JP5074108B2 - 二軸配向積層ポリエステルフィルム - Google Patents

二軸配向積層ポリエステルフィルム Download PDF

Info

Publication number
JP5074108B2
JP5074108B2 JP2007156330A JP2007156330A JP5074108B2 JP 5074108 B2 JP5074108 B2 JP 5074108B2 JP 2007156330 A JP2007156330 A JP 2007156330A JP 2007156330 A JP2007156330 A JP 2007156330A JP 5074108 B2 JP5074108 B2 JP 5074108B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
acid component
mol
biaxially oriented
polyester
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007156330A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008307742A (ja
Inventor
英司 木下
家康 小林
友行 岸野
一輝 河野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP2007156330A priority Critical patent/JP5074108B2/ja
Priority to PCT/JP2008/061072 priority patent/WO2008153188A1/ja
Priority to US12/664,216 priority patent/US8216704B2/en
Priority to TW97122311A priority patent/TW200920598A/zh
Publication of JP2008307742A publication Critical patent/JP2008307742A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5074108B2 publication Critical patent/JP5074108B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Description

本発明は6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸を共重合した芳香族ポリエステルを用いた二軸配向積層ポリエステルフィルムに関する。
ポリエチレンテレフタレートやポリエチレン−2,6−ナフタレートに代表される芳香族ポリエステルは優れた機械的特性、寸法安定性および耐熱性を有することから、フィルムなどに幅広く使用されている。特にポリエチレン−2,6−ナフタレートは、ポリエチレンテレフタレートよりも優れた機械的特性、寸法安定性および耐熱性を有することから、それらの要求の厳しい用途、例えば高密度磁気記録媒体などのベースフィルムなどに使用されている。しかしながら、近年の高密度磁気記録媒体などでの寸法安定性の要求はますます高くなってきており、さらなる特性の向上が求められている。
一方、特許文献1〜4には6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸のエステル化合物であるジエチル−6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエートから得られるポリアルキレン−6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエートが提案されている。該公報によると、結晶性で、融点が294℃のポリエチレン−6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエートが具体的に提示されている。
しかしながら、これら特許文献で提示されたポリエチレン−6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエートは、融点が非常に高く、また結晶性も非常に高いことからフィルムなどに製膜しようとすると、溶融状態での流動性に乏しくて押出しが不均一化したり、押出した後延伸しようとしても結晶化が進んで高倍率で延伸すると破断したりするなどの問題があった。
また、特許文献3では、ポリエチレン−6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエートを用いたフィルムで、最大の温度膨張率を10〜35(ppm/℃)、最大の湿度膨張率を0〜8(ppm/%RH)、最大と最小の温度膨張率の差が0〜6.0(ppm/℃)、そして最大と最小の湿度膨張率の差を0〜4.0(ppm/%RH)にすることで、トラッキングズレの小さな磁気記録フレキシブルディスクが得られることを教示している。そして、具体的にはその実施例で、製膜方向のヤング率が485kg/mm(4.8Gpa)および幅方向のヤング率が1100kg/mm(10.9GPa)で、最大の温度膨張率が19(ppm/℃)、最小の温度膨張率が16.5(ppm/℃)、最大の湿度膨張率が6(ppm/%RH)、そして最小の湿度膨張率が4.5(ppm/%RH)のフィルムが開示されている。
しかしながら、近年の磁気記録媒体などにおける記録密度向上への要求は厳しく、それに伴ってベースフィルムに求められる寸法安定性も、ポリエチレンテレフタレートはもちろん、ポリエチレン−2,6−ナフタレートや特許文献3に提示されたようなフィルムでも達成できない状況となってきていた。
特開昭60−135428号公報 特開昭60−221420号公報 特開昭61−145724号公報 特開平6−145323号公報
本発明の目的は、温度や湿度といった環境変化に対する寸法安定性と、平坦性および巻取性とを高度に有する二軸配向積層ポリエステルフィルムを提供することにある。
二軸配向ポリエステルフィルムにおいて、湿度膨張係数と温度膨張係数はともにヤング率と非常に密接な関係にあり、ヤング率が高いほど一般的に低くなる。しかしながら、ヤング率はいくらでも高められるというわけではなく、製膜性や直交する方向のヤング率確保の点から自ずと限界がある。そのため、同じヤング率ならより低い温度や湿度に対する膨張係数をもつフィルムが得られないか鋭意研究したところ、前述のポリアルキレン−6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエートからなるフィルムは、ヤング率が低くても低い湿度膨張係数を示すことから好適なフィルムとして考えられた。
しかしながら、前述の特許文献1〜4を見ると、ポリアルキレン−6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエートからなるフィルムは、一方のヤング率はきわめて高くできるものの、それに直交する方向のヤング率が極めて低くなるという問題があった。また、湿度膨張係数が非常に小さいものの温度膨張係数が非常に高いという問題もあった。ちなみに、特許文献3の実施例1に開示されたフィルムを見ると、温度膨張係数は最大16.5〜19ppm/℃と非常に高い値を示していた。
ところが、本発明者らが、6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分を共重合成分として用いたとき、驚くべきことにポリアルキレン−6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエートとその共重合相手である芳香族ポリエステルの両方の優れた特性を兼備するフィルムが得られること、さらに、該共重合した芳香族ポリエステルを積層フィルムの少なくとも一方の層に用いるとき、優れた寸法安定性と平坦性と巻取性とを具備する二軸配向積層ポリエステルフィルムが得られることを見出し、本発明に到達した。
かくして本発明によれば、フィルム層Aの片面に、フィルム層Bが積層され、フィルム層B側の表面粗さ(RaB)がフィルム層A側の表面粗さ(RaA)よりも1.0nm以上大きい二軸配向積層ポリエステルフィルムであって、
少なくとも一方のフィルム層は、芳香族ジカルボン酸成分とグリコール成分との芳香族ポリエステルからなり、芳香族ジカルボン酸成分の5モル%以上50モル%未満が、下記式(I)
Figure 0005074108
(上記構造式(I)中のRは、炭素数1〜10のアルキレン基を示す。)
で表される6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分である二軸配向積層ポリエステルフィルムが提供される。
また、本発明の好ましい態様として、フィルム層Aの表面粗さ(RaA)が1.0〜7.0nmの範囲で、フィルム層Bの表面粗さ(RaB)が5.0〜15.0nmの範囲にあること、フィルム層Bは、その厚みが、積層フィルム全体の厚みに対して、50〜90%の範囲にあり、かつ芳香族ジカルボン酸成分とグリコール成分との芳香族ポリエステルからなり、芳香族ジカルボン酸成分の5モル%以上50モル%未満が、前記式(I)で表される6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分であること、フィルム層AおよびBがともに芳香族ジカルボン酸成分とグリコール成分との芳香族ポリエステルからなり、芳香族ジカルボン酸成分の5モル%以上50モル%未満が、前記式(I)で表される6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分であること、または二軸配向積層ポリエステルフィルムが、磁気記録媒体のベースフィルムに用いられることの少なくともいずれか一つをさらに具備する二軸配向積層ポリエステルフィルムも提供される。
本発明によれば、温湿度変化に対する寸法変化が小さく、しかも平坦性と巻取性とに優れた二軸配向積層ポリエステルフィルムが提供される。
したがって、本発明によれば、高度の表面の平坦性が求められる用途、特に高密度磁気記録媒体のベースフィルムに適したフィルムが提供され、そして、本発明のフィルムを用いれば、優れた寸法安定性を有する高密度磁気記録媒体なども提供できる。
<ポリエステル>
本発明において、二軸配向積層ポリエステルフィルムを形成するポリエステルは、芳香族ジカルボン酸成分とグリコール成分とからなるものであり、少なくとも一つのフィルム層は、前述の芳香族ポリエステルの酸成分が、5モル%以上80モル%未満の範囲で上記式(I)で示される6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分が共重合されている。6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分の共重合割合が5モル%未満であると、湿度膨張係数の低減効果が発現されがたい。なお、上限は、成形性などの観点から、80モル%未満であることが必要である。また、驚くべきことに、6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分による湿度膨張係数の低減効果は、少量で非常に効率的に発現され、50モル%未満でほぼ飽和状態に近く、50モル%未満であることが好ましい。そのような観点から好ましい6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分の共重合量の上限は、45モル%以下、さらに40モル%以下、よりさらに35モル%以下、特に30モル%以下であり、他方下限は、5モル%以上、さらに7モル%以上、よりさらに10モル%以上、特に15モル%以上である。
このような特定量の6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分を共重合した芳香族ポリエステルを少なくとも一つのフィルム層に用いることで、温度膨張係数と湿度膨張係数の両方をともに低いフィルムを製造することができる。
具体的な前述の構造式(I)で示される6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分としては、Rの部分が炭素数1〜10のアルキレン基であるものであり、好ましくは6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分、6,6’−(トリメチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分および6,6’−(ブチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分などが挙げられ、これらの中でも本発明の効果の点からは、上記一般式(I)におけるRの炭素数が偶数のものが好ましく、特に6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分が好ましい。また、前述の構造式(I)で示される6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分以外の具体的な芳香族ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸成分、イソフタル酸成分、2,6−ナフタレンジカルボン酸成分、2,7−ナフタレンジカルボン酸成分などが挙げられ、得られるフィルムの力学的特性の点からテレフタル酸成分、2,6−ナフタレンジカルボン酸成分が好ましく、特に2,6−ナフタレンジカルボン酸成分が好ましい。なお、グリコール成分としては、エチレングリコール成分、トリメチレングリコール成分、テトラメチレングリコール成分、シクロヘキサンジメタノール成分などが挙げられ、得られるフィルムの力学的特性の点からエチレングリコール成分が好ましく、特にグリコール成分の90モル%以上、さらに95〜100モル%がエチレングリコール成分であることが好ましい。
ところで、本発明の二軸配向積層ポリエステルフィルムは、少なくとも一方のフィルム層が前述の式(I)で示される6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分が特定量共重合されている芳香族ポリエステルからなるものであればよく、他方のフィルム層は、それ以外の芳香族ポリエステルからなるものであってもよい。具体的な前述の式(I)で示される6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分が特定量共重合されている芳香族ポリエステル以外の、他方のフィルム層を形成する芳香族ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのアルキレンテレフタレートを繰り返し単位とするポリアルキレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート、ポリブチレン−2,6−ナフタレートなどのアルキレン−2,6−ナフタレートを繰り返し単位とするポリアルキレン−2,6−ナフタレートが好ましく挙げられ、これらの中でも機械的特性などの点からポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートが好ましく、特にポリエチレン−2,6−ナフタレートが好ましい。もちろん、環境変化に対する寸法安定性の観点からは、全てのフィルム層が、前述の式(I)で示される6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分が特定量共重合されている芳香族ポリエステルからなることが好ましい。
本発明における前述の式(I)で示される6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分が特定量共重合されている芳香族ポリエステルおよび他方の層を形成するポリエステルは、本発明の効果を阻害しない範囲で、それ自体公知の他の共重合成分を共重合しても良い。
つぎに、本発明における6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分を共重合している芳香族ポリエステルは、溶融粘度が大きくなりやすいことから、DSCで測定した融点が、200〜260℃の範囲、さらに210〜255℃の範囲、特に220〜253℃の範囲にあることが製膜性の点から好ましい。融点が上記上限を越えると、溶融粘度が大きく溶融押し出しして成形する際に、流動性が劣り、吐出などが不均一化しやすくなり、製膜性が低下しやすい。一方、上記下限未満になると、製膜性は優れるものの、6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分を共重合している芳香族ポリエステルの機械的特性などが損なわれやすくなる。なお、通常他の酸成分を共重合して融点を下げれば、同時に機械的特性なども低下するが、製膜性が向上するためか、驚くべきことに共重合をする芳香族ポリエステルや特許文献2に記載の6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸のエステルを主たる繰り返し単位とするポリマーと同様な機械的特性などを発現することができる。
また、本発明における6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分を共重合している芳香族ポリエステルは、DSCで測定したガラス転移温度(以下、Tgと称することがある。)が、90〜120℃の範囲、さらに95〜119℃の範囲、特に100〜117℃の範囲にあることが、耐熱性や寸法安定性の点から好ましい。なお、このような融点やガラス転移温度は、共重合成分の種類と共重合量、そして副生物であるジアルキレングリコールの制御などによって調整できる。
なお、6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分を共重合している芳香族ポリエステルは、少なくともフィルム層AまたはBのいずれかに用いられていればよいが、より環境変化に対する寸法安定性を向上させる観点からは、より厚いフィルム層に用いられていることが好ましく、両フィルム層に用いられていることがもっとも好ましい。
<二軸配向積層ポリエステルフィルム>
本発明の二軸配向積層ポリエステルフィルムは、前述のとおり、フィルム層Aの片面にフィルム層Bを積層したものであり、フィルム層B側の表面粗さ(RaB)がフィルム層A側の表面粗さ(RaA)よりも1.0nm以上、好ましくは2.0nm以上、さらに好ましくは3.0nm以上大きいことが必要である。RaAとRaBとの表面粗さの差を下限以上にすることで、単層フィルムに比べ、優れた平坦性と巻取性とを高度に具備させることができる。なお、RaAとRaBとの差の上限は、特に制限されないが、フィルム層Aの表面を、フィルム層Bによって損なわれないようにする点から、8.0nm以下、好ましくは5.0nm以下、さらに好ましくは4.0nm以下であることが好ましい。
また、本発明の二軸配向積層ポリエステルフィルムは、フィルム層Bの厚みが、二軸配向積層ポリエステルフィルムの厚みに対して、50〜90%、好ましくは55〜85%、さらに好ましくは60〜80%の範囲にあることが好ましい。フィルム層Bはフィルム層Aよりも表面粗さが大きいことから、フィルム層Aに比べより大きな粒子を含有するか、より多く粒子を含有することになり、そのような粒子の脱落をフィルム層Bの厚みを下限以上にすることでより抑制しやすくなる。また、積層フィルムを製膜する際に生じる製品とならない部分を回収して用いようとする場合、フィルム層Bの厚みを下限以上にすることで、フィルム層Bに大量の回収されたポリマー(回収チップ)を用いることができ、フィルムコストを抑制することができる。なお、フィルム層Aに回収チップを用いると、フィルム層Bだけに粒径の大きな粒子を含有させることができなくなり、表面粗さの調整が難しくなったり、フィルム層Aの平坦性が損なわれたりする。他方、フィルム層Bの厚み割合が上限を越えると、フィルム層Aの厚みが非常に薄くなり、フィルムB層の粒子の影響がフィルムA層に影響するようになり、表面が粗くなり、電磁変換特性が悪化しやすくなる。なお、寸法安定性の観点からは、前述の6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分を共重合している芳香族ポリエステルはより厚いフィルム層に用いられていることが好ましく、そのような観点から、6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分を共重合している芳香族ポリエステルは、フィルム層Bに用いられるのが好ましい。
ところで、本発明の二軸配向積層ポリエステルフィルムは、得られる積層フィルムに優れた平坦性を具備させるために、フィルム層Aの表面粗さ(RaA)は1.0〜7.0nm、さらに1.5〜5.0nm、特に2.0〜4.0nmの範囲にあることが好ましい。また、得られる積層フィルムに優れた巻取性を具備させるために、フィルム層Bの表面粗さ(RaB)は5.0〜15.0nm、さらに6.0〜10.0nm、特に6.0〜8.0nmの範囲にあることが好ましい。
通常フィルムの表面粗さを粗くするには、粗くしたい側のフィルム層に不活性粒子を含有させたりして、突起を形成すればよい。含有させる不活性粒子としては、(1)耐熱性ポリマー粒子(例えば、架橋シリコーン樹脂、架橋ポリスチレン、架橋アクリル樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、架橋ポリエステルなどからなる粒子)、(2)金属酸化物(例えば、酸化アルミニウム、二酸化チタン、二酸化ケイ素(シリカ)、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムなど)、金属の炭酸塩(例えば、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムなど)、金属の硫酸塩(例えば、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなど)、炭素(例えば、カーボンブラック、グラファイト、ダイアモンドなど)および粘土鉱物(例えば、カオリン、クレー、ベントナイトなど)などのような無機化合物からなる粒子、さらに(3)異なる素材を例えばコアとシェルに用いたコアシェル型などの複合粒子など粒子の状態で添加する外部添加粒子や(4)触媒などの析出によって形成する内部析出粒子などを挙げることができる。これらの中で特に架橋シリコーン樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋ポリエステル、架橋ポリスチレン、酸化アルミニウム、二酸化チタン、二酸化ケイ素、カオリン及びクレーからなる群から選ばれる少なくとも1種の粒子であることが好ましく、特に架橋シリコーン樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋ポリエステル、架橋ポリスチレンおよび二酸化ケイ素(但し、多孔質シリカなどは除く)からなる群から選ばれる少なくとも1種の粒子であることが、粒子の粒径のバラツキを小さくしやすいことから好ましい。もちろん、これらは2種以上を併用しても良い。
フィルム層Bに含有させる不活性粒子の平均粒径は、0.05〜1.0μm、さらに0.1〜0.8μmの範囲にあることが好ましく、特に磁気記録媒体として用いる場合は0.1〜0.5μm、さらに0.1〜0.3μmの範囲にあることが好ましい。また、フィルム層Bに含有させる不活性粒子の含有量は、該フィルム層の重量を基準として、0.1〜1.0重量%、さらに0.15〜0.5重量%の範囲にあることが好ましく、特に磁気記録媒体として用いる場合は0.2〜0.4重量%、さらに0.2〜0.3重量%の範囲にあることが好ましい。また、フィルム層Aは、不活性粒子を含有しないか、含有する場合は、不活性粒子の平均粒径は、0.01〜0.3μm、さらに0.05〜0.25μmの範囲にあることが好ましく、特に磁気記録媒体として用いる場合は0.1〜0.2nm、さらに0.1〜0.15μmの範囲にあることが好ましい。また、フィルム層Aが不活性粒子を含有する場合の不活性粒子の含有量は、該フィルム層の重量を基準として、0.005〜0.3重量%、さらに0.01〜0.2重量%の範囲にあることが好ましく、特に磁気記録媒体として用いる場合は0.05〜0.15重量%、さらに0.1〜0.1重量%の範囲にあることが好ましい。
本発明の二軸配向積層ポリエステルフィルムの好ましい態様について、さらに詳述する。
本発明の二軸配向積層ポリエステルフィルムは、磁気テープなどのベースフィルムとして用いたとき、ベースフィルムが伸びないようにフィルム面方向における少なくとも一方向は、ヤング率が6.0GPa以上という高いヤング率を有することが好ましい。しかも、このようにヤング率を高くすることで、より湿度膨張係数を小さくすることができる。ヤング率の上限は制限されないが、通常11GPaである。好ましいヤング率は、フィルムの長手方向が4〜11GPa、さらに5〜10GPa、特に5.5〜9GPaの範囲であり、フィルムの幅方向が5〜11GPa、さらに6〜11GPa、さらに7〜10GPa、特に8〜10GPaの範囲である。
本発明の二軸配向積層ポリエステルフィルムは、優れた寸法安定性を発現する点から、少なくとも一方向、好ましくはフィルムの幅方向の温度膨張係数(αt)が10ppm/℃以下であることが好ましい。フィルムの少なくとも一方向における温度膨張係数が10ppm/℃以下であることで環境変化に対する優れた寸法安定性を発現することができる。なお、特許文献3の結果から、ポリアルキレン−6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフタレートを共重合した場合、温度膨張係数は大きくなってしまうと予想されるが特定の共重合量の範囲で共重合し、かつそれを延伸することで、驚くべきことに温度膨張係数を小さくすることもできる。温度膨張係数の下限は制限されないが、通常−15ppm/℃である。好ましい温度膨張係数(αt)は−10〜10ppm/℃、さらに−7〜7ppm/℃、特に−5〜5ppm/℃の範囲であることが、例えば磁気記録テープとしたとき、雰囲気の温湿度変化による寸法変化に対して優れた寸法安定性を発現できることから好ましい。
本発明の二軸配向積層ポリエステルフィルムは、少なくとも一方向、好ましくはフィルムの幅方向における温度膨張係数の関係を満足する方向の湿度膨張係数が3〜7ppm/%RH、さらに3〜6ppm/%RHの範囲にあることが、特に磁気記録テープにしたときの寸法安定性の点で好ましい。特に、磁気記録テープにベースフィルムに用いる場合、湿度膨張係数の小さい方向が二軸配向積層ポリエステルフィルムの幅方向であることが、トラックずれなどを極めて抑制できることから好ましい。なお、本発明において、フィルムの幅方向とは、フィルムの製膜方向(長手方向、縦方向と称することもある。)に直交する方向であり、横方向と称することもある。
また、上記温度膨張係数が10ppm/℃以下の方向については、少なくとも一方向、好ましくは前述のとおり、幅方向が満足していれば良いが、それに直交する方向も寸法安定性の点からは、同様な温度膨張係数や湿度膨張係数、さらにヤング率などを満足することが好ましい。
ところで、磁気記録媒体の中でも、磁性層が片側だけに形成される磁気記録テープなどの場合、磁性層側をより平坦にしつつ優れた巻取性を発現させやすいことから、フィルム層Aの表面に磁性層を形成し、フィルム層Bの表面を走行面側にするのが好ましい。
<芳香族ポリエステル樹脂の製造方法>
つぎに、本発明における6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分を共重合している芳香族ポリエステルの製造方法について、詳述する。なお、6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分を共重合していない芳香族ポリエステルは、それ自体公知の方法で製造されたものを好適に用いることができる。
まず、6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸もしくはそのエステル形成性誘導体と例えば2,6−ナフタレンジカルボン酸やテレフタル酸もしくはそれらのエステル形成性誘導体と、例えばエチレングリコールとを反応させ、ポリエステル前駆体を製造する。そして、このようにして得られたポリエステル前駆体を重合触媒の存在下で重合することで製造でき、必要に応じて固相重合などを施しても良い。このようにして得られる芳香族ポリエステルのP−クロロフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(重量比40/60)の混合溶媒を用いて35℃で測定した固有粘度は、0.4〜1.5dl/g、さらに0.5〜1.3dl/gの範囲にあることが本発明の効果の点から好ましい。なお、前述のポリエステル前駆体を製造する工程でエチレングリコール成分は、全酸成分のモル数に対して、1.1〜6倍、さらに2〜5倍、特に3〜5倍用いることが生産性の点から好ましい。
また、ポリエステルの前駆体を製造する際の反応温度としてはエチレングリコールの沸点以上で行うことが好ましく、特に190℃〜250℃の範囲で行うことが好ましい。190℃よりも低いと反応が十分に進行しにくく、250℃よりも高いと副反応物であるジエチレングリコールが生成しやすい。また、反応を常圧下で行うこともできるが、さらに生産性を高めるために加圧下で反応を行ってもよい。より詳しくは、反応圧力は絶対圧力で10kPa以上200kPa以下、反応温度は通常150℃以上250℃以下、好ましくは180℃以上230℃以下で、反応時間10分以上10時間以下、好ましくは30分以上7時間以下行われるのが好ましい。このエステル化反応によってポリエステル前駆体としての反応物が得られる。
ポリエステルの前駆体を製造する反応工程では、公知のエステル化もしくはエステル交換反応触媒を用いてもよい。例えばアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、チタン化合物などが挙げられる。
つぎに、重縮合反応について説明する。まず、重縮合温度は得られるポリマーの融点以上でかつ230〜280℃以下、より好ましくは融点より5℃以上高い温度から融点より30℃高い温度の範囲である。重縮合反応では通常30Pa以下の減圧下で行うのが好ましい。30Paより高いと重縮合反応に要する時間が長くなり且つ重合度の高い共重合芳香族ポリエステル樹脂を得ることが困難になる。
重縮合触媒としては、少なくとも一種の金属元素を含む金属化合物が挙げられる。なお、重縮合触媒はエステル化反応においても使用することができる。金属元素としては、チタン、ゲルマニウム、アンチモン、アルミニウム、ニッケル、亜鉛、スズ、コバルト、ロジウム、イリジウム、ジルコニウム、ハフニウム、リチウム、カルシウム、マグネシウムなどが挙げられる。より好ましい金属としては、チタン、ゲルマニウム、アンチモン、アルミニウム、スズなどであり、中でも、チタン化合物はエステル化反応と重縮合反応との双方の反応で、高い活性を発揮するので特に好ましい。
これらの触媒は単独でも、あるいは併用してもよい。かかる触媒量は、共重合芳香族ポリエステルの繰り返し単位のモル数に対して、0.001〜0.5モル%、さらには0.005〜0.2モル%が好ましい。
具体的な重縮合触媒としてのチタン化合物としては、例えば、テトラ−n−プロピルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトライソブチルチタネート、テトラ−tert−ブチルチタネート、テトラシクロヘキシルチタネート、テトラフェエルチタネート、テトラベンジルチタネート、蓚酸チタン酸リチウム、蓚酸チタン酸カリウム、蓚酸チタン酸アンモニウム、酸化チタン、チタンのオルトエステル又は縮合オルトエステル、チタンのオルトエステル又は縮合オルトエステルとヒドロキシカルボン酸からなる反応生成物、チタンのオルトエステル又は縮合オルトエステルとヒドロキシカルボン酸とリン化合物からなる反応生成物、チタンのオルトエステル又は縮合オルトエステルと少なくとも2個のヒドロキシル基を有する多価アルコール、2−ヒドロキシカルボン酸、又は塩基からなる反応生成物などが挙げられる。
本発明におけるポリエステルには、本発明の効果を阻害しない範囲で、他の熱可塑性ポリマー、紫外線吸収剤等の安定剤、酸化防止剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、離型剤、顔料、核剤、充填剤あるいはガラス繊維、炭素繊維、層状ケイ酸塩などを必要に応じて配合しても良い。他種熱可塑性ポリマーとしては、脂肪族ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート、ABS樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリエーテルイミド、ポリイミドなどが挙げられる。
<フィルムの製造方法>
本発明の二軸配向積層ポリエステルフィルムは、製膜方向と幅方向に延伸してそれぞれの方向の分子配向を高めたものであり、例えば以下のような方法で製造することが、製膜性を維持しつつ、ヤング率を向上させやすいことから好ましい。
まず、ポリエステル(少なくとも一つのフィルム層は上述の6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分を共重合している芳香族ポリエステル)を原料とし、これを乾燥後、溶融状態、好ましくはそれぞれの層を形成するポリエステルの融点(Tm:℃)ないし(Tm+70)℃の温度でダイ内において積層してからフィルム状に押出すか、それぞれを溶融状態でシート状にダイから押出した後に積層し、急冷固化して積層未延伸フィルムとし、さらに該積層未延伸フィルムを二軸延伸する。
なお、本発明で規定する両方向のヤング率、さらにαtやαhを満足させるには、その後の延伸を進行させやすくすることから、冷却ドラムによる冷却を非常に速やかに行うことが好ましい。そのような観点から、冷却ドラムの温度は、特許文献3に記載されるような80℃といった高温ではなく、20〜60℃という低温で行うことが好ましい。このような低温で行うことで、未延伸フィルムの状態での結晶化が抑制され、その後の延伸をよりスムーズに行うことができる。
二軸延伸としては、逐次二軸延伸でも同時二軸延伸でもよい。
ここでは、逐次二軸延伸で、縦延伸、横延伸および熱処理をこの順で行う製造方法を一例として挙げて説明する。まず、最初の縦延伸はそれぞれのフィルム層を形成するポリエステルのガラス転移温度(Tg:℃)ないし(Tg+40)℃の温度で、3〜8倍に延伸し、次いで横方向に先の縦延伸よりも高温で(Tg+10)〜(Tg+50)℃の温度で3〜8倍に延伸し、さらに熱処理としてポリマーの融点以下の温度でかつ(Tg+50)〜(Tg+150)℃の温度で1〜20秒熱固定処理するのが好ましい。特に、突起を均一としつつ寸法安定性高める観点からは、熱固定処理の温度を180〜220℃、さらに好ましくは190〜210℃の範囲で1〜15秒行うことが好ましい。
前述の説明は逐次二軸延伸について説明したが、本発明の二軸配向積層ポリエステルフィルムは縦延伸と横延伸とを同時に行う同時二軸延伸でも製造でき、例えば先で説明した延伸倍率や延伸温度などを参考にすればよい。
本発明の二軸配向積層ポリエステルフィルムの厚みは、用途に応じて適宜決めればよく、磁気記録テープのベースフィルムに用いる場合は、2〜10μm、さらに3〜7μm、特に4〜6μmの範囲が好ましい。
なお、粒子を含有させる方法については、それ自体公知の方法を採用でき、例えばポリエステルの製造工程において、反応系に添加しても良いし、ポリエステルに溶融混練によって添加してもよい。粒子の分散性の点から、好ましくはポリエステルの反応系に添加して、粒子濃度の高いポリエステル組成物をマスターポリマーとして製造し、それを粒子を含まないか、粒子濃度の低いポリエステル組成物と混ぜ合わせる方法が好ましい。
本発明によれば、本発明の上記二軸配向積層ポリエステルフィルムをベースフィルムとし、そのフィルム層A側の表面に非磁性層および磁性層がこの順で形成され、フィルム層B側の表面にバックコート層を形成することなどで磁気記録テープとすることができる。
以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明をより具体的に説明する。なお、本発明では、以下の方法により、その特性を測定および評価した。
(1)固有粘度
得られたポリエステルの固有粘度はP−クロロフェノール/1、1、2、2−テトラクロロエタン(40/60重量比)の混合溶媒を用いてポリマーを溶解して35℃で測定して求めた。
(2)ガラス転移点および融点
ガラス転移点、融点はDSC(TAインスツルメンツ株式会社製、商品名:Thermal lyst2100)により昇温速度20℃/minで測定した。
(3)共重合量
グリコール成分については、試料10mgをp−クロロフェノール:1、1、2、2−テトラクロロエタン=3:1(容積比)混合溶液0.5mlに80℃で溶解した。イソプロピルアミンを加えて、十分に混合した後に600MのH−NMR(日立電子製 JEOL A600)にて80℃で測定し、それぞれのグリコール成分量を測定した。
また、芳香族ジカルボン酸成分については、試料50mgをp−クロロフェノール:1、1、2、2−テトラクロロエタン=3:1混合溶液0.5mlに140℃で溶解し、400M 13C−NMR(日立電子 JEOL A600)にて140℃で測定し、それぞれの酸成分量を測定した。
(4)ヤング率
得られたフィルムを試料巾10mm、長さ15cmで切り取り、チャック間100mm、引張速度10mm/分、チャート速度500mm/分の条件で万能引張試験装置(東洋ボールドウィン製、商品名:テンシロン)にて引っ張る。得られた荷重―伸び曲線の立ち上がり部の接線よりヤング率を計算する。
(5)温度膨張係数(αt)
得られたフィルムを、フィルムの製膜方向または幅方向が測定方向となるように長さ15mm、幅5mmに切り出し、真空理工製TMA3000にセットし、窒素雰囲気下(0%RH)、60℃で30分前処理し、その後室温まで降温させる。その後25℃から70℃まで2℃/minで昇温して、各温度でのサンプル長を測定し、次式より温度膨張係数(αt)を算出する。なお、測定方向が切り出した試料の長手方向であり、5回測定し、その平均値を用いた。
αt={(L60−L40)}/(L40×△T)}+0.5
ここで、上記式中のL40は40℃のときのサンプル長(mm)、L60は60℃のときのサンプル長(mm)、△Tは20(=60−40)℃、0.5は石英ガラスの温度膨張係数(ppm/℃)である。
(6)湿度膨張係数(αh)
得られたフィルムを、フィルムの製膜方向または幅方向が測定方向となるように長さ15mm、幅5mmに切り出し、真空理工製TMA3000にセットし、30℃の窒素雰囲気下で、湿度30%RHと湿度70%RHにおけるそれぞれのサンプルの長さを測定し、次式にて湿度膨張係数を算出する。なお、測定方向が切り出した試料の長手方向であり、5回測定し、その平均値をαhとした。
αh=(L70−L30)/(L30×△H)
ここで、上記式中のL30は30%RHのときのサンプル長(mm)、L70は70%RHのときのサンプル長(mm)、△H:40(=70−30)%RHである。
(7)中心面平均粗さ(Ra)
Zygo社製 非接触三次元表面構造解析顕微鏡(NewView5022)を用いて測定倍率25倍、測定面積283μm×213μm(=0.0603mm)の条件にて測定し、該粗さ計に内蔵された表面解析ソフトにより中心面平均粗さRaを以下の式より求めた。
Figure 0005074108
Zjkは測定方法(283μm)、それと直行する方法(213μm)をそれぞれM分割、N分割したときの各方向のj番目、k番目の位置における2次元粗さチャート上の高さである。
(8)巻取性
スリット速度60m/分で、スリット幅1000mmのサイズで、8000m巻いた時の巻き上がったフィルムロールを観察し、以下の基準で巻取性を評価した。
◎ : シワが見られない
○ : シワが多少見られるが、実用的には問題ないレベル
× : シワが多数発生
(9)電磁変換特性
電磁変換特性測定には、ヘッドを固定した1/2インチリニアシステムを用いた。記録は、電磁誘導型ヘッド(トラック幅25μm、ギャップ0.1μm)を用い、再生はMRヘッド(8μm)を用いた。ヘッド/テープの相対速度は10m/秒とし、記録波長0.2μmの信号を記録し、再生信号をスペクトラムアナライザーで周波数分析し、キャリア信号(波長0.2μm)の出力Cと、スペクトル全域の積分ノイズNの比をC/N比とし、実施例1を0dBとした相対値を求め、以下の基準で、評価した。
◎ : +1dB以上
○ : −1dB以上、+1dB未満
× : −1dB未満
なお、電磁変換特性測定に供する磁気記録テープは、以下の方法で作成した。
まず、各実施例及び比較例で得られたフィルムの一方の表面(積層フィルムの場合はフィルム層Bの表面)に下記組成のバックコート層塗料をダイコータで塗布し、乾燥させた後、フィルムの他方の表面(積層フィルムの場合はフィルム層Aの表面)に下記組成の非磁性塗料、磁性塗料をダイコータで同時に膜厚を変えて塗布し、磁気配向させて乾燥させる。さらに、小型テストカレンダ−装置(スチ−ルロール/ナイロンロール、5段)で、温度:70℃、線圧:200kg/cmでカレンダ−処理した後、70℃、48時間キュアリングする。上記テ−プを12.65mmにスリットし、カセットに組み込み磁気記録テープとした。なお、乾燥後のバックコート層、非磁性層および磁性層の厚みは、それぞれ0.5μm、1.2μmおよび0.1μmであった。
<非磁性塗料の組成>
・二酸化チタン微粒子 :100重量部
・エスレックA(積水化学製塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体) :10重量部
・ニッポラン2304(日本ポリウレタン 製ポリウレタンエラストマ):10重量部
・コロネートL(日本ポリウレタン製ポリイソシアネート) : 5重量部
・レシチン : 1重量部
・メチルエチルケトン :75重量部
・メチルイソブチルケトン :75重量部
・トルエン :75重量部
・カーボンブラック : 2重量部
・ラウリン酸 :1.5重量部
<磁性塗料の組成>
・鉄(長さ:0.3μm、針状比:10/1、1800エルステッド) :100重量部
・エスレックA(積水化学製塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体 :10重量部
・ニッポラン2304(日本ポリウレタン 製ポリウレタンエラストマ):10重量部
・コロネートL(日本ポリウレタン製ポリイソシアネート) : 5重量部
・レシチン : 1重量部
・メチルエチルケトン :75重量部
・メチルイソブチルケトン :75重量部
・トルエン :75重量部
・カーボンブラック : 2重量部
・ラウリン酸 :1.5重量部
<バックコート層塗料の組成:>
カーボンブラック :100重量部
熱可塑性ポリウレタン樹脂 :60重量部
イソシアネート化合物 :18重量部
(日本ポリウレタン工業社製コロネートL)
シリコーンオイル :0.5重量部
メチルエチルケトン :250重量部
トルエン :50重量部
(10)積層フィルムおよびフィルム層の厚み
積層フィルムを層間の空気を排除しながら10枚重ね、JIS規格のC2151に準拠し、(株)ミツトヨ製ダイヤルゲージMDC−25Sを用いて、10枚重ね法にて厚みを測定し、1枚当りのフィルム厚みを計算する。この測定を10回繰り返して、その平均値を1枚あたりの積層フィルム全体の厚みとした。
一方、フィルム層Aおよびフィルム層Bの厚みは、フィルムの小片をエポキシ樹脂にて固定成形し、ミクロトームにて約60nmの厚みの超薄切片(フィルムの製膜方向および厚み方向に平行に切断する)を作成する。この超薄切片の試料を透過型電子顕微鏡(日立製作所製H−800型)にて観察し、フィルム層Aとフィルム層Bのポリマーが異なり、境界が観察できる場合はその境界をからフィルム層AとBの厚みを求め、境界が観察できないような同種のポリマーの場合は、不活性粒子の存在量が変化する厚みの位置を、それぞれの表面側からそれぞれ100箇所求め、それらの平均値からA層とB層の厚みを求めた。
(11)フィルムの生産性
フィルムB層に入れられる回収チップの回収可能比率から、以下の基準で、評価した。
◎ : 60%以上
○ : 40%以上、60%未満
× : 40%未満
[実施例1]
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸そしてエチレングリコールとを、チタンテトラブトキシドの存在下でエステル化反応およびエステル交換反応を行い、さらに引き続いて重縮合反応を行って、固有粘度0.66dl/gで、酸成分の73モル%が2,6−ナフタレンジカルボン酸成分、酸成分の27モル%が6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分、グリコール成分の98モル%がエチレングリコール成分、グリコール成分の2モル%がジエチレングリコール成分であるフィルム層A用の芳香族ポリエステル(A−1)を得た。なお、芳香族ポリエステルには、重縮合反応前に得られる樹脂組成物の重量を基準として、平均粒径0.1μmのシリカ粒子を0.1重量%含有させた。この芳香族ポリエステル(A−1)の融点は240℃、ガラス転移温度は117℃であった。また平均粒径0.3μmのシリカ粒子を0.15重量%と、平均粒径0.1μmのシリカ粒子を0.1重量%含有させた以外は同様にして、フィルム層B用の芳香族ポリエステル(B−1)を得た。この芳香族ポリエステル(B−1)の融点は240℃、ガラス転移温度は117℃であった。
このようにして得られた芳香族ポリエステル(A−1)と(B−1)とを、それぞれ別の押し出し機に供給して290℃で厚み比が1:2となるようダイ内で積層し、溶融状態で回転中の温度50℃の冷却ドラム上にシート状に押し出し未延伸積層フィルムとした。そして、製膜方向に沿って回転速度の異なる二組のローラー間で、上方よりIRヒーターにてフィルム表面温度が135℃になるように加熱して縦方向(製膜方向)の延伸を、延伸倍率5.6倍で行い、一軸延伸フィルムを得た。そして、この一軸延伸フィルムをステンターに導き、140℃で横方向(幅方向)に延伸倍率7.7倍で延伸し、その後190℃で10秒間熱固定処理を行い、厚さ5μmの二軸配向積層ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸配向積層ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
[実施例2]
実施例1において、含有する不活性粒子を平均粒径0.15μmのシリカ粒子に変更し、かつその含有量を0.2重量%に変更した以外、芳香族ポリエステル(A−1)と同様な操作を繰り返して芳香族ポリエステル(A−2)を製造した。また、実施例1において、含有する不活性粒子を、平均粒径0.5μmのシリコーン粒子と平均粒径0.15μmのシリカ粒子とに変更し、かつそれらの含有量をそれぞれ0.02重量%と0.2重量%に変更した以外は、芳香族ポリエステル(B−1)と同様な操作を繰り返して、芳香族ポリエステル(B−2)製造した。
そして、このようにして得られた芳香族ポリエステル(A−2)をフィルム層A用に、また芳香族ポリエステル(B−2)をフィルム層B用とし、それぞれ別の押し出し機に供給して290℃で厚み比が1:1となるようダイ内で積層し、溶融状態で回転中の温度50℃の冷却ドラム上にシート状に押し出し未延伸積層フィルムとした以外は、実施例1と同様な操作を繰り返して、二軸配向積層ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸配向積層ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
[実施例3]
芳香族ポリエステル(A−1)の不活性粒子を、平均粒径0.05μmのシリカ粒子0.3重量%に変更したものを、フィルム層A用の芳香族ポリエステル(A−3)として、また芳香族ポリエステル(B−1)の不活性粒子を、平均粒径0.2μmのシリカ粒子0.2重量%と、平均粒径0.05μmのシリカ粒子0.3重量%に変更したものをフィルム層B用の芳香族ポリエステル(B−3)として得た以外、実施例1と同様にして、芳香族ポリエステル(A−3)および芳香族ポリエステル(B−3)を同様にして得た。
このようにして得られた芳香族ポリエステル(A−3)と(B−3)とを、それぞれ別の押し出し機に供給して290℃で厚み比が1:4となるようダイ内で積層し、溶融状態で回転中の温度50℃の冷却ドラム上にシート状に押し出し未延伸積層フィルムとした以外は、実施例1と同様な操作を繰り返して、二軸配向積層ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸配向積層ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
[実施例4]
芳香族ポリエステル(A−1)の不活性粒子を、平均粒径(一次粒子径)0.06μmのアルミナ粒子0.2重量%に変更したものを、フィルム層A用の芳香族ポリエステル(A−4)として、また芳香族ポリエステル(B−1)の不活性粒子を、平均粒径0.3μmの架橋ポリスチレン粒子0.15重量%と、平均粒径(一次粒子径)0.06μmのアルミナ粒子0.2重量%に変更したものをフィルム層B用の芳香族ポリエステル(B−4)として得た以外、実施例1と同様にして、芳香族ポリエステル(A−4)および芳香族ポリエステル(B−4)を得た。このようにして得られた芳香族ポリエステル(A−4)と(B−4)とを、それぞれ別の押し出し機に供給して290℃で厚み比が1:2となるようダイ内で積層し、溶融状態で回転中の温度50℃の冷却ドラム上にシート状に押し出し未延伸積層フィルムとした以外は、実施例1と同様な操作を繰り返して、二軸配向積層ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸配向積層ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
[実施例5]
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸そしてエチレングリコールとを、チタンテトラブトキシドの存在下でエステル化反応およびエステル交換反応を行い、さらに引き続いて重縮合反応を行って、固有粘度0.72dl/gで、酸成分の94モル%が2,6−ナフタレンジカルボン酸成分、酸成分の6モル%が6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分、グリコール成分の99モル%がエチレングリコール成分、1モル%がジエチレングリコール成分であるフィルム層A用の芳香族ポリエステル(A−5)を得た。なお、芳香族ポリエステル(A−5)には、重縮合反応前に得られる樹脂組成物の重量を基準として、平均粒径0.1μmのシリカ粒子を0.1重量%含有させた。この芳香族ポリエステル(A−5)の融点は255℃、ガラス転移温度は119℃であった。また、不活性粒子を平均粒径0.3μmのシリカ粒子を0.15重量%と、平均粒径0.1μmのシリカ粒子を0.1重量%に変更した以外は芳香族ポリエステル(A−5)と同様にして、フィルム層B用の芳香族ポリエステル(B−5)を得た。この芳香族ポリエステル(B−5)の融点は255℃、ガラス転移温度は119℃であった。
このようにして得られた芳香族ポリエステルを、実施例1と同様にして未延伸積層フィルムとし、製膜方向に沿って回転速度の異なる二組のローラー間で、上方よりIRヒーターにてフィルム表面温度が140℃になるように加熱して縦方向(製膜方向)の延伸を、延伸倍率5.3倍で行い、一軸延伸フィルムを得た。そして、この一軸延伸フィルムをステンターに導き、140℃で横方向(幅方向)に延伸倍率4.0倍で延伸し、その後200℃で10秒間熱固定処理を行い、厚さ5μmの二軸配向積層ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸配向積層ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
[実施例6]
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸そしてエチレングリコールとを、チタンテトラブトキシドの存在下でエステル化反応およびエステル交換反応を行い、さらに引き続いて重縮合反応を行って、固有粘度0.77dl/gで、酸成分の80モル%が2,6−ナフタレンジカルボン酸成分、酸成分の20モル%が6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分、グリコール成分の99モル%がエチレングリコール成分、1モル%がジエチレングリコール成分であるフィルム層A用の芳香族ポリエステル(A−6)を得た。なお、芳香族ポリエステル(A−6)には、重縮合反応前に得られる樹脂組成物の重量を基準として、平均粒径0.1μmのシリカ粒子を0.1重量%含有させた。この芳香族ポリエステル(A−6)の融点は252℃、ガラス転移温度は116℃であった。また、不活性粒子を、平均粒径0.3μmのシリカ粒子を0.15重量%と、平均粒径0.1μmのシリカ粒子を0.1重量%に変更した以外は芳香族ポリエステル(A−6)と同様にして、フィルム層B用の芳香族ポリエステル(B−6)を得た。この芳香族ポリエステル(B−6)の融点は252℃、ガラス転移温度は116℃であった。
このようにして得られた芳香族ポリエステルを、実施例1と同様にして積層未延伸フィルムとし、製膜方向に沿って回転速度の異なる二組のローラー間で、上方よりIRヒーターにてフィルム表面温度が135℃になるように加熱して縦方向(製膜方向)の延伸を、延伸倍率5.5倍で行い、一軸延伸フィルムを得た。そして、この一軸延伸フィルムをステンターに導き、140℃で横方向(幅方向)に延伸倍率4.3倍で延伸し、その後210℃で10秒間熱固定処理を行い、未延伸フィルムの厚みを調整して厚さ5μmの二軸配向積層ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸配向積層ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
[実施例7]
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸そしてエチレングリコールとを、チタンテトラブトキシドの存在下でエステル化反応およびエステル交換反応を行い、さらに引き続いて重縮合反応を行って、固有粘度0.77dl/gで、酸成分の65モル%が2,6−ナフタレンジカルボン酸成分、酸成分の35モル%が6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分、グリコール成分の98モル%がエチレングリコール成分、2モル%がジエチレングリコール成分であるフィルム層A用の芳香族ポリエステル(A−7)を得た。なお、芳香族ポリエステル(A−7)には、重縮合反応前に得られる樹脂組成物の重量を基準として、平均粒径0.1μmのシリカ粒子を0.1重量%含有させた。この芳香族ポリエステル(A−7)の融点は247℃、ガラス転移温度は116℃であった。また、不活性粒子を、平均粒径0.3μmのシリカ粒子を0.15重量%と、平均粒径0.1μmのシリカ粒子を0.1重量%に変更した以外は芳香族ポリエステル(A−7)と同様にして、フィルム層B用の芳香族ポリエステル(B−7)を得た。この芳香族ポリエステル(B−7)の融点は247℃、ガラス転移温度は116℃であった。
このようにして得られた芳香族ポリエステルを、押し出し機に供給して290℃でダイから溶融状態で回転中の温度50℃の冷却ドラム上にシート状に押し出し未延伸フィルムとした。そして、製膜方向に沿って回転速度の異なる二組のローラー間で、上方よりIRヒーターにてフィルム表面温度が140℃になるように加熱して縦方向(製膜方向)の延伸を、延伸倍率5.5倍で行い、一軸延伸フィルムを得た。そして、この一軸延伸フィルムをステンターに導き、140℃で横方向(幅方向)に延伸倍率6.0倍で延伸し、その後210℃で10秒間熱固定処理を行い、未延伸フィルムの厚みを調整して厚さ5μmの二軸配向積層ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸配向積層ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
[実施例8]
テレフタル酸ジメチル、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸そしてエチレングリコールとを、チタンテトラブトキシドの存在下でエステル化反応およびエステル交換反応を行い、さらに引き続いて重縮合反応を行って、固有粘度0.73dl/gで、酸成分の65モル%がテレフタル酸成分、酸成分の35モル%が6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分、グリコール成分の98.5モル%がエチレングリコール成分、1.5モル%がジエチレングリコール成分であるフィルム層A用の芳香族ポリエステル(A−8)を得た。なお、芳香族ポリエステル(A−8)には、重縮合反応前に得られる樹脂組成物の重量を基準として、平均粒径0.1μmのシリカ粒子を0.1重量%含有させた。この芳香族ポリエステル(A−8)の融点は233℃、ガラス転移温度は91℃であった。また、不活性粒子を、平均粒径0.3μmのシリカ粒子を0.15重量%と、平均粒径0.1μmのシリカ粒子を0.1重量%に変更した以外は芳香族ポリエステル(A−8)と同様にして、同様にして、フィルム層B用の芳香族ポリエステル(B−8)を得た。この芳香族ポリエステル(B−8)の融点は233℃、ガラス転移温度は91℃であった。
このようにして得られた芳香族ポリエステルを、実施例1と同様にして積層未延伸フィルムとし、、製膜方向に沿って回転速度の異なる二組のローラー間で、上方よりIRヒーターにてフィルム表面温度が110℃になるように加熱して縦方向(製膜方向)の延伸を、延伸倍率5.0倍で行い、一軸延伸フィルムを得た。そして、この一軸延伸フィルムをステンターに導き、120℃で横方向(幅方向)に延伸倍率6.0倍で延伸し、その後210℃で3秒間熱固定処理を行い、未延伸フィルムの厚みを調整して厚さ5μmの二軸配向積層ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸配向積層ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
[実施例9]
テレフタル酸ジメチル、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸そしてエチレングリコールとを、チタンテトラブトキシドの存在下でエステル化反応およびエステル交換反応を行い、さらに引き続いて重縮合反応を行って、固有粘度0.68dl/gで、酸成分の80モル%がテレフタル酸成分、酸成分の20モル%が6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分、グリコール成分の98モル%がエチレングリコール成分、2モル%がジエチレングリコール成分であるフィルム層A用の芳香族ポリエステル(A−9)を得た。なお、芳香族ポリエステル(A−9)には、重縮合反応前に得られる樹脂組成物の重量を基準として、平均粒径0.1μmのシリカ粒子を0.1重量%含有させた。この芳香族ポリエステル(A−9)の融点は230℃、ガラス転移温度は85℃であった。また、不活性粒子を平均粒径0.3μmのシリカ粒子を0.15重量%と、平均粒径0.1μmのシリカ粒子を0.1重量%に変更した以外は芳香族ポリエステル(A−9)と同様にして、フィルム層B用の芳香族ポリエステル(B−9)を得た。この芳香族ポリエステル(B−9)の融点は230℃、ガラス転移温度は85℃であった。
このようにして得られた芳香族ポリエステルを、実施例1と同様にして積層未延伸フィルムとした。そして、製膜方向に沿って回転速度の異なる二組のローラー間で、上方よりIRヒーターにてフィルム表面温度が105℃になるように加熱して縦方向(製膜方向)の延伸を、延伸倍率5.0倍で行い、一軸延伸フィルムを得た。そして、この一軸延伸フィルムをステンターに導き、115℃で横方向(幅方向)に延伸倍率5.2倍で延伸し、その後210℃で3秒間熱固定処理を行い、未延伸フィルムの厚みを調整して厚さ5mの二軸配向積層ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸配向積層ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
[実施例10]
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸そしてエチレングリコールとを、チタンテトラブトキシドの存在下でエステル化反応およびエステル交換反応を行い、さらに引き続いて重縮合反応を行って、固有粘度0.70dl/gで、酸成分の70モル%が2,6−ナフタレンジカルボン酸成分、酸成分の30モル%が6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分、グリコール成分の98モル%がエチレングリコール成分、2モル%がジエチレングリコール成分であるフィルム層A用の芳香族ポリエステル(A−10)を得た。なお、芳香族ポリエステル(A−10)には、重縮合反応前に得られる樹脂組成物の重量を基準として、平均粒径0.1μmのシリカ粒子を0.1重量%含有させた。この芳香族ポリエステル(A−10)の融点は268℃、ガラス転移温度は101℃であった。また、不活性粒子を平均粒径0.3μmのシリカ粒子を0.15重量%と、平均粒径0.1μmのシリカ粒子を0.1重量%に変更した以外は芳香族ポリエステル(A−10)と同様にして、フィルム層B用の芳香族ポリエステル(B−10)を得た。この芳香族ポリエステル(B−10)の融点は268℃、ガラス転移温度は101℃であった。
このようにして得られた芳香族ポリエステルを、押し出し機に供給して300℃でダイから溶融状態で回転中の温度50℃の冷却ドラム上にシート状に押し出し未延伸フィルムとした。そして、製膜方向に沿って回転速度の異なる二組のローラー間で、上方よりIRヒーターにてフィルム表面温度が135℃になるように加熱して縦方向(製膜方向)の延伸を、延伸倍率3.0倍で行い、一軸延伸フィルムを得た。そして、この一軸延伸フィルムをステンターに導き、140℃で横方向(幅方向)に延伸倍率3.8倍で延伸し、その後200℃で10秒間熱固定処理を行い、未延伸フィルムの厚みを調整して厚さ5μmの二軸配向積層ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸配向積層ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
[実施例11]
フィルム層Aとフィルム層Bの厚み比(A:B)を2:1に変更した以外は、実施例1と同様に行い、二軸配向積層ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸配向積層ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
[比較例1]
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸そしてエチレングリコールとを、チタンテトラブトキシドの存在下でエステル化反応およびエステル交換反応を行い、さらに引き続いて重縮合反応を行って、固有粘度0.66dl/gで、酸成分の73モル%が2,6−ナフタレンジカルボン酸成分、酸成分の27モル%が6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分、グリコール成分の98モル%がエチレングリコール成分、グリコール成分の2モル%がジエチレングリコール成分であるフィルム単層用の芳香族ポリエステル(A−11)を得た。なお、芳香族ポリエステル(A−11)には、重縮合反応前に得られる樹脂組成物の重量を基準として、平均粒径0.3μmのシリカ粒子を0.15重量%含有させた。この芳香族ポリエステル(A−11)の融点は240℃、ガラス転移温度は117℃であった。
このようにして得られた芳香族ポリエステルを、溶融状態で回転中の温度50℃の冷却ドラム上にシート状に押し出し未延伸(単層)フィルムとした以外は、実施例1と同様な操作を繰り返して、二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
[比較例2]
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸そしてエチレングリコールとを、チタンテトラブトキシドの存在下でエステル化反応およびエステル交換反応を行い、さらに引き続いて重縮合反応を行って、固有粘度0.66dl/gで、酸成分の73モル%が2,6−ナフタレンジカルボン酸成分、酸成分の27モル%が6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分、グリコール成分の98モル%がエチレングリコール成分、2モル%がジエチレングリコール成分であるフィルム単層用の芳香族ポリエステル(A−12)を得た。なお、芳香族ポリエステル(A−12)には、重縮合反応前に得られる樹脂組成物の重量を基準として、平均粒径0.1μmのシリカ粒子を0.1重量%含有させた。この芳香族ポリエステル(A−12)の融点は240℃、ガラス転移温度は117℃であった。
このようにして得られた芳香族ポリエステルを、溶融状態で回転中の温度50℃の冷却ドラム上にシート状に押し出し未延伸(単層)フィルムとした以外は、実施例1と同様な操作を繰り返して、二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
[比較例3]
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルとエチレングリコールとを、チタンテトラブトキシドの存在下でエステル化反応およびエステル交換反応を行い、さらに引き続いて重縮合反応を行って、固有粘度0.62dl/gで、グリコール成分の1.5モル%がジエチレングリコール成分であるフィルム層A用のポリエチレン−2,6−ナフタレート(A−13)を得た。なお、ポリエチレン−2,6−ナフタレート(A−13)には、重縮合反応前に得られる樹脂組成物の重量を基準として、平均粒径0.1μmのシリカ粒子を0.1重量%含有させた。また、不活性粒子を平均粒径0.3μmのシリカ粒子を0.15重量%と、平均粒径0.1μmのシリカ粒子を0.1重量%に変更した以外は同様にして、フィルム層B用のポリエチレン−2,6−ナフタレート(B−11)を得た。これらのポリエチレン−2,6−ナフタレート(A−13)と(B−11)の融点は270℃、ガラス転移温度は120℃であった。
そして、実施例1と同様にして未延伸積層フィルムとした。そして、製膜方向に沿って回転速度の異なる二組のローラー間で、上方よりIRヒーターにてフィルム表面温度が140℃になるように加熱して縦方向(製膜方向)の延伸を、延伸倍率3.0倍で行い、一軸延伸フィルムを得た。そして、この一軸延伸フィルムをステンターに導き、140℃で横方向(幅方向)に延伸倍率4.3倍で延伸し、その後200℃で10秒間熱固定処理を行い、厚さ5μmの二軸配向積層ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸配向積層ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
[比較例4]
比較例3において、製膜方向の延伸温度を140℃に、製膜方向の延伸倍率を4.0倍に、幅方向の延伸温度を140℃に、幅方向の延伸倍率を4.0倍に、熱固定処理温度を200℃に、そして未延伸フィルムの厚みを変更するほかは同様な操作を繰り返して厚さ5μmの二軸配向積層ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸配向積層ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
[比較例5]
比較例3において、製膜方向の延伸温度を140℃に、製膜方向の延伸倍率を4.5倍に、幅方向の延伸温度を140℃に、幅方向の延伸倍率を3.4倍に、熱固定処理温度を200℃に、そして未延伸フィルムの厚みを変更するほかは同様な操作を繰り返して厚さ5μmの二軸配向積層ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸配向積層ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
[参考例1]
参考例として、特許文献3の実施例1に記載されたヤング率、温度膨張係数そして湿度膨張係数の結果を、表1に示す。
Figure 0005074108
表1中の、A−1〜13およびB−1〜11は、それぞれ各実施例で説明した芳香族ポリエステルの種類、ANA割合は全酸成分中の6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分のモル%、MDはフィルムの製膜方向、TDはフィルムの幅方向を示す。なお、参考例1のヤング率はGPaに換算したものを示した。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、従来のポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートやポリアルキレン−6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエートでは達成できなかったような優れた寸法安定性を有しつつ、優れた平坦性と巻取性とを有することから、特に高密度磁気記録媒体のベースフィルムとして、好適に使用することができる。

Claims (5)

  1. フィルム層Aの片面に、フィルム層Bが積層され、フィルム層B側の表面粗さ(RaB)がフィルム層A側の表面粗さ(RaA)よりも1.0nm以上大きい二軸配向積層ポリエステルフィルムであって、
    少なくとも一方のフィルム層は、芳香族ジカルボン酸成分とグリコール成分との芳香族ポリエステルからなり、芳香族ジカルボン酸成分の5モル%以上50モル%未満が、下記式(I)
    Figure 0005074108
    (上記構造式(I)中のRは、炭素数1〜10のアルキレン基を示す。)
    で表される6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分であることを特徴とする二軸配向積層ポリエステルフィルム。
  2. フィルム層Aの表面粗さ(RaA)が1.0〜7.0nmの範囲で、フィルム層Bの表面粗さ(RaB)が5.0〜15.0nmの範囲にある請求項1記載の二軸配向積層ポリエステルフィルム。
  3. フィルム層Bは、その厚みが、積層フィルム全体の厚みに対して、50〜90%の範囲にあり、かつ芳香族ジカルボン酸成分とグリコール成分との芳香族ポリエステルからなり、芳香族ジカルボン酸成分の5モル%以上50モル%未満が、前記式(I)で表される6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分である請求項1または2に記載の二軸配向積層ポリエステルフィルム。
  4. フィルム層AおよびBが、ともに芳香族ジカルボン酸成分とグリコール成分との芳香族ポリエステルからなり、芳香族ジカルボン酸成分の5モル%以上50モル%未満が、前記式(I)で表される6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分である請求項1〜3のいずれかに記載の二軸配向積層ポリエステルフィルム。
  5. 二軸配向積層ポリエステルフィルムが、磁気記録媒体のベースフィルムに用いられる請求項1〜4のいずれかに記載の二軸配向積層ポリエステルフィルム。
JP2007156330A 2007-06-13 2007-06-13 二軸配向積層ポリエステルフィルム Expired - Fee Related JP5074108B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007156330A JP5074108B2 (ja) 2007-06-13 2007-06-13 二軸配向積層ポリエステルフィルム
PCT/JP2008/061072 WO2008153188A1 (ja) 2007-06-13 2008-06-11 二軸配向積層フィルム
US12/664,216 US8216704B2 (en) 2007-06-13 2008-06-11 Biaxially oriented laminated film
TW97122311A TW200920598A (en) 2007-06-13 2008-06-13 Biaxially oriented multilayer film

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007156330A JP5074108B2 (ja) 2007-06-13 2007-06-13 二軸配向積層ポリエステルフィルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008307742A JP2008307742A (ja) 2008-12-25
JP5074108B2 true JP5074108B2 (ja) 2012-11-14

Family

ID=40235789

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007156330A Expired - Fee Related JP5074108B2 (ja) 2007-06-13 2007-06-13 二軸配向積層ポリエステルフィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5074108B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101545371B1 (ko) * 2008-04-21 2015-08-18 데이진 가부시키가이샤 2 축 배향 적층 필름
JP5271124B2 (ja) * 2009-03-12 2013-08-21 帝人株式会社 二軸配向多層積層ポリエステルフィルム
JP2010264683A (ja) * 2009-05-15 2010-11-25 Teijin Ltd 支持体
JP5749505B2 (ja) * 2011-01-28 2015-07-15 帝人デュポンフィルム株式会社 積層ポリエステルフィルムおよびそれを用いた塗布型磁気記録テープ
JP5964655B2 (ja) * 2012-05-25 2016-08-03 帝人デュポンフィルム株式会社 積層ポリエステルフィルム
JP6441147B2 (ja) * 2015-03-31 2018-12-19 帝人株式会社 延伸多層積層反射ポリエステルフィルムおよびそれからなる液晶ディスプレイ装置

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60221420A (ja) * 1984-04-17 1985-11-06 Teijin Ltd ポリエステルフイルム
JPS61145724A (ja) * 1984-12-19 1986-07-03 Teijin Ltd 磁気記録フレキシブルデイスク
US6890471B2 (en) * 2000-12-11 2005-05-10 Teijin Limited Biaxially oriented polyester film and method for production thereof
KR101317115B1 (ko) * 2006-07-21 2013-10-11 데이진 가부시키가이샤 방향족 폴리에스테르 및 그 제조법

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008307742A (ja) 2008-12-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5275849B2 (ja) 二軸配向多層積層ポリエステルフィルム
US8216704B2 (en) Biaxially oriented laminated film
JP5074108B2 (ja) 二軸配向積層ポリエステルフィルム
EP2272669B1 (en) Biaxially oriented multilayer film
JP2011084037A (ja) 二軸配向多層積層フィルム
JP5739146B2 (ja) 共重合芳香族ポリエステル、二軸配向ポリエステルフィルムおよび磁気記録媒体
JP2010031138A (ja) 二軸配向フィルム
JP5373313B2 (ja) 二軸配向積層ポリエステルフィルム
JP5271124B2 (ja) 二軸配向多層積層ポリエステルフィルム
JP2019131787A (ja) ポリエステル組成物、ポリエステルフィルムおよび磁気記録媒体
JP4971875B2 (ja) 二軸配向ポリエステルフィルム
JP5074215B2 (ja) 二軸配向積層フィルム
JP5214903B2 (ja) 二軸配向ポリエステルフィルム
JP2013103995A (ja) 共重合芳香族ポリエステル、配向ポリエステルフィルムおよび磁気記録媒体
JP4934063B2 (ja) 二軸配向ポリエステルフィルム
JP2019130777A (ja) 積層ポリエステルフィルムおよび磁気記録媒体
JP5209219B2 (ja) 二軸配向ポリエステルフィルム
JP2012018733A (ja) 塗布型磁気記録テープ用積層2軸配向ポリエステルフィルム
JP5199611B2 (ja) ポリエステル組成物
JP2010030116A (ja) 二軸配向積層フィルムおよびそれを用いた磁気記録媒体
JP2019130778A (ja) 積層ポリエステルフィルムおよび磁気記録媒体
JP5193705B2 (ja) 二軸配向積層フィルム
JP5209218B2 (ja) 二軸配向ポリエステルフィルム
JP2009167342A (ja) 二軸配向ポリエステルフィルム
JP2011245642A (ja) 二軸配向多層フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100415

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20110707

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20110707

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120313

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120507

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120731

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120823

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150831

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees