JP5713232B2 - ノイズフィルタ - Google Patents
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図7に、コイル部品を使用したノイズ対策の一例を示す。軟磁性トロイダルコア12を使用したコモンモードチョークコイル11と、棒状の軟磁性コア14を使用したノーマルモードチョークコイル13を用いたノイズフィルタである。コモンモードチョークコイル11は、線路AA´とGND間のコモンモードノイズの低減に効果があり、ノーマルモードチョークコイル13は、線路AA´のノーマルモードノイズの低減に効果がある。
ノーマルモードチョークコイル13に使用する軟磁性コア14は、直流重畳特性を有する必要があり、高い飽和磁束密度を持つFe系合金の軟磁性材料が好ましいが、図7に示すように開磁路にすることで直流重畳特性を向上させ、安価なソフトフェライト材が使用できる。
そこで、前記問題を解決するものとして、特許文献1に記載されている、コモンモードチョークコイルにノーマルモードチョークコイルの機能を付加し、コイル部品1個にてコモンモードノイズおよびノーマルモードノイズを対策したものが、図8に示すコモンモードノイズフィルタである。
また、本発明は、前記ツバ部の、前記コイルの外側露出表面よりも外側に張り出している面積率Fを、F=(S−L)/Sと定義したとき、
(ここで、Sはツバ部の磁脚軸方向に垂直な断面積、Lは磁脚を含めたコイル部を磁脚軸方向でツバ部に投影された最外周までの面積の合計、である。)
F≧0.25であることを特徴とするノイズフィルタである。
また、本発明は、前記軟磁性コアは、2磁脚の軸方向の中央部分に分割面を有し、前記分割面にて2分割される前記軟磁性コアは、分割面に対して面対称であり、かつ、前記2分割面が、互いに全面にて対面していることを特徴とするノイズフィルタである。
また、本発明は、前記2磁脚にそれぞれ導線を巻回したコイルのターン数、及び導線の断面積が同値であることを特徴とするノイズフィルタである。
また、本発明は、軟磁性コアがMnZnフェライトコアであり、巻回したコイルと前記MnZnフェライトコアとの間に絶縁フィルムを有することを特徴とするノイズフィルタである。
磁脚の両端のツバ部が、対向するツバ部分と空間で磁路を形成し、従来技術における中脚の作用を有している。
また、従来構造では、図8に示すようにコイル部分がコア外形から出っ張るためにコイル部分を保護し、固定するためにツバ部を有するボビン29が必要であったが(特許文献1の図4の23、24、特許文献2の図1の14b参照)、本発明ではボビンが不要となり、より小型化が可能となる。
従って、ツバ部は、軟磁性コアの一部として機能しているため、コイル外側露出表面からの張り出しが大きいほど磁路形成能力が高くなる。ツバ部の厚さは、軟磁性コア材料の飽和磁束密度と2磁脚に接続されているツバ部の断面積から磁束が飽和しないように設計されるものである。前記含めて、フィルタのサイズと必要とするノイズ低減効果等を考慮して、軟磁性コアの形状は適宜決定されるものである。
F=(S−L))/Sと定義したとき、
(ここで、
Sはツバ部の磁脚軸方向に垂直な断面積、
Lは磁脚を含めたコイル部を磁脚軸方向でツバ部に投影された最外周までの面積の合計、である。)
前記、面積率F、ツバ部の磁脚軸方向に垂直な断面積S、磁脚を含めたコイル部を磁脚軸方向でツバ部に投影された最外周までの面積の合計Lについて説明する。
図9に、図2(b)の図を例にして説明する。Sはツバ部の長辺Bと短辺Cの積で表される。磁脚を含めたコイル部を磁脚軸方向でツバ部に投影された最外周までの面積の合計Lは図9中の網目部分15となる。コイルのリード部分は網目部分には含まれない。従って、(S−L)は、図9のツバ部の磁脚軸方向に垂直な面積S(長辺Bと短辺Cの積)から、網目部分15の面積を減じた部分であって、斜線部分16である。よって面積率Fは、面積S(長辺Bと短辺Cの積)に対する、斜線部分16の率となる。
F≧0.25を満足すれば、ノーマルモードノイズ、コモンモードノイズのいずれに対しても優れたノイズ低減効果を得ることができる。
より好ましくは、F≧0.3であり、ノイズ低減効果がいっそう大きくなる。
また、Fが増加することは、ツバ部の張り出し量が磁脚とコイル巻回部の断面積に対して大きくなると解されるが、この場合、ノイズフィルタの組み立て時や、ハンドリング時に、外部からの応力によってツバ部周辺への欠けやクラックの発生の恐れがある。このため、Fの上限として0.7未満が好ましい。
前記構造にすることにより、予め巻回したコイルに対して、コイル両端から、磁脚部分を挿入することにより容易に組み立てが可能となる。
また、必要に応じて、前記2つの分割面の間に、非磁性のスペーサを挿入することで容易に磁気ギャップを形成することができる。
前記ツバ部の周辺部は、前記コイルの外側露出表面よりも、外側に張り出していることを特徴とするノイズフィルタである。
また、本発明は、前記ツバ部の、前記コイルの外側露出表面よりも外側に張り出している面積率Fを、
F=(S−L)/Sと定義したとき、
(ここで、
Sはツバ部の磁脚軸方向に垂直な断面積、
Lは磁脚を含めたコイル部を磁脚軸方向でツバ部に投影された最外周までの面積の合計、である。)
F≧0.25であることを特徴とするノイズフィルタである。
また、本発明は、前記2磁脚の断面積をそれぞれa、bとしたとき、a≧b≧0.2aである関係を満足することを特徴とするノイズフィルタである。
また、本発明は、前記軟磁性コアは、2磁脚の軸方向の中央部分に分割面を有し、前記分割面にて2分割される前記軟磁性コアは、分割面に対して面対称であり、かつ、前記2分割面が、互いに全面にて対面していることを特徴とするノイズフィルタである。
また、本発明は、前記2磁脚にそれぞれ導線を巻回したコイルのターン数、及び導線の断面積が同値であることを特徴とするノイズフィルタである。
また、本発明は、軟磁性コアがMnZnフェライトコアであり、巻回したコイルと前記MnZnフェライトコアとの間に絶縁フィルムを有することを特徴とするノイズフィルタである。
(比較例)
図8に示す軟磁性コアを含むノイズフィルタにおいて、NML=2.5μH、CML=40.0μH、Rdcが4.5mΩを得るには、A=26mm、B=30mm、C=21mmの外形寸法が必要であった。尚、中脚の軸方向の大きさは7mm角であった。
ここで、NML、CML、Rdcとは、図6に示すように2つのコイルを結線し、インダクタンス及び直流抵抗を測定し、2つのコイルの直列接続したインダクタンスがNML、直流抵抗がRdcであり、2つのコイルの並列接続したインダクタンスがCMLである。
前記軟磁性コアは、面対称になるように、外側2磁脚の中央部分で分割されていて、前記分割面全面で対面するように、対向する磁脚のベース部分の外側部分同士を、2磁脚及びボビンの外側を挟んで、テープで固定している。
また、前記NML及びCMLのインダクタンスとRdcを得るために、直径1.8mmの絶縁皮膜導線を6ターン巻回したコイルをボビンに形成し、外側の2磁脚がコイルボビンに挿入されるよう作製した。
2、3 磁脚
4、5 ツバ部
6、7 コイル
8 絶縁皮膜導線
9 絶縁フィルム
10 ノイズフィルタ
Claims (5)
- 2つの磁脚と、前記2つの磁脚の端部間を接続する2つのツバ部を有する軟磁性コアと、前記2つの磁脚のそれぞれに設けられたコイルと、を備えるノイズフィルタであって、
前記ツバ部の周辺部は、前記コイルの外側露出表面よりも、外側に張り出しており、
前記2つの磁脚の断面積をそれぞれa、bとしたとき、a>b≧0.2aである関係を満足することを特徴とするノイズフィルタ。 - 前記ツバ部の、前記コイルの外側露出表面よりも外側に張り出している面積率Fを、
F=(S−L)/Sと定義したとき、
(ここで、Sはツバ部の磁脚軸方向に垂直な断面積、Lは磁脚を含めたコイル部を磁脚軸方向でツバ部に投影された最外周までの面積の合計、である。)
F≧0.25であることを特徴とする請求項1に記載のノイズフィルタ。 - 前記軟磁性コアは、2つの磁脚の軸方向の中央部分に分割面を有し、前記分割面にて2分割される前記軟磁性コアは、分割面に対して面対称であり、かつ、前記2分割面が、互いに全面にて対面していることを特徴とする請求項1又は2に記載のノイズフィルタ。
- 前記2つの磁脚にそれぞれ導線を巻回したコイルのターン数、及び導線の断面積が同値であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のノイズフィルタ。
- 軟磁性コアがMnZnフェライトコアであり、巻回したコイルと前記MnZnフェライトコアとの間に絶縁フィルムを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のノイズフィルタ。
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