JP4514637B2 - 水冷式内燃機関 - Google Patents

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Description

本発明は、吸気ポートおよび排気ポートと冷却水が流通する水ジャケットとが形成されると共に点火栓が装着されたシリンダヘッドを備える水冷式内燃機関に関し、詳細には、該水ジャケットの構造に関する。
この種の水冷式内燃機関として、例えば特許文献1に開示されたものは、2つの吸気ポートと、2つの排気ポートと、冷却液が流れる第1通液路が形成されたシリンダヘッドを備える。第1通液路を流れる冷却液は、吸気ポート、排気ポートおよび点火栓の周辺を通過した後、冷却液排出開口に連通するウォーターギャラリに集合する。ウォーターギャラリは、2つの吸気ポートの上方を跨ぐように形成されている。
特許3461773号公報
ところで、前記従来技術では、シリンダヘッドの底面上への投影で、点火栓はシリンダ軸線と同軸に位置する。しかしながら、例えばSOHC型内燃機関のように、シリンダヘッドに1つのカム軸が設けられる場合、カム軸との干渉を回避するために、点火栓がシリンダ軸線に対して傾斜して配置されることがある。このように点火栓が傾斜して配置されると、吸気ポートおよび排気ポートと点火栓との間隔が狭くなって、点火栓の周囲に全周に渡って冷却液の流路を形成することが困難になり、点火栓およびその周囲のシリンダヘッド部分の冷却性が低下する。
また、点火栓およびその周囲のシリンダヘッド部分を冷却した後の冷却液を吸気ポートの上方(シリンダとは反対側)に集合させると、シリンダヘッドがシリンダ軸線方向で大型化する。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、請求項1〜4記載の発明は、点火栓がシリンダ軸線に対して傾斜して装着されるシリンダヘッドを備える水冷式内燃機関において、冷却水による点火栓およびその周囲のシリンダヘッド部分の冷却性を向上させる共にシリンダ軸線方向でのシリンダヘッドの小型化を図ることを目的とする。そして、請求項2記載の発明は、さらに、ポート間通路を挟む2つの通気ポートの離隔方向でのシリンダヘッドの大型化を防止することを目的とする。
請求項1記載の発明は、シリンダとの間に形成される燃焼室に開口する吸気ポートおよび排気ポートと冷却水が流通する水ジャケットとが形成されると共に点火栓が装着されるシリンダヘッドを備え、前記吸気ポートおよび前記排気ポートの少なくとも一方が複数の通気ポートから構成される水冷式内燃機関において、前記水ジャケットは、シリンダ軸線に対して傾斜する前記点火栓と前記シリンダ軸線との間で前記各通気ポートに対して反シリンダ側に位置する中央部と、前記中央部よりも径方向外方で前記各通気ポートに対してシリンダ側に位置する周辺部と、前記複数の通気ポート(13,14)の内2つの通気ポート(13,14)の間に形成されて前記中央部と前記周辺部とを連通させるポート間通路とを有することを特徴とする水冷式内燃機関である。
これによれば、シリンダ孔が小径であることなどのために、点火栓がシリンダ軸線に対して傾斜することにより、点火栓を全周に渡って囲む水通路を形成することができない場合にも、ポート間通路により中央部と周辺部との間での冷却水の流れが確立されるので、中央部の冷却水が中央部で淀むことながなく、中央部の冷却水により点火栓およびその周囲のシリンダヘッド部分の冷却が促進される。また、ポート間通路は、径方向外方で各通気ポートのシリンダ側に位置する周辺部に連通するので、周辺部が各通気ポートの反シリンダ側にある場合に比べてシリンダ軸線方向でのシリンダヘッドの寸法を小さくすることができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の水冷式内燃機関において、前記ポート間通路の流路断面は、2つの前記通気ポートの離隔方向での幅に対してシリンダ軸線方向での幅が大きい形状であるものである。
これによれば、ポート間通路を挟む両通気ポート間の間隔を大きくすることなく、ポート間通路での冷却水の流量を増加させて、中央部での冷却水の流れを促進することができる。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の水冷式内燃機関において、前記複数の通気ポートは前記吸気ポートのみを構成し、前記水ジャケットは、1つの前記シリンダの範囲において、前記中央部および前記ポート間通路を共有する第1環状部と第2環状部とを有し、前記第1環状部は、すべての前記排気ポートおよび前記点火栓を囲み、前記第2環状部は、少なくとも1つの前記吸気ポートを囲むものである。
これによれば、排気ポートや点火栓との熱交換により高温となった冷却水や排気ポート間を流れて高温となった冷却水が中央部に流入する量が減少し、その分、中央部に流入する比較的低温の冷却水の流量が増加するので、点火栓およびその周囲のシリンダヘッド部分の冷却が促進される。
請求項4記載の発明は、請求項1記載の水冷式内燃機関において、前記水ジャケットは、1つの前記シリンダの範囲において、互いに連通する周囲部と径方向部と前記ポート間通路とから構成され、前記周囲部は、前記シリンダに形成された水ジャケットと連通する連通路を有すると共に前記周辺部を含み、前記径方向部は、前記吸気ポートと前記排気ポートとの間のみで前記周囲部から径方向内方に向かって延びてその末端部が前記中央部を構成し、冷却水は前記ポート間通路を前記中央部から前記周辺部に流れるものである。
これによれば、周囲部からの比較的低温の冷却水が中央部に流入した後にポート間通路を流れるので、例えば複数の排気ポート間または排気ポートと点火栓との間を通った高温の冷却水が中央部に流入する場合に比べて、比較的低温の冷却水が中央部に流入する。
請求項1記載の発明によれば、次の効果が奏される。すなわち、冷却水が中央部で淀むことながないので、中央部での冷却水による点火栓およびその周囲のシリンダヘッド部分の冷却性が向上し、しかも周辺部が各通気ポートのシリンダ側にあるので、シリンダ軸線方向でシリンダヘッドが小型化される。
請求項2記載の発明によれば、引用された請求項記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、ポート間通路を挟む両通気ポートの離隔方向でシリンダヘッドを大型化することなく、中央部での冷却水による点火栓およびその周囲のシリンダヘッド部分の冷却性を向上させることができる。
請求項3記載の発明によれば、引用された請求項記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、高温の冷却水が中央部に流入することが制限されるので、中央部での比較的低温の冷却水により点火栓およびその周囲のシリンダヘッド部分の冷却性が向上する。
請求項4記載の発明によれば、引用された請求項記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、周囲部から吸気ポートと排気ポートとの間のみを通って中央部に流入する比較的低温の冷却水により、点火栓およびその周囲のシリンダヘッド部分の冷却性が向上する。
以下、本発明の実施形態を図1〜図6を参照して説明する。
図1を参照すると、本発明が適用された水冷式内燃機関Eは車両としてのスクータ型自動二輪車に、クランク軸7の回転中心線L0が左右方向を指向する横置き配置で搭載される。内燃機関Eは、クランク軸7が駆動プーリMaの駆動軸を兼ねるベルト式無段変速装置Mを備える動力伝達装置と共にパワーユニットを構成し、内燃機関Eが発生する動力は、内燃機関Eの右方に配置される無段変速装置Mを介して駆動対象としての駆動輪である後輪に伝達される。
内燃機関Eは、SOHC型でV型2気筒4ストローク内燃機関であり、V字状に配列される1対のシリンダ1a,1bと、各シリンダ1a,1bにシリンダ軸線L1a,L1bの方向A1,A2での基端部で結合されるクランクケース2と、各シリンダ1a,1bにシリンダ軸線方向A1,A2での先端部で結合されて該シリンダ1a,1bと一体化された1対のシリンダヘッド3a,3bと、各シリンダヘッド3a,3bに結合される1対のヘッドカバー4a,4bとから構成される機関本体を備える。
なお、明細書において、上下、前後および左右は、それぞれ、内燃機関Eが装備される機器である自動二輪車または内燃機関Eの通常の使用状態を基準にしたときの上下、前後および左右を意味する。
Vバンクを構成する1対のバンクB1,B2は、それぞれ、シリンダ1aおよびシリンダ1bを主体として構成される。より具体的には、前バンクとしての第1バンクB1は、前方斜め上方に僅かに傾斜したシリンダ軸線L1aを有して大きく前傾したシリンダ1aと、シリンダヘッド3aと、ヘッドカバー4aとを備え、後バンクとしての第2バンクB2は、後方斜め上方に僅かに傾斜したシリンダ軸線L1bを有して僅かに後傾したシリンダ1bと、シリンダヘッド3bと、ヘッドカバー4bとを備える。
両バンクB1,B2に備えられるシリンダヘッド3a,3bを含む各部材およびその構造は、基本的に同様であるので、以下では、第1バンクB1を中心に説明する。
図2〜図4を参照すると、シリンダ1aのシリンダ孔1cに往復運動可能に嵌合するピストン5は、コンロッド6を介して、クランクケース2に回転可能に支持されるクランク軸7(図1参照)に連結される。シリンダヘッド3aには、シリンダ軸線方向A1でピストン5と対向してシリンダ1aとの間に形成される燃焼室10と、燃焼室10に開口する1対の吸気口13a,14aを有する吸気ポート11および燃焼室10に開口する1対の排気口17a,18aを有する排気ポート15と、シリンダ軸線L1aに対して傾斜して装着される点火栓20が挿入される挿入孔21とが形成される。
図2,図4,図6を併せて参照すると、吸気ポート11は、吸気の入口12aを有する集合ポート12と、集合ポート12から分岐部11aにおいて分岐して吸気口13a,14aをそれぞれ有する複数、この実施形態では1対の通気ポートとしての分岐ポート13,14とから構成される。排気ポート15は、排気の出口16aを有する集合ポート16と、集合ポート16から分岐部15aにおいて分岐して排気口17a,18aをそれぞれ有する複数、この実施形態では1対の分岐ポート17,18とから構成される。
また、電極部20aが燃焼室10の中央部61に臨むようにシリンダヘッド3aにねじ込まれて装着される点火栓20は、基準平面P1(図6(A)参照)に対する直交方向で、分岐ポート13,14と分岐ポート17,18の間に位置し、シリンダ軸線L1aを含むと共に基準平面P1に直交する平面P2に対して、一方側(この実施形態では右側)である傾斜側に傾斜する。
ここで、基準平面P1は、シリンダ軸線L1aを含む平面であって、シリンダ1aやシリンダヘッド3aなどを、基準平面P1に対して吸気ポート11の全体または大部分が配置される吸気側と、基準平面P1に対して排気ポート15の全体または大部分が配置される側を排気側とに二分する平面であり、この実施形態では後述するカム軸27の回転中心線L2に直交する。
図2〜図4を参照すると、シリンダヘッド3aには、1対の吸気口13a,14aおよび1対の排気口17a,18aをそれぞれ開閉する1対の吸気弁23および1対の排気弁24が設けられる。各吸気弁23および各排気弁24は、チェーン25aを有する動弁用伝動機構25を介して伝達されるクランク軸7の動力により回転駆動される1つのカム軸27に設けられた動弁カムにより駆動されて揺動するロッカアーム28を備える動弁装置26により、それぞれ所定のタイミングで開閉される。クランク軸7の回転中心線L0(図1参照)に平行な回転中心線L2を有するカム軸27は、シリンダ軸線L1aと交差する位置に配置される。
図1,図2参照すると、バンク空間には、スロットル弁31aが設けられたスロットルボディ31およびスロットルボディ31とシリンダヘッド3aとを接続する吸気接続管32とを備える吸気装置30が配置される。吸気装置30のエアクリーナ(図示されず)から導入された吸入空気は、スロットルボディ31および吸気接続管32により形成される吸気通路33を流れて、スロットルボディ31に取り付けられた燃料噴射弁34から供給される燃料と混合して混合気を形成し、該混合気が吸気ポート11を通じて燃焼室10に吸入される。燃焼室10内で発生した燃焼ガスは、その圧力でピストン5を駆動した後に、排気ガスとして排気ポート15に接続される排気管(図示されず)を備える排気装置を経て外部に排出される。
内燃機関Eの冷却系統は、クランク軸7の動力により回転駆動されて冷却水を圧送する水ポンプ40と、ラジエータ41と、サーモスタット42と、第1バンクB1のシリンダ1aおよびシリンダヘッド3aにそれぞれ形成された水ジャケットW1,W2や第2バンクB2のシリンダ1bおよびシリンダヘッド3bにそれぞれ形成された水ジャケット(図示されず)をはじめ前記機関本体または配管により形成されて冷却水が流通する多数の水通路とから構成される。
そして、水ポンプ40により圧送された冷却水は、シリンダ1aの排気側に位置する導入水通路43を経てシリンダ1aの水ジャケットW1に流入した後、シリンダヘッド3aのロアデッキに形成された連通路51を流通して水ジャケットW2に流入し、排気ポート15および燃焼室10からの熱により加熱されるシリンダヘッド3aや点火栓20およびシリンダヘッド3aにおける点火栓20の周囲の部分(以下、単に「点火栓20の周囲のシリンダヘッド部分」という。)を冷却する。その後、冷却水は冷却水ジャケットW2からその上方に位置する導管44により形成される水通路を経て、第2バンクB2のシリンダ1bの水ジャケットに流入してシリンダ1bを冷却した後、シリンダヘッド3bの水ジャケットに流入して、シリンダヘッド3bや点火栓20および点火栓20の周囲のシリンダヘッド部分を冷却し、その後シリンダヘッド3bに取り付けられたサーモスタット42に流入する。内燃機関Eの暖機完了後は、サーモスタット42からの冷却水が導管を経てラジエータ41に導かれ、ラジエータ41で放熱して低温になった冷却水が水ポンプ40に吸入される。
図2〜図6を参照して、水ジャケットW2を中心に説明するが、第2バンクB2のシリンダヘッド3bの水ジャケットも同様の構造である。
図4〜図6を参照すると、水ジャケットW2は、シリンダ軸線方向A1から見たときの1つのシリンダ1aの範囲において、互いに連通する周囲部50と径方向部60とポート間通路70とから構成される。
後述する中央部61よりも径方向外方に位置すると共にシリンダ軸線L1aを中心にして燃焼室10を囲む環状の周囲部50は、水ジャケットW1と連通する複数の連通路51と、吸気側において水ジャケットW2の最上部に位置して第2バンクB2に冷却水を導く出口52と、吸気ポート11または排気ポート15に対してシリンダ側に位置する環状の底部53とを有する。
径方向部60は、両分岐ポート13,14間の間隔および両分岐ポート17,18間の間隔よりも大きい間隔で離隔する吸気ポート11と排気ポート15との間のみで周囲部50から径方向内方に向かって延びていて、その末端部にシリンダ軸線L1aと交差する部分である中央部61を有する。この中央部61は、シリンダ軸線L1aに対して傾斜する点火栓20とシリンダ軸線L1aとの間の部分61aを含むと共に、吸気ポート11の各分岐ポート13,14に対して反シリンダ側に位置する。さらに、中央部61は、各分岐ポート13,14,17,18および点火栓20に囲まれており、しかもシリンダ軸線方向A1から見て点火栓20の電極部20aと重なる位置にある(図3,図6(A)参照)。
ポート間通路70は、2つの分岐ポート13,14の間に形成されて、中央部61と、底部53の一部である周辺部53aとを連通させる(図2も参照)。中央部61よりも上方にある周辺部53aは、中央部61よりも径方向外方で各分岐ポート13,14に対してシリンダ側に位置する。そして、周辺部53aは、シリンダ軸線方向A1から見て、この実施形態では両分岐ポート13,14の間に位置するが、吸気ポート11の分岐部11aまたは集合ポート12と重なる位置にあってもよい。それゆえ、ポート間通路70は、シリンダ軸線L1aから離れるにつれて両分岐ポート13,14間を反シリンダ側からシリンダ側に延びている。また、ポート間通路70の流路断面(図5に二点鎖線のハッチングで示される。)は、2つの分岐ポート13,14の離隔方向(すなわち、両吸気口13a,14aの配列方向)での幅に対してシリンダ軸線方向A1での幅が長い形状である。
なお、この明細書または特許請求の範囲において、シリンダ側および反シリンダ側とは、基準となる部材または部位に対して、シリンダ軸線L1aからの距離が等しい位置において、シリンダ軸線方向A1での位置でシリンダ1aが位置する側およびシリンダ軸線方向A1での位置でシリンダ1aが位置する側とは反対側を、それぞれ意味する。また、径方向とは、シリンダ軸線を中心とする径方向を意味する。
また、径方向部60は、中央部61が末端部となるように、シリンダ軸線L1aを挟んで点火栓20とは反対側のみ、または反傾斜側(すなわち、平面P2に対して傾斜側とは反対側)のみで周囲部50に連通する。このため、水ジャケットW2は、中央部61、ポート間通路70および出口52を共有する第1環状部と第2環状部とを有する。前記第1環状部は、中央部61と、ポート間通路70と、周囲部50のうち主に傾斜側の部分50aおよび反傾斜側で排気側の部分50b1とにより構成されて、両分岐ポート17,18、点火栓20および一方の1つの分岐ポート14を囲む。また、前記第2環状部は、中央部61と、ポート間通路70と、周囲部50のうち主に反傾斜側で吸気側の部分50b2とにより構成されて、他方の1つの分岐ポート13を囲む。
そして、シリンダ1aの水ジャケットW2に、水ポンプ40で圧送された冷却水が排気側から流入するのに対応して、水ジャケットW2での冷却水の大部分は、排気側から、排気側よりも上方に位置する吸気側に向かって流れる。それゆえ、水ジャケットW2において、排気側で連通路51から周囲部50に流入した冷却水は、傾斜側においては、周囲部50の部分50aで点火栓20の側方を流れて出口52に向かい、反傾斜側においては、ポート間通路70があるために、周囲部50の部分を流れる冷却水の一部が中央部61に向かう分岐流となって、中央部61において点火栓20の側方を流れた後、ポート間通路70を流れ、周辺部53aにおいて周囲部50の傾斜側の部分50aおよび周囲部50の反傾斜側の部分50bからの冷却水と合流した後、出口52に向かう。
このように、ポート間通路70が設けられていることにより、周囲部50の部分50bから中央部61を経てポート間通路70に向かう流れが生じるので、図6(B)に示されるポート間通路70がない水ジャケット90における中央部91での冷却水の淀みの発生が防止されて、点火栓20および点火栓20の周囲のシリンダヘッド部分の冷却が促進される。
次に、前述のように構成された実施形態の作用および効果について説明する。
シリンダヘッド3aに形成された水ジャケットW2は、シリンダ軸線L1aに対して傾斜する点火栓20とシリンダ軸線L1aとの間で吸気ポート11の各分岐ポート13,14に対して反シリンダ側に位置する中央部61と、中央部61よりも径方向外方で各分岐ポート13,14に対してシリンダ側に位置する周辺部53aと、両分岐ポート13,14の間に形成されて中央部61と周辺部53aとを連通させるポート間通路70とを有することにより、シリンダ孔1cが小径であることなどのために、点火栓20がシリンダ軸線L1aに対して傾斜することにより、点火栓20を全周に渡って囲む水通路を形成することができない場合にも、ポート間通路70により中央部61と周辺部53aとの間での冷却水の流れが確立されるので、中央部61の冷却水が中央部61で淀むことながなく、中央部61の冷却水により点火栓20および点火栓20の周囲のシリンダヘッド部分の冷却が促進されて、中央部61での冷却水による点火栓20および点火栓20の周囲のシリンダヘッド部分の冷却性が向上する。また、ポート間通路70は、径方向外方で各分岐ポート13,14のシリンダ側に位置する周辺部53aに連通することから、周辺部53aが各分岐ポート13,14の反シリンダ側にある場合に比べてシリンダ軸線方向A1でのシリンダヘッド3aの寸法を小さくすることができるので、シリンダ軸線方向A1でシリンダヘッド3aが小型化される。
ポート間通路70の流路断面は、両分岐ポート13,14の離隔方向での幅に対してシリンダ軸線方向A1での幅が大きい形状であることにより、ポート間通路70を挟む両分岐ポート13,14間の間隔を大きくすることなく、ポート間通路70での冷却水の流量を増加させて、中央部61での冷却水の流れを促進することができるので、離隔方向でシリンダヘッド3aを大型化することなく、中央部61での冷却水による点火栓20および点火栓20の周囲のシリンダヘッド部分の冷却性を向上させることができる。
水ジャケットW2は、排気ポート15の両分岐ポート17,18および点火栓20を囲む前記第1環状部と、吸気ポート11の1つの分岐ポート13を囲む前記第2環状部とを有することにより、排気ポート15や点火栓20との熱交換により高温となった冷却水や排気ポート15の分岐ポート17,18間を流れて高温となった冷却水が中央部61に流入する量が減少し、その分、周囲部50の部分50bから中央部61に流入する比較的低温の冷却水の流量が増加するので、点火栓20および点火栓20の周囲のシリンダヘッド部分の冷却が促進される。この結果、高温の冷却水が中央部61に流入することが制限されるので、中央部61での比較的低温の冷却水により、点火栓20および点火栓20の周囲のシリンダヘッド部分の冷却性が向上する。
さらに、前記第1環状部は、吸気ポート11の分岐ポート14も囲うことから、周囲部50の部分50aで点火栓20を冷却した後の高温の冷却水が点火栓20と分岐ポート14との間を流れて中央部61に流入することがないので、その分、周囲部50の部分50bから中央部61に流入する比較的低温の冷却水の流量が一層増加するので、中央部61での比較的低温の冷却水により点火栓20および点火栓20の周囲のシリンダヘッド部分の冷却性が一層向上する。
水ジャケットW2は、互いに連通する周囲部50と径方向部60とポート間通路70とから構成され、周囲部50は、シリンダ1aの水ジャケットW2と連通する連通路51を有すると共に周辺部53aを含み、径方向部60は、吸気ポート11の分岐ポート13と排気ポート15の分岐ポート17との間のみで周囲部50から径方向内方に向かって延びてその末端部が中央部61を構成し、冷却水はポート間通路70を中央部61から周辺部53aに流れることにより、周囲部50の部分50bからの比較的低温の冷却水が中央部61に流入した後にポート間通路70を流れるため、排気ポート15の2つの分岐ポート17,18間および排気ポート15と点火栓20との間を通った高温の冷却水が中央部61に流入する場合に比べて、比較的低温の冷却水が中央部61に流入するので、周囲部50の部分50bから吸気ポート11と排気ポート15との間のみを通って中央部61に流入する比較的低温の冷却水により、点火栓20および点火栓20の周囲のシリンダヘッド部分の冷却性が向上する。
加えて、水ジャケットW2の中央部61よりも高い位置に、導管44へ接続される冷却水の出口52が設けられることにより、水ジャケットW2内のエアを効率よく排出することができる。
以下、前述した実施形態の一部の構成を変更した実施形態について、変更した構成に関して説明する。
前記実施形態では、2つの通気ポートは、分岐ポート13,14からなり、吸気ポート11のみを構成したが、2つの通気ポートが、吸気ポート11の分岐ポート13,14および排気ポート15の分岐ポート17,18の少なくとも一方の組からなり、吸気ポート11および排気ポート15の少なくとも一方を構成してもよい。例えば、水ジャケットW2において吸気側から冷却水が流入する場合、ポート間通路70が排気ポート15の1対の分岐ポート17,18の間に形成されてもよく、この場合、排気ポート15の各分岐ポート17,18が通気ポートとなる。
吸気ポート11および排気ポート15の少なくとも一方は、集合ポートを有しない、互いに独立した1対の、または複数の通気ポートにより構成されてもよい。排気ポートは分岐ポートを有しないポートであってもよい。
第1環状部は、排気ポート15の両分岐ポート17,18と点火栓20のみを囲むものであってもよく、この場合には、水ジャケットW2は、該第1環状部および第2環状部のほかに、分岐ポート14を囲む第3環状部を有することになる。また、吸気ポート11に3以上の分岐ポートがある場合、第2環状部は、2以上の分岐ポートを囲むものであってもよい。
冷却水が、ポート間通路70を周辺部53aから中央部61に向かって流れてもよい。
内燃機関は、V型2気筒以外の多気筒内燃機関であってもよく、単気筒内燃機関であってもよい。少なくとも2つのシリンダが直列に配置される多気筒内燃機関においては、1つのシリンダの範囲内において、本発明が適用される。
本発明が適用された水冷式内燃機関を備えるパワーユニットの右側面図である。 図1の内燃機関の第1バンクの要部断面図である。 図2のIII−III線での要部断面図である。 図1の内燃機関の第1バンクのシリンダヘッドにおける水ジャケット、吸気ポートおよび排気ポートを可視化した斜視図である。 図4の水ジャケットの別の角度からの斜視図である。 (A)は、シリンダ軸線方向でカム軸側から見た図4の模式図であり、(B)は、ポート間通路がない場合の(A)に相当する図である。
符号の説明
3a…シリンダヘッド、11…吸気ポート、13,14…分岐ポート、15…排気ポート、20…点火栓、50…周囲部、53a…周辺部、61…中央部、70…ポート間通路、E…内燃機関、L1a…シリンダ軸線、W2…水ジャケット。

Claims (4)

  1. シリンダとの間に形成される燃焼室に開口する吸気ポートおよび排気ポートと冷却水が流通する水ジャケットとが形成されると共に点火栓が装着されるシリンダヘッドを備え、前記吸気ポートおよび前記排気ポートの少なくとも一方が複数の通気ポートから構成される水冷式内燃機関において、
    前記水ジャケットは、シリンダ軸線に対して傾斜する前記点火栓と前記シリンダ軸線との間で前記各通気ポートに対して反シリンダ側に位置する中央部と、前記中央部よりも径方向外方で前記各通気ポートに対してシリンダ側に位置する周辺部と、前記複数の通気ポートの内2つの通気ポートの間に形成されて前記中央部と前記周辺部とを連通させるポート間通路とを有することを特徴とする水冷式内燃機関。
  2. 前記ポート間通路の流路断面は、2つの前記通気ポートの離隔方向での幅に対してシリンダ軸線方向での幅が大きい形状であることを特徴とする請求項1記載の水冷式内燃機関。
  3. 前記複数の通気ポートは前記吸気ポートのみを構成し、前記水ジャケットは、1つの前記シリンダの範囲において、前記中央部および前記ポート間通路を共有する第1環状部と第2環状部とを有し、前記第1環状部は、すべての前記排気ポートおよび前記点火栓を囲み、前記第2環状部は、少なくとも1つの前記吸気ポートを囲むことを特徴とする請求項1記載の水冷式内燃機関。
  4. 前記水ジャケットは、1つの前記シリンダの範囲において、互いに連通する周囲部と径方向部と前記ポート間通路とから構成され、前記周囲部は、前記シリンダに形成された水ジャケットと連通する連通路を有すると共に前記周辺部を含み、前記径方向部は、前記吸気ポートと前記排気ポートとの間のみで前記周囲部から径方向内方に向かって延びてその末端部が前記中央部を構成し、冷却水は前記ポート間通路を前記中央部から前記周辺部に流れることを特徴とする請求項1記載の水冷式内燃機関。
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