸部を転動面に押し付けるように構成した場合には、転動体が転動室の長さ方向の端部に当接したり、それに伴って異音が生じたりすることを回避もしくは抑制することができる。
この発明によれば、二つの転動室の間に挿通孔を形成し、一つの挿通孔を二つの転動室でいわゆる共用するように構成した場合には、挿通孔の数が少なくなって回転体の加工が容易になるとともに、回転体の強度の低下を抑制することができる。
この発明によれば、一つの挿通孔を二つの転動室によっていわゆる共用する構成とし、かつ挿通孔が間に存在しない二つの転動室同士の間隔を、挿通孔によってつながっている二つの転動室同士の間隔より広くすることにより、回転体における内周側の部分と外周側の部分とをつないでいるいわゆるスポークの部分の強度が高くなり、その結果、回転体の全体としての強度を高くすることができる。
この発明によれば、連結部材に設けられている爪部を規制部として構成し、転動体が挿通孔に入らないように爪部によって転動体の移動を規制するように構成すれば、転動面や中間外周面の加工精度を特には高くする必要がないので、加工が容易になる。
この発明によれば、前記ガイドピンと前記ガイド孔とを設けることにより、連結部材の回転を円滑にして転動体の往復動を良好に生じさせることができ、併せて転動体が挿通孔から抜け出ることを回避することができる。
この発明によれば、挿通孔を転動室の長さ方向での中央部でかつ転動室より内周側に形成することにより、転動室同士の間のいわゆるスポークとなる部分の数が減らないので、回転体の全体としての強度を増大させることができ、あるいは回転体の強度が低下することを防止もしくは抑制することができる。
この発明の一実施形態を示す正面図である。 そのプレートの正面図である。 図3(a)は転動体の正面図、図3(b)は転動体の側面図である。 連結部材の正面図である。 連結部材と転動面とによって転動体を保持している状態を示す部分図である。 カバーを設けた例を説明するための部分断面図である。 この発明の他の実施形態を説明するための図5と同様の部分図である。 ガイドピンとガイド孔とによる機能を説明するための部分図である。 転動室ごとに挿通孔を設けた一例を説明するためのプレートの正面図である。 転動室ごとに挿通孔を設けた他の例を説明するためのプレートの正面図である。 転動室の長さ方向での中央部に挿通孔を設けた例を説明するためのプレートの正面図である。 図11に示す例において挿通孔から転動体が抜け出ることを連結部材によって阻止している状態を示す部分図である。
つぎに、この発明の実施形態を図を参照しつつ説明する。この発明の実施形態における捩り振動低減装置1は、例えば車両においてエンジンから変速機に伝達されるトルクの変動(捩り振動)を振子マスの振子運動(往復動)によって低減する装置であり、トルクが伝達される回転体に振子マスが保持されている。この発明の実施形態における捩り振動低減装置1では、振子マスは転動体によって構成されており、図1にその捩り振動低減装置1の一例を示してある。ここに示す例では、トルクが伝達されて回転する回転体2と、その回転体2に保持されている複数の転動体3と、転動体3同士を連結している連結部材4とを主体として構成されている。
図1は捩り振動低減装置1の一例を示す正面図であり、図2は回転体2の一例を示す正面図である。回転体2は円板状の部材であり、中心部には図示しない回転軸などを貫通させるための貫通孔5が形成されている。以下の説明では回転体2をプレート2と記すことがある。プレート2の外周側の部分には、二つを一対とした四対の転動室6が形成されている。
転動室6は、転動体3を振子運動(往復動)させるように収容した長孔であり、プレート2の円周方向に長く、かつ長さ方向の中央部が、プレート2の半径方向で外側に凸となる円弧状の長孔としてプレート2を板厚方向に貫通して形成されている。その円弧の曲率中心は、プレート2の中心Oから外周側に外れた箇所に設定されており、したがって円弧の曲率半径は、転動室6が設けられている箇所の半径(プレート2の中心からの半径)より小さくなっている。転動室6の内面のうちプレート2の半径方向で外側の内面、すなわちプレート2の中心O側を向く面が転動面7とされている。したがって、転動面7は、プレート2の外周面の曲率より大きい曲率で、かつプレート2の半径方向で外側に凸となる曲面(円弧面)となっている。
図3は、転動体3の一例を拡大して示しており、転動体3は断面円形の軸部8の軸線方向での両端部にフランジ状の大径部9を一体に形成して構成されている。その軸部8の長さは、プレート2の板厚以上であり、また軸部8の外径Dより大径部9の外径Dが大きく(D<D)、したがって転動体3は、断面形状が「H」形を成すように構成されている。
上記の転動室6は、転動体3をプレート2の円周方向に往復動可能とし、かつ抜け止めした状態に収容している。したがって、転動室6の開口幅(転動面7の曲率半径方向に測った幅)Wは、転動体3における軸部8の外径D以上で、かつ大径部9の外径D未満(D≦W<D)になっている。
プレート2において、互いに対を成す転動室6同士の間隔に対して、互いに対を成さずに隣接する転動室6同士の間隔が大きくなっている。ここで、転動室6同士の間隔は、転動室6の長さ方向での端部同士の間隔であってもよく、あるいは転動室6の長さ方向での中心同士の間隔であってもよい。図2に端部6e同士の間隔を示してある。なお、互いに対を成す転動室6の端部のうち互いに隣接している端部は、後述するように挿通孔10が形成されていることにより実在しないが、設計上定まるので、図2は破線で示してある。したがって、互いに対を成す転動室6の端部6e同士の間隔を「La」とし、互いに対を成さずに隣接する転動室6同士の間隔を「Lb」とすると、「La<Lb」となっている。互いに対を成さない転動室6の端部6eは実在し、その実在する端部6e同士の間の部分が、プレート2の内周側の部分と外周側の部分とをつなぐスポーク部11となっている。ここで、内周側の部分とは、転動室6や挿通孔10が形成されている箇所よりも半径方向で内側の部分であり、外周側の部分とは、転動室6や挿通孔10が形成されている箇所よりも半径方向で外側の部分である。
前述したように転動室6から転動体3が抜け落ちないようにするために、転動室6の開口幅Wは、転動体3の大径部9の外径Dより小さくなっている。したがって、転動体3を転動室6に直接入り込ませることができないので、挿通孔10から転動室6に転動体3を入り込ませるように構成されている。挿通孔10は、転動体3における大径部9を通過させるために形成された貫通孔であり、対をなす転動室6同士の間に、それらの転動室6に連通するように形成されている。互いに対をなす各転動室6の端部の一部と挿通孔10の一部とはオーバーラップしており、したがって各転動室6と挿通孔10とが連通するとともに、それらの転動室6における一方の端部が挿通孔10を形成したために実在していない。
挿通孔10は、要は、大径部9をプレート2の正面側から裏面側に通過させる貫通孔であればよく、その形状は、円形や楕円形もしくは多角形など適宜の形状であればよい。また、挿通孔10の内法は、大径部9の外径D以上であってよく、あるいは大径部9の外径Dより幾分小さくてもよい。挿通孔10は上述したように、その左右の転動室6につながっていてその部分で左右に開口しているから、例えば挿通孔10の内径D10が大径部9の外径Dより小さくても、その左右の開口部分を利用して大径部9を挿通孔10に挿入することができる。
転動室6を構成している長孔の開口幅Wは、端部6e側で次第に小さくなっているが、挿通孔10は、図2に示すように、転動室6に対してその開口幅Wが小さくなっていない箇所でオーバーラップして連通している。したがって、挿通孔10と転動室6との境界部分(もしくは挿通孔10の転動室6に対する開口部分)12の開口幅W12は、転動室6の開口幅Wと同じであり、転動体3の軸部8の外径D以上でかつ大径部9の外径D未満となっている。
つぎに連結部材4について説明する。連結部材4は、各転動体3を緩く保持して転動体3同士の前記プレート2の円周方向における間隔を所定の間隔に維持するためのリテーナである。以下の説明では連結部材4をリテーナ4と記す。図4にその一例を示してある。リテーナ4はプレート2の表裏両面側に配置された一対のリング状部材によって構成されており、各リング状部材は、内径がプレート2における貫通孔5の内径以上でかつ外径がプレート2の中心Oから転動室6における最も内周側の部分までの寸法以下の部分を有するリング部4aと、リング部4aから半径方向で外側に突出しかつ各転動体3に対応して設けられた複数対の爪部4bとを有している。爪部4bは、それぞれに対応して設けられている転動体3をプレート2の円周方向の両側から接触して支えるためのものであり、転動室6の内部にある転動体3における大径部9の外周面に対してプレート2の円周方向で対向する位置にまで延び出ている。また、各転動体3に対応して設けられている一対の爪部4bの間隔L4は、大径部9の外径Dより大きく、したがって爪部4bは転動体3を緩く保持するようになっている。さらに、前記間隔L4は、転動室6の長さをプレート2の円周方向に測った長さより短くなっている。これは、転動体3が転動室6の端部6eに接触しない範囲で爪部4bが転動体3を保持するようにするためである。
爪部4bは、前述したように各転動体3に対応して設けられているので、挿通孔10によってつながっている転動室6に配置される転動体3に対応する一方の一対の爪部4bと他方の一対の爪部4bとの間隔は、対をなさない転動室6に配置されている転動体3に対応して設けられている爪部4b同士の間隔より短くなっている。このような間隔の大小の関係は、互いに対をなす転動室6同士の間隔と、対をなさない転動室6同士の間隔との大小の関係と同様である。さらに、リング部6aの外周面のうち所定の転動体3のための一対の爪部4bの間の部分4cは、リテーナ4が転動体3と共にプレート2の中心Oを中心として回転した場合に、転動室6の端部6e側に移動した転動体3の大径部9に接触して転動体3をプレート2の半径方向で外側に押圧し、軸部8を転動面7に押し付けるように構成されている。したがって、当該部分4cがこの発明の実施形態における中間外周面に相当しており、したがって以下の説明では、当該部分4cを中間外周面4cと記す。
リテーナ4は、プレート2の中心Oを中心にして所定の角度範囲内で回転するように構成することが好ましい。そのために、ガイドピン13とガイド孔14とが設けられている。これらガイドピン13とガイド孔14とのいずれか一方が、リング部4aに設けられ、他方がプレート2に設けられている。図1および図2ならびに図4に示す例では、ガイド孔14は、プレート2におけるスポーク部11の内周側の部分に、プレート2の中心Oを中心とした円弧状の長孔として形成されている。なお、その長さは、前記爪部4bが転動室6の端部6eを超えて回転しない長さに設定されている。これに対してガイドピン13は、リテーナ4におけるリング部4aのうち上記のガイド孔14に対応する位置に設けられている。ここで説明している捩り振動低減装置1におけるリテーナ4は、プレート2を挟んで配置される二枚のリング状部材によって構成されており、ガイドピン13はプレート2の回転中心軸線と平行な方向に沿って設けられていて、ガイド孔14を貫通した状態でこれらのリング状部材を一体化するように連結している。このガイドピン13の外径はガイド孔14の開口幅とほぼ等しく、したがってリテーナ4はガイドピン13がガイド孔14に沿って移動することにより、プレート2の中心Oを中心としてガイド孔14の長さの範囲内すなわち所定の角度範囲内で回転するように構成されている。言い換えれば、リテーナ4はガイドピン13とガイド孔14とによって、プレート2に対して相対回転可能に保持されている。そのため、リテーナ4を保持することに伴う荷重は、転動体3に作用しないので、転動体3の円滑な転動が保障されている。
つぎに上述した構成の捩り振動低減装置1の作用について説明する。先ず、転動体3を転動室6の内部にセットする手順について説明する。転動体3における大径部9の外径Dが転動室6の開口幅Wより大きいから、転動体3は挿通孔10を利用してプレート2に組み付ける。すなわち、一方の大径部9をプレート2の正面側から挿通孔10に挿入してプレート2の裏面側に抜け出させ、軸部8を挿通孔10の内部に位置させる。挿通孔10と転動室6との境界部分12の幅W12は、軸部8の外径D以上であるから、軸部8がその境界部分12を通過するように転動体3を転動室6側に移動させることができる。このようにして挿通孔10を介してつながっている左右のそれぞれの転動室6に転動体3を配置する。転動体3における大径部9の外径Dは転動室6の開口幅Wより大きくて大径部9がプレート2に引っ掛かるから、転動体3は転動室6から軸線方向に抜け出ることはない。
ついで、リテーナ4をプレート2に組み付ける。具体的には、リテーナ4を構成する一対のリング状部材を、前記ガイドピン13がガイド孔14を貫通するように、プレート2の表裏両面側に沿わせ、前述したガイドピン13によってそれらのリング状部材を連結して一体化させる。なお、転動体3は対をなす各爪部4bの間に位置させる。こうして各転動体3は、リテーナ4によってプレート2の円周方向に連結される。したがって、プレート2が水平軸線を中心にしてゆっくり回転するなど、転動体3に作用する遠心力が小さい場合、転動体3が転動室6内で重力によって落下しようとする。その場合、例えば中心Oに対して右側に位置する転動体3が、その転動体3を保持している爪部4bに接触してリテーナ4を時計方向に回転させるトルクが生じるが、これとは反対に左側に位置する転動体3が、その転動体3を保持している爪部4bに接触してリテーナ4を反時計方向に回転させるトルクが生じる。これら互いに反対方向に作用するトルクが互いにキャンセルし合うので、結局、リテーナ4が回転したり、転動体3がそれぞれの転動室6内で落下するなどの事態が生じない。
また、プレート2が図示しないエンジンに連結され、そのエンジンを始動するなどの場合、プレート2が急激に所定の方向に回転することがある。その場合、転動体3は慣性力によって元の位置にとどまろうとするので、転動体3は、プレート2の回転方向とは反対の方向に転動室6に対して相対的に移動する状態になる。転動体3のこのような移動が生じて転動体3が転動室6の端部6eに近づいた状態を図5に示してある。図5は一つの転動体3を示しているが、他の全ての転動体3も同様に転動室6の端部6e側に移動している。前述したように転動面7の曲率半径が、転動面7が設けられている箇所の半径(中心Oからの半径)より小さいので、転動室6の端部6e側では転動面7がプレート2の半径方向で中心O側に入り込んでいる。そのため、転動体3はプレート2の円周方向だけでなく半径方向で内側にも移動する。これに対してリテーナ4において対をなす爪部4b同士の間の部分の中間外周面4cはプレート2の中心Oを中心とした一定の回転半径で回転して半径方向での位置が変化しない。そのため、転動室6の端部6e側に移動した転動体3の大径部9が中間外周面4cに接触し、その結果、転動体3がプレート2の半径方向で外側に相対的に押圧され、軸部8が転動面7に押し付けられる。すなわち、転動体3はリテーナ4における中間外周面4cと転動室6の内面の一つである転動面7とによって挟み付けられる。こうして転動室6の端部6eに向けた転動体3の移動が阻止される。すなわち、上述した構成の捩り振動低減装置1では、プレート2が急激に回転した場合であっても、転動体3が転動室6における端部6e側の端面に当接したり、それに伴っていわゆる打撃音などの異音や衝撃などが生じることが回避または抑制される。
挿通孔10を介して連通している一対の転動室6に収容されている転動体3に対応するそれぞれ一対の爪部4bは同一構成であるから、それら一対の転動室6に収容されている転動体3の一方が転動室6の端部6eまで移動しないことにより、他方の転動体3も転動室6の端部6eにまでは移動しない。すなわち、転動体3が挿通孔10側に移動しても設計上定まるものの実在しない端部にまで転動体3が移動しない。その転動体3は、他の一対の爪部4bの間の中間外周面4cと転動面7との間に挟み込まれて、挿通孔10に入り込むことはないので、挿通孔10が大径部9を入り込ませる大きさであっても、挿通孔10から転動体3が抜け落ちることが回避される。したがって、中間外周面4cがこの発明の実施形態における規制部に相当している。
プレート2が所定以上の回転数で回転している状態では、転動体3に作用する遠心力が大きくなるので、転動体3は転動面7のうちプレート2の中心Oから最も遠い位置に移動して保持される。転動面7の長さ方向での中央部の半径(プレート2の中心Oからの半径)に対して転動面7の曲率半径が小さいので、転動面7のうち長さ方向での中央部がプレート2の中心Oから最も遠く、したがって転動体3は遠心力によって転動面7のうち長さ方向での中央部に保持される。その状態で、プレート2に作用するトルクの変動によってプレート2が回転方向に振動すると、転動体3に対して慣性トルクが作用し、転動体3がプレート2の振動に対して遅れて振動(往復動もしくは振子運動)する。このような転動体3の往復動もしくは振子運動によってトルクの変動が低減される。このような振動低減作用は、従来知られている振子式の制振装置もしくは吸振装置と同様である。そして、上述した構成では、プレート2が単一部品で構成されているので、その製造が容易であり、あるいは低コスト化でき、また複数部品で組み立てる構成と比較して精度誤差が生じにくく、制振性能が損なわれることを防止もしくは抑制することができる。言い換えれば、制振性能に優れた捩り振動低減装置1を得ることができる。
なお、この発明の実施形態における振動低減作用は、プレート2のトルクの変動に起因するプレート2の回転方向での振動と、それに伴う転動体3の慣性トルクとによって生じるから、転動体3は可及的に円滑に移動することが好ましい。したがって、捩り振動低減装置1を流体伝動装置やトルクコンバータの内部に組み込む場合には、フルードによって転動体3の移動が阻害されることを回避することが望ましい。そのためには、例えば図6に示すように、プレート2の外周側の部分で転動室6が設けられている部分、および転動体3、ならびにリテーナ4を、液密構造のカバー(もしくはケーシング)15によって覆い、フルードから遮蔽する。このようなカバー15を設けた場合、リテーナ4を構成している左右のリング状部材はカバー15の内部に保持されてプレート2から離脱することがないので、前述したガイドピン13やガイド孔14を省いてもよい。
つぎにこの発明の他の実施形態について説明する。上述した実施形態は、中間外周面4cを規制部とした例であるが、この発明の実施形態では、爪部4bを規制部としてもよい。図7はその一例を示しており、ここに示す例では、転動体3が転動室6の端部6eにまで移動することができるように構成され、転動室6の端部6eまで移動した転動体3に所定の爪部4bが当接することによりリテーナ4のそれ以上の回転が阻止されるようになっている。したがって、転動体3が端部6eにまで移動している転動室6と対をなす他の転動室6における転動体3は、爪部4bによって挿通孔10に入り込むことが阻止される。具体的に説明すると、転動体3が転動室6の端部6eと所定の爪部4bとの間に挟み込まれている状態では、その転動体3が収容されている転動室6と対をなす他方の転動室6における転動体3は、それらの転動室6が連通している挿通孔10側に移動している。しかしながら、転動室6の端部6eに転動体3を押し付けている爪部4bに隣接する他の爪部4bは、挿通孔10にオーバーラップした位置に移動して挿通孔10の一部を塞いでいる。その爪部4bによって挿通孔10に転動体3が入り込むことが阻止されている。すなわち、挿通孔10の一部を塞いでいる爪部4bがこの発明の実施形態における規制部となっている。したがって、図7に示すように構成した場合であっても、挿通孔10から転動体3を転動室6に入り込ませて組み付けることができるとともに、リテーナ4における爪部4bが規制部となって転動体3が挿通孔10を介してプレート2から外れることを阻止することができる。
図7を参照して説明したように、いずれかの爪部4bが挿通孔10の一部にオーバーラップして挿通孔10を塞ぐことにより転動体3が挿通孔10に入り込んだり、プレート2から外れ落ちることを阻止することができる。このような機能は、リテーナ4の回転位置を規制することによっても生じさせることができる。図8はその例を示しており、図8に示す例は、前述したガイド孔14の位置および長さを工夫することにより、爪部4bが挿通孔10を塞いで規制部として機能するように構成されている。具体的に説明すると、ガイドピン13がガイド孔14の端部にまで移動すると、リテーナ4はそれ以上回転できないように構成されている。そのガイドピン13とガイド孔14との相対位置は、転動体3およびその転動体3に接触している爪部4bが挿通孔10側に移動し、かつその爪部4bが挿通孔10にオーバーラップして転動体3が挿通孔10に入り込まない状態で、ガイドピン13がガイド孔14の端部に到るように構成されている。すなわち、爪部4bが規制部として機能し、転動体3を挿通孔10から外れた位置に保持するようになっている。
なお、図8に示すように構成する場合、図8に示す転動体3を収容している転動室6と対をなす他方の転動室6に収容されている転動体を、当該他方の転動室6の端部に到らない位置に爪部によって保持するように構成することが好ましい。このような構成であれば、転動体3が転動室6の端部6eに当接したり、それに伴って異音が発生したりすることを防止もしくは抑制することができる。
この発明の実施形態では、転動室ごとに挿通孔を設けてもよい。その例を図9に示してある。図9はこの発明の他の実施形態におけるプレート20を示しており、プレート20の円周方向に四つの転動室60が等間隔に形成されている。それらの転動室60は、図9には示していない転動体を収容し、プレート20の半径方向では外側にある内面を転動面70として転動体を往復動(振子運動)させるように構成された長孔である。プレート20の中心Oについて対称となる位置に設けられている所定の一対の転動室60の一端部に挿通孔100がつながって形成されている。また、他の一対の転動室60の端部側(前記挿通孔100に近い端部側)に挿通孔100が形成されている。すなわち、所定の一対の転動室60についての挿通孔100と、他の一対の転動室60についての挿通孔100とは、プレート20の円周方向において、転動室60に対して反対側に設けられいる。なお、挿通孔100は、前述した実施形態における挿通孔10と同様に、断面形状が「H」形をなす転動体を転動室60に入り込ませるためのものであり、前述した実施形態における転動室6と同様の形状であってよい。
図9に示す構成のプレート20であっても、挿通孔100から転動室60の内部に転動体を挿入することができ、プレート20に対する転動体の組み付けが容易になる。また、図9に示す構成のプレート20に組み付ける連結部材は、前述した図5に示す構成あるいは機能を有するものとすることができる。すなわち、転動室60に収容される転動体あるいは転動室60に対応して四対の爪部および各対の爪部同士の間の中間外周面とを有するリング状部材によって連結部材を構成し、それらのリング状部材をプレート20の表裏両面に沿わせて配置し、かつリング状部材同士を連結する。このような構成の連結部材を用いることにより、プレート20が低速で回転している場合において転動体に作用する重力に起因するトルクを相殺し、転動体が重力によって自由落下したり、それに伴って転動体が転動室60の端部に当接するなどの事態を回避もしくは抑制することができる。また、プレート20が急に回転し始めるなどのことによって転動体が転動室60の端部側に移動した場合、連結部材における前述した中間外周面が転動体を転動面70側に押圧し、転動体の軸部を転動面70に押し付けるので、転動体が転動室60の端部側の内面に当接したり、あるいは挿通孔100に入り込んだりすることを防止することができる。すなわち、中間外周面がこの発明の実施形態における規制部となって、転動体が挿通孔100に入り込んだり、そのために挿通孔100から抜け出たりすることを阻止することができる。なお、プレート20が単一部品であることにより、製造性が良好であること、あるいは低コスト化できること、制振性能が損なわれることがないことなどは、前述した実施形態と同様である。
なお、転動室60ごとに挿通孔100を設ける場合、転動室60の端部のうちプレート20の円周方向で同一方向での端部側に挿通孔100を設けてもよい。その例を図10に示してある。図9および図10のいずれに示す例であっても、プレート20の中心Oについて対称となる転動室60および挿通孔100は同一の構成となっているので、プレート20の重心が中心Oから外れることを回避もしくは抑制することができる。
図11および図12はこの発明の更に他の実施形態を示している。これらの図に示す例では、プレート200の円周方向に長い長孔である複数の転動室600がプレート200の円周方向に等間隔で形成され、それらの転動室600の長さ方向での中央部でかつ内周側に挿通孔1000が形成されている。その挿通孔1000は転動室600のその内周側の部分でつながっており、したがって転動室600の内面のうちプレート200の半径方向で外側の内面は円滑な円弧面をなし、その円弧面が転動面700となっている。なお、挿通孔1000は、前述した各実施形態における挿通孔10,100と同様に、転動体の大径部を通すための貫通孔である。
図12には、転動室600に転動体300を収容しかつリテーナ400をプレート200に組み付けた状態を示してある。リテーナ400は、リング部400aと、転動体300をプレート200の円周方向での両側から保持する、転動体300ごとに一対の爪部400bと、それらの爪部400bの間の部分の外周面である中間外周面400cとを有している。その中間外周面400cは、挿通孔1000のうちプレート200における半径方向で内側の部分に被さるように構成されている。より具体的には、挿通孔1000が形成されている位置で転動体300の大径部900を中間外周面400cに接触させて、転動体300が挿通孔1000に入り込まないように、中間外周面400cが転動体300を支持するようになっている。したがって、この実施形態では中間外周面400cが規制部となっている。
これら図11および図12に示すように構成した場合であっても、前述した各実施形態による作用・効果と同様の作用・効果を得ることができる。
なお、この発明は上述した各実施形態に限定されないのであって、この発明の目的を達成できる範囲で適宜に変更することができる。例えば、転動体を連結する連結部材は、上述したリング部に爪部を突出させた構造のものに限られないのであり、転動体の外周側に位置するリング状の部分からその内周側に爪部を突出させた構造であってもよい。また、連結部材と転動体との連結は、爪部によらず、転動体の中心部から突出させたピンを、連結部材に形成された長孔に嵌合させて両者を連結してもよい。
1…振動低減装置、 2,20,200…プレート(回転体)、 3,300…転動体、 4,400…リテーナ(連結部材)、 4a,400a…リング部、 4b,400b…爪部、 4c,400c…中間外周面、 5…貫通孔、 6,60,600…転動室、 6a…リング部、 6e…端部、 7,70,700…転動面、 8…軸部、 9,900…大径部、 10,100,1000…挿通孔、 11…スポーク部、 12…境界部分、 13…ガイドピン、 14…ガイド孔、 15…カバー、 D…(軸部の)外径、 D…(大径部の)外径、 D10…(挿通孔の)内径、 La,Lb,L…間隔、 O…中心、 W…(転動室の)開口幅、 W12…(境界部分の)開口幅。

Claims (8)

  1. 円板状の回転体と、前記回転体に円周方向に並んで形成されかつ円周方向に長い複数の転動室と、前記転動室の長さ方向に対して直交する方向に測った長さである開口幅より小さい直径の軸部および前記軸部の軸線方向での両端部に形成されかつ前記転動室の前記開口幅より大きい直径の大径部を有し前記軸部を前記転動室に挿入した状態で前記回転体に保持された複数の転動体と、複数の前記転動体を前記回転体の円周方向に所定の間隔を維持するように連結しかつ前記転動体の前記転動室内での移動に伴って前記回転体に対して相対回転する連結部材とを備え、前記回転体の作用するトルクが変動することにより前記転動体が前記転動室の内部を前記転動室に沿って往復動し、前記転動体の往復動によって前記トルクの変動を低減するように構成された捩り振動低減装置において、
    前記転動体における前記大径部を挿入可能な挿通孔が前記転動室につながった状態で前記回転体に形成され、
    前記挿通孔と前記転動室とがつながっている部分の幅は前記軸部の外径以上であり、
    前記連結部材は、前記転動体が前記挿通孔から抜け出る位置に移動することを規制する規制部を有している
    ことを特徴とする捩り振動低減装置。
  2. 請求項1に記載の捩り振動低減装置において、
    前記挿通孔の直径は、前記大径部の外径以上である
    ことを特徴とする捩り振動低減装置。
  3. 請求項1または2に記載の捩り振動低減装置において、
    前記挿通孔は、前記回転体の円周方向で互いに隣接する二つの前記転動室の間に形成されて前記二つの転動室につながっており、
    前記連結部材は、リング部と、前記リング部の外周部から半径方向で外側に突出して設けられかつ前記大径部に前記回転体の円周方向での両側から接触して前記転動体を前記回転体の円周方向に対して保持する、複数の前記転動体ごとに対をなす複数対の爪部とを有し、
    前記転動室の内面のうち前記回転体の半径方向で外側の内面は、前記転動体に作用する遠心力で前記軸部が接触して転動する転動面を形成しており、
    前記転動面は前記転動室の長さ方向での中央部が前記回転体の半径方向で外側に凸になる曲面を成し、かつ前記転動面の曲率半径は、前記リング部の外周面のうち対を成す爪部同士の間の部分である中間外周面の回転半径より小さく、
    前記中間外周面は、前記転動室の長さ方向の端部において、前記転動体の前記大径部を前記回転体の半径方向で外側に押圧して前記軸部を前記転動面に押し付けることにより前記転動体が前記転動室の長さ方向の端部に到達することを規制する前記規制部を構成している
    ことを特徴とする捩り振動低減装置。
  4. 請求項1または2に記載の捩り振動低減装置において、
    前記挿通孔は、前記回転体の円周方向で互いに隣接する二つの転動室の間に形成されて前記二つの転動室につながっている
    ことを特徴とする捩り振動低減装置。
  5. 請求項4に記載の捩り振動低減装置において、
    前記挿通孔を介して互いにつながっている二つの転動室同士の間隔より、前記挿通孔が間に存在しない互いに隣接する二つの転動室同士の間隔が広い
    ことを特徴とする捩り振動低減装置。
  6. 請求項1または2に記載の捩り振動低減装置において、
    前記挿通孔は、前記回転体の円周方向で互いに隣接する二つの前記転動室の間に形成されて前記二つの転動室につながっており、
    前記連結部材は、リング部と、前記リング部の外周部から半径方向で外側に突出して設けられかつ前記大径部に前記回転体の円周方向での両側から接触して前記転動体を前記回転体の円周方向に対して保持する、複数の前記転動体ごとに対をなす複数対の爪部とを有し、
    前記爪部の少なくともいずれか一つの爪部は、前記挿通孔の一部に被さって前記転動体が前記挿通孔に入らないように前記転動体の移動を規制する前記規制部を構成している
    ことを特徴とする捩り振動低減装置。
  7. 請求項6に記載の捩り振動低減装置において、
    前記リング部と前記回転体とのいずれか一方に前記回転体の回転中心軸線と平行な方向に突出したガイドピンが設けられ、前記リング部と前記回転体とのいずれか他方に前記ガイドピンを前記回転体の回転方向にガイドする円弧状のガイド孔が設けられ、
    前記ガイドピンと前記ガイド孔とは、前記ガイドピンが前記ガイド孔の端部に接触した状態で前記いずれか一つの爪部が前記挿通孔の一部に被さるように構成されている
    ことを特徴とする捩り振動低減装置。
  8. 請求項1または2に記載の捩り振動低減装置において、
    前記挿通孔は、前記回転体の円周方向で互いに隣接する二つの前記転動室の間に形成されて前記二つの転動室につながっており、
    前記挿通孔は、前記転動室の長さ方向の中央部でかつ前記転動室の前記回転体の半径方向での内周側に形成され、
    前記連結部材は、リング部と、前記リング部の外周部から半径方向で外側に突出して設けられかつ前記大径部に前記回転体の円周方向での両側から接触して前記転動体を前記回転体の円周方向に対して保持する、複数の前記転動体ごとに対をなす複数対の爪部と、前記リング部の外周面のうち対を成す爪部同士の間の部分である中間外周面とを有し、
    前記中間外周面は、前記挿通孔の一部に被さって前記転動体が前記挿通孔に入らないように前記転動体の移動を規制する前記規制部を構成している
    ことを特徴とする捩り振動低減装置。
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