JP5480555B2 - 荷電粒子ビーム描画装置及び荷電粒子ビーム描画方法 - Google Patents

荷電粒子ビーム描画装置及び荷電粒子ビーム描画方法 Download PDF

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Description

本発明は、荷電粒子ビーム描画装置及び荷電粒子ビーム描画方法に係り、例えば、可変成形された電子ビームを用いて試料にパターンを描画する電子ビーム描画装置及び方法に関する。
半導体デバイスの微細化の進展を担うリソグラフィ技術は半導体製造プロセスのなかでも唯一パターンを生成する極めて重要なプロセスである。近年、LSIの高集積化に伴い、半導体デバイスに要求される回路線幅は年々微細化されてきている。これらの半導体デバイスへ所望の回路パターンを形成するためには、高精度の原画パターン(レチクル或いはマスクともいう。)が必要となる。ここで、電子線(電子ビーム)描画技術は本質的に優れた解像性を有しており、高精度の原画パターンの生産に用いられる。
図58は、従来の可変成形型電子線描画装置の動作を説明するための概念図である。
可変成形型電子線(EB:Electron beam)描画装置は以下のように動作する。第1のアパーチャ410には、電子線330を成形するための矩形例えば長方形の開口411が形成されている。また、第2のアパーチャ420には、第1のアパーチャ410の開口411を通過した電子線330を所望の矩形形状に成形するための可変成形開口421が形成されている。荷電粒子ソース430から照射され、第1のアパーチャ410の開口411を通過した電子線330は、偏向器により偏向され、第2のアパーチャ420の可変成形開口421の一部を通過して、所定の一方向(例えば、X方向とする)に連続的に移動するステージ上に搭載された試料340に照射される。すなわち、第1のアパーチャ410の開口411と第2のアパーチャ420の可変成形開口421との両方を通過できる矩形形状が、X方向に連続的に移動するステージ上に搭載された試料340の描画領域に描画される。第1のアパーチャ410の開口411と第2のアパーチャ420の可変成形開口421との両方を通過させ、任意形状を作成する方式を可変成形(VSB:Variable Shaped Beam)方式という。
レジスト膜が塗布されたマスク等の試料に電子ビームを照射する場合に、過去に照射した電子ビームにより照射位置やその周囲が帯電してしまう。従来、可変成形型の電子ビーム描画装置では、かかる帯電現象に起因した位置ずれが問題視されていなかったが、上述したようにパターンの微細化に伴って、かかる帯電現象に起因した位置ずれが問題になってきた。特に、ダブルパターニング技術の導入により、これまで以上にフォトマスクのパターン位置精度の向上が求められている。
従来、このビーム照射位置ずれを補正する方法の1つとして、レジスト層上に帯電防止膜(CDL:Charge Dissipation Layer)を形成して、レジスト表面の帯電を防止する方法が知られている。しかし、この帯電防止膜は、基本的に酸の特性を有しているため、化学増幅型レジストとの相性が良くない。また、帯電防止膜を形成するために新たな設備を設ける必要があり、フォトマスクの製造コストが更に増大してしまう。このため、帯電防止膜を用いることなく、帯電効果補正(CEC:charging effect correction)を行うことが望まれている。
そして、帯電に起因する位置ずれ量補正に関して、電界強度に基づいてビーム照射位置の補正量を算出し、該補正量に基づいてビームを照射する描画装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。かかる描画装置によれば、照射量分布と帯電量分布との間に線形比例関係が成立すると仮定し、照射量分布から線形応答関数を介して位置ずれ量分布を算出するようにしている。
特開2007−324175号公報
ここで、かかる帯電現象に起因する照射位置の位置ずれには、発明者等の検討により、時間的に変化しない帯電による位置ずれと、時間的に減衰する帯電による位置ずれとが存在することがわかった。特に、後者の帯電の時間的減衰による位置ずれに着目すると、パターン描画によってレジスト表面の帯電量を評価する際の本質的制約として、帯電量の時間的減衰を評価するには、描画動作自体に減衰時間と同程度の処理時間が必要であるといった不可避的な問題が生じてしまう。かかる制約のもとで、時間的減衰をより簡易的に評価し定量化する手法およびかかる手法の結果を用いた位置ずれ補正の手法が求められる。しかし、従来、帯電減衰に起因した位置ずれ量を補正する十分な手法が確立されていなかった。
そこで、本発明は、かかる問題点を克服し、帯電減衰に起因した照射位置の位置ずれを補正する装置および方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様の荷電粒子ビーム描画装置は、
共にパターン面積密度に依存する、描画後十分に時間が経過したあとの帯電量を基準とする描画直後の帯電量である帯電減衰量と帯電減衰時定数とを用いて、試料の描画領域に荷電粒子ビームを照射することにより帯電する帯電量分布を演算する帯電量分布演算部と、
帯電量分布の各帯電量に応答関数を畳み込み積分することにより、帯電量分布の各位置の帯電量に起因した描画位置の位置ずれ量を演算する位置ずれ量演算部と、
位置ずれ量が補正された位置に、荷電粒子ビームを用いて試料にパターンを描画する描画部と、
を備えたことを特徴とする。
かかる構成により、帯電減衰を考慮した帯電量分布を得ることができる。そして、かかる帯電減衰に応答関数を畳み込み積分することで帯電減衰に起因した照射位置の位置ずれ量を得ることができる。
また、試料の描画領域は、複数の描画単位領域に仮想分割され、
描画部は、複数の描画単位領域の描画単位領域毎に描画し、
描画装置は、試料上の各位置について描画開始時刻から実際に描画する時刻までの経過時間を演算する描画経過時間演算部と、
既に描画が終了した描画単位領域の描画にかかった描画時間を累積した累積時間を演算する累積時間演算部と、
をさらに備え、
帯電量分布演算部は、累積時間と経過時間との差分を用いて、帯電量分布を演算すると好適である。
また、帯電減衰量は、複数の描画単位領域のうち、2以上の描画単位領域に跨る帯電用パターンを含む評価パターンを事前に描画した結果から求められ、
帯電減衰量は、帯電減衰時定数を用いて補正された関数から得られるように構成すると好適である。
また、帯電減衰量と帯電減衰時定数は、それぞれ、測定用パターンと帯電用パターンとを含み、帯電用パターンのパターン面積密度が異なる複数の評価パターンを事前に描画して得られた測定用パターンの位置ずれ誤差をフィッティングすることによって求められるように構成すると好適である。
本発明の一態様の荷電粒子ビーム描画方法は、
共にパターン面積密度に依存する、描画後十分に時間が経過したあとの帯電量を基準とする描画直後の帯電量である帯電減衰量と帯電減衰時定数を用いて、試料の描画領域に荷電粒子ビームを照射することにより帯電する帯電量分布を演算する工程と、
帯電量分布の各帯電量に応答関数を畳み込み積分することにより、帯電量分布の各位置の帯電量に起因した描画位置の位置ずれ量を演算する工程と、
位置ずれ量が補正された位置に、荷電粒子ビームを用いて試料にパターンを描画する工程と、
を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、帯電減衰に起因した照射位置の位置ずれを補正することができる。その結果、高精度な補正位置で描画され、高精度なパターン位置が得られる。
実施の形態1における描画装置の要部構成の一例を示す概念図である。 実施の形態1におけるステージ移動の様子を説明するための図である。 実施の形態1における帯電減衰による位置ずれを評価するための最初に描画される評価パターンの一例を示す図である。 図3の評価パターンが形成されてから所定の時間が経過した後に測定用パターンが描画された状態の一例を示す図である。 実施の形態1における帯電用パターンのパターン面積密度が100%と75%での描画結果を示すグラフである。 実施の形態1における帯電用パターンのパターン面積密度が50%と25%での描画結果を示すグラフである。 実施の形態1における帯電用パターンのパターン面積密度が100%での時間経過による位置ずれ量(位置ずれ誤差)の差を示すグラフである。 図7の実験結果と計算結果との関係を示すグラフである。 実施の形態1における帯電減衰量と描画後経過時間との関係の一例を示す図である。 図9の結果から得られた帯電減衰量とパターン面積密度ρとの関係の一例を示す図である。 図9の結果から得られた帯電減衰時定数とパターン面積密度ρとの関係の一例を示す図である。 実施の形態1における帯電減衰量κ(ρ)の補正の仕方を説明するための概念図である。 実施の形態1におけるκ”/κと帯電減衰時定数λとの関係の一例を示す図である。 実施の形態1における補正後の帯電減衰量とパターン面積密度ρとの関係の一例を示す図である。 帯電に起因した位置ずれを補正せずに描画した場合の位置ずれの一例を示す図である。 実施の形態1における帯電減衰を考慮せずに所定のモデルで得られた帯電量に起因した位置ずれを補正して描画した場合の位置ずれの一例を示す図である。 実施の形態1における帯電減衰を考慮した帯電量に起因した位置ずれを補正して描画した場合の位置ずれの一例を示す図である。 実施の形態1における帯電に起因した位置ずれを補正しない場合と帯電減衰を考慮せずに所定のモデルで得られた帯電量に起因した位置ずれを補正した場合と帯電減衰を考慮した帯電量に起因した位置ずれを補正した場合とでの位置ずれ量の一例を示した図である。 実施の形態1における描画方法の要部工程を示すフローチャート図である。 実施の形態2における電子ビーム描画装置100の概略構成図である パターン描画時の試料2の移動方向を示す図である。 実施の形態2による描画方法を説明するためのフローチャートである。 実施の形態2による描画方法を説明するためのフローチャートである。 パターン密度に応じてドーズ量を変化させる場合と、パターン密度に関係なくドーズ量を固定する場合とを示す図である。 グリッドマッチングの流れを説明するための概略図である。 実施の形態に対する比較例による位置ずれ量分布の算出方法を説明するための図である。 広がり分布を記述する関数g’(x,y)を示す図である。 応答関数を計算するために仮定したモデルを示す図である。 (a)比較例の検証時に与えられた1次ステップ関数を示す図と(b)比較例により求められた位置ずれ量分布p(x)を示す図である。 比較例の検証時に求められた線形応答関数R1(x)を示す図である。 (a)レジスト帯電効果を測定するためのテストレイアウトと(b)拡大された第1及び第2ボックスアレイとを示す図である。 (a)パターン密度が100%である照射パッドと(b)パターン密度が75%である照射パッドを示す図である。 (a)パターン密度が50%である照射パッドと(b)パターン密度が25%である照射パッドを示す図である。 (a)化学増幅型レジストAについての位置ずれの測定結果と(b)化学増幅型レジストBについての位置ずれの測定結果と(c)化学増幅型レジストCについての位置ずれの測定結果を示す概略図である。 (a)レジストAで、パターン密度25%の場合のX方向の位置ずれ量と(b)レジストAで、パターン密度50%の場合のX方向の位置ずれ量をプロットした図である。 (a)レジストAで、パターン密度75%の場合のX方向の位置ずれ量と(b)レジストAで、パターン密度100%の場合のX方向の位置ずれ量をプロットした図である。 (a)レジストBで、パターン密度25%の場合のX方向の位置ずれ量と(b)レジストBで、パターン密度50%の場合のX方向の位置ずれ量をプロットした図である。 (a)レジストBで、パターン密度75%の場合のX方向の位置ずれ量と(b)レジストBで、パターン密度100%の場合のX方向の位置ずれ量をプロットした図である。 (a)レジストCで、パターン密度25%の場合のX方向の位置ずれ量と(b)レジストCで、パターン密度50%の場合のX方向の位置ずれ量をプロットした図である。 (a)レジストCで、パターン密度75%の場合のX方向の位置ずれ量と(b)レジストCで、パターン密度100%の場合のX方向の位置ずれ量をプロットした図である。 レジストAについて、パターン密度ρが25%であり、ドーズ量Dが21μC/cmである場合の位置ずれ量と、パターン密度ρが100%であり、ドーズ量Dが5.25μC/cmである場合の位置ずれ量とを示す図である。 (a)照射域の帯電量分布の関数と(b)非照射域の帯電量分布の関数を示す図である。 パラメータc,c,σの最適な組み合わせを求める方法を説明するための図である。 (a)レジストAで、パターン密度25%の場合のフィッティング結果と(b)レジストAで、パターン密度50%の場合のフィッティング結果を示す図である。 (a)レジストAで、パターン密度75%の場合のフィッティング結果と(b)レジストAで、パターン密度100%の場合のフィッティング結果を示す図である。 (a)レジストBで、パターン密度25%の場合のフィッティング結果と(b)レジストBで、パターン密度50%の場合のフィッティング結果を示す図である。 (a)レジストBで、パターン密度75%の場合のフィッティング結果と(b)レジストBで、パターン密度100%の場合のフィッティング結果を示す図である。 (a)レジストCで、パターン密度25%の場合のフィッティング結果と(b)レジストCで、パターン密度50%の場合のフィッティング結果を示す図である。 (a)レジストCで、パターン密度75%の場合のフィッティング結果と(b)レジストCで、パターン密度100%の場合のフィッティング結果を示す図である。 (a)レジストAについてそれぞれのパラメータc,c,σの最適な組み合わせと、(b)レジストBについてそれぞれのパラメータc,c,σの最適な組み合わせと、(c)レジストCについてそれぞれのパラメータc,c,σの最適な組み合わせとを示す図である。 (a)レジストBについてそれぞれ修正されたモデルで求められたパラメータc,c,σの組み合わせと、(b)レジストBについてそれぞれ修正されたモデルで求められたパラメータc,c,σの組み合わせとを示す図である。 帯電量分布C(x,0)を示す図である。 (a)かぶり半径σが過小であるときのフィッティング結果と(b)かぶり半径σが最適であるときのフィッティング結果と(c)かぶり半径σが過大であるときのフィッティング結果を示す図である。 照射域の帯電量分布C(x,0)と、帯電量分布C(E,F)とのフィッティング結果を示す図である。 パラメータd,d,d,d,e,e,e,f,f,f,σの最適な組み合わせを示す図である。 (a)レジストAについて、実施の形態2による一般化モデルによって求められた位置ずれ量分布と実験データとのフィッティング結果を示す図と、(b)レジストBについて、実施の形態2による一般化モデルによって求められた位置ずれ量分布と実験データとのフィッティング結果と、(c)レジストCについて、本実施の形態による一般化モデルによって求められた位置ずれ量分布と実験データとのフィッティング結果と、を示す図である。 グリッドマッチング後に残存するビーム照射位置ずれ量を示す図である。 従来の可変成形型電子線描画装置の動作を説明するための概念図である。
以下、実施の形態では、荷電粒子ビームの一例として、電子ビームを用いた構成について説明する。但し、荷電粒子ビームは、電子ビームに限るものではなく、イオンビーム等の他の荷電粒子を用いたビームでも構わない。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における描画装置の要部構成の一例を示す概念図である。図1において、描画装置100は、描画部150および制御部160を備えている。描画装置100は、荷電粒子ビーム描画装置の一例である。描画部150は、電子鏡筒102と描画室103を有している。電子鏡筒102内には、電子銃201、照明レンズ202、第1のアパーチャ203、投影レンズ204、偏向器205、第2のアパーチャ206、対物レンズ207、及び偏向器208が配置される。また、描画室103内には、XYステージ105が配置される。XYステージ105上には、描画対象となる試料101が配置される。試料101には、半導体製造の露光に用いるフォトマスクや半導体装置を形成するウェハ等が含まれる。また、描画されるフォトマスクには、まだ何も描画されていないマスクブランクスが含まれる。描画される際には、試料上には電子ビームにより感光するレジスト膜が形成されていることは言うまでもない。また、XYステージ105上には、試料101が配置される位置とは異なる位置にステージ位置測定用のミラー209が配置される。
制御部160は、制御計算機110,130、ステージ位置検出部136、ステージ駆動部138、偏向制御回路140、メモリ142、磁気ディスク装置等の記憶装置144、及び外部インターフェース(I/F)回路146と、を有している。制御計算機110,130、ステージ位置検出部136、ステージ駆動部138、偏向制御回路140、メモリ142、磁気ディスク装置等の記憶装置144、及び外部I/F回路146は、図示しないバスにより互いに接続されている。偏向制御回路140は、偏向器205,208に接続される。
制御計算機110内には、描画データ処理部112、パターン面積密度分布演算部114、描画経過時間演算部116、累積時間演算部118、帯電量分布演算部120、位置ずれ量分布演算部122、及び位置ずれ量マップ作成部124といった機能が配置される。描画データ処理部112、パターン面積密度分布演算部114、描画経過時間演算部116、累積時間演算部118、帯電量分布演算部120、位置ずれ量分布演算部122、及び位置ずれ量マップ作成部124は、電気的な回路によるハードウェアで構成されても構わない。或いは、描画データ処理部112、パターン面積密度分布演算部114、描画経過時間演算部116、累積時間演算部118、帯電量分布演算部120、位置ずれ量分布演算部122、及び位置ずれ量マップ作成部124の各機能の処理内容がコンピュータで実行されるプログラム(ソフトウェア)で構成されても構わない。或いは、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせで構成されてもよい。或いは、かかるハードウェアとファームウェアとの組合せでも構わない。制御計算機110に入力される情報或いは演算処理中及び処理後の各情報はその都度メモリ142に記憶される。
制御計算機130内には、ショットデータ生成部132および位置ずれ補正部134といった機能が配置される。ショットデータ生成部132および位置ずれ補正部134は、電気的な回路によるハードウェアで構成されても構わない。或いは、ショットデータ生成部132および位置ずれ補正部134の各機能の処理内容がコンピュータで実行されるプログラム(ソフトウェア)で構成されても構わない。或いは、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせで構成されてもよい。或いは、かかるハードウェアとファームウェアとの組合せでも構わない。
図1では、本実施の形態1を説明する上で必要な構成部分以外については記載を省略している。描画装置100にとって、通常、必要なその他の構成が含まれることは言うまでもない。
電子銃201から放出された電子ビーム200は、照明レンズ202により矩形例えば長方形の穴を持つ第1のアパーチャ203全体を照明する。ここで、電子ビーム200をまず矩形例えば長方形に成形する。そして、第1のアパーチャ203を通過した第1のアパーチャ像の電子ビーム200は、投影レンズ204により第2のアパーチャ206上に投影される。かかる第2のアパーチャ206上での第1のアパーチャ像の位置は、偏向制御回路140により制御された偏向器205によって偏向制御され、ビーム形状と寸法を変化させることができる。そして、第2のアパーチャ206を通過した第2のアパーチャ像の電子ビーム200は、対物レンズ207により焦点を合わせ、偏向制御回路140に制御された例えば静電型の偏向器208により偏向され、移動可能に配置されたXYステージ105上の試料101の所望する位置に照射される。XYステージ105はステージ駆動部138によって駆動制御される。そして、XYステージ105の位置は、ステージ位置検出部136によって検出される。ステージ位置検出部136には、例えば、ミラー209にレーザを照射して、その反射光に基づいて位置を測定するレーザ測長装置が含まれる。
図2は、実施の形態1におけるステージ移動の様子を説明するための図である。試料101に描画する場合には、XYステージ105を例えばX方向に連続移動させながら、描画(露光)面を電子ビーム200が偏向可能な短冊状の複数のストライプ領域に仮想分割された試料101の1つのストライプ領域上を電子ビーム200が照射する。XYステージ105のX方向の移動は、例えば連続移動とし、同時に電子ビーム200のショット位置もステージ移動に追従させる。連続移動させることで描画時間を短縮させることができる。そして、1つのストライプ領域を描画し終わったら、XYステージ105をY方向にステップ送りしてX方向(今度は逆向き)に次のストライプ領域の描画動作を行なう。各ストライプ領域の描画動作を蛇行させるように進めることでXYステージ105の移動時間を短縮することができる。また、描画装置100では、レイアウトデータ(描画データ)を処理するにあたっては、描画領域210を短冊状の複数のフレーム領域220に仮想分割して、フレーム領域220毎にデータ処理がおこなわれる。そして、例えば、多重露光を行なわない場合には、通常、フレーム領域220と上述したストライプ領域とが同じ領域となる。多重露光を行なう場合には、多重度に応じてフレーム領域220と上述したストライプ領域とがずれることになる。或いは、多重度に応じたストライプ領域と同じ領域となる複数のフレーム領域220に描画領域210が仮想分割され、フレーム領域220毎にデータ処理がおこなわれる。このように、試料101の描画領域210は、複数の描画単位領域となるフレーム領域220(ストライプ領域)に仮想分割され、描画部150は、かかるフレーム領域220(ストライプ領域)毎に描画する。
図3は、実施の形態1における帯電減衰による位置ずれを評価するための最初に描画される評価パターンの一例を示す図である。
図4は、図3の評価パターンが形成されてから所定の時間が経過した後に測定用パターンが描画された状態の一例を示す図である。
図3において、評価パターン211は、複数のフレーム領域220のうち、2以上のフレーム領域220に跨る帯電用パターン230(或いは、帯電パッドとも言う)を含む。図3の例では、試料101の描画領域210の中央部に測定用パターン240に比べて電子ビーム200の照射面積が十分大きい帯電用パターン230が、レジストが塗布された評価基板上に描画される。帯電用パターン230は、複数の矩形パターン232がほぼ均等に配列されることで形成される。例えば、縦横980μm角の矩形パターン232が所定の隙間を空けてほぼ均等に配列される。例えば、100%のパターン面積密度の帯電用パターン230を形成する際には、例えば、縦横980μm角の矩形パターン232が20μmの隙間を空けてほぼ均等に配列される。配列数を可変にすることで、所望するパターン面積密度の帯電用パターン230を描画する。測定用パターン240は、その位置が測定できるパターンであればよい。例えば、十字形のパターンが好適である。例えば、1μm程度の幅のパターンで構成されればよい。そして、測定用パターン240をアレイ配置する。
評価パターン211を描画するにあたって、帯電用パターン230と測定用パターン240とがマージ処理される。そして、1つの描画データとして、描画部150によって描画される。すなわち、描画領域210の描画開始位置S(0,0)(レイアウト先頭或いは先頭フレーム)から描画動作を開始する。そして、フレーム領域220(ストライプ領域)毎に描画を行ない、第1フレームから順にy方向に向かって描画を進める。図3の例では、帯電用パターン230が配置される位置まではパターンが存在しないので、帯電用パターン230が配置されるk+1番目のフレーム領域220から順に描画が行なわれる。ここでは、例えば、帯電用パターン230が配置される最後のフレーム領域となる例えばk+5番目のフレーム領域220以降の数フレーム領域について、測定用パターン240も描画される。測定用パターン240は、フレーム領域220内の各位置が測定できるように、均等に多数配列される。例えば、各フレーム領域220内に数10箇所或いは数100箇所配置されるとよい。帯電用パターン230が配置されるk+5番目のフレーム領域220内では、測定用パターン240は、矩形パターン232同士の間の隙間領域に描画されればよい。また、測定用パターン240が描画されるフレーム領域220は、帯電用パターン230に帯電した電荷によって位置ずれを引き起こす影響範囲内に位置する複数のフレーム領域220が設定されるとよい。かかる帯電の影響(電界の及ぶ範囲)が照射位置を中心として例えば直径5mm程度まで広がると仮定する。ここで、上述したように描画装置100は短冊状に仮想分割されたフレーム毎に描画のためのデータ処理が行なわれていくが、各フレームの幅(y方向)が例えば1mmとすると、あるフレーム領域220内のある位置に電子ビーム200が照射されることでそれ以降に描画される2〜3つのフレーム領域220内の領域に帯電の影響を与えることになる。パターンの微細化に伴い各フレームの幅がさらに小さくなると影響を与えるフレーム数はさらに拡大することになる。
以上のように、図3に示した評価パターン211を描画した後に、今度は、図4に示す測定用パターン242を描画していく。測定用パターン242は、第1フレーム領域220から各フレーム領域220に配置される。このように、各フレーム領域220に測定用パターン242のアレイを描画していくことで、図3で示した測定用パターンが配置されたフレーム領域220まで辿り着くまでに帯電の時間的減衰が生じたことを示す結果が得られる十分な時間を経過させることができる。例えば、図4の帯電用パターン230が最後に配置される例えばk+5番目のフレーム領域220に測定用パターン242が描画されるまでに約50分が経過する。また、ここでも帯電用パターン230が配置されるk+1〜k+5番目のフレーム領域220内では、測定用パターン242は、矩形パターン232同士の間の隙間領域に測定用パターン240と重ならないように描画されればよい。
かかる評価パターン211を用いた描画を実際の製品となる試料101を描画する前に事前に行なっておく。そして、評価基板に描画された測定用パターン240,242の位置を測定する。測定は、測定用パターン240,242間のずれが評価されればよいので、両者が描画されたフレーム領域220について測定すればよい。また、パターン面積密度を変えた複数の帯電用パターン230の各帯電用パターンを含む評価パターンについて、同様の評価実験を行なう。
図5は、実施の形態1における帯電用パターンのパターン面積密度が100%と75%での描画結果を示すグラフである。
図6は、実施の形態1における帯電用パターンのパターン面積密度が50%と25%での描画結果を示すグラフである。
図5,6では、帯電用パターン230が配置された領域を照射部(帯電パッド描画部)、それ以外の領域を非照射部(非描画部)としている。図5(a)で示すパターン面積密度が100%での結果から、照射部では時間経過による位置ずれ量(位置ずれ誤差)に差が顕著に把握できるように生じているのに対し、非照射部では位置ずれ量(位置ずれ誤差)に差が生じていない。図5(b)で示すパターン面積密度が75%での結果からは、パターン面積密度が100%の場合と同様の傾向、かつ強度としてさらに大きい差が見られた。図6(a)で示すパターン面積密度が50%での結果からは、パターン面積密度が75%の場合ほどの差ではないが、同様の傾向にある結果が得られた。図6(b)で示すパターン面積密度が25%での結果からは、照射部でも非照射部でも位置ずれ量(位置ずれ誤差)に差が生じていない結果が得られた。かかる結果からは、パターン面積密度が小さくなるにしたがい、時間経過による位置ずれ量(位置ずれ誤差)の差が小さくなることがわかった。
図7は、実施の形態1における帯電用パターンのパターン面積密度が100%での時間経過による位置ずれ量(位置ずれ誤差)の差を示すグラフである。図7(a)では、x方向についての実験結果から得られた位置ずれ量(位置ずれ誤差)の差を示す。また、図7(b)では、x方向について、照射部(帯電パッド描画部)に一様に+1nC/cmが帯電する分布が存在した仮定して計算したときの位置ずれ量の差を示す。図7(c)では、y方向についての実験結果から得られた位置ずれ量(位置ずれ誤差)の差を示す。また、図7(d)では、y方向について、照射部(帯電パッド描画部)に一様に+1nC/cmが帯電する分布が存在した仮定して計算したときの位置ずれ量の差を示す。
図8は、図7の実験結果と計算結果との関係を示すグラフである。図8では、縦軸に実験結果、横軸に計算結果を示している。かかる結果をフィッティングして近似することで、帯電用パターンのパターン面積密度が100%での帯電減衰量が得られる。図8では、例えば1次関数で近似した場合を示している。もちろん、その他の関数で近似しても構わない。図8の例では、パターン面積密度が100%での帯電減衰量κ(100%)を−0.3238nC/cmと見積もることができた。
図9は、実施の形態1における帯電量と描画後経過時間との関係の一例を示す図である。図9では、帯電用パターン230の描画直後(0分)、3分後、15分後、50分後の各条件について帯電量を見積もった場合を示している。図9では、帯電用パターン230の描画直後50分を基準値0とした場合の各条件について帯電量を見積もっている。ここでは、帯電減衰量κと帯電減衰時定数λと描画経過時間tを用いて、各パターン面積密度ρの帯電量Cの減衰曲線は、指数関数で表した次の式(1−1)で近似できる。
(1−1) C=κ・exp(−t/λ)
図10は、図9の結果から得られた帯電減衰量とパターン面積密度ρとの関係の一例を示す図である。図10では、パターン面積密度ρ(パターン面積率ρ)が、25%、50%、75%及び100%の各場合について、帯電用パターン230の描画直後50分を基準値0とした場合の描画直後(0分)の帯電量、すなわち帯電減衰量κがプロットされている。かかる測定値をフィッティングすることで、パターン面積密度ρに依存した帯電減衰量κ(ρ)を得ることができる。帯電減衰量κ(ρ)は、例えば、次の式(1−2)で近似できる。
(1−2) κ(ρ)=κ+κρ+κρ
κ、κ、κは係数である。ここでは、式(1−2)が2次関数となっているが、これに限るものではなく、さらに高次の関数でもよいし、低次の関数でもよい。
図11は、図9の結果から得られた帯電減衰時定数とパターン面積密度ρとの関係の一例を示す図である。図11では、パターン面積密度ρ(パターン面積率ρ)が、25%、50%、75%及び100%の各場合について、帯電減衰時定数λがプロットされている。かかる測定値をフィッティングすることで、パターン面積密度ρに依存した帯電減衰時定数λ(ρ)を得ることができる。帯電減衰時定数λ(ρ)は、例えば、次の式(1−3)で近似できる。
(1−3) λ(ρ)=λ+λρ+λρ
λ、λ、λは係数である。ここでは、式(3)が2次関数となっているが、これに限るものではなく、さらに高次の関数でもよいし、低次の関数でもよい。
以上の結果から、帯電用パターン230が描画された照射部の各位置(座量(x,y))における帯電量C(x,y)は、次の式(1−4)で近似できる。
(1−4) C(x,y)=κ(ρ)・exp(−t/λ(ρ))
図12は、実施の形態1における帯電減衰量κ(ρ)の補正の仕方を説明するための概念図である。帯電減衰量κ(ρ)について、図10に示した例では、パターン面積密度ρが25%、50%、75%と順に小さくなっていくのに、100%ではまた上昇してしまう結果となっている。これは、図12の左図に示すように、帯電用パターン230内の帯電減衰量κ(ρ)がすべての位置で一様であるという仮定のもとに見積もられてためである。実際には、図12の右図に示すように、複数のフレーム領域220に跨るような所定のサイズの帯電用パターン230を描画する場合に、最初に描画された箇所と最後に描画される箇所では相当の時間が経過している。観測される位置ずれ量Yから一様分布を仮定して求めた帯電減衰量κ(ρ)に対して、帯電が減衰する帯電減衰時定数λを適用して設定された補正後の帯電減衰量κ”(ρ)から位置ずれ量Y”を求めると、図12に示すようにY”の方がYより小さくなる。そこで、位置ずれ量Y”がもとの位置ずれ量Yと等しくなるような補正式κ”=F(λ)・κを用いて、帯電減衰量κ(ρ)を補正する。
図13は、実施の形態1におけるκ”/κと帯電減衰時定数λとの関係の一例を示す図である。図13では、複数の帯電減衰時定数λを用いて、各帯電減衰時定数λでのκ”/κをプロットした結果を示している。かかる測定結果をフィッティングすることで、補正式κ”=F(λ)・κを得ることができる。例えば、ここでは、κ”=(1+3.1082・λ−1.0312)・κを得ることができる。
図14は、実施の形態1における補正後の帯電減衰量とパターン面積密度ρとの関係の一例を示す図である。図10では、パターン面積密度ρが、75%の場合と100%の場合とで帯電減衰量が逆転していたが、補正により、かかる逆転現象は解消し、補正後の帯電減衰量κ”(ρ)は、パターン面積密度ρが25%、50%、75%、100%と順に小さくなっていく。このように、より直線的な関係に近くなった。
図15は、帯電に起因した位置ずれを補正せずに描画した場合の位置ずれの一例を示す図である。
図16は、実施の形態1における帯電減衰を考慮せずに所定のモデルで得られた帯電量に起因した位置ずれを補正して描画した場合の位置ずれの一例を示す図である。
図17は、実施の形態1における帯電減衰を考慮した帯電量に起因した位置ずれを補正して描画した場合の位置ずれの一例を示す図である。
図18は、実施の形態1における帯電に起因した位置ずれを補正しない場合と帯電減衰を考慮せずに所定のモデルで得られた帯電量に起因した位置ずれを補正した場合と帯電減衰を考慮した帯電量に起因した位置ずれを補正した場合とでの位置ずれ量の一例を示した図である。
図15に示した結果より図16に示した結果の方が位置ずれ量が小さく、図16に示した結果より図17に示した結果の方が位置ずれ量が小さいことがわかる。また、図18に示すように、3σで測定した場合には、特に、Y方向の位置ずれ量について、帯電に起因した位置ずれを補正しない場合には9.7nmであった位置ずれ量が、帯電減衰を考慮せずに所定のモデルで得られた帯電量に起因した位置ずれを補正した場合には、7.1nmと減少し、さらに、帯電減衰を考慮した帯電量に起因した位置ずれを補正した場合には、5.2nmに減少した。かかる結果からわかるように帯電の時間的減衰による位置ずれを補正することで、描画後の位置ずれ量を減少させることができる。
そこで、実施の形態1では、帯電の時間的減衰による位置ずれを補正して描画する。以下に、かかる補正を行なう描画方法について説明する。
図19は、実施の形態1における描画方法の要部工程を示すフローチャート図である。図19において、実施の形態1における描画方法は、描画データ処理工程(S201)と、ショットデータ生成工程(S203)と、パターン密度分布ρ(x,y)演算工程(S212)と、描画経過時間T(x,y)演算工程(S214)と、累積時間t演算工程(S216)と、帯電量分布C(x,y)演算工程(S218)と、位置ずれ量P(x,y)演算工程(S220)と、位置ずれ量マップ作成工程(S222)と、位置ずれ補正工程(S230)と、描画工程(S232)という一連の工程を実施する。
まず、レイアウトデータ(描画データ)が装置外部から外部I/F回路146を介して制御計算機110内に入力され、記憶装置144に格納される。レイアウトデータは例えば、フレーム領域220毎にファイルが作成されている。もちろん、複数或いはすべてのフレーム領域220のデータが1つのファイルになっていても構わない。また、上述したように、測定用パターン240,242と帯電用パターン230とを含み、帯電用パターン230のパターン面積密度ρが異なる複数の評価パターン211を事前に描画して得られた測定用パターン240,242の位置ずれ誤差をフィッティングすることによって求められた帯電減衰量κ(ρ)と帯電減衰時定数λ(ρ)とが、外部I/F回路146を介して制御計算機110内に入力され、記憶装置144に格納される。帯電減衰量κ(ρ)の代わりに上述した補正後の帯電減衰量κ”(ρ)を用いるとさらに好適である。また、帯電量を位置ずれ量に換算するための応答関数r(x,y)が外部I/F回路146を介して制御計算機110内に入力され、記憶装置144に格納される。
描画データ処理工程(S201)として、描画データ処理部112は、フレーム領域220毎に、記憶装置144から該当するレイアウトデータを読み出し、複数段のデータ処理を行なう。例えば、通常、1枚のマスクには複数のチップのパターンが描画されるので、描画データ処理部112は、まず、かかる複数のチップをマージ処理する。そして、マージされたデータにデータ変換を行なって、所定の中間データを作成する。中間データは、記憶装置144に格納されると共に、制御計算機110或いは記憶装置144から制御計算機130に出力される。
ショットデータ生成工程(S203)として、ショットデータ生成部132は、上述した中間データに対して、さらに、データ変換処理を行なって描画装置固有のフォーマットのショットデータを生成する。
パターン密度分布ρ(x,y)演算工程(S212)として、パターン面積密度分布演算部114は、フレーム領域220毎に、記憶装置144から該当するレイアウトデータを読み出し、フレーム領域220をさらに複数の小領域(x,y)に仮想分割して、小領域毎のパターン面積密度ρを算出する。かかる演算をフレーム領域220全体について行なうことで、フレーム領域220毎に、パターン面積密度分布ρ(x,y)を算出する。
描画経過時間T(x,y)演算工程(S214)として、描画経過時間演算部116は、試料101上の各位置について描画開始時刻(レイアウト先頭或いは先頭フレームの描画を開始する時刻)から実際に描画する時刻までの経過時間T(x,y)を演算する。例えば、該当するフレーム領域220がi番目の第iフレーム領域である場合には、描画開始位置S(0,0)の描画を開始する描画開始時刻から1つ前の第i−1フレーム領域までの各位置(x,y)を描画するまでの予想時間を経過時間T(x,y)として演算する。
累積時間t演算工程(S216)として、累積時間演算部118は、既に描画が終了した描画単位領域となる例えばフレーム領域220の描画にかかった描画時間を累積した累積時間tを演算する。例えば、現在、該当するフレーム領域220がi番目の第iフレーム領域である場合には、第1フレーム領域を描画するための時間t(1)、第2フレーム領域を描画するための時間t(2)、・・・第iフレーム領域を描画するための時間t(i)までを累積加算した加算値を算出する。これにより、該当するフレーム領域までの累積時間tを得ることができる。
ここで、現在、処理を行なっている該当フレーム領域内を実際に描画する場合、1つ前のフレーム領域までは描画が既に完了しているので、1つ前までのフレーム領域内で電子ビーム200が照射された箇所は帯電部分となる。よって、該当フレーム領域の累積時間tから帯電部分がある1つ前までのフレーム領域内の各位置(x,y)の描画経過時間T(x,y)を差し引いた差分値(t−T)が帯電部分を描画した後の経過時間となる。
よって、該当フレーム領域を描画する場合の1つ前までのフレーム領域内の各位置(x,y)の帯電量C(x,y)は、上述した式(1−4)を変形した次の式(1−5)で求めることができる。
(1−5) C(x,y)=κ(ρ)・exp{−(t−T)/λ(ρ)}
但し、かかる帯電量を計算する際には、1つ前までのフレーム領域内の各位置(x,y)の中で、パターンが存在する箇所だけ計算する。すなわち、小領域(x,y)のうち、パターン面積密度ρが0%となる箇所は、非照射部であるから上述したように実質的な帯電減衰が生じていないので計算しない。或いは、非照射部ではC(x,y)=0としてもよい。
帯電量分布C(x,y)演算工程(S218)として、帯電量分布演算部120は、上述したように共にパターン面積密度ρに依存する帯電減衰量κ(ρ)と帯電減衰時定数λ(ρ)とを用いて、試料101の描画領域210に電子ビーム200を照射することにより帯電する帯電量分布C(x,y)を演算する。具体的には、上述した式(1−5)を演算することで、該当フレーム領域を描画する場合の1つ前までのフレーム領域内の各位置(x,y)の帯電量C(x,y)を求める。
ここで、例えば、現在計算している該当するフレーム領域220が第iフレーム領域である場合での第i−1フレーム領域までの各位置(x,y)の帯電量Cと該当するフレーム領域220が第i+1フレーム領域である場合での第iフレーム領域までの各位置(x,y)の帯電量Cとでは同じ位置でも値が異なる場合があり得ることは言うまでもない。それは、電子ビーム200が照射された帯電部分の時間的な減衰が生じているからである。
位置ずれ量演算工程(S220)として、位置ずれ量分布演算部122は、帯電量分布C(x,y)の各帯電量Cに応答関数r(x,y)を畳み込み積分することにより、帯電量分布C(x,y)の各位置(x,y)の帯電量に起因した描画位置(x,y)の位置ずれ量Pを演算する。この帯電量分布C(x,y)を位置ずれ量分布P(x,y)に変換する応答関数r(x,y)を仮定する。ここでは、帯電量分布C(x,y)の各位置で示される帯電位置を(x’,y’)で表し、現在、データ処理を行なっている該当するフレーム領域(例えば、第iフレーム領域)のビーム照射位置を(x,y)で表す。ここで、ビームの位置ずれは、ビーム照射位置(x,y)から帯電位置(x’,y’)までの距離の関数として表すことができるため、応答関数をr(x−x’,y−y’)のように記述することができる。応答関数r(x−x’,y−y’)は、実験により予め求めておけばよい。以下、実施の形態1において(x,y)は、現在、データ処理を行なっている該当するフレーム領域のビーム照射位置を示す。
位置ずれ量マップ作成工程(S222)として、位置ずれ量マップ作成部124は、前工程で得られた現在、データ処理を行なっている該当するフレーム領域の描画しようとする各位置(x,y)の位置ずれ量Pから位置ずれ量分布Pi(x,y)(或いは、位置ずれ量マップPi(x,y)ともいう)を作成する。演算された位置ずれ量マップPi(x,y)は、記憶装置144に格納されると共に、制御計算機110或いは記憶装置144から制御計算機130に出力される。
位置ずれ補正工程(S230)として、位置ずれ補正部134は、各位置のショットデータを補正する。具体的には、ショットデータの各位置(x,y)に位置ずれ量マップPi(x,y)が示す位置ずれ量を補正する補正値を加算する。補正値は、例えば、位置ずれ量マップPi(x,y)が示す位置ずれ量の正負の符号を逆にした値を用いると好適である。
描画工程(S232)として、位置が補正されたショットデータは偏向制御回路140に出力され、偏向制御回路140からの出力に基づいて、描画部150は、フレーム領域毎に、位置ずれ量が補正された位置に、電子ビーム200を用いて試料101にパターンを描画する。
以上のように、帯電減衰による帯電量分布から位置ずれ量分布を得ることで、帯電減衰に起因した照射位置の位置ずれを補正することができる。その結果、高精度な補正位置で描画され、高精度なパターン寸法を得ることができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、時間的に変化しない帯電による位置ずれと帯電の時間的減衰による位置ずれとのうち、後者の帯電の時間的減衰による位置ずれを補正する構成について説明した。実施の形態2では、さらに、所定のモデルを用いた時間的に変化しない帯電による位置ずれをも補正する構成について説明する。以下、特に説明しない内容は実施の形態1と同様である。
ここで、上述した特許文献1の描画装置によれば、照射量分布と帯電量分布との間に線形比例関係が成立すると仮定し、照射量分布から線形応答関数を介して位置ずれ量分布を算出するようにしている。
然し、本発明者の検討によれば、照射量分布と位置ずれ量分布との間に線形比例関係が成り立つと仮定すると、位置ずれ量分布を精度良く算出することができないことが分かった。そこで、かかる線形比例関係を用いることなく、位置ずれ量分布を高精度に求める新たなモデルを確立する必要性が生じた。
図20は、実施の形態2における電子ビーム描画装置100の概略構成図である。図20に示す可変成形ビーム方式の電子ビーム描画装置100は、描画部1を備えている。描画部1内には、試料2であるマスクを保持するXYステージ3が収容されている。試料2であるマスクは、ガラス基板上に酸化クロム膜とレジスト層とが順次積層されたものである。XYステージ3は、後述するステージ駆動手段46によって、X方向及びY方向に移動可能に構成されている。XYステージ3の移動位置は、レーザ干渉計4の出力に基づいて、後述するステージ位置検出手段45により検出される。
XYステージ3の上方には、電子ビーム6の発生源である電子銃5が配置されている。電子銃5とXYステージ3との間には、照明レンズ7と、S1アパーチャ(第1アパーチャ)8と、投影レンズ9と、成形偏向器10と、S2アパーチャ(第2アパーチャ)11と、対物レンズ12と、対物偏向器13とが配置されている。
また、電子ビーム描画装置100は、制御部20と、この制御部20に接続された記憶装置21とを備えている。記憶装置21は、後述するレイアウトデータ、位置ずれ量分布(「位置ずれ量マップ」ともいう)及び光学系誤差分布(「光学系誤差マップ」ともいう)等を記憶するものであり、例えば、磁気ディスク装置、磁気テープ装置、FDもしくは半導体メモリ等である。
制御部20は、前処理計算部30を備えている。前処理計算部30は、パターン密度算出部31と、ドーズ量分布算出部32と、照射量分布算出部33と、かぶり電子量分布算出部34と、帯電量分布算出部35と、描画経過時間演算部37と、累積時間演算部38と、位置ずれ量分布算出部36とを備えている。
パターン密度分布算出部31は、記憶装置21から読み出されたレイアウトデータに含まれる図形データに基づいて、所定寸法でメッシュ状に仮想分割された各フレームに対して、メッシュ領域毎のパターン密度の分布を算出するものである。ドーズ量分布算出手段32は、後述の後方散乱電子の近接効果補正式を用いてドーズ量の分布を算出するものである。照射量分布算出部33は、パターン密度の分布及びドーズ量の分布に基づいて、試料に照射される電子ビームの照射量の分布を算出するものである。かぶり電子量分布算出部34は、照射量分布と、かぶり電子の広がりを記述する関数とに基づいて、かぶり電子量の分布を算出するものである。帯電量分布算出部35は、後述する方法により、電子ビームが照射される照射域の帯電量の分布と、電子ビームが照射されない非照射域の帯電量の分布とを算出するものである。位置ずれ量分布算出部36は、帯電量分布算出部35により算出された帯電量の分布に基づいて、試料上の電子ビームの位置ずれ量の分布を算出するものである。
制御部20は、上記前処理計算部30のほかに、ショットデータ生成部41と、グリッドマッチング制御部42と、成形偏向器制御部43と、対物偏向器制御部44と、上述したステージ位置検出部45及びステージ駆動部46とを備えている。
ショットデータ生成部41は、記憶装置21から読み出されたレイアウトデータに基づいて描画データを作成し、該描画データに基づいてショットデータを作成するものである。グリッドマッチング制御部42は、位置ずれ量分布算出部36により算出された位置ずれ量分布に基づいて、対物偏向器制御部44を制御するものである。成形偏向器制御部43は、所望の寸法及び形状(矩形もしくは三角形)のS2アパーチャ像が得られるように、成形偏向器10の位置を制御するものである。対物偏向器制御部44は、電子ビーム6が試料2上の所望位置に照射されるように、対物偏向器13の位置を制御するものである。
次に、上記電子ビーム描画装置100の一般的な描画動作について説明する。
電子銃5から発せられた電子ビーム6は、照明レンズ7により矩形開口部を有するS1アパーチャ8全体を照明する。S1アパーチャ8を透過したS1アパーチャ像の電子ビーム6は、投影レンズ9により鍵型開口部を有するS2アパーチャ11上に投影される。S2アパーチャ11上の第1アパーチャ像の位置は、成形偏向器10によって偏向される。そうすると、所望のビーム形状と寸法に成形される。S2アパーチャ11を透過したS2アパーチャ像の電子ビーム6は、対物レンズ12によって焦点が合わせられると共に、対物偏向器13により偏向され、XYステージ3上の試料2の所望位置に照射される。
パターン描画時にXYステージ3が連続移動することで、図21に示すように、試料2が移動する。図21は、パターン描画時の試料2の移動方向を示す図である。試料2の描画領域Rは、複数の短冊状のストライプ領域SRに仮想分割される。1つのストライプ領域SR上をX方向に電子ビーム6が照射される。すなわち、XYステージ3をX方向に連続移動させながら、電子ビーム6のショット位置(照射域)もステージ移動に追従させる。1つのストライプ領域の描画が終了すると、XYステージ3をY方向にステップ送りする。そして、次のストライプ領域上を電子ビーム6がX方向に照射される。このときXYステージ3を逆向きのX方向に連続移動させる。
ところで、上述したように、試料2のレジスト層に電子ビームが照射されると、レジスト帯電効果によりビーム照射位置がずれる。
そこで、実施の形態2では、図22に示すようなフローに従い、電子ビーム描画装置100において位置ずれ量を考慮したパターンの描画が行われる。図22は、実施の形態2による描画方法を説明するためのフローチャートである。
図22に示すフローによれば、先ず、記憶装置21に記憶されたレイアウトデータがパターン密度算出部31によって読み出され、該レイアウトデータに含まれる図形データに基づいて、所定寸法(グリッド寸法)でメッシュ状に仮想分割された各フレーム(以下「メッシュ領域」という)に対して、パターン密度が算出される(ステップS100)。このステップS100では、メッシュ領域毎のパターン密度の分布ρ(x,y)が算出される。
次に、上記ステップS100で算出されたパターン密度分布ρ(x,y)を用いて、メッシュ領域毎のドーズ量の分布D(x,y)が算出される(ステップS102)。このステップS102では、以下の後方散乱電子の近接効果補正式(2−1)に従ってドーズ量分布D(x,y)が算出される。
D=D×{(1+2×η)/(1+2×η×ρ)}・・・(2−1)
(上式(1)において、Dは基準ドーズ量であり、ηは後方散乱率である。)
これらの基準ドーズ量D及び後方散乱率ηは、当該荷電粒子ビーム描画装置100のユーザにより設定される。後方散乱率ηは、電子ビーム6の加速電圧、試料2のレジスト膜厚や下地基板の種類、プロセス条件(例えば、PEB条件や現像条件)などを考慮して設定することができる。
次に、上記ステップS100で算出されたパターン密度分布ρ(x,y)と、上記ステップS102で算出されたドーズ量分布D(x,y)とを乗算することによって、メッシュ領域毎の照射量分布E(x,y)(「照射強度分布」ともいう)が算出される(ステップS104)。
次いで、後述する方法に従って、かぶり電子量分布F(x,y,σ)が算出される(ステップS106)。そして、帯電量分布算出部35により、後述する方法に従って帯電量分布C(x,y)が算出される(ステップS108)。
尚、予め算出したパターン密度分布ρ(x,y)、ドーズ量分布D(x,y)、照射量分布E(x,y)、かぶり電子量分布F(x,y,σ)、帯電量分布C(x,y)を記憶装置21に記憶しておき、各ステップで記憶装置21から読み出して取得するようにしてもよい。
次いで、位置ずれ量分布算出部36により、上記ステップS108で算出された帯電量分布C(x,y)に基づいて、位置ずれ量分布p(x,y)が算出される(ステップS110)。このステップS110では、帯電量分布C(x,y)と、帯電量を位置ずれ誤差に変換する応答関数r(x,y)とを畳み込み積分することによって、位置ずれ量分布p(x,y)が算出される。
そして、上記ステップS110で算出された位置ずれ量分布p(x,y)に基づいて、グリッドマッチングが実施される(ステップS112)。このステップS112において後述するように対物偏向器13の制御が行われた後、電子ビーム6が試料2に照射され、パターンが描画される(ステップS114)。
尚、図22に示すフローに代えて、図23に示すフローに従って描画してもよい。図22と図23とは、ステップS102、103が異なっており、その他のステップは同一である。図22のステップS102では、パターン密度分布ρ(x,y)に基づいてドーズ量分布D(x,y)を算出しているが、図23のステップS103では、パターン密度分布ρ(x,y)に関係なく固定のドーズ量分布D(x,y)を取得している。図23のステップS104では、ステップS103で取得された固定のドーズ量分布D(x,y)と、ステップS100で算出されたパターン密度分布ρ(x,y)とを乗算することによって照射量分布E(x,y)が求められる。
このように、パターン密度分布ρ(x,y)によらず、固定のドーズ量分布D(x,y)を用いて照射量分布E(x,y)を算出してもよい。図24において、◆は、パターン密度ρに応じて変化するドーズ量を示し、□は、パターン密度に関係なく固定されたドーズ量(21μC/cm)を示している。
次に、図25を参照して、上記ステップS112において実施されるグリッドマッチングの流れを説明する。
図25に示すように、位置ずれ量分布算出部36により算出された位置ずれ量分布は、記憶装置21に記憶される。その後、この記憶装置21に記憶された位置ずれ量分布と、予め作成され記憶装置21に記憶された光学系誤差分布とが、グリッドマッチング制御部42により読み出される。グリッドマッチング制御部42は、位置ずれ量分布のメッシュ毎の各データと、光学系誤差分布のメッシュ毎の各データとを合成し、合成したデータを対物偏向器制御部44に出力する。対物偏向器制御部44は、入力されたデータに基づき、電子ビーム6の偏向位置を制御する。すなわち、位置ずれ量分布と光学系誤差分布とを考慮した補正位置へと対物偏向器13の位置が制御される。
試料上のパターンの配置精度を向上させるためには、グリッドマッチングを精度良く行
う必要があり、そのためには位置ずれ量分布p(x,y)(「位置ずれ量分布」ともいう)を高精度に算出する必要がある。
次に、位置ずれ量分布p(x,y)の算出方法について説明する。
先ず、図26を参照して、実施の形態2に対する比較例による位置ずれ量分布の算出方法について説明する。
本比較例では、ある照射量分布E(x,y)に対して、電子(帯電量)の広がり分布を記述する関数g’(x,y)があると仮定する。この関数g’(x,y)として、例えば、図27に示すように、電子ビーム照射域では正に帯電し、非照射域では負に帯電するガウス分布のモデルを用いることができる。そして、照射量分布E(x,y)と広がり分布関数g’(x,y)とを畳み込み積分(convolution)することにより帯電量分布C(x,y)が求められる。
次いで、この帯電量分布C(x,y)を位置ずれ量分布p(x,y)に変換する応答関数r(x,y)を仮定する。ここで、ビームの位置ずれは、ビーム照射位置(x,y)から帯電位置(x’,y’)までの距離の関数として表すことができるため、応答関数を「r(x−x’,y−y’)」のように記述することができる。
図28は、この応答関数r(x,y)を計算するために仮定したモデルを示す図である。図28に示すように、共に0Vにアースされた2つの平行平板51、52が、互いに距離Lだけ離間して配置されている。上部平板51は、描画部1壁面、具体的には、対物レンズ12のブロックに相当し、下部平板52は、フォトマスクのクロム層に相当する。2つの平板51、52は、完全な導電体として考慮される。点電荷源55は、膜厚hのレジスト53の表面に位置する。導電性クロム層52は静的ポテンシャル計算では鏡とみなすことができるので、鏡像電荷54が等距離“−h”だけクロム層52の下に位置する。実際の点電荷源55の帯電と鏡像電荷54のミラー帯電は、双極子56としてペアで働く。導電性の上部平板51も鏡とみなすことができるので、無限数の双極子56の1対は“2L”のピッチで配置される。実際の計算では、双極子56の数はある実際的な限界で切り捨てられる。50keVで加速された電子57の軌道は、運動方程式を解くことで計算され、レジスト53表面到達時の電子位置の最終的なずれは与えられた入射位置に対するビーム位置誤差として得られる。
この仮定によれば、位置ずれ量分布p(x,y)は、応答関数r(x,y)と帯電量分布C(x,y)とを畳み込み積分することによって求められる。すなわち、位置ずれ量分布p(x,y)は、応答関数r(x,y)と帯電分布関数g’(x,y)と照射量分布E(x,y)とを畳み込み積分することによって求められる。
ここで、照射量分布E(x,y)と位置ずれ量分布p(x,y)との間には線形比例関係が成立すると仮定すると、図26に示すように、線形応答関数R(x,y)と照射量分布E(x,y)とを畳み込み積分することによって位置ずれ量分布p(x,y)を求めることができる。すなわち、本比較例によれば、照射量分布E(x,y)から線形応答関数R(x,y)を介して位置ずれ量分布p(x,y)が直接導かれるため、帯電量分布C(x,y)の計算をスキップすることができる。
しかしながら、本発明者等の検討によれば、上記比較例により求められた位置ずれ量分布p(x,y)は、実験結果と相違することが分かった。
図29及び図30を参照して、上記比較例による位置ずれ量分布の算出方法を検証する。
上記比較例による位置ずれ量分布の算出方法を検証するにあたって、先ず、図29(a)に示すように、照射量分布e(x)として1次ステップ関数を与えた。この関数によれば、照射域での照射量が1であり、非照射域での照射量が0である。
上記比較例では、図29(b)に示すように、この照射量分布e(x)と線形応答関数R(x)との畳み込み積分により位置ずれ量分布p(x)を求めている。従って、この位置ずれ量分布p(x)を微分することによって線形応答関数R(x)を求めることができる。位置ずれ量分布p(x)の微分により求められた線形応答関数R1(x)は、図30に示すように、望ましい応答関数R2(x)とは異なり、照射域と非照射域との境で回転対称となっていないことが判った。従って、上記比較例における線形比例関係の仮定が成立しないことが判った。
そこで、本発明者は、線形応答関数R(x)を用いることなく、位置ずれ量分布を算出する
ための新たなモデルを見出した。
本発明者は、先ず、レジスト帯電効果を測定した。図31は、レジスト帯電効果を測定するために用いたテストレイアウトを示す図である。尚、図31においては、各部の内容をより分かりやすくするために、縮尺を変えて示している。
図31(a)に示すテストレイアウトTLは、ピッチL1が1mmであり、1辺の長さL2が80mmであるグリッド(81×81グリッド)60上に第1ボックスアレイ62を照射量12μC/cmで描画した後、当該レイアウトTLの中央に1辺の長さL3が40mmであるパターン密度100%の照射パッド63を照射量21μC/cmで描画し、さらに、第1ボックスアレイ62と同じグリッド60上に第2ボックスアレイ64を照射量12μC/cmで描画することにより得られる。
図31(b)に拡大して示すように、第1ボックスアレイ62は、例えば、1辺の長さL4が4μmである正方形のパターンである。また、第2ボックスアレイ64は、例えば、1辺の長さL5が14μmであり、第1ボックスアレイ62よりも大きいサイズで中央がくり抜かれている枠状のパターンである。
ここで、照射パッド63のパターン密度を100%、75%、50%、25%のように変化させて、上記のテストレイアウトTLをそれぞれ形成した。図32乃至図33は、パターン密度が100%、75%、50%、25%である照射パッド63A、63B、63C、63Dをそれぞれ示している。
図32(a)に示す照射パッド63Aは、距離L6だけ相互に離間する矩形状の複数のパターン630によって構成されている。この距離L6は、例えば、20μmである。図32(b)に示す照射パッド63Bは、上記距離L6だけ相互に離間する複数のパターン631によって構成されている。各パターン631は、短辺の長さL7が例えば4μmである複数のラインパターン631aを交差させてなるものである。図33(a)に示す照射パッド63Cは、上記距離L6だけ相互に離間する複数のパターン632によって構成されている。各パターン632は、複数の正方形のパターン632aを有する。このパターン632aの一辺の長さL8は、例えば4μmである。図33(b)に示す照射パッド63Dは、上記距離L6だけ相互に離間する複数のパターン633によって構成されている。各パターン633は、上記パターン632を構成するパターン632aの数が半分にされたものである。
上記描画した第1及び第2ボックスアレイ62、64の位置をレジストイメージ測定法を用いてそれぞれ測定し、第2ボックスアレイ64の位置から第1ボックスアレイ62の位置を差し引くことにより、照射パッド63の帯電効果による位置ずれを測定することができる。なお、実施の形態2では、測定時間を短縮するため、図31に示す81×81グリッドのうち、2mmピッチの41×41グリッド上に描画された2つのボックスアレイ62、64の位置ずれを測定した。
ここで、実施の形態2では、図24に示すように、パターン密度ρに関係なくドーズ量Dを固定(21μC/cm)にした場合と、パターン密度ρに応じてドーズ量Dを変化させた場合とのそれぞれについて、4種類の化学増幅型レジストA乃至Dについて、上記のようにパターン密度を100%、75%、50%、25%と変えてテストレイアウトTLをそれぞれ形成し、テストレイアウト毎に位置ずれの測定を行った。
帯電効果による位置ずれの測定結果を図34に示す。図34(a)〜(c)は、ドーズ量Dが固定である場合において、3種類のレジストA、B、Cについて、照射域と非照射域の境界近傍の位置ずれと、非照射域の外周の位置ずれとを概略的に示している。
図34(a)〜(c)に示すように、3種類のレジストA、B、Cの何れについても、非照射域の外周では、外側に膨らむように同様な位置ずれ71A、71B、71Cを起こしている。
これに対し、照射域と非照射域との境界近傍では、図34(a)及び図34(b)に示すように、レジストA、Bの場合は、共に照射域の内側に向かって位置ずれ70A、70Bを起こしている。これらの位置ずれ70A、70Bは、レジストAの場合の位置ずれ70Aが上下と左右でほぼ対称であるのに対して、レジストBの場合の位置ずれ70Bが上下非対称である点で相違する。また、これらレジストA、Bの場合とは異なり、レジストCの場合の位置ずれ70Cは、図34(c)に示すように、照射域内側への位置ずれがほとんど見られない。
図35乃至図36、図37乃至図38、図39乃至図40は、3種類のレジストA、B、Cについて、パターン密度によらずドーズ量が一定(21μC/cm)である場合の11列平均のX方向の位置ずれを示す図である。これらの図35乃至図40は、それぞれ81×81グリッドの第31列、第33列、…、第49列、第51列の11列平均のX方向の位置ずれ量をプロットしたものである。図35(a)、図37(a)、図39(a)は、照射パッド63のパターン密度が25%である場合の位置ずれ量を示し、図35(b)、図37(b)、図39(b)は、照射パッド63のパターン密度が50%である場合の位置ずれ量を示している。また、図36(a)、図38(a)、図40(a)は、照射パッド63のパターン密度が75%である場合の位置ずれ量を示し、図36(b)、図38(b)、図40(b)は、照射パッド63のパターン密度が100%である場合の位置ずれ量を示している。
図35乃至図40に示される結果によれば、パターン密度が高いほど位置ずれ量が多くなり、また、同じパターン密度でもレジストの種類が異なると位置ずれ量が異なることが判った。
ところで、図41は、レジストAについて、パターン密度ρが25%でありドーズ量Dが固定の21μC/cmである場合の上記X方向の位置ずれ量と、パターン密度ρが100%でありドーズ量Dが5.25μC/cmである場合の上記X方向の位置ずれ量とを併せて示している。ここで、上述したようにパターン密度ρとドーズ量Dを乗算することによって照射量Eが求められるため、これら2つの場合の照射量Eは同じである。このため、これら2つの場合の位置ずれ量は同等になると考えられるが、図41に示すように両者の位置ずれ量は異なっている。これは、パターン密度ρによらずドーズ量Dが21μC/cmに固定された場合と、パターン密度ρに応じて変化するドーズ量(5.25μC/cm)である場合との違いによるものであると考えられる。従って、位置ずれ量分布を精度良く算出するためには、照射量分布の算出精度を高める必要があり、そのためには、図22のステップS102で実施されるようにパターン密度ρに応じてドーズ量分布D(x,y)を算出することが好適である。
次に、上記測定結果を説明することが可能な位置ずれ量分布を算出するために、図22及び図23に示すステップS106で実施されるかぶり電子量分布F(x,y,σ)の算出方法について説明する。
上記ステップS106では、先ず、照射量分布E(x,y)に対して、かぶり電子の広がり分布を記述する関数g(x,y)があると仮定する。この関数g(x,y)は、上記比較例と同様に、図27に示すようなガウス分布のモデルであり、次式(2−2)のように表すことができる。
g(x,y)=(1/πσ)×exp{−(x+y)/σ}・・・(2−2)
そして、次式(2−3)のように、広がり分布関数g(x,y)と照射量分布E(x,y)とを畳み込み積分することにより、かぶり電子量分布(「かぶり電子量強度」ともいう。)F(x,y,σ)が求められる。
F(x,y,σ)=∫∫g(x−x″,y−y″)E(x″,y″)dx″dy″・・・(2−3)
次に、図22及び図23に示すステップS107で実施される描画経過時間T(x,y)の算出について説明する。描画経過時間T(x,y)の算出は、描画経過時間演算部116を描画経過時間演算部37と読み替えた実施の形態1における描画経過時間T(x,y)演算工程(S214)と同様である。
次に、図22及び図23に示すステップS108で実施される累積時間tの算出について説明する。累積時間tの算出は、累積時間演算部118を累積時間演算部38と読み替えた実施の形態1における累積時間t演算工程(S216)と同様である。
次に、図22及び図23に示すステップS109で実施される帯電量分布C(x,y)の算出について説明する。
上記ステップS109では、先ず、照射量分布E(x,y)及びかぶり電子量分布F(x,y,σ)から帯電量分布C(x,y)を求めるための関数C(E,F)を仮定した。この仮定した関数C(E,F)を、次式(2−4)のように、照射電子が寄与する変数C(E)と、かぶり電子が寄与する変数C(F)とに分離した。
C(E,F)=C(E)+C(F)・・・(2−4)
さらに、照射域の関数は、変数C(F)=0、すなわちC(E,F)=C(E)と仮定した。一方、非照射域の関数は、変数C(E)=0、すなわち、C(E,F)=C(F)と仮定した。また、図42(a)に示すように、照射域内は均一に帯電すること、すなわち、C(E)=cと仮定した。このcは、定数であり、例えば、1である。また、非照射域では、図42(b)に示すように、かぶり電子量強度Fが大きくなるほど、帯電C(F)が飽和する。そこで、非照射域の変数C(F)を次式(2−5)のように表すこととした。
(F)=−c×Fα・・・(2−5)
上式(2−5)中のαは、0<α<1の条件を満たす。本発明者の実験によれば、α=0.3−0.4のときに、最も実験結果に近くなり、好適であることが分かった。この好適なαの範囲は、使用する電子ビーム描画装置に応じて変えることができる。
ここで、上式(2−5)のように関数C(F)を規定した理由について説明する。
位置ずれ測定結果は、図35乃至図40に示すように、4種類のパターン密度(100%、75%、50%、25%)について得られている。かぶり電子量強度Fは、パターン密度100%のときのかぶり電子量強度FをF100とすると、各パターン密度での強度は、パターン密度に比例してそれぞれF100,0.75×F100,0.5×F100,0.25×F100となる。しかし、C(F)は、未知の関数である。このため、C(F100),C(0.75×F100),C(0.5×F100),C(0.25×F100)は強度比例せず、しかも各パターン密度で分布形状が互いに異なる可能性がある。このように各パターン密度での分布形状が異なると、パターン密度毎にC(F)を規定しなければならず、解析上不便である。
そこで、任意のFに対して、パターン密度が変化しても、相似形の分布形状が得られる関数C(F)とした。すなわち、関数C(F)が次式(2−6)の関係を満たすように規定した。次式(2−6)におけるaはパターン密度であり、Aは定数である。
(aF)/C(F)=A・・・(2−6)
相似形の関数であれば、C(F)全体の強度は比例しなくても、分布形状が変わらない。強度については、上記パラメータc,cの組み合わせにより調整することができる。よって、C(F)をパターン密度毎に規定する必要はなく、1つのσに対して1つのC(F)を規定するだけでよいため、解析を簡単にすることができる。
次に、図43を参照して、上記パラメータc,c,σの最適な組み合わせを決定する。図43に示すように、照射域については、cという大きさのステップ形状の帯電量分布C(E)を仮定し、この帯電量分布C(E)と予め計算しておいた応答関数r(x)を畳み込み積分することによって、位置ずれ量p(x)を算出する(ステップS200)。
また、非照射域については、あるαとかぶり電子広がり半径(以下「かぶり半径」という)σを仮定してC(F)を計算する(ステップS202)。このC(F)を複数のかぶり半径σに対して求める。例えば、かぶり半径σは1mm〜24mmまで1mm間隔で仮定される。そして、かぶり半径σ〜σに対しての帯電量分布C(F)と応答関数rを用いて、位置ずれ量p(x)〜p(x)を求める。
これらの照射域及び非照射域の位置ずれ量p(x)を合成すると、次式(2−7)のように表される(ステップS204)。
p(x)=c×p(x)+c×p(x)・・・(2−7)
そして、上式(2−7)が実験結果を最も良く適合(フィッティング)するパラメータc,c,σの組み合わせを求める。図44乃至図45、図46乃至図47、図48乃至図49は、レジストA、B、Cについてのフィッティング結果を示す図である。図44(a)、図46(a)、図48(a)は、照射パッド63のパターン密度が25%である場合のフィッティング結果を示し、図44(b)、図46(b)、図48(b)は、照射パッド63のパターン密度が50%である場合のフィッティング結果を示している。また、図45(a)、図47(a)、図49(a)は、照射パッド63のパターン密度が75%である場合のフィッティング結果を示し、図45(b)、図47(b)、図49(b)は、照射パッド63のパターン密度が100%である場合のフィッティング結果を示している。
図44乃至図49に示される結果を用いることで、上記比較例に比べて精度良く位置ずれ量分布を求めることができた。
図50は、レジストA、B、Cについて、フィッティングにより求められたパラメータc,c,σの最適な組み合わせを示す図である。
ところで、図24A乃至図24Cに示すように、同じ種類のレジストを使用する場合でも、パターン密度が異なると最適なかぶり半径σが異なってしまうことが分かった。物理的に、パターン密度に依存してかぶり半径σが変化しないことが望ましい。また、レジストAについては良好なフィッティング結果が得られたものの、レジストB,CについてはレジストAほど良好なフィッティング結果が得られなかった。本発明者の検討によれば、これらの結果は、照射部の帯電をC(E)=cとフラットに仮定したことによるものと考えられる。
そこで、本発明者は、照射域の帯電量分布についてもかぶり電子の影響を記述するよう
に、上記モデルを修正した。かかるモデルでは、照射域での帯電量分布を次式(2−8)のように表した。但し、非照射部の帯電量分布は、上記モデルと同様とした。
C(E,F)=C(E)+CFe(F)=c−c×Fα・・・(2−8)
修正されたモデルについて求められたパラメータc,c,σの組み合わせを図51に示す。図51は、レジストB、CについてのパラメータC,C,σの組み合わせを示している。図51に示すように、修正されたモデルは、かぶり半径σがパターン密度依存性をなお有している。さらに、フィッティングにより求められたcは、上記式(2−4)の曲線に乗らなければならないが、乗らないことが判った。
そこで、本発明者は、これらを解決する新たな一般化モデルを構築した。
先ず、非照射域の帯電量分布C(F)とかぶり電子量強度Fとの関係を、次式(2−9)のような多項式関数によって表した。次式(2−9)において、f,f,fは、定数である。
(F)=f×F+f×F+f×F・・・(2−9)
次に、図50乃至図51に示したパラメータ群を用いて、各パターン密度についてy=0における帯電量分布C(x,0)を算出した。算出した帯電量分布C(x,0)を図52に示す。図50乃至図51に示すパラメータ群を用いるのは、パターン密度に依存して最適なかぶり半径σが変化するものの、各パターン密度での分布形状は正しいためである。
なお、y=0に限定せず、2次元で帯電量分布C(x,y)を算出することにより、以下に行うフィッティングの精度を向上させることができる。
そして、図52に示す非照射域の帯電量分布C(x,0)と、上式(2−9)のC(F)とが最も適合するような最適なかぶり半径σを求める。図53(a)に示すようにかぶり半径σが過小である場合や、図53(c)に示すようにかぶり半径σが過大である場合には、良好なフィッティング結果が得られない。つまり、かぶり半径σが過小もしくは過大となると、各パターン密度のデータが相互に離れてしまうため、上記パラメータf,f,fを求めることができない。これに対して、図53(b)に示すように最適なかぶり半径σが求められると、良好なフィッティング結果が得られ、上記パラメータf,f,fを求めることができる。
次に、上記求めた最適なかぶり半径σを用いて、照射域のかぶり電子量分布Fを求める
。そして、照射域の帯電量分布C(E,F)を照射量分布Eと、上式(2−9)で求められたかぶり電子量分布Fとを用いて、次式(2−10)のような多項式関数によって表した。次式(2−10)では、かぶり電子が寄与する帯電量分布CFe(F)が考慮されている。
C(E,F)=C(E)+CFe(F)
=(d+d×ρ+d×D+d×E)
+(e×F+e×F+e×F)・・・(2−10)
そして、図52に示す照射域の帯電量分布C(x,0)と、上式(2−10)の帯電量分布C(E,F)とが最も適合するようなパラメータd,d,d,d,e,e,eを求める。ここで、フィッティング結果を図54に示す。
これらの照射域及び非照射域の帯電量分布のフィッティングにより求められたパラメータd,d,d,d,e,e,e,f,f,f,σの最適な組み合わせを、図55に示す。図55に示すように、最適なかぶり半径σは、レジストの種類に応じて、8mm〜16mmの範囲から選択される。この一般化モデルでは、上記した相似形の関数を用いたモデルとは異なり、パターン密度が変化しても、最適なかぶり半径σは変わらない。尚、図55に示すように、同じ種類のレジストAについて、パターン密度ρによらずドーズ量Dを固定した場合の最適なかぶり半径σ(=13mm)と、パターン密度ρに応じて後方散乱電子の近接効果補正式(2−1)に従ってドーズ量Dを変化させた場合の最適なかぶり半径σ(=8mm)とが異なることが判った。
なお、レジストの膜厚が異なると最適なかぶり半径σが異なるため、膜厚が異なるレジ
ストを別のレジストとして、上記方法に従って個別に最適なかぶり半径σを求めるように
してもよい。
ここで、実施の形態2では、上式(2−10)で示した照射域の帯電量分布C(E,F)について、さらに、実施の形態1で説明した帯電減衰に起因した帯電量分布を次の式(2−11)に示すように加算する。これにより、帯電減衰分を補正できる。
C(E,F)=C(E)+CFe(F)+κ(ρ)・exp{−(t−T)/λ(ρ)}
=(d+d×ρ+d×D+d×E)
+(e×F+e×F+e×F
+κ(ρ)・exp{−(t−T)/λ(ρ)}・・・(2−11)
そして、非照射域の上式(2−9)のC(F)と照射域の上式(2−11)のC(E,F)との和集合により帯電量分布C(x,y)を求める。
このようにして求めた帯電量分布C(x,y)を用いて、図22及び図23に示すステップS110において、位置ずれ量分布p(x,y)を算出する。図56は、レジストA、B、Cについて、実施の形態2による一般化モデルで求められた位置ずれ量分布と実験データとのフィッティング結果を示す図である。但し、ここでは、帯電減衰分を補正前のモデルを評価することを目的として、帯電減衰分を補正前のモデルを使った結果を示している。図中、一般化モデルで求められた位置ずれ量分布を実線で示し、実験データを破線で示している。また、図56では、図34と同様に、照射域と非照射域の境界近傍の位置ずれと、非照射域外周の位置ずれとを概略的に示している。各レジストA、B、Cについて、求めた位置ずれ量分布と、実験データとが略一致している。図56に示すように、本発明者が確立した一般化モデルを用いて位置ずれ量分布を求めることで、位置ずれ量分布を精度良く算出することができる。
そして、実施の形態2では、かかる発明者が確立した一般化モデルにさらに実施の形態1で説明した帯電減衰分を加算して補正しているので、さらに、位置ずれ量分布を精度良く算出することができる。かかる効果は、上述した図16〜図18で説明した通りである。図16でのモデルは実施の形態2で説明した一般化モデルを用いている。そのため、図17の結果は、実施の形態2における帯電減衰分を加算して補正後のモデルでの結果となる。
そして、この位置ずれ量分布を用いて、図25に示すようにグリッドマッチングを行うことにより、帯電減衰分も加えた帯電効果によるビーム位置ずれが補正される。図57は、グリッドマッチング前後におけるビーム照射位置ずれ量を示す図である。但し、ここでは、帯電減衰分を補正前のモデルを評価することを目的として、帯電減衰分を補正前のモデルを使った結果を示している。図57において斜線で示されるように、グリッドマッチング後に残存するビーム照射位置ずれ量は、帯電防止膜を用いた場合と同等のレベルまで低減される。
ところで、レジストA、Dのように、ある種類のレジストでは、照射部の帯電量分布のうちかぶり電子の寄与CFe(F)=0とすることにより、良好なフィッティング結果が得られることが分かった。これは、図55に示すレジストA、Dについてのパラメータe=e=e=0であることからも分かる。このようなタイプのレジストA、Dに対しても、本発明者が構築した一般化モデルは対応可能である。
また、電子ビームが照射されることで、レジストが一瞬だけ導電性を有するEBIC(electron beam induced conductivity)という物理効果が知られている。上記一般化モデルは、該EBICにも対応可能である。すなわち、EBICは電子ビームが照射されなければ起きない現象であるため、電子ビームが照射されるまでは非照射域として電荷が蓄積される。かかる蓄積された電荷は、電子ビームの照射により下地に逃げる。このため、かぶり電子によるCFe(F)は一旦リセットされ、ゼロから蓄積され始める。さらに、電子ビームが一度照射されると、導電性が僅かに残る場合がある。この場合には、電子ビームが照射される前に比して、電子ビームが照射された後の方がかぶり電子の帯電量が少なくなる。上記一般化モデルでは、非照射域を記述するパラメータf,f,fから、照射域を記述するパラメータe,e,eにシフトすることにより、かかる帯電量の減少に対応することができる。
以上の説明において、「〜部」或いは「〜工程」と記載したものの処理内容或いは動作内容は、コンピュータで動作可能なプログラムにより構成することができる。或いは、ソフトウェアとなるプログラムだけではなく、ハードウェアとソフトウェアとの組合せにより実施させても構わない。或いは、ファームウェアとの組合せでも構わない。また、プログラムにより構成される場合、プログラムは、磁気ディスク装置、磁気テープ装置、FD、或いはROM(リードオンリメモリ)等の記録媒体に記録される。例えば、記憶装置144に記録される。
また、図1等における制御計算機110,130は、さらに、図示していないバスを介して、記憶装置の一例となるRAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM、磁気ディスク(HD)装置、入力手段の一例となるキーボード(K/B)、マウス、出力手段の一例となるモニタ、プリンタ、或いは、入力出力手段の一例となる外部インターフェース(I/F)、FD、DVD、CD等に接続されていても構わない。
以上、具体例を参照しつつ実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、実施の形態では可変成形ビーム方式の電子ビーム描画装置を用いたが、これ以外の方式の描画装置にも適用できる。例えば、上記実施の形態では電子ビームを用
いたが、本発明はこれに限られるものではなく、イオンビームなどの他の荷電粒子ビーム
を用いた場合にも適用可能である。また、本発明は電子ビーム描画装置の使用目的を限定するものでは無い。例えば、マスクやウェハ上に直接レジストパターンを形成するという使用目的以外にも、光ステッパー用マスク、X線マスクなどを作成する際にも利用可能である。
また、装置構成や制御手法等、本発明の説明に直接必要しない部分等については記載を省略したが、必要とされる装置構成や制御手法を適宜選択して用いることができる。例えば、描画装置100を制御する制御部構成については、記載を省略したが、必要とされる制御部構成を適宜選択して用いることは言うまでもない。
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全ての荷電粒子ビーム描画装置、及び荷電粒子ビーム描画方法は、本発明の範囲に包含される。
100 描画装置
101,340 試料
102 電子鏡筒
103 描画室
105 XYステージ
110,130 制御計算機
112 描画データ処理部
114 パターン面積密度分布演算部
116 描画経過時間演算部
118 累積時間演算部
120 帯電量分布演算部
122 位置ずれ量分布演算部
124 位置ずれ量マップ作成部
132 ショットデータ生成部
134 位置ずれ補正部
136 ステージ位置検出部
138 ステージ駆動部
140 偏向制御回路
142 メモリ
144 記憶装置
146 外部I/F回路
150 描画部
200 電子ビーム
201 電子銃
202 照明レンズ
203,410 第1のアパーチャ
204 投影レンズ
205,208 偏向器
206,420 第2のアパーチャ
207 対物レンズ
210 描画領域
220 フレーム領域
230 帯電用パターン
232 矩形パターン
240,242 測定用パターン
330 電子線
411 開口
421 可変成形開口
430 荷電粒子ソース

Claims (5)

  1. 共にパターン面積密度に依存する、描画後十分に時間が経過したあとの帯電量を基準とする描画直後の帯電量である帯電減衰量と帯電減衰時定数とを用いて、試料の描画領域に荷電粒子ビームを照射することにより帯電する帯電量分布を演算する帯電量分布演算部と、
    前記帯電量分布の各帯電量に応答関数を畳み込み積分することにより、前記帯電量分布の各位置の帯電量に起因した描画位置の位置ずれ量を演算する位置ずれ量演算部と、
    前記位置ずれ量が補正された位置に、荷電粒子ビームを用いて前記試料にパターンを描画する描画部と、
    を備えたことを特徴とする荷電粒子ビーム描画装置。
  2. 前記試料の描画領域は、複数の描画単位領域に仮想分割され、
    前記描画部は、前記複数の描画単位領域の描画単位領域毎に描画し、
    前記描画装置は、前記試料上の各位置について描画開始時刻から実際に描画する時刻までの経過時間を演算する描画経過時間演算部と、
    既に描画が終了した描画単位領域の描画にかかった描画時間を累積した累積時間を演算する累積時間演算部と、
    をさらに備え、
    前記帯電量分布演算部は、前記累積時間と前記経過時間との差分を用いて、前記帯電量分布を演算することを特徴とする請求項1記載の荷電粒子ビーム描画装置。
  3. 前記帯電減衰量は、前記複数の描画単位領域のうち、2以上の描画単位領域に跨る帯電用パターンを含む評価パターンを事前に描画した結果から求められ、
    前記帯電減衰量は、前記帯電減衰時定数を用いて補正された関数から得られることを特徴とする請求項2記載の荷電粒子ビーム描画装置。
  4. 前記帯電減衰量と前記帯電減衰時定数は、それぞれ、測定用パターンと帯電用パターンとを含み、前記帯電用パターンのパターン面積密度が異なる複数の評価パターンを事前に描画して得られた前記測定用パターンの位置ずれ誤差をフィッティングすることによって求められることを特徴とする請求項1又は2記載の荷電粒子ビーム描画装置。
  5. 共にパターン面積密度に依存する、描画後十分に時間が経過したあとの帯電量を基準とする描画直後の帯電量である帯電減衰量と帯電減衰時定数を用いて、試料の描画領域に荷電粒子ビームを照射することにより帯電する帯電量分布を演算する工程と、
    前記帯電量分布の各帯電量に応答関数を畳み込み積分することにより、前記帯電量分布の各位置の帯電量に起因した描画位置の位置ずれ量を演算する工程と、
    前記位置ずれ量が補正された位置に、荷電粒子ビームを用いて前記試料にパターンを描画する工程と、
    を備えたことを特徴とする荷電粒子ビーム描画方法。
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