JP6139444B2 - 磁気抵抗効果素子、磁気抵抗効果素子の製造方法及び磁気メモリ - Google Patents

磁気抵抗効果素子、磁気抵抗効果素子の製造方法及び磁気メモリ Download PDF

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Description

本実施形態は、磁気抵抗効果素子、磁気抵抗効果素子の製造方法及び磁気メモリに関する。
ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)及び磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM:Magnetoresistive RAM)のように、磁気を利用したメモリデバイスが、開発されている。
MRAMに適用される技術の1つとして、磁性体に電流を流すことによって磁性体の磁化の向きを反転させる「スピン注入磁化反転方式(Spin transfer Switching)」が、MRAMのデータ書き込み方式の1つとして、研究されている。
スピン注入磁化反転方式は、ナノスケールの磁性体内の磁化状態を局所的な磁場によって制御しやすく、磁性体の微細化に応じて磁化を反転させるための電流の値も小さくできる。
スピン注入磁化反転方式を用いることにより、高記憶密度のMRAMの開発が推進されている。そのため、メモリ素子としての磁気抵抗効果素子を、30nm以下の素子サイズに形成することが、望まれている。
素子サイズの微細化に伴って、素子の加工時に、素子の側部内に生じるダメージの大きさが、素子の特性に対して大きな問題となる可能性がある。現状、磁気抵抗効果素子の側面上に形成される保護膜として、例えば、金属酸化物、窒化ケイ素などが、素子の加工後に、素子の側面上に形成されている。
これらの保護膜によって、外部から磁気抵抗効果素子への酸素や水分の影響が遮断され、酸素や水分に起因する磁性層の磁気特性の劣化が防止される。
米国特許第8,236,578号明細書 米国特許第8,119,425号明細書
磁気抵抗効果素子の特性を向上する。
実施形態の磁気抵抗効果素子は、第1の磁性層と第2の磁性層と、前記第1の磁性層と前記第2の磁性層との間に設けられた中間層と、前記第1の磁性層の側面に設けられた積層膜と、前記第1の磁性層の前記中間層とは反対側に設けられた電極と、前記電極と前記第1の磁性層との間の第1の層と、前記第1の磁性層と前記第1の層との間の第2の層と、を備え、前記積層膜は、前記第1の磁性層を構成する第1の磁性元素の原子番号より大きい原子番号を有する第1の元素を含む第3の層と、前記第3の層の前記第1の磁性層側とは反対側に設けられ、前記第1の磁性元素の原子番号より小さい原子番号を有する第2の元素を含む第4の層と、を含み、前記第1の層は、前記第2の元素を含み、前記第2の層は、前記第1の元素を含む。
実施形態の磁気抵抗効果素子の基本構成を説明するための図である。 実施形態の磁気抵抗効果素子の基本構成を説明するための図である。 実施形態の磁気抵抗効果素子の基本構成を説明するための図である。 実施形態の磁気抵抗効果素子の基本構成を説明するための図である。 第1の実施形態の磁気抵抗効果素子の構造例を説明するための図である。 第1の実施形態の磁気抵抗効果素子の製造方法の一工程を示す図である。 第1の実施形態の磁気抵抗効果素子の製造方法の一工程を示す図である。 第2の実施形態の磁気抵抗効果素子の構造例を説明するための図である。 第2の実施形態の磁気抵抗効果素子の構造例を説明するための図である。 第2の実施形態の磁気抵抗効果素子の製造方法の一工程を示す図である。 第2の実施形態の磁気抵抗効果素子の製造方法の一工程を示す図である。 第2の実施形態の磁気抵抗効果素子の製造方法の一工程を示す図である。 第3の実施形態の磁気抵抗効果素子の構造例を説明するための図である。 第3の実施形態の磁気抵抗効果素子の製造方法の一工程を示す図である。 第3の実施形態の磁気抵抗効果素子の製造方法の一工程を示す図である。 第3の実施形態の磁気抵抗効果素子の製造方法の一工程を示す図である。 第4の実施形態の磁気抵抗効果素子の製造方法の一工程を示す図である。 第4の実施形態の磁気抵抗効果素子の製造方法の一工程を示す図である。 第5の実施形態の磁気抵抗効果素子の製造方法の一工程を示す図である。 第5の実施形態の磁気抵抗効果素子の製造方法の一工程を示す図である。 第5の実施形態の磁気抵抗効果素子の製造方法の一工程を示す図である。 第6の実施形態の磁気抵抗効果素子の構造例を説明するための図である。 第6の実施形態の磁気抵抗効果素子の構造例を説明するための図である。 実施形態の磁気抵抗効果素子の変形例を示す図である。 実施形態の磁気抵抗効果素子の変形例を示す図である。 実施形態の磁気抵抗効果素子の適用例を示す図である。 実施形態の磁気抵抗効果素子の適用例を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の例を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
[A] 基本形態
図1乃至図6を参照して、実施形態の磁気抵抗効果素子の基本形態について説明する。
図1は、実施形態の磁気抵抗効果素子の基本構造を示す平面図である。図2は、実施形態の磁気抵抗効果素子の基本構造を示す断面図である。
図1及び図2に示されるように、実施形態の磁気抵抗効果素子1は、円柱状の構造を有している。
磁気抵抗効果素子1は、下部電極19Aと、上部電極19Bと、下部電極19Aと上部電極19Bとの間に設けられた2つの磁性層13,15と、2つの磁性層13,15の間に設けられた中間層12と、から形成される積層体を含む。
2つの磁性層13,15とそれらに挟まれる中間層14とによって、磁気トンネル接合(Magnetic Tunnel Junction)が形成される。以下では、磁気抵抗効果素子のことを、MTJ素子ともよぶ。
2つの磁性層のうち、一方の磁性層13の磁化の方向は、可変であり、他方の磁性層15の磁化の方向は、固定状態(不変)である。磁化の方向が可変な磁性層13のことを、記憶層(又は、記録層、磁化自由層)とよび、磁化の向きが固定状態の磁性層15のことを、参照層(又は、固定層、磁化不変層)とよぶ。図2における各磁性層13,15内の矢印は、磁性層13,15の磁化の方向を示している。
記憶層13の磁化(或いはスピン)の方向は、磁性層13の膜面に対して垂直方向(磁性層の積層方向)に流れる磁化反転電流が記憶層13に供給された場合に、その電流によって発生するスピン偏極された電子の角運動量が記憶層13の磁化(スピン)に伝達されることによって、反転する。すなわち、電流が流れる向きに応じて、記憶層13の磁化の方向は、可変となる。
これに対して、参照層15の磁化の方向は、固定状態になっており、不変である。参照層15の磁化の方向が「不変である」或いは「固定状態である」とは、記憶層13の磁化の方向を反転させるための磁化反転電流が、参照層11内を流れた場合に、参照層15の磁化の方向が変化しないことを意味する。
したがって、磁気抵抗効果素子1において、磁化反転電流の大きな磁性層が参照層15として用いられ、且つ、参照層15よりも磁化反転電流の小さい磁性層が記憶層13として用いられることによって、磁化の方向が可変の記憶層13と磁化の方向が不変の参照層15とを含む磁気抵抗効果素子1が形成される。
スピン偏極された電子により磁化反転を引き起こす場合、その磁化反転電流(磁化反転しきい値)の大きさは、磁性層のダンピング定数、保磁力、異方性磁界及び体積に比例するため、これらの値が適切に調整されることによって、記憶層13の磁化反転電流と参照層15の磁化反転電流との間に差を設けることができる。
記憶層13の磁化反転電流が磁気抵抗効果素子(MTJ素子)に供給された場合に、記憶層13の磁化の向きが電流の流れる向きに応じて変化し、記憶層13と参照層15との相対的な磁化配列が変化する。これによって、磁気抵抗効果素子1は、高抵抗状態(磁化配列が反平行な状態)又は低抵抗状態(磁化配列が平行な状態)のいずれか一方の状態になる。
図2に示されるように、記憶層13及び参照層15は、各磁性層13,15の膜面に垂直方向(或いは、磁性層の積層方向)の磁気異方性を有する。記憶層13及び参照層15の容易磁化方向は、磁性層の膜面に対して垂直である。膜面に対して垂直方向の容易磁化方向(磁気異方性)において、膜面に対して垂直方向を向く磁化のことを、垂直磁化とよぶ。
本実施形態の磁気抵抗効果素子1は、記憶層13及び参照層15の磁化がそれぞれ膜面に対して垂直方向を向く垂直磁化型の磁気抵抗効果素子である。
尚、容易磁化方向とは、あるマクロなサイズの強磁性体を想定した場合に、外部磁界のない状態で自発磁化がその方向を向くと最も磁性体の内部エネルギーが低くなる方向である。これに対して、困難磁化方向とは、あるマクロなサイズの強磁性体を想定した場合に、外部磁界のない状態で自発磁化がその方向を向くと最も磁性体の内部エネルギーが大きくなる方向である。
下部電極19Aは、基板上の絶縁膜80上に設けられている。上部電極19Bは、磁性層(ここでは、記憶層13)を介して、中間層14の上方に設けられている。
本実施形態において、MTJ素子1の側面上に、側壁保護膜(絶縁体)20が設けられている。MTJ素子1は、側壁保護膜20を介して、層間絶縁膜(図示せず)に覆われている。
側壁保護膜20は、製造工程中に発生する酸素及び水分、層間絶縁膜の構成元素などの、MTJ素子1の外部に由来する不純物が、MTJ素子1の内部に侵入するのを防止する保護膜として、機能する。
MTJ素子1内に含まれる磁性層13,15上の側壁保護膜20は、積層構造の絶縁体であり、少なくとも2つの保護膜(絶縁膜)200,210を含んでいる。
側壁保護膜20内の保護膜200,210は、磁性層を形成する膜の膜面に対して平行方向(磁性層の積層方向に直交する方向)に積層されている。
積層された保護膜200,210のうち、第1の保護膜200は、磁性層13,15の側面に接する。積層された保護膜200,210のうち、第2の保護膜210は、第1の保護膜200の磁性層側の面(第1の面)に対向する面(第2の面)上に、設けられている。
このように、第1の保護膜200は、第2の保護膜210と磁性層13,15との間に、設けられている。第1の保護膜200と層間絶縁膜との間には、第2の保護膜210が、介在している。
積層構造の側壁保護膜20内の複数の保護膜200,210のうち、磁性層側(内側)の保護膜200は、MTJ素子を形成する磁性層の主成分となる元素(磁性元素)より重い元素を主成分として含む膜(例えば、絶縁膜)である。
積層構造の側壁保護膜20内の複数の保護膜200,210のうち、磁性層側と反対側(外側、層間絶縁膜側)の保護膜210は、MTJ素子を形成する磁性層の主成分となる元素より軽い元素を主成分として含む膜(例えば、絶縁膜)である。
以下では、記憶層13や参照層15などの磁性層を形成するための磁性を有する元素のことを、磁性元素とよぶ。
ある元素(ここでは、磁性元素)より軽い元素とは、ある元素の原子番号より小さい原子番号を有する元素のことであり、ある元素より重い元素とは、ある元素の原子番号より大きい原子番号を有する元素のことである。
本実施形態において、層(材料)の主成分とは、その層を構成する1以上の元素の中で、最も割合の多い元素のことを意味する。本実施形態において、層(材料)内における各元素の割合は、原子量%換算で求められる。
例えば、記憶層13は、第4周期(原子番号19番から原子番号36番)の元素を含む磁性体から形成されている。
この場合、内側の保護膜200は、37番の原子番号より大きい原子番号を有する元素を主成分として含み、外側の保護膜210は、22番の原子番号より小さい原子番号を有する元素を主成分として含む。
実施形態のMTJ素子1において、積層構造の側壁保護膜20において、第1の保護膜200の膜厚T1は、第2の保護膜210の膜厚T2より薄い。尚、第1及び第2の保護膜200,210の膜厚T1,T2の膜厚は、磁性層13,15を形成する膜の膜面に対して平行方向の厚さである。尚、磁性層13,15の膜厚、及び、中間層14の膜厚は、磁性層の積層方向の厚さとする。
ここで、磁性層と磁性層を形成する磁性元素より重い元素を主成分とする単層膜との積層体、及び、磁性層と磁性層を形成する磁性元素より軽い元素を主成分とする単層膜との積層体における構成元素の拡散について、述べる。
コバルト鉄ボロン(CoFeB)からなる磁性層の上面上にMgAlB層が設けられた積層体が、SIMSによって測定される。MgAlBは、Co及びFeより軽い元素(磁性元素より原子番号が小さい元素)を主成分とする化合物である。
また、CoFeBからなる磁性層の上面上に、HfB層が設けられた積層体が、SIMSによって測定される。HfBは、Co及びFeより重い元素(磁性元素より原子番号が小さい元素)を主成分とする化合物である。
磁性層(例えば、記憶層)を形成する磁性元素(磁性原子)よりも軽い元素(原子)を主成分とする材料からなる膜が、磁性層に直接接触するように、磁性層上にスパッタリング法(ただし、スパッタリングの粒子のエネルギーは、数〜数十eVと推定される)によって直接堆積される場合、磁性元素よりも軽い元素は、スパッタ粒子によって磁性層の内部に打ち込まれ、磁性層の外部の層の原子と磁性層の構成原子とが混じり合った領域(ミキシング層)が、磁性層と磁性元素(磁性原子)よりも軽い元素(原子)を主成分とする膜との境界近傍に形成される。
一方、磁性層を形成する磁性元素よりも重い元素(原子)を主成分とする材料からなる膜が、磁性層上に直接堆積された場合、磁性元素と重い元素とを含む領域は、磁性層内に形成されない。
したがって、磁性層に接触する層から磁性層に対する不純物の拡散を抑制するために、磁性層に直接接触する層は、磁性層を形成する磁性元素より重い元素を主成分とする材料から形成されることが、好ましい。
図3及び図4を用いて、磁性層と非磁性層との積層体における磁性層の磁気特性について説明する。
本実施形態において、多層膜又は積層体(積層構造)が、部材A/部材Bと表記される場合、部材Aが部材B上に積層されていることを示す。
図3及び図4の測定において、磁性層には、CoFeB膜が用いられ、磁性元素より重い元素を主成分とする膜にはHfを主成分とする膜が用いられ、磁性元素より軽い元素を主成分とする膜には、Mg、Al及びBからなる膜が用いられている。
図3及び図4において、CoFeB膜上の非磁性層のことを、キャップ層とも呼ぶ。
図3は、磁性層と非磁性層との積層体における非磁性層の膜厚と磁性層のダンピング定数との関係を示すグラフである。
図3の横軸は非磁性層の膜厚T(単位:nm)に対応し、図3の縦軸は磁性層のダンピング定数に対応する。
図3において、磁性層と磁性層を形成する磁性元素より重い元素を主成分とする単層膜との積層体(HfB/CoFeB)における、磁性層の磁気特性の測定結果が、示されている。図3において、磁性層と磁性層を形成する磁性元素より重い元素を主成分とする層と磁性層を形成する磁性元素より軽い元素を主成分とする層との積層体(MgAlB/HfB/CoFeB)における、磁性層の磁気特性の測定結果が、示されている。磁性層を形成する磁性元素より重い元素を主成分とする層と磁性層を形成する磁性元素より軽い元素を主成分とする層との積層構造において、磁性層を形成する磁性元素より重い元素を主成分とする層が、磁性層に接触している。
尚、図3において、CoFeB膜上のMgAlB/HfB積層膜において、CoFeB膜に接するHfB膜の膜厚は、1nmに固定され、MgAlB膜の膜厚が、変化されている。
図3に示されるように、磁性層を構成する磁性元素より重い元素を主成分とする層(ここでは、HfB膜)が磁性層上に形成される場合、磁性層を構成する磁性元素より重い元素を主成分とする層の膜厚が大きくなると、磁性層のダンピング定数が上昇する傾向がある。
例えば、磁性層を構成する磁性元素より重い元素を主成分とする層の膜厚が3nm以上になると、磁性層のダンピング定数の上昇は顕著になる。
一方、重い元素を主成分とする層上に形成された磁性層を構成する磁性元素より軽い元素を主成分とする層の膜厚が大きくなったとしても、磁性層のダンピング定数の上昇は抑制される。
これらの結果より、重い元素を主成分とする層を3nm以下の薄膜であるのが望ましい。
図4は、磁性層と非磁性層との積層体における非磁性層の膜厚と磁性層の保磁力Hcとの関係を示すグラフである。
図4の横軸は、非磁性層(キャップ層)の膜厚T(単位:nm)に対応し、図4の縦軸は磁性層の保持力Hc(単位:Oe)に対応する。
図4において、磁性層と磁性層を形成する磁性元素より重い元素を主成分とする単層膜との積層体(HfB/CoFeB)、及び、磁性層と磁性層を形成する磁性元素より軽い元素を主成分とする単層膜との積層体(MgAlB/CoFeB)における、磁性層の磁気特性の測定結果が、示されている。
さらに、図4において、磁性層と磁性層を形成する磁性元素より重い元素を主成分とする層と磁性層を形成する磁性元素より軽い元素を主成分とする層との積層体(MgAlB/HfB/CoFeB)における、磁性層の磁気特性の測定結果が、示されている。磁性層を形成する磁性元素より重い元素を主成分とする層と磁性層を形成する磁性元素より軽い元素を主成分とする層との積層構造において、磁性層を形成する磁性元素より重い元素を主成分とする層が、磁性層に接触している。
尚、図4において、各サンプルのCoFeB膜の膜厚は、2nmである。図4において、CoFeB膜上のMgAlB/HfB積層膜において、CoFeB膜に接するHfB膜の膜厚は、1nmに固定され、MgAlB膜の膜厚が、変化されている。
図4に示されるように、磁性層を構成する磁性元素より軽い元素を主成分とする層(ここでは、MgAlB膜)が磁性層に接する場合、軽い元素を主成分とする層と磁性層との界面にミキシング層が形成されることによって、磁性元素より重い元素を主成分とする層(ここでは、HfB膜)が磁性層に接する場合に比較して、磁性層の保磁力が大きくなる傾向がある。
これらの結果より、MTJ素子の記憶層に、軽い元素を主成分とする層が直接接しないのが望ましい。
上述のように、磁性層を形成する磁性元素より軽い元素を主成分とする単層膜が磁性層に直接接触する場合、その単層膜を形成する元素が磁性層内に拡散する。また、磁性層を形成する磁性元素より軽い元素を主成分とする単層膜が磁性層に直接接触する場合、磁性層の保磁力が高くなる。
磁性層を形成する磁性元素より重い元素を主成分とする単層膜が磁性層に直接接触する場合、その単層膜の膜厚が厚くなると、磁性層のダンピング定数が上昇する。磁性層のダンピング定数の上昇を抑制するために、磁性元素より重い元素を主成分とする単層膜の膜厚が薄くされる場合、磁性層を外的要因(例えば、酸素及び水分)から保護するためのその単層膜の能力が損なわれ、磁性層の特性が劣化する。
MTJ素子の磁性層に望ましい特性、例えば、記憶層として望ましい特性は、磁化反転に必要なエネルギーの低減のために、ダンピング定数が小さいことである。また、例えば、図4に示される保磁力の小さいCoFeB膜の例のように、磁性層の磁気特性を劣化させることなく、磁性層本来の保磁力を発揮できることが望ましい。これによって、MTJ素子が、メモリ素子に用いられた場合、書き込み電流(磁化反転しきい値)を低減できる。
それゆえ、磁性層を形成する磁性元素より軽い元素を主成分とする材料からなる単層膜、又は、磁性層を形成する磁性元素より重い元素を主成分とする材料からなる単層膜が、酸素及び水分に起因した記憶層の劣化を抑制するための保護膜として、記憶層に直接接触する場合、保護膜が原因で記憶層がその特性を十分に発揮できない可能性がある。
また、各単層膜が直接接触することによって生じる磁性層の磁気特性の変化を抑制するために、単層膜の膜厚を薄くすると、単層膜の保護膜としての能力が満たされず、酸素や水分によって、磁性層の磁気特性が変化する可能性がある。
これに対して、本実施形態のMTJ素子において、製造工程中などに発生する酸素及び水分などの外的要因から内側の磁性層を保護するための絶縁膜(側壁保護膜)20は、積層構造を有している。
本実施形態のMTJ素子において、積層構造の側壁保護膜20は、磁性層を形成する磁性元素より重い元素(磁性元素より大きい原子番号を有する元素)を主成分とする保護膜200と、磁性層を形成する磁性元素より軽い元素(磁性元素より小さい原子番号を有する元素)を主成分とする保護膜210とを含む。
磁性元素より重い元素を主成分とする保護膜200は、磁性層13,15と磁性元素より軽い元素を主成分とする保護膜210との間に設けられている。磁性元素より重い元素を主成分とする保護膜200は、磁性層(例えば、記憶層13)に直接接触する。
これによって、本実施形態のMTJ素子は、磁性元素より軽い元素を主成分とする保護膜210が磁性層に直接接触することに起因する、記憶層の保磁力の上昇、及び、磁性層に対する保護膜210が含む元素の拡散を、防止できる。
本実施形態のMTJ素子において、磁性層を形成する磁性元素より重い元素を主成分とする保護膜200の膜厚T1は、磁性層を形成する磁性元素より軽い元素を主成分とする保護膜210の膜厚T2より薄い。磁性元素より重い元素を主成分とする保護膜200の膜厚T1は、例えば、3nm以下に設定される。磁性層を形成する磁性元素より軽い元素を主成分とする保護膜210の膜厚T2は、保護膜200より厚く、20nm以下(例えば、5nm程度)に設定される。酸素の吸着量の多い軽い元素(例えば、Al、Mg及びB)を主成分とする膜の膜厚が厚い場合、軽い元素を主成分とする膜から磁性層に印加される応力が大きくなる。そのため、磁性元素より軽い元素を主成分とする保護膜210の膜厚T2は、20nm以下であることが好ましい。
これによって、本実施形態のMTJ素子は、磁性元素より重い元素を主成分とする保護膜200が記憶層13に直接接触することに起因する記憶層13のダンピング定数の上昇を、緩和できる。
また、層間絶縁膜81と薄い保護膜200との間に、厚い膜厚を有する磁性元素より軽い元素を主成分とする保護膜210が、設けられることによって、本実施形態のMTJ素子において、MTJ素子(磁気トンネル接合)の側面上の絶縁膜20は、磁性層に対する保護膜としての機能を維持できる。
例えば、MTJ素子の記憶層が、26番の原子番号を有する鉄(Fe)及び27番の原子番号を有するコバルト(Co)の少なくとも一方が、磁性元素として磁性層に用いられる場合、磁性元素より重い元素として、ハフニウム(Hf)が用いられ、磁性元素より軽い元素として、炭素(C)、マグネシウム(Mg)及びアルミニウム(Al)から構成されるグループから選択される少なくとも1つが用いられる。
Hf、Mg及びAlは、Fe及びCoよりも酸素と結合しやすい。それゆえ、Hf、Mg及びAlが保護膜に用いられることによって、シリコン(Si)を主成分とする膜に比較して、磁性層を酸化させずに、良質な保護膜を形成できる。
以上のように、実施形態によれば、素子外部の不純物から磁気抵抗効果素子を保護でき、磁気抵抗効果素子の特性を向上できる。
尚、図1及び図2において、2層構造の側壁保護膜20が示されているが、3層構造の側壁保護膜20が、磁性層13,15を含む積層構造の側面上に設けられてもよい。
第1及び第2の保護膜200,210間に、急峻な界面が形成されなくてもよく、第1及び第2の保護膜200,210間の界面における組成の変化は、徐々に変化してもよい。この場合、側壁保護膜20は、磁性元素より重い元素を含む膜200と磁性元素より軽い元素を含む膜210との間に磁性元素より重い元素及び磁性元素より軽い元素の両方を含む膜が設けられた構造に類似した構造を、有する。
また、積層構造の側壁保護膜において、磁性元素より大きい原子番号を有する元素(例えば、37番より大きい原子番号を有する元素)を主成分とする第1の保護膜200は、第1の保護膜200の主成分でなければ、磁性元素より小さい原子番号を有する元素が第1の保護膜200内に含まれてもよい。磁性元素より小さい原子番号を有する元素(例えば、22番より小さい原子番号を有する元素)を主成分とする第2の保護膜210は、第2の保護膜210の主成分でなければ、磁性元素より大きい原子番号を有する元素が第2の保護膜210内に含まれてもよい。
[B] 第1の実施形態
図5乃至図7を参照して、第1の実施形態の磁気抵抗効果素子及びその製造方法について、説明する。
尚、本実施形態において、図1及び図2の磁気抵抗効果素子の構成と実質的に同じ構成に関する説明は、必要に応じて、行う。
(1) 構造
図5を用いて、第1の実施形態の磁気抵抗効果素子(MTJ素子)の構造について、説明する。
図5に示されるように、第1の実施形態のMTJ素子1Aは、層間絶縁膜81に覆われるように、基板80上に設けられている。
第1の実施形態のMTJ素子1Aは、シフト調整層17、スペーサー層16、参照層15、中間層14、記憶層13、及び、積層構造を有する絶縁体(側壁保護膜)20を含んでいる。
図5のMTJ素子1Aは、トップフリー型(ボトムピン型)のMTJ素子である。
シフト調整層17は、基板80上の下部電極19A上に設けられている。
参照層15は、スペーサー層16を介してシフト調整層17上方に積層されている。
中間層(トンネルバリア層)14は、参照層15上に積層されている。
記憶層13は、中間層14を介して、参照層15上に積層されている。
上部電極19Bは、記憶層14上に積層されている。
シフト調整層(シフト補正層、バイアス磁界層とよばれる)17は、記憶層10に対する参照層11からの磁界(シフト磁界)をゼロに近づけるために、参照層15に隣接するように設けられている。シフト補正層17の磁化は、固定状態であり、シフト補正層の磁化の向きは、参照層11の磁化の向きと反対に設定される。
下部電極19Aは、例えば、磁気抵抗効果素子の下部電極及び引き出し線を兼ねた1つの層となっている。下部電極19Aは、電気抵抗が低く、拡散耐性に優れた材料から形成されることが好ましい。下部電極19Aは、平坦な垂直磁化の磁性層を成長させるために、バッファ層としての機能を有していてもよい。
上部電極19Bは、電極としての機能の他、MTJ素子1Aをパターニングする際のマスク(ハードマスク)としても用いられる。このため、上部電極19Bに用いられる材料は、電気抵抗が低く、拡散耐性に優れ、かつ、高いエッチング耐性/ミリング耐性を有する材料であることが好ましい。但し、上部電極19Bは、パターニング時のハードマスクとして使用された部材が剥離され、新たに形成された導電体から、形成される場合もある。例えば、カーボンのハードマスクを用いて、積層構造が加工された後に、カーボンが酸素によって剥離される。金などの低抵抗の電極材料が、ハードマスクが剥離された積層構造の上部上に形成される。これによって、上部電極19Bが形成される。
保護膜としての側壁保護膜20は、記憶層13の側面上に設けられている。側壁保護膜20は、複数の膜からなる積層構造を有する絶縁体であり、互いに材料の異なる2つの保護膜200,210を含んでいる。積層構造の側壁保護膜20のうち、内側の保護膜200は、記憶層13の側面上に設けられ、外側の保護膜210は、内側の保護膜200と層間絶縁膜81との間に設けられている。
磁性層及び中間層の特性改善のために、記憶層13と中間層14との界面近傍、及び、参照層15と中間層14との界面近傍に、界面層が設けられてもよい。
図5に示される例において、基板表面に対して平行方向における記憶層13の寸法(直径)は、中間層14、参照層15及びシフト調整層16など、記憶層13より下方の各層の寸法より小さい。この場合において、側壁保護膜20は、記憶層13の側面上に設けられるとともに、中間層14の上面上に設けられている。保護膜20は、中間層14及び参照層15などの終端において、記憶層13より下方の各層14,15,16,17,19Bの側面上に設けられている。尚、MTJ素子の製造工程において、参照層15の側面上に、第1の保護膜200が形成されずに、第2の保護膜210が、参照層15の側面に直接してもよい。
積層構造の保護膜200,210のうち、内側(磁性層側、下層側)の保護膜200が、記憶層13の側面に直接接触している。側壁保護膜20は、中間層14の上面及び側面に接している。尚、保護膜200は、中間層14、参照層15、スペーサー層16及びシフト調整層17の側面に接する。
積層構造の側壁保護膜20において、内側(磁性層側)の第1の保護膜200の膜厚T1は、外側(層間絶縁膜側)の第2の保護膜210の膜厚T2よりも薄い。例えば、第1の保護膜200の膜厚T1は、3nm以下であり、第2の保護膜210の膜厚T2は、3nmから20nm程度である。第2の保護膜210の膜厚は、20nm以下(例えば、5nm程度)であることが好ましい。尚、第2の保護膜210は、20nmより厚くとも良く、例えば、30nm程度でもよい。
記憶層13は、第4周期(原子番号19番から原子番号36番)の元素を含む磁性体から形成されている。例えば、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、及びコバルト(Co)からなるグループから選択される1以上の元素を主成分として含んでいる。
ニッケル(Ni)が、磁性元素として、Mn、Fe及びCoの代わりに用いられてもよい。記憶層13は、Mn、Fe及びCoのうち少なくとも1つに加えて、ホウ素(B)を含んでいてもよい。
記憶層13は、例えば、CoFeB及びMn系合金の少なくとも1つを用いて、形成される。記憶層13は、CoFeBを含む単層膜若しくは積層膜、又は、Mn系合金を含む単層膜若しくは積層膜、又は、CoFeBとMn系合金とを組み合わせたもの、例えば、CoFeBとMn系合金とを含む積層膜を、用いることができる。
参照層15の材料に、例えば、FePd、FePt、CoPd、CoPt等のL1構造又はL1構造を持つ強磁性材料、CoFeBなどの軟磁性材料、TbCoFe等のフェリ磁性材料、Mn系合金などから選択される少なくとも1つが用いられる。参照層15は、磁性材料(例えば、NiFe、Fe又はCoなど)と非磁性材料(Cu、Pd又はPtなど)とから形成される人工格子でもよい。
中間層14の材料に、酸化マグネシウム(MgO)、窒化マグネシウム(MgN)、酸化アルミニウム(Al)、窒化アルミニウム(AlN)、あるいは、それらの積層膜等の絶縁材料が用いられる。例えば、中間層14は、MgOを主成分とする絶縁膜から形成される。非磁性金属又は非磁性半導体が、中間層14に用いられてもよい。
例えば、シフト調整層17は、参照層15と同じ材料から形成される。参照層15とシフト調整層17との間のスペーサー層16には、ルテニウム(Ru)及びTaなどの金属から形成される。
下部電極19Aは、タンタル(Ta)、銅(Cu)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)等の金属層を含む積層構造を有している。上部電極19Bには、例えば、Taが用いられる。
積層構造の側壁保護膜(絶縁体)20のうち、磁性層に接する内側の第1の保護膜200は、磁性層(ここでは、記憶層)を形成する磁性元素より重い元素(磁性元素より大きい原子番号を有する元素)を含む膜である。積層構造の側壁保護膜20のうち、磁性層に接しない外側の第2の保護膜210は、磁性層を形成する磁性元素より軽い元素(磁性元素より大きい原子番号を有する元素)を含む膜である。
例えば、磁性層が第4周期に属する磁性元素を主成分とする場合、側壁保護膜20内の第1の保護膜200は、37番より大きい原子番号を有する元素(第1の元素)を、主成分とする絶縁材料から形成される。第1の保護膜200の主成分でなければ、22番よりも小さい原子番号を有する元素が、第1の保護膜200内に含まれてもよい。
例えば、第1の保護膜200は、ハフニウム(Hf)を含む絶縁材料から形成される。第1の保護膜200内において、Hfが保護膜(例えば、絶縁性化合物)の主成分となる。具体的な例としては、第1の保護膜200は、HfBO膜、HfAlBO膜、ScHfBO膜、HfBN膜、HfAlBN膜、ScHfBN膜、HfBON膜、HfAlBON膜、ScHfBON膜、などから選択される1つからなる。これらに加えて、第1の保護膜200は、ニオブ(Nb)、ジルコニウム(Zr)、タンタル(Ta)、及びタングステン(W)などから選択される少なくとも1つを主成分とする酸化物、窒化物、及び酸窒化物でもよい。さらに、第1の保護膜200は、Nb、Zr、Ta及びWなどを主成分とする酸化物、窒化物又は酸窒化物内に、B(ボロン)が含有された膜でもよい。
例えば、磁性層が第4周期に属する磁性元素を主成分とする場合、側壁保護膜200内の第2の保護膜210は、22番より小さい原子番号を有する元素(第2の元素)を、主成分とする絶縁材料から形成される。第2の保護膜210の主成分でなければ、37番より大きい原子番号を有する元素が、第2の保護膜210内に含まれてもよい。
例えば、第2の保護膜210は、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、炭素(C)などから選択される少なくとも1つを含む絶縁材料から形成される。第2の保護膜210内において、Mg、Al及びCから選択された少なくとも1つが主成分となる。具体的な例として、第2の保護膜210は、C膜、MgAlBO膜、AlBO膜、ScAlBO膜、MgAlBN膜、CN膜、MgAlBN膜、AlBN膜、ScAlBN膜、MgAlBON膜、AlBON膜、ScAlBON膜、CAlN膜、CAlO膜、CAlSiO膜、CAlSiN膜などから選択される1つからなる。
(2) 製造方法
図6及び図7を用いて、第1の実施形態の磁気抵抗効果素子(MTJ素子)の製造方法について説明する。ここでは、図8も適宜用いて、本実施形態のMTJ素子の製造方法について説明する。
図6及び図7は、本実施形態のMTJ素子の製造方法の各工程を説明するための断面工程図である。
図6に示されるように、基板80上に、下部電極となる導電層19Aが、例えば、スパッタ法により堆積される。
基板側から順に、磁性層(シフト調整層)17Z、導電層(スペーサー層)16Z、磁性層(参照層)15Z、絶縁層(中間層)14Z、磁性層(記憶層)13及び導電層19Bが、スパッタ法又はALD法などを用いて、導電層19A上に堆積される。これによって、基板80上に、トップフリー型のMTJ素子を形成するための積層体(被加工層)1Zが形成される。
磁性層13上の導電層19Bは、リソグラフィ及びエッチングによって所定の形状(例えば、円柱状)に加工され、磁性層13,15Z,17Zを含む積層体1Zを加工するためのマスク(ハードマスク)19Bが、積層体1Zの上部に形成される。
ハードマスク19Bをマスクに用いて、積層体1Zに対するミリングが実行される。
積層体1Zを加工するためのミリングは、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)及びキセノン(Xe)などの不活性ガスを用いたイオンミリングである。本実施形態において、積層体1Zは、Arを用いたイオンミリングによって加工される。尚、積層体1Zは、ガスクラスターイオンを用いたエッチングによって加工されてもよい。
イオンミリングにおける積層体1Zに対するイオン(イオンビーム)900の入射角度θは、例えば、積層体1Z内に含まれる被加工層の膜面(基板の表面)に対して垂直な方向を基準(0°)として、50°程度に設定される。イオンが被加工層の膜面(基板の表面)に対して傾斜した方向から照射されるイオンミリングのことを、傾斜イオンミリングとよぶ。
中間層としての絶縁膜14Zの上面をストッパとして、イオンミリングが実行されることによって、図7に示されるように、ハードマスク19Bのパターンに対応した形状を有する記憶層13が、絶縁膜14上に形成される。
加工された記憶層13を覆うように、所定の膜厚T1(例えば、3nm以下)を有する第1の保護膜200が、スパッタ法によって、形成される。記憶層13に接する第1の保護膜200は、記憶層13の磁性元素より重い元素を主成分とする材料から形成される。
記憶層13上の第1の保護膜200は、37番より大きい原子番号を有する元素(例えば、Hf)を主成分とする絶縁材料からなる。第1の保護膜200は、例えば、HfBO、HfAlBO、ScHfBO、HfBN、HfAlBN、ScHfBN、HfBON、HfAlBON、ScHfBONなどから選択される1つの材料から形成される。
例えば、記憶層13を加工するためのエッチング時、オーバーエッチングにより中間層14の上面が基板80側に後退する場合がある。この場合、図7に示されるように、第1の保護膜200は、記憶層13直下の中間層13の上部側の側面を覆う。
図5に示されるように、第2の保護膜210が第1の保護膜200より厚い膜厚T2(例えば、5nm〜20nm程度)を有するように、第2の保護膜210が、スパッタ法によって、第1の保護膜200上に形成される。第1の保護膜200上の第2の保護膜(磁性層に接しない保護膜)210は、22番より小さい原子番号を有する元素(例えば、C、Mg及びAlのうち少なくとも1つ)を主成分とする絶縁材料からなる。第2の保護膜210は、例えば、C、MgAlBO、AlBO、ScAlBO、MgAlBN、CN、MgAlBN、AlBN、ScAlBN、MgAlBON、AlBON、ScAlBONCAlN膜、CAlO膜などから選択される1つの材料から形成される。
第1及び第2の保護膜200,210は、イオンビームスパッタ法、イオンプレーティング法、真空蒸着、ALD法、又は、CVD法などの真空成膜技術を用いて形成されてもよい。さらに、これらの方法によって堆積された第1及び第2の保護膜200,210に対して、膜のより十分な絶縁化のために、自然酸化、酸素プラズマ、又は窒素プラズマ等により酸化又は窒化処理が、堆積された保護膜200,210に施されてもよい。例えば、保護膜200,210に対する酸化処理は、積層体の大気中への暴露、真空中の酸化処理、ラジカル酸化処理、プラズマ酸化処理、又は酸素イオンクラスターを用いた処理によって、実行される。保護膜200,210に対する窒化処理は、ラジカル窒化処理、プラズマ窒化処理、窒素イオンクラスターを用いた処理によって、実行される。実行される。保護膜200,210に対する酸化処理又は窒化処理は、1層ごとに実行されてもよい。
また、酸素又は窒素を含まない状態で被加工層(磁性層を含む積層体)上に形成された膜(例えば、導電体膜、又は、半導体膜)が、上述の酸化処理又は窒化処理によって絶縁化されることによって、第1及び第2の保護膜200,210が形成されてもよい。
尚、側壁保護膜20を形成する酸化物又は窒化物又は酸窒化物は、酸化物/窒化物の構成元素の価数状態(組成比)に依存せずに、絶縁性が確保されていればよい。
尚、第1及び第2の保護膜200,210の形成前に、中間層14Zより下方の各層が加工される場合、加工された層14Z,15Z,16Z,17Zの側面上に、第1及び第2の保護膜200,210が堆積される。また、第1の保護膜200の堆積後に、中間層14より下方の各層が加工される場合、加工された層15,16,17の側面上に、第2の保護膜210が堆積される。
積層体の加工によって所定の形状のMTJ素子が形成された後、層間絶縁膜81が、積層構造の側壁保護膜20を含むMTJ素子を覆うように、例えば、CVD法によって、基板80上に堆積される。
層間絶縁膜81の堆積時、比較的厚い膜厚(例えば、3nmより厚く20nm以下)を有する保護膜210が、薄い膜厚(例えば、3nm以下)を有する保護膜200上に存在するため、磁性層13,15に接する保護膜200の膜厚が薄くとも、層間絶縁膜81の堆積時に発生する酸素や水分が、保護膜として側壁保護膜20を透過して、磁性層13,15内に侵入するのを、防止できる。
以上の製造工程によって、第1の実施形態のMTJ素子が、形成される。
(3) 効果
これまで、保護膜としての絶縁膜に形成時に、MTJ素子の磁性層の側面に加わるダメージについて、言及されていなかった。
しかし、保護膜に用いられる材料に応じて、その保護膜の形成時に素子内に保護膜の構成元素の打ち込み及び拡散が生じる悪影響、保護膜と磁性層との接触により記憶層のダンピング定数が上昇する悪影響が、発生する可能性があった。そのため、保護膜の形成時及び保護膜自体に起因する磁性層への悪影響が小さく、かつ、効果的に素子を保護できる材料の開発が、望まれていた。
本実施形態のMTJ素子は、第1及び第2の保護膜200,210を含んでいる積層構造の側壁保護膜20によって、側壁保護膜に起因した磁性層の特性の低下が生じること無しに、外部からの不純物に起因する磁性層の劣化(腐食)を防止できる。
例えば、第1及び第2の保護膜200,210は、磁性層の構成元素(例えば、Co、Fe)より酸化されやすい元素(例えば、Mg、Al及びHf)を含む膜である。それゆえ、磁性層の酸化を抑制しつつ、磁性層に対する保護能力の高い良質な絶縁膜を、形成できる。
第1の実施形態によれば、MTJ素子1Aの側面上に形成された第1の保護膜200は、記憶層13及び参照層15を構成している磁性元素よりも重い元素(磁性元素より大きい原子番号を有する元素)を主成分としている。磁性元素よりも重い元素は、磁性元素より軽い元素に比較して、磁性層に拡散しにくい。特に、スパッタリング現象によって飛来するスパッタ粒子(数eV〜数十eVのエネルギーを有する粒子)に対して、原子の重さの影響は顕著であり、スパッタ粒子が重い元素に衝突したとしても、重い元素は他の部材へ打ち込まれにくい。
それゆえ、本実施形態は、磁性元素よりも軽い元素を主成分とする膜が磁性層に接触する場合に生じる磁性層に対する磁性元素より軽い元素の拡散を、防止できる。この結果として、本実施形態は、磁性層の劣化を抑制できる。
磁性層と磁性層内に含まれる磁性元素よりも軽い元素(磁性元素より小さい原子番号を有する元素)を主成分とする膜210との間に、磁性元素よりも重い元素を含む保護膜200が存在することによって、磁性元素よりも軽い元素を含む膜が磁性層に接触した場合に生じる磁性層の保磁力の変化を抑制できる。
また、記憶層13及び参照層15を構成している磁性元素よりも重い元素を含む膜200の膜厚T1は薄いため、磁性元素よりも重い元素を含む膜200の膜厚の増大に起因する磁性層のダンピング定数の増大を抑制できる。
このように、本実施形態は、記憶層の保磁力及びダンピング定数の増大を抑制できるため、MTJ素子の書き込み電流を低減できる。
また、本実施形態において、薄い絶縁膜(保護膜)200と層間絶縁膜81との間に、酸化されやすい元素からなり、且つ、膜厚の厚い保護膜210が設けられている。
これによって、本実施形態は、磁性層に対する悪影響を低減するために絶縁膜(保護膜)200の膜厚が薄くされたとしても、保護膜200の形成後に堆積される膜210,81の構成原子が、磁性層内に侵入するのを防止できる。
以上のように、本実施形態の磁気抵抗効果素子及びその製造方法によれば、製造工程中の外的要因から磁性層を保護でき、MTJ素子の素子特性を向上できる。
[C] 第2の実施形態
以下、図8乃至図12を参照して、第2の実施形態の磁気抵抗効果素子及びその製造方法について説明する。
尚、本実施形態において、第1の実施形態と共通の構成要素に関する説明は、必要に応じて、行う。
(1) 構造
図8及び図9を用いて、第2の実施形態の磁気抵抗効果素子(MTJ素子)の構造について、説明する。
図8に示されように、本実施形態のMTJ素子1Bは、ボトムフリー型(トップピン型)のMTJ素子である。
MTJ素子1Bは、基板側から順に、下部電極19B、下地層12、記憶層13、中間層14、参照層15、上部電極19Bを含んでいる。
MTJ素子1Bは、MTJ素子の側面上に設けられた積層構造の側壁保護膜20を、含んでいる。側壁保護膜20は、第1の保護膜200と第2の保護膜210とを含む。第1及び第2の保護膜200,210は、基板80の表面に対して平行方向において、MTJ素子1Bの側面上に積層されている。
下地層12は、2層構造を有し、下部電極19Bの上面上の第1の層(以下では、下層膜とよぶ)120と、第1の下地層上の上面上の第2の層(以下では、上層膜とよぶ)121とを含んでいる。
積層構造の下地層12のうち、上層膜121は、記憶層13に直接接触している。下地層12のうち、下層膜120は、上層膜121の記憶層13側の面に対向する面に隣接している。
下地層12の上層膜120は、スピンポンピング効果が小さい材料が用いられることが好ましい。スピンポンピング効果が小さい材料が、記憶層13に接する膜120に用いられることによって、記憶層13の摩擦定数が小さくなり、書き込み電流を低減できる。また、上層膜120は、記憶層13の結晶性を向上させるための機能を有していてもよい。
図9は、本実施形態のMTJ素子の変形例を示す断面図である。
図9に示されるように、下地層の下層膜120の凸型状の断面形状を有していてもよい。
図9に示されるMTJ素子1Bにおいて、基板表面に対して平行方向における下地層12の下層膜120の底部の寸法、及び、基板表面に対して平行方向における下部電極11の寸法は、下層膜120の上部の寸法より大きい。
基板表面に対して平行方向における各層の寸法に関して、下地層12の下層膜120の底部の寸法は、上層膜121、記憶層13、中間層14、参照層15、及び、上部電極19Bの寸法よりも大きい。
図8及び図9のボトムフリー型のMTJ素子1Bは、第1の実施形態のMTJ素子と同様に、垂直磁化型のMTJ素子であって、垂直磁気異方性を有する記憶層13及び参照層15のぞれぞれは、第4周期の磁性元素を含む強磁性材料からなる。例えば、記憶層13は、CoFeBから形成される。
第1の実施形態と同様に、積層構造の側壁保護膜20のうち磁性層側の第1の保護膜200は、磁性元素より重い元素、例えば、37番の原子番号よりも大きい原子番号の元素を主成分とする絶縁材料で形成されている。但し、第1の保護膜200の主成分でなければ、37番以下の原子番号、より具体的には、22番の原子番号より小さい原子番号の元素が、第1の保護膜200内に含まれてもよい。例えば、第1の保護膜200は、ハフニウム(Hf)を主成分とする絶縁材料から形成される。具体的な例としては、第1の実施形態と同様に、第1の保護膜200は、HfBO膜、HfAlBO膜、ScHfBO膜、HfBN膜などから選択される1つからなる。
第1の実施形態と同様に、積層構造の側壁保護膜20のうち磁性層側に対して反対側(層間絶縁膜側)の第2の保護膜210は、磁性元素より軽い元素、例えば、22番の原子番号より小さい原子番号を有する元素を主成分とする絶縁材料で形成されている。第2の保護膜210の主成分でなければ、37番の原子番号より大きい原子番号の元素が、第2の保護膜210内に含まれてもよい。例えば、第2の保護膜210は、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、炭素(C)などを主成分とする絶縁材料から形成される。具体的な例として、第1の実施形態と同様に、第2の保護膜210は、C膜、MgAlBO膜、AlBO膜、ScAlBO膜、MgAlBN膜、CAlN膜、CAlO膜、CAlSiO膜などから選択される1つからなる。
図8及び図9に示されるMTJ素子は、シフト調整層及びスペーサー層をさらに含んでいてもよい。
第2の実施形態のMTJ素子は、第1の実施形態と同様に、第1及び第2の保護膜200,210を含んでいる積層構造の側壁保護膜20によって、側壁保護膜に起因した磁性層の特性の低下が生じること無しに、外部からの不純物に起因する磁性層の劣化(腐食)を防止できる。
したがって、第2の実施形態によれば、製造工程中の不純物から磁性層を保護できるとともに、素子特性の向上したMTJ素子を提供できる。
(2) 製造方法
図10乃至図12を用いて、第2の実施形態のMTJ素子の製造方法の一例を説明する。
図10乃至図12は、本実施形態のMTJ素子の製造方法の各工程を説明するための断面工程図である。
図10に示されるように、基板側から順に、導電層(下部電極)19A、下地層12Z、磁性層(記憶層)13Z、絶縁層(中間層)14Z、磁性層(参照層)15Z及び導電層19Bが、スパッタ法又はALD法などを用いて、基板80上に堆積される。例えば、下地層12Zは、2層構造を有し、第1の膜(下層膜)120が導電層19A上に形成され、第2の膜(上層膜)121が第1の膜120上に形成されている。
これによって、基板80上に、ボトムフリー型のMTJ素子を形成するための積層体(被加工層)1Yが形成される。
図11に示されるように、導電層19Bが、所定の形状のパターンを有するハードマスクとなるように加工された後、ハードマスク19Bをマスクに用いて、例えば、Arガスを用いたイオンミリングが、基板を回転させながら、実行される。
ここで、中間層14の側面上にイオンミリングによる飛散物が付着しないように、イオンミリングにおけるイオン(イオンビーム)の入射角度が、基板表面に対して傾斜する角度(例えば、50°程度)に設定される。この傾斜イオンミリングによって、中間層14より下方の層からの飛散物に起因する付着物(残差)が、加工された中間層14の側面上に堆積されずに、積層体1Yを加工できる。
傾斜イオンミリングによる積層体1Yは、下地層12の上部、例えば、磁性層側の上層膜120が、加工されるまで継続される。
図12に示されるように、記憶層を形成する磁性元素より重い元素(例えば、37番の原子番号より大きい原子番号を有する元素)を主成分とする第1の保護膜200が、加工された積層構造1Xの側面上に、スパッタ法、イオンビームスパッタ法、ALD法又はCVD法のいずれか1つを用いて、チャンバ内の真空状態を維持した状態で堆積される。
第1の保護膜200上に、記憶層を形成する磁性元素より軽い元素(例えば、22番の原子番号より大きい原子番号を有する元素)を主成分とする第2の保護膜210が、第1の保護膜200の膜厚T1より厚い膜厚T2を有するように、チャンバ内の真空状態を維持した状態で、例えば、スパッタ法で堆積される。
尚、保護膜200及び保護膜210が成膜された後に、保護膜200,210は、より十分な膜の酸化又は窒化のために、大気中又はプラズマによって酸化処理又は窒化処理されてもよい。
例えば、保護膜200,210に対する酸化処理は、積層体の大気中への暴露、真空中の酸化処理、ラジカル酸化処理、プラズマ酸化処理、又は酸素イオンクラスターを用いた処理によって、実行される。保護膜200,210に対する窒化処理は、ラジカル窒化処理、プラズマ窒化処理、窒素イオンクラスターを用いた処理によって、実行される。実行される。保護膜200,210に対する酸化処理又は窒化処理は、1層ごとに実行されてもよい。
尚、側壁保護膜20を形成する酸化物又は窒化物又は酸窒化物は、酸化物/窒化物の構成元素の価数状態(組成比)に依存せずに、絶縁性が確保されていればよい。
これによって、積層構造の側壁保護膜(側壁保護膜)20が、積層体1Yの側面上に形成される。
素子分離のために、隣接する積層体間における、保護膜20、下地層12及び下部電極19Bがエッチングされる。その後、積層構造の側壁保護膜20を含むMTJ素子1Bを覆うように、層間絶縁膜81が、CVD法によって、基板80上に堆積される。
以上の各工程によって、第2の実施形態の磁気抵抗効果素子が形成される。
以上のように、第2の実施形態のMTJ素子の製造方法において、第1の実施形態と同様に、第1及び第2の保護膜200,210を含んでいる積層構造の側壁保護膜によって、保護膜としての側壁保護膜に起因した磁性層の特性の低下が生じること無しに、製造工程中の不純物から、MTJ素子の磁性層の劣化(腐食)を防止できる。
また、本実施形態によれば、保護膜としての保護膜200,210を膜堆積技術を用いて形成できるため、保護膜に用いられる材料の選択の自由度を、高くできる。また、保護膜に用いられる材料に応じて、磁気トンネル接合を形成する材料の自由度が低くなるのを、抑制できる。
したがって、第2の実施形態によれば、素子特性の向上したMTJ素子を提供できる。
[D] 第3の実施形態
図13乃至図16を参照して、第3の実施形態の磁気抵抗効果素子及びその製造方法について説明する。
尚、第3の実施形態において、第1及び第2の実施形態と共通の構成要素に関する説明は、必要に応じて行う。
第3の実施形態において、積層構造(MTJ素子)の加工時に生じる再付着物を利用して、MTJ素子の側面上に、積層構造の側壁保護膜が形成されることが、第1及び第2の実施形態と異なっている。
(1) 構造
図13を用いて、第3の実施形態の磁気抵抗効果素子(MTJ素子)10の構造について説明する。
図13は、本実施形態のMTJ素子の構造を説明するための断面図である。
第3の実施形態のMTJ素子は、第2の実施形態と類似した構造を有している。
図13に示されるように、本実施形態のMTJ素子1Bは、第2の実施形態と同様に、積層構造の側壁保護膜20を含んでいる。側壁保護膜20は、第1の保護膜200と第2の保護膜210とを含み、第1及び第2の保護膜(絶縁膜)200,210は、基板80の表面に対して平行方向において、MTJ素子1Bの側面上に積層されている。
本実施形態において、積層構造の側壁保護膜200,210のうち第1の保護膜200は、下層膜120と第2の保護膜210との間に形成されない。第2の保護膜210は、下層膜120に直接接触する。
積層構造の下地層12は、下層側(下部電極側)の下層膜120と、上層側(上部電極側)の上層膜121とを含んでいる。
本実施形態において、後述の製造方法で説明するように、側壁保護膜20内の複数の保護膜200,210のうち、磁性層側(内側)の保護膜200は、加工時に下地層12の上層膜121から発生する飛散物に起因する再付着物が酸化又は窒化されることによって、形成される。
上層膜121は、保護膜200の主成分となる元素と同じ元素を含んでいる。磁性層に接する保護膜200は、上層膜121の飛散物に起因する付着物の酸化物、窒化物又は酸窒化物から、形成される。
下地層12の上層膜121は、磁性層13,15の磁性元素(例えば、第4周期の磁性元素)より重い元素、例えば、37番より大きい原子番号の元素を主成分とする材料から形成される。
例えば、上層膜121は、Hfを主成分とする導電性の膜である。下地層12の上層膜121の具体例としては、上層膜121は、HfB膜、HfAlB膜、HfMgB膜及びScHfB膜などから選択される少なくとも1つからなる。
第1の保護膜200は、第1の実施形態の第1の保護膜と同様の材料が用いられ、第1の保護膜200は、HfBO膜、HfMgBO膜、HfAlBO膜、ScHfBO膜、HfBN膜などから選択される1つからなる。但し、本実施形態における積層構造の側壁保護膜20の第1の保護膜200の材料は、下地層の上層膜121に用いられる材料に依存する。
尚、第1の保護膜200の主成分でなければ、22番より小さい原子番号の元素が、下地層12の上層膜121内及び第1の保護膜200内に、含まれてもよい。また、側壁保護膜20の保護膜200内における37番より大きい原子番号の元素(例えば、Hf)の組成比は、下地層12の上層膜121内における37番より大きい原子番号の元素の組成比と異なっていてもよい。
側壁保護膜20内の複数の保護膜200,210のうち、磁性層側に対して反対側(層間絶縁膜側)の保護膜210は、エッチング時に下地層12の下層膜120から発生した飛散物に起因する再付着物が、酸化、窒化又は酸窒化されることによって形成される。
上層膜121より下層側(下部電極側)の下層膜120が、保護膜210の主成分となる元素と同じ元素を含んでいる。保護膜210は、下層膜120の飛散物に起因する付着物の酸化物又は窒化物から、形成される。
下層膜120は、磁性層13,15の磁性元素(例えば、第4周期の磁性元素)より重い元素、例えば、22番より小さい原子番号の元素を主成分とする材料から形成される。
例えば、下層膜120は、C、Mg、Al及びScなどからなるグループから選択される少なくとも1つ元素を主成分とする導電性の膜である。下地層12の下層膜120の具体例としては、下層膜120は、MgAlB膜、AlB膜、ScAlB膜、MgAlB膜などから選択される少なくとも1つのからなる。
例えば、第2の保護膜210は、第1の実施形態の材料と同じ材料が用いられ、第2の保護膜210は、C膜、MgAlBO膜、AlBO膜、ScAlBO膜、MgAlBN膜などから選択される1つからなる。但し、本実施形態における積層構造の側壁保護膜20の第2の保護膜210の材料は、下地層12の下層膜120に用いられる材料に依存する。
尚、第2の保護膜210の主成分とならなければ、36番より大きい原子番号の元素が、下地層12の下層膜120内及び第2の保護膜210内に、含まれてもよい。また、側壁保護膜20の保護膜210内における22番より小さい原子番号の元素の組成比は、下地層12の下層膜120内における22番より小さい原子番号の元素の組成比と異なっていてもよい。
(2) 製造方法
図14乃至図16を用いて、第3の実施形態の磁気抵抗効果素子(MTJ素子)の製造方法について、説明する。図14及び図16のそれぞれは、本実施形態のMTJ素子の製造方法の各工程を示す断面工程図である。尚、ここでは、図13も用いて、本実施形態のMTJ素子の製造方法について説明する。
図14に示されるように、上述の実施形態と同様に、基板80上に、被加工層としての積層体1Xが形成された後、積層体1Xを加工するためのイオンミリングが実行される。
下地層12のうち下層膜120は、磁性層13,15の磁性元素(例えば、第4周期の磁性元素)より重い元素、例えば、22番より小さい原子番号の元素を主成分とする材料から形成される。
例えば、下層膜120は、C、Mg、Al及びScなどからなるグループから選択される少なくとも1つ元素を主成分とする導電性の膜である。下地層12の下層膜120の具体例としては、下層膜120は、MgAlB膜、AlB膜、ScAlB膜、MgAlB膜などから選択される少なくとも1つのからなる。
下地層12の上層膜121は、磁性層13,15の磁性元素(例えば、第4周期の磁性元素)より重い元素、例えば、37番より大きい原子番号の元素を主成分とする材料から形成される。
例えば、上層膜121は、Hfを主成分とする導電性の膜である。下地層12の上層膜121の具体例としては、上層膜121は、HfB膜、HfAlB膜、HfMgB膜及びScHfB膜などから選択される少なくとも1つからなる。
積層構造の下地層12において、上層膜121の材料のエッチングレート(ミリングレート)は、下層膜120の材料のエッチングレートよりも遅いことが好ましい。
図15は、下地層内に含まれる複数の膜がエッチングレートの異なる材料から形成された場合における下地層の構造をより具体的に示す図である。
図15の(a)は、積層構造の下地層12において上層膜121のエッチングレートが下層膜120のエッチングレートより遅い場合における加工後の下地層の断面構造を示している。図15の(b)は、積層構造の下地層12において上層膜121のエッチングレートが下層膜120のエッチングレートより早い場合における加工後の下地層12の断面構造を示している。
図15の(a)及び(b)のそれぞれにおいて、各下層膜120は、基板表面に対して垂直方向において同じ深さまで、エッチングされている。
図15の(a)及び(b)に示されるように、上層膜121及び下層膜120は、膜の底面と側面との間にテーパー角θ,θ,θ2Xがそれぞれ形成される。
図15の(a)に示されるように、上層膜121のエッチングレートが下層膜120のエッチングレートより遅い場合、下層膜120のテーパー角θは、上層膜121のテーパー角θより大きくなる。これは、同じエッチング(イオンミリング)条件下において、下層膜120が、上層膜121よりも早く除去されるためである。この結果として、下層膜120のテーパーの広がりは、上層膜121のテーパーの広がりに比較して、小さくなる。
一方、図15の(b)に示されるように、上層膜121のエッチングレートが下層膜120のエッチングレートより早い場合、下層膜120のテーパー角θ2Xは、上層膜121のテーパー角θより大きくなる。これは、同じエッチング(イオンミリング)条件下において、下層膜121が、上層膜121よりも除去されにくく、基板上に残存するためである。
このように、上層膜121のエッチングレートが下層膜120のエッチングレートより遅い場合における基板表面に対して平行方向における下層膜120の寸法(テーパー形状の広がり)は、上層膜121のエッチングレートが下層膜120のエッチングレートより早い場合の下層膜120の寸法に比較して、小さくなる。
図15の(a)及び(b)に示されるように、MTJ素子の微細化のために、同じエッチング条件下における上層膜121のエッチングレートが下層膜120のエッチングレートより遅くなるように、上層膜121の材料及び下層膜120の材料が選択されることが好ましい。
第2の実施形態と同様に、中間層の側面上における飛散物の付着を抑制するように、Arイオン900を用いた傾斜イオンミリング(例えば、50°のイオン入射角度を有するイオンミリング)によって、積層体が加工される。この傾斜イオンミリングによって、第2の下地層12Xの下層膜120Zが露出しないように、下地層12の上層膜121Xの中間部まで、加工される。
図16に示されるように、Arイオン909の入射角度が、基板表面(積層構造に含まれる膜面)に対して傾斜した角度からほぼ垂直な角度に変更され、基板表面に対して垂直方向からのイオンミリングが、積層構造に対して実行される。以下では、イオン(イオンビーム)が基板表面に対してほぼ垂直な方向から照射されるイオンミリングのことを、垂直イオンミリングとよぶ。
この垂直イオンミリングによって、傾斜イオンミリングによって除去されなかった下地層120の残りの部分が、加工される。垂直イオンミリングによって加工された下地層12に起因する飛散物が、磁性層の側面上に堆積する。このように飛散物に起因する付着物が、磁性層13,15の側面上に堆積される。
ここで、積層構造の下地層12Yは、垂直イオンミリングによって、積層構造の上部側から基板側に向かって、加工される。そのため、下地層12Yの上部側の膜121に起因する付着物(例えば、Hfを含む膜)121Zが、磁性層13,15の側面に接するように、積層構造の側面上に堆積される。そして、上層膜121に起因する付着物121Z上に、下地層12Yの下層膜120に起因する付着物(例えば、C、Mg及びAlのうち少なくとも一方を含む膜)120Zが、堆積される。
積層体1X(磁性層13,15)の側面上に、2層構造の付着物121Z,120Zが堆積された状態で、酸化処理又は窒化処理が実行される。
この結果として、図13に示されるように、付着物121,120が酸化又は窒化され、互いに材料の異なる2つの保護膜200,210を含む側壁保護膜20が、加工された積層体1Xの側面上に形成される。
例えば、付着物120R,121Rの酸化は、積層体を大気中に暴露することによって、実行される。但し、付着物120R,121Rは、1層毎に酸化されてもよい。
付着物120R,121Rの酸化は、真空中の酸化処理、ラジカル酸化処理、プラズマ酸化処理、又は酸素イオンクラスターを用いた処理によって、実行されてもよい。積層構造の側壁保護膜20は、付着物120R,121Rに対する窒化処理によって、形成されてもよい。例えば、付着物120R,121Rの窒化は、ラジカル窒化処理、プラズマ窒化処理、窒素イオンクラスターを用いた処理によって、実行される。
尚、側壁保護膜20を形成する酸化物又は窒化物又は酸窒化物は、酸化物/窒化物の構成元素の価数状態(組成比)に依存せずに、絶縁性が確保されていればよい。
所定の膜厚を有する付着物120R,121R及び保護膜200,210を形成するために、下地層12Yの各膜120,121の膜厚、及び、傾斜イオンミリングによる下地層12Yの上層膜121のエッチング量が、制御される。
以上の工程によって、第3の実施形態のMTJ素子が形成される。
本実施形態によれば、下地層に起因する付着物の絶縁化によって、磁性層の保護膜としての絶縁膜を形成できる。この結果として、保護膜の形成に起因する磁性層のダメージを低減できる。
本実施形態において、側壁保護膜20に含まれるHf、Mg及びAlは、磁性層内に含まれるCo及びFeに比較して、酸化しやすい。それゆえ、磁性層を酸化させない程度の弱い酸化であっても、良質な保護膜としての保護膜200,210を、磁性層上に形成できる。
以上のように、第3の実施形態のMTJ素子及びその製造方法によれば、第1及び第2の実施形態と同様に、素子特性の向上したMTJ素子を提供できる。
[E] 第4の実施形態
図17及び図18を参照して、第4の実施形態の磁気抵抗効果素子及びその製造方法について説明する。
第4の実施形態において、第1乃至第3の実施形態と共通の構成要素に関する説明は、必要に応じて行う。
第4の実施形態は、MTJ素子(磁気トンネル接合)の側面上に設けられている積層構造の側壁保護膜のうち、内側の保護膜が積層体(MTJ素子)の加工時に生じる再付着物から形成され、外側の保護膜が膜堆積技術によって形成されることが、第1乃至第3の実施形態と異なっている。
(1) 構造
第4の実施形態のMTJ素子10の構造について説明する。
本実施形態のMTJ素子の構造は、第3の実施形態のMTJ素子の構造に類似する。ここでは、図13を用いて、本実施形態のMTJ素子の構造について説明する。
第4の実施形態のMTJ素子1Cは、積層構造の下地層12と、積層構造の側壁保護膜20とを含む。
積層構造の側壁保護膜20のうち磁性層側(内側)は、加工時における下地層12の下層膜120の飛散物に起因する付着物から形成される。
下層膜120内に含まれる主成分の元素は、側壁保護膜20の内側の保護膜200内に含まれる主成分の元素と同じである。
下層膜120は、第4周期の磁性元素より重い元素、例えば、37番より大きい原子番号の元素を主成分とする材料から形成される。下層膜120は、例えば、Hfを主成分として含む導電性の膜である。下地層20の下層膜120の具体例としては、下層膜120は、HfB、HfAlB、HfMgB、ScHfBなどから構成されるグループの中から選択される少なくとも1つから形成される。
積層構造の側壁保護膜20のうち磁性層13,15に接する保護膜200は、下地層12の下層膜120の飛散物に起因する付着物から形成された酸化物膜、窒化物膜又は酸窒化物膜である。上述の実施形態と同様に、保護膜200は、Hfを主成分とする酸化物、窒化物、又は酸窒化物からなる膜(例えば、絶縁膜)である。
尚、本実施形態において、保護膜200は、下地層12の上層膜120の飛散物に起因する付着物から形成された膜(例えば、絶縁膜)でもよい。
積層構造の側壁保護膜20のうち磁性層13,15に接しない保護膜210は、スパッタ法などの膜堆積技術によって形成された膜である。
(2) 製造方法
図17及び図18を用いて、第4の実施形態のMTJ素子の製造方法について、説明する。図17及び図18は、本実施形態のMTJ素子の製造方法を説明するための断面工程図である。
ここでは、図9、図10及び図12も適宜用いて、本実施形態のMTJ素子の製造方法について説明する。
上述の各実施形態と同様に、図9に示されるように、MTJ素子を形成するための積層体が、基板80上に形成される。本実施形態において、下地層12の下部電極側の下層膜120は、磁性層13を形成する第4周期の磁性元素(例えば、Co又はFe)より重い元素、例えば、37番より大きい原子番号の元素(例えば、Hf)を主成分とする材料から形成される。この後、ハードマスクに基づいて、傾斜イオンミリングによる積層体の加工が、実行される。
図10に示されるように、傾斜イオンミリングは、積層構造の下地層12のうち、下部電極19Aに接する下層膜120の上面が露出するまで、実行される。
この傾斜イオンミリングによって、下地層12の上層膜121に起因する飛散物が、加工された磁性層13,15及び中間層14に付着すること無しに、積層体1Yは、加工される。
図17に示されるように、37番より大きい原子番号の元素(例えば、Hf)を主成分として含む下層膜120の上面が露出した状態で、垂直イオンミリングが実行される。
これによって、下層膜120の飛散物が、積層体1Yの加工面上に付着し、下層膜120と実質的に同じ材料からなる付着物120Zが、加工された磁性層13,15及び中間層14の側面上に、堆積される。
図18に示されるように、37番より大きい原子番号の元素を主成分とする付着膜120Zが磁性層13,15及び中間層14の側面上に形成された状態で、第3の実施形態と同様に、酸化処理又は窒化処理が実行される。これによって、付着膜120Zが絶縁化され、37番より大きい原子番号の元素を主成分とする保護膜200が、磁性層13,15に接するように形成される。保護膜200は、Hfを主成分とする酸化膜又は窒化膜である。保護膜200は、1〜3nm程度の膜厚を有するように形成されている。
例えば、付着物120Zの酸化は、積層体を大気中に暴露することによって、実行される。付着物120Zの酸化は、真空中の酸化処理、ラジカル酸化処理、プラズマ酸化処理、又は酸素イオンクラスターを用いた処理によって、実行されてもよい。保護膜200は、付着物120Zに対する窒化処理によって、形成されてもよい。例えば、付着物120Zの窒化は、ラジカル窒化処理、プラズマ窒化処理、窒素イオンクラスターを用いた処理によって、実行される。
この後、第4周期の磁性元素より軽い元素、例えば、22番より小さい原子番号の元素(例えば、C、Mg、Al又はSc)を主成分とする保護膜210が、スパッタ法やCVD法などを用いて、保護膜200を介して、磁性層13,15の側面を覆うように、積層体1上に、形成される。
以上の工程によって、第4の実施形態のMTJ素子が形成される。
尚、側壁保護膜20を形成する酸化物又は窒化物又は酸窒化物は、酸化物/窒化物の構成元素の価数状態(組成比)に依存せずに、絶縁性が確保されていればよい。
尚、積層構造の下地層12の上部電極側の上層膜120の飛散物に起因する付着物を、絶縁化処理することによって、積層構造の側壁保護膜20の内側の保護膜200が、形成されてもよい。この場合、上層膜120が、37番より大きい原子番号の元素(例えば、Hf)を主成分とする材料から形成される。
以上のように、第4の実施形態のMTJ素子及びその製造方法によれば、第1乃至第3の実施形態と同様に、素子特性の向上したMTJ素子を提供できる。
[F] 第5の実施形態
以下、図19乃至図21を参照して、第5の実施形態について説明する。
尚、本実施形態において、第1乃至第4の実施形態と共通の構成要素に関する説明は、必要に応じて行う。
第5の実施形態は、MTJ素子の磁性層の側面上に設けられる積層構造の側壁保護膜のうち、内側の保護膜が膜堆積技術によって形成され、外側の保護膜が積層体(MTJ素子)の加工時に生じる再付着物から形成されることが、第1乃至第4の実施形態と異なっている。
(1) 構造
第5の実施形態に係るMTJ素子(磁気抵抗素子、磁気記憶素子)10の構成について説明する。
本実施形態のMTJ素子の構造は、第3の実施形態のMTJ素子の構造に類似する。ここでは、図13を用いて、本実施形態のMTJ素子の構造について説明する。
図13に示されるように、第5の実施形態のMTJ素子1Cは、第1乃至第4の実施形態と同様に、積層構造の下地層12と、積層構造の側壁保護膜20とを含む。
下地層12の下層膜120内に含まれる主成分の元素は、側壁保護膜20の外側の保護膜210内に含まれる主成分の元素と同じである。
側壁保護膜20の外側(層間絶縁膜側)の保護膜210は、下層膜120の飛散物に起因する付着物の酸化物又は窒化物又は酸窒化物から、形成される。
下層膜120内に含まれる主成分の元素は、側壁保護膜20の外側の保護膜210内に含まれる主成分の元素と同じである。
下層膜120は、第4周期の磁性元素より軽い元素、例えば、22番より小さい原子番号の元素を主成分とする材料から形成される。下層膜120は、例えば、C、Mg、Al及びScの中から選択された少なくとも1つを主成分として含む導電性の膜である。下地層20の下層膜120の具体例としては、下層膜120は、MgAlB膜、AlB膜、ScAlB膜、MgAlB膜などから構成されるグループの中から選択される少なくとも1つから形成される。
積層構造の側壁保護膜20のうち磁性層に接しない保護膜210は、下地層12の下層膜120の飛散物に起因する付着物から形成された酸化物膜、窒化物膜又は酸窒化物膜である。上述の実施形態と同様に、保護膜200は、C、Mg、Al及びScの中から選択された少なくとも1つを主成分とする酸化物、窒化物、又は酸窒化物からなる絶縁膜である。
尚、本実施形態において、保護膜200は、下地層12の上層膜121の飛散物に起因する付着物から形成された絶縁膜(保護膜)でもよい。
(2) 製造方法
図19乃至図21を参照して、第5の実施形態のMTJ素子の製造方法について、説明する。図19乃至図21は、本実施形態のMTJ素子の製造方法を説明するための断面工程図である。
ここでは、図10も適宜用いて、本実施形態のMTJ素子の製造方法について説明する。
上述の各実施形態と同様に、図10に示されるように、MTJ素子を形成するための積層体1Yが、基板80上に形成される。本実施形態において、下地層12の下部電極側の下層膜120は、磁性層13を形成する第4周期の磁性元素(例えば、Co又はFe)より軽い元素、例えば、22番より小さい原子番号の元素(例えば、C、Mg、Al及びSc)を主成分とする材料から形成される。この後、ハードマスクに基づいて、傾斜イオンミリングによる積層体1Yの加工が実行される。
傾斜イオンミリングは、積層構造の下地層12のうち、下部電極19Aに接する下層膜120の上面が露出するまで、実行される。
図19に示されるように、この傾斜イオンミリングによって、下地層12の上層膜121及び下層膜120に起因する飛散物が、加工された磁性層13,15及び中間層14に付着すること無しに、積層体が加工される。
37番より大きい原子番号の元素を主成分とする第1の保護膜(例えば、Hfを主成分とする絶縁膜)200が、例えば、スパッタ法などによって、加工された磁性層13,15及び中間層14の側面上に堆積される。保護膜200は、下層膜120の露出面上に堆積される。
図20に示されるように、下層膜120の上面が露出するように、イオンビームの入射角が50°程度に設定された傾斜イオンミリングによって、下層膜120上の保護膜200が除去され、下層膜120が露出する。
この傾斜イオンミリングによって、磁性層13,15の側面上の保護膜200の膜厚は薄くなる可能性がある。薄くされた保護膜200は、1〜3nm程度の膜厚を有する。製造工程中に、保護膜200が薄くなることを考慮して、保護膜200が堆積されることが好ましい。
垂直イオンミリングによって、22番より小さい原子番号の元素(例えば、C、Mg、Al及びSc)を主成分とする下層膜120がエッチングされる。垂直イオンミリングによってエッチングされた下層膜120の飛散物が、第1の保護膜200上に、付着する。
この結果として、第1の保護膜200上に、下層膜120の飛散物に起因する付着物120Zが、堆積される。
付着膜120Zが、第1の保護膜200上に付着した状態で、酸化処理又は窒化処理が実行される。例えば、付着物120Zの酸化は、積層体を大気中に暴露することによって、実行される。付着物120Zの酸化は、真空中の酸化処理、ラジカル酸化処理、プラズマ酸化処理、又は酸素イオンクラスターを用いた処理によって、実行されてもよい。保護膜200は、付着物120Zに対する窒化処理によって、形成されてもよい。例えば、付着物120Zの窒化は、ラジカル窒化処理、プラズマ窒化処理、窒素イオンクラスターを用いた処理によって、実行される。
これによって、図20に示されるように、付着膜120Zが絶縁化され、22番より小さい原子番号の元素(例えば、C、Mg及びAlの少なくとも1つ)を主成分とする保護膜210が、37番より大きい原子番号の元素を主成分とする保護膜200上に形成される。
以上の製造工程によって、第5の実施形態のMTJ素子が、形成される。
尚、側壁保護膜20を形成する酸化物又は窒化物又は酸窒化物は、酸化物/窒化物の構成元素の価数状態(組成比)に依存せずに、絶縁性が確保されていればよい。
尚、下層膜120上の第1の保護膜200を除去するための傾斜イオンミリングは、省略されてもよい。この場合、下層膜120上の保護膜200は、垂直イオンミリングによって除去される。エッチングされた第1の保護膜200の飛散物は、磁性層13,15の側面上の保護膜200上に、付着する。この場合、磁性層13,15の側面上の保護膜200の膜厚は、保護膜200の飛散物の付着によって、厚くなる。それゆえ、付着物によって、付着物によって保護膜200の膜厚が厚くなることを考慮して、堆積時の保護膜200の膜厚が制御されることが好ましい。
下地層の上層膜121の上面が露出した段階で、積層構造のエッチングを一度中断して、第1の保護膜200を、磁性層13,15の側面上に堆積させてもよい。
以上のように、第5の実施形態のMTJ素子及びその製造方法によれば、第1乃至第4の実施形態と同様に、素子特性の向上したMTJ素子を提供できる。
[G] 第6の実施形態
以下、図22及び図23を参照して、第6の実施形態の磁気抵抗効果素子(MTJ素子)及び製造方法について説明する。
尚、本実施形態において、第1乃至第6の実施形態と共通の構成要素に関する説明は、必要に応じて、行う。
第6の実施形態のMTJ素子1Dは、3層構造の下地層を有することが、第1乃至第5の実施形態のMTJ素子と異なっている。
図22及び図23に示されるように、下地層12は、下部電極側の下層膜120、上部電極側の上層膜121、及び下層膜120と上層膜121との間の中層膜125を含んでいる。
下層膜120は、下部電極19Aに接し、上層膜121は、記憶層13に接している。
下部電極を省略するために、3層構造の下地層12は、下部電極として用いられてもよい。
記憶層13、参照層15及び中間層14を含む磁気トンネル接合の側面上に、積層構造の側壁保護膜20が、設けられている。
図22の例において、側壁保護膜20は、3層構造の下地層12の側面全体を覆っている。図23の例において、3層構造の下地層のうち最下層の膜120は、凸型形状の断面形状を有し、下層膜120の上部側の側面は、側壁保護膜20に覆われ、下層膜120の底部側の側面は、層間絶縁膜81に覆われている。3層構造の下地層のうち中間層125は、側壁保護膜20に覆われている。
第1の保護膜200は、磁性層を形成する磁性元素より重い元素(磁性元素の原子番号より大きい原子番号を有する元素)を含む膜である。第2の保護膜210は、磁性層を形成する磁性元素より軽い元素(磁性元素の原子番号より小さい原子番号を有する元素)を含む膜である。
例えば、磁性層が第4周期の磁性元素を含む膜からなる場合、磁性元素より重い元素を主成分として含む膜200は、37番より大きい原子番号の元素、例えば、Hfを含む保護膜200である。磁性層が第4周期の磁性元素を含む膜からなる場合、磁性元素より軽い元素を主成分として含む膜210は、22番より小さい原子番号の元素、例えば、C、Mg及びAlの中から選択される少なくとも1つを含む保護膜210である。
第1及び第2の保護膜200のそれぞれは、例えば、スパッタ法、ALD法、等によって、形成される。
また、上述のように、下地層12のエッチングに起因する再付着物が絶縁化されることによって、磁性層の側面上の側壁保護膜に含まれる内側の保護膜200が形成される場合、下地層12内の3つの膜120,121,125の中から選択される1つの膜が、保護膜200の主成分としての37番の原子番号より大きい原子番号の元素を、主成分として含む。
上述のように、下地層12のエッチングに起因する再付着物が絶縁化されることによって、磁性層の側面上の側壁保護膜に含まれる外側の保護膜210が形成される場合、下地層12内の3つの膜120,121,125の中から選択される1つの膜が、保護膜210の主成分としての22番の原子番号より小さい原子番号の元素を、主成分として含む。
側壁保護膜20内の2つの保護膜200,210の両方が、3層構造の下地層内の膜の再付着物から形成される場合、下地層内の上層膜121及び中層膜125のいずれか一方の膜が、磁性元素より重い元素を主成分として含む膜からなり、磁性元素より重い元素を主成分として含む膜より下部電極側の膜125,120が、磁性元素より重い元素を主成分として含む膜からなる。
例えば、3層構造の下地層のエッチングに起因する付着物の酸化は、積層体を大気中に暴露することによって、実行される。但し、付着物120R,121Rは、1層毎に酸化されてもよい。
3層構造の下地層に起因する付着物の酸化は、真空中の酸化処理、ラジカル酸化処理、プラズマ酸化処理、又は酸素イオンクラスターを用いた処理によって、実行されてもよい。積層構造の側壁保護膜20は、付着物に対する窒化処理によって、形成されてもよい。例えば、付着物の窒化は、ラジカル窒化処理、プラズマ窒化処理、窒素イオンクラスターを用いた処理によって、実行される。
尚、側壁保護膜を形成する酸化物又は窒化物又は酸窒化物は、酸化物/窒化物の構成元素の価数状態(組成比)に依存せずに、絶縁性が確保されていればよい。
例えば、磁性層13に接する上層膜121が、磁性層の結晶性及び特性の改善のための機能層として用いられ、中層膜125及び下層膜120が、側壁保護膜内の膜200,210を形成するための付着物の発生源となる層として用いられてもよい。
このように、2以上の膜120,121,125を含む下地層12が用いられることによって、互いに異なる材料からなる複数の膜200,210を含む側壁保護膜20を下地層12の飛散物に起因する付着物から形成できるとともに、磁性層の特性の向上の下地層をMTJ素子内に設けることができる。
[H] 変形例
本実施形態の磁気抵抗効果素子(MTJ素子)の変形例について、説明する。
図24及び図25は、本実施形態のMTJ素子の変形例を示す図である。
図24に示されるように、変形例のMTJ素子1Eにおいて、積層構造の側壁保護膜20に含まれる2つの保護膜200,210のうち、磁性元素より重い元素を含む保護膜200は、少なくとも記憶層13の側面上に設けられていればよい。
この場合、参照層15及び中間層14の側面は、磁性元素より軽い元素を含む保護膜210に接触する。
図24に示されるように、変形例のMTJ素子1Eにおいて、積層構造の側壁保護膜20は、3層構造でもよい。
例えば、層間絶縁膜81と磁性元素より軽い元素を含む膜210と間に、例えば、シリコン窒化膜からなる絶縁膜209が、保護膜として設けられてもよい。
また、磁性元素より重い元素を含む膜200と磁性元素より軽い元素を含む膜210との間に、磁性元素より重い元素及び磁性元素より軽い元素の両方を含む絶縁膜が、設けられてもよい。
図24及び図25に示される変形例のMTJ素子においても、上述の実施形態と実質的に同じ効果が得られる。
[I] 適用例
図26及び図27を参照して、実施形態の磁気抵抗素子の適用例について説明する。
尚、上述の実施形態で述べた構成と実質的に同じ構成に関しては、同じ符号を付し、その構成の説明は、必要に応じて行う。
上述の実施形態の磁気抵抗素子は、磁気メモリ、例えば、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)のメモリ素子として、用いられる。本適用例において、STT型MRAM(Spin-torque transfer MRAM)が例示される。
図26は、本適用例のMRAMのメモリセルアレイ及びその近傍の回路構成を示す図である。
図26に示されるように、メモリセルアレイ9は、複数のメモリセルMCを含む。
複数のメモリセルMCは、メモリセルアレイ9内にアレイ状に配置される。メモリセルアレイ9内には、複数のビット線BL,bBL及び複数のワード線WLが設けられている。ビット線BL,bBLはカラム方向に延在し、ワード線WLはロウ方向に延在する。2本のビット線BL,bBLは、1組のビット線対を形成している。
メモリセルMCは、ビット線BL,bBL及びワード線WLに接続されている。
カラム方向に配列されている複数のメモリセルMCは、共通のビット線対BL,bBLに接続されている。ロウ方向に配列されている複数のメモリセルMCは、共通のワード線WLに接続されている。
メモリセルMCは、例えば、メモリ素子としての1つの磁気抵抗素子(MTJ素子)1と、1つの選択スイッチ2とを含む。メモリセルMC内のMTJ素子1には、第1又は第2の実施形態で述べられた磁気抵抗素子(MTJ素子)1が用いられている。
選択スイッチ2は、例えば、電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor)である。以下では、選択スイッチ2としての電界効果トランジスタのことを、選択トランジスタ2とよぶ。
MTJ素子1の一端は、ビット線BLに接続され、MTJ素子1の他端は、選択トランジスタ2の電流経路の一端(ソース/ドレイン)に接続されている。選択トランジスタ2の電流経路の他端(ドレイン/ソース)は、ビット線bBLに接続されている。選択トランジスタ2の制御端子(ゲート)は、ワード線WLに接続されている。
ワード線WLの一端は、ロウ制御回路4に接続される。ロウ制御回路4は、外部からのアドレス信号に基づいて、ワード線の活性化/非活性化を制御する。
ビット線BL,bBLの一端及び他端には、カラム制御回路3A,3Bが接続される。カラム制御回路3A,3Bは、外部からのアドレス信号に基づいて、ビット線BL,bBLの活性化/非活性化を制御する。
書き込み回路5A,5Bは、カラム制御回路3A,3Bをそれぞれ介して、ビット線BL,bBLの一端及び他端に接続される。書き込み回路5A,5Bは、書き込み電流IWRを生成するための電流源や電圧源などのソース回路、書き込み電流を吸収するためのシンク回路を、それぞれ有する。
STT型MRAMにおいて、書き込み回路5A,5Bは、データの書き込み時、外部から選択されたメモリセル(以下、選択セル)に対して、書き込み電流IWRを供給する。
書き込み回路5A,5Bは、MTJ素子1に対するデータの書き込み時、選択セルに書き込まれるデータに応じて、書き込み電流IWRをメモリセルMC内のMTJ素子1に双方向に流す。即ち、MTJ素子1に書き込むデータに応じて、ビット線BLからビット線bBLに向かう書き込み電流IWR、或いは、ビット線bBLからビット線BLに向かう書き込み電流IWRが、書き込み回路5A,5Bから出力される。
読み出し回路6Aは、カラム制御回路3Aを介して、ビット線BL,bBLに接続される。読み出し回路6Aは、読み出し電流を発生する電圧源又は電流源や、読み出し信号の検知及び増幅を行うセンスアンプ、データを一時的に保持するラッチ回路などを含んでいる。読み出し回路6Aは、MTJ素子1に対するデータの読み出し時、選択セルに対して、読み出し電流を供給する。読み出し電流の電流値は、読み出し電流によって記録層の磁化が反転しないように、書き込み電流の電流値(磁化反転しきい値)より小さい。
読み出し電流が供給されたMTJ素子1の抵抗値の大きさに応じて、読み出しノードにおける電流値又は電位が異なる。この抵抗値の大きさに応じた変動量(読み出し信号、読み出し出力)に基づいて、MTJ素子1が記憶するデータが判別される。
尚、図26に示される例において、読み出し回路6Aは、メモリセルアレイ9のカラム方向の一端側に設けられているが、2つの読み出し回路が、メモリセルアレイ9のカラム方向の一端及び他端にそれぞれ設けられてもよい。
例えば、メモリセルアレイ9と同じチップ内に、バッファ回路、ステートマシン(制御回路)、又は、ECC(Error Checking and Correcting)回路などが、チップ内に設けられてもよい。
図27は、本適用例のMRAMのメモリセルアレイ9内に設けられるメモリセルMCの構造の一例を示す断面図である。
メモリセルMCは、半導体基板70のアクティブ領域AA内に形成される。アクティブ領域AAは、半導体基板70の素子分離領域に埋め込まれた絶縁膜71によって、区画されている。
半導体基板70の表面は、層間絶縁膜79A,79B,79Cによって覆われている。
MTJ素子1は、層間絶縁膜79C内に設けられている。MTJ素子1の上端は、上部電極19Bを介してビット線76(BL)に接続される。また、MTJ素子1の下端は、下部電極19A、層間絶縁膜79A,79B内に埋め込まれたコンタクトプラグ72Bを介して、選択トランジスタ2のソース/ドレイン拡散層64に接続される。選択トランジスタ2のソース/ドレイン拡散層63は、層間絶縁膜79A内のコンタクトプラグ72Aを介してビット線75(bBL)に接続される。
ソース/ドレイン拡散層64及びソース/ドレイン拡散層63間のアクティブ領域AA表面上には、ゲート絶縁膜61を介して、ゲート電極62が形成される。ゲート電極62は、ロウ方向に延在し、ワード線WLとして用いられる。
尚、MTJ素子1は、プラグ72B直上に設けられているが、中間配線層を用いて、コンタクトプラグ直上からずれた位置(例えば、選択トランジスタのゲート電極上方)に配置されてもよい。
図27において、1つのアクティブ領域AA内に1つのメモリセルが設けられた例が示されている。しかし、2つのメモリセルが1つのビット線bBL及びソース/ドレイン拡散層63を共有するように、2つのメモリセルがカラム方向に隣接して1つのアクティブ領域AA内に設けられてもよい。これによって、メモリセルMCのセルサイズが縮小される。
図27において、選択トランジスタ2は、プレーナ構造の電界効果トランジスタが示されているが、電界効果トランジスタの構造は、これに限定されない。例えば、RCAT(Recess Channel Array Transistor)やFinFETなどのように、3次元構造の電界効果トランジスタが、選択トランジスタとして用いられてもよい。RCATは、ゲート電極が、半導体領域内の溝(リセス)内にゲート絶縁膜を介して埋め込まれた構造を有する。FinFETは、ゲート電極が、短冊状の半導体領域(フィン)にゲート絶縁膜を介して立体交差した構造を有する。
上述の複数の実施形態から選択された1つの実施形態のMTJ素子1が、MRAMのメモリ素子として用いられる。メモリセルMC内のMTJ素子1は、積層構造の側壁保護膜20を含む。側壁保護膜20は、磁性元素(例えば、Co又はFe)より大きい原子番号を有する元素(例えば、Hf)を主成分として含む第1の保護膜(絶縁膜)200と、磁性元素より小さい原子番号を有する元素(例えば、Mg、Al,B及びCのうち少なくとも1つ)を主成分として含む第2の保護膜(絶縁膜)210を含む。積層構造の側壁保護膜20によって、本実施形態のMTJ素子は、側壁保護膜20に起因した磁性層13,15の特性の劣化なしに、MTJ素子の形成後の製造工程中に発生する酸素及び水分などから保護される。
本実施形態のMTJ素子1は、保護膜と記憶層との接触に起因した記憶層13の保磁力及びダンピング定数の増大を抑制できるため、書き込み電流の増大を抑制できる。
したがって、実施形態の磁気抵抗素子を含む磁気メモリは、動作特性を向上できる。
[J] その他
上述の実施形態の磁気抵抗素子において、垂直磁化膜を用いた磁気抵抗効果素子が例示されている。但し、MTJ素子の側面側から層間絶縁膜側へ向かう順に、磁性元素(例えば、Co又はFe)より大きい原子番号を有する元素(例えば、Hf)を含む第1の保護膜200と、磁性元素より小さい原子番号を有する元素(例えば、Mg、Al及びCのうち少なくとも1つ)を含む第2の保護膜210とが、磁性層13,15の側面上に設けられていれば、磁性層の磁化の向きが膜面に対して平行方向を向いている平行磁化膜(面内磁化膜)が、実施形態のMTJ素子に用いられてもよい。平行磁化膜を用いた平行磁化型のMTJ素子は、実施形態で述べた効果と同様の効果が得られる。
実施形態の磁気抵抗素子は、MRAM以外の磁気メモリに適用されてもよい。
実施形態の磁気抵抗素子を用いた磁気メモリは、例えば、DRAM、SRAMなどの代替メモリとして、用いられる。実施形態の磁気抵抗素子を用いた磁気メモリは、例えば、SSD(Solid State Drive)のようなストレージデバイスのキャッシュメモリとして用いられる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1,1A,1B:磁気抵抗効果素子、13,15:磁性層、14:中間層、12:下地層、20:側壁保護膜、200,210:保護膜。

Claims (14)

  1. 第1の磁性層と
    第2の磁性層と
    前記第1の磁性層と前記第2の磁性層との間に設けられた中間層と、
    前記第1の磁性層の側面に設けられた積層膜と、
    前記第1の磁性層の前記中間層とは反対側に設けられた電極と、
    前記電極と前記第1の磁性層との間の第1の層と、
    前記第1の磁性層と前記第1の層との間の第2の層と、
    を具備し、
    前記積層膜は、
    前記第1の磁性層を構成する第1の磁性元素の原子番号より大きい原子番号を有する第1の元素を含む第3の層と、
    前記第3の層の前記第1の磁性層側とは反対側に設けられ、前記第1の磁性元素の原子番号より小さい原子番号を有する第2の元素を含む第4の層と、
    を含み、
    前記第1の層は、前記第2の元素を含み、
    前記第2の層は、前記第1の元素を含む、
    磁気抵抗効果素子。
  2. 前記第1の元素の原子番号は、37番より大きく、
    前記第2の元素の原子番号は、22番より小さい、
    請求項1に記載の磁気抵抗効果素子。
  3. 前記第1の元素は、Hfであり、
    前記第2の元素は、C、Mg及びAlから構成されるグループから選択される少なくとも1つの元素である、
    請求項1又は2に記載の磁気抵抗効果素子。
  4. 前記第3の層の膜厚は、3nm以下であり、
    前記第4の層の膜厚は、前記第3の層よりも厚い、
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子。
  5. 前記第4の層の膜厚は、20nm以下である、
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子。
  6. 前記第1及び第2の層は、導電性を有する、
    請求項1乃至5のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子。
  7. 前記第4の層は、層間絶縁膜と前記第3の層との間に設けられている、
    請求項1乃至6のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子を含むメモリセルを具備する磁気メモリ。
  9. 第1の元素を含む第1の層を、電極上に形成する工程と、
    第2の元素を含む第2の層を、前記第1の層上に形成する工程と、
    前記第1の元素の原子番号より大きく且つ前記第2の元素の原子番号より小さい原子番号を有する第1の磁性元素を含む第1の磁性層、第2の磁性層、及び、前記第1及び第2の磁性層間の中間層を含む積層体を、前記第2の層上に、形成する工程と、
    前記積層体のうち少なくとも前記第1の磁性層を加工する工程と、
    前記第2の層を加工して、前記加工された第1の磁性層の側面に、前記第2の元素を含む第3の層を付着させる工程と、
    前記第1の層を加工して、前記第3の層に、前記第1の元素を含む第4の層を付着させる工程と
    具備する磁気抵抗効果素子の製造方法。
  10. 前記第3及び第4の層のそれぞれを絶縁化する工程と、
    をさらに具備する請求項9に記載の磁気抵抗効果素子の製造方法。
  11. 前記第3及び第4の層を同時に絶縁化する工程と、
    をさらに具備する請求項9に記載された磁気抵抗効果素子の製造方法
  12. 積層膜が、前記第3及び第4の層の絶縁化によって、前記第1の磁性層の側面に形成される、
    請求項9乃至11のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子の製造方法。
  13. 前記第1及び第2の層は、導電性を有する、
    請求項9乃至12のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子の製造方法。
  14. 第1のエッチング条件下における前記第2の層のエッチングレートは前記第1の層のエッチングレートよりも遅い、
    請求項9乃至13のいずれか1項に記載された磁気抵抗効果素子の製造方法。
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