JP2018080358A - 高炉の原料装入方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】融着帯の通気性改善、炉下部圧損指数の低下、コークス比の低減をすることができる高炉の原料装入方法の提供。
【解決手段】高炉の原料装入方法において、鉱石の装入をnバッチに分割し、コークス6の粒子径が30〜100mmで、鉱石5と交互に層状に装入するコークス6の溶銑1トン当たりの質量CA(kg/tp)、鉱石5と混合し装入するコークス6の溶銑1トン当たりの質量CB(kg/tp)、高炉の中心部に別に装入するコークス6の溶銑1トン当たりの質量CC(kg/tp)とした時に、CC/(CA+CB+CC)=0.06〜0.13とし、鉱石装入1バッチ目から(n-1)バッチ目までは、CB/CA=0.13/(n-1)〜0.35/(n-1)とし、鉱石5装入のnバッチ目(最終バッチ)では、CB/CA=0とする高炉への原料特にコークスの装入方法。
【選択図】図4

Description

本発明は、ベルアーマー式の高炉での原料の装入方法に関する。
一般に、ベルアーマー式の高炉とは、ベルカップから排出された原料がアーマー(反発板)で反発した後、炉内へ装入される高炉のことである。図1に示すように、装入された原料は、落下位置から炉内中心側へ流れ込みながら堆積することとなる。なお、原料の落下位置については、アーマーの押し出し量で調整することができる。このようなベルアーマー式の高炉において、コークスと鉱石を原料として装入する際には、粒のサイズ(粒度)が大きいコークスと、粒のサイズ(粒度)が小さい鉱石とを、交互に層状に装入している。
一方で、上記したように層状装入しているコークスを鉱石層へ混合することや、中心へ優先的に装入する中心装入コークスなどの様々なコークスの装入方法により、コークスの層状装入方法よりも、高炉における低還元材比・高生産性を達成している。このことから、高炉におけるコークスの有効利用は溶銑コストの低減に直結すると言える。
このようなベルアーマー式の高炉において、原料を装入する技術としては、例えば、特許文献1〜4に開示されているものがある。
特許文献1は、原料装入がベルアーマー式の高炉で操業を行うに際して、補助燃料多量吹き込み操業下で炉内通気性を改善して安定操業を行うことができるようにすることを目的としている。
具体的には、ベルアーマー式で層状装入コークス及び混合コークスを装入すると共に、前記ベルアーマー式とは別に炉中心部に中心装入コークスを装入し、さらに、羽口から150kg/tp以上の補助燃料を吹き込んで高炉の操業を行うに際し、前記中心装入コークスの粒径は40〜90mmとし、前記層状装入コークスの粒径は30〜100mmとし、前記混合コークスの粒径は30〜80mmとし、前記中心装入コークスの粒径及び層状装入コークスの粒径は、「層状装入コークスの粒径下限<中心装入コークスの粒径下限<中心装入コークスの粒径上限<層状装入コークスの粒径上限」の関係を満たし、 層状装入コークスのコークス量CA(kg/tp)、前記混合コークスのコークス量CB(kg/tp)、中心装入コークスのコークス量CC(kg/tp)としたとき、 CC/(CA+CB+CC)=0.06〜0.13 CB/CA=0.13〜0.35 を満たすようにする高炉への原料装入方法が開示されている。
特許文献2は、高炉炉頂のベル・ム―バブルアーマー装入装置で、鉱石に混合された小塊コークスを台ベルホッパーから炉内に装入したとき、小塊コークスが鉱石から分離して炉内半径方向中心部への偏在するのを抑制することを目的としている。
具体的には、大ベル3の開度を全開の30%以下、開口速度を最大開口速度の30%以下に設定し、且つ炉内半径中心9の側から炉壁1の側に向けてムーバブルアーマー5を操作し、その間に原料バッチの全量を落下装入する。上記大ベル3とムーバブルアーマー5の操作を、小塊コークスが鉱石類原料中に予め混合されているバッチについてのみ行なう。そして、各原料バッチ装入の開始時点においては、ムーバブルアーマー5の先端に装備された原料衝突板6が炉内半径方向の中心側前進限に位置し、且つその原料バッチ装入の終了時点においては、その衝突板6が炉壁側後退限に位置するように設定する高炉の操業方法が開示されている。
特許文献3は、高炉中心部のO/C比を低位に制御し、炉況を安定に維持することを目的としている。
具体的には、コークスと鉱石を交互に装入して高炉を操業するに際し、1チャージ分の鉱石を複数バッチに分割して装入し、1バッチ目 (OI)は鉱石だけを装入し、2バッチ目(OII) 以降はコークスの一部と鉱石とを同時に装入する。上記鉱石 (OII) と同時装入するコークスの加重平均粒径を、鉱石の粗粒側10嵩体積%を占める粗粒鉱石の嵩体積割合加重平均粒径の 2.5倍以上とし、かつ、上記鉱石 (OII) と同時装入するコークスの量(嵩体積%、Y) と同じく鉱石の量 (嵩体積%、X) との関係を下記イ式を満たすように調整する高炉操業方法が開示されている。
0.05×X<Y≦0.1×X ・・・イ
また、炉内ガスの中心流の適正な強化ができ、炉芯コークスの反応劣化の低減による炉芯の通気性、通液性の確保ができるとされている。また、この方法は装入装置を新設することなく、従来の高炉で実施できるとされている。
特許文献4は、高炉で通常使用されるコークスと鉱石により混合層を形成し、軟化融着帯における通気性向上効果を最大限に発揮させ、安定かつ高効率で操業を行うことを目的としている。
具体的には、高炉炉頂から鉱石およびコークスを互層となるように高炉内へ装入するに際し、鉱石の装入バッチを2分割し、第1装入バッチに大塊コークスを70〜100kg/pt混合し、第2装入バッチに小塊コークスを最大50kg/pt混合し、第1バッチ、第2バッチの順で装入する高炉の操業方法が開示されている。大塊コークスの粒径を65〜100mmとし、小塊コークスの粒径を15〜35mmとするのが望ましいとされている。第1バッチ、第2バッチの装入を、当該バッチにそれぞれ混合した大塊コークスと小塊コークスとが炉内半径方向において共存するように行うのが望ましいとされている。
特開2015−178660号公報 特開2002−256311号公報 特開平8−193205号公報 特開2014−009397号公報
ところで、特許文献1は、ベルアーマー式の高炉において、安定して操業を行うことができる技術であるが、鉱石層の最終バッチにコークスを混合しており、その最終バッチに装入された混合コークスの一部が鉱石層に浮上する可能性がある。それ故、混合されないコークスが存在する可能性がある。
特許文献2は、混合装入コークスの粒子径(粒度)が、+7〜−30mmあるいは+5〜−25mm等と記載されており、本願発明とは異なるものである。また、この技術では、コークス中心装入が実施されていない。また、高PC比の条件下においては、安定した中心流を維持することができない。
特許文献3では、コークス中心装入が実施されていない。また、高PC比条件下においては、安定した中心流を維持することができない。また、この技術においては、鉱石最終バッチにもコークスを混合しており、本願発明の作用効果が発現しないと考えられる。
特許文献4では、コークス中心装入が実施されていない。高PC比条件下においては、安定した中心流を維持することができない。また、この技術では、第2バッチにコークスを混合しており、本願発明とは前提条件が異なるものである。
高炉操業において、コークスを適切に装入し有効に利用することは非常に重要な事項である。例えば、特許文献1の技術では、前述の如く、混合されないコークスが存在する可能性がある。このことを鑑みて、本願発明においては、鉱石層の最終バッチにおいてコークスを混合せずに、高炉に装入することを目的としている。これにより、混合されないコークスがなくなり、コークスを有効利用することができる。
すなわち、本発明は、上記問題点に鑑み、ベルアーマー式の高炉において原料を装入する際に、コークスを鉱石層へ混合することで、炉下部の融着帯の通気性を改善し、炉下部圧損指数を低下させて、コークス比を低減させることができる高炉の原料装入方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
本発明にかかる高炉の原料装入方法は、溶銑1トン当たりの微粉炭の吹き込み量が150(kg/tp)以上の操業を行うベルアーマー式の高炉にて、コークス中心装入を行いながら、コークスと鉱石を層状に装入する高炉の原料装入方法において、前記鉱石をnバッチに分割して装入し、粒子径が30mm以上100mm以下のコークスを、前記鉱石と交互に層状に装入する層状装入コークス、前記鉱石と同時に混合した上で装入する混合装入コークス、前記高炉の中心部に別に装入する中心装入コークスとして装入するに際し、前記層状装入コークスの溶銑1トン当たりの質量をCA(kg/tp)とし、前記混合装入コークスの溶銑1トン当たりの質量をCB(kg/tp)とし、前記中心装入コークスの溶銑1トン当たりの質量をCC(kg/tp)とした時に、CC/(CA+CB+CC)=0.06以上0.13以下とし、前記鉱石の装入における1バッチ目から(n−1)バッチ目までは、前記コークスに関し、CB/CA=0.13/(n-1)以上0.35/(n-1)以下とし、前記鉱石の装入における、最終バッチであるnバッチ目では、前記コークスに関し、CB/CA=0とすることを特徴とする。
本発明によれば、ベルアーマー式の高炉において原料を装入する際に、コークスを鉱石層へ混合することで、炉下部の融着帯の通気性を改善し、炉下部圧損指数を低下させて、コークス比を低減させることができる。
従来の高炉の原料装入方法(コークス混合なし)の概略を模式的に示した図である。 高炉の原料装入方法の比較と、融着帯におけるガス流れの概略を示した図である。 鉱石装入の最終バッチ(Onバッチ目)において、コークスを混合した場合における原料装入方法の概略を模式的に示した図である。 鉱石装入の最終バッチ(Onバッチ目)において、コークスを混合しない場合における原料装入方法の概略を模式的に示した図である。 従来の高炉の原料装入方法(コークス混合なし)の概略を模式的に示した図である。 鉱石層でのコークスの存在域を比較した図である コークス比と炉下部圧損指数の関係を示したグラフである。 補正コークス比と炉下部圧損指数の関係を示したグラフである。
以下、本発明にかかる高炉1の原料装入方法の実施形態を、図を参照して説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明を具体化した一例であって、その具体例をもって本発明の構成を限定するものではない。
本発明は、ベルアーマー式の高炉1を対象とした原料(鉄鉱石、コークス等)の装入方法に関するものである。
図1に示すように、ベルアーマー式の高炉1とは、ベルカップ2から排出された原料がアーマー3(反発板)で反発した後、炉内へ装入される高炉のことである。装入された原料は、落下位置から炉内側へ流れ込みながら堆積する。この時、大きな原料ほど落下位置から遠くへ転動し堆積するようになる、つまり粒度偏析することとなる。なお、原料の落下位置は、アーマー3の押し出し量で調整する。
図1、図2の左図(a)に示すように、一般的な高炉1の原料装入方法は、炉頂からコークス6と鉱石原料5(鉄鉱石、焼結鉱、鉄鉱石ペレット等)を交互に層状となるように装入する方法である。鉱石5が昇温・還元されて、軟化溶融している領域を、融着帯と呼んでいる。
この融着帯(融着層とコークス層)においては、ガスは鉱石5が軟化して通気抵抗が大きくなっている融着層よりも、層状に装入されたコークススリットの方に流れることとなる。そのため、炉下部における通気性は、コークススリットの厚さと融着層とコークス層の通気抵抗比に大きく依存する。
つまり、コークス6と鉱石原料5を層状に装入する場合、高炉1の炉下部における通気性はコークススリットの厚さに大きく依存する。例えば、コークススリットの厚みが薄くなると、つまりコークス比が低下すると、炉下部における通気性は悪化することとなる。
この炉下部における通気性は、炉下部圧損指数として管理されている。この炉下部圧損指数が大きい場合、棚吊り等の操業トラブルが発生しやすくなる。そのため、炉下部圧損指数を基準値以下に保つように、コークス比を増加させる必要がある。
炉下部圧損指数(-)とは、炉下部(主に融着帯)の通気性を指数化したものであり、下式で表される。
炉下部圧損指数[-]=((送風圧力[kPa]/98.0667+1.013)2-(ボッシュ部圧力[kPa]/98.0667+1.013)2/ボッシュガス量[Nm3/min]1.7
本実施形態においては、炉下部圧損指数の上限を2.0としている。この上限値の2.0は、高炉吹き抜けが多発した過去実績より定めている。
この炉下部圧損指数が2.0を超えた場合、炉下部において通気性が悪化していることを示しており、高炉吹き抜け等の操業トラブルが発生してしまい、安定的に生産活動を行うことが不可能になる。
そのため、炉下部圧損指数が2.0を超えないように、コークス比を増加させる対応をとる必要がある。コークス比の増加により、炉内の通気性が改善することとなり、炉下部圧損抵抗を低下させることができる。なお、コークス比1kg/tp増加で、炉下部圧損指数は0.0067低下する。一方、コークス比1kg/tp低下で、炉下部圧損指数は0.0067増加することとなる。
ボッシュ部圧力(kPa)とは、ボッシュ部(炉腹部)の圧力であり、炉腹部の炉壁に取り付けられた圧力計で測定された値の円周方向での時間平均値である。
送風圧力(kPa)とは、高炉1に備えられている羽口4の圧力であり、送風支管に取り付けられた圧力計で測定された値の円周方向での時間平均値である。
ボッシュガス量(Nm3/min)とは、羽口4から吹き込まれる空気、酸素富化用の酸素、送風湿分などの送風による羽口4前コークス6の燃焼、および、微粉炭などの補助燃料の燃焼により羽口4前で生成する総ガス量の計算値である。ボッシュガス量の計算方法としては、例えば、「鉄と鋼、Vol.48(1962)No.12、P1606」に記載されている。
一方で、図2の右図(b)、図3に示すように、コークス層で使用しているコークス6の一部を、鉱石層へ混合装入することで、融着層へガスが流入しやすくなり、炉下部の通気性が改善することが知られている。このことは、例えば、特開昭59-41402号公報などに開示されている。また、特開2015-178660号公報においても、所定条件のコークス6を鉱石層へ混合装入することで、コークス比の低減を達成していることが開示されている。
一般的に、図3に示すように、粒子径や比重が異なる2つの粒子を混合した場合、それぞれが分離し偏析することが知られている。例えば、塊状のコークス6は、鉱石原料5(鉄鉱石、焼結鉱、鉄鉱石ペレット等)と比較すると、比重が小さく、且つサイズ(粒子径)が大きいため(塊コークス:サイズ=30〜100mm、比重≒0.5g/cm3、鉱石原料:サイズ=5〜30mm、比重≒2.0g/cm3)、同時に装入しても浮上しやすい。なお、鉱石原料5とは、塊鉱石、鉄鉱石ペレット、焼結鉱、副原料などである。
そこで、本発明においては、ベルアーマー式の高炉1における原料装入方法において、混合するコークス6を最大限に有効利用できる方法を創案した。
以降の説明においては、鉱石装入バッチを2バッチとした場合を例に挙げて、説明する。なお、バッチとは、炉内へ装入する鉱石5、または、コークス6の1chあたりの分割装入数(bat)のことである。
鉱石装入バッチにおいては、貯鉱槽から原料を切り出す際に、粒子径が30mm以上100mm以下のコークス6を同時に切り出し、その原料やコークス6等は搬送ベルトの乗り継ぎ等の搬送過程を経て、炉内へ装入される。
ここで、粒子径の大きいコークス6は、搬送ベルトの乗り継ぎ等の搬送過程で、鉱石5と分離されやすい。そのため、炉内へ装入された際には、そのコークス6の一部が鉱石層の上層へ浮上し、鉱石層内へ混合されないという問題が生じてしまう。
しかしながら、図4に示すように、OIバッチ目(鉱石装入Oに関しての第1バッチ目の意味)で浮上した一部のコークス6は、次のOIIバッチ目(鉱石装入Oに関しての第2バッチ目の意味)が装入されることで、そのOIIバッチ目の装入エネルギーにより、鉱石5に巻き込まれ、OII層へ混合されることとなる。
従来の操業(以降で述べる比較例iii)では、鉱石装入バッチ全てで、コークス6を混合していたため、最終バッチ(本実施形態でいえば、2回目のOIIバッチ目)で、浮上した一部のコークス6を鉱石層へ混合することができない。また、次点のコークス6装入時に、炉内の中心に浮上したコークス6が流れ込み、中心流がブロードになるため、鉱石5と同時に切り出したコークス6の効果が小さくなる。
本発明では、鉱石装入の最終バッチにおいて、混合したコークス6の一部が鉱石層へ混合されないことを加味し、最終バッチではコークス6を混合しないこととしている。その結果、混合しなかったコークス6をコークス層として用いることができるため、コークス6を有効に使用することができる。それ故、炉下部圧損指数を維持したまま、より少ない混合量でコークス比を低減させることができる。
本発明は、微粉炭の吹き込み量が150(kg/tp)以上の操業を行うベルアーマー式の高炉1にて、コークス中心装入を行いながら、コークス6と鉱石5を層状に装入する高炉1の原料装入方法に関する技術である。
また、本発明は、コークス6(主燃料)の他に、補助燃料として微粉炭(粒子径≦500μmの石炭)を羽口4から吹き込む高炉1を対象としている。なお、「kg/tp」とは、銑鉄1トン当たりの微粉炭の吹き込み質量(kg)のことである。
本発明は、上記したようにベルアーマー式の高炉1を対象としている(ベルレス式は除く)。ベルアーマー式の高炉1においては、ベルカップ2から排出された原料は、アーマー3(反発板)で反発して炉内へ装入される。装入された原料は、落下位置から炉内側へ流れ込みながら堆積する。このとき、サイズ等が大きな原料ほど、落下位置から遠くへ転動して堆積する、つまり粒度偏析する。なお、原料の落下位置については、アーマー3の押し出し量で調整する。
実操業では、高炉1の中心へ通常のコークス6や塊鉱石、鉄鉱石ペレット、焼結鉱他とは別に、コークス6を少量装入する「コークス中心装入」を行っている。コークス中心装入については、参考文献「ふぇらむ、Vol.9(2004) No.10、P721〜728」に記載されている。
コークス中心装入を行った場合、高炉1の中心部におけるO/C(鉱石5の質量/コークス6の質量)の制御が容易にでき、且つ、中心部のガス流の確保、逆V字型の融着帯の形成、炉芯の活性化、通液性の向上が可能である。
高炉1では、炉頂から塊鉱石、鉄鉱石ペレット、焼結鉱、石灰石等の鉱石原料5と、コークス6を交互に層状に装入するとともに、羽口4から熱風を吹き込んで、鉱石原料5の還元、溶融等の一連の反応を行わせて、銑鉄を製造している。
さて、高炉1への原料装入については、コークス6と鉱石原料5を交互に装入し、それぞれを2バッチ以上に分割して炉内へ装入するのが、一般的である。
本発明においては、鉱石5をnバッチ(n=2)に分割して装入する過程を例に挙げて、説明している。このように、鉱石装入バッチOが2バッチの場合、O(n-1)=OIで、On=OIIでとなる。すなわち、O(n-1)は、鉱石装入Oに関しての(n-1)バッチ目の意味であり、Onは、鉱石装入Oに関してのnバッチ目(n-1+1バッチ目)の意味である。
図5に示すように、例えば、コークス装入の第1バッチ目(CI)、コークス装入の第2バッチ目(CII)、中心装入コークスの第1バッチ目(CCCI)、鉱石装入の第1バッチ目(OI)、中心装入コークスの第2バッチ目(CCCII)、鉱石装入の第2バッチ(OII)に分割して(=まとめて1チャージと呼ぶ)、炉内へコークス6と鉱石原料5を交互に層状に装入する。
なお、チャージ(ch)とは、装入する鉱石5とコークス6を一組としたものである。
つまり、CIは、コークス装入Cに関しての1バッチ目の意味であり、CIIは、コークス装入Cに関しての2バッチ目(I+1バッチ目)の意味である。CCCIは、中心装入コークスCCに関して1バッチ目の意味であり、CCCIIは、中心装入コークスCCに関しての2バッチ目(I+1バッチ目)の意味である。
コークス6は、炉内においてスペーサの役割、すなわち炉内の通気性を確保する役割を果たすものである。そのため、コークス6に対しては、粉化しない強度と、充填層の空隙を保つための粒子径が求められる。詳細は後述するが、コークス比と炉下部圧損指数をグラフに表すと、右肩下がり関係となる。つまり、コークス比が増加すると炉下部圧損指数は減少する関係となる。炉内の通気性が悪化した場合、コークス比を増加させる対応をとって、炉下部通気指数が一定値を超えないようにする。
本実施形態においては、篩いを通して粒子径の上限及び下限をカットし、「粒子径=30mm以上100mm以下」となるように、コークス6の粒度を調整した。
コークス6の粒子径を30mm以上100mm以下とした場合、粒度が大きく、粒径幅が狭いため、コークス層の空隙率を高く保持することができる。
しかし、コークス6の粒子径の下限が30mm未満である場合、細かいコークス6がコークス層の間隙を埋めるため、コークス層の空隙率が低下してしまい、コークス層の通気性が悪化することとなる。そのため、コークス比を増加させる対応をとる必要がある。
また一方で、コークス6の粒子径の上限が100mmより大きい場合、粒度分布が広くなるため、コークス層の空隙率が低下してしまい、コークス層の通気性が悪化することとなる。そのため、コークス比を増加させる対応をとる必要がある。
以上より、本発明においては、粒子径が30mm以上100mm以下のコークス6を用いることとしている。
また、本発明においては、鉱石5と交互に層状に装入する層状装入コークス、鉱石5と同時に混合した上で装入する混合装入コークス、高炉1の中心部に別に装入する中心装入コークスとして装入することとしている。
なお、層状装入コークスの溶銑1トン当たりの質量をCA(kg/tp)としている。つまり、CA(kg/tp)は、銑鉄1トンを製造する時に、鉱石5と交互に層状に装入するコークス6の質量(kg)である。
また、混合装入コークスの溶銑1トン当たりの質量をCB(kg/tp)としている。つまり、CB(kg/tp)は、銑鉄1トンを製造する時に、貯鉱槽から鉱石5と同時に切り出し、鉱石5と同時に炉内へ装入するコークス6の質量(kg)である。
また、中心装入コークスの溶銑1トン当たりの質量をCC(kg/tp)としている。つまり、CC(kg/tp)は、銑鉄1トンを製造する時に、高炉1の中心部へ別途、装入するコークス6の質量(kg)である。
上記したようなコークス中心装入を行うことにより、炉上部における通気性(中心流の強化、逆V字型の融着帯)が向上することとなる。また、炉芯における通気性、通液性が改善される。このような良好な効果を得るためには、コークス中心装入量を所定量以上にする必要がある。しかしながら、コークス中心装入量を増加させすぎると、還元効率(COガス利用率:ηCO)が低下することとなるので、適量にして実施するようにする。
CC/(CA+CB+CC)を0.06以上0.13以下とした場合、良好な中心ガス流により、炉内において、安定した通気性を確保することができる。
しかし、CC/(CA+CB+CC)が0.06未満である場合、炉上部の通気性が悪化してしまい、高炉吹き抜けを引き起こす原因となる。また、炉芯の通液性が悪化してしまい、溶銑が炉芯周辺部を流れることにより、炉底煉瓦等の設備損耗などの問題につながってしまうこととなる。
また一方で、CC/(CA+CB+CC)が0.13より大きい場合、ガスが炉内の中心を抜けすぎてしまい、還元効率が低下してしまう。
以上より、本発明においては、高炉1へ装入するコークス6全体(CA+CB+CC)のうち、高炉1の中心部へ別途、装入するコークスCCの割合、CC/(CA+CB+CC)=0.06以上0.13以下としている。
また、鉱石層へコークス6を混合して装入することにより、鉱石5が軟化・溶融する融着帯において、そのコークス6が骨材として働くようになる。その結果、鉱石5が収縮抑制されることで、融着帯における通気性の改善効果が得られる。また、鉱石層へ還元ガスが流入して、還元効率(COガス利用率:ηCO)が向上するようになる。このことは、例えば、特開昭59-41402号公報などに開示されている。
なお、鉱石層へ混合して装入するコークスCBについては、層状に装入するコークスCAの一部を利用する。
図4の左図(OIバッチ目)に示すように、一般的に粒子径や比重が異なる2つの粒子を混合した場合、それぞれが分離することが知られている。コークス6は、鉱石原料5(焼結鉱、鉄鉱石ペレット、塊鉱石等)と比較すると、比重が小さく、サイズ(粒子径)が大きいため、混合して装入した場合でも、その一部が鉱石層の上面へ浮上することとなる。そのため、コークス6が搬送過程で分離されて、炉内へ装入された時には、混合装入コークスCBの一部は、鉱石層の上部へ浮上することとなり、鉱石5との混合状態を維持することが難しい。
そこで、本発明においては、図4の右図(Onバッチ目)に示すように、鉱石層の上部に偏析した混合装入コークスCBを、次点で装入される鉱石5の装入エネルギーを利用して、鉱石5とコークス6を混合することに着目し、貯鉱槽から鉱石5と同時に切り出して、鉱石5と同時に炉内へ装入するコークス6を、効率的に利用する方法を創案した。
1バッチ目から(n-1)バッチ目までにおいて、CB/CAを0.13/(n-1)以上0.35/(n-1)以下とした場合、融着層内でコークス6が骨材として働き、通気性の改善効果が得られることとなる。また、炉下部圧損指数が低下し、コークス比を低減することができる。
しかし、1バッチ目から(n-1)バッチ目までにおいて、CB/CAが0.13/(n-1)未満である場合、混合量が少量であるため、融着帯でのコークス6の骨材効果が発現せず、通気性の改善効果が得られない。また、鉱石層へガスが流入しないため、還元効率も向上しない。
また一方で、1バッチ目から(n-1)バッチ目までにおいて、CB/CAが0.35/(n-1)より大きい場合、コークス層の厚みが低下してしまい、融着帯の通気性が悪化してしまう。
以上より、本発明においては、コークス6に関し、鉱石5の装入における1バッチ目から(n−1)バッチ目までは、鉱石層へ混合するコークス6の質量と層状装入するコークス6の質量の比、CB/CA=0.13/(n-1)以上0.35/(n-1)以下としている。
さて、上記した通り、鉱石5とコークス6は、比重・サイズ等が異なるため、それらを同時に装入した場合、コークス6と鉱石5は分離しやすい。
鉱石装入の最終バッチ(Onバッチ目、2バッチのみの場合はOII)においては、CB/CA=0とすることで、前段階に鉱石5と同時に装入されたコークス6を、効率よく利用することができる。つまり、最終バッチにおいて、コークス6を鉱石5と同時装入せずに、コークスバッチにて使用することとする。
その場合、最終バッチで装入しなかったコークス6を、コークスバッチで使用することで、コークス6の装入物分布の制御が容易となり、効率の良くコークス6を鉱石層へ混合する原料装入手法が可能となる。また、融着帯でのコークス層の厚みの確保にもなるため、炉下部の融着帯において通気性が改善され、炉下部圧損指数が低下し、コークス比を低減させることができる。
しかし、CB/CA=0より大きい場合、Onバッチ目においてはコークス6が装入されるため、鉱石層へ浮上した一部のコークス6は、鉱石層へ混合されなくなってしまう。
図3の右図に示すように、鉱石層に混合されない混合装入コークスCBが存在してしまうこととなる。そのため、余分にコークス6を使用してしまうこととなる。
また、図6の左図に示すように、Onバッチ目のコークス6装入時に、中心に浮上したコークス6が流れ込んで、中心流がブロードになる分布となってしまい、鉱石5と同時装入したコークス6の効果が小さくなる。
以上より、本発明においては、鉱石5の装入における、最終バッチであるnバッチ目(Onバッチ目)では、鉱石層へ混合して装入するコークス6の質量と、層状に装入するコークス6の質量の比、CB/CA=0としている。
図6の右図に示すように、本発明の高炉1の原料装入方法(最終バッチで鉱石5のみ装入)に従って、コークス6と鉱石5を層状に装入すると、最終バッチにおいて、コークス6が鉱石層の上面に浮上しなくなる、つまりコークス6が鉱石層内の混合されることとなる。
[実施例]
以下に、本発明の高炉1の原料装入方法に従って行った実高炉テスト(実施例)及び、本発明と比較するために行った実高炉テスト(比較例)について、説明する。
実高炉テストの実施条件としては、以下の通りである。
内容積4500m3の実高炉1(ベルアーマー式)を使用した。また、出銑比=1.8t/m3/dayとした。なお、出銑比とは、一日当たり(day)の出銑量(t)を、高炉内容積(m3)で割り戻した値である。
溶銑1トン当たりの微粉炭(補助燃料)の吹き込み量を150(kg/tp)以上とし、コークス中心装入を実施しながら、コークス6と鉱石5を層状に装入した。
下部圧損指数が1.7〜2.0の範囲で、高炉操業を行った。なお、下部圧損指数が2.0を超えてしまうと、高炉吹き抜け等の操業トラブルを引き起こす原因となる。そのため、下部通気指数が2.0を超えないように、コークス比を増加させる対応して、調整した。
なお、以下で示す比較例(i)については、コークス6混合を行っていない事例である。また、比較例(ii)については、本発明で規定した条件を満たさずに行った事例である。一方、比較例(iii)については、特開2015-178660号公報に開示されている方法に従って行った事例である。なおこの比較例(iii)の事例も十分に良好なものであるが、本発明は更に良好なものとすべく、鋭意研究を重ねて知見したものである。
表1、2に、本発明の高炉1の原料装入方法に従って行った実高炉テストの結果(実施例)を示す。
表中の還元材比(kg/tp)は、溶銑1トンを製造するにあたりに必要とする還元材の質量(kg)である。なお、還元材は、主にコークス6、微粉炭、重油等である。また、コークス比(kg/tp)は、溶銑1トンを製造するにあたりに必要とするコークス6の質量(kg)である。
表1の実施例の番号1を参照すると、溶銑1トン当たりの微粉炭の吹き込み量が150(kg/tp)であり、鉱石装入バッチの分割数が2バッチ(n=2)であり、粒子径が30mm以上100mm以下である。また、CC/(CA+CB+CC)が0.09で0.06以上0.13以下を満たし、CB/CAが0.20で0.13以上0.35以下を満たし、CB/CAが0.00で規定を満たしている。その結果、炉下部圧損指数が1.79で2.00以下であり、補正コークス比が304(kg/tp)で310(kg/tp)未満となり、良好な結果が得られた。
実施例の番号2〜4は、溶銑1トン当たりの微粉炭の吹き込み量(PCR)を変更した事例の結果である。
例えば、実施例の番号2を参照すると、溶銑1トン当たりの微粉炭の吹き込み量が160(kg/tp)であり、鉱石装入バッチの分割数nが2バッチであり、粒子径が30mm以上100mm以下である。また、CC/(CA+CB+CC)が0.09で0.06以上0.13以下を満たし、CB/CAが0.20で0.13以上0.35以下を満たし、CB/CAが0.00で規定を満たしている。その結果、炉下部圧損指数が1.79で2.00以下であり、補正コークス比が302(kg/tp)で310(kg/tp)未満となり、良好な結果が得られた。
実施例の番号5〜9は、コークス6の粒子径を変更した事例の結果である。
例えば、実施例の番号5を参照すると、溶銑1トン当たりの微粉炭の吹き込み量が150(kg/tp)であり、鉱石装入バッチの分割数nが2バッチであり、粒子径が40mm以上100mm以下である。また、CC/(CA+CB+CC)が0.09で0.06以上0.13以下を満たし、CB/CAが0.20で0.13以上0.35以下を満たし、CB/CAが0.00で規定を満たしている。その結果、炉下部圧損指数が1.78で2.00以下であり、補正コークス比が300(kg/tp)で310(kg/tp)未満となり、良好な結果が得られた。
実施例の番号10〜12は、中心装入コークスの量CCを、下限の方に変更した事例の結果である。
例えば、実施例の番号10を参照すると、溶銑1トン当たりの微粉炭の吹き込み量が150(kg/tp)であり、鉱石装入バッチの分割数nが2バッチであり、粒子径が30mm以上100mm以下である。また、中心装入コークスの量CCが20(kg/tp)であり、CC/(CA+CB+CC)が0.06で0.06以上0.13以下を満たし、CB/CAが0.19で0.13以上0.35以下を満たし、CB/CAが0.00で規定を満たしている。その結果、炉下部圧損指数が1.75で2.00以下であり、補正コークス比が299(kg/tp)で310(kg/tp)未満となり、良好な結果が得られた。
実施例の番号13は、中心装入コークスの量CCを、変更した事例の結果である。
実施例の番号13を参照すると、溶銑1トン当たりの微粉炭の吹き込み量が150(kg/tp)であり、鉱石装入バッチの分割数nが2バッチであり、粒子径が30mm以上100mm以下である。また、中心装入コークスの量CCが40(kg/tp)であり、CC/(CA+CB+CC)が0.12で0.06以上0.13以下を満たし、CB/CAが0.21で0.13以上0.35以下を満たし、CB/CAが0.00で規定を満たしている。その結果、炉下部圧損指数が1.79で2.00以下であり、補正コークス比が299(kg/tp)で310(kg/tp)未満となり、良好な結果が得られた。
実施例の番号14〜16は、中心装入コークスの量CCを、上限の方に変更した事例の結果である。
例えば、実施例の番号14を参照すると、溶銑1トン当たりの微粉炭の吹き込み量が150(kg/tp)であり、鉱石装入バッチの分割数nが2バッチであり、粒子径が30mm以上100mm以下である。また、中心装入コークスの量CCが45(kg/tp)であり、CC/(CA+CB+CC)が0.13で0.06以上0.13以下を満たし、CB/CAが0.21で0.13以上0.35以下を満たし、CB/CAが0.00で規定を満たしている。その結果、炉下部圧損指数が1.77で2.00以下であり、補正コークス比が302(kg/tp)で310(kg/tp)未満となり、良好な結果が得られた。
実施例の番号17〜20は、鉱石装入バッチの分割数(Onバッチ)、すなわちコークス6を混合する層を変更した事例の結果である。
例えば、実施例の番号17を参照すると、溶銑1トン当たりの微粉炭の吹き込み量が150(kg/tp)であり、鉱石装入バッチの分割数nが3バッチであり、粒子径が30mm以上100mm以下である。また、CC/(CA+CB+CC)が0.09で0.06以上0.13以下を満たし、CB/CAが0.10で0.065以上0.175以下を満たし、CB/CAが0.00で規定を満たしている。その結果、炉下部圧損指数が1.82で2.00以下であり、補正コークス比が305(kg/tp)で310(kg/tp)未満となり、良好な結果が得られた。
表2の実施例の番号21〜24は、鉱石装入バッチの分割数(Onバッチ)、すなわちコークス6を混合する層を変更した事例の結果である。
例えば、実施例の番号21を参照すると、溶銑1トン当たりの微粉炭の吹き込み量が150(kg/tp)であり、鉱石装入バッチの分割数nが3バッチであり、粒子径が30mm以上100mm以下である。また、CC/(CA+CB+CC)が0.09で0.06以上0.13以下を満たし、CB/CAが0.10で0.065以上0.175以下を満たし、CB/CAが0.00で規定を満たしている。その結果、炉下部圧損指数が1.79で2.00以下であり、補正コークス比が300(kg/tp)で310(kg/tp)未満となり、良好な結果が得られた。
実施例の番号25〜27は、混合装入コークスの量CBを、下限の方に変更した事例の結果である。
例えば、実施例の番号25を参照すると、溶銑1トン当たりの微粉炭の吹き込み量が150(kg/tp)であり、鉱石装入バッチの分割数nが2バッチであり、粒子径が30mm以上100mm以下である。また、混合装入コークスの量CBが35(kg/tp)であり、CC/(CA+CB+CC)が0.09で0.06以上0.13以下を満たし、CB/CAが0.13で0.13以上0.35以下を満たし、CB/CAが0.00で規定を満たしている。その結果、炉下部圧損指数が1.79で2.00以下であり、補正コークス比が302(kg/tp)で310(kg/tp)未満となり、良好な結果が得られた。
実施例の番号28〜30は、混合装入コークスの量CBを、変更した事例の結果である。
例えば、実施例の番号28を参照すると、溶銑1トン当たりの微粉炭の吹き込み量が150(kg/tp)であり、鉱石装入バッチの分割数nが2バッチであり、粒子径が30mm以上100mm以下である。また、混合装入コークスの量CBが65(kg/tp)であり、CC/(CA+CB+CC)が0.09で0.06以上0.13以下を満たし、CB/CAが0.27で0.13以上0.35以下を満たし、CB/CAが0.00で規定を満たしている。その結果、炉下部圧損指数が1.77で2.00以下であり、補正コークス比が299(kg/tp)で310(kg/tp)未満となり、良好な結果が得られた。
実施例の番号31〜33は、混合装入コークスの量CBを、上限の方に変更した事例の結果である。
例えば、実施例の番号31を参照すると、溶銑1トン当たりの微粉炭の吹き込み量が150(kg/tp)であり、鉱石装入バッチの分割数nが2バッチであり、粒子径が30mm以上100mm以下である。また、混合装入コークスの量CBが75(kg/tp)であり、CC/(CA+CB+CC)が0.09で0.06以上0.13以下を満たし、CB/CAが0.33で0.13以上0.35以下を満たし、CB/CAが0.00で規定を満たしている。その結果、炉下部圧損指数が1.82で2.00以下であり、補正コークス比が303(kg/tp)で310(kg/tp)未満となり、良好な結果が得られた。
また、実施例の番号34〜36は、全て本発明で規定した適正範囲内であるので、炉下部圧損指数、及び、補正コークス比が規定を下回ることとなり、良好な結果が得られた。
表3、4に、本発明と比較するために行った実高炉テストの結果(比較例)を示す。
表3の比較例(i)の番号1〜2は、鉱石層へのコークス6を混合しなかった(CB=0(kg/tp))事例であり、その結果、補正コークス比が規定よりを大きく超えてしまうこととなった。
比較例(ii)の番号3〜4は、コークス6の粒子径の下限を、下限値(30mm)より下回るものとした事例であり、その結果、コークス層の通気性が悪化してしまい、コークス比がかなり増加することとなった。
比較例(ii)の番号5〜6は、コークス6の粒子径の上限値(100mm)、下限値(30mm)ともに規定の範囲外とした事例であり、その結果、コークス層の通気性が悪化してしまい、コークス比がかなり増加することとなった。
比較例(ii)の番号7〜8は、コークス6の粒子径の上限を、上限値(100mm)より上回るものとした事例であり、その結果、コークス層の通気性が悪化してしまい、コークス比がかなり増加することとなった。
比較例(ii)の番号9〜11は、CC/(CA+CB+CC)が下限値(0.06)より下回るものとなった事例であり、その結果、炉上部の通気性が悪化してしまい、コークス比がかなり増加することとなった。
比較例(ii)の番号12〜14は、CC/(CA+CB+CC)が上限値(0.13)より上回るものとなった事例であり、その結果、還元率が低下してしまい、コークス比がかなり増加することとなった。
比較例(ii)の番号15〜16は、CB/CAが下限値(0.13)より下回るものとなった事例であり、その結果、炉下部の通気性の改善効果が得られず、コークス比がかなり増加することとなった。
比較例(ii)の番号17〜18は、CB/CAが上限値(0.35)より上回るものとなった事例であり、その結果、コークススリットの薄層化によって、炉下部の通気性が悪化してしまい、コークス比がかなり増加することとなった。
表3、4の比較例(iii)の番号19〜47は、鉱石装入の最終バッチ(nバッチ目)においてコークスCBを混合した事例であり、その結果、融着帯での通気改善効果が小さく、コークス比がやや増加することとなった。
図7は、上で述べた実施例及び比較例より、コークス比と炉下部圧損指数の関係をまとめたグラフである。
図7を参照すると、本実施例は、比較例よりも、グラフの左下側に集中して存在していることがわかる。つまり、本発明によれば、同じコークス比であるならば、炉下部圧損指数が低くなり、同じレベルの炉下部圧損指数であるならば、コークス比を低くすることができる。
図8は、上で述べた実施例及び比較例より、補正コークス比と炉下部圧損指数の関係をまとめたグラフである。なお、図8中の「補正コークス比」は、(炉下部圧損指数[-]=-0.0067×コークス比[kg/tp]+4.0567)という関係式から、炉下部圧損指数が2.0となる際のコークス比を示したものである。
図8を参照すると、本実施例は、補正コークス比が310(kg/tp)未満となっており、本発明に従って行えば、良好な結果が得られることがわかる。なお、図8においては、比較例(iii)(特開2015-178660号公報に開示の技術)で、補正コークス比が下限値未満となったものも効果ありとしている。
以上、本発明によれば、ベルアーマー式の高炉1において原料を装入する際に、コークス6を鉱石層へ混合することで、炉下部の融着帯の通気性を改善し、炉下部圧損指数を低下させて、コークス比を低減させることができる。これにより、還元材比の低減及び高生産性を達成することができる。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。
特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
1 高炉
2 ベルカップ
3 アーマー
4 羽口
5 鉱石(鉱石原料)
6 コークス

Claims (1)

  1. 溶銑1トン当たりの微粉炭の吹き込み量が150(kg/tp)以上の操業を行うベルアーマー式の高炉にて、コークス中心装入を行いながら、コークスと鉱石を層状に装入する高炉の原料装入方法において、
    前記鉱石をnバッチに分割して装入し、
    粒子径が30mm以上100mm以下のコークスを、前記鉱石と交互に層状に装入する層状装入コークス、前記鉱石と同時に混合した上で装入する混合装入コークス、前記高炉の中心部に別に装入する中心装入コークスとして装入するに際し、
    前記層状装入コークスの溶銑1トン当たりの質量をCA(kg/tp)とし、前記混合装入コークスの溶銑1トン当たりの質量をCB(kg/tp)とし、前記中心装入コークスの溶銑1トン当たりの質量をCC(kg/tp)とした時に、CC/(CA+CB+CC)=0.06以上0.13以下とし、
    前記鉱石の装入における1バッチ目から(n−1)バッチ目までは、前記コークスに関し、CB/CA=0.13/(n-1)以上0.35/(n-1)以下とし、
    前記鉱石の装入における、最終バッチであるnバッチ目では、前記コークスに関し、CB/CA=0とする
    ことを特徴とする高炉の原料装入方法。
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