JP6172013B2 - Gsgg単結晶の製造方法と酸化物ガーネット単結晶膜の製造方法 - Google Patents

Gsgg単結晶の製造方法と酸化物ガーネット単結晶膜の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、GSGG単結晶の製造方法と酸化物ガーネット単結晶膜の製造方法に係り、特に、ファセット成長と転位の両方を抑制できるGSGG単結晶の製造方法と、ピットの発生を抑制できる酸化物ガーネット単結晶膜の製造方法に関するものである。
光アイソレータは、磁界を印加することにより入射光の偏光面を回転させるファラデー回転子を有しており、近年、光アイソレータは、光通信の分野だけでなくファイバーレーザー加工機にも使用されるようになってきている。
このような光アイソレータに使用されるファラデー回転子の材料として、ガドリニウム・スカンジウム・ガリウム・ガーネット[Gd 3 (ScGa) 5 12 :GSGG]単結晶から成る基板上に液相エピタキシャル成長させて得られる希土類鉄ガーネット(RIG:Rare-earth iron garnet)等の酸化物ガーネット単結晶膜が知られている(非特許文献1参照)。
しかし、従来法で製造されたGSGG単結晶から成る基板上に液相エピタキシャル成長させて得られる酸化物ガーネット単結晶膜表面には直径数μm〜数十μmのピットが発生しており、不良部分となるピットが存在する分、収率を低下させる問題があった。尚、酸化物ガーネット単結晶膜表面にピットを発生させる原因は、GSGG単結晶(非磁性ガーネット単結晶)基板に内在する転位であることが知られている(特許文献1〜2参照)。
ところで、非磁性ガーネット単結晶基板を構成する上記GSGG単結晶は、従来、原料融液に種結晶を接触させかつ種結晶を回転させながら引き上げるチョクラルスキー(CZ)法により製造されている。
そして、上記CZ法により単結晶を製造する場合における転位の発生は、原料融液に種結晶を接触させたときの熱ショック(種付け時における熱ショック)、結晶成長時における温度変動、および、原料融液表面上の雰囲気における温度勾配に依存するとされている。例えば、転位の大半が種付け時に発生するシリコン単結晶では、無転位のシリコン単結晶を得るため、種付け後に結晶成長部の直径を絞るネッキングと呼ばれる操作を行い、かつ、結晶成長時における温度変動を抑制すると共に、原料融液表面上の雰囲気における温度勾配を緩く保てるように育成炉内の保温系を構成している。また、ガリウムヒ素(GaAs:Gallium Arsenide)等の化合物半導体においても、転位を低減させるには、単結晶成長時における原料融液表面上の上記温度勾配を緩く保って、熱応力による転位の発生を抑制することが有効とされている(非特許文献2〜3参照)。
そこで、上記GSGG単結晶の転位を抑制するため、原料融液表面上の雰囲気における温度勾配を緩く設定してGSGG単結晶を育成する試みがなされているが、目的とする結晶面とは別の結晶面のファセット成長が顕著になり[例えば、<111>結晶方位に成長させた場合、(211)結晶面のファセット成長が顕著になる]、ファセット部とオフファセット部とで格子定数に差異が生じ、ファセット部とオフファセット部の境界に応力が生じる結果、育成されるGSGG単結晶にクラックが発生し、また、GSGG単結晶の成長中に螺旋状に捩じれてしまい、結晶形状の制御が困難となる問題が存在した。
尚、結晶育成時における上記ファセット成長を抑制するため、結晶肩部から直胴部に移行する際、種結晶の回転数を制御して成長界面を原料融液に向かって凸の状態からフラットあるいはやや凸の状態に反転させる界面反転操作(特許文献3参照)を行っても、原料融液表面上の雰囲気における温度勾配を緩く(例えば、4℃/cm以下)設定した場合にはファセット成長を抑制することは困難であった。
このように、GSGG単結晶をチョクラルスキー(CZ)法により育成する場合、ファセット成長と転位の両方を抑制することは極めて困難であった。
特開2005−314135号公報 特開2006−015424号公報 特開2012−224516号公報
宮澤信太郎「光学結晶」1995年、培風館 阿部孝夫、小切間正彦、谷口研二「シリコン結晶とドーピング」1986年 丸善 T. Kawase et. al. "Low dislocation density 6-inch GaAs single crystals grown by VCZ method" 1992 Gallium Arsenide and Related Compounds 1992 Institute of Physics Conference Series Number 129, Institute of Physics Publishing, Bristol and Philadelphia
本発明はこのような問題点に着目してなされたもので、その課題とするところは、ファセット成長と転位の両方を抑制できるGSGG単結晶の製造方法を提供し、合わせてピットの発生を抑制できる酸化物ガーネット単結晶膜の製造方法を提供することにある。
そこで、上記課題を解決するため本発明者等は以下のような技術的分析を行った。
まず、チョクラルスキー(CZ)法による従来の育成条件(原料融液の加熱条件、種結晶の回転並びに引き上げ条件、特許文献3に記載された成長界面の反転操作等、従来から採用されている自動制御による条件)を維持したまま、原料融液表面上の雰囲気における温度勾配がGSGG単結晶に及ぼす影響について調査し、かつ、上記ファセット成長と転位の発生を防止できる条件について検討した。
その結果、原料融液表面から引き上げ方向1cmまでの雰囲気における温度勾配と1cmを越え引き上げ方向10cmまでの雰囲気における温度勾配が所定の数値範囲に入るように管理した場合、ファセット成長と転位の両方を抑制できることを見出すに至った。
更に、ファセット成長と転位の両方が抑制されたGSGG単結晶から非磁性ガーネット単結晶基板を得ることによりピットの発生が抑制された酸化物ガーネット単結晶膜の製造方法も提供できることを見出すに至った。
すなわち、本発明に係る第1の発明は、
結晶育成炉内に配置された坩堝内の原料融液に種結晶を接触させ、かつ、該種結晶を回転させながら引き上げてGSGG単結晶を育成するチョクラルスキー法によるGSGG単結晶の製造方法において、
上記結晶育成炉内の原料融液表面から引き上げ方向1cmまでの雰囲気における温度勾配を7〜14℃/cm、1cmを越え引き上げ方向10cmまでの雰囲気における温度勾配を19〜23℃/cmの範囲に維持しながらGSGG単結晶を育成することを特徴とする。
また、第2の発明は、
第1の発明に記載のGSGG単結晶の製造方法において、
GSGG単結晶の成長に対応した結晶育成炉内における引き上げ方向のホットゾーン条件を事前に設定し、かつ、結晶育成中における原料融液表面の引き上げ方向の位置を計測すると共に、計測された原料融液表面の位置データに対応したホットゾーン条件に調整して原料融液表面から引き上げ方向1cmまでの雰囲気における温度勾配と1cmを越え引き上げ方向10cmまでの雰囲気における温度勾配を上記数値範囲に維持することを特徴とし、
第3の発明は、
第1または第2の発明に記載のGSGG単結晶の製造方法において、
上記種結晶表面における結晶方位が<111>であることを特徴とする。
次に、第4の発明は、
液相エピタキシャル成長法により酸化物ガーネット単結晶膜を非磁性ガーネット基板上に育成させる酸化物ガーネット単結晶膜の製造方法において、
第1〜第3の発明のいずれかに記載の方法により育成されたGSGG単結晶から切り出されたGSGG単結晶から成る基板により上記非磁性ガーネット基板が構成されていることを特徴とし、
第5の発明は、
第4の発明に記載の酸化物ガーネット単結晶膜の製造方法において、
酸化物ガーネット単結晶膜の組成が(BiNdGd)3Fe512で示されることを特徴とする。
本発明に係るGSGG単結晶の製造方法によれば、
結晶育成炉内の原料融液表面から引き上げ方向1cmまでの雰囲気における温度勾配と1cmを越え引き上げ方向10cmまでの雰囲気における温度勾配が所定の数値範囲に維持されるように管理しながらGSGG単結晶を育成することにより、ファセット成長と転位の両方が抑制されたGSGG単結晶を製造することができる。
また、本発明に係る酸化物ガーネット単結晶膜の製造方法によれば、
上記GSGG単結晶の製造方法により育成されたファセット成長と転位の両方が抑制されたGSGG単結晶から切り出されたGSGG単結晶から成る基板により非磁性ガーネット基板が構成されているため、ピットの発生が抑制された酸化物ガーネット単結晶膜を液相エピタキシャル成長法により非磁性ガーネット基板上に育成することができる。
このため、不良部分となるピットが存在しない分、酸化物ガーネット単結晶膜の収率を改善できると共に、得られた酸化物ガーネット単結晶膜をチップに切断したときにもクラックや細かい割れが発生し難いことからチップの収率も顕著に改善することができる。
本発明に係るGSGG単結晶の製造方法に用いられる製造装置の概略構成を示す説明図。 本発明に係るGSGG単結晶の結晶トップ部と結晶ボトム部を示す説明図。 実施例1に係るGSGG単結晶の写真図。 比較例1に係るGSGG単結晶の写真図。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(1)GSGG単結晶の製造方法
図1は、本発明に係るガドリニウム・スカンジウム・ガリウム・ガーネット(GSGG)単結晶の製造方法に用いられる製造装置の概略構成を示す説明図である。
この製造装置は、公知のチョクラルスキー法によりGSGG単結晶を製造する育成炉1を備えている。育成炉1の構造を簡単に説明すると、育成炉1は、筒状のチャンバー2と、このチャンバー2の外側に設置された高周波コイル10と、上記チャンバー2の内側に配置されたイリジウム製のルツボ8を有している。尚、上記育成炉1の寸法は、製造するGSGG単結晶の大きさに依存するが、一例として直径0.6m、高さ1m程度である。
また、上記育成炉1には開口部(図示せず)が2箇所設けられており、これ等開口部を介して不活性ガス、好適にはアルゴンガスが給排され、結晶育成時のチャンバー2内は不活性ガスで満たされる。尚、育成炉1内には、上記ルツボ8底部の下側に温度を計測する図示外の温度計(熱電対)が設置されている。
また、上記高周波コイル10は銅管で構成され、図示外の制御部を通じ投入電力が制御されてルツボ8が高周波加熱されると共に温度調節がなされる。また、上記高周波コイル10の内側でチャンバー2内には断熱材3が配置されており、複数の断熱材3により囲まれた雰囲気によりホットゾーン5が形成されている。
上記ホットゾーン5の温度勾配は断熱材3の形状と構成(材質)によって広範囲に変化させることができ、育成する単結晶の種類に合わせ断熱材3の形状と構成を設計して適正なホットゾーン5の温度勾配を形成する。更に、高周波コイル10のルツボ8に対する相対位置を調整することによりホットゾーン5の温度勾配を微調整することができる。尚、上記断熱材3は、高融点の耐火物により構成されている。
また、上記ルツボ8はカップ状に形成され、その底部が断熱材3上に配置されかつ断熱材3により保持されている。また、ルツボ8の上方側には、種結晶と成長したGSGG単結晶を保持しかつ引き上げるための引き上げ軸4が設置されており、引き上げ軸4は軸線を中心に回転させることができる。
そして、ルツボ8内に原料を充填し、育成炉1のチャンバー2内に上記ルツボ8を配置しかつ高周波コイル10により加熱して原料を融解させ、その後、原料融液9に種結晶6を接触させて徐々に温度を降下させ、同時に引き上げ軸4を徐々に引き上げることにより種結晶の下部側において原料融液9を順次結晶化させる。そして、従来の育成条件に従い高周波コイル10への投入電力を調整し、所望とする直径のGSGG単結晶7を育成することが可能となる。このときファセット成長に伴う歪の発生を抑制するため、特許文献3に記載の「界面反転操作」を行い、界面形状を凸から平坦にしている。尚、単結晶育成に係る一連の温度モニターは上記温度計(熱電対)により行われる。
尚、GSGG[Gd 3 (ScGa) 5 12 ]結晶の原料には、酸化ガドリニウム(Gd23)粉末、酸化スカンジウム(Sc23)粉末および酸化ガリウム(Ga23)粉末を適用するが、これ等原料粉の配合比は育成する単結晶の組成と育成条件によって決定される。
ところで、本発明に係るGSGG単結晶の製造方法は、従来の育成条件(原料融液の加熱条件、種結晶の回転並びに引き上げ条件、上記界面反転操作等の従来から採用されている自動制御による条件)を維持したまま、育成炉1内における原料融液表面から引き上げ方向1cmまでの雰囲気における温度勾配を7〜14℃/cm、1cmを越え引き上げ方向10cmまでの雰囲気における温度勾配を19〜23℃/cmの範囲に維持しながらGSGG単結晶を育成することを特徴としている。
このため、GSGG単結晶7の成長に対応した育成炉1内における引き上げ方向の「ホットゾーン条件」が事前に設定されている。すなわち、GSGG単結晶7の成長に伴いルツボ8内の原料が消費されるため、原料融液表面における引き上げ方向の位置が低下しかつルツボ8内の原料融液量も減少する。このため、原料融液表面における引き上げ方向の変位に対応させて、予備実験等により原料融液表面から引き上げ方向1cmまでの雰囲気における温度勾配が7〜14℃/cm、1cmを越え引き上げ方向10cmまでの雰囲気における温度勾配が19〜23℃/cmの範囲内に維持される育成炉1内における引き上げ方向の「ホットゾーン条件」を事前に求めて設定することを要する。
そして、予備実験により「ホットゾーン条件」を事前に設定する際、ホットゾーン5における温度分布の測定は以下のようにして行っている。すなわち、ルツボ8にGSGG結晶の原料を入れると共に、この状態で、結晶育成時に種結晶6が取り付けられる引き上げ軸4に熱電対を取り付け、かつ、原料表面から上記熱電対を徐々に引き上げながらホットゾーン5における引き上げ方向の温度を順次記録する方法により行っている。但し、予備実験においては「B熱電対」を適用しているため、ルツボ8内の原料が融解しない条件において行っている。
また、結晶育成時において原料融液表面の引き上げ方向位置を計測する方法として、例えば、光センサ等により直接計測する方法、あるいは、重量計により育成されたGSGG単結晶の重量を測定しかつルツボ8内の原料消費に伴う原料融液表面の変位を計算により求める方法等が挙げられる。
そして、本発明に係るGSGG単結晶の製造方法においては、上述したように育成炉1内の原料融液表面から引き上げ方向1cmまでの雰囲気における温度勾配と1cmを越え引き上げ方向10cmまでの雰囲気における温度勾配が所定の数値範囲(原料融液表面から引き上げ方向1cmまでの雰囲気における温度勾配が7〜14℃/cm、1cmを越え引き上げ方向10cmまでの雰囲気における温度勾配が19〜23℃/cmの範囲)に維持されるように管理しながらGSGG単結晶7を育成していることから、ファセット成長と転位の両方が抑制されたGSGG単結晶7を製造することができる。
ところで、原料融液表面上の雰囲気における温度勾配が緩い(例えば、4℃/cm以下)場合と比較し、原料融液表面から引き上げ方向1cmまでの雰囲気における温度勾配が7〜14℃/cm、1cmを越え引き上げ方向10cmまでの雰囲気における温度勾配が19〜23℃/cmの範囲に入るように維持した場合に上記「ファセット成長」と「転位」の発生が抑制される理由について、本発明者等は以下のように推測している。
原料融液表面上の雰囲気における温度勾配が緩い(例えば、4℃/cm以下)と、上記温度勾配がきつい場合に較べて、結晶育成時における同じ幅の温度変動でも、温度分布の変動する空間的な領域が広くなり、結晶成長の軸対称性が崩れやすくなり、この結果、結晶の捩れが発生し易くなると推測している。また、原料融液表面上の雰囲気における温度勾配が緩いと、成長し易い結晶面(ファセット成長面)が現れ易くなるのに対し、上記温度勾配がきついと融点の等温線に対応した形状の固液界面が形成される結果、ファセット成長が抑制されると推測している。
尚、育成されたGSGG単結晶は育成炉1から取出し、熱歪を除去するアニール処理を行なってから、規格に合わせた厚さの非磁性ガーネット基板に加工される。
(2)酸化物ガーネット単結晶膜の製造方法
次に、磁気光学効果を有しファラデー回転子の材料となる(BiNdGd)3Fe512等の酸化物ガーネット単結晶膜は、上記GSGG単結晶から成る非磁性ガーネット基板上に液相エピタキシャル法により育成させて得られる。
すなわち、酸化物ガーネット単結晶膜の組成に応じた所定量をフラックス成分と共にルツボに仕込み、約1000℃に昇温して融解させた後、過冷却温度の800〜950℃に保持しながらGSGG単結晶から成る非磁性ガーネット基板上に酸化物ガーネット単結晶膜を成長させる。このとき、ファセット成長と転位のない上記GSGG単結晶から切り出された非磁性ガーネット基板上に育成される酸化物ガーネット単結晶膜にはピットが発生し難いため、得られた酸化物ガーネット単結晶膜から11mm角のチップを切り出す際のクラック不良が大幅に低減され、ファラデー回転子の材料を高収率で得ることができる。
尚、組成式(BiNdGd)3Fe512で示される酸化物ガーネット単結晶膜の原料には、酸化ビスマス(Bi23)粉末、酸化ネオジウム(Nd23)粉末、酸化ガドリニウム(Gd23)粉末および酸化鉄(Fe23)粉末を適用するが、これ等原料粉の配合比は育成する単結晶膜の組成と育成条件によって決定される。
以下、本発明の実施例について比較例を挙げて具体的に説明する。
[実施例1]
(GSGG単結晶の製造)
予備実験により事前に求めたGSGG単結晶の成長に対応した「ホットゾーン条件」に従い、原料融液表面から引き上げ方向1cmまでの雰囲気における温度勾配が7℃/cm(7〜14℃/cmの範囲内)、1cmを越え引き上げ方向10cmまでの雰囲気における温度勾配が19℃/cm(19〜23℃/cmの範囲内)の条件で、図1に示す単結晶の製造装置を用い、かつ、従来の育成条件に従って、直径50mm、直胴長140mmのGSGG単結晶を育成した。
得られたGSGG単結晶は、図3の写真図に示すようにファセットや捩れの発生が見られず、図1の製造装置に付設された自動直径制御装置により目標直径±1mmの精度で良好に制御され、かつ、クラックの発生もなかった。
そして、得られたGSGG単結晶を1600℃、大気雰囲気にて40時間保持し、かつ、16時間かけて室温まで冷却する「アニール処理」を施した後、加工してGSGG単結晶から成る基板(GSGG単結晶基板:非磁性ガーネット基板)を得た。
尚、図2の結晶トップ部11と結晶ボトム部12に相当するGSGG単結晶基板を偏光顕微鏡で観察したところ無転位であった。
(酸化物ガーネット単結晶膜の製造)
まず、原料として、Bi23、Nd23、Gd23、Fe23、フラックスとして、PbO、B23それぞれを秤量し、かつ、所定量を白金ルツボに投入した後、1100℃に昇温して溶融させた。
次いで、GSGG単結晶基板の片面がルツボ内の融液に浸漬するように設置した後、GSGG単結晶基板を回転させながらエピタキシャル成長させてGSGG単結晶基板上に(BiNdGd)3Fe512で示される酸化物ガーネット単結晶膜を成長させた。
そして、目視観察および顕微鏡観察によって上記酸化物ガーネット単結晶膜にピットが存在しないことを確認した。
その後、得られた酸化物ガーネット単結晶膜について、11mm角のチップの切出しを行ったところ、クラックや細かい割れが発生せず、100%の収率で11mm角のチップを得ることができた。
[実施例2]
(GSGG単結晶の製造)
実施例1と同様の方法により、原料融液表面から引き上げ方向1cmまでの雰囲気における温度勾配が10℃/cm(7〜14℃/cmの範囲内)、1cmを越え引き上げ方向10cmまでの雰囲気における温度勾配が20℃/cm(19〜23℃/cmの範囲内)の条件で、図1に示す単結晶の製造装置を用い、かつ、従来の育成条件に従って、直径50mm、直胴長70mmのGSGG単結晶を育成した。
得られたGSGG単結晶はファセットや捩れの発生が見られず、図1の製造装置に付設された自動直径制御装置により目標直径±1mmの精度で良好に制御され、かつ、クラックの発生もなかった。
そして、得られたGSGG単結晶を1600℃、大気雰囲気にて40時間保持し、かつ、16時間かけて室温まで冷却する「アニール処理」を施した後、加工してGSGG単結晶から成る基板(GSGG単結晶基板)を得た。
尚、図2の結晶トップ部11と結晶ボトム部12に相当するGSGG単結晶基板を偏光顕微鏡で観察したところ無転位であった。
(酸化物ガーネット単結晶膜の製造)
まず、原料として、Bi23、Nd23、Gd23、Fe23、フラックスとして、PbO、B23それぞれを秤量し、かつ、所定量を白金ルツボに投入した後、1100℃に昇温して溶融させた。
次いで、GSGG単結晶基板の片面がルツボ内の融液に浸漬するように設置した後、GSGG単結晶基板を回転させながらエピタキシャル成長させてGSGG単結晶基板上に(BiNdGd)3Fe512で示される酸化物ガーネット単結晶膜を成長させた。
そして、目視観察および顕微鏡観察によって上記酸化物ガーネット単結晶膜にピットが存在しないことを確認した。
その後、得られた酸化物ガーネット単結晶膜について、11mm角のチップの切出しを行ったところ、クラックや細かい割れが発生せず、100%の収率で11mm角のチップを得ることができた。
[実施例3]
(GSGG単結晶の製造)
実施例1と同様の方法により、原料融液表面から引き上げ方向1cmまでの雰囲気における温度勾配が14℃/cm(7〜14℃/cmの範囲内)、1cmを越え引き上げ方向10cmまでの雰囲気における温度勾配が23℃/cm(19〜23℃/cmの範囲内)の条件で、図1に示す単結晶の製造装置を用い、かつ、従来の育成条件に従って、直径50mm、直胴長70mmのGSGG単結晶を育成した。
得られたGSGG単結晶はファセットや捩れの発生が見られず、図1の製造装置に付設された自動直径制御装置により目標直径±1mmの精度で良好に制御され、かつ、クラックの発生もなかった。
そして、得られたGSGG単結晶を1600℃、大気雰囲気にて40時間保持し、かつ、16時間かけて室温まで冷却する「アニール処理」を施した後、加工してGSGG単結晶から成る基板(GSGG単結晶基板)を得た。
尚、図2の結晶トップ部11と結晶ボトム部12に相当するGSGG単結晶基板を偏光顕微鏡で観察したところ無転位であった。
(酸化物ガーネット単結晶膜の製造)
まず、原料として、Bi23、Nd23、Gd23、Fe23、フラックスとして、PbO、B23それぞれを秤量し、かつ、所定量を白金ルツボに投入した後、1100℃に昇温して溶融させた。
次いで、GSGG単結晶基板の片面がルツボ内の融液に浸漬するように設置した後、GSGG単結晶基板を回転させながらエピタキシャル成長させてGSGG単結晶基板上に(BiNdGd)3Fe512で示される酸化物ガーネット単結晶膜を成長させた。
そして、目視観察および顕微鏡観察によって上記酸化物ガーネット単結晶膜にピットが存在しないことを確認した。
その後、得られた酸化物ガーネット単結晶膜について、11mm角のチップの切出しを行ったところ、クラックや細かい割れが発生せず、100%の収率で11mm角のチップを得ることができた。
[比較例1]
(GSGG単結晶の製造)
実施例1と同様の方法により、原料融液表面から引き上げ方向1cmまでの雰囲気における温度勾配が4℃/cm(7〜14℃/cmの範囲外)、1cmを越え引き上げ方向10cmまでの雰囲気における温度勾配が3℃/cm(19〜23℃/cmの範囲外)の条件で、図1に示す単結晶の製造装置を用い、かつ、従来の育成条件に従って、直径50mm、直胴長110mmのGSGG単結晶を育成した。
得られたGSGG単結晶の上部には図4の写真図に示すように捩れが発生し、かつ、自動直径制御装置による直径制御の乱れが大きかった。
そして、得られたGSGG単結晶を1600℃、大気雰囲気にて40時間保持し、かつ、16時間かけて室温まで冷却する「アニール処理」を施した後、加工してGSGG単結晶から成る基板(GSGG単結晶基板)を得た。
尚、図2の結晶トップ部11と結晶ボトム部12に相当するGSGG単結晶基板を偏光顕微鏡で観察したところ、1cm2当たり24個の転位が見られた。
(酸化物ガーネット単結晶膜の製造)
まず、原料として、Bi23、Nd23、Gd23、Fe23、フラックスとして、PbO、B23それぞれを秤量し、かつ、所定量を白金ルツボに投入した後、1100℃に昇温して溶融させた。
次いで、GSGG単結晶基板の片面がルツボ内の融液に浸漬するように設置した後、GSGG単結晶基板を回転させながらエピタキシャル成長させてGSGG単結晶基板上に(BiNdGd)3Fe512で示される酸化物ガーネット単結晶膜を成長させた。
そして、目視観察および顕微鏡観察によって上記酸化物ガーネット単結晶膜にピットが存在することを確認した。
その後、得られた酸化物ガーネット単結晶膜について、11mm角のチップの切出しを行ったところ、クラックや細かい割れによる不良が発生し、11mm角のチップの収率が100%である実施例1〜3と比較し、78%に低減してしまった。
[比較例2]
(GSGG単結晶の製造)
実施例1と同様の方法により、原料融液表面から引き上げ方向1cmまでの雰囲気における温度勾配が4℃/cm(7〜14℃/cmの範囲外)、1cmを越え引き上げ方向10cmまでの雰囲気における温度勾配が20℃/cm(19〜23℃/cmの範囲内)の条件で、図1に示す単結晶の製造装置を用い、かつ、従来の育成条件に従って、直径50mm、直胴長110mmのGSGG単結晶を育成した。
得られたGSGG単結晶の上部には捩れが発生し、かつ、自動直径制御装置による直径制御の乱れが大きかった。
そして、得られたGSGG単結晶を1600℃、大気雰囲気にて40時間保持し、かつ、16時間かけて室温まで冷却する「アニール処理」を施した後、加工してGSGG単結晶から成る基板(GSGG単結晶基板)を得た。
尚、図2の結晶トップ部11と結晶ボトム部12に相当するGSGG単結晶基板を偏光顕微鏡で観察したところ、1cm2当たり63個の転位が見られた。
(酸化物ガーネット単結晶膜の製造)
まず、原料として、Bi23、Nd23、Gd23、Fe23、フラックスとして、PbO、B23それぞれを秤量し、かつ、所定量を白金ルツボに投入した後、1100℃に昇温して溶融させた。
次いで、GSGG単結晶基板の片面がルツボ内の融液に浸漬するように設置した後、GSGG単結晶基板を回転させながらエピタキシャル成長させてGSGG単結晶基板上に(BiNdGd)3Fe512で示される酸化物ガーネット単結晶膜を成長させた。
そして、目視観察および顕微鏡観察によって上記酸化物ガーネット単結晶膜にピットが存在することを確認した。
その後、得られた酸化物ガーネット単結晶膜について、11mm角のチップの切出しを行ったところ、クラックや細かい割れによる不良が発生し、11mm角のチップの収率が100%である実施例1〜3と比較し、67%に低減してしまった。
[比較例3]
実施例1と同様の方法により、原料融液表面から引き上げ方向1cmまでの雰囲気における温度勾配が0.5℃/cm(7〜14℃/cmの範囲外)、1cmを越え引き上げ方向10cmまでの雰囲気における温度勾配が0.7℃/cm(19〜23℃/cmの範囲外)の条件で、図1に示す単結晶の製造装置を用い、かつ、従来の育成条件に従って、直径50mmのGSGG単結晶の育成を試行した。
しかし、種結晶を融液に浸けた後、種結晶の融解が起こり、結晶育成ができなかった。
[比較例4]
実施例1と同様の方法により、原料融液表面から引き上げ方向1cmまでの雰囲気における温度勾配が18℃/cm(7〜14℃/cmの範囲外)、1cmを越え引き上げ方向10cmまでの雰囲気における温度勾配が34℃/cm(19〜23℃/cmの範囲内)の条件で、図1に示す単結晶の製造装置を用い、かつ、従来の育成条件に従って、直径50mm、直胴長110mmのGSGG単結晶を育成した。
しかし、GSGG単結晶にクラックが発生したため、GSGG単結晶基板の加工は断念した。
[実施例4]
(GSGG単結晶の製造)
実施例1と同様の方法により、原料融液表面から引き上げ方向1cmまでの雰囲気における温度勾配が7℃/cm(7〜14℃/cmの範囲内)、1cmを越え引き上げ方向10cmまでの雰囲気における温度勾配が23℃/cm(19〜23℃/cmの範囲内)の条件で、図1に示す単結晶の製造装置を用い、かつ、従来の育成条件に従って、直径50mm、直胴長70mmのGSGG単結晶を育成した。
得られたGSGG単結晶はファセットや捩れの発生が見られず、図1の製造装置に付設された自動直径制御装置により目標直径±1mmの精度で良好に制御され、かつ、クラックの発生もなかった。
そして、得られたGSGG単結晶を1600℃、大気雰囲気にて40時間保持し、かつ、16時間かけて室温まで冷却する「アニール処理」を施した後、加工してGSGG単結晶から成る基板(GSGG単結晶基板)を得た。
尚、図2の結晶トップ部11と結晶ボトム部12に相当するGSGG単結晶基板を偏光顕微鏡で観察したところ無転位であった。
(酸化物ガーネット単結晶膜の製造)
まず、原料として、Bi23、Nd23、Gd23、Fe23、フラックスとして、PbO、B23それぞれを秤量し、かつ、所定量を白金ルツボに投入した後、1100℃に昇温して溶融させた。
次いで、GSGG単結晶基板の片面がルツボ内の融液に浸漬するように設置した後、GSGG単結晶基板を回転させながらエピタキシャル成長させてGSGG単結晶基板上に(BiNdGd)3Fe512で示される酸化物ガーネット単結晶膜を成長させた。
そして、目視観察および顕微鏡観察によって上記酸化物ガーネット単結晶膜にピットが存在しないことを確認した。
その後、得られた酸化物ガーネット単結晶膜について、11mm角のチップの切出しを行ったところ、クラックや細かい割れが発生せず、100%の収率で11mm角のチップを得ることができた。
[実施例5]
(GSGG単結晶の製造)
実施例1と同様の方法により、原料融液表面から引き上げ方向1cmまでの雰囲気における温度勾配が14℃/cm(7〜14℃/cmの範囲内)、1cmを越え引き上げ方向10cmまでの雰囲気における温度勾配が19℃/cm(19〜23℃/cmの範囲内)の条件で、図1に示す単結晶の製造装置を用い、かつ、従来の育成条件に従って、直径50mm、直胴長70mmのGSGG単結晶を育成した。
得られたGSGG単結晶はファセットや捩れの発生が見られず、図1の製造装置に付設された自動直径制御装置により目標直径±1mmの精度で良好に制御され、かつ、クラックの発生もなかった。
そして、得られたGSGG単結晶を1600℃、大気雰囲気にて40時間保持し、かつ、16時間かけて室温まで冷却する「アニール処理」を施した後、加工してGSGG単結晶から成る基板(GSGG単結晶基板)を得た。
尚、図2の結晶トップ部11と結晶ボトム部12に相当するGSGG単結晶基板を偏光顕微鏡で観察したところ無転位であった。
(酸化物ガーネット単結晶膜の製造)
まず、原料として、Bi23、Nd23、Gd23、Fe23、フラックスとして、PbO、B23それぞれを秤量し、かつ、所定量を白金ルツボに投入した後、1100℃に昇温して溶融させた。
次いで、GSGG単結晶基板の片面がルツボ内の融液に浸漬するように設置した後、GSGG単結晶基板を回転させながらエピタキシャル成長させてGSGG単結晶基板上に(BiNdGd)3Fe512で示される酸化物ガーネット単結晶膜を成長させた。
そして、目視観察および顕微鏡観察によって上記酸化物ガーネット単結晶膜にピットが存在しないことを確認した。
その後、得られた酸化物ガーネット単結晶膜について、11mm角のチップの切出しを行ったところ、クラックや細かい割れが発生せず、100%の収率で11mm角のチップを得ることができた。
[比較例5]
(GSGG単結晶の製造)
実施例1と同様の方法により、原料融液表面から引き上げ方向1cmまでの雰囲気における温度勾配が6℃/cm(7〜14℃/cmの範囲外)、1cmを越え引き上げ方向10cmまでの雰囲気における温度勾配が19℃/cm(19〜23℃/cmの範囲内)の条件で、図1に示す単結晶の製造装置を用い、かつ、従来の育成条件に従って、直径50mm、直胴長110mmのGSGG単結晶を育成した。
得られたGSGG単結晶の上部には捩れが発生し、かつ、自動直径制御装置による直径制御の乱れが大きかった。
そして、得られたGSGG単結晶を1600℃、大気雰囲気にて40時間保持し、かつ、16時間かけて室温まで冷却する「アニール処理」を施した後、加工してGSGG単結晶から成る基板(GSGG単結晶基板)を得た。
尚、図2の結晶トップ部11と結晶ボトム部12に相当するGSGG単結晶基板を偏光顕微鏡で観察したところ、1cm2当たり63個の転位が見られた。
(酸化物ガーネット単結晶膜の製造)
まず、原料として、Bi23、Nd23、Gd23、Fe23、フラックスとして、PbO、B23それぞれを秤量し、かつ、所定量を白金ルツボに投入した後、1100℃に昇温して溶融させた。
次いで、GSGG単結晶基板の片面がルツボ内の融液に浸漬するように設置した後、GSGG単結晶基板を回転させながらエピタキシャル成長させてGSGG単結晶基板上に(BiNdGd)3Fe512で示される酸化物ガーネット単結晶膜を成長させた。
そして、目視観察および顕微鏡観察によって上記酸化物ガーネット単結晶膜にピットが存在することを確認した。
その後、得られた酸化物ガーネット単結晶膜について、11mm角のチップの切出しを行ったところ、クラックや細かい割れによる不良が発生し、11mm角のチップの収率が100%である実施例1〜3と比較し、67%に低減してしまった。
[比較例6]
(GSGG単結晶の製造)
実施例1と同様の方法により、原料融液表面から引き上げ方向1cmまでの雰囲気における温度勾配が7℃/cm(7〜14℃/cmの範囲内)、1cmを越え引き上げ方向10cmまでの雰囲気における温度勾配が18℃/cm(19〜23℃/cmの範囲外)の条件で、図1に示す単結晶の製造装置を用い、かつ、従来の育成条件に従って、直径50mm、直胴長110mmのGSGG単結晶を育成した。
得られたGSGG単結晶の上部には捩れが発生し、かつ、自動直径制御装置による直径制御の乱れが大きかった。
そして、得られたGSGG単結晶を1600℃、大気雰囲気にて40時間保持し、かつ、16時間かけて室温まで冷却する「アニール処理」を施した後、加工してGSGG単結晶から成る基板(GSGG単結晶基板)を得た。
尚、図2の結晶トップ部11と結晶ボトム部12に相当するGSGG単結晶基板を偏光顕微鏡で観察したところ、1cm2当たり63個の転位が見られた。
(酸化物ガーネット単結晶膜の製造)
まず、原料として、Bi23、Nd23、Gd23、Fe23、フラックスとして、PbO、B23それぞれを秤量し、かつ、所定量を白金ルツボに投入した後、1100℃に昇温して溶融させた。
次いで、GSGG単結晶基板の片面がルツボ内の融液に浸漬するように設置した後、GSGG単結晶基板を回転させながらエピタキシャル成長させてGSGG単結晶基板上に(BiNdGd)3Fe512で示される酸化物ガーネット単結晶膜を成長させた。
そして、目視観察および顕微鏡観察によって上記酸化物ガーネット単結晶膜にピットが存在することを確認した。
その後、得られた酸化物ガーネット単結晶膜について、11mm角のチップの切出しを行ったところ、クラックや細かい割れによる不良が発生し、11mm角のチップの収率が100%である実施例1〜3と比較し、67%に低減してしまった。
[比較例7]
(GSGG単結晶の製造)
実施例1と同様の方法により、原料融液表面から引き上げ方向1cmまでの雰囲気における温度勾配が14℃/cm(7〜14℃/cmの範囲内)、1cmを越え引き上げ方向10cmまでの雰囲気における温度勾配が24℃/cm(19〜23℃/cmの範囲外)の条件で、図1に示す単結晶の製造装置を用い、かつ、従来の育成条件に従って、直径50mm、直胴長110mmのGSGG単結晶を育成した。
しかし、GSGG単結晶にクラックが発生したため、GSGG単結晶基板の加工は断念した。
[比較例8]
(GSGG単結晶の製造)
実施例1と同様の方法により、原料融液表面から引き上げ方向1cmまでの雰囲気における温度勾配が15℃/cm(7〜14℃/cmの範囲外)、1cmを越え引き上げ方向10cmまでの雰囲気における温度勾配が23℃/cm(19〜23℃/cmの範囲内)の条件で、図1に示す単結晶の製造装置を用い、かつ、従来の育成条件に従って、直径50mm、直胴長110mmのGSGG単結晶を育成した。
しかし、GSGG単結晶にクラックが発生したため、GSGG単結晶基板の加工は断念した。
[比較例9]
(GSGG単結晶の製造)
実施例1と同様の方法により、原料融液表面から引き上げ方向1cmまでの雰囲気における温度勾配が6℃/cm(7〜14℃/cmの範囲外)、1cmを越え引き上げ方向10cmまでの雰囲気における温度勾配が24℃/cm(19〜23℃/cmの範囲外)の条件で、図1に示す単結晶の製造装置を用い、かつ、従来の育成条件に従って、直径50mm、直胴長110mmのGSGG単結晶を育成した。
しかし、GSGG単結晶にクラックが発生したため、GSGG単結晶基板の加工は断念した。
[比較例10]
(GSGG単結晶の製造)
実施例1と同様の方法により、原料融液表面から引き上げ方向1cmまでの雰囲気における温度勾配が15℃/cm(7〜14℃/cmの範囲外)、1cmを越え引き上げ方向10cmまでの雰囲気における温度勾配が18℃/cm(19〜23℃/cmの範囲外)の条件で、図1に示す単結晶の製造装置を用い、かつ、従来の育成条件に従って、直径50mm、直胴長110mmのGSGG単結晶を育成した。
しかし、GSGG単結晶にクラックが発生したため、GSGG単結晶基板の加工は断念した。
本発明に係るGSGG単結晶基板を用いた液相エピタキシャル法によりピットの無い酸化物ガーネット単結晶膜が得られるため、該酸化物ガーネット単結晶膜を光アイソレータ用ファラデー回転子に使用される産業上の利用可能性を有している。
1 育成炉
2 チャンバー
3 断熱材
4 引き上げ軸
5 ホットゾーン
6 種結晶
7 GSGG単結晶
8 ルツボ
9 原料融液
10 高周波コイル
11 結晶トップ部
12 結晶ボトム部

Claims (5)

  1. 結晶育成炉内に配置された坩堝内の原料融液に種結晶を接触させ、かつ、該種結晶を回転させながら引き上げてGSGG単結晶を育成するチョクラルスキー法によるGSGG単結晶の製造方法において、
    上記結晶育成炉内の原料融液表面から引き上げ方向1cmまでの雰囲気における温度勾配を7〜14℃/cm、1cmを越え引き上げ方向10cmまでの雰囲気における温度勾配を19〜23℃/cmの範囲に維持しながらGSGG単結晶を育成することを特徴とするGSGG単結晶の製造方法。
  2. GSGG単結晶の成長に対応した結晶育成炉内における引き上げ方向のホットゾーン条件を事前に設定し、かつ、結晶育成中における原料融液表面の引き上げ方向の位置を計測すると共に、計測された原料融液表面の位置データに対応したホットゾーン条件に調整して原料融液表面から引き上げ方向1cmまでの雰囲気における温度勾配と1cmを越え引き上げ方向10cmまでの雰囲気における温度勾配を上記数値範囲に維持することを特徴とする請求項1に記載のGSGG単結晶の製造方法。
  3. 上記種結晶表面における結晶方位が<111>であることを特徴とする請求項1または2に記載のGSGG単結晶の製造方法。
  4. 液相エピタキシャル成長法により酸化物ガーネット単結晶膜を非磁性ガーネット基板上に育成させる酸化物ガーネット単結晶膜の製造方法において、
    請求項1〜3のいずれかに記載の方法により育成されたGSGG単結晶から切り出されたGSGG単結晶基板により上記非磁性ガーネット基板が構成されていることを特徴とする酸化物ガーネット単結晶膜の製造方法。
  5. 酸化物ガーネット単結晶膜の組成が(BiNdGd)3Fe512で示されることを特徴とする請求項4に記載の酸化物ガーネット単結晶膜の製造方法。
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