JP7264186B2 - 炉頂バンカーおよび高炉の原料装入方法 - Google Patents

炉頂バンカーおよび高炉の原料装入方法 Download PDF

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Description

本発明は、高炉の炉頂部に配設される炉頂バンカー、および、高炉の原料装入方法に関するものである。
高炉では、通常、図1に示すように、焼結鉱、ペレット、塊状鉱石等の鉱石類原料とコークスとを上部から交互に層状に装入して、鉱石層およびコークス層を形成し、羽口先より上方に向かって高温の還元性ガスを流して、銑鉄を得るという操業が行われる。なお、以下、鉱石類原料とコークスを総称して原料ともいう。図中、符号1が高炉、2が羽口、3が鉱石層、4がコークス層、5が融着層である。
このような高炉の操業では、高炉内のガスの流れが、鉱石類原料の還元効率や高炉外への放散熱量に影響する。一般的に、鉱石類原料の還元効率を向上させ、かつ高炉外への放散熱量を低減するためには、高炉の中心部近傍により多くのガスを流すことが望ましいとされている。
この理由として、主に、以下の2つの理由が挙げられる。
(1)高炉の炉壁近傍のガス流量が増えると、高炉外への放散熱量が増加しエネルギー効率が低下する。
(2)高炉下部では、高炉内に装入された鉱石類原料が、還元ガスにより昇温および還元され、融着帯が形成される。融着帯は、鉱石類原料の粒子同士が互いに融着した岩盤状の構造となる融着層と、コークスが単体で存在するコークススリットとが、交互に存在する領域である。融着層は、上述したように鉱石類原料の粒子同士が互いに融着した岩盤状の構造となるため、層内の空隙率は極めて低い。一方、コークススリットの空隙率は、融着層よりも高い。そのため、融着帯では、鉛直方向下方より流れてくるガスが、コークススリットを選択的に流れる。ここで、高炉の中心部近傍を流れるガス量が増加すると、融着帯の高さ領域が拡張される。その結果、融着帯におけるコークススリット数が増加し、ガスの通気性が向上する。
高炉の中心部近傍のガス流量を増加させるには、高炉の半径方向において、中心部近傍に大粒径原料を配置し、高炉の炉壁近傍に小粒径原料を配置することが有効である。
これは、大粒径の粒子の充填層と、小粒径の粒子の充填層とを比較すると、前者の方が充填された粒子の合計の比表面積が小さくなる、すなわち、当該充填層中を流れるガスと粒子との摩擦が低減され、ガス流量が増加するからである。
そのため、高炉内に形成される鉱石層およびコークス層について、粒度分布、さらには層厚などを制御して、高炉の中心部近傍のガス流量を増加させようとする技術が、種々提案されている。
例えば、特許文献1には、
「旋回シュートを備え、炉頂にバンカーを並列に配置したベルレス型装入装置を用いた高炉の原料装入方法であって、
高炉に装入する原料を一時貯溜し、その下方に設けた旋回シュートヘ払い出す炉頂バンカーを介して、該原料を炉内へ装入するに際して、
前記炉頂バンカー内に傾動自在な可動板を設け、該炉頂バンカヘ装入される原料を該可動板へ衝突させ、旋回シュートの先端を高炉内の周辺から中心方向に向けて傾動させる場合には、原料の落下方向が、該炉頂バンカーの排出ロの方向となるように、可動板を操作し、炉頂バンカー内へ装入される原料の落下位置を、該原料の排出口の直上部として、炉頂バンカー内には、原料の堆積特性より細粒が排出口近くに集まり、そこから離れた位置に粗粒が集まるようにし、
旋回シュートの先端を高炉内の中心から周辺方向に向けて傾動させる場合には、原料の落下方向が、該炉頂バンカーの排出ロの反対方向となるように、可動板を操作し、炉頂バンカー内へ装入される原料の落下位置を排出口から離れた側壁とし、粗粒の原料が、排出口近くに集まり、細粒が該排出口から遠くに集まるようにして、
高炉の中心部へ粗粒を堆積させることを特徴とする炉頂バンカー及びベルレス型装入装置を用いた高炉の原料装入方法。」
が提案されている。
特許第4591520号
ところで、図2に示すようなベルレス式高炉では、高炉に装入する原料を一時的に貯留する炉頂バンカーが、高炉の炉頂部分に配設される。そして、流量調整ゲートを開いて炉頂バンカーから排出される原料を、集合ホッパーや旋回シュートを介して、高炉内に装入する。この際、旋回シュートの半径方向の先端位置を変更(以下、傾動ともいう)して、高炉の半径方向における原料の落下位置を調整することがある。
なお、図中、符号6が炉頂バンカー、7が流量調整ゲート、8が集合ホッパー、9が旋回シュートである。
すなわち、旋回シュートは、高炉への原料装入時、高炉の軸心を回転軸とし、高炉の周方向に一定の速度で旋回しつつ、一定の間隔で傾動を行う。傾動のタイプは大きく2つに分けられ、高炉の炉壁近傍から高炉の中心部へと傾動させる場合を順傾動装入と、高炉の中心部から高炉の炉壁近傍へと傾動させる場合を逆傾動装入と呼ぶ。
このうち、逆傾動装入は、原料を高炉内に装入・堆積させた後、原料が高炉の中心部へ流れ込むことを抑制する効果がある。そのため、逆傾動装入は、順傾動装入と比較して、原料堆積形状が安定化し易く、高炉内の原料粒度分布などを制御するうえで有利となる。
前述したように、高炉の中心部近傍のガス流量を増加させるという観点からは、高炉の半径方向において、中心部近傍に大粒径原料を配置し、高炉の炉壁近傍に小粒径原料を配置することが有効である。本明細書では、高炉の炉頂部から装入されるコークス、鉱石(塊成化された鉱石を含む)、および、石灰石などの副原料を総称して原料と呼ぶ。これらの原料のすべてについて、高炉の中心部に大粒径のものを配置することが最も好ましいが、そのうちのコークス、鉱石、および、コークスと鉱石の混合物のいずれか1種以上について中心部に大粒径のものを配置しても有効である。
炉頂バンカーには、通常、1バッチあたりの原料が貯留される。そのため、逆傾動装入を行う場合には、炉頂バンカーからの原料排出初期に、大粒径原料が、多数排出されるような炉頂バンカー内の原料粒度分布とすることが好ましい。
この点、特許文献1の技術は、炉頂バンカー内に設けた傾動自在な可動板(以下、偏析制御板ともいう)を用いて、炉頂バンカー内に貯留される原料を意図的に偏析させ、これにより、傾動方式に応じて、好ましい炉頂バンカー内の原料粒度分布を実現しようとするものである。
しかし、特許文献1の技術では、逆傾動装入に適した炉頂バンカー内の原料粒度分布を十分には実現できない、すなわち、炉頂バンカーからの原料排出中期~末期に排出される原料に、大粒径原料が一定数混在して、結果的に、高炉の炉壁近傍に大粒径原料が一定数混在する場合があった。
本発明は、上記の現状に鑑み開発されたものであって、逆傾動装入を行う場合に適した、炉頂バンカー内の原料粒度分布を実現することが可能な炉頂バンカーを、この炉頂バンカーを用いた高炉の原料装入方法とともに、提供することを目的とする。
さて、発明者らは、上記の目的を達成すべく、鋭意検討を重ねた。
まず、発明者らは、特許文献1の技術において、逆傾動装入に適した炉頂バンカー内の原料粒度分布が十分に実現されない場合がある理由を調査した。
一般的に、炉頂バンカーから排出される原料を受ける集合ホッパーをコンパクト化する観点およびバンカー内の粒度偏析を強化する観点から、炉頂バンカーの原料排出口は、図3に示すように、水平面(鉛直方向への投影面)において、原料貯留部の中心から高炉の軸心側に偏心して、配置される。なお、図3は、鉛直方向上方から見たときの、炉頂バンカーの各部の配置を示す模式図である。図中、6-1は原料貯留部、6-2は原料排出口である。
ここで、偏心方向は、水平面において、原料貯留部の中心から原料排出口の中心に向かう方向とし、鉛直方向上方から見た場合に、偏心方向から時計回りに90°回転した方向を第1の方向、180°回転した方向を偏心反対方向、270°回転した方向を第2の方向と呼ぶ。なお、炉頂バンカーの原料排出口は、水平面(鉛直方向への投影面)において、原料貯留部の中心から高炉の軸心側に偏心して配置されるので、炉頂バンカーを高炉頂部に配設した状態では、通常、偏心方向は、原料貯留部の中心から高炉の軸心に向かう方向(以下、高炉軸心方向ともいう)と同じ方向となる。
特許文献1の技術で逆傾動装入を行う場合、図4に示すように、原料の落下方向が、水平面において、炉頂バンカーの原料排出ロの反対側、つまり偏心反対方向側の壁部(以下、偏心反対側壁部ともいう)近傍となるように、偏析制御板を操作する。そのため、炉頂バンカー内の原料堆積層の形状は、原料堆積面が、偏心方向に向かって(偏心反対側壁部から偏心方向側の壁部(以下、偏心側壁部ともいう)に向かって)鉛直方向下方に傾斜するものとなる。図中、6-3は偏析制御板である。
この場合の炉頂バンカー内の原料粒度分布、および、炉頂バンカーからの原料排出時の原料排出順序(炉頂バンカー内の原料貯留位置ごとの排出時間)を、離散要素法と呼ばれる数値シミュレーションにより計算したところ、図5に示すように、大粒径原料の半数超が、原料排出口近傍、つまり、原料排出初期に排出される領域に集まる。しかし、大粒径原料の残りの多くが、炉頂バンカーの偏心方向に直角な方向である第1の方向および第2の方向側の壁部(以下、第1の壁部および第2の壁部ともいう)の近傍、つまり原料排出中期~末期に排出される領域に位置することがわかった。すなわち、これが原因で、逆傾動装入を行うと、高炉の炉壁近傍にも大粒径原料が一定数混在するようになることがわかった。
この点を踏まえて、発明者らがさらに検討したところ、
・炉頂バンカーに装入される原料の落下位置を、偏心反対側壁部近傍だけでなく、第1の壁部および第2の壁部近傍にも分散させ、
・これによって、図6に示すように、炉頂バンカー内の原料堆積層の形状を、偏心反対側壁部からだけでなく、第1の壁部および第2の壁部からも、原料排出ロに向かって鉛直方向下方に傾斜させる、換言すれば、原料堆積層の形状を略すり鉢形にする、
ことが有効であることを知見した。
そして、これによって、より密に原料排出口近傍に大粒径原料を集められることを知見した。
なお、発明者らは上記の理由について、以下のように考えている。
すなわち、大粒径原料は、小粒径原料に比べて、堆積面を転がり易い傾向にある。そのため、炉頂バンカーに装入される原料の落下位置を、偏心反対側壁部近傍だけでなく、第1の壁部および第2の壁部近傍にも分散させることによって、第1の壁部および第2の壁部から原料排出ロに向かって鉛直方向下方に傾斜する原料堆積層が形成される。そして、漸次装入される大粒径原料がこの堆積面を転がる一方、小粒径原料は落下位置で堆積することにより、より密に原料排出口近傍に大粒径原料を集められる。
そして、上記の知見を基に、炉頂バンカーに装入される原料の落下位置を、偏心反対側壁部近傍だけでなく、第1の壁部および第2の壁部近傍にも分散させる方法について検討したところ、
炉頂バンカーの原料貯留部の内部に、原料衝突面を有する構造体を配置し、
原料衝突面の形状を、図7に示すように、少なくとも、偏心反対方向、ならびに、偏心反対方向と鉛直方向とに直角な第1の方向および第2の方向においてそれぞれ、構造体の頂部から原料衝突面の端部に向かって下方に傾斜させる、
ことが有効であることを知見した。なお、図中、6-4は構造体、6-5が原料衝突面である。
本発明は、上記の知見に基づき、さらに検討を加えて完成されたものである。
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.高炉の炉頂部に配設される炉頂バンカーであって、
該炉頂バンカーは、
原料貯留部と、
該原料貯留部に、該原料貯留部の上方から原料を装入する、原料装入口と、
該原料貯留部の内部に配置され、かつ、該原料装入口から装入された原料が衝突する原料衝突面を有する、構造体と、
該原料貯留部内の原料を、該原料貯留部の下方に排出する、原料排出口と、
をそなえ、
前記原料排出口が、水平面において、前記原料貯留部の中心から偏心して配置されており、
また、前記構造体の原料衝突面が、少なくとも、偏心反対方向、ならびに、該偏心反対方向と鉛直方向とに直角な第1の方向および第2の方向においてそれぞれ、前記構造体の頂部から前記原料衝突面の端部に向かって下方に傾斜する、炉頂バンカー。
ここで、偏心反対方向は、水平面において、原料貯留部の中心から原料排出口が偏心している方向と反対向きの方向とする。
2.前記偏心反対方向における、前記構造体の頂部と前記原料衝突面の端部とを結ぶ線分の水平方向からの傾斜角度αが25~45°である、前記1に記載の炉頂バンカー。
3.前記第1の方向および前記第2の方向における、前記構造体の頂部と前記原料衝突面の端部とを結ぶ線分の水平方向からの傾斜角度βおよびγがそれぞれ25~45°である、前記1または2に記載の炉頂バンカー。
4.前記構造体の頂部が、水平面において、原料貯留部の中心からの無次元距離(r/R)で0~0.6の範囲に位置する、前記1~3のいずれかに記載の炉頂バンカー。
ここで、無次元距離(r/R)とは、水平面における、原料貯留部の中心からの距離(r)を、原料貯留部の内半径(R)で除した値である。
5.高炉の原料装入方法であって、
該高炉は、炉頂部に、前記1~4のいずれかに記載の炉頂バンカーを1つ以上有し、
また、該高炉の原料装入方法が、
前記炉頂バンカーの前記原料装入口から前記原料貯留部に原料を装入し、該原料を、前記構造体に衝突させたうえで、該原料を、前記原料貯留部に貯留する工程と、
前記原料貯留部内に貯留した原料を前記原料排出口から排出し、排出した原料を、前記高炉の旋回シュートを介して前記高炉内に装入する工程と、をそなえる、
高炉の原料装入方法。
本発明によれば、逆傾動装入を行う場合に適した、炉頂バンカー内の原料粒度分布を実現することができる。その結果、高炉の操業時に、傾動方式によらず、高炉の中心部近傍のガス流量を増加させて、通気性および還元効率のさらなる向上を図ることが可能となる。
また、本発明では、厳密な制御や、高圧容器である炉頂バンカー内の複雑な構造を必要としないため、メンテナンス性の面でも優れている。
高炉内のガス流れを示す模式図である。 高炉への原料装入要領を示す模式図である。 鉛直方向上方から見たときの、炉頂バンカーの各部の配置を示す模式図である。 偏析制御板を設置した炉頂バンカー内に原料を装入するときの、炉頂バンカー内の原料堆積状況を示す模式図である。(a)は偏心方向から見たときの模式図であり、(b)は斜視図である。 偏析制御板を設置した炉頂バンカー内に原料を装入するときの、炉頂バンカー内の原料粒度分布、および、炉頂バンカーからの原料排出時の原料排出順序(炉頂バンカー内の原料貯留位置ごとの排出時間)の数値シミュレーション結果である。 逆傾動装入を行う場合に好適な炉頂バンカー内の原料堆積状況を示す模式図である。(a)は偏心方向から見たときの模式図であり、(b)は斜視図である。 本発明の一実施形態に従う炉頂バンカーの一例を示す模式図である。 構造体の頂部から原料衝突面の端部までの形状(外周形状)の一例を示す模式図である。 本発明の一実施形態に従う炉頂バンカーの内部に設置する構造体の例を示す模式図である。 本発明の一実施形態に従う炉頂バンカーの内部に設置する構造体の例を示す模式図である。 構造体に、分散調整板を設置した場合の一例を示す模式図である。 構造体の頂部が位置する好適な領域を示す模式図である。 条件1および2により炉頂バンカー内に原料を装入するときの、炉頂バンカー内の原料粒度分布、および、炉頂バンカーからの原料排出時の原料排出順序(炉頂バンカー内の原料貯留位置ごとの排出時間)の数値シミュレーション結果である。 条件1および2により高炉への原料装入を行うときの高炉内での原料分布状態の数値シミュレーション結果をプロットした図である。 条件1および2により高炉の操業を行うときの、炉頂部の圧力損失の数値シミュレーション結果である。 模型実験に使用した装置の概略図である。 模型実験により得られた原料の粒度分布を示す模式図である。 原料堆積層の頂点位置の好適範囲を示す模式図である。
本発明を、以下の実施形態に基づき説明する。
[炉頂バンカー]
本発明の一実施形態に係る炉頂バンカーは、図2に示すように、高炉の炉頂部に配設され、高炉に装入する原料を一時的に貯留するものである。なお、高炉の炉頂部には、2つまたは3つの炉頂バンカーが並列に配設されることが一般的である。
そして、本発明の一実施形態に係る炉頂バンカーは、図7に示すように、
原料貯留部と、
該原料貯留部に、該原料貯留部の上方から原料を装入する、原料装入口(図示せず)と、
該原料貯留部の内部に配置され、かつ、該原料装入口から装入された原料が衝突する原料衝突面を有する、構造体と、
該原料貯留部内の原料を、該原料貯留部の下方に排出する、原料排出口と、
をそなえる。
なお、上方、下方、上部および下部という用語は、特に断りがない限り、鉛直方向の上方、下方、上部および下部を意味するものとする。
ここで、原料装入口は、原料貯留部の上部に配置される。原料装入口の水平面における位置は特に限定されるものではないが、一般的には、原料貯留部の中心位置から高炉の軸心側(原料排出口と同じ方向)に位置している。
そして、原料装入口から装入された原料は、原料貯留部の内部に配置された構造体の原料衝突面に衝突したのち、原料貯留部に落下して、原料貯留部内に一時的に貯留される。なお、原料貯留部内に一時的に貯留される原料は、通常、1バッチ分である。また、原料貯留部は、円筒状、円錐台筒状またはこれらを組み合わせた形状などとなる胴部と、下方に向かって径が小さくなる縮径部とを有する。
なお、炉頂バンカーの最大径(外径)は、通常、4000~5000mm程度であり、また、炉頂バンカーの高さは9000~13000mm程度である。
ついで、高炉の操業に合わせて、流量調整ゲートが開けられ、原料貯留部の縮径部の下端の原料排出口から、原料の自重によって、原料が漸次排出され、集合ホッパーおよび旋回シュートを介して、高炉内へ原料が装入される。
原料排出口は、図3に示すように、水平面において、原料貯留部の中心から偏心しており、通常、水平方向における原料貯留部と原料排出口の中心間距離(偏心量):Aは、原料貯留部の内半径:Rの0.60~0.70倍である。また、原料排出口の内半径:Bは、通常、原料貯留部の内半径:Rの0.30~0.50倍ある。なお、原料貯留部の中心位置および内径は、後述する構造体の頂部の設置高さ位置を基準とする。また、原料排出口の中心位置および内径は、原料貯留部の下端と接続する高さ位置を基準とする。これ以降も同様である。
なお、図3では、原料貯留部の水平断面を円形とした例で説明したが、これ以外の形状の場合、原料貯留部の中心は、最大の面積となる水平断面の重心とする。この場合、偏心方向は、当該水平断面(最大の面積となる水平断面)における原料排出口の中心と原料貯留部の中心とを結ぶ原料貯留部の中心から原料排出口の中心に向かう方向であり、Rは、当該水平断面の偏心方向での原料貯留部の長さの1/2とする。
そして、本発明の一実施形態に係る炉頂バンカーでは、上記構造体の原料衝突面の形状が極めて重要となる。
具体的には、図7に示すように、原料衝突面の形状を、少なくとも、偏心反対方向、偏心方向と鉛直方向とに直角な第1の方向および第2の方向においてそれぞれ、構造体(原料衝突面)の頂部から原料衝突面の端部に向かって下方に傾斜させることが重要となる。
すなわち、上述したように、逆傾動装入を行う場合、図6に示すように、炉頂バンカーに装入される原料の落下位置を、偏心反対側壁部近傍だけでなく、第1の壁部および第2の壁部近傍にも分散させ、これによって、炉頂バンカー内の原料堆積層の形状を、偏心反対側壁部からだけでなく、第1の壁部および第2の壁部からも、原料排出ロに向かって鉛直方向下方に傾斜させる、換言すれば、原料堆積層の形状を略すり鉢形にすることが重要となる。これによって、より密に原料排出口近傍に大粒径原料を集められる。
そのため、上記構造体の原料衝突面の形状(鉛直断面の外周形状)を、偏心反対方向だけでなく、第1の方向および第2の方向においてそれぞれ、構造体の頂部から原料衝突面の端部に向かって下方に傾斜させることが重要となる。
また、この時、図18に示すように、第1の方向から、偏心反対方向を通り、第2の方向までの間の方向(偏心方向から時計回りに90°~270°の間の方向)において形成される原料堆積層の形状は、いずれの方向においても原料堆積層の頂点位置がバンカー内壁から20~50mmの距離の範囲となるようにすることが好ましい。これは、上記の方向において形成される原料堆積層の頂点位置がバンカー内壁から遠ざかると、大粒径原料がバンカー内壁側に偏析しやすくなる、換言すれば、原料排出口近傍に集められる大粒径原料が少なくなるおそれがあるためである。
ここで、偏心反対方向において、構造体の頂部から原料衝突面の端部に向かって下方に傾斜するとは、図7に示すように、構造体の頂部を通る位置の構造体の鉛直断面を第1の方向から見たときに、構造体の頂部から原料衝突面の端部に向かって下方に傾斜していることを意味する。同様に、第1の方向および第2の方向において構造体の頂部から原料衝突面の端部に向かって下方に傾斜するとは、図7に示すように、構造体の頂部を通る位置の構造体鉛直断面を偏心方向から見たときに、構造体の頂部から第1の方向および第2の方向の原料衝突面の端部に向かって下方に傾斜していることを意味する。または、構造体の第1の方向および第2の方向に沿った断面において、原料衝突面の最も高い位置から端部に向かって下方に傾斜していることを意味する。
なお、原料衝突面は、構造体の上面(上方から見たときの構造体の領域)である。そのため、構造体の頂部は、原料衝突面の鉛直方向で最も高い位置となる。ここで、原料衝突面に最も高い位置が複数存在する場合には、最も高い位置のうちで、偏心方向において原料排出口から最も遠い距離にある点を頂部とする。ただし、構造体に後述する分散調整板を配置した場合には、当該の分散調整板の領域は、原料衝突面からは除くものとする。また、構造体を固定するための部材なども原料衝突面からは除くものとする。なお、原料衝突面は、連続した1つの面から構成されていてもよいし、複数の面から構成されていてもよい。
また、偏心反対方向における、構造体の頂部と原料衝突面の端部とを結ぶ線分の水平方向からの傾斜角度αは25~45°とすることが好ましい。αは、より好ましくは40~43°である。
さらに、第1の方向および第2の方向における、構造体の頂部と原料衝突面の端部とを結ぶ線分の水平方向からの傾斜角度βおよびγはそれぞれ25~45°とすることが好ましい。βおよびγはそれぞれ、より好ましくは40~43°である。
同様に、第1の方向から、偏心反対方向を通り、第2の方向までの間の方向(偏心方向から時計回りに90°~270°の間の方向)における構造体の頂部から原料衝突面の端部までの形状も、構造体の頂部から原料衝突面の端部に向かって下方に傾斜させることが好ましい。これらの方向における構造体の頂部と原料衝突面の端部とを結ぶ直線の水平方向からの好適な傾斜角度も、上記の傾斜角度α、βおよびγと同様である。
なお、構造体の各鉛直断面における構造体の頂部から原料衝突面の端部までの形状(外周形状)は、方向によらず、一定の傾きとする必要はなく、傾きが種々変化するよう形状、例えば、図8に示すように、円弧状や傾斜が段階的に変化するような形状でもよい。
加えて、第1の方向から、偏心方向を通り、第2の方向までの間の方向(偏心方向から時計回りに0~90°、270°~360°の間の方向、ただし、第1の方向および第2の方向は除く)における構造体の頂部から原料衝突面の端部までの形状は特に限定されない。
例えば、偏心反対方向や第1の方向および第2の方向と同様に、構造体の頂部から原料衝突面の端部に向かって下方に傾斜させてもよい。この場合、構造体の形状は、例えば、図9に示すように、円錐形や斜円錐形、楕円錐形、円錐台の上部に円錐を張り合わせた形状(形状1)、半割にした円錐と半割にした楕円錐とを切断面同士で張り合わせた形状(形状2)、原料衝突面が球面状となるドーム形、多面体形、これらの形状を任意の位置で鉛直方向に切断した形状などとなる。なお、構造体の内部は中空であってもよく、底面や側面といった原料衝突面以外の面には、部材が配置されていなくてもよい。また、上記した形状には、原料衝突面の領域が変わらなければ、底面などに部材を設けることによって、形状が変化したものも含まれるものとする。
また、上記の構造体は、その鉛直方向への投影領域において、構造体の頂部を中心として、第1の方向から、偏心方向を通り、第2の方向までの間の方向(偏心方向から時計回りに0~90°、270°~360°の間の方向、ただし、第1の方向および第2の方向は除く)において、全て、または、その一部に、原料衝突面が存在しない形状であってもよい。この場合、構造体の形状は、例えば、図10に示すように、半円錐形や半楕円錐形、円錐台の上部に円錐を張り合わせた形状を半分に切断したもの(形状3)、原料衝突面が球面状となるドーム型形状を半分にした形状(半ドーム形)、多面体形状などとなる。なお、構造体の内部は中空であってもよく、底面や側面といった原料衝突面以外の面には、部材が配置されていなくてもよい。また、上記した形状には、原料衝突面の領域が変わらなければ、底面などの部材を設けることによって、形状が変化したものも含まれるものとする。
また、構造体の頂部から偏心方向に向かっては、下方に傾斜していなくてもよい。例えば、図10に示す形状4のような構造体でもよい。形状4は、半円錐を、偏心反対方向、第1の方向および第2の方向に下方に傾斜するように配置し、半円錐の偏心方向に、三角柱を、第1の方向および第2の方向のみに下方に傾斜するように配置した形状である。
さらに、図11に示すように、原料排出口側への原料の落下を抑制するため、構造体の偏心方向側に、別途、分散調整板を設けてもよい。図中、符号6-6が分散調整板である。
加えて、上記の構造体の長さ(構造体を第1の方向から見たときの水平方向における原料衝突面の端部間の距離)aは、原料貯留部の内半径:Rの0.4~0.8倍とすることが好ましい(図7参照、後述する構造体の幅および高さも同様)。上記の構造体の幅(構造体を偏心方向から見たときの水平方向における原料衝突面の端部間の距離)bは、原料貯留部の内半径:Rの0.4~0.8倍とすることが好ましい。上記の構造体の高さh(原料衝突面の下端から頂部までの距離)は、構造体の長さ:aの0.47~1.0倍とすることが好ましい。
なお、構造体の形状は、第1の方向と第2の方向で対称であってもよく、非対称であってもよい。
さらに、炉頂バンカーの原料装入口から装入された原料は、上記の構造体が設置されていなければ、通常、炉頂バンカーの中心付近に落下する。そのため、上記の構造体の水平方向における設置位置については、図12に示すように、構造体の頂部が、原料貯留部の中心からの無次元距離(r/R)で0~0.6の範囲に位置することが好ましい。
ここで、無次元距離(r/R)とは、水平面(鉛直方向への投影面)における、原料貯留部の中心からの距離(r)を、原料貯留部の内半径(R)で除した値である。
加えて、上記の構造体の鉛直方向における設置位置については、特に限定されるものではないが、構造体の頂部における無次元高さ(h´/H)を0.75~0.85の範囲内とすることが好ましい。
ここで、無次元高さ(h´/H)とは、鉛直方向における、炉頂バンカーの下端(原料排出口の高さ位置)から構造体の頂部までの距離(高さ):h´を、炉頂バンカーの高さ:Hで除した値である。
また、構造体の設置位置は、原料装入口から落下する原料が原料衝突面に衝突する位置とする。構造体の設置位置は、好ましくは、原料装入口から落下する原料が、構造体の偏心反対方向の端部に向かって下方に傾斜する面、第1の方向の端部に向かって下方に傾斜する面、および、第2の方向の端部に向かって下方に傾斜する面の少なくともいずれかの面に衝突する位置、より好ましくは、原料装入口から落下する原料が、これら3つの面に同時に衝突する位置(特には、原料装入口から落下する原料の衝突範囲に、構造体の頂部が含まれる位置)である。
また、上記の構造体は、偏心方向から見たときに原料貯留部の中心を通る鉛直線を基準に左右対称となるように配置することが好ましいが、構造体の頂部から第1の方向および第2の方向の端部に向かって下方に傾斜していれば、左右対称とならなくてもよい。
加えて、上記の構造体の材質については特に限定されず、一般的な鋼材などを使用すればよい。また、構造体の設置方法についても特に限定されず、例えば、炉頂バンカーの内壁に金具や溶接などによって梁部材を固定し、この梁部材に金具や溶接などによって、上記の構造体を固定すればよい。さらに、上記の構造体は、その位置を変更するための位置調整機構や、設置角度を変更するための設置角度調整機構を有していてもよい。
[高炉の原料装入方法]
本発明の一実施形態に係る高炉の原料装入方法は、炉頂部に、上記した本発明の一実施形態に係る炉頂バンカーを1つ以上配設した高炉で行うものであり、
炉頂バンカーの原料装入口から原料を装入し、原料を、上記の構造体に衝突させたうえで、原料を、炉頂バンカーの原料貯留部に貯留する工程と、
炉頂バンカーの原料貯留部に貯留した原料を排出し、排出した原料を、高炉の旋回シュートを介して高炉内に装入する工程と、をそなえる。
まず、原料を炉頂バンカーの原料貯留部に貯留する工程では、原料装入口から装入した原料を、上記の形状となる構造体に衝突させて、原料の落下位置を、偏心反対側壁部近傍だけでなく、第1の壁部および第2の壁部近傍にも分散させる。
これによって、炉頂バンカー内の原料堆積層の形状が、偏心反対側壁部からだけでなく、第1の壁部および第2の壁部からも、原料排出ロに向かって鉛直方向下方に傾斜する、換言すれば、原料堆積層の形状が略すり鉢形になる。その結果、より密に原料排出口近傍に大粒径原料を集められる。
このようにして原料を炉頂バンカーの原料貯留部に貯留した後、原料を排出し、排出した原料を、旋回シュートを介して高炉内に装入する。
上述したように、炉頂バンカー内では、より密に原料排出口近傍に大粒径原料が集められている、つまり、炉頂バンカーからの原料排出初期に大粒径原料がより多く排出される。そのため、逆傾動装入を行う場合に、高炉の中心部近傍により密に大粒径原料が配置される。その結果、高炉の中心部近傍のガス流量を増加して、通気性および還元効率が向上する。
なお、バッチごとに逆傾動装入と順傾動装入を組み合わせて行う場合には、例えば、構造体に別途位置調整機構や設置角度調整機構を設け、これにより、構造体の設置位置や設置角度を一次的に変更することによって、炉頂バンカー内の原料落下位置を、炉頂バンカーの中心位置や原料排出口近傍となるように調整すればよい。また、炉頂部に配設される炉頂バンカーのうち、少なくとも1つを上記した本発明の一実施形態に係る炉頂バンカーとし、残りを上記の構造体を有さない炉頂バンカーとしてもよい。
また、上記以外の条件については特に限定されず、常法に従えばよい。
以下の条件1および条件2により、炉頂バンカーをモデルリングし、それぞれの炉頂バンカーの内部に原料を装入したときの炉頂バンカー内の原料粒度分布、および、炉頂バンカーからの原料排出時の原料排出順序(炉頂バンカー内の原料貯留位置ごとの排出時間)を、離散要素法により計算した。
・条件1(発明例)
[炉頂バンカー内に設置した構造体の形状]
円錐形
傾斜角度:α=42°、β=42°、γ=42°
幅:a=R×0.5、長さ:b=R×0.5、高さ:h=a×0.5
[炉頂バンカー内の構造体の設置位置]
構造体の頂部の位置:原料貯留部の中心位置から偏心方向にr/R=0.53の位置
構造体の頂部の設置高さ:h´/H=0.82
・条件2(比較例)
[炉頂バンカー内に設置した構造体の形状]
板状(特許文献1でいう偏析制御板)、
傾斜角度:α=25°、β=0°、γ=0°、
幅:R×0.31、長さ:R×1.0、厚み:160mm
[炉頂バンカー内の構造体の設置位置]
偏析制御板の中心位置:原料貯留部の中心位置から偏心方向にr/R=0.37の位置
偏析制御板の中心位置の設置高さ:h´/H=0.42
また、条件1および2の構造体とも、偏心方向から見たときに原料貯留部の中心を通る鉛直線を基準に左右対称となるように配置した。
さらに、炉頂バンカーの原料貯留部や原料装入口、原料排出口の形状については、実機に合わせて条件1および2とも同じ条件(R=2350mm、H=12000mm、原料貯留部と原料排出口の中心間距離(偏心量):A=R×0.64、原料排出口の内半径:B=R×0.35)でモデリングした。
また、原料装入条件も、条件1および2で同じとした。具体的には、ここでいう原料は鉱石を指し、原料装入量は1バッチ分相当量とする。また、実際の原料での粒度分布から粒度を大粒子・中粒子・小粒子の3種類で代表させ、実際の原料に合わせて、大粒子・中粒子・小粒子の粒径比を3.8:2.0:1.0とした。さらに、大粒子・中粒子・小粒子はそれぞれ同じ質量で含まれているとした。このとき、コークスは、条件1および2でそれぞれ同じバンカーを使用し、装入条件も同じとした。
評価結果を図13に示す。
図13に示したように、条件1(発明例)では、条件2(比較例)と比べて、より密に原料排出口近傍に大粒子を集められており、排出初期により多くの大粒子を排出できることがわかる。
また、条件1(発明例)および条件2(比較例)それぞれの炉頂バンカー内の堆積原料を用いて、逆傾動装入により、高炉への原料装入を行ったときの高炉内での原料分布状態、および、高炉操業時の炉頂部の圧力損失を数値シミュレーションにより求めた。
結果を図14および15に示す。なお、図14中、横軸は、高炉炉口部の無次元化半径(高炉炉口部における軸心からの半径方向の距離を高炉口部炉の内半径で除した値)であり、縦軸は無次元化粒径(高炉炉口部の無次元化半径:0.05ピッチで、ピッチ毎の領域に存在する原料粒子の平均粒径を、1バッチあたりに装入する全原料の平均粒径で除した値)である。
図14に示したように、条件1(発明例)では、条件2(比較例)と比べて、高炉の中心部近傍により多くの大粒子が配置されている。
また、図15に示したように、条件1(発明例)では、条件2(比較例)と比べて、炉頂部の圧力損失が大幅に改善されている。
なお、条件1(発明例)の条件をベースに、構造体の形状をα=25~45°、β=25~45°、γ=25~45°の範囲で種々変化させた場合にも、条件1(発明例)とほぼ同様の結果が得られた。また、構造体の頂部の位置をr/R=0~0.6の範囲で種々変化させた場合にも、条件1(発明例)とほぼ同様の結果が得られた。さらに、構造体の形状として、上記した斜円錐形や楕円錐形などの他の形状とした場合にも、条件1(発明例)とほぼ同様の結果が得られた。なお、構造体が、構造体の頂部から偏心方向に向かって下方に傾斜していない場合は、構造体の頂部の位置は、原料貯留部の中心位置から偏心方向にr/R=0~1.0のいずれの位置でもよく、偏心反対方向にはr/R=0~0.6の範囲であることが好ましい。
また、上記の数値シミュレーションによる炉頂バンカー内の粒度分布の精度を確認するため、模型実験を行った。
すなわち、図16に示すような、条件1(発明例)および条件2(比較例)に対応する実機1/17.8サイズの炉頂バンカー模型をそれぞれ製作した。図中、符号10は装入ベルトコンベア、11は炉頂バンカー模型、12は集合ホッパー模型、13はサンプリングボックス、14はローラーコンベア、15はサンプリングボックス用ベルトコンベアである。
そして、装入ベルトコンベアから原料(ここでは鉱石)を、炉頂バンカー模型内に装入した。装入後、炉頂バンカー模型下端に接続した排出口の弁を開き、排出口から原料を排出した。そして、排出された原料を、複数のサンプリングボックスで捕集した。その際、サンプリングボックスをサンプリングボックス用ベルトコンベアにより、漸次、水平方向に移動させ、排出される原料を、排出開始から排出終了までの一定間隔で時系列に分別した。ついで、各サンプリングボックスに捕集された原料をふるい分けし、各サンプリングボックスで捕集された原料の平均粒径を算出し、炉頂バンカー模型に装入する前の全ての原料の平均粒径で除することにより、無次元化排出時間ごとの原料の無次元化粒径を算出した。結果を、図17に、横軸を無次元化排出時間、縦軸を無次元化粒径としてプロットして示す。
図17より、条件1(発明例)は、条件2(比較例)に比べて、排出初期により多くの大粒子を排出できることがわかる。すなわち、当該模型実験でも、上記の数値シミュレーション結果を裏付けるデータが得られた。
1:高炉
2:羽口
3:鉱石層
4:コークス層
5:融着層
6:炉頂バンカー
6-1:原料貯留部
6-2:原料排出口
6-3:偏析制御板
6-4:構造体
6-5:原料衝突面
6-6:分散調整板
7:流量調整ゲート
8:集合ホッパー
9:旋回シュート
10:装入ベルトコンベア
11:炉頂バンカー模型
12:集合ホッパー模型
13:サンプリングボックス
14:ローラーコンベア
15:サンプリングボックス用ベルトコンベア

Claims (6)

  1. 高炉の炉頂部に配設される炉頂バンカーであって、
    該炉頂バンカーは、
    原料貯留部と、
    該原料貯留部に、該原料貯留部の上方から原料を装入する、原料装入口と、
    該原料貯留部の内部に配置され、かつ、該原料装入口から装入された原料が衝突する原料衝突面を有する、構造体と、
    該原料貯留部内の原料を、該原料貯留部の下方に排出する、原料排出口と、
    をそなえ、
    前記原料排出口が、水平面において、前記原料貯留部の中心から偏心して配置されており、
    また、前記構造体の原料衝突面が、少なくとも、偏心反対方向、ならびに、該偏心反対方向と鉛直方向とに直角な第1の方向および第2の方向においてそれぞれ、前記構造体の頂部から前記原料衝突面の端部に向かって下方に傾斜する、炉頂バンカー。
    ここで、偏心反対方向は、水平面において、原料貯留部の中心から原料排出口が偏心している方向と反対向きの方向とする。
    また、構造体の頂部は、原料衝突面の鉛直方向で最も高い位置である。原料衝突面に最も高い位置が複数存在する場合には、最も高い位置のうちで、偏心方向において原料排出口から最も遠い距離にある点を頂部とする。
  2. 前記偏心反対方向における、前記構造体の頂部と前記原料衝突面の端部とを結ぶ線分の水平方向からの傾斜角度αが25~45°である、請求項1に記載の炉頂バンカー。
  3. 前記第1の方向および前記第2の方向における、前記構造体の頂部と前記原料衝突面の端部とを結ぶ線分の水平方向からの傾斜角度βおよびγがそれぞれ25~45°である、請求項1または2に記載の炉頂バンカー。
  4. 前記構造体の頂部が、水平面において、原料貯留部の中心からの無次元距離(r/R)で0~0.6の範囲に位置する、請求項1~3のいずれかに記載の炉頂バンカー。
    ここで、無次元距離(r/R)とは、水平面における、原料貯留部の中心からの距離(r)を、原料貯留部の内半径(R)で除した値である。
  5. 前記構造体の頂部における無次元高さ(h´/H)が、0.75~0.85の範囲である、請求項1~4のいずれかに記載の炉頂バンカー。
    ここで、無次元高さ(h´/H)とは、鉛直方向における、炉頂バンカーの下端(原料排出口の高さ位置)から構造体の頂部までの距離(高さ):h´を、炉頂バンカーの高さ:Hで除した値である。
  6. 高炉の原料装入方法であって、
    該高炉は、炉頂部に、請求項1~のいずれかに記載の炉頂バンカーを1つ以上有し、
    また、該高炉の原料装入方法が、
    前記炉頂バンカーの前記原料装入口から前記原料貯留部に原料を装入し、該原料を、前記構造体に衝突させたうえで、該原料を、前記原料貯留部に貯留する工程と、
    前記原料貯留部内に貯留した原料を前記原料排出口から排出し、排出した原料を、前記高炉の旋回シュートを介して前記高炉内に装入する工程と、をそなえる、
    高炉の原料装入方法。
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