JP6769507B2 - 高炉の原料装入方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ベルレス式装入装置を有する高炉における原料装入方法に関する。
高炉の操業では、一般に、炉上部から鉄源である鉱石(焼結鉱、ペレット、塊鉱石など)と還元材および燃料であるコークスが交互に装入され、炉内にはコークス層と鉱石層が交互に積層した原料装入層が形成される。炉下部では羽口から熱風が送風されるとともに、微粉炭や天然ガスなどの補助燃料が吹き込まれる。炉内では高温の還元性ガスが生成して炉内を上昇し、鉱石を還元、溶融することで銑鉄が製造される。
高炉の安定操業を維持するためには、良好な炉内通気性を確保し、炉内ガス流れの安定化(すなわち安定した中心ガス流および炉壁ガス流の確保)を図る必要がある。炉内通気性は、主として装入物(コークスおよび鉱石)の性状、粒度および装入量により大きく影響を受けるが、それに加えて、炉頂からの装入物の装入方法、すなわち炉内に装入する装入物の分布状況(以下、「装入物分布」という)によっても大きく左右される。
この装入物分布の制御については、従来から、高炉の半径方向におけるコークス層と鉱石層の質量比(以下、「(Ore/Coke)」という)の制御が最もよく用いられている。鉱石は炉内で還元性ガスにより還元、昇温して溶融するため、平均粒径で10〜20mm程度の比較的小粒径に調整され、一方、コークスは炉内通気性を確保するために平均粒径で50mm程度の比較的大粒径に調整されており、特に安定したガス流れを得るためには、ベルレス高炉またはベル高炉のいずれの場合にも、炉中心部における(Ore/Coke)の値を小さくするのが有効であることが知られている。
近年、地球温暖化防止の観点からCOの削減が求められている。鉄鋼業においては、CO排出量の約70%が高炉によるものであり、高炉におけるCO排出量の削減が求められる。高炉におけるCO削減は、高炉で使用する還元材(コークス、微粉炭、天然ガスなど)の削減により可能である。
しかしながら、還元材、特にコークスを削減する場合、炉内通気性を担保しているコークスが減少するため、高炉内全体で(Ore/Coke)の値が大きくなり、炉内通気抵抗が増加するという問題がある。
特許文献1では、炉内通気性の向上などを目的としてコークスを炉中心部に集中的に装入する場合、その炉中心部のコークスの周囲に鉱石層厚が厚くなる部位が生じ、そのような部位では鉱石の還元負荷が大きくなるため、コークスが消費されて小粒径になり、炉内通気や炉下部での通液性が悪化するという問題があることが提起され、これを防ぐために中心部のコークスの周囲に装入する鉱石に還元鉄を混入させる、或いは還元鉄だけを装入するという方法が示されている。
特願2006−124803号公報
しかし、特許文献1に示される方法では、中心部のコークスの周囲のどの程度の範囲に鉱石層の層厚が大きい部位が存在するのか判断が難しいため、還元鉄を混入させた鉱石或いは還元鉄をどの領域にどの程度装入すれば効果的であるかを判断することは容易ではない。
また、高炉内に原料を装入する場合、1回で装入する量の原料を炉頂ホッパーに投入し、その炉頂ホッパー内を炉内圧力まで昇圧してから炉内への原料装入を行い、その後再び炉頂ホッパー内に原料を投入するために炉頂ホッパー内を大気圧まで排圧する、という工程が必要である。この炉頂ホッパーの昇圧、排圧に要する時間は、原料の量に係らず炉頂ホッパーの容量に応じてほぼ一定である。ここで、特許文献1の方法において還元鉄だけを装入しようとする場合、特許文献1の実施例にも記載があるように、1チャージで装入される鉱石量の10分の1程度の量の還元鉄を装入することになる。しかし、上述したような炉頂ホッパーの昇圧、排圧に要する時間からして、通常のベルレス高炉の炉頂ホッパーでそのような少量の還元鉄を装入するバッチを設定することは、原料装入に必要な時間が長くなることに繋がり、生産性に大きな影響を及ぼすため好ましくない。
したがって本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決し、ベルレス式装入装置を有する高炉において、鉄源の一部として鉄スクラップや還元鉄を装入する際に、炉頂ホッパーからの装入に時間を要することなく、それらを必要とされる領域に的確に装入することができる原料装入方法を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]炉頂部に複数の主ホッパーと、該主ホッパーよりも容量の小さい副ホッパーを有するベルレス装入装置を備えた高炉における原料装入方法であって、
高炉内の炉頂部における炉半径方向でのガス組成分布(x)を測定し、該ガス組成分布(x)に基づきCO%/(CO%+CO%)の値が0.57以上となる炉半径方向での領域(A)を特定し、1つの主ホッパーに保持された鉱石を排出して旋回シュートにより炉内に装入する際に、鉱石が領域(A)に落下する期間の一部又は全部において、副ホッパーに保持された鉄スクラップ又は/及び還元鉄を排出して鉱石とともに装入し、当該鉄スクラップ又は/及び還元鉄の鉄分と同等の量に相当する鉱石と置換することを特徴とする高炉の原料装入方法。
[2]上記[1]の原料装入方法において、副ホッパーに複数チャージ分の鉄スクラップ又は/及び還元鉄を保持させておき、鉄スクラップ又は/及び還元鉄の装入が必要な各チャージ毎に、副ホッパーに保持された鉄スクラップ又は/及び還元鉄のなかから1チャージ分の鉄スクラップ又は/及び還元鉄を装入することを特徴とする高炉の原料装入方法。
[3]上記[2]の原料装入方法において、1チャージの鉱石装入を複数バッチで行う場合に、1チャージ分の鉄スクラップ又は/及び還元鉄を、1つのバッチのみで装入するか、若しくは複数のバッチに分割して装入することを特徴とする高炉の原料装入方法。
[4]上記[1]〜[3]のいずれかの原料装入方法において、1つの主ホッパーに保持された鉱石を排出して旋回シュートにより炉中心側から炉壁側に向かって順次装入する際に、
装入すべき鉱石全量の28質量%の装入が完了した時点から60質量%の装入が完了する時点までの期間の一部又は全部において、副ホッパーから鉄スクラップ又は/及び還元鉄を排出することを特徴とする高炉の原料装入方法。
[5]上記[1]〜[3]のいずれかの原料装入方法において、1つの主ホッパーに保持された鉱石を排出して旋回シュートにより炉壁側から炉中心側に向かって順次装入する際に、
装入すべき鉱石全量の35質量%の装入が完了した時点から82質量%の装入が完了する時点までの期間の一部又は全部において、副ホッパーから鉄スクラップ又は/及び還元鉄を排出することを特徴とする高炉の原料装入方法。
[6]上記[1]〜[5]のいずれかの原料装入方法において、さらに、ガス組成分布(x)に基づきCO%/(CO%+CO%)の値が0.65以上となる炉半径方向での領域(A)を特定し、鉱石が領域(A)に落下する期間の一部又は全部においては、副ホッパーからの鉄スクラップ又は/及び還元鉄の排出速度を、他の期間での排出速度の1.5倍以上とすることを特徴とする高炉の原料装入方法。
本発明によれば、高炉半径方向において還元負荷の大きい部位に限定して鉄スクラップや還元鉄を装入することができるため、炉内での鉱石の還元状態を効果的に安定化させることができ、またガス流れも安定化させることができる。また、鉄スクラップや還元鉄を炉頂部に設けられた副ホッパーを通じて装入するため、炉頂ホッパーからの装入に時間を要することもない。さらに、本発明において、副ホッパーに複数チャージ分の原料(鉄スクラップや還元鉄)を保持させておき、これを複数チャージにわたって分割して装入することにより、副ホッパーへの原料の搬送・投入を各チャージ毎に行う必要がないため、副ホッパーへの原料の搬送・投入頻度(投入回数)を少なくすることができる。このため、副ホッパーへの原料投入に伴う副ホッパー内の圧力調整に要するトータルの時間を大幅に低減することができ、また、原料を副ホッパーに搬送するための搬送スケジュール調整などの負担も軽減することができる。これにより、副ホッパーを用いた鉄スクラップや還元鉄の装入を、高炉の生産性や操業安定性を損なうことなく行うことができる。
以上のことから本発明によれば、高い生産性で安定した高炉操業が可能となる。
本発明で使用する高炉のベルレス装入装置の一実施形態を模式的に示す全体斜視図(部分切欠き斜視図) 図1のII−II線に沿う模式断面図 本発明で使用する高炉のベルレス装入装置の他の実施形態を模式的に示す全体斜視図(部分切欠き斜視図) 図3のIV−IV線に沿う模式断面図 高炉内の炉頂部におけるCO%/(CO%+CO%)の標準的な炉半径方向分布を示す図面 旋回シュートにより原料を炉中心側から炉壁側に向かって又は炉壁側から炉中心側に向かって順次装入した際の原料の装入範囲を、高炉無次元半径と装入比率(旋回シュートにより原料を炉中心側から炉壁側に向かって又は炉壁側から炉中心側に向かって順次装入する際に、装入すべき鉱石全量のうち炉半径方向の各装入位置において装入が完了した鉱石の割合)との関係で示す図面 炉内の原料装入層最上部の炉半径方向での縦断面を示した模式図 旋回シュートによる原料の装入範囲及びその中心位置(装入中心位置)を無次元半径と装入比率との関係で示した図面 実施例で使用した模型試験装置を示す説明図 図9の模型試験装置で行った排出原料の分割回収の方法を示す図面 実施例において、旋回シュートにより炉中心側から炉壁側に向かって原料を順次装入したときの、排出原料中の鉄スクラップの比率(スクラップ比率)を装入比率との関係で示すグラフ 実施例において、旋回シュートにより炉壁側から炉中心側に向かって原料を順次装入したときの、排出原料中の鉄スクラップの比率(スクラップ比率)を装入比率との関係で示すグラフ
本発明では、炉頂部に複数の主ホッパーと、この主ホッパーよりも容量の小さい副ホッパーを有するベルレス装入装置を用い、複数の主ホッパーのうちの1つ以上の主ホッパーに鉱石を保持し、副ホッパーには鉄スクラップ又は/及び還元鉄(以下、説明の便宜上「鉄スクラップ等」という。)を保持し、これら主ホッパーと副ホッパーからそれぞれ鉱石と鉄スクラップ等を炉内に装入する。このような原料装入では、主ホッパー及び副ホッパーからの原料の切り出し量により鉄スクラップ等の混合比率を変更することができるため、鉄スクラップ等を好ましい混合形態に容易に制御することができる。
本発明において鉱石とは、鉄源である焼結鉱、塊鉱石、ペレットなどの1種以上を意味する。また、鉱石には、主にスラグの成分調整を目的とした副原料(例えば、石灰石、珪石、蛇紋岩など)が混合される場合があるが、本発明はこのような場合を含む。
また、本発明において鉱石と置換する鉄スクラップ等の量は、還元負荷低減の効果が発現する最低使用量を勘案して、装入される鉱石中の鉄分の2質量%以上とすることが想定される。また、鉄スクラップ等の使用量が多い場合は、特定部位に集中的に投入しなくても、高還元負荷領域を含めて鉱石中への混合量が増加するため、装入される鉱石中の鉄分の20質量%以下の条件で本発明を適用するのが望ましい。
図1及び図2は、本発明で使用する高炉のベルレス装入装置の一実施形態を模式的に示したものであり、図1は炉体上部を切り欠いた状態で示す全体斜視図、図2は図1のII−II線に沿う模式断面図である。このベルレス装入装置1aは、炉体中心軸を中心とする1つの仮想円(炉体水平断面における仮想円)上にホッパー中心軸を有する3基の主ホッパー2と、これら複数の主ホッパー2の外側に配置された1基の副ホッパー3を有している。
また、図3及び図4は、本発明で使用する高炉のベルレス装入装置の他の実施形態を模式的に示したものであり、図3は炉体上部を切り欠いた状態で示す全体斜視図、図4は図3のIV−IV線に沿う模式断面図である。図1及び図2の実施形態と同様、このベルレス装入装置1bも炉体中心軸を中心とする1つの仮想円(炉体水平断面における仮想円)上にホッパー中心軸を有する3基の主ホッパー2と、1基の副ホッパー3を有しているが、この副ホッパー3は3基の主ホッパー2に中心に配置され、そのホッパー本体及び排出口の中心軸が炉体中心軸と一致するように設けられている。
以上のような各実施形態のベルレス装入装置1a,1bにおいて、主ホッパー2から排出された鉱石と副ホッパー3から排出された鉄スクラップ等は、集合ホッパー5を経由して旋回シュート4から炉内に装入される。その他図面において、6は高炉本体、7は装入ベルトコンベアである。
また、副ホッパー3は、鉄スクラップ等の排出速度を制御できるようにするため、その排出口に流量調整弁(図示せず)を備えている。
副ホッパー3は、少量原料用のホッパーであるため、複数ある主ホッパー2のそれぞれに較べて容量が小さい。ここで、副ホッパー3の容量に特別な制限はないが、副ホッパーの容量が過大であると、設備レイアウトなどの面で不利な場合があると考えられる。副ホッパー容量の目安としては、後述するように、例えば、鉄スクラップ比50kg/t(嵩密度3.0)、鉱石比1550kg/t(嵩密度1.85)の場合は、鉄スクラップの鉱石に対する体積は1/50となり、鉱石を貯蔵する主ホッパーに対して副ホッパーの容量が30%であれば15チャージ(0.3/(1/50)≒15.5)の装入分の鉄スクラップが副ホッパーに貯蔵できることから、主ホッパー容量の30%程度が副ホッパー容量の目安と言える。
また、後述するように本発明では、副ホッパー3に複数チャージ分の鉄スクラップ等を保持させておき、これを複数チャージにわたって分割して装入することが好ましいが、副ホッパー3から払い出される際の鉄スクラップ等の流動(降下)がファネルフローであると、副ホッパー3から払い出される鉄スクラップ等の粒径がチャージ毎に変動するおそれがあり、このように各チャージで装入される原料の粒径に変動があると、炉内のガス流れが不安定になるおそれがある。この対策として、副ホッパー3から払い出される際の鉄スクラップ等の流動(降下)がマスフロー(ホッパー内の横手方向の原料の降下速度がほぼ一様であって速度分布がほとんどなく、下部側に位置する原料から順に払い出され、最後に最上部に位置する原料が払い出される現象)になるようにし、副ホッパー3に投入・保持された原料がそのまま順番に払い出されるようにすることが望ましい。そのため、副ホッパー3の排出口の径をd、ホッパー本体の径をdとした場合、ホッパー本体の径dがd11<d≦1.5×dを満足することが好ましい。これにより、副ホッパー3から払い出される際の鉄スクラップ等の流動(降下)をマスフローにすることができる。
以下、上述したようなベルレス装入装置を使用する場合を例に、本発明の原料装入方法の詳細を説明する。
高炉の炉上部では、ガス濃度のうちCO/(CO+CO)に濃淡がある。高炉内では、還元ガスであるCOが酸化鉄と反応し、酸素を得ることでCOに変わる。CO/(CO+CO)はガス利用率と呼ばれ、その値が高い領域は還元反応の負荷が高いことを示しており、一般に、CO/(CO+CO)が0.57以上の領域が、高還元負荷の領域であると考えられる。図5に、高炉内の炉頂部におけるCO/(CO+CO)の標準的な炉半径方向分布を示すが、この炉半径方向分布の場合には、特に高還元負荷と考えられるCO/(CO+CO)が0.57以上の領域は無次元半径0.4〜0.7の範囲であり、この領域に鉄スクラップ等を装入すれば還元負荷が緩和できると考えられる。
そこで、本発明では、高炉内の炉頂部における炉半径方向でのガス組成分布(x)を測定し、このガス組成分布(x)に基づきCO%/(CO%+CO%)の値が0.57以上となる炉半径方向での領域(A)を特定し、1つの主ホッパー2に保持された鉱石を排出して旋回シュート4により炉内に装入する際に、鉱石が領域(A)に落下する期間の一部又は全部において、副ホッパー3に保持された鉄スクラップ等を排出して鉱石とともに装入し、当該鉄スクラップ又は/及び還元鉄の鉄分と同等の量に相当する鉱石と置換する。ここで、鉄スクラップ等の排出を行う期間は、必要とされる鉄スクラップ等の混合形態に応じて決めればよい。
高炉内の炉頂部における炉半径方向でのガス組成分布(x)は、通常、高炉内の炉頂部において炉半径方向の複数箇所(通常5〜7箇所程度)でガスサンプリングを行い、そのガス分析を行うことで求める。
図6に、旋回シュート4による原料の装入範囲を高炉無次元半径と装入比率との関係で示す。この図6の原料装入範囲は、図9に示した1/20スケールの模型試験装置により求めたものである。図6(a)は原料を炉中心側から炉壁側に向かって順次装入した場合の原料装入範囲を、図6(b)は原料を炉壁側から炉中心側に向かって順次装入した場合の原料装入範囲を、それぞれ示している。ここで、装入範囲は、高炉内へ旋回シュートから原料が装入されたときに原料が広がる範囲を示している。高炉炉頂の原料の堆積面は炉中心部が最も低い位置となるすり鉢状となっており、その斜面に旋回シュートから原料が落下した位置を装入中心位置とする。そして、その装入中心位置から炉中心方向および炉壁方向へ原料が広がって堆積した範囲を装入範囲としている。炉中心側から炉壁側へと旋回シュートを移動させると、すり鉢状の斜面の下側から原料が装入されるので、炉中心側への原料の広がりは抑制されるため、炉壁側から炉中心側へ旋回シュートを移動させる場合に比べて装入範囲の幅は狭くなる。また、図6の横軸の「装入比率」とは、旋回シュート4により原料を炉中心側から炉壁側に向かって又は炉壁側から炉中心側に向かって順次装入する際に、装入すべき鉱石全量のうち、炉半径方向の各装入位置において装入が完了した鉱石の割合であり、例えば、装入比率0.1とは、装入すべき鉱石全量のうち、その装入位置において10質量%の装入が完了したことを示す。また、図6(a)、(b)に示された「装入範囲」とは、旋回シュート4から排出されて装入ベース面上に堆積した原料の山の炉半径方向での装入(堆積)範囲である。図7は、炉内の原料装入層最上部の炉径方向での縦断面を示した模式図であり、この図中に「装入範囲」とその中心である「装入中心位置」を示した。
図6によれば、無次元半径0.4〜0.7の領域は、原料を炉中心側から炉壁側に向かって順次装入した場合(図6(a)の場合)は装入比率0.28〜0.60の領域であり、また、原料を炉壁側から炉中心側に向かって順次装入した場合(図6(b)の場合)は装入比率0.35〜0.82の領域である。
したがって、CO%/(CO%+CO%)の値が0.57以上となる炉半径方向での領域(A)が無次元半径0.4〜0.7の領域であって、1つの主ホッパー2に保持された鉱石を排出して旋回シュート4により炉中心側から炉壁側に向かって順次装入する場合には、装入すべき鉱石全量の28質量%の装入が完了した時点から60質量%の装入が完了する時点までの期間の一部又は全部において、副ホッパー3から鉄スクラップ等を排出すればよい。
また、CO%/(CO%+CO%)の値が0.57以上となる炉半径方向での領域(A)が無次元半径0.4〜0.7の領域であって、1つの主ホッパー2に保持された鉱石を排出して旋回シュート4により炉壁側から炉中心側に向かって順次装入する場合には、装入すべき鉱石全量の35質量%の装入が完了した時点から82質量%の装入が完了する時点までの期間の一部又は全部において、副ホッパー3から鉄スクラップ等を排出すればよい。
なお、上記のような特定の無次元半径領域(特定の装入比率の領域)において鉄スクラップ等を含む原料の装入を行う場合、図7に示す装入原料の山aのように「装入中心位置」がその指定範囲(上記特定の無次元半径領域)内に入るようにする必要がある。例えば、図7の装入原料の山aのように「装入中心位置」が指定範囲(上記特定の無次元半径領域)内にない場合は、装入範囲と指定範囲が一部重複していても、装入原料の山の過半数が指定範囲外となってしまう場合があるので、好ましくない。図8は、原料の装入範囲及びその中心位置(装入中心位置)を無次元半径と装入比率との関係で示したものであり、「装入中心位置」を基準とした場合には、例えば、無次元半径0.4〜0.6の領域が装入比率0.27〜0.46の領域となる。
また、図5に示されるCO%/(CO%+CO%)の半径方向分布は0.60未満であるが、CO%/(CO%+CO%)がさらに高くなることがあり、CO%/(CO%+CO%)が0.65以上の領域は、特に高還元負荷の領域であると考えられる。このため、そのような領域が存在する場合には、その領域に対してより多くの鉄スクラップ等を混合することが好ましい。このため本発明では、さらに、ガス組成分布(x)に基づきCO%/(CO%+CO%)の値が0.65以上となる炉半径方向での領域(A)を特定し、鉱石が領域(A)に落下する期間の一部又は全部においては、副ホッパー3からの鉄スクラップ等の排出速度を、他の期間での排出速度の1.5倍以上とすることが好ましい。上記の形態で鉄スクラップ等の排出を行う期間は、必要とされる鉄スクラップ等の混合形態に応じて決めればよい。
本発明の好ましい実施形態として、副ホッパー3に複数チャージ分の鉄スクラップ等(すなわち主原料である鉱石の複数チャージに装入する複数チャージ分の鉄スクラップ等)を保持させておき、鉄スクラップ等の装入が必要な各チャージ毎に、副ホッパー3に保持された鉄スクラップ等のなかから1チャージ分の鉄スクラップ等を装入することが好ましい。
副ホッパー3から装入される1チャージ分の鉄スクラップ等は、主ホッパー2から装入される主原料である鉱石に較べて少量であるが、少量原料とはいえ、副ホッパー3に鉄スクラップ等を投入する際には、副ホッパー内の圧力調整(排圧、均圧)にそれなりの時間を要する。ここで、各チャージの原料装入にあたり、副ホッパー3に1チャージ分の鉄スクラップ等のみを保持させ、副ホッパー3から1チャージ分の鉄スクラップ等が装入される度に、副ホッパー3に対して1チャージ分の鉄スクラップ等を搬送・投入するようにした場合、その都度、副ホッパー3内の圧力調整(排圧、均圧)を行う必要があり、これが高炉の生産性に影響を及ぼすおそれがある。また、鉄スクラップ等を副ホッパーに搬送するための搬送スケジュール調整などの負担も増大し、生産性や操業安定性に影響を及ぼすおそれもある。
これに対して、副ホッパー3に複数チャージ分の鉄スクラップ等を保持(貯蔵)させておき、これを複数チャージにわたって分割して装入することにより、副ホッパー3への鉄スクラップ等の搬送・投入を各チャージ毎に行う必要がないため、副ホッパー3への鉄スクラップ等の投入頻度(投入回数)を少なくすることができ、投入に伴う副ホッパー3内の圧力調整に要するトータルの時間を大幅に低減することができ、また、鉄スクラップ等を副ホッパー3に搬送するための搬送スケジュール調整などの負担も軽減することができる。このため、副ホッパー3を用いた鉄スクラップ等の装入を、高炉の生産性や操業安定性を損なうことなく行うことができる。
この実施形態では、副ホッパー3に保持(貯蔵)された複数チャージ分の鉄スクラップ等は、鉄スクラップ等の装入が必要な各チャージ毎に、1チャージ分ずつ分割して装入される。また、1チャージの鉱石装入を複数バッチで行う場合には、状況に応じて、1チャージ分の鉄スクラップ等を、1つのバッチのみで装入してもよいし、複数のバッチに分割して装入してもよい。
また、一度に副ホッパー3に投入・保持される鉄スクラップ等の量は2チャージ分以上であればよく特に制限はないが、高炉の生産性や操業安定性の面から、上述したような効果が特に顕著に得られるようにするには、10〜20チャージ分程度の鉄スクラップ等が副ホッパー3に投入・保持されることが好ましい。
具体例としては、鉱石比1550kg/t(嵩密度1.85)、鉄スクラップ比50kg/t(嵩密度3.0)の場合、両者の体積比は50:1となる。ここで、例えば、鉱石装入に用いる主ホッパー2に対して容積比30%の副ホッパー3を鉄スクラップ装入に用いる場合、鉱石装入の1チャージが1バッチでなされるとすると、副ホッパー3には15チャージ(50×0.3)分の鉄スクラップを保持(貯蔵)させることができ、この場合には、15チャージに1回、鉄スクラップを炉頂上に搬送して副ホッパー3に投入すればよいことになる。つまり、15チャージに1回、鉄スクラップの投入のために副ホッパー3内の圧力調整(排圧、均圧)を行えばよく、それ以外の各チャージでは、副ホッパー3内の圧力を炉内圧と同じに維持したまま、ゲートの開閉で投入量を制御すればよい。
なお、図1及び図2のベルレス装入装置と、図3及び図4のベルレス装入装置を較べた場合、副ホッパー3が高炉中心軸を外れて配置された図1及び図2のベルレス装入装置1aでは、旋回シュート4の旋回位置が、高炉中心軸に対して副ホッパー側である場合と反副ホッパー側である場合で、原料流の落下位置に偏差を生じる。これに対して、副ホッパー3の本体及び排出口の中心軸が炉体中心軸と一致する図3及び図4のベルレス装入装置1bは、主ホッパー2から切出される原料と副ホッパー3から切出される原料の速度ベクトルの絶対値が全ての主ホッパー2で同じになり、原料流の落下位置に上記のような偏差を生じることがない。このため原料の落下位置を高精度に制御することが容易である。また、集合ホッパー5の直上に副ホッパー3が存在することで、副ホッパー3から集合ホッパー5までの原料流路が省略でき、排出タイミング等の調整も容易となる。
図9に示すような1/20スケールの模型試験装置を用い、鉱石と鉄スクラップの装入試験を行った。なお、この模型試験装置の副ホッパーは、鉄スクラップの排出速度を制御できるようにするため、その排出口に流量調整弁(図示せず)を備えている。発明例では、主ホッパーに鉱石を、副ホッパーに鉄スクラップをそれぞれ保持させ、主ホッパーからの鉱石の排出期間の一部において、副ホッパーから鉄スクラップを排出した。一方、比較例では、従来法に準じて主ホッパーのみを用い、主ホッパーに鉱石と鉄スクラップを所定の状態に装入し、主ホッパーからこれらを排出した。
この試験では、図10に示すように模型試験装置から旋回シュートを取り外し、搬送コンベア上に複数個のサンプリングボックスを設置し、このサンプリングボックスを原料排出と同期して一定速度で移動することで、排出原料を分割回収した。回収した排出原料について、鉄スクラップを磁力選別することで排出原料中の鉄スクラップの比率を求めた。
旋回シュートにより炉中心側から炉壁側に向かって原料を順次装入した場合を想定した上記装入試験において、排出原料中の鉄スクラップの比率(スクラップ比率)を上記方法で調べた結果を図11に示す。
図11によれば、比較例1に対して、発明例1では目標とする装入比率0.28〜0.60の領域に的確に鉄スクラップを装入できていることが判る。また、さらに最もCO/(CO+CO)の値が高い領域に集中して鉄スクラップを装入する発明例2のような操作も可能であることを確認した。
また、旋回シュートにより炉壁側から炉中心側に向かって原料を順次装入した場合を想定した上記装入試験において、排出原料中の鉄スクラップの比率(スクラップ比率)を上記方法で調べた結果を図12に示す。
図12によれば、比較例2に対して、発明例3では目標とする装入比率0.35〜0.82の領域に的確に鉄スクラップを装入できていることが判る。
表1に、各実施例の操業条件を高炉操業予測モデルにより評価した結果をまとめて示す。これによれば、発明例は目標のタイミングで鉄スクラップを排出できたことから、通気性や還元性が改善し、高炉の還元材比の低減が可能であった。この結果から、本発明により高炉の還元材比の低減が可能であることが確認できた。
Figure 0006769507
1a,1b ベルレス装入装置
2 主ホッパー
3 副ホッパー
4 旋回シュート
5 集合ホッパー
6 高炉本体
7 装入ベルトコンベア

Claims (6)

  1. 炉頂部に複数の主ホッパーと、該主ホッパーよりも容量の小さい副ホッパーを有するベルレス装入装置を備えた高炉における原料装入方法であって、
    高炉内の炉頂部における炉半径方向でのガス組成分布(x)を測定し、該ガス組成分布(x)に基づきCO%/(CO%+CO%)の値が0.57以上となる炉半径方向での領域(A)を特定し、1つの主ホッパーに保持された鉱石を排出して旋回シュートにより炉内に装入する際に、鉱石が領域(A)に落下する期間の一部又は全部において、副ホッパーに保持された鉄スクラップ又は/及び還元鉄を排出して鉱石とともに装入し、当該鉄スクラップ又は/及び還元鉄の鉄分と同等の量に相当する鉱石と置換することを特徴とする高炉の原料装入方法。
  2. 副ホッパーに複数チャージ分の鉄スクラップ又は/及び還元鉄を保持させておき、鉄スクラップ又は/及び還元鉄の装入が必要な各チャージ毎に、副ホッパーに保持された鉄スクラップ又は/及び還元鉄のなかから1チャージ分の鉄スクラップ又は/及び還元鉄を装入することを特徴とする請求項1に記載の高炉の原料装入方法。
  3. 1チャージの鉱石装入を複数バッチで行う場合に、1チャージ分の鉄スクラップ又は/及び還元鉄を、1つのバッチのみで装入するか、若しくは複数のバッチに分割して装入することを特徴とする請求項2に記載の高炉の原料装入方法。
  4. 1つの主ホッパーに保持された鉱石を排出して旋回シュートにより炉中心側から炉壁側に向かって順次装入する際に、
    装入すべき鉱石全量の28質量%の装入が完了した時点から60質量%の装入が完了する時点までの期間の一部又は全部において、副ホッパーから鉄スクラップ又は/及び還元鉄を排出することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高炉の原料装入方法。
  5. 1つの主ホッパーに保持された鉱石を排出して旋回シュートにより炉壁側から炉中心側に向かって順次装入する際に、
    装入すべき鉱石全量の35質量%の装入が完了した時点から82質量%の装入が完了する時点までの期間の一部又は全部において、副ホッパーから鉄スクラップ又は/及び還元鉄を排出することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高炉の原料装入方法。
  6. さらに、ガス組成分布(x)に基づきCO%/(CO%+CO%)の値が0.65以上となる炉半径方向での領域(A)を特定し、鉱石が領域(A)に落下する期間の一部又は全部においては、副ホッパーからの鉄スクラップ又は/及び還元鉄の排出速度を、他の期間での排出速度の1.5倍以上とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の高炉の原料装入方法。
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