JP5587162B2 - ウェザーストリップの排水構造 - Google Patents
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Description
フロントピラー4の側縁に取付けられたウェザーストリップ10は、図7乃至図9に示すように、押出成形部101の両端であって、車両に組付けられる場合に車両の上下に位置する型成形部102,103が接続されたものであり、上側の型成形部102は、フロントガラス6の上端を固定するヘッダ7に取付けられたヘッダウェザーストリップ9の端部に接続され、下側の型成形部103にはドアミラー(図示しない)と一体化されたガセット21が取付けられている。
また、シールリップ部13の車内側には中空部15が設けられ、その中空部15のさらに車内側にはガーニッシュなどの内装材(図示しない)に当接するリップ部16が設けられている。
そして、下側の型成形部103では、水受け部14から中空部15まで貫通する排水穴22が形成され、ウェザーストリップ10の上方から下方にかけて水受け部14に導かれた水Wを排水穴22から中空部15に導くようにしている。中空部15に導かれた水W(W1)は、車両前方から車外に排出されるようになっている。
特許文献1に記載の発明は、上側の型成形部おいて、ドアガラスよりも車外側に突出して幌から滴下する水を受け止める水受けリップだけをソリッドゴムで成形したものであり、特許文献2に記載の発明は、幌伝いに流れ落ちる水を受け止めるように幌の先端見切り部に車外側に突出するようにシールリップ部を形成したものである。
また、図10に示すような高圧水Wを受けると車外側端部Pよりも車内側でドアガラス5よりも車外側の下側壁面12bの一部に直接的に水Wが届いたり、下側壁面12bの車外側端部Pに溜った水Wの一部が回り込み、毛細管現象によってドアガラス5の先端部5aと中空シール部12の下側壁面12bの間まで伝わり、ドアガラス5の先端部5aの縁沿いに車両の前方向に流れ落ち、この水Wも排水穴22に入ることなくガセット21に溜るので、ドア3を開くと溜った水W(W2)が車室内に侵入するという問題があった。
また、雨量や洗車の量が多い場合や風の影響によってヘッダウェザーストリップ9に沿って流れ落ちる水Wがドアガラス5を下降させた場合、車室内に直接、水W(W3)が滴下して水漏れとなる場合もあった。
前記ドアガラス(5)の先端部(5a)が弾接する前記中空シール部(12)を成す下側壁面(12b)の車外側端部(P)に車外側に突出したヒレ片(40)を形成するとともに、前記ヒレ片(40)の形成位置より下方でしかも前記下側壁面(12b)の車外側端部(P)から、少なくとも前記ドアガラス(5)の先端部(5a)の弾接位置よりも車内側に越えた位置まで、下方に傾斜するビード部(30)を形成したことを特徴とする。
これにより、車外側から雨水や洗車の水がドアガラスの先端部と中空シール部との間から車内側に侵入することが防止され、仮に車内側に水が侵入したとしてもドアガラスの車内側側面に沿って落下する水はシールリップ部で堰き止められ樋状の水受け部内に導かれるようになっているので水密性は高い。
よって、ドアガラスを下降させた場合に、ルーフに沿って流れ落ちる水がウェザーストリップの上側の型成形部から車室内に直接滴下して水漏れとなることが防止される。
特に、ビード部は、ドアガラスの先端部が弾接する中空シール部を成す下側壁面の車外側端部から、少なくともドアガラスの先端部の弾接位置よりも車内側に越えた位置まで、下方に傾斜するように形成されているので、ビード部がヒレ片の下方に間隔をあけて形成されている場合には、ドアガラスを閉めた状態で、雨や洗車によってルーフから車外側に流れる水や洗車によってウェザーストリップに直接かけられた水は、通常、下側壁面の車外側端部に溜るが、ここに溜った水はウェザーストリップの延びる長手方向(車両の前方向あるいは後方向)に沿ってビード部のあるところまで流れ落ち、ビード部を伝わって強制的に車外側から車内側に導かれる。そして、水は、少なくともドアガラスの先端部の弾接位置を車内側に越えた位置まで導かれるので、樋状の水受け部内に直接落下するか、あるいは、下側壁面の車内側からその車内側が当接する壁面(例えば、本実施形態においては、図2及び図3で示したような車外側縦壁17)を伝って落下するか、ドアガラスの車内側側面に沿って落下してシールリップ部で堰き止められ樋状の水受け部内に導かれる。
このときビード部は、ドアガラスの先端部で押圧されて撓むのでビード部の両端には2つの溝が形成される。よってビード部に沿って流れる水は、ドアガラスを閉めた状態では形成された溝に沿って流れるので水は車室内に漏れることなく安定して水受け部内に導かれる。
したがって、従来例で示したように、中空シール部の下側壁面の車外側端部に溜った水がウェザーストリップの長手方向に沿ってドアガラスの前方側先端部分に達してガセットに溜り、ドアを開くと溜った水が車室内に侵入して水漏れとなることは防止される。
さらに、雨が止んだ後や洗車を終了した後に、ドアガラスを下降させた場合、例えば布製の幌に滲み込んだ水が下側壁面の車外側端部に溜ることがあるが、ドアガラスを開いた状態でも水はウェザーストリップの延びる長手方向に沿って流れ落ち、ビード部を伝わって強制的に車外側から車内側に導かれ、水受け部内に導かれるので、水が車室内に侵入して水漏れすることは防止され、中空シール部の下側壁面の車外側端部から垂れ落ちる水の量も大幅に減少する。
これにより、シールリップ部のシール機能の負担を軽減することができる。
従来例で示したものと同一部分には同一符号を付した。
ドアガラス5の先端部5aが弾接すると下側壁面12bは、ビード部30が形成された部分では、図5に示すように、またビード部30が形成されていない部分では、図10で示したように、上方に向けて湾曲してドアガラス5の先端部5aを包み込む。
また、取付基部11の車内側端部からは車内側縦壁18が下設され、車外側縦壁17と車内側縦壁18とそれら両縦壁17,18の下端部を連結し下側に向けて湾曲した底壁19と取付基部11の車内側の一部で囲まれることによって中空部15は形成されている。
ビード部30は、帯状で中央部が下方に突出した突条をなすように形成されていて、中空シール部12の下側壁面12bの車外側端部Pから、ドアガラス5の先端部5aの弾接位置を車内側に越え、下側壁面12bの車内側端部Q、すなわち、車外側縦壁17に対する下側壁面12bの接続部分まで、ウェザーストリップ10の下方に傾斜するように延びている。
ヒレ片40は、略直角三角形状の薄片で、ビード部30が形成された位置より上方で、しかもウェザーストリップ10に対するヘッダウェザーストリップ9の端部との接続位置の真下において下側壁面12bの車外側端部Pから車外側に突出するように形成されている。またヒレ片40は、前側から後側にかけて拡がる羽根状に突出するしている。そして、ヒレ片40は、ヘッダウェザーストリップ9に沿って側端に流れる水Wを一方の薄板の面で受けて水Wをヒレ片40の前側端部40aからビード部30に導き、ビード部30は下側壁面12bの車内側端部Qから水受け部14に導くようにされている。
ビード部30とヒレ片40は、ウェザーストリップ10と同時に型成形されていて、ウェザーストリップ10と同様にゴム様弾性体からなる。
よって、ドアガラス5を下降させた場合に、幌1に沿って流れ落ちる水Wがウェザーストリップ10の上側の型成形部102から車室内に直接滴下して水漏れとなることが防止される。
しかも、ヒレ片40の形成位置よりも下方にはビード部30が形成されているので、ヒレ片40で受け止められた水Wはビード部30に導かれる。ヒレ片40だけを形成しただけでは水Wが車室内に侵入することを防止するには不十分であったが、ビード部30をさらに形成することによってシール性が向上する。
ヒレ片40は、ヘッダウェザーストリップ9との接続位置の真下に形成されているので、ヘッダウェザーストリップ9に沿って側端に流れる水Wはヒレ片40で受け止められ前側端部40aからビード部30に直接導かれる。
このときビード部30は、ドアガラス5の先端部5aで押圧されて撓むので、図5に示すように、ビード部30の両端には2つの溝31,32が形成される。よってビード部30に沿って流れる水Wは、ドアガラスを閉めた状態では形成された溝31,32に沿って流れるので水Wは車室内に漏れることなく安定して水受け部14に導かれる。
したがって、従来例で示したように、中空シール部12の下側壁面12bの車外側端部Pに溜った水Wがウェザーストリップ10の長手方向に沿ってドアガラス5の前方側先端部分に達してガセット21に溜り、ドア3を開くと溜った水Wが車室内に侵入して水漏れとなることは防止される。
このとき、ヒレ片40とビード部30の間においては、ドアガラス5を閉めた状態で、雨や洗車によって幌1に沿って車外側に流れる水Wや洗車によってウェザーストリップ10に直接かけられた水Wは通常、中空シール部12の下側壁面12bの車外側端部Pに溜るが、ここに溜った水Wはウェザーストリップ10の延びる長手方向(ここでは車両の前方向)に沿って流れ落ち、ビード部30を伝わって強制的にドアガラス5の車外側から車内側に導かれ、水受け部14に導かれる。その後は、排水穴22を通じて車外に排出される。
また、ビード部30の車内側端部をドアガラス5の車内側側面まで延設するあるいは、水受け部14の鉛直方向に線を設け、その上方にまで延設するようにすれば、ビード部30に沿って流れる水Wは水受け部14に直接導かれるので、ドアガラス5の車内側側面を伝わりシールリップ部13で堰き止められ水受け部14に導かれる量は少なくなり、シールリップ部13のシール機能の負担が軽減される。
2 トランク
3 ドア
4 フロントピラー
5 ドアガラス
5a 先端部
6 フロントガラス
7 ヘッダ
10 ウェザーストリップ
11 取付基部
12 中空シール部
12a 車外側壁面
12b 下側壁面
13 シールリップ部
14 水受け部
15 中空部
16 リップ部
17 車外側縦壁
18 車内側縦壁
19 底壁
20 テープ
21 ガセット
22 排水穴
30 ビード部
30a 車外側端部
30b 車内側端部
31 溝
32 溝
40 ヒレ片
40a 前側端部
101 押出成形部
102 上側の型成形部
103 下側の型成形部
P 下側壁面の車外側端部
Q 下側壁面の車内側端部
W(W1,W2,W3) 水
Claims (3)
- 格納式ルーフ車又はハードトップ車のフロントピラーの側縁に取付けられる取付基部と、該取付基部に対して車外側下向きに設けられドアガラスの先端部に弾接する中空シール部と、該中空シール部の下方から車外側に向けて延設され前記ドアガラスの車内側側面に先端部が上向きに湾曲するように弾接して樋状の水受け部を形成するシールリップ部を備えるウェザーストリップの上側の型成形部における排水構造であって、
前記ドアガラスの先端部が弾接する前記中空シール部を成す下側壁面の車外側端部に車外側に突出したヒレ片を形成するとともに、前記ヒレ片の形成位置より下方でしかも前記下側壁面の車外側端部から、少なくとも前記ドアガラスの先端部の弾接位置よりも車内側に越えた位置まで、下方に傾斜するビード部を形成したことを特徴とするウェザーストリップの排水構造。 - 前記ビード部の車内側端部は前記ドアガラスの車内側側面まで延設され、前記ビード部に沿って流れる水を前記水受け部に導くようにしたことを特徴とする請求項1に記載のウェザーストリップの排水構造。
- 前記ビード部を前記ヒレ片に連続して形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載のウェザーストリップの排水構造。
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