JP6341100B2 - シリンダヘッド - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関のシリンダヘッドに関し、詳しくは、冷却水が流れる流路を内部に備えるシリンダヘッドに関する。
内燃機関のシリンダヘッドには、冷却水が流れる流路が形成されている。特許文献1には、吸気ポート内の空気を冷却するために、シリンダヘッド内の吸気ポート周辺を冷却する冷却水が循環する第1冷却水回路を、シリンダブロック及びシリンダヘッド内の排気ポート周辺を冷却する冷却水が循環する第2冷却水回路とは独立して設けることが開示されている。
第1冷却水回路は、シリンダヘッド内に形成された吸気ポート冷却水通路を含む。吸気ポート冷却水通路は、シリンダヘッドの幅方向の端面に設けられた冷却水導入部に接続されている。吸気ポート冷却水通路は、冷却水導入部から吸気ポートの下側に広がり、吸気ポートの側面を通って吸気ポートの上側に延び、吸気ポートの上側を通ってシリンダヘッドの長手方向の端面に設けられた冷却水導出部に接続されている。なお、ここでいう吸気ポートの下側とは、シリンダヘッドをシリンダブロックに対して鉛直方向上側に位置させた場合の鉛直方向下側を意味し、吸気ポートの上側とは、シリンダヘッドを同様に位置させた場合の鉛直方向上側を意味する。
特開2013−133746号公報
内燃機関では、吸気受熱を効果的に抑制するために、より低温の冷却水を用いて吸気ポートの壁面を広い範囲で冷却することが求められる。また、多気筒内燃機関では、気筒間で吸気の受熱量にバラつきが生じると、燃焼バラつきによるエミッションの悪化やドライバビリティの悪化を招くおそれがある。このため、吸気ポート内の空気を冷却する構造は、冷却効果の気筒間バラつきが生じない構成であることが望ましい。
ところが、特許文献1に開示されたシリンダヘッドの構造によれば、吸気ポート冷却水通路は冷却水導入部から吸気ポートの下側に広がっている。このため、冷却水が吸気ポートの上側へと流れる前に、高温となる燃焼室上面からの受熱によって水温が上昇してしまい、吸気ポート内の空気に対する十分な冷却効果を得られなくなる可能性がある。
また、特許文献1に開示された吸気ポート冷却水通路は、複数気筒の吸気ポートの周囲を一体的に覆う冷却水通路として構成されている。このため、冷却水導入部から導入された冷却水は、シリンダヘッドの長手方向の端部の冷却水導出部に向かって、受熱を行いながら気筒間の隔たりなく流通する。このような構成では、吸気ポートの周囲を流通する冷却水の温度に気筒間のバラつきが生じるため、吸気ポート内の空気に対する十分な冷却効果を得られなくなる気筒が発生する可能性がある。
本発明は、上述のような課題に鑑みてなされたもので、各気筒の吸気ポートを流れる空気を、気筒間差を生じさせることなく効率的に冷却することのできるシリンダヘッドを提供することを目的とする。
第1の発明は、多気筒エンジン用のシリンダヘッドであって、
前記シリンダヘッドの長手方向に並んで設けられた複数の吸気ポートと、
前記複数の吸気ポートのそれぞれに独立して設けられ、前記複数の吸気ポートのそれぞれの壁面の少なくとも一部を覆う複数の吸気ポート冷却用ウォータジャケットと、
前記複数の吸気ポートの中心軌道を含む中心軌道面に対して前記シリンダヘッドのシリンダブロック合わせ面の側と反対側に設けられ、前記シリンダヘッドの長手方向に延びる冷却水供給用主流路と、
前記冷却水供給用主流路と前記複数の吸気ポート冷却用ウォータジャケットのそれぞれとを接続する複数の冷却水供給用支流路と、
を備え
前記吸気ポートは、共通の燃焼室につながる第1分岐ポートと第2分岐ポートとを含み、
前記吸気ポート冷却用ウォータジャケットは、前記中心軌道に垂直な断面のうち少なくとも1つの断面において、前記第1分岐ポートの壁面のうち前記中心軌道面に対して前記シリンダブロック合わせ面の側となる壁面を覆う第1ウォータジャケットと、前記第2分岐ポートの壁面のうち前記中心軌道面に対して前記シリンダブロック合わせ面の側と反対側となる壁面を覆う第2ウォータジャケットと、を含み、
前記第1ウォータジャケットと前記第2ウォータジャケットとは、前記第1分岐ポートと前記第2分岐ポートとの間の領域で一体的につながっていることを特徴とする。
の発明は、第の発明において、
前記冷却水供給用支流路は、前記第1ウォータジャケットの、前記第1分岐ポートの前記第2分岐ポートとは反対側の側面を覆う部分に接続され、
前記第2ウォータジャケットの、前記第2分岐ポートの前記第1分岐ポートとは反対側の側面を覆う部分に、冷却水排出用流路が接続されていることを特徴とする。
の発明は、第又は第の発明において、
前記第1ウォータジャケットの鉛直方向頂部と前記冷却水供給用主流路とを接続する補助流路をさらに備えることを特徴とする。
の発明は、第乃至第の何れか1つの発明において、
前記第2ウォータジャケットの鉛直方向頂部と前記冷却水供給用主流路とを接続する補助流路をさらに備えることを特徴とする。
の発明は、第又は第の発明において、
前記補助流路は、前記冷却水供給用支流路よりも流路断面積が小さい流路であることを特徴とする。
の発明は、多気筒エンジン用のシリンダヘッドであって、
前記シリンダヘッドの長手方向に並んで設けられた複数の吸気ポートと、
前記複数の吸気ポートのそれぞれに独立して設けられ、前記複数の吸気ポートのそれぞれの壁面の少なくとも一部を覆う複数の吸気ポート冷却用ウォータジャケットと、
前記複数の吸気ポートの中心軌道を含む中心軌道面に対して前記シリンダヘッドのシリンダブロック合わせ面の側と反対側に設けられ、前記シリンダヘッドの長手方向に延びる冷却水供給用主流路と、
前記冷却水供給用主流路と前記複数の吸気ポート冷却用ウォータジャケットのそれぞれとを接続する複数の冷却水供給用支流路と、を備え、
前記吸気ポート冷却用ウォータジャケットは、前記中心軌道に垂直な断面のうち少なくとも1つの断面において、
前記吸気ポートの壁面のうち前記中心軌道面と交わる一方の第1位置を覆う第1側面ウォータジャケットと、
前記第1側面ウォータジャケットとは別体として構成され、前記吸気ポートの壁面のうち前記中心軌道面と交わる他方の第2位置を覆う第2側面ウォータジャケットと、
を含むことを特徴とする。
の発明は、第の発明において、
前記冷却水供給用支流路は、前記第1側面ウォータジャケット及び第2側面ウォータジャケットの、前記中心軌道面に対して前記シリンダブロック合わせ面の側とは反対側にそれぞれ接続され、
前記第1側面ウォータジャケット及び第2側面ウォータジャケットの、前記中心軌道面に対して前記シリンダブロック合わせ面の側には、冷却水排出用流路がそれぞれ接続されていることを特徴とする。
の発明は、第の発明において、
前記第1側面ウォータジャケット及び第2側面ウォータジャケットのそれぞれの鉛直方向頂部と、前記冷却水供給用主流路とをそれぞれ接続する補助流路をさらに備えることを特徴とする。
の発明は、第の発明において、
前記補助流路は、前記冷却水供給用支流路よりも流路断面積が小さい流路であることを特徴とする。
第1又は第6の発明によれば、吸気ポート冷却用のウォータジャケットが複数の吸気ポートのそれぞれに独立して設けられる。各ウォータジャケットは、それぞれの吸気ポートの壁面の少なくとも一部を覆うように設けられる。また、冷却水供給用の主流路はシリンダヘッドの長手方向に延びるように設けられ、各吸気ポートのウォータジャケットと主流路とはそれぞれ冷却水供給用の支流路を介してつながれている。このため、本発明によれば、主流路から各吸気ポートのウォータジャケットへ冷却水を並列に導入することができるので、各気筒の吸気ポートを流れる空気を、気筒間差を生じさせることなく冷却することができる。また、本発明によれば、冷却水供給用の主流路が中心軌道面に対してシリンダヘッドのシリンダブロックとの合わせ面の側と反対側に設けられている。このため、高温となる燃焼室上面からの受熱によって主流路内を流れる冷却水の水温上昇を抑制することができるので、各気筒の吸気ポートを流れる空気を効率よく冷却することができる。
特に、の発明によれば、第1分岐ポートと第2分岐ポートの間を含む広い範囲の壁面をウォータジャケットにより一体的に覆うことができるので、各気筒の吸気ポートを流れる空気を効率よく冷却することができる。
の発明によれば、冷却水供給用主流路を流れる冷却水が第1ウォータジャケットの第2ウォータジャケットの側とは反対側の側面から導入される。第1ウォータジャケットに導入された冷却水は第2ウォータジャケットへと流通し、第2ウォータジャケットの第1ウォータジャケットの側とは反対側の側面から排出される。このため、本発明によれば、冷却水がウォータジャケットの内部で淀むことを抑制することができるので、ウォータジャケットによって覆われた吸気ポートの壁面の範囲を効率的に冷却することができる。
の発明によれば、第1ウォータジャケットの鉛直方向頂部と冷却水供給用主流路とが補助流路によってつながっているため、第1ウォータジャケット内に混入した空気を冷却水供給用主流路へと流すことができる。このため、本発明によれば、第1ウォータジャケット内に空気溜まりが発生することを抑制することができるので、冷却効率の低下を抑制することができる。
の発明によれば、第2ウォータジャケットの鉛直方向頂部と冷却水供給用主流路とが補助流路によってつながっているため、第2ウォータジャケット内に混入した空気を冷却水供給用主流路へと流すことができる。このため、本発明によれば、第2ウォータジャケット内に空気溜まりが発生することを抑制することができるので、冷却効率の低下を抑制することができる。
の発明によれば、補助流路は冷却水供給用支流路よりも流路断面積が小さい流路として構成されている。このため、本発明によれば、冷却水供給用主流路から補助流路を介してウォータジャケットへと流通する冷却水の流れを制限することができるので、ウォータジャケット内の水流が乱れて冷却水が淀むことを有効に抑制することができる。
の発明によれば、中心軌道に垂直な断面のうち少なくとも一つの断面において、吸気ポートの壁面のうち中心軌道面と交わる位置を含む広い範囲の壁面をウォータジャケットにより覆うことができるので、各気筒の吸気ポートを流れる空気を効率よく冷却することができる。
の発明によれば、主流路から第1側面ウォータジャケットと第2側面ウォータジャケットへそれぞれ独立して冷却水を導入することができるので、各気筒の吸気ポートを流れる空気を効率よく冷却することができる。
の発明によれば、第1側面ウォータジャケット及び側面ウォータジャケットのそれぞれの鉛直方向頂部が、補助流路によってそれぞれ冷却水供給用主流路につながっている。このため、本発明によれば、第1側面ウォータジャケット及び第2側面ウォータジャケットに混入した空気を冷却水供給用主流路へと流すことができる。これにより、第1側面ウォータジャケット及び第2側面ウォータジャケット内に空気溜まりが発生することを抑制することができるので、冷却効率の低下を抑制することができる。
の発明によれば、補助流路は冷却水供給用支流路よりも流路断面積が小さい流路として構成されている。このため、本発明によれば、冷却水供給用主流路から補助流路を介してウォータジャケットへと流通する冷却水の流れを制限することができるので、ウォータジャケット内の水流が乱れて冷却水が淀むことを有効に抑制することができる。
本発明の実施の形態1のシリンダヘッドの平面図である。 本発明の実施の形態1のシリンダヘッドの吸気バルブ挿入孔の中心軸を含み長手方向に垂直な断面であって、図1のA−A断面を示す断面図である。 本発明の実施の形態1のシリンダヘッドの燃焼室の中心軸を含み長手方向に垂直な断面であって、図1のB−B断面を示す断面図である。 本発明の実施の形態1のシリンダヘッドの隣接する2つの燃焼室間を通る長手方向に垂直な断面であって、図1のC−C断面を示す断面図である。 本発明の実施の形態1のシリンダヘッドの吸気ポート及び冷却水流路を吸気側上方から透視して描いた斜視図である。 本発明の実施の形態1のシリンダヘッドの吸気ポート及び冷却水流路を軌道中心線に沿った方向から透視して描いた斜視図である。 本発明の実施の形態1のシリンダヘッドの吸気ポート及び冷却水流路を排気側上方から透視して描いた斜視図である。 本発明の実施の形態1のシリンダヘッドの吸気ポート及び冷却水流路を吸気側下方から透視して描いた斜視図である。 本発明の実施の形態1のシリンダヘッドの吸気ポート及び吸気ポート中心軌道面を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1のシリンダヘッドの吸気ポート及びその中心軌道を示す側面図である。 吸気ポートの変形例及び吸気ポート中心軌道面を示す斜視図である。 吸気ポートの変形例及びその吸気ポート中心軌道面を示す斜視図である。 吸気ポートの変形例及びその中心軌道を示す側面図である。 吸気ポートを、吸気ポートの中心軌道に垂直な面で切断した断面図である。 変形例としての吸気ポートを、吸気ポートの中心軌道に垂直な面で切断した断面図である。 本発明の実施の形態2のシリンダヘッドの吸気ポート及び冷却水流路を吸気側上方から透視して描いた斜視図である。 本発明の実施の形態2のシリンダヘッドの吸気ポート及び冷却水流路を軌道中心線に沿った方向から透視して描いた斜視図である。 本発明の実施の形態3のシリンダヘッドの吸気ポート及び冷却水流路を気側上方から透視して描いた斜視図である。 本発明の実施の形態3のシリンダヘッドの吸気ポート及び冷却水流路を吸気側下方から透視して描いた斜視図である。 本発明の実施の形態4のシリンダヘッドの吸気ポート及び冷却水流路を吸気側上方から透視して描いた斜視図である。 本発明の実施の形態4のシリンダヘッドの吸気ポート及び冷却水流路を軌道中心線に沿った方向から透視して描いた斜視図である。 本発明の実施の形態4のシリンダヘッドの吸気ポート及び冷却水流路を吸気側下方から透視して描いた斜視図である。 本発明の実施の形態5のシリンダヘッドの吸気ポート及び冷却水流路を吸気側上方から透視して描いた斜視図である。 本発明の実施の形態5のシリンダヘッドの吸気ポート及び冷却水流路を軌道中心線に沿った方向から透視して描いた斜視図である。 本発明の実施の形態5のシリンダヘッドの吸気ポート及び冷却水流路を排気側上方から透視して描いた斜視図である。 本発明の実施の形態5のシリンダヘッドの吸気ポート及び冷却水流路を吸気側下方から透視して描いた斜視図である。 本発明の実施の形態6のシリンダヘッドの吸気ポート及び冷却水流路を吸気側上方から透視して描いた斜視図である。 本発明の実施の形態6のシリンダヘッドの吸気ポート及び冷却水流路を軌道中心線に沿った方向から透視して描いた斜視図である。 本発明の実施の形態6のシリンダヘッドの吸気ポート及び冷却水流路を排気側上方から透視して描いた斜視図である。 本発明の実施の形態7のシリンダヘッドの吸気ポート及び冷却水流路を吸気側上方から透視して描いた斜視図である。 本発明の実施の形態7のシリンダヘッドの吸気ポート及び冷却水流路を軌道中心線に沿った方向から透視して描いた斜視図である。 本発明の実施の形態7のシリンダヘッドの吸気ポート及び冷却水流路を排気側上方から透視して描いた斜視図である。 本発明の実施の形態7のシリンダヘッドの吸気ポート及び冷却水流路を吸気側下方から透視して描いた斜視図である。 本発明の実施の形態8のシリンダヘッドの吸気ポート及び冷却水流路を吸気側上方から透視して描いた斜視図である。 本発明の実施の形態8のシリンダヘッドの吸気ポート及び冷却水流路を軌道中心線に沿った方向から透視して描いた斜視図である。 本発明の実施の形態8のシリンダヘッドの吸気ポート及び冷却水流路を排気側上方から透視して描いた斜視図である。 本発明の実施の形態9のシリンダヘッドの吸気ポート及び冷却水流路を排気側下方から透視して描いた斜視図である。
図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、特に明示する場合を除き、構成部品の構造や配置、処理の順序などを下記のものに限定する意図はない。本発明は以下に示す実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1について図を用いて説明する。実施の形態1の前提として、エンジンは火花点火式の水冷式直列3気筒エンジンであるとする。また、エンジンを冷却するための冷却水は、エンジンとラジエータとの間を循環システムによって循環させられる。エンジンは、シリンダブロックと、シリンダブロック上にガスケットを介して取り付けられるシリンダヘッドとを備える。冷却水の供給は、シリンダブロックとシリンダヘッドの両方に対して行われる。循環システムは独立した閉ループであり、ラジエータとウォータポンプとを備える。これらの前提は後述する実施の形態2−10にも適用される。ただし、本発明をエンジンに適用するにあたっては、多気筒エンジンであればエンジンの気筒数や気筒配置、また、エンジンの着火方式に限定はない。また、循環システムの構成は、独立した閉ループを複数備える多系統の循環システムとして構成されていてもよい。
<実施の形態1のシリンダヘッドの基本構成>
以下、図1乃至図4を参照して、実施の形態1のシリンダヘッド101の基本構成について説明する。説明は、シリンダヘッド101の平面図と断面図とを用いて行う。シリンダヘッド101には、3気筒分の3つの吸気ポート2が形成されている。なお、本明細書においては、これ以降、特に断りのない限り、シリンダヘッド101をシリンダブロックに対して鉛直方向上側に位置させたものと仮定して、各要素間の位置関係について説明する。この仮定は単に説明を分かりやすくすることを目的としたものであって、この仮定によって本発明に係るシリンダヘッドの構成に関して何らかの限定的意味が加わることはない。シリンダヘッド101の構成のうち、冷却水流路の構成についてはその説明を詳細に後述する。
《平面図でみるシリンダヘッドの基本構成》
図1は、実施の形態1のシリンダヘッド101の平面図である。詳しくは、シリンダヘッド101をヘッドカバーが取り付けられるヘッドカバー取付け面1bの側から見た平面図である。よって、図1では、裏面となるシリンダブロック合わせ面は見えない。なお、本明細書では、クランクシャフトの軸方向をシリンダヘッド101の長手方向と定義し、長手方向に直交し、且つ、シリンダヘッド101のシリンダブロック合わせ面に平行な方向をシリンダヘッド101の幅方向と定義する。また、長手方向の端面1c,1dのうちクランク軸の出力端の側の端面1dを後端面と称し、その反対側の端面1cを前端面と称する。
実施の形態1のシリンダヘッド101は、火花点火式の直列3気筒エンジンのシリンダヘッドである。シリンダヘッド101の下面(シリンダブロックとの合わせ面)には、図1には表れていないが、3気筒分の3つの燃焼室が長手方向に直列に等間隔で並んで形成されている。シリンダヘッド101には、各燃焼室に点火プラグ挿入孔12が形成されている。
シリンダヘッド101の側面には、吸気ポート2と排気ポート3が開口している。詳しくは、前端面1cの側から見てシリンダヘッド101の右側面に吸気ポート2が開口し、左側面に排気ポート3が開口している。これ以降、本明細書では、シリンダヘッド101を前端面1cの側からみたときに右側に位置する側面をシリンダヘッド101の右側面と称し、左側に位置する側面をシリンダヘッド101の左側面と称する。吸気ポート2は、シリンダヘッド101の長手方向に並んで配置された2つの分岐ポート2L,2Rを含んでいる。分岐ポート2L,2Rは各燃焼室から延びていて、シリンダヘッド101の右側面に独立して開口している。排気ポート3はシリンダヘッド101の内部で1つに集合し、この集合した1つの排気ポート3がシリンダヘッド101の左側面に開口している。よって、本明細書では、シリンダヘッド101を前端面1cの側からみたときの右側を吸気側と呼び、左側を排気側と呼ぶ場合がある。
実施の形態1のシリンダヘッド101は、吸気バルブと排気バルブが1気筒あたりそれぞれ2つずつ設けられた4バルブエンジンのシリンダヘッドである。シリンダヘッド101の上面には、1つの点火プラグ挿入孔12を囲むように2つの吸気バルブ挿入孔7と2つの排気バルブ挿入孔8とが形成されている。吸気バルブ挿入孔7はシリンダヘッド101の内部で吸気ポート2につながり、排気バルブ挿入孔8はシリンダヘッド101の内部で排気ポート3につながっている。
ヘッドカバー取付け面1bの内側には、シリンダヘッド101をシリンダブロックに組み付けるためのヘッドボルトを通すヘッドボルト挿入孔13,14が形成されている。ヘッドボルトは、燃焼室の列に対して左右両側に4本ずつ設けられる。吸気側では、隣接する2つの吸気ポート2の間、前端面1cとそれに最も近い吸気ポート2との間、及び、後端面1dとそれに最も近い吸気ポート2との間にヘッドボルト挿入孔13が形成されている。排気側では、燃焼室ごとに分岐している排気ポート3の股の間、前端面1cと排気ポート3との間、及び、後端面1dと排気ポート3との間にヘッドボルト挿入孔14が形成されている。
次に、実施の形態1のシリンダヘッド101の内部の構成について断面図を参照して説明する。着目するシリンダヘッド101の断面は、シリンダヘッド101の吸気バルブ挿入孔7の中心軸を含み長手方向に垂直な断面(図1のA−A断面)、シリンダヘッド101の燃焼室の中心軸を含み長手方向に垂直な断面(図1のB−B断面)、及び、シリンダヘッド101の隣接する2つの燃焼室間を通る長手方向に垂直な断面(図1のC−C断面)である。
《吸気バルブ挿入孔の中心軸を含み長手方向に垂直な断面でみるシリンダヘッドの基本構成》
図2は、シリンダヘッド101の吸気バルブ挿入孔7の中心軸を含み長手方向に垂直な断面(図1のA−A断面)を示す断面図である。図2に示すように、シリンダヘッド101の下面にあたるシリンダブロック合わせ面1aには、ペントルーフ形状を有する燃焼室4が形成されている。燃焼室4は、シリンダヘッド101がシリンダブロックに組み付けられたときに、シリンダを上方から閉塞して閉空間を構成する。なお、シリンダヘッド101とピストンとで挟まれた閉空間を燃焼室と定義する場合には、この燃焼室4は燃焼室天井面と呼ぶことができる。
シリンダヘッド101の前端の側から見て、燃焼室4の右側の傾斜面には、吸気ポート2が開口している。吸気ポート2と燃焼室4との接続部分、つまり、吸気ポート2の燃焼室側の開口端は、図示しない吸気バルブによって開閉される吸気口となっている。吸気バルブは気筒ごとに2つ設けられているため、燃焼室4には吸気ポート2の2つの吸気口が形成される。吸気ポート2の入口は、シリンダヘッド101の右側面に開口している。上述したように、吸気ポート2は、長手方向に並んで配置された2つの分岐ポート2L,2Rを含み、各分岐ポートが燃焼室4に形成された吸気口にそれぞれつながっている。図2には、長手方向においてエンジン後端側の分岐ポート2Rが描かれている。なお、吸気ポート2は、筒内にタンブル流を生成することのできるタンブル流生成ポートである。
シリンダヘッド101には、吸気バルブ11のステムを通すための吸気バルブ挿入孔7が形成されている。シリンダヘッド101の上面であって、ヘッドカバー取り付け面1bの内側には、吸気バルブを動作させる動弁機構を収容する吸気側動弁機構室5が設けられている。吸気バルブ挿入孔7は、燃焼室4の近傍の吸気ポート2の上面から吸気側動弁機構室5まで右斜め上方に真っ直ぐ延びている。
シリンダヘッド101の前端の側から見て、燃焼室4の左側の傾斜面には、排気ポート3が開口している。排気ポート3と燃焼室4との接続部分、つまり、排気ポート3の燃焼室側の開口端は、図示しない排気バルブによって開閉される排気口となっている。排気バルブは気筒ごとに2つ設けられているため、燃焼室4には排気ポート3の2つの排気口が形成される。排気ポート3は、各燃焼室4の排気バルブごとに設けられた6つの入口(排気口)と、シリンダヘッド101の左側面に開口する1つの出口とを有するマニホールド形状を有している。
シリンダヘッド101には、排気バルブのステムを通すための排気バルブ挿入孔8が形成されている。シリンダヘッド101の上面であって、ヘッドカバー取り付け面1bの内側には、排気バルブを動作させる動弁機構を収容する排気側動弁機構室6が設けられている。排気バルブ挿入孔8は、燃焼室4の近傍の排気ポート3の上面から排気側動弁機構室6まで左斜め上方に真っ直ぐ延びている。
《燃焼室の中心軸を含み長手方向に垂直な断面でみるシリンダヘッドの基本構成》
図3は、シリンダヘッド101の燃焼室4の中心軸L1を含み長手方向に垂直な断面(図1のB−B断面)を示す断面図である。シリンダヘッド101には、点火プラグを取り付けるための点火プラグ挿入孔12が形成されている。点火プラグ挿入孔12は、ペントルーフ形状を有する燃焼室4の頂部に開口している。燃焼室4の中心軸L1は、シリンダヘッド101をシリンダブロックに組み付けた場合にシリンダの中心軸と一致する。
吸気ポート2は、燃焼室4の中心軸L1を含み長手方向に垂直な平面の両側に位置するため、図3に示す断面には含まれていない。また、図3に示す断面には、マニホールド形状を有する排気ポート3の一部が表れている。排気ポート3の集合部分は、シリンダヘッド101の左側面に開口している。
シリンダヘッド101の側面であって、吸気ポート2よりも上側には、ポートインジェクタを取り付けるためのポートインジェクタ挿入孔17が形成されている。ポートインジェクタ挿入孔17の中心軸は、燃焼室4の中心軸L1を含み長手方向に垂直な平面上に位置している。ポートインジェクタ挿入孔17は、吸気ポート2に対して鋭角に交わり、吸気ポート2の分岐部の上面に上に凸に形成されたポートインジェクタ取付部2cに開口している。ポートインジェクタ挿入孔17に挿入されたポートインジェクタ(図示しない)は、ポートインジェクタ取付部2cからノズル先端を出し、吸気ポート2内に燃料を噴射する。
シリンダヘッド101の側面であって、吸気ポート2よりも下側には、筒内直噴インジェクタを取り付けるための筒内直噴インジェクタ挿入孔18が形成されている。筒内直噴インジェクタ挿入孔18の中心軸は、燃焼室4の中心軸L1を含み長手方向に垂直な平面上に位置している。筒内直噴インジェクタ挿入孔18は、燃焼室4に開口している。筒内直噴インジェクタ挿入孔18に挿入された筒内直噴インジェクタ(図示しない)からは、直接、筒内に燃料が噴射される。
《隣接する2つの燃焼室間を通る長手方向に垂直な断面でみるシリンダヘッドの基本構成》
図4は、シリンダヘッド101の隣接する2つの燃焼室間を通る長手方向に垂直な断面(図1のC−C断面)を示す断面図である。シリンダヘッド101には、吸気側動弁機構室5から鉛直下方に向けて吸気側のヘッドボルト挿入孔13が形成されている。また、排気側動弁機構室6から鉛直下方に向けて排気側のヘッドボルト挿入孔14が形成されている。ヘッドボルト挿入孔13,14はシリンダブロック合わせ面1aに対して垂直で、シリンダブロック合わせ面1aに開口している。図4に示す断面は、ヘッドボルト挿入孔13,14の中心軸を含み長手方向に垂直な断面である。
次に、実施の形態1のシリンダヘッド101の冷却水流路の構成について説明する。説明は、シリンダヘッド101の断面図と、シリンダヘッド101の内部の冷却水流路を透視して描いた斜視図とを用いて行う。
<実施の形態1のシリンダヘッドの冷却水流路の構成>
《基準面および基準点の定義》
まず、シリンダヘッド冷却水流路の構成の説明に先立ち、その説明で使用するシリンダヘッドの基準面および基準点についてここで定義する。なお、ここで定義された基準面及び基準点は後述する実施の形態2−10にも適用される。
1.シリンダブロック合わせ面(第1の基準面)
図2、図3、及び図4に示すシリンダブロック合わせ面1aが第1の基準面である。シリンダブロック合わせ面1aは、シリンダヘッド101をシリンダブロックに組み付けた場合、シリンダブロックの各シリンダの中心軸に垂直な平面となる。
2.吸気ポート中心軌道面(第2の基準面)
図2、図3、及び図4には、符号S1を付した仮想線が描かれている。この仮想線は、第2の基準面である吸気ポート中心軌道面を表わしている。吸気ポート中心軌道面は、各吸気ポート2の中心軌道を含む面と定義される仮想の面である。以下、図9乃至図13を参照して、吸気ポート2の中心軌道と吸気ポート中心軌道面について詳細に説明する。
図10は、実施の形態1のシリンダヘッドの吸気ポート2及びその中心軌道L2を示す側面図である。シリンダヘッドの前端側からシリンダヘッドの内部を透明にして見たときの吸気ポート2の形状が図10に表されている。中心軌道L2は、吸気ポート2をその流路方向に垂直に切断したときの断面の中心を通る線として定義される。実施の形態1では、吸気ポート2は、その入口から吸気口までほぼ真っ直ぐに延びているので、投影面(シリンダヘッドの長手方向に垂直な平面)の上では中心軌道L2も直線で表される。なお、吸気ポート2の上面2aには、ポートインジェクタを取り付けるためのポートインジェクタ取付部2cと、吸気バルブのステムが挿入される吸気バルブ挿入部2dとが上に凸に形成されている。中心軌道L2の位置の計算においては、これらの凸部分については考慮しなくてよい。
図9は、実施の形態1のシリンダヘッドの吸気ポート2及び吸気ポート中心軌道面S1を示す斜視図である。シリンダヘッドの内部を透明にして見たときの吸気ポート2の形状と、各吸気ポート2と吸気ポート中心軌道面S1との位置関係とが図9に表されている。図9からは、吸気ポート2が2つの分岐ポート2L,2Rによって構成されていることがわかる。各中心軌道L2は、シリンダヘッドの長手方向に垂直な平面上に投影した時には直線になる。よって、それらを含む吸気ポート中心軌道面S1は、シリンダヘッドの長手方向に垂直な平面に対して直行する平面で表される。なお、吸気ポート2を構成する壁面のうち、吸気ポート中心軌道面S1に対してシリンダブロック合わせ面1aの側となる壁面2bを吸気ポート2の下面と称し、吸気ポート中心軌道面S1に対してシリンダブロック合わせ面1aと反対の側となる壁面2aを吸気ポート2の上面と称する。
図11は、吸気ポート2の変形例及び吸気ポート中心軌道面S1を示す斜視図である。変形例の各部位には実施の形態1のものと同じ符号を付している。この変形例では、吸気ポート2が途中で2つの分岐ポート2L,2Rに分岐した形状を有している。図示はしていないが、中心軌道L2も吸気ポート2の内部において2つに分岐し、分岐した2つの中心軌道はそれぞれに分岐ポート2L,2Rの断面の中心を通っている。各中心軌道L2は、シリンダヘッドの長手方向に垂直な平面上に投影した時には直線になる。よって、それらを含む吸気ポート中心軌道面S1は、シリンダヘッドの長手方向に垂直な平面に対して直行する平面で表される。
図13は、吸気ポート2の変形例及びその中心軌道L2を示す側面図である。変形例の各部位には実施の形態1のものと同じ符号を付している。この変形例では、吸気ポート2は、その入口から途中まで真っ直ぐに延び、途中からは吸気口に向けて鉛直方向下向きに次第に曲がっていく形状を有している。よって、投影面(シリンダヘッドの長手方向に垂直な平面)の上では、中心軌道L2は、吸気ポート2の入口から途中までは直線で表され、途中からは吸気口に向けて鉛直方向下向きに次第に曲がる曲線で表される。
図12は、吸気ポート2の変形例及びその吸気ポート中心軌道面S1を示す斜視図である。図12からは、吸気ポート2は、途中で2つの分岐ポート2L,2Rに分岐するまではストレートな形状を有し、各分岐ポート2L,2Rにおいて湾曲していることがわかる。この変形例における吸気ポート中心軌道面S1は、吸気ポート2の形状に対応して平面と曲面とで表される。このように、吸気ポート中心軌道面S1は必ずしも平面ではなく、吸気ポート2の形状により、平面と曲面とが組み合わせられた面で表される場合や、曲率の異なる複数の曲面で表される場合がある。このことは、シリンダヘッド101の右側面の開口に独立して開口した2つの分岐ポート2L,2Rを含む吸気ポート2の場合にも適用される。
3.吸気ポートの基準点
10及び図13には、符号S2を付した仮想線が描かれている。この仮想線は、吸気ポート2の中心軌道L2に垂直な面を表わしている。図14は、吸気ポート2を、吸気ポート2の中心軌道に垂直な面S2で切断した断面図である。この図に示す吸気ポート2は、図9に示すように分岐ポート2R,2Lを含んでいる。分岐ポート2Rの壁面と中心軌道面S1とが交わる点のうち、シリンダヘッド101の後端側に位置する一方の点が基準点P1と表され、シリンダヘッド101の前端側に位置する他方の点が基準点P2と表される。また、分岐ポート2Lの壁面と中心軌道面S1とが交わる点のうち、シリンダヘッド101の後端側に位置する点が基準点P1と表され、シリンダヘッド101の前端側に位置する点が基準点P2と表される。
図15は、変形例としての吸気ポート2を、吸気ポート2の中心軌道に垂直な面S2で切断した断面図である。変形例の各部位には実施の形態1のものと同じ符号を付している。この変形例の吸気ポート2は、図11又は図12に示すように吸気ポート2が途中で2つの分岐ポート2L,2Rに分岐した形状を有している。吸気ポート2の壁面と中心軌道面S1とが交わる点のうち、シリンダヘッド101の後端側に位置する一方の点が基準点P1と表され、シリンダヘッド101の前端側に位置する他方の点が基準点P2と表される。
《透視図でみる冷却水流路の形状》
実施の形態1のシリンダヘッドが有する冷却水流路の形状について図5乃至図8を用いて説明する。図5は、実施の形態1のシリンダヘッドの吸気ポート2及び冷却水流路20を吸気側上方から透視して描いた斜視図である。図6は、実施の形態1のシリンダヘッドの吸気ポート2及び冷却水流路20を軌道中心線に沿った方向から透視して描いた斜視図である。図7は、実施の形態1のシリンダヘッドの吸気ポート2及び冷却水流路20を排気側上方から透視して描いた斜視図である。さらに、図8は、実施の形態1のシリンダヘッドの吸気ポート2及び冷却水流路20を吸気側下方から透視して描いた斜視図である。図5乃至図8には、シリンダヘッドの内部を透明にして見たときの冷却水流路20の形状と、冷却水流路20と吸気ポート2との位置関係とが表されている。なお、図中の矢印は冷却水の流れ方向を表している。
冷却水流路20は、シリンダヘッド内において吸気ポート2の周囲に設けられている。吸気ポート2は、シリンダヘッド101の右側面の開口に独立して開口した2つの分岐ポート2L,2Rを含むものである。冷却水流路20の主流路21は、吸気ポート2の列の上部に、吸気ポート2の列の方向に、つまり、シリンダヘッドの長手方向に延びている。
冷却水流路20は、吸気ポート2ごとに単位構造を有している。図5において、点線で囲まれた部分の構造が冷却水流路20の単位構造である。単位構造は、吸気ポート2を構成する一対の分岐ポート2L,2Rの周囲に配されたウォータジャケットを含む。ウォータジャケットは、主として分岐ポート2Rの入口近傍(シリンダヘッド側面側)の壁面を覆う第1ウォータジャケット22と、主として分岐ポート2Lの入口近傍(シリンダヘッド側面側)の壁面を覆う第2ウォータジャケット23とからなる。
第1ウォータジャケット22は、吸気ポート2の中心軌道L2に垂直な面のうち少なくとも何れかの面において、分岐ポート2Rの壁面のうち上面2aの長手方向中央部近傍から基準点P1を通り基準点P2までの範囲を一体的に覆うように構成されている。また、第2ウォータジャケット23は、吸気ポート2の中心軌道L2に垂直な面のうち少なくとも何れかの面において、分岐ポート2Lの壁面のうち基準点P1から上面2a及び基準点P2を通り下面2bの長手方向中央部近傍までの範囲を一体的に覆うように構成されている。第1ウォータジャケット22と第2ウォータジャケット23は、分岐ポート2Lと分岐ポート2Rの間であってポートインジェクタ取付部2cよりもシリンダヘッド側面側となる位置において一体につながっている。
なお、シリンダヘッド101における吸気ポート2の周囲には、ポートインジェクタ取付部2c、吸気バルブ挿入部2d、ポートインジェクタ挿入孔17及び筒内直噴インジェクタ挿入孔18等の空間が形成されている。このため、ウォータジャケットは、吸気ポート2の入口近傍の領域において上記の範囲を完全に覆うことはできない。そこで、ウォータジャケットは、これらの空間からの逃げ等の構造上の制約を満たしつつ、各吸気ポート2の周囲を可能な限り広く覆う形状とされる。このように構成されたウォータジャケットによれば、吸気ポート2内を流れる空気を効率よく冷却することが可能となる。なお、冷却水流路とポートインジェクタ取付部2c、吸気バルブ挿入部2d、ポートインジェクタ挿入孔17及び筒内直噴インジェクタ挿入孔18等の空間との位置関係については、図2乃至図5を用いて詳細を後述する。
各分岐ポート2Rの上面2aを覆う第1ウォータジャケット22の領域のうち、上側且つシリンダヘッド中央側の端部近傍の領域は、支流路24を介して主流路21につながっている。また、各分岐ポート2Lの下面2bを覆う第2ウォータジャケット23の領域のうち、下側且つシリンダヘッド中央側の端部近傍の領域は、連結路25(図5乃至図8には図示せず)を介してシリンダブロック合わせ面1aに開口している。主流路21の一端はシリンダヘッドの後端面1dに開口し、また他端はシリンダヘッドの内部で閉塞している。主流路21の開口部には、循環システムの冷却水導入側の流路が接続され、シリンダブロック合わせ面1aに設けられた連結路25の開口はシリンダブロックのシリンダヘッド合わせ面に設けられた冷却水流路入口に連通している。
このような構成によれば、主流路21にはラジエータで冷却された冷却水が導入される。主流路21内に導入された冷却水は、支流路24を介して各吸気ポート2のウォータジャケットへとそれぞれ並列に導かれる。各吸気ポート2のウォータジャケットでは、第1ウォータジャケット22の上側から導かれた冷却水が、第1ウォータジャケット22及び第2ウォータジャケット23の内部を順に流通し、第2ウォータジャケット23の下側の端部からシリンダブロックの冷却水流路へと流通する。
ウォータジャケットには、主流路21へと連通する補助流路26が設けられている。補助流路26は空気抜きとしての用途を兼ねた流路であり、第1ウォータジャケット22および第2ウォータジャケット23の鉛直方向頂部から主流路21へ向かってそれぞれ設けられている。なお、補助流路26は、支流路24よりも流路断面積が小さい流路として構成されている。
図5乃至図8に示す上記の構成によれば、各吸気ポート2のウォータジャケットが独立して構成されているため、各吸気ポート2の周囲を流通して受熱した冷却水が他の吸気ポート2の周囲に流通することがない。このため、各吸気ポート2の周囲を等しく冷却することができるので、吸気ポート間での吸気温のバラつきを抑えることが可能となる。
次に、シリンダヘッドの冷却水流路の構成、特に、冷却水流路とシリンダヘッドの他の構成要素との位置関係について断面図を参照して説明する。
《シリンダヘッドの吸気バルブ挿入孔の中心軸を含み長手方向に垂直な断面でみるシリンダヘッドの冷却水流路の構成》
図2には、シリンダヘッド101の吸気バルブ挿入孔7の中心軸を含み長手方向に垂直な断面における冷却水流路の断面形状が描かれている。また、図2には、冷却水流路とシリンダヘッド101の構成要素との位置関係が示されている。
図2に示す断面において、吸気ポート2の入口近傍の領域には、吸気ポート2の上面2a及び下面2bに沿って第1ウォータジャケット22が配置されている。また、吸気側動弁機構室5に隣接しシリンダヘッド側面側近傍となる領域には、冷却水流路20の主流路21が配置されている。また、支流路24は、主流路21から吸気側動弁機構室5に沿って第1ウォータジャケット22へとつながるように配置されている。さらに、補助流路26は、支流路24よりも流路断面が小さい流路として構成され、第1ウォータジャケット22の鉛直方向頂部から主流路21へとつながるように配置されている。
図2に示す上記の構成によれば、主流路21は、吸気ポート2の列の上部に配置されているため、シリンダブロック合わせ面1aから主流路21内の冷却水への受熱が抑制される。このため、主流路21から各吸気ポート2のウォータジャケットへ低温の冷却水を導入することができる。
また、図2に示す上記の構成によれば、支流路24は、冷却水が第1ウォータジャケット22へ導入される際の流路抵抗を減らすために、第1ウォータジャケット22に対して鋭角でつながるように構成されている。このため、第1ウォータジャケット22の支流路24への連通部よりも鉛直上方の領域には空気溜まりができてしまい、冷却水の流通を阻害してしまうおそれがある。この点、補助流路26は、第1ウォータジャケット22の鉛直方向頂部に連通しているため、補助流路26を介して第1ウォータジャケット22内の空気を主流路21へと逃がすことができる。また、図5乃至図8に示す第2ウォータジャケット23に設けられた補助流路26についても同様に、補助流路26を介して第2ウォータジャケット23内の空気を主流路21へと逃がすことができる。
なお、補助流路26の流路断面積が支流路24と同等とされると、複数の位置からウォータジャケットへ冷却水が導入されることにより、冷却水がウォータジャケット内を効率よく流通せずに滞留するおそれがある。この点、補助流路26は支流路24よりも流路断面が小さい流路として構成されているため、補助流路26からの冷却水の導入を抑制してウォータジャケット内に冷却水を効率よく流通させることができる。
《燃焼室の中心軸を含み長手方向に垂直な断面でみるシリンダヘッドの冷却水流路の構成》
図3には、シリンダヘッド101の燃焼室4の中心軸L1を含み長手方向に垂直な断面における冷却水流路の断面形状が描かれている。また、図3には、冷却水流路とシリンダヘッド101の構成要素との位置関係が示されている。
図3に示す断面において、吸気ポート2の入口近傍には、第1ウォータジャケット22及び第2ウォータジャケット23が一体的に配置されている。第1ウォータジャケット22は、中心軌道面S1の下側に向かって、筒内直噴インジェクタ挿入孔18に対して所定の肉厚を残した位置まで拡がっている。また、第2ウォータジャケット23は、中心軌道面S1の上側に向かって、ポートインジェクタ取付部2c及びポートインジェクタ挿入孔17に対して所定の肉厚を残した位置まで拡がっている。また、吸気側動弁機構室5に隣接しシリンダヘッド側面側近傍となる領域には、冷却水流路20の主流路21が配置されている。
図3に示す上記の構成によれば、第1ウォータジャケット22及び第2ウォータジャケット23は、ポートインジェクタ取付部2c、ポートインジェクタ挿入孔17及び筒内直噴インジェクタ挿入孔18を避けつつ広い範囲で吸気ポート2の壁面を覆うことができる。また、図3に示す上記の構成によれば、第1ウォータジャケット22から分岐ポート2Rと分岐ポート2Lの間を通して第2ウォータジャケット23へつなげることができるので、分岐ポート2Rと分岐ポート2Lの周囲を効率よく覆うことが可能となる。
《隣接する2つの燃焼室間を通る長手方向に垂直な断面でみるシリンダヘッドの冷却水流路の構成》
図4には、シリンダヘッド101の隣接する2つの燃焼室間を通る長手方向に垂直な断面における冷却水流路の断面形状が描かれている。また、図4には、冷却水流路とシリンダヘッド101の構成要素との位置関係が示されている。
図4に示す断面において、シリンダヘッド合わせ面1aに面し、吸気側のヘッドボルト挿入孔13よりもシリンダヘッドの101の中央に近い領域には、ウォータジャケットとシリンダブロックの冷却水流路とを接続する冷却水流路の連結路25の一部が位置している。また、吸気側動弁機構室5に隣接しシリンダヘッド側面側近傍となる領域には、冷却水流路20の主流路21が配置されている。図4に示す上記の構成によれば、ウォータジャケットを流通した冷却水を効率よくシリンダブロックの冷却水流路へと導くことができる。
以上説明したとおり、本発明の実施の形態1の冷却水流路によれば、ポートインジェクタ及び筒内直噴インジェクタを備えるエンジンであっても、各吸気ポート2の壁面を広い範囲で冷却することができる。また、主流路21から各吸気ポート2のウォータジャケットへ冷却水を並列に導入することができるので、吸気ポート間の吸気温のバラつきを抑制することができる。
ところで、上述した本発明の実施の形態1のシリンダヘッドでは、第1ウォータジャケット22が、吸気ポート2の中心軌道L2に垂直な面のうち少なくとも何れかの面において、分岐ポート2Rの壁面のうち上面2aの長手方向中央部近傍から基準点P1を通り基準点P2までの範囲を一体的に覆うように構成されることとした。しかしながら、第1ウォータジャケット22によって覆われる分岐ポート2Rの壁面の範囲は上面2aの長手方向中央部近傍までの範囲に限られず、少なくとも下面2bの範囲が覆われていればよい。同様に、第2ウォータジャケット23よって覆われる分岐ポート2Lの範囲は下面2bの長手方向中央部近傍までの範囲に限られず、少なくとも上面2aの範囲が覆われていればよい。
また、上述した実施の形態1のシリンダヘッドでは、吸気ポート2をその流路方向に垂直に切断したときの断面形状に限定はない。すなわち、吸気ポート2は、当該吸気ポート2を構成する分岐ポート2R,2Lが入口側にそれぞれ独立して開口しているものであれば、その断面形状は真円でもよいし、また長円や楕円でもよい。
また、上述した実施の形態1のシリンダヘッドでは、吸気ポート2の周囲に、ポートインジェクタ取付部2c、ポートインジェクタ挿入孔17及び筒内直噴インジェクタ挿入孔18が形成されている場合に好適な冷却水流路の構成について説明したが、これらの空間が形成されていないシリンダヘッドにおいて、実施の形態1の冷却水流路20の構成を適用してもよい。
また、上述した実施の形態1のシリンダヘッドでは、各分岐ポート2Rの上面2aを覆う第1ウォータジャケット22の領域のうち、上側且つシリンダヘッド中央側の端部に支流路24をつなげる構成としたが、各分岐ポート2Rの上面2aを覆う第1ウォータジャケット22の領域であれば端部でなくてもよい。また、上述した実施の形態1のシリンダヘッドでは、各分岐ポート2Lの下面2bを覆う第2ウォータジャケット23の領域のうち、下側且つシリンダヘッド中央側の端部に連結路25をつなげる構成としたが、各分岐ポート2Lの下面2bを覆う第2ウォータジャケット23の領域であれば端部でなくてもよい。
なお、上述した実施の形態1のシリンダヘッドでは、ウォータジャケットが第1の発明における「吸気ポート冷却用ウォータジャケット」に相当し、第2の基準面S1が第1の発明における「中心軌道面」に相当し、主流路21が第1の発明における「冷却水供給用主流路」に相当し、支流路24が第1の発明における「冷却水供給用支流路」に相当している。また、上述した実施の形態1のシリンダヘッドでは、分岐ポート2Rが第の発明における「第1分岐ポート」に相当し、分岐ポート2Lが第の発明における「第2分岐ポート」に相当している。また、上述した実施の形態1のシリンダヘッドでは、連結路25が第の発明における「冷却水排出用流路」に相当している。さらに、上述した実施の形態1のシリンダヘッドでは、補助流路26が第又は第の発明における「補助流路」に相当している。
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2について図を用いて説明する。実施の形態2のシリンダヘッドは、吸気ポートの形状を除き、その基本構成に関しては実施の形態1のシリンダヘッドと同一である。実施の形態2の吸気ポート2は、例えば図11又は図12に示すように、単一の開口を有する吸気ポートが途中で2つの分岐ポート2L,2Rに分岐する構成のものである。吸気ポート2は、2つの分岐ポート2L,2Rへと分岐する位置よりもシリンダヘッド側面側において、中心軌道に垂直に切断したときの断面形状がシリンダヘッドの長手方向に沿って延びた長丸形状に構成されているものとする。但し、吸気ポート2の当該断面形状はこれに限らず、真円や楕円等の他の形状に構成されていてもよい。
実施の形態2のシリンダヘッドの他の基本構成については、実施の形態1のシリンダヘッドの基本構成の説明をそのまま引用するものとし、ここでは重ねての説明は行わない。以下、実施の形態2のシリンダヘッドの冷却水流路の構成について説明する。説明は、シリンダヘッドの内部の冷却水流路を透視して描いた斜視図を用いて行う。また、各図において、実施の形態1のものと共通する要素には、同一の符号を付している。
<実施の形態2のシリンダヘッドの冷却水流路の構成>
《透視図でみる冷却水流路の形状》
実施の形態2のシリンダヘッドが有する冷却水流路の形状について図16及び図17を用いて説明する。図16は、実施の形態2のシリンダヘッドの吸気ポート2及び冷却水流路30を吸気側上方から透視して描いた斜視図である。図17は、実施の形態2のシリンダヘッドの吸気ポート2及び冷却水流路30を軌道中心線に沿った方向から透視して描いた斜視図である。図16及び図17には、シリンダヘッドの内部を透明にして見たときの冷却水流路30の形状と、冷却水流路30と吸気ポート2との位置関係とが表されている。なお、図中の矢印は冷却水の流れ方向を表している。
冷却水流路30は、シリンダヘッド内において吸気ポート2の周囲に設けられている。冷却水流路30の主流路31は、吸気ポート2の列の上部に、吸気ポート2の列の方向に、つまり、シリンダヘッドの長手方向に延びている。
冷却水流路30は、吸気ポート2ごとに単位構造を有している。図16において、点線で囲まれた部分の構造が冷却水流路30の単位構造である。単位構造は、吸気ポート2の周囲に配されたウォータジャケットを含む。ウォータジャケットは、吸気ポート2が分岐ポート2R,2Lに分岐する位置よりもシリンダヘッド側面側の壁面のうち、主として長手方向後端側の壁面を覆う第1ウォータジャケット32と、主として長手方向前端側の壁面を覆う第2ウォータジャケット33とからなる。第1ウォータジャケット32は、吸気ポート2の中心軌道L2に垂直な面のうち少なくとも何れかの面において、吸気ポート2の壁面のうち基準点P1を含み主として曲面で構成された側面を一体的に覆うように構成されている。また、第2ウォータジャケット33は、吸気ポート2の中心軌道L2に垂直な面のうち少なくとも何れかの面において、吸気ポート2の壁面のうち基準点P2を含み主として曲面で構成された側面を一体的に覆うように構成されている。
なお、各吸気ポート2の第1ウォータジャケット32と第2ウォータジャケット33は、ポートインジェクタ取付部2c、吸気バルブ挿入部2d、ポートインジェクタ挿入孔17及び筒内直噴インジェクタ挿入孔18等の空間からの逃げ分の肉厚を考慮した上で、それぞれ独立して構成されている。つまり、実施の形態2のウォータジャケットは、吸気ポートの上面2aの長手方向中央部の領域及び下面2bの長手方向中央部の領域において分断された形状となっている。このように構成されたウォータジャケットによれば、シリンダヘッドにおける吸気ポート2の周囲に、ポートインジェクタ取付部2c、吸気バルブ挿入部2d、ポートインジェクタ挿入孔17及び筒内直噴インジェクタ挿入孔18等の空間が形成されている場合であっても、実施の形態2の冷却水流路30のウォータジャケットは、これらの空間からの逃げ等の構造上の制約を満たしつつ、各吸気ポート2の周囲を広く覆うことができる。
各吸気ポート2の上面2aを覆う第1ウォータジャケット32及び第2ウォータジャケット33の領域のうち、上側且つシリンダヘッド中央側の端部は、それぞれ支流路34を介して主流路31につながっている。また、各吸気ポート2の下面2bを覆う第1ウォータジャケット32及び第2ウォータジャケット33の領域のうち、下側且つシリンダヘッド中央側の端部は、連結路35を介してシリンダブロック合わせ面1aに開口している。主流路31の一端はシリンダヘッドの後端面1dに開口し、また他端はシリンダヘッドの内部で閉塞している。主流路31の開口部には、循環システムの冷却水導入側の流路が接続され、シリンダブロック合わせ面1aに開口する連結路35はシリンダブロックのシリンダヘッド合わせ面に設けられた冷却水流路入口に連通している。このような構成によれば、主流路31にはラジエータで冷却された冷却水が導入される。主流路31内に導入された冷却水は、支流路34を介して各吸気ポート2のウォータジャケットへとそれぞれ並列に導かれる。各吸気ポート2のウォータジャケットでは、別々の支流路34を介して第1ウォータジャケット32及び第2ウォータジャケット33のそれぞれに冷却水が導かれる。導入された冷却水は、第1ウォータジャケット32及び第2ウォータジャケット33の内部をそれぞれ流通し、第1ウォータジャケット32及び第2ウォータジャケット33の下側のそれぞれの端部から別々の連結路35を介してシリンダブロックの冷却水流路へと流通する。
ウォータジャケットには、主流路31へと連通する補助流路36が設けられている。補助流路36は空気抜きとしての用途を兼ねた流路であり、第1ウォータジャケット32および第2ウォータジャケット33の鉛直方向頂部から主流路31へ向かってそれぞれ設けられている。なお、補助流路36は、支流路34よりも流路断面積が小さい流路として構成されている。
図16及び図17に示す上記の構成によれば、各吸気ポート2のウォータジャケットが独立して構成されているため、各吸気ポート2の周囲を流通して受熱した冷却水が他の吸気ポート2の周囲に流通することがない。このため、各吸気ポート2の周囲を等しく冷却することができるので、吸気ポート間での吸気温のバラつきを抑えることが可能となる。特に、冷却水流路30におけるウォータジャケットは、主流路31を流れる冷却水が各吸気ポート2の第1ウォータジャケット32と第2ウォータジャケット33のそれぞれにつながる支流路34を介して並列に導入されるので、第1ウォータジャケット32及び第2ウォータジャケット33のそれぞれに等しい温度の冷却水を導入して冷却効果のバラつきを抑制することができる。また、主流路31は、吸気ポート2の列の上部に配置されているため、シリンダブロック合わせ面1aから主流路31内の冷却水への受熱が抑制される。このため、主流路31から各吸気ポート2のウォータジャケットへ低温の冷却水を導入することができる。
また、図16及び図17に示す上記の構成によれば、補助流路36は、第1ウォータジャケット32及び第2ウォータジャケット33の鉛直方向頂部に連通しているため、補助流路36を介して第1ウォータジャケット32及び第2ウォータジャケット33内の空気を主流路31へと逃がすことができる。また、補助流路36は支流路34よりも流路断面が小さい流路として構成されているため、補助流路36からの冷却水の導入を抑制してウォータジャケット内に冷却水を効率よく流通させることができる。
ところで、上述した実施の形態2のシリンダヘッドでは、第1ウォータジャケット32が、吸気ポート2の中心軌道L2に垂直な面のうち少なくとも何れかの面において、吸気ポート2の壁面のうち基準点P1を含み主として曲面で構成された側面を一体的に覆うように構成されることとした。しかしながら、第1ウォータジャケット32によって覆われる吸気ポート2の壁面の範囲は上記範囲に限られず、少なくとも基準点P1を含む壁面の範囲であればよい。同様に、第2ウォータジャケット33によって覆われる吸気ポート2の壁面の範囲は、少なくとも基準点P2を含む壁面の範囲であればよい。
また、上述した実施の形態2のシリンダヘッドでは、吸気ポート2の周囲に、ポートインジェクタ取付部2c、ポートインジェクタ挿入孔17及び筒内直噴インジェクタ挿入孔18が形成されている場合に好適な冷却水流路の構成について説明したが、これらの空間が形成されていないシリンダヘッドにおいて、実施の形態2の冷却水流路30の構成を適用してもよい。
また、上述した実施の形態2のシリンダヘッドでは、各吸気ポート2の上面2aを覆う第1ウォータジャケット32及び第2ウォータジャケット33の領域のうち、上側且つシリンダヘッド中央側の端部に支流路34をつなげる構成としたが、各吸気ポート2の上面2aを覆う第1ウォータジャケット32及び第2ウォータジャケット33の領域であれば端部でなくてもよい。また、上述した実施の形態2のシリンダヘッドでは、各吸気ポート2の下面2bを覆う第1ウォータジャケット32及び第2ウォータジャケット33の領域のうち、下側且つシリンダヘッド中央側の端部に連結路35をつなげる構成としたが、各吸気ポート2の下面2bを覆う第1ウォータジャケット32及び第2ウォータジャケット33の領域であれば端部でなくてもよい。
なお、上述した実施の形態2のシリンダヘッドでは、ウォータジャケットが第の発明における「吸気ポート冷却用ウォータジャケット」に相当し、第2の基準面S1が第の発明における「中心軌道面」に相当し、主流路31が第の発明における「冷却水供給用主流路」に相当し、支流路34が第の発明における「冷却水供給用支流路」に相当している。また、上述した実施の形態2のシリンダヘッドでは、基準点P1が第の発明における「第1位置」に相当し、基準点P2が第の発明における「第2位置」に相当し、第1ウォータジャケット32が第の発明における「第1側面ウォータジャケット」に相当し、第2ウォータジャケット33が第の発明における「第2側面ウォータジャケット」に相当している。また、上述した実施の形態2のシリンダヘッドでは、連結路35が第の発明における「冷却水排出用流路」に相当している。さらに、上述した実施の形態2のシリンダヘッドでは、補助流路36が第の発明における「補助流路」に相当している。
実施の形態3.
次に、本発明の実施の形態3について図を用いて説明する。実施の形態3のシリンダヘッドは、吸気ポートの形状と、筒内直噴インジェクタ挿入孔18が形成されていない点とを除き、その基本構成に関しては実施の形態1のシリンダヘッドと同一である。実施の形態3の吸気ポート2は、例えば図11又は図12に示すように、単一の開口を有する吸気ポートが途中で2つの分岐ポート2L,2Rに分岐する構成のものである。吸気ポート2は、2つの分岐ポート2L,2Rへと分岐する位置よりもシリンダヘッド側面側において、中心軌道に垂直に切断したときの断面形状がシリンダヘッドの長手方向に沿って延びた長丸形状に構成されているものとする。但し、吸気ポート2の当該断面形状はこれに限らず、真円や楕円等の他の形状に構成されていてもよい。
実施の形態3のシリンダヘッドの他の基本構成については、実施の形態1のシリンダヘッドの基本構成の説明をそのまま引用するものとし、ここでは重ねての説明は行わない。以下、実施の形態3のシリンダヘッドの冷却水流路の構成について説明する。説明は、シリンダヘッドの内部の冷却水流路を透視して描いた斜視図を用いて行う。また、各図において、実施の形態1のものと共通する要素には、同一の符号を付している。
<実施の形態3のシリンダヘッドの冷却水流路の構成>
《透視図でみる冷却水流路の形状》
実施の形態3のシリンダヘッドが有する冷却水流路の形状について図18及び図19を用いて説明する。図18は、実施の形態3のシリンダヘッドの吸気ポート2及び冷却水流路40を気側上方から透視して描いた斜視図である。図19は、実施の形態3のシリンダヘッドの吸気ポート2及び冷却水流路40を吸気側下方から透視して描いた斜視図である。図18及び図19には、シリンダヘッドの内部を透明にして見たときの冷却水流路40の形状と、冷却水流路40と吸気ポート2との位置関係とが表されている。なお、図中の矢印は冷却水の流れ方向を表している。
冷却水流路40は、シリンダヘッド内において吸気ポート2の周囲に設けられている。冷却水流路40の主流路41は、吸気ポート2の列の上部に、吸気ポート2の列の方向に、つまり、シリンダヘッドの長手方向に延びている。
冷却水流路40は、吸気ポート2ごとに単位構造を有している。図18において、点線で囲まれた部分の構造が冷却水流路40の単位構造である。単位構造は、吸気ポート2の周囲に配されたウォータジャケット42を含む。ウォータジャケット42は、吸気ポート2の中心軌道L2に垂直な面のうち少なくとも何れかの面において、吸気ポート2の壁面のうち基準点P1を含み主として曲面で構成された側面、基準点P2を含み主として曲面で構成された側面、及び吸気ポート2の下面2bを含む範囲を一体的に覆うように構成されている。なお、各吸気ポート2のウォータジャケット42は、ポートインジェクタ取付部2c、吸気バルブ挿入部2d、及びポートインジェクタ挿入孔17等の空間からの逃げ分の肉厚を確保するために、吸気ポートの上面2aの長手方向中央部の領域において分断された形状となっている。
このように構成されたウォータジャケット42によれば、シリンダヘッドにおける吸気ポート2の周囲に、ポートインジェクタ取付部2c、吸気バルブ挿入部2d、及びポートインジェクタ挿入孔17等の空間が形成されている場合であっても、実施の形態3の冷却水流路40のウォータジャケット42は、これらの空間からの逃げ等の構造上の制約を満たしつつ、各吸気ポート2の周囲を広く覆うことができる。また、ウォータジャケット42は、吸気ポート2の下面2b側を覆う構造であるため、高温となる燃焼室上面から吸気ポート2内を流れる空気への受熱を広い範囲で効果的に抑制することができる。
各吸気ポート2の上面2aを覆うウォータジャケット42の2つの領域において、上側且つシリンダヘッド中央側に位置するそれぞれの端部は、支流路44を介して主流路41につながっている。また、各吸気ポート2の下面2bを覆うウォータジャケット42の領域において、シリンダヘッドの前端側且つ中央側の位置は、連結路45を介してシリンダブロック合わせ面1aに開口している。主流路41の一端はシリンダヘッドの後端面1dに開口し、また他端はシリンダヘッドの内部で閉塞している。主流路41の開口部には、循環システムの冷却水導入側の流路が接続され、シリンダブロック合わせ面1aに開口する連結路45はシリンダブロックのシリンダヘッド合わせ面に設けられた冷却水流路入口に連通している。このような構成によれば、主流路41にはラジエータで冷却された冷却水が導入される。主流路41内に導入された冷却水は、支流路44を介して各吸気ポート2のウォータジャケット42へとそれぞれ並列に導かれる。各吸気ポート2のウォータジャケット42では、2つの支流路44を介してウォータジャケット42の上側の両側に冷却水が導かれる。導入された冷却水は、ウォータジャケット42の内部を流通し、ウォータジャケット42の下側から連結路45を介してシリンダブロックの冷却水流路へと流通する。
ウォータジャケット42には、主流路41へと連通する2本の補助流路46が設けられている。補助流路46は空気抜きとしての用途を兼ねた流路であり、ウォータジャケット42の上側の鉛直方向頂部から主流路41へ向かってそれぞれ設けられている。なお、補助流路46は、支流路44よりも流路断面積が小さい流路として構成されている。
図18及び図19に示す上記の構成によれば、各吸気ポート2のウォータジャケット42が独立して構成されているため、各吸気ポート2の周囲を流通して受熱した冷却水が他の吸気ポート2の周囲に流通することがない。このため、各吸気ポート2の周囲を等しく冷却することができるので、吸気ポート間での吸気温のバラつきを抑えることが可能となる。特に、冷却水流路40におけるウォータジャケット42は、主流路41を流れる冷却水が各吸気ポート2のウォータジャケット42の上側の両端につながるそれぞれの支流路44を介して導入されるので、ウォータジャケット42の両側から等しい温度の冷却水を導入して冷却効果のバラつきを抑制することができる。また、主流路41は、吸気ポート2の列の上部に配置されているため、シリンダブロック合わせ面1aから主流路41内の冷却水への受熱が抑制される。このため、主流路41から各吸気ポート2のウォータジャケットへ低温の冷却水を導入することができる。
また、図18及び図19に示す上記の構成によれば、補助流路46は、ウォータジャケット42の上側の両端において鉛直方向頂部にそれぞれ連通しているため、補助流路46を介してウォータジャケット42内の空気を主流路41へと逃がすことができる。また、補助流路46は支流路44よりも流路断面が小さい流路として構成されているため、補助流路46からの冷却水の導入を抑制してウォータジャケット42内に冷却水を効率よく流通させることができる。
ところで、上述した本発明の実施の形態3のシリンダヘッドでは、ウォータジャケット42が、吸気ポート2の中心軌道L2に垂直な面のうち少なくとも何れかの面において、吸気ポート2の壁面のうち基準点P1を含み主として曲面で構成された側面、基準点P2を含み主として曲面で構成された側面、及び吸気ポート2の下面2bを含む範囲を一体的に覆うように構成されることとした。しかしながら、ウォータジャケット42によって覆われる吸気ポート2の壁面の範囲は上記範囲に限られず、少なくとも基準点P1から基準点P2にかけての下面2bの範囲が覆われればよい。
また、上述した実施の形態3のシリンダヘッドでは、各吸気ポート2の上面2aを覆うウォータジャケット42の2つの領域において、上側且つシリンダヘッド中央側に位置するそれぞれの端部に支流路44をつなげる構成としたが、各吸気ポート2の上面2aを覆うウォータジャケット42の領域であれば端部でなくてもよい。また、上述した実施の形態3のシリンダヘッドでは、各吸気ポート2の下面2bを覆うウォータジャケット42の領域において、シリンダヘッドの前端側且つ中央側の位置に連結路45をつなげる構成としたが、各吸気ポート2の下面2bを覆うウォータジャケット42の領域であればその配置は特に限定しない。
実施の形態4.
次に、本発明の実施の形態4について図を用いて説明する。実施の形態4のシリンダヘッドは、実施の形態3のシリンダヘッドの1つの変形である。実施の形態4のシリンダヘッドは、冷却水流路の構成、及び筒内直噴インジェクタ挿入孔18を有している点において実施の形態のシリンダヘッドと異なっている。以下、実施の形態4のシリンダヘッドの冷却水流路の構成について説明する。説明は、シリンダヘッドの内部の冷却水流路を透視して描いた斜視図を用いて行う。また、図において、実施の形態3のものと共通する要素には、同一の符号を付している。
<実施の形態4のシリンダヘッドの冷却水流路の構成>
《透視図でみる冷却水流路の形状》
実施の形態4のシリンダヘッドが有する冷却水流路の形状について図20乃至図22を用いて説明する。図20は、実施の形態4のシリンダヘッドの吸気ポート2及び冷却水流路47を吸気側上方から透視して描いた斜視図である。図21は、実施の形態4のシリンダヘッドの吸気ポート2及び冷却水流路47を軌道中心線に沿った方向から透視して描いた斜視図である。また、図22は、実施の形態4のシリンダヘッドの吸気ポート2及び冷却水流路47を吸気側下方から透視して描いた斜視図である。図20乃至図22には、シリンダヘッドの内部を透明にして見たときの冷却水流路47の形状と、冷却水流路47と吸気ポート2との位置関係とが表されている。なお、図中の矢印は冷却水の流れ方向を表している。
冷却水流路47は、吸気ポート2ごとに単位構造を有している。図20において、点線で囲まれた部分の構造が冷却水流路47の単位構造である。単位構造は、吸気ポート2の周囲に配されたウォータジャケット48を含む。ウォータジャケット48は、吸気ポート2の中心軌道L2に垂直な面のうち少なくとも何れかの面において、吸気ポート2の壁面のうち基準点P1を含み主として曲面で構成された側面、基準点P2を含み主として曲面で構成された側面、及び吸気ポート2の下面2bを含む範囲を一体的に覆うように構成されている。なお、各吸気ポート2のウォータジャケット48は、ポートインジェクタ取付部2c、吸気バルブ挿入部2d、及びポートインジェクタ挿入孔17等の空間からの逃げ分の肉厚を確保するために、吸気ポート2の上面2aの長手方向中央部の領域において分断された形状となっている。また、各吸気ポート2のウォータジャケット48は、吸気ポート2の下面2bを覆う領域に、筒内直噴インジェクタ挿入孔18からの逃げ分の肉厚を確保するための切り欠き部49が形成された形状になっている。切り欠き部49は、吸気ポート2の下面2bの長手方向中央部の領域において、ウォータジャケット48をシリンダヘッド側面側の端部から中央側に向かって切り欠いた形状になっている。但し、ウォータジャケット48は、当該切り欠き部49によって2つのウォータジャケットに分断されてはいない。つまり、ウォータジャケット48は、吸気ポート2の下面2bのシリンダヘッド中央側の領域においてつながっている。
このように構成されたウォータジャケット48によれば、シリンダヘッドにおける吸気ポート2の周囲に筒内直噴インジェクタ挿入孔18が形成されている場合であっても、実施の形態4の冷却水流路47のウォータジャケット48は、これらの空間からの逃げ等の構造上の制約を満たしつつ、各吸気ポート2の周囲を広く覆うことができる。また、各吸気ポート2を覆うウォータジャケット48は2つに分断されていないので、単一の連結路45から冷却水を排出することができる。
実施の形態5.
次に、本発明の実施の形態5について図を用いて説明する。実施の形態5のシリンダヘッドは、吸気ポートの形状と、ポートインジェクタ挿入孔17が形成されていない点とを除き、その基本構成に関しては実施の形態1のシリンダヘッドと同一である。実施の形態5の吸気ポート2は、例えば図11又は図12に示すように、単一の開口を有する吸気ポートが途中で2つの分岐ポート2L,2Rに分岐する構成のものである。吸気ポート2は、2つの分岐ポート2L,2Rへと分岐する位置よりもシリンダヘッド側面側において、中心軌道に垂直に切断したときの断面形状がシリンダヘッドの長手方向に沿って延びた長丸形状に構成されている。但し、吸気ポート2の当該断面形状はこれに限らず、真円や楕円等の他の形状に構成されていてもよい。また、実施の形態5の吸気ポート2は、ポートインジェクタ取付部2cが形成されていないタイプのものである。
実施の形態5のシリンダヘッドの他の基本構成については、実施の形態1のシリンダヘッドの基本構成の説明をそのまま引用するものとし、ここでは重ねての説明は行わない。以下、実施の形態5のシリンダヘッドの冷却水流路の構成について説明する。説明は、シリンダヘッドの内部の冷却水流路を透視して描いた斜視図を用いて行う。また、各図において、実施の形態1のものと共通する要素には、同一の符号を付している。
<実施の形態5のシリンダヘッドの冷却水流路の構成>
《透視図でみる冷却水流路の形状》
実施の形態5のシリンダヘッドが有する冷却水流路の形状について図23乃至図26を用いて説明する。図23は、実施の形態5のシリンダヘッドの吸気ポート2及び冷却水流路50を吸気側上方から透視して描いた斜視図である。図24は、実施の形態5のシリンダヘッドの吸気ポート2及び冷却水流路50を軌道中心線に沿った方向から透視して描いた斜視図である。図25は、実施の形態5のシリンダヘッドの吸気ポート2及び冷却水流路50を排気側上方から透視して描いた斜視図である。図26は、実施の形態5のシリンダヘッドの吸気ポート2及び冷却水流路50を吸気側下方から透視して描いた斜視図である。図23乃至図26には、シリンダヘッドの内部を透明にして見たときの冷却水流路50の形状と、冷却水流路50と吸気ポート2との位置関係とが表されている。なお、図中の矢印は冷却水の流れ方向を表している。
冷却水流路50は、シリンダヘッド内において吸気ポート2の周囲に設けられている。冷却水流路50の主流路51は、吸気ポート2の列の上部に、吸気ポート2の列の方向に、つまり、シリンダヘッドの長手方向に延びている。
冷却水流路50は、吸気ポート2ごとに単位構造を有している。図23において、点線で囲まれた部分の構造が冷却水流路50の単位構造である。単位構造は、吸気ポート2の周囲に配されたウォータジャケット52を含む。ウォータジャケット52は、吸気ポート2の中心軌道L2に垂直な面のうち少なくとも何れかの面において、吸気ポート2の壁面のうち基準点P1を含み主として曲面で構成された側面、基準点P2を含み主として曲面で構成された側面、及び吸気ポート2の上面2aを含む範囲を一体的に覆うように構成されている。なお、各吸気ポート2のウォータジャケット52は、筒内直噴インジェクタ挿入孔18からの逃げ分の肉厚を確保するために、吸気ポートの下面2bのうち主として平面で構成された壁面の領域において分断された形状となっている。
このように構成されたウォータジャケット52によれば、シリンダヘッドにおける吸気ポート2の周囲に、筒内直噴インジェクタ挿入孔18が形成されている場合であっても、実施の形態5の冷却水流路50のウォータジャケット52は、この空間からの逃げ等の構造上の制約を満たしつつ、各吸気ポート2の周囲を広く覆うことができる。また、タンブル流生成ポートである吸気ポート2では、空気は吸気ポート2の上面2aの側に張り付きくように流れる。このため、ウォータジャケット52によって吸気ポート2の上面2aを冷やすことで、吸気ポート2を流れる空気を効率よく冷却することができる。
各吸気ポート2の上面2aを覆うウォータジャケット52の領域において、吸気ポート2の中心軌道線L2を挟んでシリンダヘッドの前端側及び後端側となるそれぞれの領域は、それぞれ支流路54を介して主流路51につながっている。より詳しくは、各支流路54は、吸気ポート2の中心軌道線L2を挟んでシリンダヘッドの前端側及び後端側に等距離となる位置に配置されている。また、各吸気ポート2の下面2bを覆うウォータジャケット52の2つの領域において、下側且つシリンダヘッド中央側に位置するそれぞれの端部は、連結路55を介してシリンダブロック合わせ面1aに開口している。主流路51の一端はシリンダヘッドの後端面1dに開口し、また他端はシリンダヘッドの内部で閉塞している。主流路51の開口部には、循環システムの冷却水導入側の流路が接続され、シリンダブロック合わせ面1aに開口する連結路55はシリンダブロックのシリンダヘッド合わせ面に設けられた冷却水流路入口に連通している。このような構成によれば、主流路51にはラジエータで冷却された冷却水が導入される。主流路51内に導入された冷却水は、支流路54を介して各吸気ポート2のウォータジャケット52へとそれぞれ並列に導かれる。各吸気ポート2のウォータジャケット52では、2本の支流路54を介してウォータジャケット52の上側に冷却水が導かれる。導入された冷却水は、ウォータジャケット52の内部を流通し、ウォータジャケット52の下側から2本の連結路55を介してシリンダブロックの冷却水流路へと流通する。
各ウォータジャケット52には、主流路51へと連通する2本の補助流路56が設けられている。補助流路56は空気抜きとしての用途を兼ねた流路であり、ウォータジャケット52の上側の面の鉛直方向頂部から主流路51へ向かってそれぞれ設けられている。なお、補助流路56は、支流路54よりも流路断面積が小さい流路として構成されている。
図23乃至図26に示す上記の構成によれば、各吸気ポート2のウォータジャケット52が独立して構成されているため、各吸気ポート2の周囲を流通して受熱した冷却水が他の吸気ポート2の周囲に流通することがない。このため、各吸気ポート2の周囲を等しく冷却することができるので、吸気ポート間での吸気温のバラつきを抑えることが可能となる。特に、冷却水流路50におけるウォータジャケット52は、主流路51を流れる冷却水が各吸気ポート2のウォータジャケット52の上側につながる2本の支流路54を介して導入されるので、ウォータジャケット52の両側から等しい温度の冷却水を導入して冷却効果のバラつきを抑制することができる。また、主流路51は、吸気ポート2の列の上部に配置されているため、シリンダブロック合わせ面1aから主流路51内の冷却水への受熱が抑制される。このため、主流路51から各吸気ポート2のウォータジャケットへ低温の冷却水を導入することができる。
また、図23乃至図26に示す上記の構成によれば、補助流路56は、ウォータジャケット52の上側の両端において鉛直方向頂部にそれぞれ連通しているため、補助流路56を介してウォータジャケット52内の空気を主流路51へと逃がすことができる。また、補助流路56は支流路54よりも流路断面が小さい流路として構成されているため、補助流路56からの冷却水の導入を抑制してウォータジャケット52内に冷却水を効率よく流通させることができる。
ところで、上述した本発明の実施の形態5のシリンダヘッドでは、ウォータジャケット52が、吸気ポート2の中心軌道L2に垂直な面のうち少なくとも何れかの面において、吸気ポート2の壁面のうち基準点P1を含み主として曲面で構成された側面、吸気ポート2の上面2a、及び基準点P2を含み主として曲面で構成された側面の範囲を一体的に覆うように構成されることとした。しかしながら、ウォータジャケット52によって覆われる吸気ポート2の壁面の範囲は上記範囲に限られず、少なくとも基準点P1から基準点P2にかけての上面2aの範囲が覆われればよい。
また、上述した実施の形態5のシリンダヘッドでは、各支流路54は、吸気ポート2の中心軌道線L2を挟んでシリンダヘッドの前端側及び後端側に等距離となる位置に配置することとしたが、各吸気ポート2の上面2aを覆うウォータジャケット52の領域であれば他の配置でもよい。また、上述した実施の形態5のシリンダヘッドでは、各吸気ポート2の下面2bを覆うウォータジャケット52の2つの領域において、下側且つシリンダヘッド中央側に位置するそれぞれの端部に連結路55をつなげる構成としたが、各吸気ポート2の下面2bを覆うウォータジャケット52の2つの領域であれば他の配置でもよい。
実施の形態6.
次に、本発明の実施の形態6について図を用いて説明する。実施の形態6のシリンダヘッドは、実施の形態5のシリンダヘッドの1つの変形である。実施の形態6のシリンダヘッドは、冷却水流路の構成、吸気ポート2の構成、及びポートインジェクタ挿入孔17を有している点において実施の形態5のシリンダヘッドと異なっている。実施の形態6の吸気ポート2は、ポートインジェクタ取付部2cが形成されているタイプのものである。以下、実施の形態6のシリンダヘッドの冷却水流路の構成について説明する。説明は、シリンダヘッドの内部の冷却水流路を透視して描いた斜視図を用いて行う。また、図において、実施の形態5のものと共通する要素には、同一の符号を付している。
<実施の形態6のシリンダヘッドの冷却水流路の構成>
《透視図でみる冷却水流路の形状》
実施の形態6のシリンダヘッドが有する冷却水流路の形状について図27乃至図29を用いて説明する。図27は、実施の形態6のシリンダヘッドの吸気ポート2及び冷却水流路57を吸気側上方から透視して描いた斜視図である。図28は、実施の形態6のシリンダヘッドの吸気ポート2及び冷却水流路57を軌道中心線に沿った方向から透視して描いた斜視図である。また、図29は、実施の形態6のシリンダヘッドの吸気ポート2及び冷却水流路57を排気側上方から透視して描いた斜視図である。図27乃至図29には、シリンダヘッドの内部を透明にして見たときの冷却水流路57の形状と、冷却水流路57と吸気ポート2との位置関係とが表されている。なお、図中の矢印は冷却水の流れ方向を表している。
冷却水流路57は、吸気ポート2ごとに単位構造を有している。図27において、点線で囲まれた部分の構造が冷却水流路57の単位構造である。単位構造は、吸気ポート2の周囲に配されたウォータジャケット58を含む。ウォータジャケット58は、吸気ポート2の中心軌道L2に垂直な面のうち少なくとも何れかの面において、吸気ポート2の壁面のうち基準点P1を含み主として曲面で構成された壁面、基準点P2を含み主として曲面で構成された壁面、及び吸気ポート2の上面2aを含む範囲を一体的に覆うように構成されている。なお、各吸気ポート2のウォータジャケット58は、筒内直噴インジェクタ挿入孔18からの逃げ分の肉厚を確保するために、吸気ポートの下面2bのうち主として平面で構成された壁面の領域において分断された形状となっている。また、各吸気ポート2のウォータジャケット58は、吸気ポート2の上面2aを覆う領域に、ポートインジェクタ取付部2c及びポートインジェクタ挿入孔17からの逃げ分の肉厚を確保するための切り欠き部59が形成された形状になっている。切り欠き部59は、吸気ポート2の上面2aの長手方向中央部の領域において、ウォータジャケット58をシリンダヘッド中央側の端部から側面側に向かって切り欠いた形状になっている。但し、ウォータジャケット58は、当該切り欠き部59によって2つのウォータジャケットに分断されてはいない。つまり、ウォータジャケット58は、吸気ポート2の上面2aのシリンダヘッド中央側の領域においてつながっている。
各吸気ポート2の上面2aを覆うウォータジャケット58の領域のうち、吸気ポート2の中心軌道線L2に対してシリンダヘッドの後端側の領域は、1本の支流路54を介して主流路51につながっている。また、各吸気ポート2の下面2bを覆うウォータジャケット58の範囲のうち、吸気ポート2の中心軌道線L2に対してシリンダヘッドの長手方向前端側の領域は、連結路55を介してシリンダブロック合わせ面1aに開口している。主流路51の一端はシリンダヘッドの後端面1dに開口し、また他端はシリンダヘッドの内部で閉塞している。主流路51の開口部には、循環システムの冷却水導入側の流路が接続され、シリンダブロック合わせ面1aに開口する連結路55はシリンダブロックのシリンダヘッド合わせ面に設けられた冷却水流路入口に連通している。このような構成によれば、主流路51にはラジエータで冷却された冷却水が導入される。主流路51内に導入された冷却水は、支流路54を介して各吸気ポート2のウォータジャケット52へとそれぞれ並列に導かれる。各吸気ポート2のウォータジャケット52では、1本の支流路54を介してウォータジャケット52の上側に冷却水が導かれる。導入された冷却水は、ウォータジャケット52の内部を流通し、ウォータジャケット52の下側から1本の連結路55を介してシリンダブロックの冷却水流路へと流通する。
このように構成されたウォータジャケット58によれば、シリンダヘッドにおける吸気ポート2の周囲にポートインジェクタ取付部2c及びポートインジェクタ挿入孔17が形成されている場合であっても、実施の形態6の冷却水流路57のウォータジャケット58は、これらの空間からの逃げ等の構造上の制約を満たしつつ、各吸気ポート2の周囲を広く覆うことができる。また、各吸気ポート2を覆うウォータジャケット58は2つに分断されていないので、単一の連結路55から冷却水を排出することができる。
また、実施の形態6のウォータジャケット58は、冷却水が各吸気ポート2の上面2aを覆い中心軌道線L2に対してシリンダヘッドの後端側となる領域から導入され、各吸気ポート2の下面2bを覆い中心軌道線L2に対してシリンダヘッドの前端側となる領域から導出される。このような構成によれば、ウォータジャケット58内に上側から下側へと流れる水の流れを形成することができるので、冷却水を淀みなく流すことができる。
なお、実施の形態6の冷却水流路57では、各吸気ポート2の上面2aを覆うウォータジャケット52の領域のうち、吸気ポート2の中心軌道線L2に対してシリンダヘッドの前端側の領域に支流路54をつなげ、各吸気ポート2の下面2bを覆うウォータジャケット52の範囲のうち、吸気ポート2の中心軌道線L2に対してシリンダヘッドの後端側の領域に連結路55をつなげる構成でもよい。
実施の形態7.
次に、本発明の実施の形態7について図を用いて説明する。実施の形態7のシリンダヘッドは、吸気ポートの形状と、ポートインジェクタ挿入孔17及び筒内直噴インジェクタ挿入孔18が形成されていない点とを除き、その基本構成に関しては実施の形態1のシリンダヘッド101と同一である。また、吸気ポートの形状に関しては、実施の形態5の吸気ポートと同一である。
実施の形態7のシリンダヘッドの他の基本構成については、実施の形態1のシリンダヘッドの基本構成の説明をそのまま引用するものとし、ここでは重ねての説明は行わない。以下、実施の形態7のシリンダヘッドの冷却水流路の構成について説明する。説明は、シリンダヘッドの内部の冷却水流路を透視して描いた斜視図を用いて行う。また、各図において、実施の形態1のものと共通する要素には、同一の符号を付している。
<実施の形態7のシリンダヘッドの冷却水流路の構成>
《透視図でみる冷却水流路の形状》
実施の形態7のシリンダヘッドが有する冷却水流路の形状について図30乃至図33を用いて説明する。図30は、実施の形態7のシリンダヘッドの吸気ポート2及び冷却水流路60を吸気側上方から透視して描いた斜視図である。図31は、実施の形態7のシリンダヘッドの吸気ポート2及び冷却水流路60を軌道中心線に沿った方向から透視して描いた斜視図である。図32は、実施の形態7のシリンダヘッドの吸気ポート2及び冷却水流路60を排気側上方から透視して描いた斜視図である。図33は、実施の形態7のシリンダヘッドの吸気ポート2及び冷却水流路60を吸気側下方から透視して描いた斜視図である。図30乃至図33には、シリンダヘッドの内部を透明にして見たときの冷却水流路60の形状と、冷却水流路60と吸気ポート2との位置関係とが表されている。なお、図中の矢印は冷却水の流れ方向を表している。
冷却水流路60は、シリンダヘッド内において吸気ポート2の周囲に設けられている。冷却水流路60の主流路61は、吸気ポート2の列の上部に、吸気ポート2の列の方向に、つまり、シリンダヘッドの長手方向に延びている。
冷却水流路60は、吸気ポート2ごとに単位構造を有している。図30において、点線で囲まれた部分の構造が冷却水流路60の単位構造である。単位構造は、吸気ポート2の周囲に配されたウォータジャケット62を含む。ウォータジャケット62は、吸気ポート2の入口近傍から分岐ポート2R,2Lに分岐する手前までの範囲において、吸気ポート2の全周を覆うように構成されている。このように構成されたウォータジャケット62によれば、各吸気ポート2の周囲を広く覆うことができる。
各吸気ポート2の上面2aを覆うウォータジャケット62の領域において、吸気ポート2の中心軌道線L2を挟んでシリンダヘッドの後端側となる領域は、支流路64を介して主流路61につながっている。また、各吸気ポート2の下面2bを覆うウォータジャケット62の領域において、シリンダヘッドの前端側且つ中央側の位置は、連結路65を介してシリンダブロック合わせ面1aに開口している。主流路61の一端はシリンダヘッドの後端面1dに開口し、また他端はシリンダヘッドの内部で閉塞している。主流路61の開口部には、循環システムの冷却水導入側の流路が接続され、シリンダブロック合わせ面1aに開口する連結路65はシリンダブロックのシリンダヘッド合わせ面に設けられた冷却水流路入口に連通している。このような構成によれば、主流路61にはラジエータで冷却された冷却水が導入される。主流路61内に導入された冷却水は、支流路64を介して各吸気ポート2のウォータジャケット62へとそれぞれ並列に導かれる。各吸気ポート2のウォータジャケット62では、1本の支流路64を介してウォータジャケット62の上側の後端側に冷却水が導かれる。導入された冷却水は、ウォータジャケット62の内部を流通し、ウォータジャケット62の下側の前端側から1本の連結路65を介してシリンダブロックの冷却水流路へと流通する。
各ウォータジャケット62には、主流路61へと連通する2本の補助流路66が設けられている。補助流路66は空気抜きとしての用途を兼ねた流路であり、ウォータジャケット62の上側の面の鉛直方向頂部から主流路61へ向かってそれぞれ設けられている。なお、補助流路66は、支流路64よりも流路断面積が小さい流路として構成されている。
図30乃至図33に示す上記の構成によれば、各吸気ポート2のウォータジャケット62が独立して構成されているため、各吸気ポート2の周囲を流通して受熱した冷却水が他の吸気ポート2の周囲に流通することがない。このため、各吸気ポート2の周囲を等しく冷却することができるので、吸気ポート間での吸気温のバラつきを抑えることが可能となる。
特に、冷却水流路60におけるウォータジャケット62は、冷却水が各吸気ポート2の上面2aを覆い中心軌道線L2に対してシリンダヘッドの後端側となる領域から導入され、各吸気ポート2の下面2bを覆い中心軌道線L2に対してシリンダヘッドの前端側となる領域から導出される。このような構成によれば、ウォータジャケット62内に上側から下側へと向かう水の流れを形成することができるので、冷却水を淀みなく流すことができる。
また、主流路61は、吸気ポート2の列の上部に配置されているため、シリンダブロック合わせ面1aから主流路61内の冷却水への受熱が抑制される。このため、主流路61から各吸気ポート2のウォータジャケットへ低温の冷却水を導入することができる。
また、図30乃至図33に示す上記の構成によれば、補助流路66は、ウォータジャケット62の上側の両端において鉛直方向頂部にそれぞれ連通しているため、補助流路66を介してウォータジャケット62内の空気を主流路61へと逃がすことができる。また、補助流路66は支流路64よりも流路断面が小さい流路として構成されているため、補助流路66からの冷却水の導入を抑制してウォータジャケット62内に冷却水を効率よく流通させることができる。
ところで、上述した本発明の実施の形態7のシリンダヘッドでは、ウォータジャケット62が、吸気ポート2の入口近傍から分岐ポート2R,2Lに分岐する手前までの範囲において、吸気ポート2の全周を覆うように構成されることとした。しかしながら、ウォータジャケット62によって覆われる吸気ポート2の壁面の範囲は上記範囲に限られず、吸気ポート2の中心軌道L2に垂直な面のうち少なくとも何れかの面において、吸気ポート2の壁面の全周が覆われていればよい。
また、上述した実施の形態7のシリンダヘッドでは、各支流路64は、各ウォータジャケット62の上側の後端側につなげる構成としたが、各吸気ポート2の上面2aを覆うウォータジャケット62の領域であれば他の配置でもよい。また、各連結路65は、各ウォータジャケット62の下側の前端側につなげる構成としたが、各吸気ポート2の下面2bを覆うウォータジャケット62の領域であれば他の配置でもよい。例えば、実施の形態7の冷却水流路60では、各吸気ポート2の上面2aを覆うウォータジャケット62の領域のうち、吸気ポート2の中心軌道線L2に対してシリンダヘッドの前端側の領域に支流路64をつなげ、各吸気ポート2の下面2bを覆うウォータジャケット62の範囲のうち、吸気ポート2の中心軌道線L2に対してシリンダヘッドの後端側の領域に連結路65をつなげる構成でもよい。
実施の形態8.
次に、本発明の実施の形態8について図を用いて説明する。実施の形態8のシリンダヘッドは、実施の形態7のシリンダヘッドの1つの変形である。実施の形態8のシリンダヘッドは、冷却水流路の構成、吸気ポート2の構成、及びポートインジェクタ挿入孔17を有している点において実施の形態7のシリンダヘッドと異なっている。実施の形態8の吸気ポート2は、ポートインジェクタ取付部2cが形成されているタイプのものである。以下、実施の形態8のシリンダヘッドの冷却水流路の構成について説明する。説明は、シリンダヘッドの内部の冷却水流路を透視して描いた斜視図を用いて行う。また、図において、実施の形態7のものと共通する要素には、同一の符号を付している。
<実施の形態8のシリンダヘッドの冷却水流路の構成>
《透視図でみる冷却水流路の形状》
実施の形態8のシリンダヘッドが有する冷却水流路の形状について図34乃至図36を用いて説明する。図34は、実施の形態8のシリンダヘッドの吸気ポート2及び冷却水流路70を吸気側上方から透視して描いた斜視図である。図35は、実施の形態8のシリンダヘッドの吸気ポート2及び冷却水流路70を軌道中心線に沿った方向から透視して描いた斜視図である。また、図36は、実施の形態8のシリンダヘッドの吸気ポート2及び冷却水流路70を排気側上方から透視して描いた斜視図である。図34乃至図36には、シリンダヘッドの内部を透明にして見たときの冷却水流路70の形状と、冷却水流路70と吸気ポート2との位置関係とが表されている。なお、図中の矢印は冷却水の流れ方向を表している。
冷却水流路70は、吸気ポート2ごとに単位構造を有している。図34において、点線で囲まれた部分の構造が冷却水流路70の単位構造である。単位構造は、吸気ポート2の周囲に配されたウォータジャケット72を含む。ウォータジャケット72は、切り欠き部73を除き、吸気ポート2の入口近傍から分岐ポート2R,2Lに分岐する手前までの範囲において、吸気ポート2の全周を覆うように構成されている。切り欠き部73は、ポートインジェクタ取付部2c及びポートインジェクタ挿入孔17からの逃げ分の肉厚を確保するためのものであって、吸気ポート2の上面2aの長手方向中央部を覆う領域において、ウォータジャケット72をシリンダヘッド側面側の端部から中央側に向かって切り欠いた形状になっている。
このように構成されたウォータジャケット72によれば、シリンダヘッドにおける吸気ポート2の周囲にポートインジェクタ取付部2c及びポートインジェクタ挿入孔17が形成されている場合であっても、実施の形態8の冷却水流路70のウォータジャケット72は、これらの空間からの逃げ等の構造上の制約を満たしつつ、各吸気ポート2の周囲を広く覆うことができる。また、各吸気ポート2を覆うウォータジャケット72は2つに分断されていないので、冷却水を淀みなく流すことができる。
実施の形態9.
次に、本発明の実施の形態9について図を用いて説明する。実施の形態9のシリンダヘッドは、実施の形態7のシリンダヘッドの1つの変形である。実施の形態9のシリンダヘッドは、冷却水流路の構成、及び筒内直噴インジェクタ挿入孔18を有している点において実施の形態7のシリンダヘッドと異なっている。以下、実施の形態9のシリンダヘッドの冷却水流路の構成について説明する。説明は、シリンダヘッドの内部の冷却水流路を透視して描いた斜視図を用いて行う。また、図において、実施の形態7のものと共通する要素には、同一の符号を付している。
<実施の形態9のシリンダヘッドの冷却水流路の構成>
《透視図でみる冷却水流路の形状》
実施の形態9のシリンダヘッドが有する冷却水流路の形状について図37を用いて説明する。図37は、実施の形態9のシリンダヘッドの吸気ポート2及び冷却水流路75を排気側下方から透視して描いた斜視図である。図37には、シリンダヘッドの内部を透明にして見たときの冷却水流路75の形状と、冷却水流路75と吸気ポート2との位置関係とが表されている。なお、図中の矢印は冷却水の流れ方向を表している。
冷却水流路75は、吸気ポート2ごとに単位構造を有している。図37において、点線で囲まれた部分の構造が冷却水流路75の単位構造である。単位構造は、吸気ポート2の周囲に配されたウォータジャケット76を含む。ウォータジャケット76は、切り欠き部77を除き、吸気ポート2の入口近傍から分岐ポート2R,2Lに分岐する手前までの範囲において、吸気ポート2の全周を覆うように構成されている。切り欠き部77は、筒内直噴インジェクタ挿入孔18からの逃げ分の肉厚を確保するためのものであって、吸気ポート2の下面2bの長手方向中央部を覆う領域において、ウォータジャケット76をシリンダヘッド側面側の端部から中央側に向かって切り欠いた形状になっている。
このように構成されたウォータジャケット76によれば、シリンダヘッドにおける吸気ポート2の周囲に筒内直噴インジェクタ挿入孔18が形成されている場合であっても、実施の形態9の冷却水流路75のウォータジャケット76は、これらの空間からの逃げ等の構造上の制約を満たしつつ、各吸気ポート2の周囲を広く覆うことができる。また、各吸気ポート2を覆うウォータジャケット76は2つに分断されていないので、冷却水を淀みなく流すことができる。
実施の形態10.
次に、本発明の実施の形態10について図を用いて説明する。実施の形態10のシリンダヘッドは、実施の形態7のシリンダヘッドの1つの変形である。実施の形態10のシリンダヘッドは、冷却水流路の構成、ポートインジェクタ挿入孔17を有している点、及び筒内直噴インジェクタ挿入孔18を有している点において実施の形態7のシリンダヘッドと異なっている。より詳しくは、実施の形態10のシリンダヘッドは、ポートインジェクタ挿入孔17を有している点、及び吸気ポート2の上面2aを覆う冷却水流路の構成において実施の形態8のシリンダヘッドと共通し、筒内直噴インジェクタ挿入孔18を有している点、及び吸気ポート2の下面2bを覆う冷却水流路の構成において実施の形態9のシリンダヘッドと共通している。
このように構成されたウォータジャケットによれば、シリンダヘッドにおける吸気ポート2の周囲にポートインジェクタ取付部2c、ポートインジェクタ挿入孔17、及び筒内直噴インジェクタ挿入孔18が形成されている場合であっても、これらの空間からの逃げ等の構造上の制約を満たしつつ、各吸気ポート2の周囲を広く覆うことができる。また、各吸気ポート2を覆うウォータジャケット72は2つに分断されていないので、冷却水を淀みなく流すことができる。
L1 燃焼室の中心軸
L2 吸気ポートの中心軌道
S1 吸気ポート中心軌道面
S2 中心軌道に垂直な面
P1 基準点
P2 基準点
1a シリンダブロック合わせ面
2 吸気ポート
2a 吸気ポート上面
2b 吸気ポート下面
2c ポートインジェクタ取付部
2d 吸気バルブ挿入部
2L,2R 分岐ポート
3 排気ポート
4 燃焼室
5 吸気側動弁機構室
6 排気側動弁機構室
7 吸気バルブ挿入孔
8 排気バルブ挿入孔
11 吸気バルブ
12 点火プラグ挿入孔
13,14 ヘッドボルト挿入孔
17 ポートインジェクタ挿入孔
18 筒内直噴インジェクタ挿入孔
20,30,40,47,50,57,60,70,75 冷却水流路
21,31,41,51,61 主流路
22 第1ウォータジャケット
23 第2ウォータジャケット
24,34,44,54,64 支流路
25,35,45,55,65 連結路
26,36,46,56,66 補助流路
32 第1ウォータジャケット
33 第2ウォータジャケット
42,48,52,58,62,72,76 ウォータジャケット
59,73,77 切り欠き部
101 シリンダヘッド

Claims (9)

  1. 多気筒エンジン用のシリンダヘッドであって、
    前記シリンダヘッドの長手方向に並んで設けられた複数の吸気ポートと、
    前記複数の吸気ポートのそれぞれに独立して設けられ、前記複数の吸気ポートのそれぞれの壁面の少なくとも一部を覆う複数の吸気ポート冷却用ウォータジャケットと、
    前記複数の吸気ポートの中心軌道を含む中心軌道面に対して前記シリンダヘッドのシリンダブロック合わせ面の側と反対側に設けられ、前記シリンダヘッドの長手方向に延びる冷却水供給用主流路と、
    前記冷却水供給用主流路と前記複数の吸気ポート冷却用ウォータジャケットのそれぞれとを接続する複数の冷却水供給用支流路と、
    を備え
    前記吸気ポートは、共通の燃焼室につながる第1分岐ポートと第2分岐ポートとを含み、
    前記吸気ポート冷却用ウォータジャケットは、前記中心軌道に垂直な断面のうち少なくとも1つの断面において、前記第1分岐ポートの壁面のうち前記中心軌道面に対して前記シリンダブロック合わせ面の側となる壁面を覆う第1ウォータジャケットと、前記第2分岐ポートの壁面のうち前記中心軌道面に対して前記シリンダブロック合わせ面の側と反対側となる壁面を覆う第2ウォータジャケットと、を含み、
    前記第1ウォータジャケットと前記第2ウォータジャケットとは、前記第1分岐ポートと前記第2分岐ポートとの間の領域で一体的につながっていることを特徴とするシリンダヘッド。
  2. 前記冷却水供給用支流路は、前記第1ウォータジャケットの、前記第1分岐ポートの前記第2分岐ポートとは反対側の側面を覆う部分に接続され、
    前記第2ウォータジャケットの、前記第2分岐ポートの前記第1分岐ポートとは反対側の側面を覆う部分に、冷却水排出用流路が接続されていることを特徴とする請求項に記載のシリンダヘッド。
  3. 前記第1ウォータジャケットの鉛直方向頂部と前記冷却水供給用主流路とを接続する補助流路をさらに備えることを特徴とする請求項又はに記載のシリンダヘッド。
  4. 前記第2ウォータジャケットの鉛直方向頂部と前記冷却水供給用主流路とを接続する補助流路をさらに備えることを特徴とする請求項乃至の何れか1項に記載のシリンダヘッド。
  5. 前記補助流路は、前記冷却水供給用支流路よりも流路断面積が小さい流路であることを特徴とする請求項又はに記載のシリンダヘッド。
  6. 多気筒エンジン用のシリンダヘッドであって、
    前記シリンダヘッドの長手方向に並んで設けられた複数の吸気ポートと、
    前記複数の吸気ポートのそれぞれに独立して設けられ、前記複数の吸気ポートのそれぞれの壁面の少なくとも一部を覆う複数の吸気ポート冷却用ウォータジャケットと、
    前記複数の吸気ポートの中心軌道を含む中心軌道面に対して前記シリンダヘッドのシリンダブロック合わせ面の側と反対側に設けられ、前記シリンダヘッドの長手方向に延びる冷却水供給用主流路と、
    前記冷却水供給用主流路と前記複数の吸気ポート冷却用ウォータジャケットのそれぞれとを接続する複数の冷却水供給用支流路と、を備え、
    前記吸気ポート冷却用ウォータジャケットは、前記中心軌道に垂直な断面のうち少なくとも1つの断面において、
    前記吸気ポートの壁面のうち前記中心軌道面と交わる一方の第1位置を覆う第1側面ウォータジャケットと、
    前記第1側面ウォータジャケットとは別体として構成され、前記吸気ポートの壁面のうち前記中心軌道面と交わる他方の第2位置を覆う第2側面ウォータジャケットと、
    を含むことを特徴とするシリンダヘッド。
  7. 前記冷却水供給用支流路は、前記第1側面ウォータジャケット及び第2側面ウォータジャケットの、前記中心軌道面に対して前記シリンダブロック合わせ面の側とは反対側にそれぞれ接続され、
    前記第1側面ウォータジャケット及び第2側面ウォータジャケットの、前記中心軌道面に対して前記シリンダブロック合わせ面の側には、冷却水排出用流路がそれぞれ接続されていることを特徴とする請求項に記載のシリンダヘッド。
  8. 前記第1側面ウォータジャケット及び第2側面ウォータジャケットのそれぞれの鉛直方向頂部と、前記冷却水供給用主流路とをそれぞれ接続する補助流路をさらに備えることを特徴とする請求項に記載のシリンダヘッド。
  9. 前記補助流路は、前記冷却水供給用支流路よりも流路断面積が小さい流路であることを特徴とする請求項に記載のシリンダヘッド。
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