JP6610903B2 - リアクトル - Google Patents

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Description

本発明は、リアクトルに関する。
電圧の昇圧動作や降圧動作を行う回路の部品の一つに、リアクトルがある。例えば特許文献1、2には、コイルと、コイルが配置される磁性コアとを備えるリアクトルが開示されている。特許文献1には、一対のコイル素子(巻回部)を有するコイルと、各コイル素子の内側に配置される一対の内側コア部と両コイル素子の外側に配置されて両内側コア部の各端部同士を接続する外側コア部とを有する環状の磁性コアと、を備えるリアクトルが記載されている。特許文献1では、両コイル素子の巻き数や形状が同じであり、各コイル素子の軸方向が平行するように横並びに並列に配置されている。特許文献2には、コイルの取り付け面(設置面とは反対側に位置する上面)に放熱部材(放熱板)が配設されたリアクトルが記載されている。
特開2014−146656号公報 特開2009−147041号公報
上述したような2つの巻回部を有するコイルと、コイル(巻回部)の内外に配置される環状の磁性コアとを備えるリアクトルにおいて、小型化できながら、コイルの放熱性を確保することが望まれている。
リアクトルの設置状態として、リアクトルを設置する設置対象における冷却機構の冷却性能が場所によって異なる(冷却性能に偏りがある)ことがあり、一方の巻回部は冷却機構によって十分に冷却されるものの、他方の巻回部は十分に冷却されないような場合があり得る。
従来のリアクトルでは、コイルを構成する巻線や両巻回部の形状・寸法などの仕様が同一であり、両巻回部の幅及び高さ(外径)が同じで、両巻回部の周長が等しい。つまり、コイルにおける両巻回部の外形寸法(サイズ)が同じである。ここで、巻回部の幅とは、両巻回部の並び方向の長さのことであり、巻回部の高さとは、各巻回部の軸方向及び両巻回部の並び方向にそれぞれ直交する方向の長さのことである。また、巻回部の周長とは、巻回部を軸方向から見たときの外周(輪郭線)の長さのことであり、1ターンあたりのターン長と略等しい。したがって、両巻回部の発熱特性が実質的に同じであり、コイルに通電したときの両巻回部の発熱量が等しくなる。
従来のリアクトルにおいて、上述した他方の巻回部が十分に冷却されない設置状態である場合、他方の巻回部が一方の巻回部よりも高温になり、リアクトルの損失の増大などを招く虞がある。特許文献2に記載するようにコイル(両巻回部)の上面に放熱部材を配置した場合は、放熱部材を含めたコイル全体の高さが大きくなるため、リアクトルの大型化を招き、搭載スペースにリアクトルを設置できないなどの不具合が生じることがある。よって、従来のリアクトルでは、放熱性と小型化との両立を図ることが困難であった。
そこで、コイルの放熱性を確保できながら、小型化できるリアクトルを提供することを目的の一つとする。
本開示に係るリアクトルは、
巻線を巻回してなる第1巻回部及び第2巻回部を有し、各巻回部が互いに横並びに配置されたコイルと、
前記第1巻回部の内側に配置される第1内側コア部及び前記第2巻回部の内側に配置される第2内側コア部と、両巻回部の外側に配置されて両内側コア部の各端部同士を接続する外側コア部とを有する磁性コアと、を備え、
前記コイルにおいて、前記第2巻回部の周長が前記第1巻回部の周長よりも短くなっており、
前記第2巻回部の外周面の少なくとも一部に配置される放熱板を備える。
上記リアクトルは、コイルの放熱性を確保できながら、小型化できる。
実施形態1のリアクトルの概略斜視図である。 実施形態1のリアクトルの概略分解斜視図である。 実施形態1のリアクトルに備えるコイルの概略斜視図である。 実施形態1のリアクトルに備えるコイルの概略側面図である。 実施形態1のリアクトルに備えるコイル及び磁性コアの概略正面図である。 実施形態1のリアクトルに備える放熱板の別の一例を示す図である。
本発明者らは、2つの巻回部を有するコイルを備えるリアクトルにおいて、両巻回部の周長を互いに異ならせ、一方の巻回部よりも他方の巻回部の周長を短くすると共に、周長が短い他方の巻回部の外周面に放熱板を配置することを考えた。そして、リアクトルを冷却性能に偏りがある設置対象に設置する場合に、冷却性能が高い側に一方の巻回部を配置し、冷却性能が低い側に他方の巻回部を配置することで、上記課題を解決できることを見出した。最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
[本発明の実施形態の説明]
(1)本発明の一態様に係るリアクトルは、
巻線を巻回してなる第1巻回部及び第2巻回部を有し、各巻回部が互いに横並びに配置されたコイルと、
前記第1巻回部の内側に配置される第1内側コア部及び前記第2巻回部の内側に配置される第2内側コア部と、両巻回部の外側に配置されて両内側コア部の各端部同士を接続する外側コア部とを有する磁性コアと、を備え、
前記コイルにおいて、前記第2巻回部の周長が前記第1巻回部の周長よりも短くなっており、
前記第2巻回部の外周面の少なくとも一部に配置される放熱板を備える。
上記リアクトルによれば、第1巻回部よりも第2巻回部の周長が短いことで、第2巻回部の方が第1巻回部よりも銅損が少なく、コイル通電時の第2巻回部の発熱量が小さい。これは、第1巻回部と第2巻回部とを同じ巻線で構成し、同じ巻き数とした場合、周長が短い第2巻回部の方が第1巻回部よりも巻線長が短くなるため、銅損が減少するからである。更に、第2巻回部の外周面の少なくとも一部に放熱板が配置されていることで、第2巻回部の放熱性を高めることができる。ここで、第2巻回部の周長が短いことから、第2巻回部の方が第1巻回部よりも幅又は高さ(外径)が小さく、第2巻回部の外形寸法(サイズ)が小さい。具体的には、コイルにおいて、第2巻回部の幅及び高さの少なくとも一方が第1巻回部よりも小さく、且つ、その両方が第1巻回部と同等以下であり、第1巻回部に比べて第2巻回部のサイズが小さくなるため、その分、放熱板の設置スペースに利用できる。そのため、両巻回部の周長が同じ従来のコイルに比べて、第2巻回部の外周面に放熱板を配置したとしても、放熱板を含めたコイル全体のサイズが大きくならず、リアクトルを小型化できる。
上記リアクトルは、冷却性能に偏りがある設置対象に設置する場合、冷却性能が高い側に第1巻回部を配置し、冷却性能が低い側に第2巻回部を配置する。この場合、第1巻回部は、相対的に発熱量が大きく、温度上昇し易いものの、設置対象によって十分に冷却される。一方、第2巻回部は、設置対象によって十分に冷却されないものの、相対的に発熱量が小さく、更に放熱板によって放熱を確保できる。よって、コイル(両巻回部)の温度上昇が抑制され、リアクトルの損失を低減できる。したがって、上記リアクトルは、コイルの放熱性を確保できながら、小型化でき、放熱性と小型化との両立を図ることができる。
(2)上記リアクトルの一形態として、
前記コイルにおいて、前記第2巻回部の高さが前記第1巻回部の高さよりも小さく、前記第1巻回部と前記第2巻回部との間に段差が形成されており、
前記第2巻回部の外周面のうち、前記段差を形成する面に前記放熱板が配置されていることが挙げられる。
第1巻回部よりも第2巻回部の高さが小さいことで、第1巻回部と第2巻回部との間に段差が形成され、この段差を放熱板の設置スペースに利用できる。また、第2巻回部の外周面に放熱板を配置する際、段差によって放熱板を位置決めすることも可能である。第2巻回部の外周面のうち、段差を形成する面に放熱板が配置されていることで、コイルの放熱性を確保できながら、放熱板を含めたコイル全体の高さを抑えることができ、リアクトルの高さを低くできる。
(3)上記リアクトルの一形態として、
前記外側コア部において、前記コイルの前記段差に対応した段差部が形成されており、
前記放熱板が前記外側コア部の前記段差部まで及ぶ大きさを有することが挙げられる。
外側コア部にコイルの段差に対応した段差部が形成され、放熱板が外側コア部の段差部にまで及ぶことで、外側コア部の放熱性を高めることができる。そのため、放熱板によって外側コア部の放熱も確保でき、磁性コアの熱を外側コア部から放熱板を介して放熱させることができる。よって、磁性コアの放熱性も確保できるので、磁性コアの温度上昇が抑制され、リアクトルの損失をより低減できる。外側コア部の段差部に放熱板が配置されるので、放熱板を含めた外側コア部の高さを抑えることができ、リアクトルの高さを低くできる。したがって、リアクトルにおいて、放熱性と小型化との両立をより図ることができる。
(4)上記リアクトルの一形態として、
前記放熱板がフィンを有することが挙げられる。
放熱板にフィンが設けられていることで、放熱性が向上し、コイルの放熱性をより確保できる。
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係るリアクトルの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
[実施形態1]
<リアクトルの構成>
図1〜図5を参照して、実施形態1のリアクトル1、リアクトル1に備えるコイル2を説明する。実施形態1のリアクトル1は、巻線2wを巻回してなる第1巻回部2a及び第2巻回部2b(以下、まとめて「巻回部2a、2b」と呼ぶ場合がある)を有するコイル2(図3を参照)と、コイル2(巻回部2a、2b)の内外に配置される磁性コア3(図2、図4及び図5を参照)とを備える。第1巻回部2aと第2巻回部2bとは、互いに横並びに配置されている。磁性コア3は、図4、図5に示すように、第1巻回部2a及び第2巻回部2bのそれぞれの内側に配置される第1内側コア部31a及び第2内側コア部31b(以下、まとめて「内側コア部31a、31b」と呼ぶ場合がある)と、両巻回部2a、2bの外側に配置されて両内側コア部31a、31bの各端部同士を接続する外側コア部32とを有する。リアクトル1の特徴の1つは、図4に示すように、コイル2において、第1巻回部2aよりも第2巻回部2bの周長が短くなっており、第2巻回部2bの外周面の少なくとも一部に配置される放熱板6(図1を参照)を備える点にある。
この例では、リアクトル1は、図1、図2に示すように、コイル2と磁性コア3との組合体10を収納するケース4を備える。
リアクトル1は、例えば、コンバータケースなどの設置対象(図示せず)に設置される。ここでは、リアクトル1(コイル2及び磁性コア3)において、図1、図2における下側が、設置したときに設置側となる側であり、設置側を「下」、その反対側を「上」とし、上下方向を高さ方向とする。また、コイル2における巻回部2a、2bの並び方向(図4の左右方向)を幅方向とし、各巻回部2a、2bの軸方向に沿う方向(図5の左右方向)を長さ方向とする。高さ方向は、各巻回部2a、2bの軸方向(長さ方向)及び両巻回部2a、2bの並び方向(幅方向)にそれぞれ直交する方向と同義である。以下、リアクトルの構成について詳しく説明する。
(コイル)
コイル2は、図3〜図5に示すように、巻線2wを螺旋状に巻回してなる第1巻回部2a及び第2巻回部2bを有し、各巻回部2a、2bが互いの軸方向が平行するように横並びに(並列)に配置されている。両巻回部2a、2bは、同一の巻線2wで構成され、巻き数が同じである。この例では、図3に示すように、コイル2(巻回部2a、2b)が1本の連続する巻線2wで形成されており、両巻回部2a、2bを形成する巻線2wの一方の端部同士が連結部2rを介して接続されている。巻線2wの他方の端部はそれぞれ、各巻回部2a、2bから適宜な方向(この例では上方)に引き出され、端子金具(図示せず)が適宜取り付けられ、電源などの外部装置(図示せず)に電気的に接続される。両巻回部2a、2bは、巻線2wを螺旋状に巻回することで別々に形成してもよく、その場合、両巻回部2a、2bを形成する巻線2wの一方の端部同士を圧接や溶接などで接合することが挙げられる。
巻線2wは、例えば、導体(銅など)と、導体の外周に絶縁被覆(ポリアミドイミドなど)とを有する被覆線(いわゆるエナメル線)である。この例では、図3、図4に示すように、コイル2(巻回部2a、2b)が被覆平角線の巻線2wをエッジワイズ巻きしたエッジワイズコイルであり、軸方向から見たときの各巻回部2a、2bの端面の外周形状が角部が丸められた矩形状である。各巻回部2a、2bの端面の外周形状は、特に限定されるものではなく、例えば、円形状や楕円状、レーストラック形状(角丸長方形状)などであってもよい。
第1巻回部2a及び第2巻回部2bの外周面はそれぞれ、図4に示すように、設置側(即ち、下側)に位置する下面2au、2buと、その反対側に位置する上面2at、2btとを有する。この例では、第1巻回部2aの下面2auと第2巻回部2bの下面2buとが面一になっている。
この例では、図3に示すように、コイル2の少なくとも一部が樹脂でモールドされており、コイル2(巻回部2a、2b)の表面の少なくとも一部を覆う樹脂モールド部2Mを有する。樹脂モールド部2Mは、コイル2の表面のうち、各巻回部2a、2bの内周面及び両端面の全面と、外周面の一部を覆うように形成されている。ここでは、各巻回部2a、2bの外周面のうち、それぞれの上面2at、2bt及び下面2au、2buと、両巻回部2a、2bの互いに対向する内側面とは反対側に位置する外側面とが露出している。樹脂モールド部2Mにより、巻回部2a、2bの内周面や端面と、内側コア部31a、31bの外周面や外側コア部32の内端面(巻回部2a、2bの端面と対向する面)とが接触しないようにすることができ、コイル2と磁性コア3(内側コア部31a、31b及び外側コア部32)との間の電気的絶縁性を高めることができる。樹脂モールド部2Mは、絶縁性樹脂で形成され、樹脂モールド部2Mの形成材料としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂などの熱硬化性樹脂や、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、液晶ポリマー(LCP)、ナイロン6やナイロン66といったポリアミド(PA)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂などの熱可塑性樹脂が利用できる。図4及び図5では、樹脂モールド部2Mの図示省略している。
本実施形態では、両巻回部2a、2bの周長が互いに異なっており、第2巻回部2bの周長が第1巻回部2aの周長よりも短い。具体的には、第2巻回部2bの幅及び高さの少なくとも一方が第1巻回部2aよりも小さく、且つ、第2巻回部2bの幅及び高さが第1巻回部2aと同等以下である。そのため、第1巻回部2aに比べて第2巻回部2bの外形寸法(サイズ)が小さい。巻回部2a、2bの周長とは、各巻回部2a、2bを軸方向から見たときのそれぞれの外周(輪郭線)の長さのことである(図4を参照)。第1巻回部2aよりも第2巻回部2bの周長が短いため、第2巻回部2bの方が第1巻回部2aよりも銅損が少なく、コイル2に通電したときの発熱量が小さい。
この例では、図4に示すように、第1巻回部2aの幅2awと第2巻回部2bの幅2bwとが実質的に同じ(2aw=2bw)で、両巻回部2a、2bの高さ(下面から上面までの長さ)が互いに異なっており、第2巻回部2bの高さ2bhが第1巻回部2aの高さ2ahよりも小さい(2ah>2bh)。そのため、第1巻回部2aの上面2atと第2巻回部2bの上面2btとは面一になっておらず、第1巻回部2aの上面2atに対して第2巻回部2bの上面2btが低くなっており、第1巻回部2aと第2巻回部2bとの間に段差25が形成されている。両巻回部2a、2bの長さは実質的に同じである(図5を参照)。段差25は、第2巻回部2bに後述する放熱板6を配置する設置スペースとなる(図1を参照)。
第1巻回部2aよりも第2巻回部2bの周長が短いことで、第1巻回部に比べて第2巻回部のサイズが小さくなる分、放熱板6の設置スペースを確保できる。この例では、図4に示すように、第1巻回部2aよりも第2巻回部2bの高さが小さいことで、段差25が形成され、この段差25を放熱板6の設置スペースに利用している。段差25の大きさ(両巻回部2a、2bの高さの差(2ah−2bh))は、放熱板6の厚さに応じて適宜設定することが挙げられ、放熱板6の厚さに対応した高さであり、例えば0.2mm以上2mm以下、更に0.5mm以上1.5mm以下である。両巻回部2a、2bの周長の差が小さ過ぎる、即ち、段差25が小さ過ぎる場合、放熱板6の設置スペースを十分に確保することが難しくなる。一方、両巻回部2a、2bの周長の差が大き過ぎる、即ち、段差25が大き過ぎる場合、第1巻回部2aに比べて第2巻回部2bのサイズが小さくなり過ぎるため、後述する第1内側コア部31aに比べて第2内側コア部31bの断面積(磁路面積)が減少し、磁路面積を十分に確保することが難しくなる。
(放熱板)
放熱板6は、第2巻回部2bの外周面の少なくとも一部に配置され、この例では、図1、図4及び図5に示すように、第2巻回部2bの外周面のうち、段差25を形成する上面2btに配置されている。放熱板6は、第2巻回部2bの放熱を確保する機能を有する。放熱板6の大きさ(面積)は、特に限定されないが、面積が大きいほど放熱性が向上し、第2巻回部2bと放熱板6との接触面積が大きいほど放熱に有利である。この例では、図1に示すように、放熱板6が第2巻回部2bの上面2btを覆う大きさを有する(但し、第2巻回部2bから引き出された巻線2wの端部を除く)。放熱板6の厚さは、特に限定されないが、第2巻回部2bの放熱を十分に確保し、設置スペースとなる段差25内に収めるため、例えば0.2mm以上2mm以下、更に0.5mm以上1.5mm以下である。この例では、図4、図5に示すように、段差25の高さが放熱板6の厚さと同じであり、放熱板6の上面と第1巻回部2aの上面2atとが面一になっている。
放熱板6は、熱伝導性に優れる材料(例えば熱伝導率が100W/(m・K)以上)で形成されており、この例では、アルミニウム板である。放熱板6の形成材料には、例えば、アルミニウムやその合金、マグネシウムやその合金、銅やその合金、銀やその合金、鉄や鋼、オーステナイト系ステンレス鋼などの金属材料や、窒化アルミニウムや炭化珪素などのセラミックス材料、Al−SiCやMg−SiCなどの金属とセラミックスとの複合材料(MMC:Metal Matrix Composites)が利用できる。
放熱板6には、第2巻回部2bに位置決めするための位置決め部を有することが好ましい。この例では、図1に示すように、放熱板6において、第2巻回部2bにおける巻線2wの端部に対応する部位に位置決め部となる切欠き62が設けられている。また、樹脂モールド部2Mにおいて、第2巻回部2bにおける巻線2wの端部の周囲を覆うように凸部26が設けられている。そして、樹脂モールド部2Mの凸部26に放熱板6の切欠き62が係合することで、第2巻回部2bに対して放熱板6が位置決めされる。
放熱板6は、第2巻回部2bの外周面の少なくとも一部に接触するように固定されている。放熱板6の固定には、例えば接着剤を利用できる。放熱板6と第2巻回部2bとの接触面にはグリースが塗布されていてもよく、これにより、放熱板6と第2巻回部2bとの密着性を高めることができる。図1に示すように、放熱板6がケース4の側壁部41まで及ぶ大きさ(面積)を有する場合は、放熱板6をケース4の側壁部41にネジなどで固定することも可能である。
(磁性コア)
磁性コア3は、図2、図4及び図5に示すように、第1巻回部2aの内側に配置される第1内側コア部31a及び第2巻回部2bの内側に配置される第2内側コア部31b(図4を参照)と、両巻回部2a、2bの外側に配置される一対の外側コア部32とを有する(図2、図5を参照)。各内側コア部31a、31bはそれぞれ、各巻回部2a、2bの内側に位置し、コイル2が配置される部分である。つまり、内側コア部31a、31bは、巻回部2a、2bと同様に、互いの軸方向が平行するように横並び(並列)に配置される。ここで、内側コア部31a、31bの並び方向は幅方向に一致し、各内側コア部31a、31bの軸方向は長さ方向に一致する。各内側コア部31a、31bは、その軸方向の端部の一部が各巻回部2a、2bから突出していてもよい。各外側コア部32は、両巻回部2a、2bの外側に位置し、コイル2が実質的に配置されない(即ち、巻回部2a、2bから突出(露出)する)部分である。磁性コア3は、両内側コア部31a、31bの各端部同士を接続するように、両内側コア部31a、31bの両端部に外側コア部32がそれぞれ配置され、環状に形成されている。磁性コア3には、コイル2に通電することで磁束が流れ、閉磁路が形成される。
第1内側コア部31a及び第2内側コア部31bの形状は、例えば各巻回部2a、2bの内周面に対応した形状であり、この例では、図4に示すように、軸方向に直交する断面形状が矩形状である。ここで、上述したように、第1巻回部2aよりも第2巻回部2bの周長が短く、第1巻回部2aに比べて第2巻回部2bのサイズが小さいため、両内側コア部31a、31bの断面積が互いに異なり、第1内側コア部31aよりも第2内側コア部31bの断面積が小さい。具体的には、両内側コア部31a、31bの幅が実質的に同じで、両内側コア部31a、31bの高さが互いに異なっており、第1内側コア部31aよりも第2内側コア部31bの高さが小さい。この例では、両内側コア部31a、31bの下面同士が面一になっており、両内側コア部31a、31bの上面同士は面一になっておらず、第1内側コア部31aの上面に対して第2内側コア部31bの上面が低くなっている。図4に示す例では、両内側コア部31a、31bの断面積が互いに異なる場合を説明したが、第1内側コア部31aの断面積を第2内側コア部31bの断面積を同じとしてもよい。この場合、第1巻回部2aの内周面と第1内側コア部31aの外周面との間の隙間(樹脂モールド部2Mの厚さ)が大きくなる。
外側コア部32の形状は、特に限定されないが、この例では、図2に示すように、高さ方向から見た平面形状が台形状であり、下底側の面が内側コア部31a、31bの端面に接続される内端面となる。外側コア部32は、内側コア部31a、31b(図4を参照)に対して上下方向に突出しており、外側コア部32の下面及び上面がそれぞれ、各内側コア部31a、31bの下面及び上面よりも突出している(図5も併せて参照)。外側コア部32の下面は、コイル2の下面(両巻回部2a、2bの下面2au、2bu)と面一になっている。この例では、図2、図5に示すように、外側コア部32の高さが第1巻回部2a側(図2の左側)と第2巻回部2b側(図2の右側)で異なり、外側コア部32において、コイル2の段差25に対応した段差部35が形成されている。具体的には、第1巻回部2a側の上面に対して第2巻回部2b側の上面が低くなっており、外側コア部32の上面に段差部35が形成されている。そして、外側コア部32の第1巻回部2a側と第2巻回部2b側の各上面が、各巻回部2a、2bの各上面2at、2btと面一になっている。段差部35の大きさは、コイル2の段差25に対応した大きさであり、放熱板6の厚さと同じ(例えば0.2mm以上2mm以下、更に0.5mm以上1.5mm以下)である。この例では、図5に示すように、放熱板6が外側コア部32の段差部35まで及ぶ大きさ(面積)を有し、段差部35にも放熱板6が配置される。段差部35は、外側コア部32に放熱板6を配置する設置スペースとなる(図1を参照)。
磁性コア3(内側コア部31a、31b及び外側コア部32)は、軟磁性材料を含有する材料で形成されている。磁性コア3の形成材料としては、例えば、鉄又は鉄基合金(Fe−Si合金、Fe−Si−Al合金、Fe−Ni合金など)といった軟磁性粉末や更に絶縁被覆を有する被覆軟磁性粉末などを圧縮成形した圧粉成形体、軟磁性粉末と樹脂とを含む複合材料の成形体や、電磁鋼板などの軟磁性板を積層した積層体、フェライトコアなどの焼結体などが挙げられる。複合材料の樹脂には、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、常温硬化性樹脂、低温硬化性樹脂などが利用できる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、液晶ポリマー(LCP)、ポリアミド(PA)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂などが挙げられる。熱硬化性樹脂は、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。その他、不飽和ポリエステルに炭酸カルシウムやガラス繊維が混合されたBMC(Bulk molding compound)、ミラブル型シリコーンゴム、ミラブル型ウレタンゴムなども利用できる。
圧粉成形体は、複合材料の成形体に比較して軟磁性粉末の含有量を高めることができる。例えば、圧粉成形体の軟磁性粉末の含有量は80体積%超、更に85体積%以上であり、複合材料の軟磁性粉末の含有量は、30体積%以上80体積%以下、更に50体積%以上75体積%以下である。軟磁性粉末の材質が同じ場合、軟磁性粉末の含有量を高くすることで、飽和磁束密度を高めることが可能である。また、一般に、純鉄は、鉄基合金に比較して飽和磁束密度が高い傾向があるため、純鉄を用いた場合、飽和磁束密度を高め易い。
この例では、磁性コア3が複合材料の成形体で形成されている。具体的には、コイル2(図3を参照)をケース4(図2を参照)に収納した状態で、ケース4に樹脂が固化する前の複合材料を充填した後、樹脂を固化することによって複合材料を一体成形し、磁性コア3を形成している。このとき、各巻回部2a、2bの内側に複合材料が充填され、内側コア部31a、31bが形成される。この場合、内側コア部31a、31bと外側コア部32とが複合材料の成形体で一体に形成されることになる。内側コア部31a、31bには、ギャップが設けられていてもよい。ギャップはエアギャップであってもよいし、ギャップ材によって形成されていてもよい。ギャップ材には、例えばアルミナなどのセラミックスやエポキシなどの樹脂(ガラスエポキシなどの繊維強化プラスチックを含む)といった非磁性材料の板材を利用できる。
この例では、ケース4を磁性コア3を成形する金型として利用し、磁性コア3を複合材料で一体に形成する場合を説明したが、これに限定されず、磁性コア3を複数のコア片で構成し、各コア片を別々に形成してもよい。例えば、磁性コア3を内側コア部31a、31bと外側コア部32とに分け、各内側コア部31a、31bと外側コア部32とを別々のコア片で構成することが挙げられる。この場合、内側コア部31a、31b及び外側コア部32を構成する各コア片を同一の材料で形成するだけでなく、異種材料で形成したり、或いは、同種の材料であっても、軟磁性粉末の材質や含有量などの仕様を異ならせることも可能である。具体的には、内側コア部31a、31bを圧粉成形体からなるコア片で構成し、外側コア部32を複合材料の成形体からなるコア片で構成したり、内側コア部31a、31bを複合材料の成形体からなるコア片で構成し、外側コア部32を圧粉成形体からなるコア片で構成することが挙げられる。また、両内側コア部31a、31bのうち、一方を圧粉成形体からなるコア片で構成し、他方を複合材料の成形体からなるコア片で構成することが挙げられる。磁性コア3を複数のコア片で構成する場合は、コア片同士を例えば接着剤で接合して一体化することができる。また、内側コア部31a、31bを複数のコア片で構成してもよく、この場合、コア片間にギャップを設けることができる。ギャップの数や厚さは、所定の磁気特性が得られるように適宜設定すればよい。
図4に示すように、第1内側コア部31aよりも第2内側コア部31bの断面積(磁路面積)が小さい場合、両内側コア部31a、31bが同一の材料で形成されていると、第2内側コア部31bの方が第1内側コア部31aに比べて磁気飽和し易い。そこで、第2内側コア部31bの飽和磁束密度が第1内側コア部31aに比べて大きいことが好ましく、これにより、第2内側コア部31bの磁気飽和を抑制でき、磁気飽和による損失を低減できる。例えば、第1内側コア部31aを複合材料の成形体で形成する場合、第2内側コア部31bを圧粉成形体で形成することが挙げられる。或いは、第2内側コア部31bの仕様を第1内側コア部31aと異ならせ、第2内側コア部31bを第1内側コア部31aに比べて飽和磁束密度の高い材料で構成することが挙げられる。
(ケース)
ケース4は、図1、図2に示すように、コイル2と磁性コア3との組合体10を収納する。この例では、図2に示すように、ケース4は四角箱状であり、底板部40と、底板部40から立設する四角枠状の側壁部41とを有する。側壁部41の内周面の形状は、組合体10の外周面に対応した形状になっており、ケース4(底板部40及び側壁部41)の内面には、外側コア部32の下面及び外周面、並びに、コイル2(巻回部2a、2b)の下面及び外側面が接している。ケース4は、金属製であり、コイル2や磁性コア3(外側コア部32)の熱を吸収して外部に効率よく放熱することができる。ケース4の形成材料には、例えば、アルミニウムやその合金、マグネシウムやその合金、銅やその合金、銀やその合金、鉄や鋼、オーステナイト系ステンレス鋼などが利用できる。
この例では、放熱板6がケース4の側壁部41まで及ぶ大きさ(面積)を有しており(図1を参照)、放熱板6を配置するために、側壁部41の上端部の一部が切り欠かれている。具体的には、側壁部41のうち、第2巻回部2b側(図2の右側)の上端部が切り欠かれて、ケース4の上面に段差が形成されている。
{作用効果}
実施形態1のリアクトル1は、次の作用効果を奏する。
(1)第1巻回部2aよりも第2巻回部2bの周長が短いことで、第2巻回部2bの発熱量が小さい。更に、第2巻回部2bの外周面に放熱板6が配置されていることで、第2巻回部2bの放熱性を高めることができる。第1巻回部2aよりも第2巻回部2bの周長が短いため、第2巻回部2bのサイズが小さくなり、その分、放熱板6の設置スペースに利用できる。そのため、第2巻回部2bの外周面に放熱板6を配置したとしても、放熱板6を含めたコイル2全体のサイズが大きくならず、小型化できる。このようなリアクトル1は、冷却性能に偏りがある設置対象に設置する場合、冷却性能が高い側に第1巻回部2aを配置し、冷却性能が低い側に第2巻回部2bを配置する。この場合、第2巻回部2bは第1巻回部2aに比べて設置対象によって十分に冷却されないが、発熱量が小さく、更に放熱板6によって放熱を確保できる。よって、第2巻回部2bの温度上昇が抑制され、損失を低減できる。したがって、リアクトル1は、コイル2の放熱性を確保でき、放熱性と小型化との両立を図ることができる。
(2)実施形態1では、第1巻回部2aよりも第2巻回部2bの高さが小さく、第1巻回部2aと第2巻回部2bとの間に段差25が形成されており、この段差25を放熱板6の設置スペースに利用できる。そして、第2巻回部2bの外周面のうち、段差25を形成する面(この例では上面2bt)に放熱板6が配置されていることで、第2巻回部2bの放熱を確保できながら、放熱板6を含めたコイル2全体の高さを抑えることができる。
(3)実施形態1では、外側コア部32にコイル2の段差25に対応した段差部35が形成され、放熱板6が外側コア部32の段差部35にまで及ぶことで、放熱板6によって外側コア部32の放熱も確保できる。よって、磁性コア3の温度上昇が抑制され、損失をより低減できる。また、外側コア部32の段差部35に放熱板6が配置されるので、放熱板6を含めた外側コア部32の高さを抑えることができる。したがって、リアクトル1は、磁性コア3の放熱性も確保でき、放熱性と小型化との両立をより図ることができる。更に、図1、図2に示すように、放熱板6がケース4の側壁部41にまで及ぶ場合は、コイル2や磁性コア3(外側コア部32)から吸収した熱を、放熱板6を介してケース4に効率よく伝えることができるので、放熱性が向上する。この場合、ケース4の表面に巻線2wの端部を除いて局所的に突出する部分がなく、段差のない平面でケースの外表面が構成できるため、リアクトル1の設置対象への組み付け時など、他の部材をケース4の表面に引っ掛けたりし難い。
〈用途〉
実施形態1のリアクトル1は、例えば、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車などの車両に搭載される車載用コンバータ(代表的にはDC−DCコンバータ)や、空調機のコンバータなど種々のコンバータ、並びに電力変換装置の構成部品に好適に利用可能である。
[変形例]
上述した実施形態1のリアクトル1に対して、以下の少なくとも一つの変更や追加が可能である。
(1)実施形態1のリアクトル1において、図6に示すように、放熱板6がフィン61を有していてもよい。図6に示す放熱板6は、上面に複数のフィン61が設けられており、フィン61により表面積が増加し、効率よく放熱できるので、放熱性が向上する。
(2)実施形態1のリアクトル1では、放熱板6が平板状であり、第2巻回部2bの上面2btにのみ配置されている場合を説明した。これに限定されるものではなく、放熱板6が第1巻回部2aの上面2atにも配置されるように、放熱板6を延長してもよい。例えば、第2巻回部2bの上面2btだけでなく、第1巻回部2aの上面2atも覆うような大きさを有する放熱板6とし、放熱板6の第1巻回部2a側の厚さを第2巻回部2b側より段差25の分だけ薄くすることが挙げられる。この場合、放熱板6の第1巻回部2a側の厚さが第2巻回部2b側に比べて薄くなっているため、放熱板6を含めたコイル2全体の高さが過度に大きくなることを抑制できる。放熱板6の第1巻回部2a側は第2巻回部2b側に比べて厚さが薄いため、放熱性は劣るが、放熱板6によって第1巻回部2aの放熱も確保できる。この場合、放熱板6が外側コア部32の段差部35(第2巻回部2b側の上面)だけでなく、第1巻回部2a側の上面にも配置されるように、放熱板6を更に延長してもよい。
(3)実施形態1のリアクトル1では、両巻回部2a、2bの高さが異なり、両巻回部2a、2bの上面2at、2bt同士が面一になっておらず、コイル2の上面側に段差25が形成されている場合を説明した。これに限定されるものではなく、コイル2の下面側に段差25を形成することも可能である。例えば、第2巻回部2bの下面2buの位置を高さ方向にずらし、第1巻回部2aの下面2auに対して第2巻回部2bの下面2buを高くすることで、コイル2の下面側にも段差25を形成することができる。この場合、第2巻回部2bの下面2buに放熱板6を配置することができる。コイル2の上面側と下面側の両側に段差25が形成されている場合、第2巻回部2bの上面2bt及び下面2buの両面に放熱板6が配置されていてもよい。
(4)実施形態1のリアクトル1では、両巻回部2a、2bの高さ2ah、2bhが異なる場合を説明したが、両巻回部2a、2bの幅2aw、2bwが異なっていてもよく、第1巻回部2aよりも第2巻回部2bの幅が小さくてもよい(2aw>2bw)。この場合であっても、第2巻回部2bの幅が小さくなる分、放熱板6の設置スペースを確保できる。また、第2巻回部2bの幅及び高さの双方が第1巻回部2aよりも小さくてもよい。
(5)コイル2と磁性コア3との間に介在される介在部材(図示せず)を備えてもよい。これにより、コイル2と磁性コア3との間の電気的絶縁性を高めることができる。この場合、コイル2において、図3に例示したような樹脂モールド部2Mを省略してもよい。
上記介在部材としては、例えば、各巻回部2a、2bの内周面と各内側コア部31a、31bの外周面との間に介在される内側介在部材(図示せず)や、各巻回部2a、2bの端面と外側コア部32の内端面との間に介在される外側介在部材(図示せず)が挙げられる。介在部材は、絶縁性材料で形成され、介在部材の形成材料としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、PPS樹脂、PTFE樹脂、液晶ポリマー、PA樹脂、PBT樹脂、ABS樹脂などが利用できる。
(6)上述した樹脂モールド部2Mに代えて、磁性コア3(内側コア部31a、31b及び外側コア部32)の少なくとも一部が樹脂でモールドされ、磁性コア3の表面の少なくとも一部を覆う樹脂モールド部を備えてもよい。これにより、コイル2と磁性コア3(内側コア部31a、31b及び外側コア部32)との間の電気的絶縁性を高めることができる。例えば、巻回部2a、2bの内周面と接触しないように、内側コア部31a、31bの外周面に樹脂モールド部を形成したり、巻回部2a、2bの端面と接触しないように、外側コア部32の内端面に樹脂モールド部を形成することが挙げられる。また、磁性コア3が複数のコア片で構成されている場合、複数のコア片を樹脂で一体にモールドすることによって、樹脂モールド部で一体化することができる。
(7)コイル2と磁性コア3との組合体10をケース4に収納する場合、ケース4内の組合体10を封止する封止樹脂を備えていてもよい。これにより、組合体10を保護できる。封止樹脂には、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、PPS樹脂、PTFE樹脂、液晶ポリマー、PA樹脂、PBT樹脂、ABS樹脂などが利用できる。放熱性を高める観点から、封止樹脂にアルミナやシリカなどの熱伝導率の高いセラミックスフィラーが混合されていてもよい。ケース4は省略することも可能である。
1 リアクトル
10 組合体
2 コイル
2w 巻線
2a 第1巻回部
2b 第2巻回部
2r 連結部
2at、2bt 上面
2au、2bu 下面
25 段差
2M 樹脂モールド部
26 凸部
3 磁性コア
31a 第1内側コア部
31b 第2内側コア部
32 外側コア部
35 段差部
4 ケース
40 底板部
41 側壁部
6 放熱板
61 フィン
62 切欠き

Claims (4)

  1. 巻線を巻回してなる第1巻回部及び第2巻回部を有し、各巻回部が互いに横並びに配置されたコイルと、
    前記第1巻回部の内側に配置される第1内側コア部及び前記第2巻回部の内側に配置される第2内側コア部と、両巻回部の外側に配置されて両内側コア部の各端部同士を接続する外側コア部とを有する磁性コアと、を備え、
    前記コイルにおいて、
    前記第2巻回部の周長が前記第1巻回部の周長よりも短くなっており、
    前記第2巻回部の高さが前記第1巻回部の高さよりも小さく、前記第1巻回部と前記第2巻回部との間に段差が形成されており、
    前記第2巻回部の外周面のうち、前記段差を形成する面に配置される放熱板を備えるリアクトル。
  2. 前記外側コア部において、前記コイルの前記段差に対応した段差部が形成されており、
    前記放熱板が前記外側コア部の前記段差部まで及ぶ大きさを有する請求項に記載のリアクトル。
  3. 前記第2巻回部の幅が前記第1巻回部の幅よりも小さい請求項1又は請求項2に記載のリアクトル。
  4. 前記放熱板がフィンを有する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のリアクトル。
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