JP2003195031A - エアギャップ型エタロンフィルタとその製造方法 - Google Patents

エアギャップ型エタロンフィルタとその製造方法

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JP2003195031A
JP2003195031A JP2001396586A JP2001396586A JP2003195031A JP 2003195031 A JP2003195031 A JP 2003195031A JP 2001396586 A JP2001396586 A JP 2001396586A JP 2001396586 A JP2001396586 A JP 2001396586A JP 2003195031 A JP2003195031 A JP 2003195031A
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gap
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predetermined
etalon filter
air gap
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JP2001396586A
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Kazuyuki Nakasendou
和之 中仙道
Satoru Motohashi
覚 本橋
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Toyo Communication Equipment Co Ltd
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Toyo Communication Equipment Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高い温度安定性を維持したまま低コスト化が実
現出来るエアギャップ型エタロンフィルタとその製造方
法を提供する 【解決手段】所定の寸法に加工した透明基板(ガラス板
等)の光信号を通過させる面に、反射膜(MRコート)
と反射防止膜(ARコート)とを夫々成膜させたMR材
5a、5bを製作し、2枚のMR材5a、5bの反射膜
が成膜されている面を平行に対向させて、MR材5a、
5bの側面と所定の空隙を隔ててギャップ材6a、6b
を接合し、2枚のMR材とギャップ材6a、6bとを固
定したものである。2枚のMR材5a、5bとギャップ
材6a、6bの接合は接着剤7を用いている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信において波
長多重する際の分光素子として用いられているエアギャ
ップ型エタロンフィルタの改良に関し、特に高い性能を
維持したまま低価格化を図る構造とその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一本の光ファイバーを使用して多重度の
大きな伝送を行うため、波長が異なる複数の光信号を多
重する波長多重技術を用いた光通信が実用化されてい
る。又、近年では、通信量の増大により更なる大容量化
が求められており、波長多重技術においても波長多重数
の増大に伴い光信号の各波長間隔が狭まり、隣接した光
信号との干渉を防ぐため、各波長を厳密にコントロール
する必要性が生じている。光信号の波長を安定させる方
法としては、一般的にファブリペロー共振を用いたエタ
ロンフィルタによる波長監視機能を半導体レーザに組み
合わせる方法を用いる。そこで、エタロンフィルタは、
波長間隔が狭まったことにより高い光学特性と温度安定
性が求められるようになってきている。
【0003】エタロンフィルタの構成手段としては、ソ
リッドタイプのエタロンフィルタとエアギャップタイプ
のエタロンフィルタがある。ソリッドタイプのエタロン
フィルタは、極めて単純な構成で低コスト化が可能であ
るが、その温度特性は、ギャップ材料の屈折率温度依存
性と線熱膨張係数によって決定され、現実的には、光学
的損失が少なく、且つ温度特性の優れた材料が実現され
ていないため本目的で使用するには不向きである。因み
に、ソリッド型エタロンフィルタの温度特性は、石英を
使用した場合約10pm/℃、水晶を使用した場合で約
5pm/℃程度である。尚、後述するエアギャップ型エ
タロンフィルタにおいては、約0.1pm/℃程度が実
現可能である。
【0004】そこで、本目的を満足させるため、一般的
に高い温度安定性を備えたエアギャップタイプのエタロ
ンフィルタが用いられることが多い。エアギャップ型エ
タロンフィルタは、片面に反射膜を成膜した2枚のガラ
ス板等の透明基板を、所定の空隙を隔てて反射面同士が
平行に対向するように組み立てたものであり、エアギャ
ップ型エタロンフィルタの温度安定度は、反射膜間の空
気の屈折率温度依存性と反射膜を成膜した2枚の透明基
板を隔てるギャップ材の熱膨張係数により、その基本特
性が決定される。従って、空気の屈折率温度依存性をコ
ントロールすることは困難であるため、エアギャップ型
エタロンフィルタの温度安定度は、反射膜を成膜した2
枚の透明基板を隔てるギャップ長の変化を温度変化によ
りいかに抑えるかにかかっている。一般的に、反射膜を
成膜した2枚の透明基板を所定の空隙を隔てて対向させ
るために取り付けるギャップ材は、2枚の透明基板と接
着剤を用いないでオプティカルコンタクト法により直接
接合される。
【0005】図6に、従来のオプティカルコンタクト法
を用いたエアギャップ型エタロンフィルタの構造例を示
す。同図に示すようにエアギャップ型エタロンフィルタ
は、所定の寸法に加工した透明基板(ガラス板等)の光
信号を通過させる面(INから入力してOUTに出力す
る)に、反射膜(MRコート)と反射防止膜(ARコー
ト)とを夫々成膜させたMR材1a、1bを製作し、2
枚のMR材1a、1bの反射膜が成膜されている面を平
行に対向させてギャップ材2a、2bを接合し、2枚の
MR材1a、1bを所定の空隙を隔てて固定したもので
ある。
【0006】2枚のMR材1a、1bとギャップ材2
a、2bとの接合はオプティカルコンタクト3を用いて
おり、高い温度安定性を有している。オプティカルコン
タクト3による接合方法は、極めて平坦で滑らかな接着
面を研磨加工により実現する必要があり、特殊な技能で
製造する為その製造歩留まりは悪く低価格化を図ること
は困難であった。又、フィルタ特性の中心波長を規定の
波長に合わせ込むためには、ギャップの間隔を絶対値で
サブミクロンの加工精度で仕上げる必要があるが、途中
工程での微調整を行うことが出来ないという問題が生じ
ていた。一方、これを解決するために、図6に示した従
来のエアギャップ型エタロンフィルタと同一な構造で、
MR材とギャップ材とを接着剤を用いて接着固定した方
法が考えられている。
【0007】図7に、従来の接着剤を用いたエアギャッ
プ型エタロンフィルタの構造例を示す。同図に示すよう
にエアギャップ型エタロンフィルタは、所定の寸法に加
工した透明基板(ガラス板等)の光信号を通過させる面
に、反射膜(MRコート)と反射防止膜(ARコート)
とを夫々成膜させたMR材1a、1bを製作し、2枚の
MR材1a、1bの反射膜が成膜されている面を平行に
対向させてギャップ材2a、2bを接合し、2枚のMR
材1a、1bを所定の空隙を隔てて固定したものであ
る。
【0008】2枚のMR材1a、1bとギャップ材2
a、2bの接合は接着剤4を用いている。この方法は、
オプティカルコンタクト法に比較すると、接着剤の熱膨
張の分だけ温度安定性が悪化するという欠点があり、そ
こで、接着剤の熱膨張係数が小さなものを選択し、且つ
接着層の厚みを極力抑えることで温度変化による影響を
少なくする必要性がある。しかし、接着剤の影響は少な
からず残るので、実用には至っていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】高い温度安定性が求め
られているエアギャップタイプのエタロンフィルタにお
いて、上述したように特殊な技能で製造する為、その製
造歩留まりが悪く低価格化を図ることが困難であった
り、組立時に接着剤を使用することにより接着剤の熱膨
張の分だけ温度安定性が悪化したりする問題を解決する
ためになされたものであって、高い温度安定性を維持し
たまま低コスト化が実現出来るエアギャップ型エタロン
フィルタとその製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係わるエアギャップ型エタロンフィルタとそ
の製造方法は、以下の構成をとる。請求項1記載のエア
ギャップ型エタロンフィルタは、一面に反射膜を他面に
反射防止膜を成膜した2枚の透明基板を、その反射膜及
び反射防止膜が形成された面と直交する面に接着剤を介
して前記反射面同士が対向し、かつ、前記2枚の透明基
板が所定の空隙を隔てて位置するようギャップ材に固定
するよう構成する。
【0011】請求項2記載のエアギャップ型エタロンフ
ィルタは、前記ギャップ材が前記透明基板と同質の材料
により構成する。
【請求項7】請求項3記載のエアギャップ型エタロンフ
ィルタは、前記ギャップ材が前記透明基板と異質の材料
であって、かつ、前記透明基板に対して負の膨張係数を
備えたものである。
【0012】請求項4記載のエアギャップ型エタロンフ
ィルタの製造方法は、片面に反射膜を他の片面に反射防
止膜を成膜した2枚の透明基板を、所定の空隙を隔てて
反射面同士が平行に対向するようギャップ材を介して組
み立てたエアギャップ型エタロンフィルタにおいて、所
定のサイズに加工した透明基板の片面に反射防止膜を成
膜する工程と、前記透明基板の他の片面に反射膜を成膜
する工程と、透明基板に成膜処理することにより作成し
た2枚のMR材の反射面を対向させ、所定の肉厚を持ち
所定の高さ寸法に加工された枠からなるスペース治具を
挟み込み接着剤を用いて接着固定する工程と、該スペー
ス治具を挟みこんだ2枚のMR材の光学面を所定のピッ
チで切断機を用いて切断する工程と、該切断したMR材
の切断面の両側に所定のサイズに加工したギャップ材を
接着剤を用いて接着固定する工程と、該ギャップ材を固
定したMR材の短辺側に平行に所定のピッチで切断機を
用いて切断する工程とを含むよう構成する。
【0013】請求項5記載のエアギャップ型エタロンフ
ィルタは、所定の膜を成膜した透明基板をギャップ材を
介し接着固定して構成するエアギャップ型エタロンフィ
ルタにおいて、片面に反射膜を他の片面に反射防止膜を
成膜した2枚の透明基板を、所定の空隙を隔てて反射防
止面同士が平行に対向すると共に、該2枚の透明基板の
非光学面である同一側面同士に2枚のギャップ材を夫々
接着剤を用いて接着し、透明基板を固定するよう構成す
る。
【0014】請求項6記載のエアギャップ型エタロンフ
ィルタの製造方法は、片面に反射膜を他の片面に反射防
止膜を成膜した2枚の透明基板を、所定の空隙を隔てて
反射防止面同士が平行に対向するようギャップ材を介し
て組み立てたエアギャップ型エタロンフィルタにおい
て、所定のサイズに加工した透明基板の片面に反射防止
膜を成膜する工程と、透明基板に成膜処理することによ
り作成した2枚のMR材の反射防止面を対向させ、所定
の肉厚を持ち所定の高さ寸法に加工された枠からなるス
ペース治具を挟み込み接着剤を用いて接着固定する工程
と、該スペース治具を挟みこんだ2枚のMR材を所定の
ピッチで切断機を用いて切断する工程と、該切断したM
R材の切断面の両側に所定のサイズに加工したギャップ
材を接着剤を用いて接着固定する工程と、該ギャップ材
を固定したMR材の短辺側に平行に所定のピッチで切断
機を用いて切断する工程と、切断したMR材の外面を両
面研削加工する工程と、該MR材の外面に反射膜を成膜
する工程とを含むよう構成する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図示した実施例に基づいて
本発明を詳細に説明する。図1は、本発明に係る接着剤
を用いたエアギャップ型エタロンフィルタの第一の実施
例を示す構成図である。第一の実施例は、透明基板に反
射膜(MRコート)と反射防止膜(ARコート)とを夫
々成膜させたMR材と、2枚のMR材を所定の空隙を隔
てて対向させるギャップ材との接合方法を従来の方法か
ら変更し、MR材接着剤を介してギャップ材を接合した
もので、MR材の接着面が反射膜を成膜した光学面では
なくなることから、接着剤による温度安定性の劣化を防
ぐという特徴を有している。
【0016】図1に示すようにエアギャップ型エタロン
フィルタは、所定の寸法に加工した透明基板(ガラス板
等)の光信号を通過させる面に、反射膜(MRコート)
と反射防止膜(ARコート)とを夫々成膜させたMR材
5a、5bを製作し、2枚のMR材5a、5bが反射膜
の成膜されている面が平行となるように所定の空隙を隔
てて対向させ、MR材5a、5bの反射膜と反射防止膜
とが形成された面と直交する面にMR材5a、5bと同
質のギャップ材6a、6bを接合し、2枚のMR材5
a、5bとギャップ材6a、6bとを固定したものであ
る。2枚のMR材5a、5bとギャップ材6a、6bの
接合は接着剤7を用いている。本実施例によれば、接着
剤はMR材5a、5bの反射膜及び反射防止膜を形成し
た面、すなわち側面に塗布され、MRコート面には付着
しない。従って、接着位置を変更したことによりエアギ
ャップ型エタロンフィルタの温度特性に、接着剤の熱膨
張が影響を与えることを防ぐことが出来る。
【0017】図2は、本発明に係る接着剤を用いたエア
ギャップ型エタロンフィルタの第二の実施例を示す構成
図である。第二の実施例は、MR材の材質とギャップ材
の材質とを異なるものを組み合わせた複合形のエアギャ
ップ型エタロンフィルタを構成する。従って、MR材の
熱膨張係数に対してギャップ材の熱膨張係数がマイナス
である材質のものを選択することにより、熱膨張を二つ
の材質により相殺させ、極めて安定な温度特性を実現す
ることが可能である。又、第一の実施例と同じく、MR
材と、2枚のMR材を所定の空隙を隔てて対向させるギ
ャップ材との接合方法は、MR材の側面にギャップ材を
接合する方法を採用しているので、MR材の接着面が反
射膜を成膜した光学面ではなくなることから、接着剤に
よる温度安定性の劣化を防ぐという特徴を有している。
【0018】図2に示すようにエアギャップ型エタロン
フィルタは、所定の寸法に加工した透明基板(ガラス板
等)の光信号を通過させる面に、反射膜(MRコート)
と反射防止膜(ARコート)とを夫々成膜させたMR材
8a、8bを製作し、2枚のMR材8a、8bの反射膜
が成膜されている面を平行に対向させて、MR材8a、
8bの側面と所定の空隙を隔ててMR材8a、8bと異
質のギャップ材9a、9bを接合し、2枚のMR材8
a、8bとギャップ材9a、9bとを固定したものであ
る。2枚のMR材8a、8bとギャップ材9a、9bの
接合は接着剤10を用いている。本実施例によれば、接
着剤はMR材8a、8bの側面に塗布され、MRコート
面には付着しない。又、ギャップ材がMR材に対して負
の熱膨張係数を持ち互いに熱膨張を相殺するので、極め
て安定な温度特性が得られる。
【0019】次に、本実施例におけるようなMR材とギ
ャップ材とを異質なもので構成する複合形のエタロンフ
ィルタについて、具体的な設計方法を説明する。先ず、
エタロンフィルタの中心波長λpは、 λ=2ndcosθ/m 但し、θ:光の入射角 n:媒質の屈折率 m:任意の
整数 d:ギャップの距離とする。と表記できる。そこ
で、入射光を0°入射としてΔT温度上昇したとする
と、この時、中心波長λのずれが零となるためには、 nd=n(ΔT)d(ΔT) であれば良い。この条件を図2のモデルに適応する。 空気の屈折率:n 空気の屈折率温度依存性:β ギャップ寸法:d ギャップ材線熱膨張係数:α MR材屈折率:n MR材屈折率温度依存性:β MR材寸法:D/2 MR材線熱膨張係数:α とすると、 nd+nd=(β+n)(αd+d)+(β
+n)(αD+D) と表記できるので D=−〔{n−(β+n)(α+1)}/{n
−(β+n)(α+1)}〕d となる。そこで、異なる2種類の材料の線熱膨張係数か
ら上式を満たすMR材とギャップ材の寸法により、温度
変動による中心波長のずれを零とすることが可能であ
る。
【0020】図3は、第一及び第二の実施例に示したエ
アギャップ型エタロンフィルタを組み立てる際の工程例
を示す図である。同図を説明すると、先ず工程(1)に
おいて、所定のサイズ(30mm×30mmで厚さ1.
5mm)に加工したガラス板の片面に反射防止膜を成膜
する。次に、(2)片面に反射防止膜を成膜したガラス
板の他の片面に、反射膜を成膜してMR母材とする。そ
こで、(3)このMR母材11a、11bの反射面を対
向させ、ガラス製で5mm程度の肉厚を持ち所定の高さ
に加工した枠からなるスペース治具12を挟み込んで接
着する。接着剤は、2枚のMR母材11a、11bの間
隔を厳密に設定するため、粘度の低いものを使用する。
この時形成される2枚のMR母材11a、11bのギャ
ップ長は、エアギャップ型エタロンフィルタの特性に大
きく依存する。
【0021】次に、(4)スペース治具を挟み込んで接
着したMR母材を、ワイヤーソーを用いて所定の寸法
(2.3mmピッチで切断して2.1mmに仕上げる)
に切断する。更に、(5)切断したMR材(30mm×
9mmで厚さ2.1mm)の両側面に、同一サイズ(3
0mm×9mmで厚さ1mm)のガラス製、或いは他の
材質のギャップ母材15を接着固定する。図では、手前
のギャップ母材は省略してある。最後に、(6)ギャッ
プ母材で固定されたMR材を、所定のピッチでMR材の
短辺方向に平行にワイヤーソーを用いて切断する(2.
3mmピッチで切断して2.1mmに仕上げる)。切断
した両端のMR材は、スペース治具が挟みこまれている
ので廃棄する。
【0022】図4は、本発明に係る接着剤を用いたエア
ギャップ型エタロンフィルタの第三の実施例を示す構成
図である。第三の実施例は、MR材に成膜した反射面を
外面に配置したことにある。そこで、MR材とギャップ
材を接着固定した後の最終工程で、MR材の外面の両面
研削加工や反射膜の成膜が可能となり、所定の中心波長
が得られるよう容易に制御できることが特徴である。
【0023】図4に示すようにエアギャップ型エタロン
フィルタは、所定の寸法に加工した透明基板(ガラス板
等)の光信号を通過させる面に、反射防止膜(ARコー
ト)を成膜させたMR材16a、16bを製作し、2枚
のMR材16a、16bの反射防止膜が成膜されている
面を平行に対向させて、MR材16a、16bの側面と
所定の空隙を隔ててギャップ材17a、17bを接合
し、2枚のMR材16a、16bとギャップ材17a、
17bとを固定した後、MR材16a、16bの外面の
両面研削を行い反射膜(MRコート)を成膜したもので
ある。
【0024】本実施例においては、エタロンフィルタの
特性に重要な2枚のMR材16a、16b間の平行度
も、ギャップ材17a、17bとMR材16a、16b
とを貼り合わせた後に両面研削加工を行うことにより調
整出来ると共に、MRコートの成膜をMR材16a、1
6bの外面に行ったことにより、最終工程でMRコート
の成膜が出来るので、成膜により所定の中心波長が正確
に得られるよう制御出来る。従って、温度特性が良好
で、中心波長の合わせ込みが容易な構造を有している。
又、接着剤はMR材16a、16bの側面に塗布され、
MRコート面には付着しない。
【0025】図5は、第三の実施例に示したエアギャッ
プ型エタロンフィルタを組み立てる際の工程例を示す図
である。同図を説明すると、先ず工程(1)において、
所定のサイズ(30mm×30mmで厚さ1.5mm)
に加工したガラス板の片面に反射防止膜を成膜してMR
母材とする。次に、(2)このMR母材19a、19b
の反射防止面を対向させ、ガラス製で5mm程度の肉厚
を持ち所定の高さに加工した枠からなるスペース治具1
2を挟み込んで接着する。接着剤は、2枚のMR母材1
9a、19bの間隔を厳密に設定するため、粘度の低い
ものを使用する。この時形成される2枚のMR母材19
a、19bのギャップ長は、エアギャップ型エタロンフ
ィルタの特性に大きく依存する。
【0026】そこで、(3)スペース治具を挟み込んで
接着したMR母材を、ワイヤーソーを用いて所定の寸法
(2.3mmピッチで切断して2.1mmに仕上げる)
に切断する。更に、(4)切断したMR材(30mm×
9mmで厚さ2.1mm)の両側面に、同一サイズ(3
0mm×9mmで厚さ1mm)のガラス製のギャップ母
材22を接着固定する。図では、手前のギャップ母材は
省略してある。次に、(5)ギャップ材で固定されたM
R材を、所定のピッチでMR材の短辺方向に平行にワイ
ヤーソーを用いて切断する(2.3mmピッチで切断し
て2.1mmに仕上げる)。切断した両端のMR材は、
スペース治具が挟みこまれているので廃棄する。最後
に、(6)個別に切断したMR材の外面に、所定の中心
波長を得られるよう制御しながら両面研削加工と反射膜
の成膜を行う。ここで、この両面研削加工と反射膜の成
膜を行う工程は、MR母材をスペース治具に接着した後
(図5(2))、これを切断した後(図5(3))、或
いはギャップ材を接着した後(図5(4))のいずれの
段階で行ってもよい。
【0027】
【発明の効果】上述したように、請求項1及び3記戴の
発明は、製造時に特殊な技能が必要ないため製造歩留ま
りの向上が図られ、MR材の光学面に接着剤を使用しな
いことにより接着剤の影響による温度特性の劣化を回避
出来ることから、高い温度安定性を維持したまま低コス
トなエアギャップ型エタロンフィルタが実現出来、光信
号を波長多重する上で著しい効果を発揮する。請求項2
記載の発明は、請求項1に記戴の発明の効果に加えて、
MR材とギャップ材とが熱膨張係数を相殺することによ
り極めて安定な温度特性を実現出来ることから、更に大
きな効果を発揮することが可能である。請求項4及び5
記載の発明は、請求項1及2に記戴の発明の効果に加え
て、MR材とギャップ材を接着固定した後の最終工程
で、MR材の外面の両面研削加工や反射膜の成膜が可能
となり、所定の中心波長が得られるよう容易に制御でき
ることから更に大きな効果を発揮することが可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る接着剤を用いたエアギャップ型エ
タロンフィルタの第一の実施例を示す構成図である。
【図2】本発明に係る接着剤を用いたエアギャップ型エ
タロンフィルタの第二の実施例を示す構成図である。
【図3】第一及び第二の実施例に示したエアギャップ型
エタロンフィルタを組み立てる際の工程例を示す図であ
る。
【図4】本発明に係る接着剤を用いたエアギャップ型エ
タロンフィルタの第三の実施例を示す構成図である。
【図5】第三の実施例に示したエアギャップ型エタロン
フィルタを組み立てる際の工程例を示す図である。
【図6】従来のオプティカルコンタクト法を用いたエア
ギャップ型エタロンフィルタの構造例を示す。
【図7】従来の接着剤を用いたエアギャップ型エタロン
フィルタの構造例を示す。
【符号の説明】
1a、1b・・MR材、 2a、2b・・ギ
ャップ材、3・・オプティカルコンタクト、 4・・
接着剤、5a、5b・・MR材、 6a、6
b・・ギャップ材、7・・接着剤、
8a、8b・・MR材、9a、9b・・ギャップ材、
10・・接着剤、11a、11b・・MR母材、
12・・スペース治具、13a、13b・・M
R材、 14a、14B・・スペース治具、15
・・ギャップ母材、 16a、16b・・
MR材、17a、17b・・ギャップ材、 18・・
接着剤、19a、19b・・MR母材、 20
a、20b・・MR材、21a、21b・・スペース治
具、 22・・ギャップ母材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一面に反射膜を他面に反射防止膜を成膜し
    た2枚の透明基板を、その反射膜及び反射防止膜が形成
    された面と直交する面に接着剤を介して前記反射面同士
    が対向し、かつ、前記2枚の透明基板が所定の空隙を隔
    てて位置するようギャップ材に固定したことを特徴とす
    るエアギャップ型エタロンフィルタ。
  2. 【請求項2】前記ギャップ材が前記透明基板と同質の材
    料により構成したことを特徴とする請求項1記載のエア
    ギャップ型エタロンフィルタ。
  3. 【請求項3】前記ギャップ材が前記透明基板と異質の材
    料であって、かつ、前記透明基板に対して負の膨張係数
    を備えたものであることを特徴とする請求項1記載のエ
    アギ
  4. 【請求項4】片面に反射膜を他の片面に反射防止膜を成
    膜した2枚の透明基板を、所定の空隙を隔てて反射面同
    士が平行に対向するようギャップ材を介して組み立てた
    エアギャップ型エタロンフィルタにおいて、 所定のサイズに加工した透明基板の片面に反射防止膜を
    成膜する工程と、 前記透明基板の他の片面に反射膜を成膜する工程と、 透明基板に成膜処理することにより作成した2枚のMR
    材の反射面を対向させ、所定の肉厚を持ち所定の高さ寸
    法に加工された枠からなるスペース治具を挟み込み接着
    剤を用いて接着固定する工程と、 該スペース治具を挟みこんだ2枚のMR材の光学面を所
    定のピッチで切断機を用いて切断する工程と、 該切断したMR材の切断面の両側に所定のサイズに加工
    したギャップ材を接着剤を用いて接着固定する工程と、 該ギャップ材を固定したMR材の短辺側に平行に所定の
    ピッチで切断機を用いて切断する工程とを含んだことを
    特徴とするエアギャップ型エタロンフィルタの製造方
    法。
  5. 【請求項5】所定の膜を成膜した透明基板を、ギャップ
    材を介し接着固定して構成するエアギャップ型エタロン
    フィルタにおいて、 片面に反射膜を他の片面に反射防止膜を成膜した2枚の
    透明基板を、所定の空隙を隔てて反射防止面同士が平行
    に対向するよう、該2枚の透明基板の非光学面である同
    一側面同士に2枚のギャップ材を夫々接着剤を用いて接
    着し、透明基板を固定したことを特徴とする請求項1及
    び2記載のエアギャップ型エタロンフィルタ。
  6. 【請求項6】片面に反射膜を他の片面に反射防止膜を成
    膜した2枚の透明基板を、所定の空隙を隔てて反射防止
    面同士が平行に対向するようギャップ材を介して組み立
    てたエアギャップ型エタロンフィルタにおいて、 所定のサイズに加工した透明基板の片面に反射防止膜を
    成膜する工程と、 透明基板に成膜処理することにより作成した2枚のMR
    材の反射防止面を対向させ、所定の肉厚を持ち所定の高
    さ寸法に加工された枠からなるスペース治具を挟み込み
    接着剤を用いて接着固定する工程と、 該スペース治具を挟みこんだ2枚のMR材を所定のピッ
    チで切断機を用いて切断する工程と、 該切断したMR材の切断面の両側に所定のサイズに加工
    したギャップ材を接着剤を用いて接着固定する工程と、 該ギャップ材を固定したMR材の短辺側に平行に所定の
    ピッチで切断機を用いて切断する工程と、 切断したMR材の外面を両面研削加工する工程と、 該MR材の外面に反射膜を成膜する工程とを含んだこと
    を特徴とするエアギャップ型エタロンフィルタの製造方
    法。
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