JP5543525B2 - 光学デバイスおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、少なくとも2枚の透明基板を用いた光デバイスおよびその製造方法に関するものである。
光を透過する複数の光学部材を組み合わせて所望の特性を得るようにした光デバイスが、数多く用いられている。このような光デバイスにおいては、複数の光学部材を貼り合わせる技術が重要となる。
複数の光学部品を組み合わせた光デバイスとしては、エタロンフィルタがある(特許文献1参照)。エタロンフィルタは、2つの平板状の部分透過ミラーを用い、これらの間にギャップ調整用の部材(ギャップ部材)を挟み、所望の共振器特性が得られるように2つの部分透過ミラーの間隔を決定している。このような構造のエタロンフィルタでは、ギャップ部材と、各部分透過ミラーとを接合して組み立てている。
上述した光学部品の接合には、有機系の接着剤を用いた接合(接着),はんだによる接合,表面活性化接合,オプティカルコンタクトによる接合などがある。表面活性化接合は、高真空中でイオンガンを用いて接合面をクリーニングして表面原子の結合手を露出させ、重ね合わせることで直接接合する技術である。また、オプティカルコンタクトは、プラズマやエキシマレーザ光の照射により接合面を活性化して親水化させ、重ね合わせることで仮接合し、この後、高温処理により脱水して完全に接合させる技術である。
特開平04−061181号公報
しかしながら、上述した接合の技術では、次に示すような問題がある。まず、有機系の接着剤を用いる場合、接着剤の特性上、高温高湿などの環境下においては、経時的な変化による接着強度の低下があり、信頼性に課題がある。また、有機系の接着剤では、熱による接着剤の膨張収縮があり、光路長が変化してしまうなど、特性が安定しないなどの問題がある。また、接着剤の厚さを製品間で均一にすることが容易ではなく、製品特性にバラツキを発生させてしまうという問題がある。この厚さのバラツキについては、はんだを用いた接合においても同様である。
これに対し、表面活性化接合およびオプティカルコンタクトによれば、経時的な変化による接着強度の低下はほとんどなく、接着剤を用いていないため、バラツキの点でも問題が発生しない。しかしながら、表面活性化接合では、高い真空度が必要であり、活性化させた領域同士を貼り合わせるために、位置合わせなどが必要となり、製造装置が高価となり、製品コストの上昇を招くという問題がある。また、オプティカルコンタクトでは、250℃以上の高温処理が必要となり、熱膨張係数の異なる部品間を接合しようとすると、熱処理において剥離し、また、亀裂が発生するなどの問題がある。更に、光学部材の接合面の表面粗さが粗くなると、表面活性化接合およびオプティカルコンタクトでは、接合強度が低下する問題があった。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、製品コストの上昇を招くことなく、光学部品同士の接合強度が大きな光デバイスが製造できるようにすることを目的とする。
本発明に係る光学デバイスは、二酸化ケイ素を含む透明な材料から構成された第1基板の中央部を除く周辺部の接合領域に形成された第1金属層と、第2基板の一方の面に形成されて第1金属層と当接して一体とされた第2金属層とを少なくとも備え、第1金属層および第2金属層は、常温における酸化物の生成自由エネルギーが正の金属を含む金属材料から構成され、第1金属層,第2金属層は、これらが形成されている形成面の表面粗さの3倍以上の厚さとされている。
上記光学デバイスにおいて、第2基板は、二酸化ケイ素を含む透明な材料から構成され、第2金属層は、第2基板の中央部を除く周辺部の接合領域に形成されていればよい。
上記光学デバイスにおいて、二酸化ケイ素を含む透明な材料から構成された第3基板の中央部を除く周辺部の接合領域に形成された第3金属層と、第2基板の他方の面に形成されて第3金属層と当接して一体とされた第4金属層とを少なくとも備え、第3金属層および第4金属層は、常温における酸化物の生成自由エネルギーが正の金属を含む金属材料から構成されているものとしてもよい。なお、第3金属層,第4金属層は、これらが形成されている形成面の表面粗さの3倍以上の厚さとされているとよい。また、金属材料は、Au,Pt,およびこれらの金属を含む合金の中より選択されたものであればよい。
また、本発明に係る光学デバイスの製造方法は、二酸化ケイ素を含む透明な材料から構成された第1基板の中央部を除く周辺部の接合領域に第1金属層を形成する工程と、第2基板の一方の面に第2金属層を形成する工程と、第1基板の第1金属層と第2基板の第2金属層とを当接させることで第1基板および第2基板を第1金属層および第2金属層により接合する工程とを少なくとも備え、第1金属層および第2金属層は、常温における酸化物の生成自由エネルギーが正の金属を含む金属材料から構成し、第1金属層,第2金属層は、これらが形成されている形成面の表面粗さの3倍以上の厚さに形成する。
上記光学デバイスの製造方法において、第2基板は、二酸化ケイ素を含む透明な材料から構成し、第2金属層は、第2基板の中央部を除く周辺部の接合領域に形成すればよい。
また、上記光学デバイスの製造方法において、二酸化ケイ素を含む透明な材料から構成された第3基板の中央部を除く周辺部の接合領域に第3金属層を形成する工程と、第2基板の他方の面に第4金属層を形成する工程と、第3基板の第3金属層と第2基板の第4金属層とを当接させることで第3基板および第2基板を第3金属層および第金属層により接合する工程とを備え、第3金属層および第4金属層は、常温における酸化物の生成自由エネルギーが正の金属を含む金属材料から構成するようにしてもよい。
上記光学デバイスの製造方法において、第3金属層,第4金属層は、これらが形成されている形成面の表面粗さの3倍以上の厚さに形成するとよい。また、金属材料は、Au,Pt,およびこれらの金属を含む合金の中より選択されたものであればよい。
以上説明したことにより、本発明によれば、製品コストの上昇を招くことなく、光学部品同士の接合強度が大きな光デバイスが製造できるようになるという優れた効果が得られる。
図1Aは、本発明の実施の形態1における光学デバイスの製造方法を説明する各工程における状態を示す構成図である。 図1Bは、本発明の実施の形態1における光学デバイスの製造方法を説明する各工程における状態を示す構成図である。 図1Cは、本発明の実施の形態1における光学デバイスの製造方法を説明する各工程における状態を示す構成図である。 図2は、本発明の実施の形態1における光学デバイスの構成を示す平面図である。 図3は、本発明の実施の形態2における光学デバイスの構成を示す断面図である。 図4は、各表面粗さの試験片同士を、各金属層の厚さで接合した試料の引っ張り強度を測定した結果を示す特性図である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
[実施の形態1]
はじめに、本発明の実施の形態1について図1A,図1B,図1Cを用いて説明する。図1A,図1B,図1Cは、本発明の実施の形態1における光学デバイスの製造方法を説明する各工程における状態を示す構成図である。図1A,図1B,図1Cでは、断面を模式的に示している。
まず、図1Aに示すように、二酸化ケイ素を含む透明な材料から構成された第1基板101の中央部を除く周辺部の接合領域に第1金属層102を形成する。第1基板101は、例えば、水晶板である。また、第1基板101は、石英板、ガラス板などであってもよい。このような第1基板101の表面に、例えば、真空成膜法により第1金属層102を形成する。第1金属層102は、Au,Pt,およびこれらの金属を含む合金などの常温における酸化物の生成自由エネルギーが正の金属を含む金属材料から構成する。また、第1金属層102は、形成面の表面粗さの3倍以上の厚さに形成する。なお、日本工業規格では、「常温」を20℃±15℃(5−35℃)としている。また、表面粗さは、算術平均粗さである。
次に、図1Bに示すように、第2基板103の一方の面に第2金属層104を形成する。第2基板103は、例えば、二酸化ケイ素を含む透明な材料から構成された基板であり、例えば、水晶板,石英板,ガラス板などである。また、第2金属層104は、第2基板103の中央部を除く周辺部の接合領域に形成する。例えば、真空成膜法により第2金属層104を形成する。第2金属層104は、Au,Pt,およびこれらの金属を含む合金などの常温における酸化物の生成自由エネルギーが正の金属を含む金属材料から構成する。また、第2金属層104は、形成面の表面粗さの3倍以上の厚さに形成する。
ここで、各金属層の接合領域への選択的な形成について、第1金属層102を例に説明する。例えば、第1基板101の表面に、接合領域が開放したレジストパターンを形成する。レジストパターンは、公知のフォトリソグラフィ技術により形成すればよい。このようにレジストパターンを形成した状態で、真空成膜法により上述した金属材料を堆積する。この後、有機溶剤などを用いてレジストパターンを除去(リフトオフ)すれば、接合領域に、選択的に第1金属層102が形成できる。この場合、金属材料の堆積は、真空蒸着法,スパッタ法,イオンプレーティング法により行ってもよい。
また、次に示すように、第1金属層102を形成してもよい。まず、第1基板101の表面に、第1金属層102とする金属材料による金属膜を形成する。この場合も、金属膜の形成は、真空成膜法,スパッタ法などにより行えばよい。次いで、形成した金属膜の上に、接合領域を覆い、他の領域が開放したレジストパターンを形成する。レジストパターンは、公知のフォトリソグラフィ技術により形成すればよい。次に、形成したレジストパターンをマスクとし、選択的に金属膜をエッチングする。例えば、Auから金属膜を構成した場合、ヨウ素,ヨウ化アンモニウム,水,エタノールからなるエッチング液によりウェットエッチングすることで、選択的に金属膜がエッチングできる。これにより、接合領域に、選択的に第1金属層102が形成できる。また、接合表面への有機物などの吸着による汚染の心配がある場合には、金属層形成後に、加熱やUV光やプラズマ等でクリーニングすることが望ましい。
また、スパッタ法などにおいて、ステンシルマスクを用いて接合領域に金属材料を選択的に堆積することで、第1金属層102を形成してもよい。
以上のようにすることで、各金属層を形成した後、図1Cに示すように、第1基板101の第1金属層102と第2基板103の第2金属層104とを当接させる。ここで、第1基板101および第2基板103の平坦性などを考慮すると、第1金属層102と第2金属層104とが対向した状態で、第1基板101の上に第2基板103を載置しただけでは、第1金属層102と第2金属層104とが、点状に部分的に接触した状態となる場合もある。このような状態では、第1金属層102と第2金属層104とが、ある程度の広さの面で接触する(当接する)状態にならない。このような場合、第1基板101と第2基板103との間にある程度の荷重を加え、面で接触する領域が存在するようにする。
上述したように、第1金属層102と第2金属層104とを当接させれば、第1金属層102と第2金属層104とが直接接合する。ここで直接接合のメカニズムについて説明する。スパッタ法等により形成された金属層は微結晶構造の薄膜である。この微結晶構造の薄膜を重ね合わせることにより、薄膜の接合界面に金属の原子拡散を生じさせて、2つの基板を強固に接合する。このようにして第1金属層102と第2金属層104とを一体にすれば、第1基板101および第2基板103を第1金属層102および第2金属層104により接合することができる。第1金属層102および第2金属層104は、常温における酸化物の生成自由エネルギーが正の金属を含む金属材料から構成しているので、大気中においても表面に自然酸化膜が形成されることがなく、両者を当接させることで、直接接合した状態が簡単に得られる。この接合は、大気中に限らず、減圧環境下で行ってもよく、また、大気圧以上の雰囲気で行ってもよい。また、接合環境は大気に限らず、例えば、窒素、不活性ガス中でも良い。接合温度は常温でよい。また、接合膜同士の拡散を補助するため必要に応じて加熱してもよい。
上述した製造方法によれば二酸化ケイ素を含む透明な材料から構成された第1基板101の中央部を除く周辺部の接合領域に形成された第1金属層102と、二酸化ケイ素を含む透明な材料から構成された第2基板103の中央部を除く周辺部の接合領域に形成されて第1金属層102と当接して一体とされた第2金属層104とを少なくとも備える光学デバイスが得られる。この光学デバイスによれば、図2の平面図に示すように、中央部201を除く周辺部に接合領域を設けており、第1基板101および第2基板103の中央部201には、金属層などを形成していない。このため、接合された第1基板101および第2基板103の中央部201は、光が透過する状態である。従って、本実施の形態によれば、中央部201を透過する光は、第1基板101および第2基板103の両者の光学特性が反映された状態となる。
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2について説明する。実施の形態2では、図3に示すエタロンフィルタを例に説明する。このエタロンフィルタは、石英板(第1基板)301および石英板(第3基板)302を、石英からなるスペーサ(第2基板)303を介して対向して配置している。このように、スペーサ303を介して配置することで、石英板301と石英板302との間には、空間321が存在する状態となる。また、石英板301および石英板302には、各々の対向する一方の面に反射膜304,反射膜305を備えている。また、石英板301および石英板302の他方の面には、各々反射防止膜306,反射防止膜307を備えている。
また、石英板301とスペーサ303とは、第1金属層311と第2金属層312とを介して接合されている。第1金属層311は、石英板301の接合領域322において、反射膜304の上に形成されている。接合領域322は、石英板301の中央部の透過領域323を除く周辺部に設けられている。第2金属層312は、スペーサ303の石英板301との接合面(一方の面)に形成されている。第1金属層311と第2金属層312とは、対向面を当接させることで接合して一体とされている。このようにして一体とされた第1金属層311および第2金属層312により、石英板301とスペーサ303とが接合されている。
同様に、石英板302とスペーサ303とは、第3金属層313と第4金属層314とを介して接合されている。第3金属層313は、石英板302の接合領域322において、反射膜305の上に形成されている。接合領域322は、石英板302の中央部の透過領域323を除く周辺部の領域である。第4金属層314は、スペーサ303の石英板302との接合面(他方の面)に形成されている。第3金属層313と第4金属層314とは、対向面を当接させることで接合して一体とされている。このようにして一体とされた第3金属層313および第4金属層314により、石英板302とスペーサ303とが接合されている。
第1金属層311,第2金属層312,第3金属層313,第4金属層314は、常温における酸化物の生成自由エネルギーが正の金属を含む金属材料から構成されている。これらは、例えば、Au,Pt,およびこれらの金属を含む合金のいずれかであればよい。また、第1金属層311,第2金属層312,第3金属層313,第4金属層314は、形成面の表面粗さ(算術平均粗さ)の3倍以上の厚さに形成されている。ところで、Au,Ptなどの金属は、石英や金属酸化物などとの密着性が高くない。このため、例えば、各金属層は、形成面の側に形成されたTa,Ti,Cr,Niなどの金属からなる密着層と、この上に形成されたAu,Ptなどの金属層との2層構造とするとよい。
上述したエタロンフィルタは、いわゆるファブリ・ペロー干渉計である。反射膜304と反射膜305との間隔を、所望とする光の波長の1/2の整数倍とすることで、透過領域323の「石英板301−空間321−石英板302」の光路において、所望とする波長の光を透過させることができる。
以下、本実施の形態における光デバイスである上記エタロンフィルタの製造方法について簡単に説明する。まず、一方の面に反射膜304が形成され、他方の面に反射防止膜306が形成された石英板301、および、一方の面に反射膜305が形成され、他方の面に反射防止膜307が形成された石英板302を用意する。各石英板は、4mm×4mmで、板厚が1mmである。
また、反射膜304、反射防止膜306は、よく知られているように、各々屈折率が異なる複数の誘電体層が交互に積層されて構成されている。誘電体は、例えば、二酸化ケイ素(SiO2、屈折率=1.445)、二酸化チタン(TiO2、屈折率=2.3)、五酸化タンタル(Ta25、屈折率=2.2)である。各誘電体層の層厚および積層数を適宜に設定することで、所望の反射率や透過率(光学特性)が得られる。例えば、反射膜304は、サブミクロン程度の層厚の誘電体層を、10層以下積層することで構成できる。各誘電体層は、例えば、真空成膜法により形成できる。
次に、石英板301の一方の面(反射膜形成面)の接合領域322に第1金属層311を形成する。例えば、真空成膜法により層厚2nm程度にTa層を形成し、引き続き、層厚10nm程度にAu層を形成して第1金属層311を形成する。同様に、石英板302の一方の面(反射膜形成面)の接合領域322に第3金属層313を形成する。
次に、スペーサ303の一方の接合面に第2金属層312を形成する。スペーサ303は、石英板301と石英板302との間隔が3mmとなる寸法に形成されている。また、スペーサ303は、組み込まれた状態で、空間321における光透過方向断面の寸法が、φ1.5mmとなるように形成されている。第2金属層312としては、例えば、真空成膜法により層厚2nm程度にTa層を形成し、引き続き、層厚10nm程度にAu層を形成すればよい。同様にして、スペーサ層303の他方の接合面に第4金属層314を形成する。
次に、石英板301の第1金属層311とスペーサ303の第2金属層312とを当接させて一体とすることで、石英板301およびスペーサ303を第1金属層311および第2金属層312により接合する。同様に、石英板302の第3金属層313とスペーサ303の第4金属層314とを当接させて一体とすることで、石英板302およびスペーサ303を第3金属層313および第金属層31により接合する。
ここで、接合対象の両者の間にある程度の荷重を加え、接合面同士が密接する領域が存在するようにする。接合面の平坦性が高く、載置した状態で、自重だけで面で接触する領域が形成される場合、荷重などを加える必要はない。このようにすることで、上述したように、第1金属層311と第2金属層312とを当接させれば、第1金属層311と第2金属層312とが直接接合する。同様に、第3金属層313と第4金属層314とが直接接合する。
このようにして、第1金属層311と第2金属層312とを一体すれば、石英板301およびスペーサ303を、第1金属層311および第2金属層312により接合することができる。同様に、第3金属層313と第4金属層314とを一体にすれば、石英板302およびスペーサ303を、第3金属層313および第4金属層314により接合することができる。
第1金属層311および第2金属層312は、常温における酸化物の生成自由エネルギーが正の金属を含む金属材料から構成しているので、大気中においても表面に自然酸化膜が形成されることがなく、両者を当接させることで、直接接合した状態が簡単に得られる。第3金属層313および第4金属層314においても、上述同様である。
以下、接合に用いる金属層の層厚と、形成面の表面粗さとの関係について説明する。はじめに、接合面の表面粗さが異なる10mm×10mmの複数の水晶板(試験片)を用意し、異なる層厚の金属層を接合面に形成して接合させた複数の試料を作製し、作製した試料の引っ張り強度を測定する。試験片の表面粗さ(算出平均粗さ)は、Ra0.3nm,Ra0.7nm,Ra1.5nmである。接合では、各試験片の接合面(全面)に、層厚2nmのTa層およびAu層からなる金属層を形成し、金属層同士を当接させている。
また、Au層の層厚を変化させて各試料を作製している。Ra0.3nmの試験片では、Au層の層厚を、0.3,0.7,1.0,1.5,2.5,5.5(nm)とした試料を作製している。また、Ra0.7nmの試験片では、Au層の層厚を、0.7,1.4,2.1,3.5,5.6,9.8(nm)とした試料を作製している。また、Ra1.5nmの試験片では、Au層の層厚を、1.5,3.0,4.5,6.0,10.5,25.5(nm)とした試料を作製している。
図4に、各表面粗さの試験片同士を各金属層の厚さで接合した試料の、引っ張り強度を測定した結果を示す。図4では、横軸に、形成した金属層の厚さT(nm)を試験片の表面粗さRa(nm)で除した値を示している。また、図4において、黒四角が表面粗さRa0.3nmの試験片を用いた試料、白丸が表面粗さRa0.7nmの試験片を用いた試料,黒三角が表面粗さRa1.5nmの試験片を用いた試料の測定結果である。図4より分かるように、いずれの試験片の表面粗さにおいても、金属層の層厚を、表面粗さの3倍以上とすれば、引っ張り強度が飽和した状態となる。
次に、接合面の表面粗さが異なる10mm×10mmの水晶板(試験片)を用意し、これらを、各種の接合方法で接合した試料を作製し、作製した試料の引っ張り強度を測定した結果について説明する。試験片の表面粗さは、Ra0.3nm,Ra0.7nm,Ra1.3nm,Ra3nmである。また、接合方法は、オプティカルコンタクト,表面活性化接合,および上述した本発明による接合方法である。本発明による接合方法では、各試験片の接合面(全面)に、層厚2nmのTa層および層厚10nmのAu層からなる金属層を形成し、金属層同士を当接させている。このとき、金属層同士を当接させた2つの試験片を密着接合させるために、20kgfで加圧した。
以下の表1に、各表面粗さの試験片同士を、各接合方法で接合した試料の引っ張り強度を測定した結果を示す。表中に示す引っ張り強度の単位は、MPaである。なお、表中「25以上」は、引っ張り強度試験において、25MPa以上では、試料全体が破壊し、これ以上の強度の試験が行えない状態を示している。
Figure 0005543525
表1に示すように、本発明の接合方法によれば、表面粗さが0.3nmでは、オプティカルコンタクトおよび表面活性化接合に比較して、強い接合強度が得られていることが分かる。また、本発明の接合方法は、オプティカルコンタクトおよび表面活性化接合では接合できない表面粗さ0.7nm以上においても、高い接合強度が得られていることが分かる。このように、表面粗さ0.3nm〜0.7nmの範囲では、本発明の接合方法は、オプティカルコンタクトおよび表面活性化接合によりも接合強度が大きい。また、表面粗さ0.7nm以上では、本発明の接合方法でしか接合できない。
以上に説明したように、本発明によれば、常温における酸化物の生成自由エネルギーが正の金属を含む金属材料による金属層同士を当接して接合するようにしたので、製品コストの上昇を招くことなく、光学部品同士の接合強度が大きな光デバイスが製造できるようになる。特に、金属層の厚さを形成面の表面粗さの3倍以上の厚さとすることで、より大きな接合強度が得られるようになる。また、様々な材料からなる部品間を接合して光学デバイスが製造できるようになる。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。例えば、金属層を形成する接合領域は、基板の中央部を囲う全域としてもよく、また、基板の中央部を除く周辺部に、部分的に設けてもよい。また、ギャップ調製のためにスペーサを用いる場合、スペーサを一体構造としてもよく、複数の部品からスペーサを構成してもよい。また、スペーサは、二酸化ケイ素を含む透明な材料から構成された第1基板と同じ材料から構成する必要はない。また、大面積の基板(例えば直径2インチ,板厚1mm)を用い、接合した後で切り出すことで、複数の光学デバイスを同時に製造するようにしてもよい。
101…第1基板、102…第1金属層、103…第2基板、104…第2金属層、201…中央部。

Claims (10)

  1. 二酸化ケイ素を含む透明な材料から構成された第1基板の中央部を除く周辺部の接合領域に第1金属層を形成する工程と、
    第2基板の一方の面に第2金属層を形成する工程と、
    前記第1基板の前記第1金属層と前記第2基板の第2金属層とを当接させることで前記第1基板および前記第2基板を前記第1金属層および前記第2金属層により接合する工程と
    を少なくとも備え、
    前記第1金属層および前記第2金属層は、常温における酸化物の生成自由エネルギーが正の金属を含む金属材料から構成し、
    前記第1金属層および前記第2金属層は、前記第1金属層および前記第2金属層の形成面における表面粗さの3倍以上の厚さに形成することを特徴とする光学デバイスの製造方法。
  2. 請求項1記載の光学デバイスの製造方法において、
    前記第2基板は、二酸化ケイ素を含む透明な材料から構成し、
    前記第2金属層は、前記第2基板の中央部を除く周辺部の接合領域に形成することを特徴とする光学デバイスの製造方法。
  3. 請求項1記載の光学デバイスの製造方法において、
    二酸化ケイ素を含む透明な材料から構成された第3基板の中央部を除く周辺部の接合領域に第3金属層を形成する工程と、
    前記第2基板の他方の面に第4金属層を形成する工程と、
    前記第3基板の前記第3金属層と前記第2基板の第4金属層とを当接させることで前記第3基板および前記第2基板を前記第3金属層および前記第金属層により接合する工程と
    を備え、
    前記第3金属層および前記第4金属層は、常温における酸化物の生成自由エネルギーが正の金属を含む金属材料から構成することを特徴とする光学デバイスの製造方法。
  4. 請求項3記載の光学デバイスの製造方法において、
    前記第3金属層および前記第4金属層は、前記第3金属層および前記第4金属層の形成面における表面粗さの3倍以上の厚さに形成することを特徴とする光学デバイスの製造方法。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の光学デバイスの製造方法において、
    前記金属材料は、Au,Pt,およびこれらの金属を含む合金の中より選択されたものであることを特徴とする光学デバイスの製造方法。
  6. 二酸化ケイ素を含む透明な材料から構成された第1基板の中央部を除く周辺部の接合領域に形成された第1金属層と、
    第2基板の一方の面に形成されて前記第1金属層と当接して一体とされた第2金属層と
    を少なくとも備え、
    前記第1金属層および前記第2金属層は、常温における酸化物の生成自由エネルギーが正の金属を含む金属材料から構成され
    前記第1金属層および前記第2金属層は、前記第1金属層および前記第2金属層の形成面における表面粗さの3倍以上の厚さに形成されていることを特徴とする光学デバイス。
  7. 請求項6記載の光学デバイスにおいて、
    前記第2基板は、二酸化ケイ素を含む透明な材料から構成され、
    前記第2金属層は、前記第2基板の中央部を除く周辺部の接合領域に形成されていることを特徴とする光学デバイス。
  8. 請求項6記載の光学デバイスにおいて、
    二酸化ケイ素を含む透明な材料から構成された第3基板の中央部を除く周辺部の接合領域に形成された第3金属層と、
    前記第2基板の他方の面に形成されて前記第3金属層と当接して一体とされた第4金属層と
    を少なくとも備え、
    前記第3金属層および第4金属層は、常温における酸化物の生成自由エネルギーが正の金属を含む金属材料から構成されていることを特徴とする光学デバイス。
  9. 請求項8記載の光学デバイスにおいて、
    前記第3金属層および前記第4金属層は、前記第3金属層および前記第4金属層の形成面における表面粗さの3倍以上の厚さに形成されていることを特徴とする光学デバイス。
  10. 請求項6〜のいずれか1項に記載の光学デバイスにおいて、
    前記金属材料は、Au,Pt,およびこれらの金属を含む合金の中より選択されたものであることを特徴とする光学デバイス。
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