JP6102495B2 - 高炉の原料装入装置及び高炉の原料装入方法 - Google Patents
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Description
高炉の通気性は、(1)径方向での鉱石とコークスの層厚比(以下O/Cという。)の分布と(2)径方向粒度分布、により径方向通気抵抗分布が形成されるため、上記(1)と(2)のコントロールが重要である。
高炉に装入する各種の原料は、粒径と密度が相違することにより、例えば、粒径が小さな原料や密度が大きな原料は、装入物表面の落下位置にとどまり、粒径が大きな原料や密度が小さな原料は、装入物表面を転がり落ち、炉中心部及び炉壁近傍に堆積しやすい。また、鉱石に比べ、密度が小さなコークスは、その後に装入された鉱石により、はじき飛ばされ、転がって炉中心部に堆積しやすい。
したがって、高炉装入原料の種類に対応し、それぞれの粒径と密度を考慮して、上記の(1)(2)即ち、径方向のO/C分布と粒度分布をコントロールすることが重要である。
特許文献1は、コークス混合鉱石層は、コークスの粒径を、鉱石の粒径の1.1〜1.4倍未満の範囲内にすれば、炉径方向の相対鉱石比率を均一にすることができるとする。
しかし、高炉の装入物分布は、装入装置と装入方法により変化するものであり、装入装置と装入方法の記載がなく、当該文献の適用範囲が不明確であるという問題がある。
しかし、炉頂バンカーから排出する混合コークスの比率は、装入装置と装入方法により変化するものであり、特許文献2及び文献3の記載は、いずれもセンターフィード型ベルレス炉頂装入装置に限定されるという問題がある。
(1) 装入ベルトコンベアと、炉頂ホッパー及び旋回シュートを有するベルレス高炉の原料装入装置であって、
前記炉頂ホッパーが偏芯型炉頂ホッパーであり、
前記偏芯型炉頂ホッパーの上部に、鉛直線に対する角度を調整可能な上部ダンパーを有し、
前記偏芯型炉頂ホッパーの下部に、鉛直線に対する角度を調整可能な下部ダンパーを有することを特徴とするベルレス高炉の原料装入装置。
(2) 装入ベルトコンベアにより輸送された高炉装入原料を炉頂ホッパーに一時貯留し、前記炉頂ホッパーから排出する前記高炉装入原料を旋回シュートにより高炉内に装入するベルレス高炉の原料装入方法であって、
前記炉頂ホッパーとして偏芯型炉頂ホッパーを用い、
装入コンベアからの前記偏芯型炉頂ホッパーへの原料投入位置を上部ダンパーを用いてコントロールする工程と、
前記偏芯型炉頂ホッパーからの原料排出順序を下部ダンパーを用いてコントロールする工程を実施することを特徴とするベルレス高炉の原料装入方法。
(3) 前記偏芯型炉頂ホッパーへの原料投入位置を上部ダンパーを用いてコントロールする工程が、前記偏芯型炉頂ホッパーの中心部へ原料を投入することを特徴とする(2)に記載のベルレス高炉の原料装入方法。
(4) 前記偏芯型炉頂ホッパーからの原料排出順序を下部ダンパーを用いてコントロールする工程が、前記偏芯型炉頂ホッパーの中心部の原料の排出を遅延させることを特徴とする(2)又は(3)に記載のベルレス高炉の原料装入方法。
図1に高炉の原料輸送系統を示す。鉱石又はコークスは、鉱石槽1又はコークス槽2から秤量し、切り出され、輸送コンベア3によりサージホッパー4に装入される。その後、装入物は、装入コンベア5により、炉頂ホッパー6に一時貯留された後、装入の指令により、旋回シュート7により高炉8の中に装入される。
つ装入物を一時貯留するためのホッパーである。高炉の指令に対応できるように、2式の炉頂ホッパーを設置するのが一般的である。ホッパーの構造は、排出口を極力、高炉軸芯側に寄せ、ホッパー中心とホッパーの排出口が偏芯した偏芯型炉頂ホッパーが一般的である。
本発明者は、1/20模型の偏芯型炉頂ホッパーによる装入物の偏析実験を行った。
図2に1/20模型の偏芯型炉頂ホッパーを示す。偏芯型炉頂ホッパー中心とホッパー排出口中心は80mm偏芯している。偏芯型炉頂ホッパー上部には、上部ダンパー9、下部には、下部ダンパー10を設置した。上部ダンパー9は、原料コンベアからホッパー内に落下する鉱石に衝突し、鉱石の落下位置を変更する偏析制御装置である。下部ダンパー10は、排出口の上にあり、ホッパーからの鉱石の流れを変更する偏析制御装置である。
実験に用いた原料を表1に示す。各原料は、実炉で使用する原料と同じ挙動を示す粒径の原料を用い、ペレットは、密度、形状が比較的近いアルミナ球で代用した。実炉のOB(鉱石層厚)を115t/チャージと想定し、ペレット比9.8%、小塊コークス比を3.7%(35kg/t)とした。
図4に1/20模型の偏芯型炉頂ホッパーからの燒結鉱の排出時偏差を示す。横軸は、全排出時間を1とした場合の排出の相対時間を示す。縦軸は、燒結鉱の平均粒径を1とした場合の燒結鉱の相対平均粒子径である。細線は、上部ダンパー9及び下部ダンパー10を設置しない場合であり、破線は、上部ダンパー9を設置し、その角度を+10°とし、下部ダンパー10を設置しない場合である。太線は、上部ダンパー9の角度を+10°、下部ダンパー10の角度を−20°とした場合である。ここで、上部ダンパー9の角度が+10°であるということは、原料コンベアからの鉱石流れに対し、鉱石を受けるように上部ダンパー9の角度を鉛直線に対し10°に設定した場合である(図2)。また、下部ダンパー10の角度が−20°であるということは、鉛直線に対し上部ダンパー9とは反対側に下部ダンパー10の角度を20°に設定した場合である(図2)。
上部ダンパー9の角度を+10°にすると、原料コンベアからホッパー内に落下する鉱石は、上部ダンパー9に衝突し、炉頂ホッパーの略中央の位置に落下した。原料投入位置を上部ダンパーのコントロールにより、偏芯型炉頂ホッパーの中心部へ原料を投入するこで、高炉内の原料偏析を少なくすることができることが確認できた。また、下部ダンパー10の角度を−20°とした場合は、排出口の直上の原料の排出を妨げ、ファンネルフローが抑制された。偏芯型炉頂ホッパーの中心部の原料の排出を遅延させることにより高炉内の原料偏析を少なくすることができることが確認できた。
Claims (4)
- 装入ベルトコンベアと、炉頂ホッパー及び旋回シュートを有するベルレス高炉の原料装入装置であって、
前記炉頂ホッパーが偏芯型炉頂ホッパーであり、
前記偏芯型炉頂ホッパーの上部に、鉛直線に対する角度を調整可能な上部ダンパーを有し、
前記偏芯型炉頂ホッパーの下部に、鉛直線に対する角度を調整可能な下部ダンパーを有することを特徴とするベルレス高炉の原料装入装置。 - 装入ベルトコンベアにより輸送された高炉装入原料を炉頂ホッパーに一時貯留し、前記炉頂ホッパーから排出する前記高炉装入原料を旋回シュートにより高炉内に装入するベルレス高炉の原料装入方法であって、
前記炉頂ホッパーとして偏芯型炉頂ホッパーを用い、
装入コンベアからの前記偏芯型炉頂ホッパーへの原料投入位置を上部ダンパーを用いてコントロールする工程と、
前記偏芯型炉頂ホッパーからの原料排出順序を下部ダンパーを用いてコントロールする工程を実施することを特徴とするベルレス高炉の原料装入方法。 - 前記偏芯型炉頂ホッパーへの原料投入位置を上部ダンパーを用いてコントロールする工程が、前記偏芯型炉頂ホッパーの中心部へ原料を投入することを特徴とする請求項2に記載のベルレス高炉の原料装入方法。
- 前記偏芯型炉頂ホッパーからの原料排出順序を下部ダンパーを用いてコントロールする工程が、前記偏芯型炉頂ホッパーの中心部の原料の排出を遅延させることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のベルレス高炉の原料装入方法。
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