JPH0669902U - 高耐湿性光学フィルター - Google Patents

高耐湿性光学フィルター

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JPH0669902U
JPH0669902U JP1556293U JP1556293U JPH0669902U JP H0669902 U JPH0669902 U JP H0669902U JP 1556293 U JP1556293 U JP 1556293U JP 1556293 U JP1556293 U JP 1556293U JP H0669902 U JPH0669902 U JP H0669902U
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JP
Japan
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multilayer film
dielectric multilayer
layer
base material
metal layer
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Application number
JP1556293U
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English (en)
Inventor
靖 村田
渡辺  滋
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Citizen Watch Co Ltd
Original Assignee
Citizen Watch Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】水およびガスの吸着を防止しかつ低温で封止で
きる光学部品を提供すること。 【構成】少なくとも一方の片側表面に干渉フィルターも
しくはダイクロイックミラーが形成された対向する2枚
の平面基材の互いの対向する面に、一方の面には金属膜
を、他方の面にはイオンガラス膜を、それぞれ誘電体多
層膜の外部周囲部分に形成し、これらを陽極接合するこ
とによって構成される。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、誘電体多層膜によって形成される光学部品である色フィルターおよ びダイクロイックミラーに関し、詳しくは真空蒸着法によって形成された光学部 品の吸湿およびガス吸着を防止する封止構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
真空蒸着法で形成された誘電体膜内部には結晶粒間の隙間が多数存在し、水分 子などが結晶粒隙間に入り込むと各層の屈折率が変化して光学膜としての分光特 性が変動してしまうことが一般に知られている。真空蒸着法で形成された光学部 品(色フィルターおよびダイクロイックミラー)の吸湿およびガス吸着を防止す る従来の封止構造の例としては、図2に断面図を示すように基材11上に誘電体 多層膜12を形成した後接着剤13で対向基材14を張り合わせる構造がある。 誘電体多層膜層12は、例えばダイクロイックミラーならば高屈折率層(H)を TiO2、低屈折率層(L)をSiO2としてnd=λ/4(λは反射中心波長 )の光学厚みになるようにHLHL・・・LHという交互積層を行って形成する 。
【0003】
【本考案が解決しようとする課題】
しかし、従来の封止構造の例では、接着剤内部に吸着していた水分子および接 着剤自体から出る揮発物が、封止した後で結晶粒隙間に入り込んで各層の屈折率 を変化させてしまうという問題があった。また、接着剤が有機樹脂の場合には樹 脂自体の吸湿性および透湿性のため水分子やガス分子を完全には遮断できず、分 光特性変動を遅らせることしかできないという問題もあった。この分光特性変動 の大きさは誘電体多層膜の構成によって異なるが、TiO2/SiO2系など変 動が大きい場合には乾燥状態(70℃乾燥)と吸湿状態(60℃95%)との間 で20nmもシフトする。色フィルターおよびダイクロイックミラーの色度が使 用環境によって変動することは大きな課題であった。
【0004】 これらの課題を解決するため、本考案の目的は、真空蒸着法で形成された誘電 体多層膜の各層内部に水やガスの分子が吸着するのを防止し、かつ低温で封止で きる構造の光学部品を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成させるために、本考案は、基材上の誘電体多層膜の外部周囲に 環状に金属層を設け、この金属層に対応する対向基板上の位置にイオンガラス層 を設けることで構成される。この構造の中で金属層とイオンガラス層は相互位置 が逆転していてもよい。
【0006】
【作用】
両側基材を圧締し所定の温度をかけながら金属層とイオンガラス層間に所定の 直流電圧を印加することで、これらの層が接合される。接合時の周囲雰囲気は水 分を含まずかつ反応性の低いガス(乾燥窒素など)もしくは真空であることが望 まれる。この接合層によって誘電体多層膜が完全に封止され、水およびガス分子 の吸着の起こらない光学部品が得られる。この接合は比較的低温(200℃〜3 00℃)で行う。
【0007】
【実施例】
以下、本考案による一実施例を図面を基に説明する。図1は本考案による光学 部品の断面図である。基材1の片側表面に誘電体多層膜2が形成され、同じ表面 に誘電体多層膜2を取り囲む閉ループをなす環状の金属層3を形成する。金属層 は誘電体多層膜層と重なってはならない。誘電体多層膜2は、例えばダイクロイ ックミラーならば高屈折率層(H)をTiO2、低屈折率層(L)をSiO2と してnd=λ/4(λは反射中心波長)の光学厚みになるようにHLHL・・・ LHという交互積層を行って形成する。金属層3はTi、Al、Znなどいわゆ る陽極接合に用いられる材料で、層の厚みは300nm以上あれば良いが、50 0nm以上が望ましい。対向基材4上の基材1と対向する面に、金属層3と相対 する環状の低融点ガラス層5を蒸着法あるいはスパッタリング法で形成する。低 融点ガラス層の厚みは500nm以上必要で、1μmあれば十分である。基材1 上の金属層3と対向基材4上の低融点ガラス層5を接して両基材を圧締し、20 0℃に加熱しながら金属層3と対向基材4の間に金属層を負極にして150Vの 直流電圧を印加する。対向基材4を基材1よりわずかに小さくしておくと基材1 上の金属層3が露出するので電圧印加が行いやすい。電圧印加によって陽極接合 が起こり、金属層3と低融点ガラス層5が接合して誘電体多層膜2が完全に封止 され、水分子等が誘電体多層膜2に吸着するのを防止できる。本実施例では金属 層3が基材1上にあり低融点ガラス層5が対向基材4上にあるとしたが、これら は逆であってもよく、効果は全く同じである。
【0008】 本考案を実現する重要な要素は、金属層3と低融点ガラス層5の厚みと表面粗 度である。金属層3と低融点ガラス層5の必要厚みは上述したが、必要な表面粗 度は0.5μm以下、望ましいのは0.2μm以下である。これ以上表面が粗い と接合力が低下し、封止性能が悪化する。これらの条件を満たして接合を行った 場合、TiO2/SiO2系で7層積層したダイクロイックミラーは、図3に示 すように60℃95%RHの環境に14日間投入しておいても分光特性が3nm しか変動しない。図3のスペクトル21が乾燥状態で、スペクトル22が上記環 境履歴後である。一方、多層膜形成後にガラス板を紫外線硬化型樹脂で張り合わ せて封止した場合には、上記環境履歴後に図3のスペクトル23に示すように約 15nmの分光特性変動がある。3nmという値は分光特性測定に使用した測定 器の繰り返し誤差範囲であり、実質的には吸湿やガス吸着による分光特性変動は なかった。また、本考案による封止品の透過率(反射率)は、図3に示すように 従来技術による封止品のそれと同等であった。
【0009】 本考案の一実施例に似ているが効果の異なる別の封止例としては、誘電体多層 膜の外周囲に低融点ガラスを環状に形成し対向基材を圧締して加熱封止する構造 がある。この例では低融点ガラスを溶融させて誘電体多層膜を封止しているので 、封止後のガス吸着抑止効果は本考案による封止構造と同等に高い。だが、低融 点ガラスが溶融すると分解ガスが発生し、誘電体多層膜に吸着するという問題が ある。また、低融点ガラスが溶融する温度は500℃以上と高いため、誘電体多 層膜の各層が結晶化を起こして層界面が荒れてしまうという問題を起こしやすい 。この界面荒れが起こるとフィルターの分光特性、反射率、透過率全て不良にな ってしまうので、光学フィルターの封止方法としては本考案より劣る。。
【0010】 上記本考案の一実施例では対向基材4上に低融点ガラス5を形成する例を示し たが、対向基材4にナトリウムガラスなどのイオンを多く含むガラスを用いれば 、低融点ガラス層5を形成しなくても金属層3との間で陽極接合が可能である。 ただし、この場合には、陽極接合の際に上記実施例の温度・電圧よりも高温・高 電圧(300℃、250V程度)が必要になる。
【0011】 また、上記一実施例では基材1と対向基材4の端面処理がない例を示したが、 陽極接合後部品外周に金属リングを接着するなどして外寸法を調整しても良い。 外寸法精度要求の厳しい光学部品、例えばカメラ用色フィルターなどの場合はこ のようにすれば良い。
【0012】
【考案の効果】
本考案による光学部品は、誘電体多層膜部分を陽極接合によって封止しており 、接着剤を使用していないので水やガスの分子が誘電体多層膜中に拡散しない。 また、封止材料が金属とイオンガラスなので有機樹脂接着剤に比べて外環境中の 水やガスの分子に対する透過防止性能が高い。しかも低温で接合できるので分解 ガスの発生や誘電体多層膜の損傷がない。安全かつ確実に光学フィルターの封止 が行えて、誘電体多層膜に水やガスが吸着するのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例を示す説明図で、断面図であ
る。
【図2】従来の技術の一例を示す説明図で、断面図であ
る。
【図3】本考案による封止品の吸湿による分光特性変動
を示す説明図で、分光反射スペクトル図である。
【符号の説明】
1 基材 2 誘電体多層膜 3 金属層 4 対向基材 5 低融点ガラス層 11 基材 12 誘電体多層膜 13 接着剤 14 対向基材 21 多層膜形成直後の乾燥状態での分光反射スペクト
ル 22 本考案による封止品の60℃95%RH14日間
履歴後の分光反射スペクトル 23 従来技術による封止品の60℃95%RH14日
間履歴後の分光反射スペクトル

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方の片側表面に誘電体多層
    膜が積層された2枚の平面基材を、当該誘電体多層膜の
    外部周囲で陽極接合によって封止したことを特徴とする
    光学フィルター。
JP1556293U 1993-03-09 1993-03-09 高耐湿性光学フィルター Pending JPH0669902U (ja)

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JP1556293U JPH0669902U (ja) 1993-03-09 1993-03-09 高耐湿性光学フィルター

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JPH0669902U true JPH0669902U (ja) 1994-09-30

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013172080A1 (ja) * 2012-05-15 2013-11-21 国立大学法人東北大学 光学デバイスおよびその製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013172080A1 (ja) * 2012-05-15 2013-11-21 国立大学法人東北大学 光学デバイスおよびその製造方法
JP2013238738A (ja) * 2012-05-15 2013-11-28 Tohoku Univ 光学デバイスおよびその製造方法

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