JP6440669B2 - 外装端部用キャップ及びワイヤハーネス - Google Patents
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Description
図1(a)において、引用符号1はハイブリッド自動車を示す。ハイブリッド自動車1は、エンジン2及びモータユニット3の二つの動力をミックスして駆動する車両であって、モータユニット3にはインバータユニット4を介してバッテリー5(電池パック)からの電力が供給される。エンジン2、モータユニット3、及びインバータユニット4は、本実施例において前輪等がある位置のエンジンルーム6に搭載される。また、バッテリー5は、後輪等がある自動車後部7に搭載される(エンジンルーム6の後方に存在する自動車室内に搭載してもよいものとする)。
図1(a)及び図2において、車両床下11を通って配索される長尺なワイヤハーネス9は、ハーネス本体21と、このハーネス本体21の両端末(ハーネス端末13)にそれぞれ配設されるシールドコネクタ14(外部接続手段)とを備えて構成される。また、ワイヤハーネス9は、これ自身を所定位置に配索するためのクランプCと、図示しない止水部材(例えばグロメット等)とを備えて構成される。
図2及び図3において、ハーネス本体21は、一本の長尺な導電路22と、この導電路22を収容・保護する外装部材23と、導電路22が引き出された外装部材23の端部24に取り付けられる本発明の外装端部用キャップ25とを備えて構成される。
図3及び図6において、導電路22は、導電性の導体26と、この導体26を被覆する絶縁性の絶縁体27と、シールド機能を発揮させるための編組28(シールド部材)とを備えて構成される。すなわち、導電路22は、シースの存在しないものが採用される(一例であるものとする)。導電路22は、これにシースが存在しないことから、その分、軽量になるのは勿論である(導電路22は長尺であることから、従来例に比べ大幅に軽量化を図ることができるのは勿論である)。
図3及び図6において、導体26は、銅や銅合金、或いはアルミニウムやアルミニウム合金により断面円形に形成される。導体26に関しては、素線を撚り合わせてなる導体構造のものや、断面円形(丸形)になる棒状の導体構造(例えば丸単心となる導体構造であり、この場合、導電路自体も棒状となる)のもののいずれであってもよいものとする。以上のような導体26は、この外面に絶縁性の樹脂材料からなる絶縁体27が押出成形される。
図3及び図6において、絶縁体27は、熱可塑性樹脂材料を用いて導体26の外周面に押出成形される。絶縁体27は、断面円形状の被覆として形成される。絶縁体27は、所定の厚みを有して形成される。上記熱可塑性樹脂としては、公知の様々な種類のものが使用可能であり、例えばポリ塩化ビニル樹脂やポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などの高分子材料から適宜選択される。
図3及び図6において、編組28は、導電路22の最外層として設けられる。このような編組28は、導電性を有する極細の素線を編んで筒状に形成される。また、編組28は、絶縁体27の一端から他端にかけて外周面全体を覆うような形状及びサイズに形成される。尚、編組28に限らず金属箔等をシールド部材として用いてもよいものとする。
図2及び図3において、外装部材23は、絶縁性を有する樹脂の成形にて一本の真っ直ぐな管体形状のものに形成される(使用前は真っ直ぐである)。また、外装部材23は、腹割きなしの形状に形成される(別な言い方をすれば、スリットのない形状に形成される(割チューブでない形状に形成される))。さらに、外装部材23は、導電路22の形状に合わせて断面円形状に形成される。
図2及び図3において、可撓管部29は、車両取付形状(ワイヤハーネス配索先の形状。後述する取付対象44の形状)に合わせて配置される。また、可撓管部29は、車両取付形状に合わせた長さにも形成される。可撓管部29の長さは一定でなく、車両取付形状に合わせて必要な長さにそれぞれ形成される。このような可撓管部29は、ワイヤハーネス9の梱包状態や輸送時、さらには車両への経路配索時に、それぞれ所望の角度で撓ませることができるように形成される。すなわち、可撓管部29は、撓ませて曲げ形状にすることができるとともに、真っ直ぐな元の状態(樹脂成形時の状態)に戻すことも当然にできるように形成される。本実施例の可撓管部29は、蛇腹凹部及び蛇腹凸部を有する蛇腹管形状に形成される(一例であるものとする)。
図2及び図3において、ストレート管部30は、可撓管部29のような可撓性を持たない部分として形成される。また、ストレート管部30は、梱包状態や輸送時、さらには経路配索時において曲がらない部分としても形成される(曲がらない部分とは、可撓性を積極的に持たせない部分という意味である)。ストレート管部30は、長い直管形状に形成される。このようなストレート管部30の外周面は、凹凸のない形状に形成される(一例であるものとする)。
図2ないし図8において、外装端部用キャップ25は、例えば耐候性や耐熱性等を有する樹脂材料を用いてなる樹脂成形品であって、一本の導電路22に対し取り付けられるとともに、この導電路22が引き出された外装部材23に対しても取り付けられる。外装端部用キャップ25は、例えば砂等が外部から外装部材23の内側(内部)に侵入しようとしてもこれを阻止するために備えられる。また、外装部材23内での導電路22の損傷を防止するためにも備えられる。このような外装端部用キャップ25には、外側露出部31と、この外側露出部31に連続する内側挿入部32と、外側露出部31及び内側挿入部32に跨るような導電路用収容凹部33とが形成される。
図3ないし図8において、外側露出部31は、外装部材23の外側に露出する部分として形成される。外側露出部31は、この大きさが外装部材23の端部24よりも大きくなるように形成される。また、外側露出部31は、作業者が手で持って外装部材23への挿入作業をすることができるような大きさにも形成される。このような外側露出部31は、導電路用収容凹部33の存在により、断面視略U字状となる形状に形成される。外側露出部31には、第一塞ぎ部34が形成される。第一塞ぎ部34は、本発明の特徴部分の一つとして形成される。
図3ないし図8において、第一塞ぎ部34は、外装部材23の端部24に対向する側に配置形成される。第一塞ぎ部34は、端部24に当接してこの当接部分で塞ぐことができるような平面に形成される(面形状に形成される。この他、端部24を差し込むことができる溝形状や段差形状であってもよいものとする)。
図3ないし図8において、内側挿入部32は、外側露出部31に連続し且つ外側露出部31よりも小さな断面視略U字状となる形状に形成される。内側挿入部32は、外装部材23の内側に挿入される部分として形成される。このような内側挿入部32には、一対の第二塞ぎ部35と、一つの抜け止め部36とが形成される。また、内側挿入部32には、外装部材23に対する挿入先端部分37から一対の第二塞ぎ部35にかけてテーパとなるような側面視テーパ状の部分38も形成される。
図3ないし図8において、一対の第二塞ぎ部35は、本発明の特徴部分の一つであって、導電路用収容凹部33を挟む位置に配置形成される。また、互いに対向するように配置形成される。一対の第二塞ぎ部35は、内側挿入部本体39の両側部から上方に突出するとともに変形可能な薄肉片の部分に形成される。尚、変形可能とは、導電路22の外面(最外層となる編組28)に対しこの周方向に巻き付くような変形が可能となることを指すものとする。変形可能となるために、本実施例においては外側露出部31との間にスリット40がそれぞれ形成される。
図3ないし図7において、抜け止め部36は、外装部材23の内面43に引っ掛かる小さな凸状の部分であって、本実施例においてはテーパ面と係止面とを有する側面視直角三角形状の部分に形成される(引っ掛かりが生じれば特に形状は限定されないものとする。また、数も限定されないものとする)。抜け止め部36は、外側露出部31に近い側に配置形成される。
図3及び図4において、側面視テーパ状の部分38は、外装部材23の端部24にて案内される部分であって、挿入荷重の低減に寄与することを目的として形成される。側面視テーパ状の部分38は、内側挿入部32の挿入先端部分37から一対の第二塞ぎ部35の突出先端位置まで所定の傾斜角度になるように形成される。尚、傾斜角度は、外装部材23の端部24にて案内される過程において、一対の第二塞ぎ部35がスムーズに導電路22の外面に巻き付くような状態になれば特に限定されないものとする。
図3ないし図8において、導電路用収容凹部33は、導電路22に対して取り付けられる部分であって、上述の如く外側露出部31及び内側挿入部32に跨るように形成される。また、導電路用収容凹部33は、導電路22の直径に合わせた半円弧形状の底壁部分(内側挿入部本体39)と、この底壁部分の両側から上方に立ち上がるような側壁部分とを有する、図示の略U字の凹状部分(溝部分)に形成される。さらに、導電路用収容凹部33は、導電路22の一部41(最外層となる編組28の一部)を第三塞ぎ部42として機能させるため、外装部材23における端部24の近傍の内面43に上記一部41を押し付けることができるような深さに形成される。上記側壁部分に関し、内側挿入部32では一対の第二塞ぎ部35がこれに該当するものとする。
図6において、外装端部用キャップ25は、先ず、導電路22に対して取り付けられる。この取り付けは、導電路22の下に外装端部用キャップ25を配置し、そして、この外装端部用キャップ25の導電路用収容凹部33を導電路22に差し込むような状態で行われる(別な言い方をすれば、導電路用収容凹部33に導電路22を差し込むような状態で行われる)。導電路22に対し外装端部用キャップ25の取り付けが完了すると、図4及び図5の状態になる。
上記構成及び構造において、ワイヤハーネス9は次のようにして製造される(例えば図2、図3、及び図7参照)。すなわち、ワイヤハーネス9は、全体が略直線状に樹脂成形された外装部材23の一端開口から他端開口へと二本の導電路22を挿通することにより製造される。また、ワイヤハーネス9は、外装部材23の端部24を外装端部用キャップ25により(第一塞ぎ部34〜第三塞ぎ部42により)塞ぐことにより製造される。さらに、ワイヤハーネス9は、外装部材23の外面所定位置にクランプCやグロメット、ブーツ等を取り付けることにより製造される。さらにまた、ワイヤハーネス9は、導電路22の端末部分にシールドコネクタ14を設けることにより製造される。
以上、図1ないし図8を参照しながら説明をしてきたように、外装端部用キャップ25を用いることにより、例えばテープ巻きを施すのみの場合と比べ、外装部材23内への砂等の混入をし難くすることができる。従って、本発明によれば、例えば走行中の振動により導電路22が振れたとしても外装部材23内に砂等がないことから、外装部材23内での導電路22の損傷を防止することができるという効果を奏する。
Claims (4)
- 導電路に対して取り付けられるとともに該導電路が引き出された管体形状の外装部材に対しても取り付けられる外装端部用キャップにおいて、
当該外装端部用キャップは、前記外装部材の外側に露出する部分であるとともに第一塞ぎ部が形成される外側露出部と、該外側露出部に連続する部分であるとともに第二塞ぎ部が形成される内側挿入部と、これら前記外側露出部及び前記内側挿入部に跨って形成される部分であるとともに前記導電路が収容されると該導電路の外面の一部を第三塞ぎ部として機能させることが可能な導電路用収容凹部とを有し、
前記第一塞ぎ部は、前記内側挿入部が連続する側に配置されるとともに前記外装部材の端部に対して当接する面形状の部分に形成され、
前記第二塞ぎ部は、前記導電路用収容凹部を挟む位置に配置されて互いに対向するとともに前記導電路の前記外面を周方向に巻き付くような変形可能な薄肉片の部分に形成され、
前記導電路用収容凹部は、前記導電路の前記一部を前記第三塞ぎ部として機能させるため、前記外装部材における前記端部近傍の内面に前記一部を押し付けるような深さの凹状の部分に形成される
ことを特徴とする外装端部用キャップ。 - 請求項1に記載の外装端部用キャップにおいて、
前記内側挿入部の外面には、前記外装部材の前記内面に引っ掛かる抜け止め部が形成される
ことを特徴とする外装端部用キャップ。 - 請求項1又は2に記載の外装端部用キャップにおいて、
前記内側挿入部には、前記外装部材に対する挿入先端部分から前記第二塞ぎ部にかけて側面視テーパ状の部分が形成される
ことを特徴とする外装端部用キャップ。 - 管体形状の外装部材と、該外装部材に保護される導電路と、該導電路及び前記外装部材の端部に取り付けられる請求項1、2又は3に記載の外装端部用キャップとを含んで構成される
ことを特徴とするワイヤハーネス。
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