JP5876387B2 - オープンカー用ウェザーストリップのコーナー型成形部構造 - Google Patents
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Description
このようなオープンカーにおいては、フロントピラー1の上端部からフロントガラス2の上端を固定するヘッダ3に沿ってオープンカー用ウェザーストリップ20が略コ字状に取付けられていたり、あるいはヘッダ3の中央部分が存在せずフロントピラー1の上端部からフロントピラー1に沿って取付けられていて、ヘッダ3側では幌10が閉じられたときにヘッダ3と幌10の間をシールし、フロントピラー1側では昇降するドアガラス5に弾接して車内外をシールするようになっている。
図9に示すように、オープンカー用ウェザーストリップ20のコーナー型成形部20Xは、フロントピラー1側ではフロントピラー1に取り付けられる支持部21と、支持部21の車外側に一体成形され昇降するドアガラス5の上端部に弾接する中空シール部22と、支持部21の車内側に一体成形されドアガラス5の車内側面に弾接するシール部23を備えている。
そこで、この対策として、図10に示すように、中空シール部22から車外側に向けて延びるように水受けリップ部24を設け、これによって滴下する水Wを受けて車内側に浸入しないようにしたものが知られている(例えば、特許文献1など)。
このように水受けリップ部24が変形すると幌10との間に隙間Sが生じて外観性が悪化する。また水受けリップ部24が車外側に突出変形すると風切り音にも悪影響を及ぼすことになるとともに、特に下向きに変形すると水受けリップ部24は樋状の形状を維持することができないので水受けリップ部24に沿って前側に水Wを排出させることができず幌10を伝わってきた水Wをその場所で滴下させてしまう。
前記中空シール部(22)における、前記ドアガラス(5)の上端縁が弾接する位置よりも高い位置で車内側に、前記ドアガラス(5)に略平行に延びるスリット状の長孔(30)を形成したことを特徴とする。
前記長孔(30)はその前側が、前記第一中空シール部(22A)に設けられた水受けリップ部(24)よりもさらに前側に延びる位置まで形成されてなることを特徴とする。
よって、ドアガラスが中空シール部に弾接したときにその影響を受けて水受けリップ部が大きく変形することが防止されるのでルーフから滴下する水を受けて排水する機能が損なわれることはない。
また、長孔の位置は、ドアガラスの上端縁が中空シール部に弾接するその位置よりも車内側で車外側に向けて設けられた水受けリップ部とは逆側になるので、水受けリップ部を伝わった水が長孔を通して車内側に浸入することもない。
このように、両者は構成,作用効果及び目的においても大きく相違するものである。
オープンカー用ウェザーストリップ20の支持部21は、コーナー型成形部20Xにおいてフロントピラー1上端部からフロントガラス2上端を固定するヘッダ3に沿って取付けられている。
また、フロントピラー1側では昇降するドアガラス5の上端部に弾接して車内外をシールする中空シール部22が備っており、ヘッダ3側では幌10が閉じられたときに幌10に弾接してヘッダ3と幌10の間をシールする。中空シール部22は、支持部21の車外側に一体成形されている。
さらに、水受けリップ部24は、フロントピラー1側の中空シール部22の車外側の下部から幌10の閉時位置でその幌10の側面下方まで車外側に延びるように設けられている。水受けリップ部24は、樋状、すなわち下向きに膨出湾曲していて幌10の車外側面に沿って滴下する水Wを下から受けるようになっている。水受けリップ部24の先端は、本実施形態では、幌10の車外側面と面一になる位置まで延びているが幌10の車外側面よりも僅かに車外側に突出するようにしてもよい。
なお、支持部21の車内側にはドアガラス5の車内側面に弾接する中空状(リップ状にしたものであってもよい)のシール部23が一体成形されている。
また、図4に示すように、第一中空シール部22Aの上面は、第二中空シール部22Bの上面よりも低く前側にいくにしたがって下降傾斜して第二中空シール部22B内に入り込んで最終的には第二中空シール部22Bの下面に連設されている。これによって、第一中空シール部22Aの前側は袋状に閉じた状態にされている。
なお、水受けリップ部24は、第一中空シール部22A側に設けられている。
また、長孔30はその前側が、第一中空シール部22Aに設けられた水受けリップ部24よりもさらに前側に延びる位置まで形成されるとともに、第一中空シール部22Aの上面が下降傾斜する部位まで形成されている。
なお、長孔30の後側は、第一中空シール部22A側の後側端部に達するまで形成されるものではなく、後側端部から僅かに前側に寄った位置まで形成されている。
これによって、ドアガラス5が第一中空シール部22Aに弾接したときにその影響を受けて水受けリップ部24が大きく変形することが防止されるので幌10から滴下する水Wを受けて排水する水受けリップ部24が有する本来の機能が損なわれることはない。
また、長孔30の位置は、ドアガラス5の上端縁が第一中空シール部22Aに弾接するその位置よりも車内側であり、車外側に向けて設けられた水受けリップ部24とは逆側になるので、水受けリップ部24を伝わった水Wが長孔30を通して車内側に浸入することもない。
さらに、長孔30の前側を第一中空シール部22Aの上面が下降傾斜する部位まで形成して下降傾斜する堰22ADを越えて前側には形成しないようにしたので、第二中空シール部22B側の水Wが長孔30を介して後側の第一中空シール部22A側に浸入することはない。また、長孔30の形成位置を第一中空シール部22Aの上面が下降傾斜する堰22ADに到達するまでに設定することで、下降傾斜した堰22ADから距離を離した位置までに長孔30を形成する場合と比較して、加工処理を容易に行うことができる。
なお、第一中空シール部22Aの堰22ADは、前側にいくにしたがって下降傾斜した事例で説明したが、傾斜ではなく段状に直下して第二中空シール部22Bの下面に連設されてなるものであってもよい。
そしてオープンカー用ウェザーストリップ20のコーナー部Xは、図13に示すようにフロントピラー1に沿って取付けられる1つの押出成形部20Yが型成形により一体成形されてなる型成形部20Xで構成され、先の実施形態(図1及び図5)と同様に幌10の閉時には幌10の前側角部に弾接する。この別の実施形態はヘッダ3側に押出成形部20Yが存在せず、型成形部20Xのヘッダ3側の形状が先の2つの実施形態(図1及び図5)と異なるだけでその他の構造は先の2つの実施形態(図1及び図5)と同一である。
例えば、ルーフを分割することができるタルガトップ車や、ルーフが2分割されるTバールーフ車においても適用することができる。
2 フロントガラス
3 ヘッダ
5 ドアガラス
6 ドア
10 幌
20 オープンカー用ウェザーストリップ
20X 型成形部
20Y 押出成形部
21 支持部
22 中空シール部
22A 第一中空シール部
22B 第二中空シール部
22AD 堰
23 シール部
24 水受けリップ部
25 シールリップ部
30 長孔
S 隙間
W 水
X コーナー部
Claims (4)
- 可動または取外し自在な非固定式ルーフを有する車両のフロントピラー上端部からフロントガラス上端を固定するヘッダに沿って取付けられる支持部と、前記支持部に一体成形され前記ヘッダ側では前記非固定式ルーフに弾接しかつ前記フロントピラー側では昇降するドアガラスの上端縁に弾接する中空シール部と、前記フロントピラー側の中空シール部の下部から前記非固定式ルーフの閉時位置でその非固定式ルーフの側面下方まで車外側に延びるように設けられた水受けリップ部を備えるオープンカー用ウェザーストリップのコーナー型成形部の構造であって、
前記中空シール部における、前記ドアガラスの上端縁が弾接する位置よりも高い位置で車内側に、前記ドアガラスに略平行に延びるスリット状の長孔を形成したことを特徴とするオープンカー用ウェザーストリップのコーナー型成形部構造。 - 前記中空シール部は、前記非固定式ルーフの閉時位置でその非固定式ルーフの側面下方に位置する第一中空シール部と、第一中空シール部よりも前側に位置して押出成形部に接続される第二中空シール部からなり、前記第一中空シール部の上面は、前記第二中空シール部の上面よりも低く前側では下降して第二中空シール部内に入り込んで第二中空シール部の下面に連設された堰が設けられ、前記第一中空シール部の前側を袋状に閉じた状態にしたことを特徴とする請求項1に記載のオープンカー用ウェザーストリップのコーナー型成形部構造。
- 前記水受けリップ部は、前記第一中空シール部に設けられ、
前記長孔はその前側が、前記第一中空シール部に設けられた水受けリップ部よりもさらに前側に延びる位置まで形成されてなることを特徴とする請求項2に記載のオープンカー用ウェザーストリップのコーナー型成形部構造。 - 前記長孔はその前側が、前記第一中空シール部の上面が下降した堰まで形成されてなることを特徴とする請求項2又は3に記載のオープンカー用ウェザーストリップのコーナー型成形部構造。
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