JP6369453B2 - 非磁性ガーネット単結晶の育成方法 - Google Patents

非磁性ガーネット単結晶の育成方法 Download PDF

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Description

本発明は、回転引上げ法により(Gd3-xCax)(Ga5-x-2yZrx+yMgy)O12で表される非磁性ガーネット(SGGG)単結晶を育成する方法に係り、特に、転位密度が規格内となる非磁性ガーネット単結晶の育成方法に関するものである。
通信用光アイソレータに用いられるファラデー回転子の材料として、Bi置換型希土類鉄ガーネット単結晶膜(Bi-RIG:Rare-earth iron garnet)が広く用いられており、このBi-RIG単結晶膜は、非磁性ガーネット(SGGG)基板を種基板結晶にして液相エピタキシャル(Liquid Phase Epitaxy;LPE)成長法で育成されている(特許文献1〜2参照)。また、Bi-RIG単結晶膜の育成を安定させるため種基板結晶であるSGGGの転位密度には厳しい規格が定められている。
上記SGGG単結晶の育成はチョクラルスキー(CZ:Czochralski)法等の回転引上げ法により行われ、予め混合したGd23、Ga23、MgO、ZrO2、CaCO3を坩堝内に所定量仕込み、高周波炉で加熱溶融して原料融液を得た後、坩堝内の原料融液に種結晶を接触させ、種結晶を回転させながら該種結晶を徐々に引き上げてSGGG単結晶を育成している(特許文献3参照)。尚、育成中におけるSGGG単結晶の直径制御については自動(auto diameter control:ADC)で行われているが、SGGG単結晶の育成初期段階は、ADCの直径演算処理データに用いられる結晶重量の値が小さく、直径演算処理を正確に行うことが困難なため手動制御で行われ、結晶直径が概ねφ25mm以上となった時点で自動制御が可能となる。
そして、育成されたSGGG単結晶インゴットにおける直胴部の上部および下部を内周刃切断機でウエハー状に切断して評価サンプルを求め、コロイダルシリカ等の研磨液を用いて上記評価サンプルを鏡面に仕上げてSGGG基板とし、該SGGG基板の格子定数や転位密度を測定して規格に対する合否判定がなされている。
特開2003−238294号公報 特開2003−238295号公報 特開2005−029400号公報
ところで、直径制御を手動で行いかつ結晶直径が概ねφ25mm以上となった時点で自動に切り替える従来法について本発明者が評価試験を行ったところ、SGGG基板の転位密度に関して視野6.3mm2当たり平均0.1個以下とする規格を満たしていないことが判明し、上記従来法には改善を必要とする課題が存在していた。
本発明はこのような問題点に着目してなされたもので、その課題とするところは、転位密度が規格内となる非磁性ガーネット単結晶の育成方法を提供することにある。
そこで、従来法で育成されたSGGG基板の転位密度が規格外となる原因について本発明者が鋭意調査したところ、手動制御の後半においてSGGG結晶の直径が急激に大きくなっており、かつ、手動から自動に切り替える直径制御のタイミングが早過ぎると直径の変動が大きくなり、急激な直径増加によって転位を引き起こしていることが確認された。本発明はこのような技術的発見により完成されたものである。
すなわち、請求項1に係る発明は、
回転引上げ法により(Gd3-xCax)(Ga5-x-2yZrx+yMgy)O12で表される非磁性ガーネット単結晶(x=0、y=0を含む)を育成する方法であって、結晶の直径制御を手動から自動に切り替えて行う非磁性ガーネット単結晶の育成方法において、
育成中における結晶の直径がφ25mmからφ35mmの間の結晶引上距離1mm当たりの直径増加量を2.7mm以下とし、かつ、手動から自動に切り替える直径制御のタイミングを結晶の直径がφ33mm以上のときとすることを特徴とするものである。
本発明に係る非磁性ガーネット単結晶の育成方法によれば、
育成中における結晶の直径がφ25mmからφ35mmの間の結晶引上距離1mm当たりの直径増加量を2.7mm以下とし、手動から自動に切り替える直径制御のタイミングを結晶の直径がφ33mm以上のときとしているため、育成される単結晶の直径が急激に増加しないことから転位の発生を抑制することが可能となる。
このため、転位密度が規格内となる非磁性ガーネット単結晶を安定して育成できる効果を有する。
面積6.3mm2当たりの105視野(一列27ヶ所×4列で、中央が3ケ重複するため計105視野)に対し平均転位個数が観察されるSGGG基板の平面図。 直径制御を手動から自動(ADC)に切り替えた時の結晶直径が本発明で規定するφ33mm以上の条件を共に満たす実施例1〜7と比較例7〜10に係る結晶引上距離1mm当たりの直径増加(mm)[直径傾き]を変化させたときの視野6.3mm2当たりの平均転位個数(/6.3mm2)を示す「結晶引上距離1mm当たりの直径増加(mm)」と「平均転位個数(/6.3mm2)」との関係を示すグラフ図。 結晶引上げ距離1mm当たりの直径増加が本発明で規定する2.7mm以下の条件を共に満たす実施例1〜7と比較例1〜2、4、6に係る手動から自動(ADC)に切り替える直径制御のタイミング時における結晶直径(mm)を変化させたときの視野6.3mm2当たりの平均転位個数(/6.3mm2)を示す「ADC開始直径(mm)」と「平均転位個数(/6.3mm2)」との関係を示すグラフ図。 実施例1〜7と比較例1〜10に係る「結晶引上距離1mm当たりの直径増加(mm)」と「ADC開始直径(mm)」との関係を示しており、直径制御を手動から自動(ADC)に切り替えた時の結晶直径が本発明で規定するφ33mm以上の条件と結晶引上げ距離1mm当たりの直径増加が本発明で規定する2.7mm以下の条件を共に満たしている実施例1〜7が規格内(すなわち合格「〇」)、上記条件の少なくとも一方を満たしていない比較例1〜10が規格外(すなわち不合格「×」)であることを示すグラフ図。
以下、本発明に係る実施の形態について説明する。
まず、転位密度が規格外となったロットについて本発明者が調査したところ、手動制御の後半でSGGG単結晶の直径が急激に大きくなっており、成長するのに要した引上距離は、結晶の直径φ15mmからφ25mmまでが5.0mmであるのに対し、結晶の直径φ25mmから35mmまでは1.7mmで成長し、かつ、手動から自動(ADC)に切り替える直径制御のタイミングは結晶の直径がφ36.8mmのときであった。また、上記SGGG単結晶の直径増加について、引上距離1mm当たりに増加する結晶直径(以下「直径傾き」と称する場合がある)に換算した場合、前者は2.0mmであるが、後者は6.9mmと急激に成長していることが確認された。
また、転位がSGGG単結晶インゴットの直胴部に伝播する状況を調べるため、引上軸(111)面に対して直交する(112)面でインゴットの肩部分を切断し、得た結晶板をジヨードメタンに浸して偏光の下で観察したところ、手動による直径制御の領域である結晶直径がφ30mm付近の面内中心に発生した転位が起点となって固液界面に対し垂直に直胴部まで伝播しており、この急激な直径の増加によって結晶に対する応力が増大して転位が発生したと推測された。
ところで、結晶直径の増加を緩やかにするためには育成雰囲気や原料融液中の温度勾配を急峻にすることが有効で、これを実現する方法として、高周波を発生して坩堝を加熱させるワークコイルの位置を坩堝の下部の発熱が強くなるように調整し、原料融液中における「自然対流」(原料融液内の温度差に起因する対流)を強くする手法が考えられる。
そこで、「自然対流」を強くした状況下においてSGGG単結晶の育成を実施したところ、結晶の直径φ25mmからφ35mmまでの上記「直径傾き」が、従来法による上記ロットの6.9mmから1.8mmまで小さくなり、この部分に発生する転位を抑制することが可能となった。
次に、上記条件下において、肩スクラップ重量を小さくさせるため手動から自動(ADC)に切り替える直径制御のタイミングを結晶の直径がφ30mmのときにしたところ、ADC開始の後に結晶直径の変動が大きくなり、この位置に転位が発生してSGGG単結晶インゴットの直胴部に伝播していた。従来法において結晶の直径φ25mmからφ35mmまで結晶が急激に成長していた(「直径傾き」が6.9mm)ことから、この範囲の原料融液中における坩堝半径方向の温度勾配が小さいと推測された。尚、この部分の温度を測定することは、育成炉の構造から実際には困難である。
そこで、以下に述べる実施例で確認された各条件に基づき、育成する結晶の直径がφ33mm未満までは手動による直径制御とする方法を見出すに至った。
具体的には、育成中の結晶直径がφ25mmからφ35mmの間の結晶引上距離1mm当たりの直径増加量を2.7mm(すなわち「直径傾き」2.7mm)以下とし、かつ、手動から自動に切り替える直径制御のタイミングを結晶の直径がφ33mm以上とすることにより転位密度が規格内であるSGGG単結晶を得ることが可能となった。
尚、手動から自動に切り替える直径制御のタイミング(すなわち、ADCを開始するタイミング)の結晶の直径をいたずらに大きくすることは、肩スクラップの重量が増して原料コストの増加となるため好ましくない。そこで、ADCを開始するタイミングの結晶直径は上述したようにφ33mm以上とし、かつ、原料コストの増加を抑制するためできるだけ小さい直径に設定することが好ましい。
以下、本発明の実施例について比較例を挙げて具体的に説明する。
[実施例1]
直径150mm、高さ150mmのイリジウム製坩堝内に、予め混合したGd23、Ga23、MgO、ZrO2,CaCO3を所定量仕込み、高周波加熱炉で1750℃まで加熱溶融して原料融液を得た後、種結晶を1分間に5回転させながら1時間に3mmの速度で引き上げて、直胴部の結晶直径であるφ80mmまでが肩部およびそれ以降が直胴部であるガドリニウム・ガリウム・ガーネット単結晶を育成した。
尚、表1に示すように結晶直径がφ25mmからφ35mmの間の結晶引上距離1mm当たりの直径増加(mm)は2.7mm、ADC開始直径(mm)は33.0mmであった。
得られた単結晶を内周刃でウエハー状に切り出し、かつ、コロイダルシリカ等の研磨液を用いて鏡面に仕上げてSGGG基板を得た後、該SGGG基板の転位密度を測定した。
尚、転位密度の測定は、倍率50倍の微分干渉顕微鏡を用い、図1に示すSGGG基板の面積6.3mm2当たりの105視野に対する平均転位個数を観察する方法により行った。
測定の結果、表1に示すように平均転位個数は0.06個(/6.3mm2)であり、育成5回全ての転位密度は規格内となった(図2〜図3参照)。
[実施例2]
表1に示す結晶直径がφ25mmからφ35mmの間の結晶引上距離1mm当たりの直径増加(mm)が実施例1と同様に2.7mmとし、ADC開始直径(mm)のみが34.0mmとなるようにした以外は実施例1と同様にして、直胴部の結晶直径であるφ80mmまでが肩部およびそれ以降が直胴部であるガドリニウム・ガリウム・ガーネット単結晶を育成した。
そして、実施例1と同様、得られたGGG基板の転位密度を測定したところ、表1に示すように平均転位個数は0.08個(/6.3mm2)であり、育成5回全ての転位密度は規格内となった(図2〜図3参照)。
[実施例3]
原料融液中における「自然対流」の強度が変わるようにワークコイルの位置を微調整して表1に示す結晶直径がφ25mmからφ35mmの間の結晶引上距離1mm当たりの直径増加(mm)が2.4mm、ADC開始直径(mm)が35.0mmとなるようにした以外は実施例1と同様にして、直胴部の結晶直径であるφ80mmまでが肩部およびそれ以降が直胴部であるガドリニウム・ガリウム・ガーネット単結晶を育成した。
そして、実施例1と同様、得られたGGG基板の転位密度を測定したところ、表1に示すように平均転位個数は0.02個(/6.3mm2)であり、育成5回全ての転位密度は規格内となった(図2〜図3参照)。
[実施例4]
ワークコイルの位置を微調整して表1に示す結晶直径がφ25mmからφ35mmの間の結晶引上距離1mm当たりの直径増加(mm)が2.0mm、ADC開始直径(mm)が35.0mmとなるようにした以外は実施例1と同様にして、直胴部の結晶直径であるφ80mmまでが肩部およびそれ以降が直胴部であるガドリニウム・ガリウム・ガーネット単結晶を育成した。
そして、実施例1と同様、得られたGGG基板の転位密度を測定したところ、表1に示すように平均転位個数は0個(/6.3mm2)であり、育成5回全ての転位密度は規格内となった(図2〜図3参照)。
[実施例5]
ワークコイルの位置を微調整して表1に示す結晶直径がφ25mmからφ35mmの間の結晶引上距離1mm当たりの直径増加(mm)が2.0mm、ADC開始直径(mm)が37.8mmとなるようにした以外は実施例1と同様にして、直胴部の結晶直径であるφ80mmまでが肩部およびそれ以降が直胴部であるガドリニウム・ガリウム・ガーネット単結晶を育成した。
そして、実施例1と同様、得られたGGG基板の転位密度を測定したところ、表1に示すように平均転位個数は0.05個(/6.3mm2)であり、育成5回全ての転位密度は規格内となった(図2〜図3参照)。
[実施例6]
ワークコイルの位置を微調整して表1に示す結晶直径がφ25mmからφ35mmの間の結晶引上距離1mm当たりの直径増加(mm)が1.9mm、ADC開始直径(mm)が36.2mmとなるようにした以外は実施例1と同様にして、直胴部の結晶直径であるφ80mmまでが肩部およびそれ以降が直胴部であるガドリニウム・ガリウム・ガーネット単結晶を育成した。
そして、実施例1と同様、得られたGGG基板の転位密度を測定したところ、表1に示すように平均転位個数は0.01個(/6.3mm2)であり、育成5回全ての転位密度は規格内となった(図2〜図3参照)。
[実施例7]
ワークコイルの位置を微調整して表1に示す結晶直径がφ25mmからφ35mmの間の結晶引上距離1mm当たりの直径増加(mm)が1.8mm、ADC開始直径(mm)が36.8mmとなるようにした以外は実施例1と同様にして、直胴部の結晶直径であるφ80mmまでが肩部およびそれ以降が直胴部であるガドリニウム・ガリウム・ガーネット単結晶を育成した。
そして、実施例1と同様、得られたGGG基板の転位密度を測定したところ、表1に示すように平均転位個数は0個(/6.3mm2)であり、育成5回全ての転位密度は規格内となった(図2〜図3参照)。
[比較例1]
ワークコイルの位置を微調整して表1に示す結晶直径がφ25mmからφ35mmの間の結晶引上距離1mm当たりの直径増加(mm)が1.9mm、ADC開始直径(mm)が25.0mmとなるようにした以外は実施例1と同様にして、直胴部の結晶直径であるφ80mmまでが肩部およびそれ以降が直胴部であるガドリニウム・ガリウム・ガーネット単結晶を育成した。
そして、実施例1と同様、得られたGGG基板の転位密度を測定したところ、表1に示すように平均転位個数は1.1個(/6.3mm2)であり、育成3回全ての転位密度が規格外となった(図3参照)。
[比較例2]
ワークコイルの位置を微調整して表1に示す結晶直径がφ25mmからφ35mmの間の結晶引上距離1mm当たりの直径増加(mm)が2.1mm、ADC開始直径(mm)が28.0mmとなるようにした以外は実施例1と同様にして、直胴部の結晶直径であるφ80mmまでが肩部およびそれ以降が直胴部であるガドリニウム・ガリウム・ガーネット単結晶を育成した。
そして、実施例1と同様、得られたGGG基板の転位密度を測定したところ、表1に示すように平均転位個数は0.8個(/6.3mm2)であり、育成3回全ての転位密度が規格外となった(図3参照)。
[比較例3]
ワークコイルの位置を微調整して表1に示す結晶直径がφ25mmからφ35mmの間の結晶引上距離1mm当たりの直径増加(mm)が5.0mm、ADC開始直径(mm)が30.0mmとなるようにした以外は実施例1と同様にして、直胴部の結晶直径であるφ80mmまでが肩部およびそれ以降が直胴部であるガドリニウム・ガリウム・ガーネット単結晶を育成した。
そして、実施例1と同様、得られたGGG基板の転位密度を測定したところ、表1に示すように平均転位個数は0.9個(/6.3mm2)であり、育成3回全ての転位密度が規格外となった。
[比較例4]
表1に示す結晶直径がφ25mmからφ35mmの間の結晶引上距離1mm当たりの直径増加(mm)が実施例1と同様に2.7mmとし、ADC開始直径(mm)のみが32.1mmとなるようにした以外は実施例1と同様にして、直胴部の結晶直径であるφ80mmまでが肩部およびそれ以降が直胴部であるガドリニウム・ガリウム・ガーネット単結晶を育成した。
そして、実施例1と同様、得られたGGG基板の転位密度を測定したところ、表1に示すように平均転位個数は0.3個(/6.3mm2)であり、育成3回全ての転位密度が規格外となった(図3参照)。
[比較例5]
ワークコイルの位置を微調整して表1に示す結晶直径がφ25mmからφ35mmの間の結晶引上距離1mm当たりの直径増加(mm)が2.8mm、ADC開始直径(mm)が32.1mmとなるようにした以外は実施例1と同様にして、直胴部の結晶直径であるφ80mmまでが肩部およびそれ以降が直胴部であるガドリニウム・ガリウム・ガーネット単結晶を育成した。
そして、実施例1と同様、得られたGGG基板の転位密度を測定したところ、表1に示すように平均転位個数は0.4個(/6.3mm2)であり、育成3回全ての転位密度が規格外となった。
[比較例6]
ワークコイルの位置を微調整して表1に示す結晶直径がφ25mmからφ35mmの間の結晶引上距離1mm当たりの直径増加(mm)が2.6mm、ADC開始直径(mm)が32.5mmとなるようにした以外は実施例1と同様にして、直胴部の結晶直径であるφ80mmまでが肩部およびそれ以降が直胴部であるガドリニウム・ガリウム・ガーネット単結晶を育成した。
そして、実施例1と同様、得られたGGG基板の転位密度を測定したところ、表1に示すように平均転位個数は0.3個(/6.3mm2)であり、育成3回全ての転位密度が規格外となった(図3参照)。
[比較例7]
ワークコイルの位置を微調整して表1に示す結晶直径がφ25mmからφ35mmの間の結晶引上距離1mm当たりの直径増加(mm)が3.6mm、ADC開始直径(mm)が33.0mmとなるようにした以外は実施例1と同様にして、直胴部の結晶直径であるφ80mmまでが肩部およびそれ以降が直胴部であるガドリニウム・ガリウム・ガーネット単結晶を育成した。
そして、実施例1と同様、得られたGGG基板の転位密度を測定したところ、表1に示すように平均転位個数は0.4個(/6.3mm2)であり、育成3回全ての転位密度が規格外となった(図2参照)。
[比較例8]
ワークコイルの位置を微調整して表1に示す結晶直径がφ25mmからφ35mmの間の結晶引上距離1mm当たりの直径増加(mm)が3.6mm、ADC開始直径(mm)が34.0mmとなるようにした以外は実施例1と同様にして、直胴部の結晶直径であるφ80mmまでが肩部およびそれ以降が直胴部であるガドリニウム・ガリウム・ガーネット単結晶を育成した。
そして、実施例1と同様、得られたGGG基板の転位密度を測定したところ、表1に示すように平均転位個数は0.4個(/6.3mm2)であり、育成3回全ての転位密度が規格外となった(図2参照)。
[比較例9]
ワークコイルの位置を微調整して表1に示す結晶直径がφ25mmからφ35mmの間の結晶引上距離1mm当たりの直径増加(mm)が5.4mm、ADC開始直径(mm)が36.8mmとなるようにした以外は実施例1と同様にして、直胴部の結晶直径であるφ80mmまでが肩部およびそれ以降が直胴部であるガドリニウム・ガリウム・ガーネット単結晶を育成した。
そして、実施例1と同様、得られたGGG基板の転位密度を測定したところ、表1に示すように平均転位個数は0.7個(/6.3mm2)であり、育成3回全ての転位密度が規格外となった(図2参照)。
[比較例10]
ワークコイルの位置を微調整して表1に示す結晶直径がφ25mmからφ35mmの間の結晶引上距離1mm当たりの直径増加(mm)が6.9mm、ADC開始直径(mm)が38.3mmとなるようにした以外は実施例1と同様にして、直胴部の結晶直径であるφ80mmまでが肩部およびそれ以降が直胴部であるガドリニウム・ガリウム・ガーネット単結晶を育成した。
そして、実施例1と同様、得られたGGG基板の転位密度を測定したところ、表1に示すように平均転位個数は0.4個(/6.3mm2)であり、育成3回全ての転位密度が規格外となった(図2参照)。
Figure 0006369453
『確 認』
1.結晶直径がφ25mmからφ35mmの間の結晶引上距離1mm当たりの直径増加量(mm)の要件
以下の表2と表2に基づく図2に示されたデータから、育成中の結晶直径がφ25mmからφ35mm間の結晶引上距離1mm当たりの直径増加量が「2.7mm以下」とする要件を満たさない比較例7〜10においては平均転位個数が0.1個(/6.3mm2)以下の規格を満たさないこと(すなわち不合格「×」)が確認される。
2.手動から自動に切り替える直径制御のタイミングの要件
以下の表3と表3に基づく図3に示されたデータから、手動から自動に切り替える直径制御のタイミングを結晶直径が「φ33mm以上」のときとする要件を満たさない比較例1〜2、4、6においても平均転位個数が0.1個(/6.3mm2)以下の規格を満たさないこと(すなわち不合格「×」)が確認される。
3.各要件を満たす実施例1〜7と少なくとも一方の要件を満たさない比較例1〜10
図4に示されたデータから、育成中の結晶直径がφ25mmからφ35mm間の結晶引上距離1mm当たりの直径増加量が「2.7mm以下」とする要件、および、手動から自動に切り替える直径制御のタイミングを結晶直径が「φ33mm以上」のときとする要件を共に満たす実施例1〜7においては平均転位個数が0.1個(/6.3mm2)以下の規格を満たすこと(すなわち合格「〇」)が確認され、上記要件の少なくとも一方を満たしていない比較例1〜10においては平均転位個数が0.1個(/6.3mm2)以下の規格を満たしていないこと(すなわち不合格「×」)が確認される。
Figure 0006369453
Figure 0006369453
本発明に係る転位密度が規格内となる非磁性ガーネット単結晶から得られた非磁性ガーネット基板を用いた場合、該基板上に育成される磁性ガーネット単結晶膜は結晶欠陥等の無い良質な膜になるため、光アイソレータ等の光学素子用ファラデー回転子の材料として利用される産業上の利用可能性を有している。

Claims (1)

  1. 回転引上げ法により(Gd3-xCax)(Ga5-x-2yZrx+yMgy)O12で表される非磁性ガーネット単結晶(x=0、y=0を含む)を育成する方法であって、結晶の直径制御を手動から自動に切り替えて行う非磁性ガーネット単結晶の育成方法において、
    育成中における結晶の直径がφ25mmからφ35mmの間の結晶引上距離1mm当たりの直径増加量を2.7mm以下とし、かつ、手動から自動に切り替える直径制御のタイミングを結晶の直径がφ33mm以上のときとすることを特徴とする非磁性ガーネット単結晶の育成方法。
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