JP6303991B2 - シリンダヘッド - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関のシリンダヘッドに関し、詳しくは、冷却水が流れる流路を内部に備えるシリンダヘッドに関する。
内燃機関のシリンダヘッドには、冷却水が流れる流路が形成されている。特許文献1には、吸気ポート内の空気を十分に冷却するために、シリンダヘッド内の吸気ポート周辺を冷却する冷却水が循環する第1冷却水回路を、シリンダブロック及びシリンダヘッド内の排気ポート周辺を冷却する冷却水が循環する第2冷却水回路とは独立して設けることが開示されている。
第1冷却水回路は、シリンダヘッド内に形成された吸気ポート冷却水通路を含む。吸気ポート冷却水通路は、シリンダヘッドの幅方向の端面に設けられた冷却水導入部に接続されている。吸気ポート冷却水通路は、冷却水導入部から吸気ポートの下側に広がり、吸気ポートの側面を通って吸気ポートの上側に延び、吸気ポートの上側を通ってシリンダヘッドの長手方向の端面に設けられた冷却水導出部に接続されている。なお、ここでいう吸気ポートの下側とは、シリンダヘッドをシリンダブロックに対して鉛直方向上側に位置させた場合の鉛直方向下側を意味し、吸気ポートの上側とは、シリンダヘッドを同様に位置させた場合の鉛直方向上側を意味する。
特開2013−133746号公報
昨今の内燃機関では、安定した燃焼の実現のために、筒内にタンブル流を生成することのできる形状を有する吸気ポート(タンブル流生成ポート)が採用されている。吸気ポートがタンブル流生成ポートである場合、空気は吸気ポートの上面側に張り付くように流れる。よって、吸気ポート内の空気を冷却するためには、吸気ポートの上面側の壁温を低減するほうが効果的である。
ところが、特許文献1に開示されたシリンダヘッドの構造によれば、冷却水が吸気ポートの上側を流れる際、高温となる燃焼室上面からの受熱によって水温が上昇してしまい、吸気ポート内の空気に対する十分な冷却効果を得られなくなる可能性がある。
本発明は、上述のような課題に鑑みてなされたもので、吸気ポートを流れる空気を効率よく冷却することのできるシリンダヘッドを提供することを目的とする。
本発明に係るシリンダヘッドは、多気筒エンジン用のシリンダヘッドであって、シリンダヘッドの長手方向に並んで設けられた複数の燃焼室を備える。本出願において、シリンダヘッドの燃焼室とは、混合気が燃焼する閉空間を構成するシリンダヘッド側の部位を指す。よって、本出願において、燃焼室は、必ずしもシリンダヘッドのシリンダブロック合わせ面から凹んだ形状ではなく、シリンダブロック合わせ面と同一面になっている場合もありうる。一般的には、火花点火式エンジンのシリンダヘッドには、シリンダブロック合わせ面に対して凹形状の燃焼室が設けられ、圧縮自着火式エンジンのシリンダヘッドには、シリンダブロック合わせ面に対して同一面の燃焼室が設けられる。
本出願においては、シリンダヘッドの長手方向とは、シリンダヘッドをシリンダブロックに組み付けてエンジンを構成した場合の気筒列の方向、つまり、クランクシャフトの軸方向と定義される。また、本出願においては、長手方向に直交し、且つ、シリンダヘッドのシリンダブロック合わせ面に平行な方向をシリンダヘッドの幅方向と称し、長手方向に直交し、且つ、シリンダヘッドのシリンダブロック合わせ面に垂直な方向をシリンダヘッドの高さ方向と称するものとする。
本発明に係るシリンダヘッドは、シリンダヘッドの長手方向に並んで設けられ、複数の燃焼室のそれぞれとつながる複数の吸気ポートを備える。吸気ポートは燃焼室ごとに設けられている。なお、気筒ごとの吸気バルブ数が2つ以上の場合、各燃焼室には吸気バルブ数に応じた吸気口が形成される。この場合、1つの空気導入口と吸気口数に応じた数の空気導出口とを有する1つの吸気ポートが燃焼室ごとに設けられてもよいし、或いは、吸気口数に応じた数の複数の吸気ポートが燃焼室ごとに設けられてもよい。吸気ポートは、好ましくは、タンブル流生成ポートである。
本発明に係るシリンダヘッドは、冷却水が流れるシリンダヘッド内の流路として、第1の冷却水流路と第2の冷却水流路とを備える。第1の冷却水流路には、第2の冷却水流路を流れる冷却水の温度よりも低い温度の冷却水が流れるように構成されている。
第1の冷却水流路は、各燃焼室の中心軸を含み長手方向に平行な平面(以下、シリンダヘッド長手方向中心平面)と、各吸気ポートの中心軌道を含む中心軌道面との間に設けられ、シリンダヘッドの長手方向に延びている。長手方向に延びるとは、第1の冷却水流路が長手方向のごく一部に設けられているものではなく、また、離散的に設けられているものでもなく、長手方向に並んだ吸気ポートに沿って長手方向に連続的に設けられていることを意味する。また、長手方向に延びるとは、第1の冷却水流路が長手方向に真っ直ぐであるという限定的な意味ではない。第1の冷却水流路は、全体として長手方向に広がっていれば、シリンダヘッドの幅方向に或いは高さ方向に一様な形状でなくてもよい。長手方向に並んだ吸気ポートのシリンダヘッド長手方向中心平面側の形状に合わせて、蛇行した形状になっていてもよい。
第2の冷却水流路は、長手方向に垂直な断面のうち少なくとも1つの断面において、燃焼室と第1の冷却水流路との間に少なくとも一部分が位置する。好ましくは、第2の冷却水流路は、燃焼室の中心軸を含み長手方向に垂直な断面において、燃焼室と第1の冷却水流路との間に位置する部分を含むように設けられる。また、第2の冷却水流路は、吸気バルブ挿入孔の中心軸を含み長手方向に垂直な断面において、燃焼室と第1の冷却水流路との間であって、吸気ポートと排気ポートとで挟まれた領域に少なくとも一部が位置するように設けられてもよい。
上記のシリンダヘッドの構成によれば、燃焼室から発せられる熱を第2の冷却水流路によって吸収することができるので、燃焼室から第1の冷却水流路に熱が直接に伝わることを抑えることができ、燃焼室から発せられる熱によって第1の冷却水流路を流れる冷却水の温度が上昇するのを抑制することができる。特に高温となる燃焼室中心付近と第1の冷却水流路との間に第2の冷却水流路が位置していれば、より効果的に第1の冷却水流路を流れる冷却水の温度の上昇を抑えることができる。これにより、第1の冷却水流路を流れる低温の冷却水によって吸気ポートの上面側を効率よく冷やすことが可能となり、吸気ポートを流れる空気を効率よく冷却することができる。なお、本出願では、吸気ポートを吸気ポート中心軌道面で2つに分けた場合のシリンダ長手方向中心平面側の面を吸気ポートの上面と呼び、シリンダブロック合わせ面側の面を吸気ポートの下面と呼ぶ場合がある。
シリンダヘッドが燃焼室の中心付近に開口する点火プラグ挿入孔を備える場合、第1の冷却水流路は、燃焼室の中心軸を含み長手方向に垂直な断面において、点火プラグ挿入孔と吸気ポートとで挟まれた領域を通るように設けることができる。また、吸気ポートの上面側にインジェクタ挿入孔が設けられている場合は、第1の冷却水流路は、燃焼室の中心軸を含み長手方向に垂直な断面において、点火プラグ挿入孔の中心軸とインジェクタ挿入孔の中心軸とで挟まれた領域を通るように設けることもできる。
シリンダヘッドが燃焼室の中心軸付近に開口するインジェクタ挿入孔を備える場合、第2の冷却水流路は、インジェクタ挿入孔の中心軸を含み長手方向に垂直な断面において、インジェクタ挿入孔の開口端と第1の冷却水流路との間に位置する部分を含むことが好ましい。特に高温となるインジェクタ挿入孔の開口端付近と第1の冷却水流路との間に第2の冷却水流路が位置していれば、より効果的に第1の冷却水流路を流れる冷却水の温度の上昇を抑えることができる。
シリンダヘッドが吸気バルブ挿入孔を備える場合、吸気バルブ挿入孔との間の位置関係に関し、第1の冷却水流路は次の形態を含む。
第1の冷却水流路の1つの形態では、第1の冷却水流路は、吸気バルブ挿入孔の中心軸を含み長手方向に垂直な断面において、吸気バルブ挿入孔と吸気ポートとで挟まれた領域を通るように設けられる。この形態によれば、第1の冷却水流路を吸気ポートの上面に近づけて配置することができる。
第1の冷却水流路の別の形態では、第1の冷却水流路は、吸気バルブ挿入孔の中心軸を含み長手方向に垂直な断面において、吸気バルブ挿入孔に関し、吸気バルブ挿入孔と吸気ポートとで挟まれた領域とは反対の側の領域を通るように設けられる。この形態によれば、高い自由度で第1の冷却水流路を配置することができる。例えば、吸気ポートの吸気バルブ挿入孔よりも下流の部位、つまり、吸気ポートの壁温が最も高くなる燃焼室との接続部分に近づけて第1の冷却水流路を配置することができる。
第1の冷却水流路のさらに別の形態では、第1の冷却水流路は、吸気バルブ挿入孔の中心軸を含み長手方向に垂直な断面において、吸気バルブ挿入孔の中心軸の両側を通るように設けられる。この形態によれば、第1の冷却水流路によって冷却する領域を広くとることができる。この形態では、好ましくは、第1の冷却水流路は、吸気バルブ挿入孔の周囲を囲む環状路と、隣接する2つの環状路を連結する連結路とを含んで構成される。ただしし、環状路は、その形状が円形或いは楕円形であることを意味するものではない。環状路は、吸気バルブ挿入孔の中心軸の一方の側を通る流路と他方の側を通る流路とが、上流と下流の両方でつながっている構成であればよい。この構成によれば、第1の冷却水流路を吸気ポートの上面および燃焼室との接続部分の両方に近づけて配置することができる。
シリンダヘッドが燃焼室ごとに2つの吸気バルブ挿入孔を備える場合、隣接する2つの環状路を連結する連結路は、好ましくは、燃焼室の中心軸を含み長手方向に垂直な断面を通る第1の連結路と、隣接する2つの燃焼室の間の長手方向に垂直な断面を通る第2の連結路とを含む。吸気バルブ挿入孔の中心軸を含み長手方向に平行な平面に関し、第1の連結路は同平面の一方の側に配置され、第2の連結路は同平面の他方の側に配置される。つまり、第1の連結路と第2の連結路は、環状路を挟んで長手方向に互い違いに配置される。この構成によれば、環状路内に冷却水の滞留を生じさせることがない。
シリンダヘッドは、隣接する2つの燃焼室につながる2つの吸気ポートの間を通り、シリンダブロック合わせ面に対して垂直なヘッドボルト挿入孔を備えてもよい。この場合、第1の冷却水流路は、好ましくは、ヘッドボルト挿入孔の中心軸を含み長手方向に垂直な断面において、ヘッドボルト挿入孔よりもシリンダヘッド長手方向中心平面に近い領域を通るように設けられる。この構成によれば、第1の冷却水流路がシリンダヘッドの高さ方向の高い位置を通らずに済み、第1の冷却水流路内に空気が溜まる部分を生じさせることがない。
第1の冷却水流路と第2の冷却水流路とはシリンダヘッド内において独立であることが好ましい。シリンダヘッド内において独立とは、少なくともシリンダヘッド内では第1の冷却水流路と第2の冷却水流路とはつながっていないことを意味する。この構成によれば、第2の冷却水流路を流れる冷却水の温度に対し、第1の冷却水流路を流れる冷却水の温度を明確に低くすることができる。好ましくは、第1の冷却水流路を含む冷却水の循環系と、第2の冷却水流路を含む冷却水の循環系とを別系統にする。
第1の冷却水流路は、シリンダヘッドの長手方向の一方の端面に開口した第1の穴と、シリンダヘッドの長手方向の他方の端面に開口した第2の穴とに連通した構成としてもよい。長手方向の端面とは、長手方向の端を構成する面であり、平面や凹凸面を含む。第1の冷却水流路を砂中子によって形成する場合、長手方向の両端面には砂中子を支える中子支えによって穴(砂を抜く穴)が形成される。第1の穴及び第2の穴は、この中子支えによって形成される穴とすることができる。第1の穴と第2の穴のうち一方を冷却水の入口として用い、他方を冷却水の出口として利用することができる。
第1の冷却水流路は、シリンダヘッドの長手方向の端面に開口した第1の穴と、シリンダヘッドの幅方向の端面に開口した第2の穴とに連通した構成としてもよい。幅方向の端面とは、幅方向の端を構成する面であり、平面や凹凸面を含む。第1の冷却水流路を砂中子によって形成する場合、長手方向の両端面には砂中子を支える中子支えによって穴が形成される。この両端面の穴のうちの一方を残して第1の穴とし、他方の穴は封止すればよい。第1の穴と第2の穴のうち一方を冷却水の入口として用い、他方を冷却水の出口として利用することができる。
第1の冷却水流路は、シリンダヘッドの長手方向の端面に開口した第1の穴と、シリンダブロック合わせ面に開口した第2の穴とに連通した構成としてもよい。長手方向の両端面には砂中子を支える中子支えによって穴が形成される。この両端面の穴のうちの一方を残して第1の穴とし、他方の穴は封止すればよい。第1の冷却水流路は、隣接する2つの燃焼室につながる2つの吸気ポートの間に設けられた連絡路によって、第2の穴に接続されてよい。また、第1の冷却水流路は、シリンダヘッドの長手方向の少なくとも一方の端面とその端面に最も近い吸気ポートとの間に設けられた連絡路によって、第2の穴に接続されてもよい。第1の穴と第2の穴のうち一方を冷却水の入口として用い、他方を冷却水の出口として利用することができる。
第1の冷却水流路は、第2の冷却水流路とシリンダヘッド内において連通していてもよい。ただし、この場合、第1の冷却水流路を通過した冷却水が第2の冷却水流路に流れるように構成される。つまり、受熱によって温度が上昇する前の低温の冷却水を第1の冷却水流路に流すように構成される。この構成によれば、1つの循環系統によって第1の冷却水流路と第2の冷却水流路とに冷却水を流すことができる。
上記発明によれば、燃焼室と第1の冷却水流路との間に位置する第2の冷却水流路によって、燃焼室から第1の冷却水流路への受熱を抑えることができるので、第1の冷却水流路を流れる冷却水の温度を低温に保つことができる。これにより、吸気ポートの上面側を効果的に冷やして吸気ポートを流れる空気を効率よく冷却することができる。
本発明の実施の形態1のエンジンの冷却システムの構成を示す図である。 本発明の実施の形態1のシリンダヘッドの平面図である。 本発明の実施の形態1のシリンダヘッドの吸気バルブ挿入孔の中心軸を含み長手方向に垂直な断面を示す断面図であって、図2のA−A断面を示す断面図である。 本発明の実施の形態1のシリンダヘッドの燃焼室の中心軸を含み長手方向に垂直な断面を示す断面図であって、図2のB−B断面を示す断面図である。 本発明の実施の形態1のシリンダヘッドの隣接する2つの燃焼室間を通る長手方向に垂直な断面を示す断面図であって、図2のC−C断面を示す断面図である。 本発明の実施の形態1のシリンダヘッドの吸気ポート及び第1の冷却水流路を透視して描いた斜視図である。 本発明の実施の形態1のシリンダヘッドにおける吸気ポートとヘッドボルトと第1の冷却水流路との位置関係を示す図である。 本発明の実施の形態1のシリンダヘッドの吸気ポート及び吸気ポート中心軌道面を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1のシリンダヘッドの吸気ポート及びその中心軌道を示す側面図である。 吸気ポートの変形例及び吸気ポート中心軌道面を示す斜視図である。 吸気ポートの変形例及びその中心軌道を示す側面図である。 本発明の実施の形態1のシリンダヘッドの吸気ポートと吸気バルブ挿入孔及び吸気バルブ挿入孔中心軸面を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1のシリンダヘッドの吸気ポートと吸気バルブ挿入孔及びその中心軸を示す側面図である。 本発明の実施の形態1のエンジンの冷却システムの過給エンジンシステムへの適用例を示す図である。 本発明の実施の形態1のエンジンの冷却システムのハイブリッドシステムへの適用例を示す図である。 本発明の実施の形態2のシリンダヘッドの吸気バルブ挿入孔の中心軸を含み長手方向に垂直な断面を示す断面図であって、図2のA−A断面に相当する断面を示す断面図である。 本発明の実施の形態2のシリンダヘッドの燃焼室の中心軸を含み長手方向に垂直な断面を示す断面図であって、図2のB−B断面に相当する断面を示す断面図である。 本発明の実施の形態1のシリンダヘッドの隣接する2つの燃焼室間を通る長手方向に垂直な断面を示す断面図であって、図2のC−C断面に相当する断面を示す断面図である。 本発明の実施の形態2のシリンダヘッドの内部の吸気ポート及び第1の冷却水流路を透視して描いた斜視図である。 本発明の実施の形態3のシリンダヘッドの吸気バルブ挿入孔の中心軸を含み長手方向に垂直な断面を示す断面図であって、図2のA−A断面に相当する断面を示す断面図である。 本発明の実施の形態3のシリンダヘッドの燃焼室の中心軸を含み長手方向に垂直な断面を示す断面図であって、図2のB−B断面に相当する断面を示す断面図である。 本発明の実施の形態3のシリンダヘッドの隣接する2つの燃焼室間を通る長手方向に垂直な断面を示す断面図であって、図2のC−C断面に相当する断面を示す断面図である。 本発明の実施の形態3のシリンダヘッドの内部の吸気ポート及び第1の冷却水流路を透視して描いた斜視図である。 本発明の実施の形態4のシリンダヘッドの吸気バルブ挿入孔の中心軸を含み長手方向に垂直な断面を示す断面図であって、図2のA−A断面に相当する断面を示す断面図である。 本発明の実施の形態4のシリンダヘッドの燃焼室の中心軸を含み長手方向に垂直な断面を示す断面図であって、図2のB−B断面に相当する断面を示す断面図である。 本発明の実施の形態4のシリンダヘッドの隣接する2つの燃焼室間を通る長手方向に垂直な断面を示す断面図であって、図2のC−C断面に相当する断面を示す断面図である。 本発明の実施の形態4のシリンダヘッドの内部の吸気ポート及び第1の冷却水流路を透視して描いた斜視図である。 本発明の実施の形態4のシリンダヘッドにおける吸気ポートとヘッドボルトと第1の冷却水流路との位置関係を示す図である。 本発明の実施の形態5のシリンダヘッドの吸気バルブ挿入孔の中心軸を含み長手方向に垂直な断面を示す断面図であって、図2のA−A断面に相当する断面を示す断面図である。 本発明の実施の形態6のシリンダヘッドの吸気バルブ挿入孔の中心軸を含み長手方向に垂直な断面を示す断面図である。 本発明の実施の形態6のシリンダヘッドの燃焼室の中心軸を含み長手方向に垂直な断面を示す断面図である。 本発明の実施の形態7のエンジンの冷却システムの構成を示す図である。 本発明の実施の形態7のエンジンの冷却システムにおける中間連絡路の構成を示す斜視図である。 図33に示す中間連絡路とヘッドボルトとの位置関係を示す図である。 本発明の実施の形態7のエンジンの冷却システムの中間連絡路の変形例を示す図である。 本発明の実施の形態7のエンジンの冷却システムの第1の循環システムの変形例を示す図である。 本発明の実施の形態8のエンジンの冷却システムの構成を示す図である。 本発明の実施の形態8のエンジンの冷却システムにおけるシリンダヘッドの吸気ポート及び第1の冷却水流路を透視して描いた斜視図である。 本発明の実施の形態9のエンジンの冷却システムの構成を示す図である。 本発明の実施の形態10のエンジンの冷却システムの構成を示す図である。 本発明の実施の形態11のエンジンの冷却システムの構成を示す図である。
図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、特に明示する場合を除き、構成部品の構造や配置、処理の順序などを下記のものに限定する意図はない。本発明は以下に示す実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1について図を用いて説明する。実施の形態1の前提として、エンジンは火花点火式の水冷式直列4気筒エンジンであるとする。この前提は後述する実施の形態2−5にも適用される。ただし、本発明をエンジンに適用するにあたっては、エンジンの気筒数や気筒配置、また、エンジンの着火方式に限定はない。
<実施の形態1のエンジン冷却システムの説明>
図1を参照して、本発明の実施の形態1のエンジンの冷却システムの構成について説明する。エンジンを冷却するための冷却水は、エンジンとラジエータとの間を循環システムによって循環させられる。エンジンは、シリンダブロック151と、シリンダブロック151上に図示しないガスケットを介して取り付けられるシリンダヘッド101とを備える。冷却水の供給は、シリンダブロック151とシリンダヘッド101の両方に対して行われる。
実施の形態1のエンジン冷却システムは、2系統の循環システム120,160を備える。第1の循環システム120と第2の循環システム160はともに独立した閉ループであり、それぞれにラジエータ124,164とウォータポンプ123,163とを備える。また、図示しない水温センサや水温調整のためのサーモスタットが備えられる場合がある。
第1の循環システム120は、シリンダヘッド101の内部に形成された第1の冷却水流路30を含む。シリンダヘッド101には第1の冷却水流路30に連通する冷却水入口と冷却水出口とが形成されている。シリンダヘッド101の冷却水入口は冷却水導入管121によってラジエータ124の冷却水出口に接続され、シリンダヘッド101の冷却水出口は冷却水排出管122によってラジエータ124の冷却水入口に接続されている。冷却水導入管121にはウォータポンプ123が設けられている。
第2の循環システム160は、シリンダヘッド101の内部に形成された第2の冷却水流路20と、シリンダブロック151の内部に形成された第3の冷却水流路152とを含む。シリンダブロック151の第3の冷却水流路152は各シリンダの周囲を覆うウォータジャケットを含む。シリンダヘッド101の第2の冷却水流路20とシリンダブロック151の第3の冷却水流路152とは、シリンダヘッド101とシリンダブロック151との合わせ面に形成された開口部を介して接続されている。また、シリンダブロック151には第3の冷却水流路152につながる冷却水入口が形成され、シリンダヘッド101には第2の冷却水流路20に連通する冷却水出口が形成されている。シリンダブロック151の冷却水入口は冷却水導入管161によってラジエータ164の冷却水出口に接続され、シリンダヘッド101の冷却水出口は冷却水排出管162によってラジエータ164の冷却水入口に接続されている。冷却水導入管161にはウォータポンプ163が設けられている。
シリンダヘッド101には、4気筒分の4つの吸気ポート2が形成されている。シリンダヘッド101をシリンダブロック151に対して鉛直方向上側に位置させた場合において、第1の冷却水流路30は、各吸気ポート2の上側に位置するように設けられている。第2の冷却水流路20は、少なくともその一部が各吸気ポート2の下側に位置するように設けられている。
なお、本明細書においては、これ以降、特に断りのない限り、シリンダヘッド101をシリンダブロック151に対して鉛直方向上側に位置させたものと仮定して、各要素間の位置関係について説明する。この仮定は単に説明を分かりやすくすることを目的としたものであって、この仮定によって本発明に係るシリンダヘッドの構成に関して何らかの限定的意味が加わることはない。シリンダヘッド101の構成、特に、第1の冷却水流路30及び第2の冷却水流路20の構成については後述する。
図1に示す構成によれば、2つの循環システム120,160で独立して水温調整を行うことができる。詳しくは、冷間からの始動時は、第1の冷却水流路30を流れる冷却水の水温と、第2の冷却水流路20を流れる冷却水の水温は同じになっているが、エンジンの暖機が進むと、第1の冷却水流路30を流れる冷却水の水温が、第2の冷却水流路20を流れる冷却水の水温よりも低くなるように設定される。ただし、第2の冷却水流路20を通る冷却水は、シリンダブロック151の中を通ってきた冷却水であるので、その水温はシリンダブロック151の冷却水入口における温度よりも上昇している。よって、図1に示す構成によれば、ラジエータ124,164から出たときの冷却水の水温が同じであったとしても、冷却水がシリンダヘッド101に到達したときには、第2の冷却水流路20を流れる冷却水のほうが、第1の冷却水流路30を流れる冷却水の水温よりも高くなる。言い換えれば、第1の冷却水流路30を流れる冷却水は、第2の冷却水流路20を流れる冷却水よりも低い水温に保たれる。
次に、実施の形態1のシリンダヘッド101の基本構成について説明する。説明は、シリンダヘッド101の平面図と断面図とを用いて行う。なお、ここでいう基本構成とは、本発明の1つの特徴である第1の冷却水流路30及び第2の冷却水流路20の構成以外の構成である。第1の冷却水流路30及び第2の冷却水流路20の構成については、基本構成を明らかにした後に詳細に説明する。
<実施の形態1のシリンダヘッドの基本構成>
《平面図でみるシリンダヘッドの基本構成》
図2は、実施の形態1のシリンダヘッド101の平面図である。詳しくは、シリンダヘッド101をヘッドカバーが取り付けられるヘッドカバー取付け面1bの側から見た平面図である。よって、図2では、裏面となるシリンダブロック合わせ面は見えない。なお、本明細書では、前述のとおり、クランクシャフトの軸方向をシリンダヘッド101の長手方向と定義し、長手方向に直交し、且つ、シリンダヘッド101のシリンダブロック合わせ面に平行な方向をシリンダヘッド101の幅方向と定義する。また、長手方向の端面1c,1dのうちクランク軸の出力端の側の端面1dを後端面と称し、その反対側の端面1cを前端面と称する。
実施の形態1のシリンダヘッド101は、火花点火式の直列4気筒エンジンのシリンダヘッドである。シリンダヘッド101の下面(シリンダブロックとの合わせ面)には、図1には表れていないが、4気筒分の4つの燃焼室が長手方向に直列に等間隔で並んで形成されている。シリンダヘッド101には、各燃焼室に点火プラグ挿入孔12が形成されている。
シリンダヘッド101の側面には、吸気ポート2と排気ポート3が開口している。詳しくは、前端面1cの側から見てシリンダヘッド101の右側面に吸気ポート2が開口し、左側面に排気ポート3が開口している。これ以降、本明細書では、シリンダヘッド101を前端面1cの側からみたときに右側に位置する側面をシリンダヘッド101の右側面と称し、左側に位置する側面をシリンダヘッド101の左側面と称する。吸気ポート2は各燃焼室から延びていて、各吸気ポート2はシリンダヘッド101の右側面に独立して開口している。排気ポート3はシリンダヘッド101の内部で1つに集合し、この集合した1つの排気ポート3がシリンダヘッド101の左側面に開口している。よって、本明細書では、シリンダヘッド101を前端面1cの側からみたときの右側を吸気側と呼び、左側を排気側と呼ぶ場合がある。
実施の形態1のシリンダヘッド101は、吸気バルブと排気バルブが1気筒あたりそれぞれ2つずつ設けられた4バルブエンジンのシリンダヘッドである。シリンダヘッド101の上面には、1つの点火プラグ挿入孔12を囲むように2つの吸気バルブ挿入孔7と2つの排気バルブ挿入孔8とが形成されている。吸気バルブ挿入孔7はシリンダヘッド101の内部で吸気ポート2につながり、排気バルブ挿入孔8はシリンダヘッド101の内部で排気ポート3につながっている。
ヘッドカバー取付け面1bの内側には、シリンダヘッド101をシリンダブロックに組み付けるためのヘッドボルトを通すヘッドボルト挿入孔13,14,15,16が形成されている。ヘッドボルトは、燃焼室の列に対して左右両側に5本ずつ設けられる。吸気側では、隣接する2つの吸気ポート2の間にヘッドボルト挿入孔13が形成され、また、前端面1cとそれに最も近い吸気ポート2との間、及び、後端面1dとそれに最も近い吸気ポート2との間にもヘッドボルト挿入孔15が形成されている。排気側では、燃焼室ごとに分岐している排気ポート3の股の間にヘッドボルト挿入孔14が形成され、また、前端面1cと排気ポート3との間、及び、後端面1dと排気ポート3との間にもヘッドボルト挿入孔16が形成されている。
次に、実施の形態1のシリンダヘッド101の内部の構成について断面図を参照して説明する。着目するシリンダヘッド101の断面は、シリンダヘッド101の吸気バルブ挿入孔7の中心軸を含み長手方向に垂直な断面(図2のA−A断面)、シリンダヘッド101の燃焼室の中心軸を含み長手方向に垂直な断面(図2のB−B断面)、及び、シリンダヘッド101の隣接する2つの燃焼室間を通る長手方向に垂直な断面(図2のC−C断面)である。
《吸気バルブ挿入孔の中心軸を含み長手方向に垂直な断面でみるシリンダヘッドの基本構成》
図3は、シリンダヘッド101の吸気バルブ挿入孔7の中心軸を含み長手方向に垂直な断面(図2のA−A断面)を示す断面図である。ただし、図3には、吸気バルブ11をシリンダヘッド101に装着した状態が描かれている。図3に示すように、シリンダヘッド101の下面にあたるシリンダブロック合わせ面1aには、ペントルーフ形状を有する燃焼室4が形成されている。燃焼室4は、シリンダヘッド101がシリンダブロックに組み付けられたときに、シリンダを上方から閉塞して閉空間を構成する。なお、シリンダヘッド101とピストンとで挟まれた閉空間を燃焼室と定義する場合には、この燃焼室4は燃焼室天井面と呼ぶことができる。
シリンダヘッド101の前端の側から見て、燃焼室4の右側の傾斜面には、吸気ポート2が開口している。吸気ポート2と燃焼室4との接続部分、つまり、吸気ポート2の燃焼室側の開口端は、吸気バルブ11によって開閉される吸気口となっている。吸気バルブ11は気筒ごとに2つ設けられているため、燃焼室4には吸気ポート2の2つの吸気口が形成される。吸気ポート2の入口は、シリンダヘッド101の右側面に開口している。吸気ポート2は、この入口の開口部から左斜め下方に向かって延び、途中で2つに分岐し、各分岐ポートが燃焼室4に形成された吸気口につながっている。図3には、長手方向においてエンジン前端側の分岐ポート2Lが描かれている。なお、吸気ポート2は、筒内にタンブル流を生成することのできるタンブル流生成ポートである。
シリンダヘッド101には、吸気バルブ11のステムを通すための吸気バルブ挿入孔7が形成されている。シリンダヘッド101の上面であって、ヘッドカバー取り付け面1bの内側には、吸気バルブ11を動作させる動弁機構を収容する吸気側動弁機構室5が設けられている。吸気バルブ挿入孔7は、燃焼室4の近傍の吸気ポート2の上面から吸気側動弁機構室5まで右斜め上方に真っ直ぐ延びている。吸気バルブ挿入孔7には、吸気バルブ11のステムを支持するバルブガイド9が圧入によって嵌めこまれている。吸気バルブ挿入孔7の中心軸L3は、図3に示す断面、つまり、長手方向に対して垂直な平面に含まれている。
シリンダヘッド101の前端の側から見て、燃焼室4の左側の傾斜面には、排気ポート3が開口している。排気ポート3と燃焼室4との接続部分、つまり、排気ポート3の燃焼室側の開口端は、排気バルブ(図3には、排気バルブは描かれていない)によって開閉される排気口となっている。排気バルブは気筒ごとに2つ設けられているため、燃焼室4には排気ポート3の2つの排気口が形成される。排気ポート3は、各燃焼室4の排気バルブごとに設けられた8つの入口(排気口)と、シリンダヘッド101の左側面に開口する1つの出口とを有するマニホールド形状を有している。排気ポート3の出口は図3に示す断面には位置していない。
シリンダヘッド101には、排気バルブのステムを通すための排気バルブ挿入孔8が形成されている。シリンダヘッド101の上面であって、ヘッドカバー取り付け面1bの内側には、排気バルブを動作させる動弁機構を収容する排気側動弁機構室6が設けられている。排気バルブ挿入孔8は、燃焼室4の近傍の排気ポート3の上面から排気側動弁機構室6まで左斜め上方に真っ直ぐ延びている。排気バルブ挿入孔8には、排気バルブのステムを支持するバルブガイド10が圧入によって嵌めこまれている。
《燃焼室の中心軸を含み長手方向に垂直な断面でみるシリンダヘッドの基本構成》
図4は、シリンダヘッド101の燃焼室4の中心軸L1を含み長手方向に垂直な断面(図2のB−B断面)を示す断面図である。シリンダヘッド101には、点火プラグを取り付けるための点火プラグ挿入孔12が形成されている。点火プラグ挿入孔12は、ペントルーフ形状を有する燃焼室4の頂部に開口している。燃焼室4の中心軸L1は、シリンダヘッド101をシリンダブロックに組み付けた場合にシリンダの中心軸と一致する。
図4において描かれている吸気ポート2は、分岐部よりも上流の部分である。分岐部よりも下流の2つの分岐ポートは、燃焼室4の中心軸L1を含み長手方向に垂直な平面の両側に位置するため、図4に示す断面には含まれていない。また、図4に示す断面には、マニホールド形状を有する排気ポート3の一部が表れている。
シリンダヘッド101の側面であって、吸気ポート2よりも上側には、ポートインジェクタを取り付けるためのポートインジェクタ挿入孔17が形成されている。ポートインジェクタ挿入孔17の中心軸は、燃焼室4の中心軸L1を含み長手方向に垂直な平面上に位置している。ポートインジェクタ挿入孔17は、吸気ポート2に対して鋭角に交わり、吸気ポート2の分岐部の上面に上に凸に形成されたポートインジェクタ取付部2cに開口している。ポートインジェクタ挿入孔17に挿入されたポートインジェクタ(図示しない)は、ポートインジェクタ取付部2cからノズル先端を出し、吸気ポート2内に燃料を噴射する。
シリンダヘッド101の側面であって、吸気ポート2よりも下側には、筒内直噴インジェクタを取り付けるための筒内直噴インジェクタ挿入孔18が形成されている。筒内直噴インジェクタ挿入孔18の中心軸は、燃焼室4の中心軸L1を含み長手方向に垂直な平面上に位置している。筒内直噴インジェクタ挿入孔18は、燃焼室4に開口している。筒内直噴インジェクタ挿入孔18に挿入された筒内直噴インジェクタ(図示しない)からは、直接、筒内に燃料が噴射される。
《隣接する2つの燃焼室間を通る長手方向に垂直な断面でみるシリンダヘッドの基本構成》
図5は、シリンダヘッド101の隣接する2つの燃焼室間を通る長手方向に垂直な断面(図2のC−C断面)を示す断面図である。シリンダヘッド101には、吸気側動弁機構室5から鉛直下方に向けて吸気側のヘッドボルト挿入孔13が形成されている。また、排気側動弁機構室6から鉛直下方に向けて排気側のヘッドボルト挿入孔14が形成されている。ヘッドボルト挿入孔13,14はシリンダブロック合わせ面1aに対して垂直で、シリンダブロック合わせ面1aに開口している。図5に示す断面は、ヘッドボルト挿入孔13,14の中心軸を含み長手方向に垂直な断面である。
図5に示す断面には、マニホールド形状を有する排気ポート3の集合部分が表れている。排気ポート3の集合部分は、シリンダヘッド101の左側面に開口している。排気ポート3は、ヘッドボルト挿入孔14を避けるようにしてシリンダヘッド101の内部で1つに集合している。
次に、実施の形態1のシリンダヘッド101の冷却水流路の構成について説明する。説明は、シリンダヘッド101の断面図と、シリンダヘッド101の内部の冷却水流路を透視して描いた斜視図とを用いて行う。
<実施の形態1のシリンダヘッドの冷却水流路の構成>
《基準面の定義》
まず、シリンダヘッド冷却水流路の構成の説明に先立ち、その説明で使用するシリンダヘッドの基準面についてここで定義する。本明細書においては4つの基準面を定義する。ここで定義された基準面は後述する実施の形態2−5にも適用される。
1.シリンダブロック合わせ面(第1の基準面)
図3、図4、及び図5に示すシリンダブロック合わせ面1aが第1の基準面である。シリンダブロック合わせ面1aは、シリンダヘッド101をシリンダブロックに組み付けた場合、シリンダブロックの各シリンダの中心軸に垂直な平面となる。
2.シリンダヘッド長手方向中心平面(第2の基準面)
図4には、燃焼室4の中心軸L1が描かれている。第2の基準面は、各燃焼室4の中心軸L1を含み長手方向に平行な仮想の平面である。この平面をシリンダヘッド長手方向中心平面と称す。図3及び図5には、シリンダヘッド長手方向中心平面S1が仮想線で示されている。図4に示す断面では、シリンダヘッド長手方向中心平面S1は燃焼室4の中心軸L1と重なっている。シリンダヘッド長手方向中心平面S1は、シリンダヘッド101をシリンダブロックに組み付けた場合、シリンダブロックの各シリンダの中心軸を含む平面となる。
3.吸気ポート中心軌道面(第3の基準面)
図3、図4、及び図5には、符号S2を付した仮想線が描かれている。この仮想線は、第3の基準面である吸気ポート中心軌道面を表わしている。吸気ポート中心軌道面は、各吸気ポート2の中心軌道を含む面と定義される仮想の面である。以下、図8乃至図11を参照して、吸気ポート2の中心軌道と吸気ポート中心軌道面について詳細に説明する。
図9は、実施の形態1のシリンダヘッドの吸気ポート2及びその中心軌道L2を示す側面図である。シリンダヘッドの前端側からシリンダヘッドの内部を透明にして見たときの吸気ポート2の形状が図9に表されている。中心軌道L2は、吸気ポート2をその流路方向に垂直に切断したときの断面の中心を通る線として定義される。よって、図9において、吸気ポート2の上面2aから中心軌道L2までの距離と吸気ポート2の下面2bから中心軌道L2までの距離とは等距離である。実施の形態1では、吸気ポート2は、その入口から吸気口までほぼ真っ直ぐに延びているので、投影面(シリンダヘッドの長手方向に垂直な平面)の上では中心軌道L2も直線で表される。なお、吸気ポート2の上面2aには、ポートインジェクタを取り付けるためのポートインジェクタ取付部2cと、吸気バルブのステムが挿入される吸気バルブ挿入部2dとが上に凸に形成されている。中心軌道L2の位置の計算においては、これらの凸部分については考慮しなくてよい。
図8は、実施の形態1のシリンダヘッドの吸気ポート2及び吸気ポート中心軌道面S2を示す斜視図である。シリンダヘッドの内部を透明にして見たときの吸気ポート2の形状と、各吸気ポート2と吸気ポート中心軌道面S2との位置関係とが図8に表されている。図8からは、吸気ポート2が途中で2つの分岐ポート2L,2Rに分岐していることがわかる。図示はしていないが、中心軌道L2も吸気ポート2の内部において2つに分岐し、分岐した2つの中心軌道はそれぞれに分岐ポート2L,2Rの断面の中心を通っている。各中心軌道L2は、シリンダヘッドの長手方向に垂直な平面上に投影した時には直線になる。よって、それらを含む吸気ポート中心軌道面S2は、シリンダヘッドの長手方向に垂直な平面に対して直行する平面で表される。なお、吸気ポート2を構成する壁面のうち、吸気ポート中心軌道面S2に対してシリンダヘッド長手方向中心平面S1の側となる面を上面、シリンダブロック合わせ面1aの側となる面を下面と称す。
図11は、吸気ポート2の変形例及びその中心軌道L2を示す側面図である。変形例の各部位には実施の形態1のものと同じ符号を付している。この変形例では、吸気ポート2は、その入口から途中まで真っ直ぐに延び、途中からは吸気口に向けて鉛直方向下向きに次第に曲がっていく形状を有している。よって、投影面(シリンダヘッドの長手方向に垂直な平面)の上では、中心軌道L2は、吸気ポート2の入口から途中までは直線で表され、途中からは吸気口に向けて鉛直方向下向きに次第に曲がる曲線で表される。
図10は、吸気ポート2の変形例及びその吸気ポート中心軌道面S2を示す斜視図である。図10からは、吸気ポート2は、途中で2つの分岐ポート2L,2Rに分岐するまではストレートな形状を有し、各分岐ポート2L,2Rにおいて湾曲していることがわかる。この変形例における吸気ポート中心軌道面S2は、吸気ポート2の形状に対応して平面と曲面とで表される。このように、吸気ポート中心軌道面S2は必ずしも平面ではなく、吸気ポート2の形状により、平面と曲面とが組み合わせられた面で表される場合や、曲率の異なる複数の曲面で表される場合がある。
4.吸気バルブ挿入孔中心軸面(第4の基準面)
図3には、吸気バルブ挿入孔7の中心軸L3が描かれている。吸気バルブ挿入孔7の中心軸L3は吸気バルブ11の中心軸でもある。第4の基準面は、各吸気バルブ挿入孔7の中心軸L3を含み長手方向に平行な仮想の平面である。この平面を吸気バルブ挿入孔中心軸面と称す。図4及び図5には、吸気バルブ挿入孔中心軸面S3が仮想線で示されている。図3に示す断面では、吸気バルブ挿入孔中心軸面S3は吸気バルブ挿入孔7の中心軸L3と重なっている。
図13は、実施の形態1のシリンダヘッドの吸気ポート2と吸気バルブ挿入孔7及びその中心軸L3を示す側面図である。シリンダヘッドの前端側からシリンダヘッドの内部を透明にして見たときの吸気ポート2及び吸気バルブ挿入孔7の形状が図13に表されている。吸気ポート2の吸気口には、リング状のバルブシート2fが圧入により嵌めこまれている。吸気バルブ挿入孔7の中心軸L3は、このバルブシート2fの中心軸と一致する。
図12は、実施の形態1のシリンダヘッドの吸気ポート2と吸気バルブ挿入孔7及び吸気バルブ挿入孔中心軸面S3を示す斜視図である。シリンダヘッドの内部を透明にして見たときの吸気ポート2の先端部の形状と、各吸気バルブ挿入孔7と吸気バルブ挿入孔中心軸面S3との位置関係とが図12に表されている。吸気バルブ挿入孔中心軸面S3は、各吸気ポート2の吸気バルブ挿入孔7の中心軸L3が平行に並ぶ平面である。
《透視図でみる第1の冷却水流路の形状》
実施の形態1のシリンダヘッドが有する2系統の冷却水流路のうち、低温の冷却水が流れる第1の冷却水流路の形状について図6及び図7を用いて説明する。図6は、実施の形態1のシリンダヘッドの吸気ポート2及び第1の冷却水流路30を透視して描いた斜視図である。シリンダヘッドの内部を透明にして見たときの第1の冷却水流路30の形状と、第1の冷却水流路30と吸気ポート2及びバルブガイド9との位置関係とが図6に表されている。
第1の冷却水流路30は、シリンダヘッド内において吸気ポート2の列の上側に設けられている。第1の冷却水流路30は、各吸気ポート2の上面2aに沿って、吸気ポート2の列の方向に、つまり、シリンダヘッドの長手方向に延びている。
第1の冷却水流路30は、吸気ポート2ごとに単位構造を有している。図6において、点線で囲まれた部分の構造が第1の冷却水流路30の単位構造である。単位構造は、吸気ポート2の左右のバルブガイド9(より正確には、吸気バルブ挿入孔)のそれぞれの周囲に配された一対の環状路を含む。環状路は、バルブガイド9に対してシリンダヘッドの長手方向中心平面側に位置する内側流路31と、バルブガイド9に対してシリンダヘッドの側面側に位置する外側流路32とからなる。内側流路31と外側流路32は、ともに弧状に湾曲した流路であって、バルブガイド9に関して軸対称となっている。また、内側流路31と外側流路32は、ほぼ等しい流路断面積を有している。
単位構造は、内側流路31と外側流路32とからなる左右の環状路を連結する第1の連結路34を含む。第1の連結路34は、吸気ポート2の左右の分岐ポートの間の空間の上方であって、バルブガイド9に対してシリンダヘッドの中央側に位置している。第1の連結路34は、長手方向に延びる流路であって、左右の内側流路31と連続的につながっている。連続的につながるとは、内側流路31と第1の連結路34との接続位置において、内側流路31の流れの方向と第1の連結路34の流れの方向とが一致することを意味する。外側流路32は、内側流路31と第1の連結路34との接続位置につながっている。
第1の冷却水流路30は、隣り合う2つの単位構造を連結する第2の連結路33を含む。第2の連結路33は、隣り合う2つの吸気ポート2の間の空間の上方であって、バルブガイド9に対してシリンダヘッドの側面側に位置している。第2の連結路33は、長手方向に延びる流路であって、隣り合う2つの単位構造の外側流路32と連続的につながっている。内側流路31は、外側流路32と第2の連結路33との接続位置につながっている。第1の冷却水流路30では、内側流路31と外側流路32とからなる環状路を挟み、バルブガイド9に対してシリンダヘッドの中央側に位置する第1の連結路34と、バルブガイド9に対してシリンダヘッドの側面側に位置する第2の連結路33とが長手方向に互い違いに配置されている。
第1の冷却水流路30の長手方向の両端部には、入口流路35と出口流路36とが設けられている。入口流路35は、シリンダヘッドの後端に最も近い環状路からシリンダヘッドの後端面まで長手方向に真っ直ぐに延び、後端面に開口した第1の穴37に連通している。第1の穴37は、シリンダヘッドに形成された冷却水入口であって、前述の第1の循環システムの冷却水導入管が接続される。出口流路36は、シリンダヘッドの前端に最も近い環状路からシリンダヘッドの前端面まで長手方向に真っ直ぐに延び、前端面に開口した第2の穴38に連通している。第2の穴38は、シリンダヘッドに形成された冷却水出口であって、前述の第1の循環システムの冷却水排出管が接続される。なお、第2の穴38を冷却水入口として利用し、第1の穴37を冷却水出口として利用することにより、シリンダヘッドの前端側から冷却水を導入し、後端側から冷却水を排出するように構成することもできる。
第1の冷却水流路30は、シリンダヘッドの鋳込みの際、砂中子を用いてシリンダヘッドの内部に形成される。第1の冷却水流路30を形づくる砂中子は、第2の冷却水流路を形づくる砂中子とは別個のものである。入口流路35及び出口流路36はこの砂中子を両側から支える中子支えによってできた流路であり、第1の穴37及び第2の穴38は中子支えを抜いてできた砂抜き穴である。つまり、実施の形態1のシリンダヘッドでは、第1の冷却水流路30を砂中子によって形作る際にできた砂抜き穴が、冷却水入口及び冷却水出口として利用される。
冷却水は、冷却水入口としての第1の穴37から第1の冷却水流路30内に入り、第1の冷却水流路30内を通ってから、冷却水出口としての第2の穴38から出ていく。途中、冷却水はバルブガイド9(より正確には、吸気バルブ挿入孔)を囲む環状路を流れる。環状路を構成する内側流路31と外側流路32の流路断面積はほぼ等しく、第1の連結路34(或いは第2の連結路33)から第2の連結路33(或いは第1の連結路34)に至るまでの流路長さは、内側流路31を通る場合と外側流路32を通る場合とでほぼ等しい。これにより、環状路では内側流路31と外側流路32の両方に均等に冷却水が流れるので、第1の冷却水流路30の中で冷却水の滞留が生じることはない。
図7は、実施の形態1のシリンダヘッドにおける吸気ポート2とヘッドボルト19と第1の冷却水流路30との位置関係を示す図である。シリンダヘッドの前端側からシリンダヘッドの内部を透明にして見たときのバルブガイド9の周りの第1の冷却水流路30の形状と、吸気ポート2と第1の冷却水流路30とヘッドボルト19との位置関係とが図7に表されている。図7に示すヘッドボルト19は、シリンダヘッドの前端面とそれに最も近い吸気ポートとの間に配置されるヘッドボルトである。第1の冷却水流路30は、ヘッドボルト19に対してシリンダヘッドの中央側を通っている。
同様のことは、隣接する2つの吸気ポート2の間に配置されるヘッドボルトと第1の冷却水流路30との位置関係においても言える。第1の冷却水流路30は、各ヘッドボルトよりもシリンダヘッドの中央に近い領域を通るように配置されている。仮に、ヘッドボルトに対してシリンダヘッドの側面側に第1の冷却水流路30を通す場合、吸気ポート2がシリンダヘッドの側面に向けて斜め上に延びているため、第1の冷却水流路30はシリンダヘッドの高さ方向の高い位置に通さざるをえない。このような構成では、第1の冷却水流路30内に空気溜まりができてしまい、冷却水の流通を阻害してしまう。この点、ヘッドボルトよりもシリンダヘッドの中央に近い領域では、吸気ポート2の上面2aの高さが低くなっているので、局所的に高い位置を通る部分を作ることなく、第1の冷却水流路30を長手方向にほぼ真っ直ぐ通すことができる。
次に、第1の冷却水流路を含むシリンダヘッドの冷却水流路の構成、特に、第1の冷却水流路と、第2の冷却水流路を含むシリンダヘッドの他の構成要素との位置関係について断面図を参照して説明する。
《シリンダヘッドの吸気バルブ挿入孔の中心軸を含み長手方向に垂直な断面でみるシリンダヘッドの冷却水流路の構成》
図3には、シリンダヘッド101の吸気バルブ挿入孔7の中心軸L3を含み長手方向に垂直な断面における第1の冷却水流路と第2の冷却水流路の各断面形状が描かれている。また、図3には、第1の冷却水流路と、第2の冷却水流路を含むシリンダヘッド101の構成要素との位置関係が示されている。図3に示す断面において、符号20a,20b,20c,20d,20eが付された領域は、第2の冷却水流路の一部分の断面である。以降、例えば、符号20aが付された領域について言及する場合は、第2の冷却水流路の部分20a、或いは、第2の冷却水流路20aと記載するものとする。第2の冷却水流路の各部分20a,20b,20c,20d,20eは、図3に示す断面では分離しているが、シリンダヘッド101の内部では1つにつながっている。
図3に示す断面において、燃焼室4のペントルーフの頂部の近くであって、排気ポート3の排気口付近の上面3aと吸気ポート2の吸気口付近の上面2aとで挟まれた領域には、第2の冷却水流路の部分20aが配置されている。排気ポート3の下面3bとシリンダブロック合わせ面1aとの間には、第2の冷却水流路の部分20bが配置されている。第2の冷却水流路の部分20bは、シリンダブロック合わせ面1aに開口し、シリンダブロックの側の冷却水流路に連通している。排気バルブ挿入孔8の中心軸の両側には、第2の冷却水流路の部分20dと部分20eが配置されている。第2の冷却水流路のこれらの各部分20a,20b,20d,20eは、排気ポート3の周囲を覆うウォータジャケットを構成し、排気ポート3及び排気バルブを冷却する。また、第2の冷却水流路の部分20aは、高温になる燃焼室4の周辺を冷却する。
図3に示す断面において、吸気ポート中心軌道面S2とシリンダブロック合わせ面1aとの間、より詳しくは、吸気ポート2の下面2bとシリンダブロック合わせ面1aとの間には、第2の冷却水流路の部分20cが配置されている。第2の冷却水流路の部分20cは、吸気ポート2の分岐点付近であって、吸気ポート2を挟んで第1の冷却水流路の外側流路32のほぼ向かいに位置している。第2の冷却水流路の部分20cは、シリンダブロック合わせ面1aに開口している。その開口部は、シリンダブロックの側の冷却水流路に連通している。第2の冷却水流路の部分20cには、シリンダブロック合わせ面1aの開口部を介してシリンダブロックの中を流れた冷却水が導入される。
図3に示す断面において、第1の冷却水流路の内側流路31と外側流路32は、吸気ポート中心軌道面S2とシリンダヘッド長手方向中心平面S1との間に位置している。より詳しくは、吸気バルブ挿入孔中心軸面S3に対してシリンダヘッド長手方向中心平面S1の側に第1の冷却水流路の内側流路31が位置し、吸気バルブ挿入孔中心軸面S3に対して吸気ポート中心軌道面S2の側に第1の冷却水流路の外側流路32が位置している。また、内側流路31は、第2の冷却水流路の部分20aを挟んで、燃焼室4のペントルーフの頂部の反対の側に位置している。内側流路31は、吸気バルブ挿入孔7の中心軸L3の方向に細長く延びる断面形状を有し、吸気バルブ挿入孔7の壁面に近接して配置されている。外側流路32は、吸気バルブ挿入孔7よりも上流の吸気ポート2の分岐点付近に位置している。外側流路32は、吸気ポート2の上面2aに平行な辺と吸気バルブ挿入孔7の壁面に平行な辺とを有する三角形に近い断面形状を有し、吸気バルブ挿入孔7の壁面と吸気ポート2の上面2aの両方に近接して配置されている。
図3に示す上記の構成によれば、排気ポート3を冷却している第2の冷却水流路を流れる冷却水よりも低温の冷却水が流れる第1の冷却水流路の外側流路32及び内側流路31によって、吸気ポート2の上面2a、特に、吸気バルブ挿入孔7よりも上流の上面2aを効果的に冷やすことができる。タンブル流生成ポートである吸気ポート2では、空気は吸気ポート2の上面2aの側に張り付きくように流れるので、低温の冷却水によって吸気ポート2の上面2aを冷やすことで、吸気ポート2を流れる空気を効率よく冷却することができる。
燃焼室4のペントルーフの頂部と第1の冷却水流路の内側流路31との間には、第2の冷却水流路の部分20aが位置している。燃焼室4から発せられる熱は、第2の冷却水流路の部分20aによって吸収されるため、燃焼室4から内側流路31に熱が直接に伝わることは抑えられる。よって、燃焼室4から発せられる熱によって内側流路31の冷却水が加温され、それにより吸気ポート2を流れる空気の冷却効率が低下してしまうことは避けられる。
シリンダブロック合わせ面1aから吸気ポートの下面2bへの受熱は、第2の冷却水流路の部分20cによって抑えることができる。また、吸気ポート2の下面2bの側を冷却する冷却水の温度は、上面aの側を冷却する冷却水の温度よりも高いので、ポートインジェクタから噴射された燃料の付着が多い吸気ポート2の下面2bの温度を過度に低下させることがない。つまり、第2の冷却水流路の部分20cにより、燃料の蒸発を妨げない程度に吸気ポート2の下面2bを適度に冷却することができる。
《燃焼室の中心軸を含み長手方向に垂直な断面でみるシリンダヘッドの冷却水流路の構成》
図4には、シリンダヘッド101の燃焼室4の中心軸L1を含み長手方向に垂直な断面における第1の冷却水流路と第2の冷却水流路の各断面形状が描かれている。また、図4には、第1の冷却水流路と、第2の冷却水流路を含むシリンダヘッド101の構成要素との位置関係が示されている。図4に示す断面において、符号20f,20g,20hが付された領域は、第2の冷却水流路の一部分の断面である。第2の冷却水流路の各部分20f,20g,20hは、図4に示す断面では分離しているが、シリンダヘッド101の内部では図3に示す各部分20a,20b,20c,20d,20eと1つにつながっている。
図4に示す断面において、点火プラグ挿入孔12の開口端12aの近傍であって、シリンダヘッド長手方向中心平面S1に対して吸気側には、第2の冷却水流路の部分20gが配置されている。第2の冷却水流路の部分20gは、シリンダヘッド長手方向中心平面S1と吸気バルブ挿入孔中心軸面S3との間であって、点火プラグ挿入孔12の先端部の吸気側壁面に近接して配置されている。点火プラグ挿入孔12の開口端12aの近傍であって、シリンダヘッド長手方向中心平面S1に対して排気側には、第2の冷却水流路の部分20fが配置されている。第2の冷却水流路の部分20fは、点火プラグ挿入孔12の先端部の排気側壁面と燃焼室4の排気側壁面の両方に沿うように配置されている。第2の冷却水流路の部分20fの上方には、第2の冷却水流路の部分20hが配置されている。第2の冷却水流路の各部分20f,20hは、図3に示す各部分20a,20b,20d,20eとともに、排気ポート3の周囲を覆うウォータジャケットを構成する。また、第2の冷却水流路の部分20gは、高温になる燃焼室4の周辺、特に、点火プラグの周辺を冷却する。
図4に示す断面において、第1の冷却水流路の第1の連結路34は、シリンダヘッド長手方向中心平面S1と吸気バルブ挿入孔中心軸面S3との間に位置している。第1の連結路34は、吸気バルブ挿入孔中心軸面S3とほぼ平行な細長い角丸長方形の断面形状を有し、その流路断面積は図3に示す外側流路32及び内側流路31の各流路断面積の合計にほぼ等しい。第1の連結路34は、第2の冷却水流路の部分20gを挟んで、燃焼室4の頂部の反対の側、より詳しくは、点火プラグ挿入孔12の開口端12aの反対の側に位置している。
図4に示す上記の構成によれば、燃焼室4から発せられる熱は、第1の冷却水流路の第1の連結路34と燃焼室4の頂部との間に位置する第2の冷却水流路の部分20gによって吸収される。このため、燃焼室4から第1の連結路34に熱が直接に伝わることは抑えられるので、第1の冷却水流路を流れる冷却水の温度が上昇し、吸気ポート2を流れる空気の冷却効率が低下してしまうことは避けられる。
《隣接する2つの燃焼室間を通る長手方向に垂直な断面でみるシリンダヘッドの冷却水流路の構成》
図5には、シリンダヘッド101の隣接する2つの燃焼室間を通る長手方向に垂直な断面における第1の冷却水流路と第2の冷却水流路の各断面形状が描かれている。また、図5には、第1の冷却水流路と、第2の冷却水流路を含むシリンダヘッド101の構成要素との位置関係が示されている。図5に示す断面において、符号20i,20j,20pが付された領域は、第2の冷却水流路の一部分の断面である。第2の冷却水流路の各部分20i,20j,20pは、図5に示す断面では分離しているが、シリンダヘッド101の内部では図3に示す各部分20a,20b,20c,20d,20e、及び図4に示す各部分20f,20hと1つにつながっている。
図5に示す断面において、シリンダヘッド長手方向中心平面S1と排気側のヘッドボルト挿入孔14との間には、第2の冷却水流路の部分20iが配置されている。シリンダヘッド長手方向中心平面S1と吸気側のヘッドボルト挿入孔14との間には、第2の冷却水流路の部分20jが配置されている。第2の冷却水流路の部分20iと部分20jは、ともにシリンダブロック合わせ面1aに開口している。また、第2の冷却水流路の部分20iと部分20jは、シリンダヘッド101の中央において連通している。排気側のヘッドボルト挿入孔14と排気ポート3との間には、第2の冷却水流路の部分20pが配置されている。第2の冷却水流路の部分20pは、シリンダブロック合わせ面1aに開口している。第2の冷却水流路の各部分20i,20pは、図3に示す各部分20a,20b,20d,20e、及び図3に示す各部分20f,20hとともに、排気ポート3の周囲を覆うウォータジャケットを構成する。また、第2の冷却水流路の部分20jは、隣接する2つの吸気ポートの先端部の間を冷却する。
図5に示す断面において、第1の冷却水流路の第2の連結路33は、吸気ポート中心軌道面S2と吸気バルブ挿入孔中心軸面S3との間に位置している。第2の連結路33は、吸気バルブ挿入孔中心軸面S3とほぼ平行な細長い角丸長方形の断面形状を有し、その流路断面積は図3に示す外側流路32及び内側流路31の各流路断面積の合計にほぼ等しい。第2の連結路33は、第2の冷却水流路の部分20jを挟んで、シリンダブロック合わせ面1aの反対の側に位置している。
図5に示す上記の構成によれば、シリンダブロック合わせ面1aから伝わる熱は、シリンダブロック合わせ面1aと第1の冷却水流路の第2の連結路33との間に位置する第2の冷却水流路の部分20jによって吸収される。このため、シリンダブロック合わせ面1aから第2の連結路33に熱が直接に伝わることは抑えられるので、第1の冷却水流路を流れる冷却水の温度が上昇し、吸気ポート2を流れる空気の冷却効率が低下してしまうことは避けられる。
また、図5に示す断面において、第1の冷却水流路の第2の連結路33は、吸気側のヘッドボルト挿入孔13よりもシリンダヘッドの101の中央に近い領域に位置している。仮に、ヘッドボルト挿入孔13に対してシリンダヘッドの側面側に第2の連結路33を位置させるならば、第2の連結路33のシリンダヘッドの高さ方向の位置は高くならざるをえない。このような構成では、第2の連結路33内に溜まった空気が抜けず、冷却水の流通を阻害してしまうおそれがある。この点、図5に示す位置関係によれば、第1の冷却水流路を長手方向にほぼ真っ直ぐ通すことができるので、第1の冷却水流路の内部に空気が溜まることを防ぐことができる。
次に、以上のように構成される実施の形態1のシリンダヘッド101を備えたエンジン冷却システムの具体的な適用例について説明する。
<実施の形態1のエンジン冷却システムの適用例>
《適用例1》
図14は、実施の形態1のエンジン冷却システムを過給エンジンシステムに適用した例を示している。エンジン冷却システムそのものの構成は、図1に示すエンジン冷却システムの基本的な構成と共通である。よって、図14において、図1に示すエンジン冷却システムと共通する要素には、同一の符号を付している。また、その共通する要素についての重複する説明は省略するか、或いは簡略化する。
過給エンジンシステムでは、シリンダヘッド101につながる吸気通路130にターボコンプレッサ131が取り付けられ、ターボコンプレッサ131の下流に水冷式のインタークーラ132が取り付けられる。図14に示す適用例では、第1の循環システム120にインタークーラ132が組み込まれ、第1の循環システム120を流れる低温の冷却水がインタークーラ132において空気との熱交換に用いられる。より詳しくは、インタークーラ132は冷却水導入管121に配置され、インタークーラ132において熱交換に用いられた冷却水がシリンダヘッド101に設けられた第1の冷却水流路30に導入される。図14に示す適用例では、冷却水排出管122に水温センサ125が配置され、第1の冷却水流路30を通過した冷却水の水温が水温センサ125によって計測される。計測された水温は、ウォータポンプ123の回転速度の制御のための情報として用いられる。
《適用例2》
図15は、実施の形態1のエンジン冷却システムをハイブリッドシステムに適用した例を示している。エンジン冷却システムそのものの構成は、図1に示すエンジン冷却システムの基本的な構成と共通である。よって、図15において、図1に示すエンジン冷却システムと共通する要素には、同一の符号を付している。また、その共通する要素についての重複する説明は省略するか、或いは簡略化する。
エンジンとモータとが組み合わせられたハイブリッドシステムは、インバータ135を備える。図15に示す適用例では、第1の循環システム120にインバータ135が組み込まれ、第1の循環システム120を流れる低温の冷却水がインバータ135の冷却に用いられる。より詳しくは、インバータ135は冷却水導入管121に配置され、インバータ135の冷却に用いられた冷却水がシリンダヘッド101に設けられた第1の冷却水流路30に導入される。図15に示す適用例でも、冷却水排出管122には水温センサ125が配置されている。
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2について図を用いて説明する。実施の形態2のシリンダヘッドは、その基本構成に関しては実施の形態1のシリンダヘッドと同一である。よって、実施の形態2のシリンダヘッドの基本構成については、実施の形態1のシリンダヘッドの基本構成の説明をそのまま引用するものとし、ここでは重ねての説明は行わない。
実施の形態2のシリンダヘッドは、独立した別個の循環システムに接続される2系統の冷却水流路を備える。冷間からの始動時は、第1の冷却水流路を流れる冷却水の水温と、第2の冷却水流路を流れる冷却水の水温は同じになっているが、エンジンの暖機が進むにつれて、第1の冷却水流路には、第2の冷却水流路を流れる冷却水の温度よりも低い温度の冷却水が流れるようになる。実施の形態2のシリンダヘッドは、第1の冷却水流路の構成において実施の形態1のシリンダヘッドと異なっている。以下、実施の形態2のシリンダヘッドの第1の冷却水流路の構成について説明する。説明は、シリンダヘッドの断面図と、シリンダヘッドの内部の冷却水流路を透視して描いた斜視図とを用いて行う。また、各図において、実施の形態1のものと共通する要素には、同一の符号を付している。なお、第2の冷却水流路の構成に関しては実施の形態1のシリンダヘッドと同一である。よって、実施の形態2のシリンダヘッドの第2の冷却水流路の構成については、実施の形態1のシリンダヘッドの第2の冷却水流路の構成の説明をそのまま引用するものとし、ここでは重ねての説明は行わない。
<実施の形態2のシリンダヘッドの冷却水流路の構成>
《透視図でみる第1の冷却水流路の形状》
実施の形態2のシリンダヘッドが有する2系統の冷却水流路のうち、低温の冷却水が流れる第1の冷却水流路の形状について図19を用いて説明する。図19は、実施の形態2のシリンダヘッドの吸気ポート2及び第1の冷却水流路40を透視して描いた斜視図である。シリンダヘッドの内部を透明にして見たときの第1の冷却水流路40の形状と、第1の冷却水流路40と吸気ポート2及びバルブガイド9との位置関係とが図19に表されている。
第1の冷却水流路40は、シリンダヘッド内において吸気ポート2の列の上側に設けられている。第1の冷却水流路40は、各吸気ポート2の上面2aに沿って、吸気ポート2の列の方向に、つまり、シリンダヘッドの長手方向に延びている。
第1の冷却水流路40は、吸気ポート2ごとに単位構造を有している。図19において、点線で囲まれた部分の構造が第1の冷却水流路40の単位構造である。単位構造は、吸気ポート2の左右のバルブガイド9(より正確には、吸気バルブ挿入孔)の周囲に配された一対の弧状流路41を含む。弧状流路41は、バルブガイド9の周囲に沿うように弧状に湾曲した流路であって、バルブガイド9に対してシリンダヘッドの側面側からシリンダヘッドの中央側まで、左右のバルブガイド9の間を通って延びている。左右の弧状流路41は、吸気ポート2を左右に分断する平面(燃焼室の中心軸を含みシリンダヘッドの長手方向に垂直な平面)に関して面対称となっている。
単位構造は、左右の弧状流路41を連結する第1の連結路43を含む。第1の連結路43は、吸気ポート2の左右の分岐ポートの間の空間の上方であって、バルブガイド9に対してシリンダヘッドの中央側に位置している。第1の連結路43は、シリンダヘッドの中央側に凸に湾曲した流路であって、左右の弧状流路41と連続的につながっている。
第1の冷却水流路40は、隣り合う2つの単位構造を連結する第2の連結路42を含む。第2の連結路42は、隣り合う2つの吸気ポート2の間の空間の上方であって、バルブガイド9に対してシリンダヘッドの側面側に位置している。第2の連結路42は、シリンダヘッドの長手方向に延びる流路であって、隣り合う2つの単位構造の弧状流路41と連続的につながっている。
第1の冷却水流路40の長手方向の両端部には、入口流路44と出口流路45とが設けられている。入口流路44は、シリンダヘッドの後端面に開口した第1の穴46まで長手方向に真っ直ぐに延びている。出口流路45は、シリンダヘッドの前端面に開口した第2の穴47まで長手方向に真っ直ぐに延びている。入口流路44及び出口流路45は、第1の冷却水流路40を形づくる砂中子を両側から支える中子支えによってできた流路であり、第1の穴46及び第2の穴47は中子支えを抜いてできた砂抜き穴である。第1の穴46は冷却水入口として利用され、第2の穴47は冷却水出口として利用される。なお、第2の穴47を冷却水入口として利用し、第1の穴46を冷却水出口として利用することもできる。
次に、第1の冷却水流路と、第2の冷却水流路を含むシリンダヘッドの他の構成要素との位置関係について断面図を参照して説明する。
《吸気バルブ挿入孔の中心軸を含み長手方向に垂直な断面でみるシリンダヘッドの冷却水流路の構成》
図16は、実施の形態2のシリンダヘッドの吸気バルブ挿入孔7の中心軸L3を含み長手方向に垂直な断面を示す断面図である。図16には、上記断面における第1の冷却水流路と第2の冷却水流路の各断面形状が描かれている。また、図16には、第1の冷却水流路と、第2の冷却水流路を含むシリンダヘッド102の構成要素との位置関係が示されている。
図16に示す断面において、第1の冷却水流路の弧状流路41は、吸気ポート中心軌道面S2とシリンダヘッド長手方向中心平面S1との間であって、吸気バルブ挿入孔中心軸面S3に対して吸気ポート中心軌道面S2の側に位置している。また、弧状流路41は、吸気バルブ挿入孔7よりも上流の吸気ポート2の分岐点付近に位置している。弧状流路41は、吸気ポート2の上面2aに平行な辺と吸気バルブ挿入孔7の壁面に平行な辺とを有する三角形に近い断面形状を有し、吸気バルブ挿入孔7の壁面と吸気ポート2の上面2aの両方に近接して配置されている。
図16に示す上記の構成によれば、排気ポート3を冷却している第2の冷却水流路を流れる冷却水の温度よりも低温の冷却水が流れる第1の冷却水流路の弧状流路41によって、吸気ポート2の上面2a、特に、吸気バルブ挿入孔7よりも上流の上面2aを効果的に冷やし、吸気ポート2を流れる空気を効率よく冷却することができる。
《燃焼室の中心軸を含み長手方向に垂直な断面でみるシリンダヘッドの冷却水流路の構成》
図17は、実施の形態2のシリンダヘッドの燃焼室4の中心軸L1を含み長手方向に垂直な断面を示す断面図である。図17には、上記断面における第1の冷却水流路と第2の冷却水流路の各断面形状が描かれている。また、図17には、第1の冷却水流路と、第2の冷却水流路を含むシリンダヘッド101の構成要素との位置関係が示されている。
図17に示す断面において、第1の冷却水流路の第1の連結路43は、シリンダヘッド長手方向中心平面S1と吸気バルブ挿入孔中心軸面S3との間に位置している。第1の連結路43は、吸気バルブ挿入孔中心軸面S3とほぼ平行な細長い角丸長方形の断面形状を有している。第1の連結路43は、第2の冷却水流路の部分20gを挟んで、燃焼室4の頂部の反対の側、より詳しくは、点火プラグ挿入孔12の開口端12aの反対の側に位置している。
図17に示す上記の構成によれば、燃焼室4から発せられる熱は、第1の冷却水流路の第1の連結路43と燃焼室4の頂部との間に位置する第2の冷却水流路の部分20gによって吸収される。このため、燃焼室4から第1の連結路43に熱が直接に伝わることは抑えられるので、第1の冷却水流路を流れる冷却水の温度が上昇し、吸気ポート2を流れる空気の冷却効率が低下してしまうことは避けられる。
《隣接する2つの燃焼室間を通る長手方向に垂直な断面でみるシリンダヘッドの冷却水流路の構成》
図18は、実施の形態2のシリンダヘッドの隣接する2つの燃焼室間を通る長手方向に垂直な断面、詳しくは、ヘッドボルト挿入孔13,14の中心軸を含み長手方向に垂直な断面を示す断面図である。図18には、上記断面における第1の冷却水流路と第2の冷却水流路の各断面形状が描かれている。また、図18には、第1の冷却水流路と、第2の冷却水流路を含むシリンダヘッド102の構成要素との位置関係が示されている。
図18に示す断面において、第1の冷却水流路の第2の連結路42は、吸気ポート中心軌道面S2と吸気バルブ挿入孔中心軸面S3との間であって、吸気側のヘッドボルト挿入孔13よりもシリンダヘッド102の中央に近い領域に位置している。第2の連結路42は、吸気バルブ挿入孔中心軸面S3とほぼ平行な細長い角丸長方形の断面形状を有している。第2の連結路42は、第2の冷却水流路の部分20jを挟んで、シリンダブロック合わせ面1aの反対の側に位置している。
図18に示す上記の構成によれば、シリンダブロック合わせ面1aから伝わる熱は、シリンダブロック合わせ面1aと第1の冷却水流路の第2の連結路42との間に位置する第2の冷却水流路の部分20jによって吸収される。このため、シリンダブロック合わせ面1aから第2の連結路42に熱が直接に伝わることは抑えられるので、第1の冷却水流路を流れる冷却水の温度が上昇し、吸気ポート2を流れる空気の冷却効率が低下してしまうことは避けられる。
実施の形態3.
次に、本発明の実施の形態3について図を用いて説明する。実施の形態3のシリンダヘッドは、その基本構成に関しては実施の形態1のシリンダヘッドと同一である。よって、実施の形態2のシリンダヘッドの基本構成については、実施の形態1のシリンダヘッドの基本構成の説明をそのまま引用するものとし、ここでは重ねての説明は行わない。
実施の形態3のシリンダヘッドは、独立した別個の循環システムに接続される2系統の冷却水流路を備える。冷間からの始動時は、第1の冷却水流路を流れる冷却水の水温と、第2の冷却水流路を流れる冷却水の水温は同じになっているが、エンジンの暖機が進むにつれて、第1の冷却水流路には、第2の冷却水流路を流れる冷却水の温度よりも低い温度の冷却水が流れるようになる。実施の形態3のシリンダヘッドは、第1の冷却水流路の構成において実施の形態1のシリンダヘッドと異なっている。以下、実施の形態3のシリンダヘッドの第1の冷却水流路の構成について説明する。説明は、シリンダヘッドの断面図と、シリンダヘッドの内部の冷却水流路を透視して描いた斜視図とを用いて行う。また、各図において、実施の形態1のものと共通する要素には、同一の符号を付している。なお、第2の冷却水流路の構成に関しては実施の形態1のシリンダヘッドと同一である。よって、実施の形態3のシリンダヘッドの第2の冷却水流路の構成については、実施の形態1のシリンダヘッドの第2の冷却水流路の構成の説明をそのまま引用するものとし、ここでは重ねての説明は行わない。
<実施の形態3のシリンダヘッドの冷却水流路の構成>
《透視図でみる第1の冷却水流路の形状》
実施の形態3のシリンダヘッドが有する2系統の冷却水流路のうち、低温の冷却水が流れる第1の冷却水流路の形状について図23を用いて説明する。図23は、実施の形態3のシリンダヘッドの吸気ポート2及び第1の冷却水流路50を透視して描いた斜視図である。シリンダヘッドの内部を透明にして見たときの第1の冷却水流路50の形状と、第1の冷却水流路50と吸気ポート2及びバルブガイド9との位置関係とが図23に表されている。
第1の冷却水流路50は、シリンダヘッド内において吸気ポート2の列の上側に設けられている。第1の冷却水流路50は、各吸気ポート2の上面2aに沿って、吸気ポート2の列の方向に、つまり、シリンダヘッドの長手方向に延びている。
第1の冷却水流路50は、吸気ポート2ごとに単位構造を有している。図23において、点線で囲まれた部分の構造が第1の冷却水流路50の単位構造である。単位構造は、吸気ポート2の左右のバルブガイド9(より正確には、吸気バルブ挿入孔)の周囲に配された一対の弧状流路51を含む。弧状流路51は、バルブガイド9の周囲に沿うように弧状に湾曲した流路であって、バルブガイド9に対してシリンダヘッドの側面側からシリンダヘッドの中央側まで、左右のバルブガイド9の外側を通って延びている。左右の弧状流路51は、吸気ポート2を左右に分断する平面(燃焼室の中心軸を含みシリンダヘッドの長手方向に垂直な平面)に関して面対称となっている。
単位構造は、左右の弧状流路51を連結する第1の連結路53を含む。第1の連結路53は、吸気ポート2の左右の分岐ポートの間の空間の上方であって、バルブガイド9に対してシリンダヘッドの中央側に位置している。第1の連結路53は、シリンダヘッドの長手方向に延びる流路であって、左右の弧状流路51と連続的につながっている。
第1の冷却水流路50は、隣り合う2つの単位構造を連結する第2の連結路52を含む。第2の連結路52は、隣り合う2つの吸気ポート2の間の空間の上方であって、バルブガイド9に対してシリンダヘッドの側面側に位置している。第2の連結路52は、シリンダヘッドの側面側に凸に湾曲した流路であって、隣り合う2つの単位構造の弧状流路51と連続的につながっている。
第1の冷却水流路50の長手方向の両端部には、入口流路54と出口流路55とが設けられている。入口流路54は、シリンダヘッドの後端面に開口した第1の穴56まで長手方向に真っ直ぐに延び、出口流路55は、シリンダヘッドの前端面に開口した第2の穴57まで長手方向に真っ直ぐに延びている。入口流路54及び出口流路55は、第1の冷却水流路50を形づくる砂中子を両側から支える中子支えによってできた流路であり、第1の穴56及び第2の穴57は中子支えを抜いてできた砂抜き穴である。第1の穴56は冷却水入口として利用され、第2の穴57は冷却水出口として利用される。なお、第2の穴57を冷却水入口として利用し、第1の穴56を冷却水出口として利用することもできる。
次に、第1の冷却水流路と、第2の冷却水流路を含むシリンダヘッドの他の構成要素との位置関係について断面図を参照して説明する。
《吸気バルブ挿入孔の中心軸を含み長手方向に垂直な断面でみるシリンダヘッドの冷却水流路の構成》
図20は、実施の形態3のシリンダヘッドの吸気バルブ挿入孔7の中心軸L3を含み長手方向に垂直な断面を示す断面図である。図20には、上記断面における第1の冷却水流路と第2の冷却水流路の各断面形状が描かれている。また、図20には、第1の冷却水流路と、第2の冷却水流路を含むシリンダヘッド103の構成要素との位置関係が示されている。
図20に示す断面において、第1の冷却水流路の弧状流路51は、吸気ポート中心軌道面S2とシリンダヘッド長手方向中心平面S1との間であって、吸気バルブ挿入孔中心軸面S3に対してシリンダヘッド長手方向中心平面S1の側に位置している。また、弧状流路51は、第2の冷却水流路の部分20aを挟んで、燃焼室4のペントルーフの頂部の反対の側に位置している。弧状流路51は、吸気バルブ挿入孔7の中心軸L3の方向に細長く延びる断面形状を有し、吸気バルブ挿入孔7の壁面に近接して配置されている。
図20に示す上記の構成によれば、第1の冷却水流路の弧状流路51によって、吸気ポート2の上面2aに加えてバルブガイド9も冷やすことができる。バルブガイド9を冷却することにより吸気バルブ11の温度を下げることができる。第1の冷却水流路を流れる低温の冷却水によって吸気ポート2の上面2aと吸気バルブ11を冷やすことで、吸気ポート2を流れる空気を効率よく冷却することができる。
《燃焼室の中心軸を含み長手方向に垂直な断面でみるシリンダヘッドの冷却水流路の構成》
図21は、実施の形態3のシリンダヘッドの燃焼室4の中心軸L1を含み長手方向に垂直な断面を示す断面図である。図21には、上記断面における第1の冷却水流路と第2の冷却水流路の各断面形状が描かれている。また、図21には、第1の冷却水流路と、第2の冷却水流路を含むシリンダヘッド103の構成要素との位置関係が示されている。
図21に示す断面において、第1の冷却水流路の第1の連結路53は、シリンダヘッド長手方向中心平面S1と吸気バルブ挿入孔中心軸面S3との間に位置している。第1の連結路53は、吸気バルブ挿入孔中心軸面S3とほぼ平行な細長い角丸長方形の断面形状を有している。第1の連結路53は、第2の冷却水流路の部分20gを挟んで、燃焼室4の頂部の反対の側、より詳しくは、点火プラグ挿入孔12の開口端12aの反対の側に位置している。
図21に示す上記の構成によれば、燃焼室4から発せられる熱は、第1の冷却水流路の第1の連結路53と燃焼室4の頂部との間に位置する第2の冷却水流路の部分20gによって吸収される。このため、燃焼室4から第1の連結路53に熱が直接に伝わることは抑えられるので、第1の冷却水流路を流れる冷却水の温度が上昇し、吸気ポート2を流れる空気の冷却効率が低下してしまうことは避けられる。
《隣接する2つの燃焼室間を通る長手方向に垂直な断面でみるシリンダヘッドの冷却水流路の構成》
図22は、実施の形態3のシリンダヘッドの隣接する2つの燃焼室間を通る長手方向に垂直な断面、詳しくは、ヘッドボルト挿入孔13,14の中心軸を含み長手方向に垂直な断面を示す断面図である。図22には、上記断面における第1の冷却水流路と第2の冷却水流路の各断面形状が描かれている。また、図22には、第1の冷却水流路と、第2の冷却水流路を含むシリンダヘッド103の構成要素との位置関係が示されている。
図22に示す断面において、第1の冷却水流路の第2の連結路52は、吸気ポート中心軌道面S2と吸気バルブ挿入孔中心軸面S3との間であって、吸気側のヘッドボルト挿入孔13よりもシリンダヘッドの103の中央に近い領域に位置している。第2の連結路52は、吸気バルブ挿入孔中心軸面S3とほぼ平行な細長い角丸長方形の断面形状を有している。第2の連結路52は、第2の冷却水流路の部分20jを挟んで、シリンダブロック合わせ面1aの反対の側に位置している。
図22に示す上記の構成によれば、シリンダブロック合わせ面1aから伝わる熱は、シリンダブロック合わせ面1aと第1の冷却水流路の第2の連結路52との間に位置する第2の冷却水流路の部分20jによって吸収される。このため、シリンダブロック合わせ面1aから第2の連結路52に熱が直接に伝わることは抑えられるので、第1の冷却水流路を流れる冷却水の温度が上昇し、吸気ポート2を流れる空気の冷却効率が低下してしまうことは避けられる。
実施の形態4.
次に、本発明の実施の形態4について図を用いて説明する。実施の形態4のシリンダヘッドは、その基本構成に関しては実施の形態1のシリンダヘッドと同一である。よって、実施の形態4のシリンダヘッドの基本構成については、実施の形態1のシリンダヘッドの基本構成の説明をそのまま引用するものとし、ここでは重ねての説明は行わない。
実施の形態4のシリンダヘッドは、独立した別個の循環システムに接続される2系統の冷却水流路を備える。冷間からの始動時は、第1の冷却水流路を流れる冷却水の水温と、第2の冷却水流路を流れる冷却水の水温は同じになっているが、エンジンの暖機が進むにつれて、第1の冷却水流路には、第2の冷却水流路を流れる冷却水の温度よりも低い温度の冷却水が流れるようになる。実施の形態4のシリンダヘッドは、第1の冷却水流路の構成において実施の形態1のシリンダヘッドと異なっている。以下、実施の形態4のシリンダヘッドの第1の冷却水流路の構成について説明する。説明は、シリンダヘッドの断面図と、シリンダヘッドの内部の冷却水流路を透視して描いた斜視図とを用いて行う。また、各図において、実施の形態1のものと共通する要素には、同一の符号を付している。
<実施の形態4のシリンダヘッドの冷却水流路の構成>
《透視図でみる第1の冷却水流路の形状》
実施の形態4のシリンダヘッドが有する2系統の冷却水流路のうち、低温の冷却水が流れる第1の冷却水流路の形状について図27を用いて説明する。図27は、実施の形態4のシリンダヘッドの吸気ポート2及び第1の冷却水流路60を透視して描いた斜視図である。シリンダヘッドの内部を透明にして見たときの第1の冷却水流路60の形状と、第1の冷却水流路60と吸気ポート2及びバルブガイド9との位置関係とが図27に表されている。
第1の冷却水流路60は、シリンダヘッド内において吸気ポート2の列の上側に設けられている。第1の冷却水流路60は、各吸気ポート2の分岐ポート2L,2Rの上面2aに沿って、吸気ポート2の列の方向に、つまり、シリンダヘッドの長手方向に延びている。
第1の冷却水流路60は、吸気ポート2ごとに単位構造を有している。図27において、点線で囲まれた部分の構造が第1の冷却水流路60の単位構造である。単位構造は、吸気ポート2の左右の分岐ポート2L,2Rの周囲に配された一対の弧状流路61を含む。弧状流路61は、シリンダヘッドの中央側から分岐ポート2L,2Rに巻き掛けられたように弧状に湾曲した流路である。弧状流路61の両端のうち、シリンダヘッドの中央側から弧状流路61を見た時に吸気ポート2の中央側に位置する端部は、左右の分岐ポート2L,2Rの間まで延び、吸気ポート2の外側に位置する端部は、バルブガイド9の軸に対してシリンダヘッドの側面側まで延びている。左右の弧状流路61は、吸気ポート2を左右に分断する平面(燃焼室の中心軸を含みシリンダヘッドの長手方向に垂直な平面)に関して面対称となっている。
単位構造は、左右の弧状流路61を連結する第1の連結路63を含む。第1の連結路63は、吸気ポート2の左右の分岐ポート2L,2Rの間に位置している。第1の連結路63は、左右の弧状流路61を連続的につなげている。
第1の冷却水流路60は、隣り合う2つの単位構造を連結する第2の連結路62を含む。第2の連結路62は、隣り合う2つの吸気ポート2の間の空間であって、バルブガイド9の軸に対してシリンダヘッドの側面側に位置している。第2の連結路62は、シリンダヘッドの側面側に凸に湾曲した流路であって、隣り合う2つの単位構造の弧状流路61と連続的につながっている。
第1の冷却水流路60の長手方向の両端部には、入口流路64と出口流路65とが設けられている。入口流路64は、シリンダヘッドの後端面に開口した第1の穴66まで長手方向に真っ直ぐに延び、出口流路65は、シリンダヘッドの前端面に開口した第2の穴67まで長手方向に真っ直ぐに延びている。入口流路64及び出口流路65は、第1の冷却水流路60を形づくる砂中子を両側から支える中子支えによってできた流路であり、第1の穴66及び第2の穴67は中子支えを抜いてできた砂抜き穴である。第1の穴66は冷却水入口として利用され、第2の穴67は冷却水出口として利用される。なお、第2の穴67を冷却水入口として利用し、第1の穴66を冷却水出口として利用することもできる。
図28は、実施の形態4のシリンダヘッドにおける吸気ポート2とヘッドボルト19と第1の冷却水流路60との位置関係を示す図である。シリンダヘッドの前端側からシリンダヘッドの内部を透明にして見たときのバルブガイド9の周りの第1の冷却水流路60の形状と、吸気ポート2と第1の冷却水流路60とヘッドボルト19との位置関係とが図28に表されている。第1の冷却水流路60は、ヘッドボルト19に対してシリンダヘッドの中央側を通っている。より詳しくは、第1の冷却水流路60は、吸気ポート2の先端部分に形成された吸気バルブ挿入部2dの近くを通っている。
次に、第1の冷却水流路と、第2の冷却水流路を含むシリンダヘッドの他の構成要素との位置関係について断面図を参照して説明する。
《吸気バルブ挿入孔の中心軸を含み長手方向に垂直な断面でみるシリンダヘッドの冷却水流路の構成》
図24は、実施の形態4のシリンダヘッドの吸気バルブ挿入孔7の中心軸L3を含み長手方向に垂直な断面を示す断面図である。図24には、上記断面における第1の冷却水流路と第2の冷却水流路の各断面形状が描かれている。また、図24には、第1の冷却水流路と、第2の冷却水流路を含むシリンダヘッド104の構成要素との位置関係が示されている。
図24に示す断面において、燃焼室4のペントルーフの頂部の近くであって、排気ポート3の排気口付近の上面3aと吸気ポート2の吸気口付近の上面2aとで挟まれた領域には、第2の冷却水流路の部分20kが配置されている。第2の冷却水流路の部分20kは、他の部分20b,20d,20eとともに排気ポート3の周囲を覆うウォータジャケットを構成し、排気ポート3及び排気バルブを冷却する。また、第2の冷却水流路の部分20kは、高温になる燃焼室4の周辺を冷却する。
図24に示す断面において、第1の冷却水流路の弧状流路61は、シリンダヘッド長手方向中心平面S1と吸気バルブ挿入孔中心軸面S3とで挟まれた領域に位置している。より詳しくは、弧状流路61は、第2の冷却水流路の部分20kと吸気バルブ挿入孔7とで挟まれた領域に位置している。弧状流路61は、吸気バルブ挿入孔7の付け根付近に近接して配置されている。また、弧状流路61は、第2の冷却水流路の部分20kを挟んで、燃焼室4のペントルーフの頂部の反対の側に位置している。
図24に示す上記の構成によれば、第1の冷却水流路の弧状流路61によって、吸気ポート2の上面2a、特に、吸気バルブ挿入孔7よりも下流の上面2aを効果的に冷やすことができる。第1の冷却水流路を流れる低温の冷却水によって吸気ポート2の上面aを冷やすことで、吸気ポート2を流れる空気を効率よく冷却することができる。また、燃焼室4から発せられる熱は、弧状流路61と燃焼室4の頂部との間に位置する第2の冷却水流路の部分20kによって吸収される。このため、燃焼室4から弧状流路61に熱が直接に伝わることは抑えられるので、第1の冷却水流路を流れる冷却水の温度が上昇し、吸気ポート2を流れる空気の冷却効率が低下してしまうことは避けられる。
《燃焼室の中心軸を含み長手方向に垂直な断面でみるシリンダヘッドの冷却水流路の構成》
図25は、実施の形態4のシリンダヘッドの燃焼室4の中心軸L1を含み長手方向に垂直な断面を示す断面図である。図25には、上記断面における第1の冷却水流路と第2の冷却水流路の各断面形状が描かれている。また、図25には、第1の冷却水流路と、第2の冷却水流路を含むシリンダヘッド104の構成要素との位置関係が示されている。
図25に示す断面において、点火プラグ挿入孔12の開口端12aの近傍であって、シリンダヘッド長手方向中心平面S1に対して吸気側には、第2の冷却水流路の部分20mが配置されている。第2の冷却水流路の部分20mは、シリンダヘッド長手方向中心平面S1と吸気バルブ挿入孔中心軸面S3との間に配置されている。第2の冷却水流路の部分20mは、高温になる燃焼室4の周辺、特に、点火プラグの周辺を冷却する。
図25に示す断面において、第1の冷却水流路の第1の連結路63は、吸気バルブ挿入孔中心軸面S3と重なる位置に配置されている。第1の連結路63は、第2の冷却水流路の部分20mを挟んで、燃焼室4の頂部の反対の側、より詳しくは、点火プラグ挿入孔12の開口端12aの反対の側に位置している。
図25に示す上記の構成によれば、燃焼室4から発せられる熱は、第1の冷却水流路の第1の連結路63と燃焼室4の頂部との間に位置する第2の冷却水流路の部分20mによって吸収される。このため、燃焼室4から第1の連結路63に熱が直接に伝わることは抑えられるので、第1の冷却水流路を流れる冷却水の温度が上昇し、吸気ポート2を流れる空気の冷却効率が低下してしまうことは避けられる。
《隣接する2つの燃焼室間を通る長手方向に垂直な断面でみるシリンダヘッドの冷却水流路の構成》
図26は、実施の形態4のシリンダヘッドの隣接する2つの燃焼室間を通る長手方向に垂直な断面、詳しくは、ヘッドボルト挿入孔13,14の中心軸を含み長手方向に垂直な断面を示す断面図である。図26には、上記断面における第1の冷却水流路と第2の冷却水流路の各断面形状が描かれている。また、図26には、第1の冷却水流路と、第2の冷却水流路を含むシリンダヘッド104の構成要素との位置関係が示されている。
図26に示す断面において、シリンダヘッド長手方向中心平面S1と吸気側のヘッドボルト挿入孔13との間には、第2の冷却水流路の部分20nが配置されている。第2の冷却水流路の部分20nはシリンダブロック合わせ面1aに開口し、また、シリンダヘッド101の中央において第2の冷却水流路の部分20iと連通している。
図26に示す断面において、第1の冷却水流路の第2の連結路62は、吸気ポート中心軌道面S2と吸気バルブ挿入孔中心軸面S3との間であって、吸気側のヘッドボルト挿入孔13よりもシリンダヘッドの102の中央に近い領域に位置している。第2の連結路62は、第2の冷却水流路の部分20nを挟んで、シリンダブロック合わせ面1aの反対の側に位置している。
図26に示す上記の構成によれば、シリンダブロック合わせ面1aから伝わる熱は、シリンダブロック合わせ面1aと第1の冷却水流路の第2の連結路62との間に位置する第2の冷却水流路の部分20nによって吸収される。このため、シリンダブロック合わせ面1aから第2の連結路62に熱が直接に伝わることは抑えられるので、第1の冷却水流路を流れる冷却水の温度が上昇し、吸気ポート2を流れる空気の冷却効率が低下してしまうことは避けられる。
実施の形態5.
次に、本発明の実施の形態5について図を用いて説明する。実施の形態5のシリンダヘッドは、実施の形態4のシリンダヘッドの1つの変形である。実施の形態5のシリンダヘッドは、第1の冷却水流路の構成において実施の形態4のシリンダヘッドと異なっている。以下、実施の形態5のシリンダヘッドの第1の冷却水流路の構成について説明する。説明は、シリンダヘッドの吸気バルブ挿入孔の中心軸を含み長手方向に垂直な断面を示す断面図を用いて行う。また、図において、実施の形態4のものと共通する要素には、同一の符号を付している。
《吸気バルブ挿入孔の中心軸を含み長手方向に垂直な断面でみるシリンダヘッドの冷却水流路の構成》
図29は、実施の形態5のシリンダヘッドの吸気バルブ挿入孔7の中心軸L3を含み長手方向に垂直な断面を示す断面図である。図29には、上記断面における第1の冷却水流路と第2の冷却水流路の各断面形状が描かれている。また、図25には、第1の冷却水流路と、第2の冷却水流路を含むシリンダヘッド105の構成要素との位置関係が示されている。
図29に示す断面において、シリンダヘッド長手方向中心平面S1と吸気バルブ挿入孔中心軸面S3とで挟まれた領域には、第1の冷却水流路の部分71,72が位置している。第1の冷却水流路の部分71は、実施の形態4の第1の冷却水流路の弧状流路に相当し、第1の冷却水流路の部分72は、実施の形態3の第1の冷却水流路の弧状流路に相当する。第1の冷却水流路の部分71,72は、それらが一体化されたものとなっている。
図29に示す上記の構成によれば、第1の冷却水流路の部分71によって、吸気ポート2の上面2a、特に、吸気バルブ挿入孔7よりも下流の上面2aを効果的に冷やすことができる。また、第1の冷却水流路の部分71によって、吸気ポート2の上面2aにつながる吸気バルブ挿入孔7の周囲を効果的に冷やすことができる。
実施の形態6.
次に、本発明の実施の形態6について図を用いて説明する。実施の形態6のシリンダヘッドは、ディーゼルエンジンのシリンダヘッドである。まず、実施の形態6のシリンダヘッドの基本構成について説明する。説明は、シリンダヘッドの断面図を用いて行う。
<実施の形態6のシリンダヘッドの基本構成>
《吸気バルブ挿入孔の中心軸を含み長手方向に垂直な断面でみるシリンダヘッドの基本構成》
図30は、実施の形態6のシリンダヘッド106の吸気バルブ挿入孔88の中心軸L13を含み長手方向に垂直な断面を示す断面図である。図30に示すように、シリンダヘッド106の底面にあたるシリンダブロック合わせ面81aには、燃焼室84が設けられている。燃焼室84は、シリンダヘッド106がシリンダブロックに組み付けられたときに、シリンダを上方から閉塞して閉空間を構成する。ただし、この燃焼室84と呼ばれる部分はシリンダブロック合わせ面81aと同一面であり、火花点火式エンジンの場合のように凹んではいない。“燃焼室”という呼称は本技術分野において慣例的に使われている呼称であるが、シリンダヘッド106とピストンとで挟まれた閉空間を燃焼室と定義する場合には、この燃焼室84は燃焼室天井面と呼ぶことができる。
シリンダヘッド106の前端の側から見て、シリンダヘッド長手方向中心平面S11よりも右側の燃焼室84には、吸気ポート82が開口している。吸気ポート82と燃焼室84との接続部分、つまり、吸気ポート82の燃焼室側の開口端は、吸気バルブによって開閉される吸気口となっている。吸気バルブは気筒ごとに2つ設けられているため、燃焼室84には2つの吸気口が形成される。シリンダヘッド106は、吸気口ごとに独立した吸気ポート82を備える。吸気ポート82の入口は、シリンダヘッド106の右側面に開口している。吸気ポート82は、この入口の開口部から左斜め下方に向かって延び、途中でカーブして燃焼室84に形成された吸気口につながっている。
シリンダヘッド106には、吸気バルブのステムを通すための吸気バルブ挿入孔88が形成されている。シリンダヘッド106の上面であって、ヘッドカバー取り付け面81bの内側には、吸気バルブを動作させる動弁機構を収容する吸気側動弁機構室85が設けられている。吸気バルブ挿入孔88は、燃焼室84の近傍の吸気ポート82の上面82aから吸気側動弁機構室85まで、ほぼ真上に真っ直ぐ延びている。吸気バルブ挿入孔88の中心軸L13は、図30に示す断面、つまり、長手方向に対して垂直な平面に含まれている。
シリンダヘッド106の前端の側から見て、燃焼室84の左側には、排気ポート83が開口している。排気ポート83と燃焼室84との接続部分、つまり、排気ポート83の燃焼室側の開口端は、排気バルブによって開閉される排気口となっている。排気バルブは気筒ごとに2つ設けられているため、燃焼室84には排気ポート83の2つの排気口が形成される。排気ポート83は、燃焼室84に形成された排気口からシリンダヘッド106の左側面に開口した出口まで延びている。なお、排気ポート83は、各燃焼室84の排気口ごとに独立して設けられているのではなく、複数の排気口に対して1つの排気ポート83が設けられている。つまり、排気ポート83は、複数の排気口から延びる支ポートと、それらが集合してなる集合ポートとからなっている。
シリンダヘッド106には、排気バルブのステムを通すための排気バルブ挿入孔89が形成されている。シリンダヘッド106の上面であって、ヘッドカバー取り付け面81bの内側には、排気バルブを動作させる動弁機構を収容する排気側動弁機構室86が設けられている。排気バルブ挿入孔89は、燃焼室84の近傍の排気ポート83の上面83aから排気側動弁機構室86まで、ほぼ真上に真っ直ぐ延びている。
《燃焼室の中心軸を含み長手方向に垂直な断面でみるシリンダヘッドの基本構成》
図31は、シリンダヘッド106の燃焼室84の中心軸L11を含み長手方向に垂直な断面を示す断面図である。シリンダヘッド106の上面には、筒内に燃料を噴射するインジェクタを取り付けるためのインジェクタ挿入孔87が形成されている。インジェクタ挿入孔87は、シリンダヘッド106の上方から燃焼室84の中心軸L11に沿って鉛直下向きに形成され、平面状の燃焼室84の中央に開口している。燃焼室84の中心軸L11は、シリンダヘッド106をシリンダブロックに組み付けた場合にシリンダの中心軸と一致する。また、図31に示す断面には、マニホールド形状を有する排気ポート83の一部が表れている。
次に、実施の形態6のシリンダヘッド106の冷却水流路の構成について説明する。実施の形態6のシリンダヘッドは、独立した別個の循環システムに接続される2系統の冷却水流路を備える。第1の冷却水流路には、第2の冷却水流路を流れる冷却水の温度よりも低い温度の冷却水が流れる。
<実施の形態6のシリンダヘッドの冷却水流路の構成>
《吸気バルブ挿入孔の中心軸を含み長手方向に垂直な断面でみるシリンダヘッドの冷却水流路の構成》
図30には、シリンダヘッド106の吸気バルブ挿入孔88の中心軸L13を含み長手方向に垂直な断面における第1の冷却水流路と第2の冷却水流路の各断面形状が描かれている。また、図30には、第1の冷却水流路と、第2の冷却水流路を含むシリンダヘッド106の構成要素との位置関係が示されている。図30に示す断面において、符号94a,94b,94c,94dが付された領域は、第2の冷却水流路の一部分の断面である。第2の冷却水流路の各部分94a,94b,94c,94dは、図30に示す断面では分離しているが、シリンダヘッド106の内部では1つにつながっている。
図30に示す断面において、シリンダヘッド長手方向中心平面S11上であって、排気ポート83の排気口付近の上面83aと吸気ポート82の吸気口付近の上面82aとで挟まれた領域には、第2の冷却水流路の部分94aが配置されている。シリンダヘッド長手方向中心平面S11は、各燃焼室84の中心軸L11を含み長手方向に平行な仮想の平面である。排気ポート83の下面83bとシリンダブロック合わせ面81aとの間には、第2の冷却水流路の部分94bが配置されている。第2の冷却水流路の部分94bは、シリンダブロック合わせ面81aに開口し、シリンダブロックの側の冷却水流路に連通している。排気ポート83の上面83aの上方であって排気バルブ挿入孔89の左側には、第2の冷却水流路の部分94dが配置されている。第2の冷却水流路のこれらの各部分94a,94b,94dは、排気ポート83の周囲を覆うウォータジャケットを構成し、排気ポート83及び排気バルブを冷却する。また、第2の冷却水流路の部分94aは、高温になる燃焼室84の周辺を冷却する。
図30に示す断面において、吸気ポート中心軌道面S12とシリンダブロック合わせ面81aとの間、より詳しくは、吸気ポート82の下面82bとシリンダブロック合わせ面81aとの間には、第2の冷却水流路の部分94cが配置されている。吸気ポート中心軌道面S12は、各吸気ポート82の中心軌道を含む面と定義される仮想の面である。第2の冷却水流路の部分94cは、シリンダブロック合わせ面81aに開口している。その開口部は、シリンダブロックの側の冷却水流路に連通している。第2の冷却水流路の部分94cには、シリンダブロック合わせ面81aの開口部を介してシリンダブロックの中を流れた冷却水が導入される。
図30に示す断面において、第1の冷却水流路91は、吸気バルブ挿入孔中心軸面S13とシリンダヘッド長手方向中心平面S11との間に位置している。吸気バルブ挿入孔中心軸面S13は、各吸気バルブ挿入孔88の中心軸L13を含み長手方向に平行な仮想の平面である。第1の冷却水流路91と燃焼室84との間に、第2の冷却水流路の部分94aが位置している。
図30に示す上記の構成によれば、排気ポート83を冷却している冷却水よりも低温の冷却水が流れる第1の冷却水流路91によって、吸気ポート82の上面82a、特に、吸気バルブ挿入孔88よりも下流の上面82aを効果的に冷やすことができる。低温の冷却水によって吸気ポート82の上面82aを冷やすことで、吸気ポート82を流れる空気を効率よく冷却することができる。
燃焼室84と第1の冷却水流路91との間には、第2の冷却水流路の部分94aが位置している。燃焼室84から発せられる熱は、第2の冷却水流路の部分94aによって吸収されるため、燃焼室84から第1の冷却水流路91に熱が直接に伝わることは抑えられる。よって、燃焼室84から発せられる熱によって第1の冷却水流路91の冷却水が加熱され、それにより吸気ポート82を流れる空気の冷却効率が低下してしまうことは避けられる。また、シリンダブロック合わせ面81aから吸気ポート82の下面82bへの受熱は、第2の冷却水流路の部分94cによって抑えることができる。
《燃焼室の中心軸を含み長手方向に垂直な断面でみるシリンダヘッドの冷却水流路の構成》
図31には、シリンダヘッド106の燃焼室84の中心軸L11を含み長手方向に垂直な断面における第1の冷却水流路と第2の冷却水流路の各断面形状が描かれている。また、図31には、第1の冷却水流路と、第2の冷却水流路を含むシリンダヘッド106の構成要素との位置関係が示されている。図31に示す断面において、符号94e,94f,94g,94h,94i,94jが付された領域は、第2の冷却水流路の一部分の断面である。第2の冷却水流路の各部分94e,94f,94g,94h,94i,94jは、図31に示す断面では分離しているが、シリンダヘッド106の内部では図30に示す各部分94a,94b,94c,94dと1つにつながっている。
図31に示す断面において、シリンダヘッド長手方向中心平面S11に対して吸気側には、第2の冷却水流路の部分94f,94i,94jが配置されている。このうち、第2の冷却水流路の部分94fは、シリンダヘッド長手方向中心平面S11と吸気バルブ挿入孔中心軸面S13との間であって、インジェクタ挿入孔87の先端部の吸気側壁面に近接して配置されている。
インジェクタ挿入孔87の開口端87aの近傍であって、シリンダヘッド長手方向中心平面S11に対して排気側には、第2の冷却水流路の部分94eが配置されている。第2の冷却水流路の部分94eは、インジェクタ挿入孔87の先端部の排気側壁面に沿うように配置されている。第2の冷却水流路の部分94eの上方には、第2の冷却水流路の部分94gが配置され、第2の冷却水流路の部分94eの左方には、第2の冷却水流路の部分94hが配置されている。第2の冷却水流路の各部分94e,94g,94hは、図30に示す各部分94a,94b,94dとともに、排気ポート83の周囲を覆うウォータジャケットを構成する。
図31に示す断面において、第1の冷却水流路92は、シリンダヘッド長手方向中心平面S11とポート中心軌道面S12との間に位置している。第1の冷却水流路92は、第2の冷却水流路の部分94fを挟んで、インジェクタ挿入孔87の開口端87aの反対の側に位置している。
図31に示す上記の構成によれば、燃焼室84から発せられる熱は、第1の冷却水流路92と燃焼室84との間に位置する第2の冷却水流路の部分94fによって吸収される。このため、燃焼室84から第1の冷却水流路92に熱が直接に伝わることは抑えられるので、第1の冷却水流路92を流れる冷却水の温度が上昇し、吸気ポート82を流れる空気の冷却効率が低下してしまうことは避けられる。
実施の形態7.
次に、本発明の実施の形態7について図を用いて説明する。実施の形態7は、エンジンの冷却システムの構成に特徴がある。実施の形態7のエンジン冷却システムは、実施の形態1−6の何れのシリンダヘッドとも組み合わせることができる。ただし、ここでは、実施の形態1のシリンダヘッドと組み合わせた例について説明する。
<実施の形態7のエンジン冷却システムの説明>
図32を参照して、本発明の実施の形態7のエンジンの冷却システムの構成について説明する。ただし、図32において、図1に示す実施の形態1のエンジン冷却システムと共通する要素には、同一の符号を付している。また、その共通する要素についての重複する説明は省略するか、或いは簡略化する。
実施の形態7のエンジン冷却システムは、2系統の循環システム140,160を備える。第2の循環システム160の構成は実施の形態1のものと同一であり、第1の循環システム140の構成が実施の形態1のものと異なっている。以下、実施の形態7の第1の循環システム140の構成について説明する。
《第1の循環システムの構成》
第1の循環システム140は、第2の循環システム160とは独立した閉ループであり、ラジエータ124とウォータポンプ123とを備える。シリンダヘッド101には、第1の循環システム140の冷却水導入管121が接続される冷却水入口と、冷却水排出管122が接続される冷却水出口とが形成されている。シリンダヘッド101の冷却水入口は冷却水導入管121によってラジエータ124の冷却水出口に接続され、シリンダヘッド101の冷却水出口は冷却水排出管122によってラジエータ124の冷却水入口に接続されている。冷却水導入管121にはウォータポンプ123が設けられている。また、第1の循環システム140には、図示しない水温センサや水温調整のためのサーモスタットが備えられる場合がある。
第1の循環システム140は、シリンダヘッド101の内部に形成された第1の冷却水流路30と、シリンダブロック151の内部に形成された第4の冷却水流路153とを含む。第1の冷却水流路30は、冷却水入口に連通している。第4の冷却水流路153は、第3の冷却水流路152と同じく、各シリンダの周囲を覆うウォータジャケットを含む。シリンダヘッド101の内部には、第1の冷却水流路30を第4の冷却水流路153に連通させる中間連絡路172が形成されている。中間連絡路172と第4の冷却水流路153とは、シリンダヘッド101とシリンダブロック151との合わせ面に形成された開口部を介して接続されている。また、シリンダヘッド101の内部には、第4の冷却水流路153を冷却水出口に連通させる出口連絡路170が形成されている。出口連絡路170と第4の冷却水流路153とは、シリンダヘッド101とシリンダブロック151との合わせ面に形成された開口部を介して接続されている。
第1の循環システム140を循環する冷却水は、シリンダヘッド101に形成された冷却水入口に導入され、シリンダヘッド101の第1の冷却水流路30を流れることにより吸気ポート2を冷却する。吸気ポート2の冷却に用いられた冷却水は、その後、シリンダブロック151の第4の冷却水流路153を流れることによりシリンダを冷却し、シリンダヘッド101に形成された冷却水出口から排出される。
図32に示す構成によれば、第1の冷却水流路30を通過した冷却水をシリンダブロック151に流し、これをシリンダの冷却に利用することができる。
《中間連絡路の構成》
図33は、実施の形態7のエンジンの冷却システムにおける、シリンダヘッド101の吸気ポート2及び第1の冷却水流路30を透視して描いた斜視図である。ただし、図33において、図6に示す実施の形態1の第1の冷却水流路と共通する要素には、同一の符号を付している。図33に示すように、中間連絡路172は、第1の冷却水流路30の出口流路36と、シリンダブロック合わせ面に開いた出口穴173とを接続している。中間連絡路172は、シリンダブロックの前端面とそれに最も近い吸気ポート2との間に形成されている。実施の形態7では、出口流路36の先端(シリンダヘッドの前端面に開口した穴)171は封止されている。第1の冷却水流路30を通過した冷却水は、出口流路36から中間連絡路172を通ってシリンダブロック合わせ面の出口穴173へ流れる。なお、出口穴173を冷却水入口として利用し、第1の穴37を冷却水出口として利用することもできる。
図34は、シリンダヘッドの前端側からシリンダヘッドの内部を透明にして見たときの中間連絡路172とヘッドボルト19との位置関係を示す図である。中間連絡路172は、ヘッドボルト19に対してシリンダヘッドの中央側の位置に、出口穴173から出口流路36へ向けて形成されている。中間連絡路172の形成はドリル加工によって行っても良い。
《中間連絡路の変形例》
図35は、中間連絡路の変形例の構成を示す図である。ただし、図35において、図6に示す実施の形態1の第1の冷却水流路と共通する要素には、同一の符号を付している。この変形例は、出口流路36から延びる中間連絡路174と、第2の連結路33から延びる中間連絡路176とを備える。中間連絡路174は、シリンダブロックの前端面とそれに最も近い吸気ポート2との間に形成され、出口流路36をシリンダブロック合わせ面に開いた出口穴175に接続する。中間連絡路176は、隣り合う2つの吸気ポート2の間に形成され、第2の連結路33をシリンダブロック合わせ面に開いた出口穴177に接続する。シリンダブロックには、これらの中間連絡路174,176に対応して冷却水流路が形成されている。なお、出口穴175を冷却水入口として利用し、第1の穴37を冷却水出口として利用することもできる。
《第1の循環システムの変形例》
図36は、第1の循環システムの変形例を示す図である。この変形例では、第1の循環システム141は、シリンダヘッド101の内部に形成された第1の冷却水流路30と中間連絡路172とを含む。シリンダヘッド101には、第1の循環システム141の冷却水導入管121が接続される冷却水入口が形成される。一方、冷却水排出管122が接続される冷却水出口は、シリンダブロック151に形成される。シリンダブロック151の内部には、中間連絡路172を冷却水出口に連通させる出口連絡路154が形成されている。中間連絡路172と出口連絡路154とは、シリンダヘッド101とシリンダブロック151との合わせ面に形成された開口部を介して接続されている。
第1の循環システム141を循環する冷却水は、シリンダヘッド101に形成された冷却水入口に導入され、シリンダヘッド101の第1の冷却水流路30を流れることにより吸気ポート2を冷却する。吸気ポート2の冷却に用いられた冷却水は、その後、中間連絡路172を通ってシリンダブロック151に流れ、シリンダブロック151に形成された冷却水出口から排出される。第1の冷却水流路30を通過した冷却水をシリンダの冷却に利用しない場合には、この変形例のような構成をとることができる。
実施の形態8.
次に、本発明の実施の形態8について図を用いて説明する。実施の形態8は、エンジンの冷却システムの構成に特徴がある。実施の形態8のエンジン冷却システムは、実施の形態1−6の何れのシリンダヘッドとも組み合わせることができる。ただし、ここでは、実施の形態1のシリンダヘッドと組み合わせた例について説明する。
<実施の形態8のエンジン冷却システムの説明>
図37を参照して、本発明の実施の形態8のエンジンの冷却システムの構成について説明する。ただし、図37において、図1に示す実施の形態1のエンジン冷却システムと共通する要素には、同一の符号を付している。また、その共通する要素についての重複する説明は省略するか、或いは簡略化する。
実施の形態8のエンジン冷却システムは、2系統の循環システム142,160を備える。第2の循環システム160の構成は実施の形態1のものと同一であり、第1の循環システム142の構成が実施の形態1のものと異なっている。以下、実施の形態8の第1の循環システム142の構成について説明する。
《第1の循環システムの構成》
第1の循環システム142は、第2の循環システム160とは独立した閉ループであり、ラジエータ124とウォータポンプ123とを備える。第1の循環システム142の冷却水導入管121が接続される冷却水入口は、シリンダブロック151に形成される。シリンダヘッド101には、冷却水排出管122が接続される冷却水出口が形成される。シリンダブロック151の冷却水入口は冷却水導入管121によってラジエータ124の冷却水出口に接続され、シリンダヘッド101の冷却水出口は冷却水排出管122によってラジエータ124の冷却水入口に接続されている。冷却水導入管121にはウォータポンプ123が設けられている。また、第1の循環システム142には、図示しない水温センサや水温調整のためのサーモスタットが備えられる場合がある。
第1の循環システム142は、シリンダヘッド101の内部に形成された第1の冷却水流路30を含む。第1の冷却水流路30は、冷却水出口に連通している。シリンダブロック151の内部には、冷却水入口をシリンダヘッド101に接続するための入口連絡路155が形成されている。シリンダヘッド101の内部には、第1の冷却水流路30を入口連絡路155に連通させる中間連絡路182が形成されている。入口連絡路155と中間連絡路182とは、シリンダヘッド101とシリンダブロック151との合わせ面に形成された開口部を介して接続されている。
第1の循環システム142を循環する冷却水は、シリンダブロック151に形成された冷却水入口から入口連絡路155を通ってシリンダヘッド101に流れ、中間連絡路182を通って第1の冷却水流路30に導入される。冷却水は、第1の冷却水流路30を流れることにより吸気ポート2を冷却し、シリンダヘッド101に形成された冷却水出口から排出される。
図37に示す構成によれば、第1の冷却水流路30に流す冷却水をシリンダブロック151から導入することができる。シリンダヘッド101に冷却水入口を形成できない場合に図37に示す構成は有用である。
《中間連絡路の構成》
図38は、実施の形態8のエンジンの冷却システムにおける、シリンダヘッド101の吸気ポート2及び第1の冷却水流路30を透視して描いた斜視図である。ただし、図38において、図6に示す実施の形態1の第1の冷却水流路と共通する要素には、同一の符号を付している。図38に示すように、中間連絡路182は、第1の冷却水流路30の入口流路35と、シリンダブロック合わせ面に開いた入口穴183とを接続している。中間連絡路182は、シリンダブロックの後端面とそれに最も近い吸気ポート2との間に形成されている。実施の形態8では、入口流路35の先端(シリンダヘッドの後端面に開口した穴)181は封止されている。吸気ポート2を冷却するための冷却水は、シリンダブロック合わせ面の入口穴183から中間連絡路182を通って第1の冷却水流路30に導入される。なお、第2の穴38を冷却水入口として利用し、入口穴183を冷却水出口として利用することもできる。
実施の形態9.
次に、本発明の実施の形態9について図を用いて説明する。実施の形態9は、エンジンの冷却システムの構成に特徴がある。実施の形態9のエンジン冷却システムは、実施の形態1−6の何れのシリンダヘッドとも組み合わせることができる。ただし、ここでは、実施の形態1のシリンダヘッドと組み合わせた例について説明する。
<実施の形態9のエンジン冷却システムの説明>
図39を参照して、本発明の実施の形態9のエンジンの冷却システムの構成について説明する。ただし、図39において、図1に示す実施の形態1のエンジン冷却システムと共通する要素には、同一の符号を付している。また、その共通する要素についての重複する説明は省略するか、或いは簡略化する。
《循環システムの構成》
実施の形態9のエンジン冷却システムは、1系統の循環システム143を備える。循環システム143は、ラジエータ124とウォータポンプ123とを備える。シリンダヘッド101には、循環システム143の冷却水導入管121が接続される冷却水入口と、冷却水排出管122が接続される冷却水出口とが形成される。冷却水入口は冷却水導入管121によってラジエータ124の冷却水出口に接続され、冷却水出口は冷却水排出管122によってラジエータ124の冷却水入口に接続されている。冷却水導入管121にはウォータポンプ123が設けられている。また、循環システム143には、図示しない水温センサや水温調整のためのサーモスタットが備えられる場合がある。
循環システム143は、シリンダヘッド101の内部に形成された第1の冷却水流路30及び第2の冷却水流路20と、シリンダブロック151の内部に形成された第3の冷却水流路152とを含む。第1の冷却水流路30は、冷却水入口に連通している。シリンダヘッド101の内部には、第1の冷却水流路30を第3の冷却水流路152に連通させる中間連絡路172が形成されている。中間連絡路172と第3の冷却水流路152とは、シリンダヘッド101とシリンダブロック151との合わせ面に形成された開口部を介して接続されている。シリンダブロック151の第3の冷却水流路152とシリンダヘッド101の第2の冷却水流路20とは、シリンダヘッド101とシリンダブロック151との合わせ面の複数箇所に形成された開口部を介して連通している。第2の冷却水流路20は、冷却水出口に連通している。
循環システム143を循環する冷却水は、シリンダヘッド101に形成された冷却水入口に導入され、シリンダヘッド101の第1の冷却水流路30を流れることにより吸気ポート2をその上面側から冷却する。吸気ポート2の冷却に用いられた冷却水は、その後、シリンダブロック151の第3の冷却水流路152を流れることによりシリンダを冷却する。シリンダの冷却に用いられた冷却水は、再びシリンダヘッド101に戻り、シリンダヘッド101の第2の冷却水流路20を流れることにより排気ポートや吸気ポート2の下面を冷却し、シリンダヘッド101に形成された冷却水出口から排出される。
図39に示す構成によれば、1系統の循環システム143によってシリンダヘッド101とシリンダブロック151の要冷却箇所を冷却しつつ、第1の冷却水流路30を流れる冷却水の温度を第2の冷却水流路20を流れる冷却水の温度よりも低くすることを実現することができる。
実施の形態10.
次に、本発明の実施の形態10について図を用いて説明する。実施の形態10は、エンジンの冷却システムの構成に特徴がある。実施の形態10のエンジン冷却システムは、実施の形態1−6の何れのシリンダヘッドとも組み合わせることができる。ただし、ここでは、実施の形態1のシリンダヘッドと組み合わせた例について説明する。
<実施の形態10のエンジン冷却システムの説明>
図40を参照して、本発明の実施の形態10のエンジンの冷却システムの構成について説明する。ただし、図40において、図1に示す実施の形態1のエンジン冷却システムと共通する要素には、同一の符号を付している。また、その共通する要素についての重複する説明は省略するか、或いは簡略化する。
《循環システムの構成》
実施の形態10のエンジン冷却システムは、1系統の循環システム144を備える。循環システム144は、ラジエータ124とウォータポンプ123とを備える。シリンダヘッド101には、循環システム144の冷却水導入管121が接続される冷却水入口が形成される。冷却水排出管122が接続される冷却水出口は、シリンダブロック151に形成される。冷却水入口は冷却水導入管121によってラジエータ124の冷却水出口に接続され、冷却水出口は冷却水排出管122によってラジエータ124の冷却水入口に接続されている。冷却水導入管121にはウォータポンプ123が設けられている。また、循環システム144には、図示しない水温センサや水温調整のためのサーモスタットが備えられる場合がある。
循環システム144は、シリンダヘッド101の内部に形成された第1の冷却水流路30及び第2の冷却水流路20と、シリンダブロック151の内部に形成された第3の冷却水流路152とを含む。第1の冷却水流路30は、冷却水入口に連通している。第1の冷却水流路30は、シリンダヘッド101の内部において第2の冷却水流路20に連通している。第2の冷却水流路20とシリンダブロック151の第3の冷却水流路152とは、シリンダヘッド101とシリンダブロック151との合わせ面の複数箇所に形成された開口部を介して連通している。第3の冷却水流路152は、冷却水出口に連通している。
循環システム144を循環する冷却水は、シリンダヘッド101に形成された冷却水入口に導入され、シリンダヘッド101の第1の冷却水流路30を流れることにより吸気ポート2をその上面側から冷却する。吸気ポート2の冷却に用いられた冷却水は、第1の冷却水流路30から第2の冷却水流路20へ移り、第2の冷却水流路20を流れることにより排気ポートや吸気ポート2の下面を冷却する。シリンダヘッド101内を流れた冷却水は、その後、シリンダブロック151の第3の冷却水流路152を流れることによりシリンダを冷却し、シリンダブロック151に形成された冷却水出口から排出される。
図40に示す構成によれば、1系統の循環システム144によってシリンダヘッド101とシリンダブロック151の要冷却箇所を冷却しつつ、第1の冷却水流路30を流れる冷却水の温度を第2の冷却水流路20を流れる冷却水の温度よりも低くすることを実現することができる。
実施の形態11.
次に、本発明の実施の形態11について図を用いて説明する。実施の形態11は、エンジンの冷却システムの構成に特徴がある。実施の形態11のエンジン冷却システムは、実施の形態1−6の何れのシリンダヘッドとも組み合わせることができる。ただし、ここでは、実施の形態1のシリンダヘッドと組み合わせた例について説明する。
<実施の形態11のエンジン冷却システムの説明>
図41を参照して、本発明の実施の形態11のエンジンの冷却システムの構成について説明する。ただし、図41において、図1に示す実施の形態1のエンジン冷却システムと共通する要素には、同一の符号を付している。また、その共通する要素についての重複する説明は省略するか、或いは簡略化する。
《循環システムの構成》
実施の形態11のエンジン冷却システムは、2系統の循環システム145,166を備える。2系統の循環システム145,166はともに閉ループを構成しているが、それらは完全に独立ではなく、1つのラジエータ124を共有している。冷却水を循環させるウォータポンプ123,163は、2系統の循環システム145,166のそれぞれに設けられている。ラジエータ124で冷却された冷却水は、各循環システム145,166に分配され、各循環システム145,166を循環した冷却水は、再びラジエータ124に集められて冷却される。
第1の循環システム145は、シリンダヘッド101の内部に形成された第1の冷却水流路30を含む。シリンダヘッド101には第1の冷却水流路30に連通する冷却水入口と冷却水出口とが形成されている。シリンダヘッド101の冷却水入口は冷却水導入管121によってラジエータ124の冷却水出口に接続され、シリンダヘッド101の冷却水出口は冷却水排出管122によってラジエータ124の冷却水入口に接続されている。また、冷却水排出管122と冷却水導入管121とは、ラジエータ124をバイパスするバイパス管127によって接続されている。冷却水導入管121とバイパス管127との合流部分には、サーモスタット128が設けられている。ウォータポンプ123は、冷却水導入管121におけるサーモスタット128の下流に設けられている。
第1の循環システム145では、シリンダヘッド101を通過して温まった冷却水と、ラジエータ124で冷却された冷却水とがサーモスタット128で混合される。そして、サーモスタット128で調温された冷却水がシリンダヘッド101に形成された第1の冷却水流路30に供給される。
第2の循環システム166は、シリンダヘッド101の内部に形成された第2の冷却水流路20と、シリンダブロック151の内部に形成された第3の冷却水流路152とを含む。シリンダヘッド101の第2の冷却水流路20とシリンダブロック151の第3の冷却水流路152とは、シリンダヘッド101とシリンダブロック151との合わせ面に形成された開口部を介して接続されている。シリンダブロック151には第3の冷却水流路152につながる冷却水入口が形成され、シリンダヘッド101には第2の冷却水流路20に連通する冷却水出口が形成されている。シリンダブロック151の冷却水入口は冷却水導入管161によってラジエータ124の冷却水出口に接続され、シリンダヘッド101の冷却水出口は冷却水排出管162によってラジエータ124の冷却水入口に接続されている。また、冷却水排出管162と冷却水導入管161とは、ラジエータ124をバイパスするバイパス管167によって接続されている。冷却水導入管161とバイパス管167との合流部分には、サーモスタット168が設けられている。サーモスタット168の設定温度は、第1の循環システム145のサーモスタット128の設定温度よりも高い温度に設定されている。ウォータポンプ163は、冷却水導入管161におけるサーモスタット168の下流に設けられている。
第2の循環システム145では、シリンダブロック151及びシリンダヘッド101を通過して温まった冷却水と、ラジエータ124で冷却された冷却水とがサーモスタット168で混合される。そして、サーモスタット168で調温された冷却水がウォータポンプ163を経由してシリンダブロック151の第3の冷却水流路152に供給され、第3の冷却水流路152を通過した冷却水がシリンダヘッド101に形成された第2の冷却水流路20に供給される。
図41に示す構成によれば、サーモスタット128,168の温度設定によって、第1の冷却水流路30を流れる冷却水の温度と第2の冷却水流路20を流れる冷却水の温度との間に明確な温度差を設けることができる。なお、第1の循環システム145のバイパス管127及びサーモスタット128は必ずしも必要ではない。
その他実施の形態.
実施の形態1ではシリンダヘッドの前端面と後端面に冷却水入口及び冷却水出口を設けている。しかし、シリンダヘッドの前端面や後端面に冷却水入口を設けることができない場合、シリンダヘッドの側面に冷却水入口を設けてもよい。具体的には、第1の冷却水流路を砂中子によって形作る際にできた砂抜き穴は封止し、第1の冷却水流路に通じる連絡路をシリンダヘッドの側面からドリル加工によって開ければよい。冷却水出口についても同様である。
L1,L11 燃焼室の中心軸
L2 吸気ポートの中心軌道
L3,L13 吸気バルブ挿入孔の中心軸
S1,S11 シリンダヘッド長手方向中心平面
S2,S12 吸気ポート中心軌道面
S3,S13 吸気バルブ挿入孔中心軸面
1a シリンダブロック合わせ面
2,82 吸気ポート
2a 吸気ポート上面
2b 吸気ポート下面
2L,2R 分岐ポート
3,83 排気ポート
4,84 燃焼室
7,88 吸気バルブ挿入孔
9 バルブガイド
11 吸気バルブ
12 点火プラグ挿入孔
13,14,15,16 ヘッドボルト挿入孔
17 ポートインジェクタ挿入孔
18 筒内直噴インジェクタ挿入孔
19 ヘッドボルト
20 第2の冷却水流路
30,40,50,60,71,72,91,92 第1の冷却水流路
31 内側流路
32 外側流路
33 第2の連結路
34 第1の連結路
101,102,103,104,105,106 シリンダヘッド
120,140,141,142,145 第1の循環システム
123,163 ウォータポンプ
124,164 ラジエータ
127,167 バイパス管
128,168 サーモスタット
131 ターボコンプレッサ
132 インタークーラ
135 インバータ
143,144 循環システム
151 シリンダブロック
152 第3の冷却水流路
153 第4の冷却水流路
160,166 第2の循環システム
172,182 中間連絡路

Claims (21)

  1. 多気筒エンジン用のシリンダヘッドであって、
    前記シリンダヘッドの長手方向に並んで設けられた複数の燃焼室と、
    長手方向に並んで設けられ、前記複数の燃焼室のそれぞれとつながる複数の吸気ポートと、
    長手方向に延び、長手方向に垂直な断面のうち少なくとも1つの断面において、前記複数の燃焼室の中心軸を含み長手方向に平行な平面と、前記複数の吸気ポートの中心軌道を含む中心軌道面との間に位置する第1の冷却水流路と、
    長手方向に垂直な断面のうち少なくとも1つの断面において、前記燃焼室と前記第1の冷却水流路との間に少なくとも一部分が位置する第2の冷却水流路と、を備え、
    前記第1の冷却水流路には、前記第2の冷却水流路を流れる冷却水の温度よりも低い温度の冷却水が流れるように構成されていることを特徴とするシリンダヘッド。
  2. 前記第2の冷却水流路は、前記燃焼室の中心軸を含み長手方向に垂直な断面において、前記燃焼室と前記第1の冷却水流路との間に位置する部分を含むことを特徴とする請求項1に記載のシリンダヘッド。
  3. 前記シリンダヘッドは、前記燃焼室に開口する点火プラグ挿入孔を備え、
    前記第1の冷却水流路は、前記燃焼室の中心軸を含み長手方向に垂直な断面において、前記点火プラグ挿入孔と前記吸気ポートとで挟まれた領域を通るように設けられていることを特徴とする請求項2に記載のシリンダヘッド。
  4. 前記シリンダヘッドは、前記吸気ポートのシリンダブロック合わせ面とは反対の側に開口するインジェクタ挿入孔を備え、
    前記第1の冷却水流路は、前記燃焼室の中心軸を含み長手方向に垂直な断面において、前記点火プラグ挿入孔と前記インジェクタ挿入孔の中心軸とで挟まれた領域を通るように設けられていることを特徴とする請求項3に記載のシリンダヘッド。
  5. 前記シリンダヘッドは、前記燃焼室の中心軸付近に開口するインジェクタ挿入孔を備え、
    前記第2の冷却水流路は、前記インジェクタ挿入孔の中心軸を含み長手方向に垂直な断面において、前記インジェクタ挿入孔の開口端と前記第1の冷却水流路との間に位置する部分を含むことを特徴とする請求項1に記載のシリンダヘッド。
  6. 前記シリンダヘッドは、吸気バルブ挿入孔と、前記複数の燃焼室のそれぞれとつながる複数の排気ポートとを備え、
    前記第2の冷却水流路は、前記吸気バルブ挿入孔の中心軸を含み長手方向に垂直な断面において、前記燃焼室と前記第1の冷却水流路との間であって、前記吸気ポートと前記排気ポートとで挟まれた領域に少なくとも一部が位置することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のシリンダヘッド。
  7. 前記シリンダヘッドは、吸気バルブ挿入孔を備え、
    前記第1の冷却水流路は、前記吸気バルブ挿入孔の中心軸を含み長手方向に垂直な断面において、前記吸気バルブ挿入孔と前記吸気ポートとで挟まれた領域を通るように設けられていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載のシリンダヘッド。
  8. 前記シリンダヘッドは、吸気バルブ挿入孔を備え、
    前記第1の冷却水流路は、前記吸気バルブ挿入孔の中心軸を含み長手方向に垂直な断面において、前記吸気バルブ挿入孔に関し、前記吸気バルブ挿入孔と前記吸気ポートとで挟まれた領域とは反対の側の領域を通るように設けられていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載のシリンダヘッド。
  9. 前記シリンダヘッドは、吸気バルブ挿入孔を備え、
    前記第1の冷却水流路は、前記吸気バルブ挿入孔の中心軸を含み長手方向に垂直な断面において、前記吸気バルブ挿入孔の中心軸の両側を通るように設けられていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載のシリンダヘッド。
  10. 前記第1の冷却水流路は、前記吸気バルブ挿入孔の周囲を囲む環状路と、隣接する2つの環状路を連結する連結路とを含むことを特徴とする請求項9に記載のシリンダヘッド。
  11. 前記連結路は、
    前記燃焼室の中心軸を含み長手方向に垂直な断面を通る第1の連結路と、
    隣接する2つの燃焼室の間の長手方向に垂直な断面を通る第2の連結路と、を含み、
    前記吸気バルブ挿入孔の中心軸を含み長手方向に平行な平面に関し、前記第1の連結路は同平面の一方の側に配置され、前記第2の連結路は同平面の他方の側に配置され、
    前記第1の連結路と前記第2の連結路は、前記環状路を挟んで長手方向に互い違いに配置されていることを特徴とする請求項10に記載のシリンダヘッド。
  12. 前記シリンダヘッドは、隣接する2つの燃焼室につながる2つの吸気ポートの間を通りシリンダブロック合わせ面に対して垂直なヘッドボルト挿入孔を備え、
    前記第1の冷却水流路は、前記ヘッドボルト挿入孔の中心軸を含み長手方向に垂直な断面において、前記ヘッドボルト挿入孔よりも前記シリンダヘッドの中央に近い領域を通るように設けられていることを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項に記載のシリンダヘッド。
  13. 前記第1の冷却水流路と前記第2の冷却水流路とは前記シリンダヘッド内において独立であることを特徴とする請求項1乃至12の何れか1項に記載のシリンダヘッド。
  14. 前記第1の冷却水流路は、前記シリンダヘッドの長手方向の一方の端面に開口した第1の穴と、前記シリンダヘッドの長手方向の他方の端面に開口した第2の穴とに連通していることを特徴とする請求項13に記載のシリンダヘッド。
  15. 前記第1の冷却水流路は、前記シリンダヘッドの長手方向の端面に開口した第1の穴と、前記シリンダヘッドの幅方向の端面に開口した第2の穴とに連通していることを特徴とする請求項13に記載のシリンダヘッド。
  16. 前記第1の冷却水流路は、前記シリンダヘッドの長手方向の端面に開口した第1の穴と、前記シリンダブロック合わせ面に開口した第2の穴とに連通していることを特徴とする請求項12に記載のシリンダヘッド。
  17. 前記第1の冷却水流路は、隣接する2つの燃焼室につながる2つの吸気ポートの間に設けられた連通路によって、前記第2の穴に接続されていることを特徴とする請求項16に記載のシリンダヘッド。
  18. 前記第1の冷却水流路は、前記シリンダヘッドの長手方向の少なくとも一方の端面とその端面に最も近い吸気ポートとの間に設けられた連通路によって、前記第2の穴に接続されていることを特徴とする請求項16に記載のシリンダヘッド。
  19. 前記第1の冷却水流路は、前記シリンダヘッドを長手方向に貫通し、前記シリンダヘッドの長手方向の一方の端面に開口した穴は前記第1の穴となり、前記シリンダヘッドの長手方向の他方の端面に開口した穴は封止されていることを特徴とする請求項15乃至18の何れか1項に記載のシリンダヘッド。
  20. 前記第1の冷却水流路は、前記第2の冷却水流路と前記シリンダヘッド内において連通し、記第1の冷却水流路を通過した冷却水が前記第2の冷却水流路に流れるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至12の何れか1項に記載のシリンダヘッド。
  21. 前記シリンダヘッドは、前記複数の燃焼室のそれぞれと連通する複数の排気ポートを備え、
    前記第2の冷却水流路は、前記複数の排気ポートの周囲まで広がっていることを特徴とする請求項1乃至20の何れか1項に記載のシリンダヘッド。
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