JP5617696B2 - 燃料電池システム及び燃料電池の触媒性能回復方法 - Google Patents
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Description
触媒を用いる燃料電池によって発電を行う燃料電池システムであって、
前記燃料電池のアノードに水素の供給をする一方でカソードへの空気の供給を停止しつつ前記燃料電池の電圧を調節することによって、カソードの触媒に生じた酸化皮膜を除去する酸化皮膜除去部
を備える燃料電池システム。
適用例1に記載の燃料電池システムであって、
前記酸化皮膜除去部の動作前に、前記燃料電池の電圧を調節することによって、カソードの触媒に吸着したアニオンを酸化させる酸化電圧調節部
を備える燃料電池システム。
適用例2に記載の燃料電池システムであって、
前記酸化皮膜除去部の動作後に、カソードに空気を供給する動作後空気供給部
を備える燃料電池システム。
適用例2又は3に記載の燃料電池システムであって、
前記酸化電圧調節部の動作中において、アノードへの水素の供給とカソードへの空気の供給とを停止する供給停止部
を備える燃料電池システム。
適用例4に記載の燃料電池システムであって、
前記供給停止部による供給停止の終了後、前記酸化皮膜除去部の動作前に、カソードに空気を供給する動作前空気供給部
を備える燃料電池システム。
適用例3〜5の何れか一つに記載の燃料電池システムであって、
前記動作後空気供給部によってカソードに空気が供給されている際に、前記燃料電池の電圧を調節することによって、前記燃料電池から過電流が発生するのを防止する発電電圧調節部
を備える燃料電池システム。
この適用例によれば、アニオンを除去する際に、過電流が発生するのを防止できる。
適用例1〜6の何れか一つに記載の燃料電池システムであって、
前記酸化皮膜除去部が動作すべき所定タイミングか否かを判定する判定部を備え、
前記酸化皮膜除去部は、前記所定タイミングであると前記判定部によって判定された場合に動作する
燃料電池システム。
この適用例によれば、酸化皮膜除去部が動作すべきタイミングで動作できる。
適用例7に記載の燃料電池システムであって、
前記所定タイミングは、当該燃料電池システムの起動直後、及び終了直前の少なくとも一方である
燃料電池システム。
適用例7又は8に記載の燃料電池システムであって、
前記所定タイミングは、前記燃料電池の出力特性が閾値以下となった場合である
燃料電池システム。
適用例7〜9の何れか一つに記載の燃料電池システムであって、
前記所定タイミングは、前記酸化皮膜除去部が前回動作してから所定時間経過した場合である
燃料電池システム。
適用例7〜10の何れか一つに記載の燃料電池システムであって、
前記所定タイミングは、前記燃料電池による発電が要求されていない場合である
燃料電池システム。
触媒を用いる燃料電池によって発電を行う燃料電池システムであって、
前記燃料電池のアノードに水素の供給をする一方でカソードへの空気の供給を停止しつつ、要求に応じて行う発電時よりも前記燃料電池の電圧を低くする
燃料電池システム。
燃料電池に用いられる触媒の性能を回復させる触媒性能回復方法であって、
前記燃料電池のアノードに水素の供給をする一方でカソードへの空気の供給を停止しつつ前記燃料電池の電圧を調節することによって、カソードの触媒に生じた酸化皮膜を除去する
燃料電池の触媒性能回復方法。
図示するように、この燃料電池自動車20は、車体22に燃料電池システム30及び燃料電池自動車20の前輪駆動用のモーター170を搭載する。この燃料電池システム30は、前輪駆動用のモーター170等に電力を供給するためのものであり、燃料電池100、水素ガス供給系120、空気供給系140、冷却系160、二次電池172及びDC−DCコンバーター174を備える。
制御装置200による上記種々の制御は、対応する処理(プログラム)を実行することによって実現されるが、既知の処理についての説明は省略し、以下、触媒性能回復処理を説明する。触媒性能回復処理は、燃料電池100のカソードの白金触媒から酸化皮膜や硫黄を除去することによる触媒性能の回復を目的とし、燃料電池システム30が負荷運転(燃料電池自動車20の走行などのために必要な発電電力を得るためにする運転)から間欠運転(発電が要求されていない際にするアイドリング運転)に移行したことをトリガーとして、制御装置200が主体となって実行する処理である。なお、触媒性能回復処理は、アクセル180が踏まれるなどして発電が要求された場合、実行途中であっても強制終了される。
ステップS210が判定部を、ステップS220が酸化電圧調節部を、ステップS230が供給停止部を、ステップS240が動作前空気供給部を、ステップS250が酸化皮膜除去部を、ステップS260が発電電圧調節部を、ステップS270が動作後空気供給部を各々実現するためのソフトウェアに対応する。
本発明は、先述した実施形態になんら限定されるものではなく、発明の技術的範囲内における種々の形態により実施できる。例えば、実施形態の構成要素の中で付加的なものは、実施形態から省略できる。ここで言う付加的な構成要素とは、実質的に独立している適用例においては特定されていない事項に対応する要素のことである。また、例えば、以下のような実施形態が考えられる。
・高電位間欠運転中の空気供給系の稼働(触媒性能回復処理の場合、ステップS240)は、省いてもよい。高電位間欠運転中に空気を供給しなくとも、カソードには酸素が存在するので、第一リフレッシュ運転において水分が生成されるからである。
・加湿装置を省いてもよい。加湿装置が無くても、ステップS250においてカソードに水分を溜めることができ、触媒性能回復処理の実行には支障がないからである。
・燃料電池自動車20の駐車直前に実行するようにしてもよい。このようにすれば、ステップS270の実行が、駐車直前の水分除去を兼ねることができる。
・燃料電池の触媒劣化が推定されたら実行するようにしてもよい。劣化を判断する方法は、例えば、電流−電圧特性の変化から推定する方法が考えられる。
・前回の性能回復用ステップ群の実行から、所定時間が経過したら再び実行するようにしてもよい。
・実施形態では、燃料電池が間欠運転に移行したことをトリガーとして、触媒性能回復処理を実行するものとしたが、逆に、触媒性能回復処理を優先して、燃料電池自動車の走行中であったとしても、燃料電池の運転を停止する構成としてもよい。この場合、燃料電池による定常運転は行えないので、モーターが必要とする電力は二次電池から供給すればよい。あるいは燃料電池システムを複数搭載し、一つずつ触媒性能回復処理を行い、残りの燃料電池システムから供給される電力を用いるものとしてもよい。この他、燃料電池システムと大規模二次電池を搭載したハイブリッド車両、燃料電池と原動機(内燃機関)を搭載したハイブリッド車両など、他に電力の供給源を有する車両であれば、他方の電力供給源からの電力を利用している間に、燃料電池の触媒性能回復処理を行えばよい。こうしたシステムでは、触媒性能回復処理の実施時期の自由度は高い。
・実施形態中に記載した電圧値や時間の数値は、一例であり、他の数値でもよい。
・H2/N2を作り出すために、窒素ボンベを搭載して、この窒素ボンベからカソードに窒素を供給してもよい。
22…車体
30…燃料電池システム
100…燃料電池
102…電流センサー
110…水素ガスタンク
120…水素ガス供給系
121…水素供給経路
122…水素ガス循環経路
123…放出経路
124…供給用開閉バルブ
125…減圧バルブ
126…水素供給機器
127…水素ガス循環ポンプ
128…水素ガス流量センサー
129…放出用開閉バルブ
130…コンプレッサー
140…空気供給系
141…空気供給経路
143…排出流量調整バルブ
145…加湿装置
147…空気流量センサー
150…ラジエーター
160…冷却系
161…冷却水循環経路
162…バイパス
163…三方流量調整弁
164…冷却水循環ポンプ
166…温度センサー
170…モーター
172…二次電池
174…DC−DCコンバーター
176…残容量検出センサー
180…アクセル
190…圧損センサー
200…制御装置
Claims (11)
- 触媒を用いる燃料電池によって発電を行う燃料電池システムであって、
前記燃料電池のアノードに水素の供給をする一方でカソードへの空気の供給を停止しつつ前記燃料電池の電圧を調節することによって、カソードの触媒に生じた酸化皮膜を除去する酸化皮膜除去部と、
前記酸化皮膜除去部の動作前に、前記燃料電池の電圧を調節することによって、カソードの触媒に吸着したアニオンを酸化させる酸化電圧調節部と、
前記酸化電圧調節部の動作中において、アノードへの水素の供給とカソードへの空気の供給とを停止する供給停止部と、
前記供給停止部による供給停止の終了後、前記酸化皮膜除去部の動作前に、カソードに空気を供給する動作前空気供給部と、
を備える燃料電池システム。 - 請求項1に記載の燃料電池システムであって、
前記酸化皮膜除去部が動作すべき所定タイミングか否かを判定する判定部を備え、
前記酸化皮膜除去部は、前記所定タイミングであると前記判定部によって判定された場合に動作する
燃料電池システム。 - 請求項2に記載の燃料電池システムであって、
前記所定タイミングは、当該燃料電池システムの起動直後、及び終了直前の少なくとも一方である
燃料電池システム。 - 請求項2又は3に記載の燃料電池システムであって、
前記所定タイミングは、前記燃料電池の出力特性が閾値以下となった場合である
燃料電池システム。 - 請求項2〜4の何れか一つに記載の燃料電池システムであって、
前記所定タイミングは、前記酸化皮膜除去部が前回動作してから所定時間経過した場合である
燃料電池システム。 - 請求項2〜5の何れか一つに記載の燃料電池システムであって、
前記所定タイミングは、前記燃料電池による発電が要求されていない場合である
燃料電池システム。 - 触媒を用いる燃料電池によって発電を行う燃料電池システムであって、
当該燃料電池システムの起動直後、終了直前および間欠運転時の少なくとも何れかにおいて、前記燃料電池のアノードに水素の供給をする一方でカソードへの空気の供給を停止しつつ前記燃料電池の電圧を調節することによって、カソードの触媒に生じた酸化皮膜を除去する酸化皮膜除去部と、
前記酸化皮膜除去部の動作前に、前記燃料電池の電圧を調節することによって、カソードの触媒に吸着したアニオンを酸化させる酸化電圧調節部と、
前記酸化電圧調節部の動作中において、アノードへの水素の供給とカソードへの空気の供給とを停止する供給停止部と、
前記供給停止部による供給停止の終了後、前記酸化皮膜除去部の動作前に、カソードに空気を供給する動作前空気供給部と
を備える燃料電池システム。 - 請求項1〜7の何れか一つに記載の燃料電池システムであって、
前記酸化皮膜除去部の動作後に、カソードに空気を供給する動作後空気供給部
を備える燃料電池システム。 - 請求項8に記載の燃料電池システムであって、
前記動作後空気供給部によってカソードに空気が供給されている際に、前記燃料電池の電圧を調節することによって、前記燃料電池から過電流が発生するのを防止する発電電圧調節部
を備える燃料電池システム。 - 触媒を用いる燃料電池によって発電を行う燃料電池システムであって、
前記燃料電池のアノードに水素の供給をする一方でカソードへの空気の供給を停止しつつ、要求に応じて行う発電時よりも前記燃料電池の電圧を低くする電圧低下部と、
前記電圧低下部の動作前に、前記燃料電池の電圧を調節することによって、カソードの触媒に吸着したアニオンを酸化させる酸化電圧調節部と、
前記酸化電圧調節部の動作中において、アノードへの水素の供給とカソードへの空気の供給とを停止する供給停止部と、
前記供給停止部による供給停止の終了後、前記電圧低下部の動作前に、カソードに空気を供給する動作前空気供給部と
を備える燃料電池システム。 - 燃料電池に用いられる触媒の性能を回復させる触媒性能回復方法であって、
アノードへの水素の供給とカソードへの空気の供給とを停止しつつ、前記燃料電池の電圧を調節することによって、カソードの触媒に吸着したアニオンを酸化させ、
その後、カソードに空気を供給し、
その後、前記燃料電池のアノードに水素の供給をする一方でカソードへの空気の供給を停止しつつ前記燃料電池の電圧を調節することによって、カソードの触媒に生じた酸化皮膜を除去する
燃料電池の触媒性能回復方法。
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