JP5738004B2 - 介在部材の保持構造、介在部材、及びがたつき防止部材 - Google Patents
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Description
また、第1,第2部材及び介在部材が組付けられると、介在部材が第1,第2部材間でがたつくことを規制すべく、がたつき防止部材としてのゴムブッシュが所定の圧縮状態になるまで圧縮されることになるが、ゴムブッシュを所定の圧縮状態にするためには、非常に高い圧縮荷重が必要となる。このため、がたつき防止部材として、ゴムブッシュを用いる場合には、介在部材として、高い剛性のものが必要となり、低い剛性の介在部材を用いることは困難となる。
第2の技術的課題は、上記介在部材の保持構造に用いられる介在部材を提供することにある。
第3の技術的課題は、上記介在部材の保持構造に用いられるがたつき防止部材を提供することにある。
第1部材と第2部材との間に介在部材が介在され、該介在部材と前記第1部材又は第2部材の少なくとも一方の部材との間に、該介在部材のがたつきを防止するがたつき防止部材が圧縮された状態で介装されている介在部材の保持構造において、
前記介在部材に、前記一方の部材に対向するようにして支持板部が備えられ、
前記支持板部に貫通孔が、その軸心延び方向を前記第1,第2部材の並設方向に向くようにして形成され、
前記がたつき防止部材が、
全体的に弾性部材による一体成形品とされ、
前記支持板部の貫通孔を遊嵌状態で貫通し、その一端部が前記支持板部よりも前記一方の部材側に位置されると共にその他端部が前記支持板部よりも前記一方の部材から遠い側に位置されて、該貫通孔を摺動変位可能とされた軸部と、
前記軸部の一端部に一体的に設けられ該一端部から該支持板部に近づくに従って拡径される傘状の弾性頭部と、
前記軸部のうち、前記支持板部よりも該軸部の他端側に、前記貫通孔の径よりも拡径された状態で形成されて、外力が作用しない状態において前記弾性頭部と協働して前記支持板部を挟持する膨らみ部と、を一体的に備え、
前記弾性頭部が前記一方の部材と前記介在部材とに挟持されて圧縮変形されることにより該介在部材のがたつきを防止すると共に、該弾性頭部の圧縮変形に伴って前記軸部が前記一方の部材から遠い側に向けて前記貫通孔を摺動変位された状態とされる、
ような構成とされている。この請求項1の好ましい態様としては、請求項2〜6の記載の通りとなる。
第1部材と第2部材との間に介在されている介在部材であって、
前記第1部材又は第2部材の少なくとも一方の部材に対向するようにして支持板部が備えられ、
前記支持板部に貫通孔が、その軸心方向を前記第1,第2部材の並設方向に向けるようにして形成され、
前記支持板部にがたつき防止部材が保持され、
前記がたつき防止部材が、
全体的に弾性部材による一体成形品とされ、
前記支持板部の貫通孔を遊嵌状態で貫通し、その一端部が前記支持板部よりも前記一方の部材側に位置されると共にその他端部が前記支持板部よりも前記一方の部材から遠い側に位置されて、該貫通孔を摺動変位可能とされた軸部と、
前記軸部の一端部に一体的に設けられ該一端部から該支持板部に近づくに従って拡径される傘状の弾性頭部と、
前記軸部のうち、前記支持板部よりも該軸部の他端側に、前記貫通孔の径よりも拡径された状態で形成されて、外力が作用しない状態において前記弾性頭部と協働して前記支持板部を挟持する膨らみ部と、を一体的に備え、
前記弾性頭部が前記一方の部材と前記介在部材とに挟持されて圧縮変形されることにより該介在部材のがたつきを防止すると共に、該弾性頭部の圧縮変形に伴って前記軸部が前記一方の部材から遠い側に向けて前記貫通孔を摺動変位された状態とされる、
ような構成とされている。この請求項7の好ましい態様としては、請求項8〜12の記載の通りとなる。
第1部材と第2部材との間に介在部材が介在される状態の下で、該介在部材と前記第1部材又は第2部材の少なくとも一方の部材との間に介装されて、該介在部材のがたつきを防止するがたつき防止部材であって、
前記介在部材として、前記一方の部材に対向するようにして支持板部が備えられていると共に、該支持板部に貫通孔がその軸心方向を前記第1,第2部材の並設方向に向けるようにして形成されているものに対して用いられるものであり、
全体的に弾性部材による一体成形品とされ、
前記支持板部の貫通孔を遊嵌状態で貫通し、その一端部が前記支持板部よりも前記一方の部材側に位置されると共にその他端部が前記支持板部よりも前記一方の部材から遠い側に位置されて、該貫通孔を摺動変位可能とされた軸部と、
前記軸部の一端部に一体的に設けられ該一端部から該支持板部に近づくに従って拡径される傘状の弾性頭部と、
前記軸部のうち、前記支持板部よりも該軸部の他端側に、前記貫通孔の径よりも拡径された状態で形成されて、外力が作用しない状態において前記弾性頭部と協働して前記支持板部を挟持する膨らみ部と、を一体的に備え、
前記弾性頭部が前記一方の部材と前記介在部材とに挟持されて圧縮変形されることにより該介在部材のがたつきを防止すると共に、該弾性頭部の圧縮変形に伴って前記軸部が前記一方の部材から遠い側に向けて前記貫通孔を摺動変位された状態とされる、
ような構成とされている。
また、第1部材と第2部材との間に介在部材が介在される際に、その介在部材に保持されるがたつき防止部材ががたつき防止のため圧縮されることになるが、がたつき防止部材の軸部の一端部に傘状の弾性頭部が設けられて、その弾性頭部の内部が空洞とされていることから、弾性頭部の内部が空洞ではなく中実のものに比べて、介在部材に対する圧縮荷重を低くすることができる。このため、介在部材の剛性を過剰に高める必要はなくなり、介在部材の剛性の適用範囲を低い側に拡大することができる。
以上に加えて、弾性頭部が圧縮変形される際に、軸部が貫通孔に対して摺動変位するので、弾性頭部を支持板部の所定位置で圧縮するように案内することになり、支持板部上で頭部の圧縮を的確に行うことができる。また、弾性頭部が圧縮されるに伴い(第1部材と第2部材との間に介在部材が介在される際)、傘状の弾性頭部内の空気が貫通孔と軸部との間の隙間を介して外部に円滑に排出されることになり、より一層、必要な圧縮荷重(がたつき防止のために必要となる圧縮荷重)を低くすることができると共に、その調整を容易にすることができる。これに伴い、介在部材として、その剛性が一層低いものをも用いることができる。
前記軸部と前記貫通孔の内周面との間に環状隙間が形成され、前記弾性頭部内の内部空間が、前記環状隙間を介して外部に臨んでいることから、請求項1に対応した効果をより一層十分に発揮させることができる。
また、膨らみ部が、支持板部に対して最も大きな径の面をもって当接していることから、がたつき防止部材の軸部がその一端側外方に向けて移動することが確実に規制されることになる。このため、支持板部(介在部材)からのがたつき防止部材の脱落を防止して、組付け作業性が低下することを確実に防止できる。
図1は、実施形態に係るバッフルプレート2が組み込まれた自動変速機1を示している。自動変速機1は、筒状の変速機ケース(第2部材)3を有しており、その一方の開口4はトルクコンバータハウジング壁(第1部材、一方の部材:図1においては、仮想線をもって示す)5により閉塞され、他方の開口(図示略)はエンドカバー(図示略)により閉塞されている。この変速機ケース3内には、仕切壁としての中間壁6が設けられており、その中間壁6とトルクコンバータハウジング壁5との空間7には、トルクコンバータからの動力が入力される入力軸8と、その入力軸8に入力された動力を、中間壁6とエンドカバーとの間に配置される変速機構(図示略)に伝達するクラッチドラム9と、変速機構からの動力を中間軸10を介して受け取るアウトプットギヤ11と、そのアウトプットギヤ11に噛合されて該アウトプットギヤ11からの動力を受け取るリングギヤ12と、そのリングギヤ12に入力された動力を差動機構13を介して受け取る出力軸14と、が配設されている。
尚、図1中、符号17は、変速機ケース3の下部に、入力軸8及び隔壁部16の下方側において取付けられるオイルパンであり、このオイルパン17内に導かれた潤滑オイルは、ポンプ(図示略)により出力軸14に供給され、そこでの潤滑の役割を果たすと、オイル溜め部15に貯留されることになる。また、クラッチドラム9の下側には、変速機ケース3内において、該クラッチドラム9の外周に沿うようにして湾曲形状をもたせた隔壁部16が形成されており、この隔壁部16に導かれた潤滑オイルに関しては、溜まることなくオイルパン17内に排出されることになる。
また、この支持部23上にも円筒部36が一体的に設けられている。この円筒部36は、その端面が、前記支柱部22に設けられる円筒部31の端面と同一水準平面を形成するように設定され,その下部部分は半割状態にされている。この円筒部36にも、その内部を閉塞する仕切壁37aが一体的に設けられており、これにより、その仕切壁37aを底部(以下、符号37aを用いる)とした凹部37が形成されている。この凹部37の底部37aも、トルクコンバータハウジング壁5に対向して略平行に設けられており、その底部37aの径方向中央部には貫通孔38が形成されている。
本実施形態においては、膨らみ部42は、軸部40の他端側から一端側に向うに従って拡径された形状とされている。これは、凹部31に対するがたつき防止部材39の組付け時に、がたつき防止部材39における軸部40をその他端側から凹部31における底部31aの貫通孔33に押し込むことにより、その膨らみ部42を縮径させつつその貫通孔33を円滑に通過させ、膨らみ部42が凹部31の底部31aよりも軸部40の他端側に容易に配置できるようにするためであり、また、膨らみ部42に基づく軸部40の一端側外方への抜け止めを、最も大きな径を有する膨らみ部42の開口端面と凹部31の底部31aとの当接関係により、より確実にするためである。これにより、凹部31(介在部材)からのがたつき防止部材39の脱落が防止され、組付け作業性が低下することが確実に防止される。
(1)第1,第2部材、介在部材は、トルクコンバータハウジング壁5、変速機ケース3(中間壁6)、バッフルプレート2に限らず、種々のものに適用すること。
(2)がたつき防止部材39が、撓み性等を確保することを条件として樹脂成形品であってもよいこと。
(3)中間壁6に嵌合凹所27を形成せず、その部分を平坦な面にし、その平坦な面に支柱21の端部(嵌合凸部26)を当接させる一方、バッフルプレート2の第1又は第2規制壁部18,19等を変速ケース3(要素を含む)に当接させて、支柱部22を中心としたバッフルプレート2の相対回動を規制すること。これにより、中間壁6に、特別に嵌合凹所27を形成する必要はなくなる。
3 変速機ケース(第2部材)
5 トルクコンバータハウジング壁(第1部材、一方の部材)
6 中間壁(第2部材、仕切壁)
9 クラッチドラム
12 リングギヤ
26 嵌合凸部
27 嵌合凹所
31,37 凹部
31a,37a 底部(支持板部)
32 ボルト頭部
33,38 貫通孔
39 がたつき防止部材
40 軸部
41 頭部(弾性頭部)
42 膨らみ部
43 環状隙間
Claims (13)
- 第1部材と第2部材との間に介在部材が介在され、該介在部材と前記第1部材又は第2部材の少なくとも一方の部材との間に、該介在部材のがたつきを防止するがたつき防止部材が圧縮された状態で介装されている介在部材の保持構造において、
前記介在部材に、前記一方の部材に対向するようにして支持板部が備えられ、
前記支持板部に貫通孔が、その軸心延び方向を前記第1,第2部材の並設方向に向くようにして形成され、
前記がたつき防止部材が、
全体的に弾性部材による一体成形品とされ、
前記支持板部の貫通孔を遊嵌状態で貫通し、その一端部が前記支持板部よりも前記一方の部材側に位置されると共にその他端部が前記支持板部よりも前記一方の部材から遠い側に位置されて、該貫通孔を摺動変位可能とされた軸部と、
前記軸部の一端部に一体的に設けられ該一端部から該支持板部に近づくに従って拡径される傘状の弾性頭部と、
前記軸部のうち、前記支持板部よりも該軸部の他端側に、前記貫通孔の径よりも拡径された状態で形成されて、外力が作用しない状態において前記弾性頭部と協働して前記支持板部を挟持する膨らみ部と、を一体的に備え、
前記弾性頭部が前記一方の部材と前記介在部材とに挟持されて圧縮変形されることにより該介在部材のがたつきを防止すると共に、該弾性頭部の圧縮変形に伴って前記軸部が前記一方の部材から遠い側に向けて前記貫通孔を摺動変位された状態とされる、
ことを特徴とする介在部材の保持構造。 - 請求項1において、
前記軸部と前記貫通孔の内周面との間に環状隙間が形成され、
前記弾性頭部内の内部空間が、前記環状隙間を介して外部に臨んでいる、
ことを特徴とする介在部材の保持構造。 - 請求項1において、
前記膨らみ部が、前記軸部の他端側から一端側に向うに従って拡径されるように設定されている、ことを特徴とする介在部材の保持構造。 - 請求項1において、
前記介在部材の支持板部として、該介在部材に設けられる凹部内の底部が用いられ、
前記がたつき防止部材の弾性頭部が、前記凹部内より該凹部開口外方に突出されている、
ことを特徴とする介在部材の保持構造。 - 請求項1〜4のいずれか1項において、
前記介在部材の構成部と前記第1部材又は第2部材の他方の部材とが、少なくとも2個所において、凹凸嵌合されている、
ことを特徴とする介在部材の保持構造。 - 請求項1〜5のいずれか1項において、
前記第1,第2部材の一方の部材がトルクコンバータハウジング壁であり、
前記第1,第2部材の他方の部材が、前記トルクコンバータハウジング壁により閉塞される開口を有すると共に、その開口よりも内方において内部を仕切る仕切壁とを有する変速機ケースであり、
前記介在部材が、前記変速機ケースの仕切壁と前記トルクコンバータハウジング壁との間に介在されて、該両者間に配設される動力伝達要素に基づく飛散潤滑オイルの流れを調整するバッフルプレートである、
ことを特徴とする介在部材の保持構造。 - 第1部材と第2部材との間に介在されている介在部材であって、
前記第1部材又は第2部材の少なくとも一方の部材に対向するようにして支持板部が備えられ、
前記支持板部に貫通孔が、その軸心方向を前記第1,第2部材の並設方向に向けるようにして形成され、
前記支持板部にがたつき防止部材が保持され、
前記がたつき防止部材が、
全体的に弾性部材による一体成形品とされ、
前記支持板部の貫通孔を遊嵌状態で貫通し、その一端部が前記支持板部よりも前記一方の部材側に位置されると共にその他端部が前記支持板部よりも前記一方の部材から遠い側に位置されて、該貫通孔を摺動変位可能とされた軸部と、
前記軸部の一端部に一体的に設けられ該一端部から該支持板部に近づくに従って拡径される傘状の弾性頭部と、
前記軸部のうち、前記支持板部よりも該軸部の他端側に、前記貫通孔の径よりも拡径された状態で形成されて、外力が作用しない状態において前記弾性頭部と協働して前記支持板部を挟持する膨らみ部と、を一体的に備え、
前記弾性頭部が前記一方の部材と前記介在部材とに挟持されて圧縮変形されることにより該介在部材のがたつきを防止すると共に、該弾性頭部の圧縮変形に伴って前記軸部が前記一方の部材から遠い側に向けて前記貫通孔を摺動変位された状態とされる、
ことを特徴とする介在部材。 - 請求項7において、
前記軸部と前記貫通孔の内周面との間に環状隙間が形成され、
前記弾性頭部内の内部空間が、前記環状隙間を介して外部に臨んでいる、
ことを特徴とする介在部材。 - 請求項7において、
前記膨らみ部が、前記軸部の他端側から一端側に向うに従って拡径されるように設定されている、ことを特徴とする介在部材。 - 請求項7において、
前記一方の部材に対向するようにして、凹部が設けられ、
前記凹部内の底部が前記支持板部とされ、
前記がたつき防止部材の弾性頭部が、前記凹部内より該凹部開口外方に突出されている、
ことを特徴とする介在部材。 - 請求項7〜10のいずれか1項において、
前記第1部材又は第2部材の他方の部材に対向するようにして、該他方の部材と協働して凹凸嵌合するための凹部又は凸部の一方が設けられている、ことを特徴とする介在部材。 - 請求項7〜11のいずれか1項において、
前記第1,第2部材の一方の部材がトルクコンバータハウジング壁であり、
前記第1,第2部材の他方の部材が、前記トルクコンバータハウジング壁により閉塞される開口を有すると共に、その開口よりも内方において内部を仕切る仕切壁とを有する変速機ケースであり、
前記変速機ケースの仕切壁と前記トルクコンバータハウジング壁との間に介在されて、該両者間に配設される動力伝達要素に基づく飛散潤滑オイルの流れを調整するバッフルプレートとして用いられる、
ことを特徴とする介在部材。 - 第1部材と第2部材との間に介在部材が介在される状態の下で、該介在部材と前記第1部材又は第2部材の少なくとも一方の部材との間に介装されて、該介在部材のがたつきを防止するがたつき防止部材であって、
前記介在部材として、前記一方の部材に対向するようにして支持板部が備えられていると共に、該支持板部に貫通孔がその軸心方向を前記第1,第2部材の並設方向に向けるようにして形成されているものに対して用いられるものであり、
全体的に弾性部材による一体成形品とされ、
前記支持板部の貫通孔を遊嵌状態で貫通し、その一端部が前記支持板部よりも前記一方の部材側に位置されると共にその他端部が前記支持板部よりも前記一方の部材から遠い側に位置されて、該貫通孔を摺動変位可能とされた軸部と、
前記軸部の一端部に一体的に設けられ該一端部から該支持板部に近づくに従って拡径される傘状の弾性頭部と、
前記軸部のうち、前記支持板部よりも該軸部の他端側に、前記貫通孔の径よりも拡径された状態で形成されて、外力が作用しない状態において前記弾性頭部と協働して前記支持板部を挟持する膨らみ部と、を一体的に備え、
前記弾性頭部が前記一方の部材と前記介在部材とに挟持されて圧縮変形されることにより該介在部材のがたつきを防止すると共に、該弾性頭部の圧縮変形に伴って前記軸部が前記一方の部材から遠い側に向けて前記貫通孔を摺動変位された状態とされる、
ことを特徴とするがたつき防止部材。
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