JP2010225811A - 荷電粒子ビーム描画方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】補正処理の精度を高めて寸法変動を低減することのできる荷電粒子ビーム描画方法を提供する。
【解決手段】面積密度の異なる複数のパターンを荷電粒子ビームの基準照射量毎に近接効果補正係数を変えて描画し、描画後のパターンの寸法を測定する。次いで、基準照射量毎に、最適な近接効果補正係数と、この近接効果補正係数を用いて描画したときのパターンの設計寸法からのずれとを算出する。算出した近接効果補正係数と設計寸法からのずれの離散値を、式:η=η/erfc(ΔCD/2/σ)/2を用いてフィッティングする。フィッティングした結果を用いて、近接効果補正係数と設計寸法からのずれを補間および/または外挿する。
【選択図】図1

Description

本発明は、荷電粒子ビーム描画方法に関する。
近年、半導体装置の集積度の増加に伴い個々の素子の寸法は微小化が進み、各素子を構成する配線やゲートなどの幅も微細化されている。
この微細化を支えているフォトリソグラフィ技術には、加工や処理を受ける基板の表面にレジスト組成物を塗布してレジスト膜を形成する工程、光を照射して所定のレジストパターンを露光することによりレジストパターン潜像を形成する工程、必要に応じて加熱処理する工程、次いでこれを現像して所望の微細パターンを形成する工程、および、この微細パターンをマスクとして基板に対してエッチングなどの加工を行う工程が含まれる。
フォトリソグラフィ技術においては、露光光の波長が解像可能な配線パターン等の幅と比例関係にある。従って、パターンの微細化を図る手段の一つとして、上記のレジストパターン潜像を形成する際に使用される露光光の短波長化が進められている。
また、より高解像度の露光技術として、電子ビームリソグラフィ技術の開発も進められている。電子ビームリソグラフィ技術は、利用する電子ビームが荷電粒子ビームであるために、本質的に優れた解像度を有している。また、焦点深度を大きく確保することができるため、高い段差上でも寸法変動を抑制できるという利点も有している。このため、DRAMを代表とする最先端デバイスの開発に適用されている他、一部ASICの生産にも用いられている。さらに、ウェハにLSIパターンを転写する際の原版となるマスクまたはレチクルの製造現場では、電子ビームリソグラフィ技術が広く一般に使われている。
特許文献1には、電子ビームリソグラフィ技術に使用される可変成形型電子ビーム描画装置が開示されている。こうした装置における描画データは、CADシステムを用いて設計された半導体集積回路などの設計データ(CADデータ)に、補正や図形パターンの分割などの処理を施すことによって作成される。
例えば、図形パターンの分割処理は、電子ビームのサイズにより規定される最大ショットサイズ単位で行われ、併せて、分割された各ショットの座標位置、サイズおよび照射時間が設定される。そして、描画する図形パターンの形状や大きさに応じてショットが成形されるように、描画データが作成される。描画データは、短冊状のフレーム(主偏向領域)単位で区切られ、さらにその中は副偏向領域に分割されている。つまり、チップ全体の描画データは、主偏向領域のサイズにしたがった複数の帯状のフレームデータと、フレーム内で主偏向領域よりも小さい複数の副偏向領域単位とからなるデータ階層構造になっている。
副偏向領域は、副偏向器によって、主偏向領域よりも高速に電子ビームが走査されて描画される領域であり、一般に最小描画単位となる。副偏向領域内を描画する際には、パターン図形に応じて準備された寸法と形状のショットが成形偏向器により形成される。具体的には、電子銃から出射された電子ビームが、第1のアパーチャで矩形状に成形された後、成形偏向器で第2のアパーチャ上に投影されて、そのビーム形状と寸法を変化させる。その後、上述の通り、副偏向器と主偏向器により偏向されて、ステージ上に載置されたマスクに照射される。
電子ビーム描画装置では、パターン寸法が設計データの寸法と同一になるようにビーム照射量を変動させる補正処理が必要である。この処理は、近接効果、かぶり効果、ローディング効果といった、レジストパターンの寸法変動を引き起こす要因に対して行われる。ここで、近接効果とは、レジスト膜に照射された電子がガラス基板の内部で反射してレジスト膜を再照射する現象を言う。一方、かぶり効果は、レジスト膜に照射された電子がその表面で反射し、さらに電子ビーム描画装置の光学部品に反射した後、レジスト膜を広範囲に渡って再照射してしまう現象である。この現象は、レジスト膜に電子が照射されて発生した二次電子によっても引き起こされる。また、ローディング効果は、レジストパターンをマスクとして下層の遮光膜等をエッチングする際に、面内でのレジスト膜や遮光膜の面積の違いが原因となって起こる寸法変動を言う。近接効果の影響半径σが十数μm程度であるのに対して、かぶり効果の影響半径σは十mm程度、さらに、ローディング効果の影響半径σは十mm〜数十mmにも及ぶ。
特許文献2には、近接効果、かぶり効果およびローディング効果による寸法変動を同時に補正して照射量を求める手法が開示されている。この方法では、近接効果補正係数ηと、基準照射量Dbaseと、パターンの寸法CDとの関係を求めることが必要となる。具体的には、パターン面積密度Uの異なる複数のラインパターンを配置し、近接効果補正係数η、基準照射量Dbaseおよび近接効果の影響範囲σの各値を変えてパターンを描画する。次に、描画後のパターンの寸法CDを測定し、各パターンの寸法CDの差が最も小さくなるときの近接効果補正係数ηを求める。次いで、近接効果条件を満たす最適な近接効果補正係数ηと基準照射量Dbaseの組合せを求め、各組合せにおいて、各パターンの寸法CDの差が最も小さくなる影響範囲を最適な影響範囲σとする。以上の結果を基に線形補間を行い、最適な近接効果補正係数ηと基準照射量Dbaseと寸法CDとが、それぞれ連続的な相関となるようにする。
特開平9−293670号公報 特開2007−150243号公報
このように、特許文献2の方法では、最適な近接効果補正係数ηと基準照射量Dbaseと寸法CDとの関係は、描画実験を行なったDbaseとそのときの最適なηとCDの組を補間処理して求めている。ここで、描画実験はできるだけ多く行い、できるだけ多くの(Dbase,η,CD)の組を得ることが好ましい。しかしながら、現実には、測定時間などの制限があるために、補間処理に必要な最小限の組を求めるに留まっている。その結果、線形補間処理をした場合の誤差が大きくなり、目標とする補正寸法からのずれが大きくなるという問題があった。
近年、半導体デバイスのデザインルールが微細化、高精度化の一途を辿るなか、リソグラフィ技術に対する寸法精度(CD精度)に対する要求は厳しくなる一方である。特に、マスクヘの要求は非常に厳しいものとなっている。そこで、本発明は、こうした点に鑑み、補正処理の精度を高めて寸法変動を低減することのできる荷電粒子ビーム描画方法を提供することを目的とする。
本発明の他の目的および利点は、以下の記載から明らかとなるであろう。
本発明の第1の態様は、面積密度の異なる複数のパターンを荷電粒子ビームの基準照射量毎に近接効果補正係数を変えて描画し、描画後のパターンの寸法を測定する工程と、
基準照射量毎に、最適な近接効果補正係数と、この近接効果補正係数を用いて描画したときのパターンの設計寸法からのずれとを算出する工程と、
算出した近接効果補正係数と設計寸法からのずれの離散値を下記式でフィッティングする工程と、
η=η/erfc(ΔCD/2/σ)/2
(但し、erfcは誤差関数、ηは近接効果補正係数、ΔCDは寸法の設計寸法からのずれ、ηとσはフィッティングパラメータであって、それぞれ標準の近接効果補正係数と前方散乱の影響範囲を表す。)
フィッティングした結果を用いて、近接効果補正係数と設計寸法からのずれを補間および/または外挿する工程とを有することを特徴とする荷電粒子ビーム描画方法に関する。
本発明の第1の態様は、算出した近接効果補正係数と設計寸法からのずれの離散値をスプライン補間する工程をさらに有することが好ましい。
本発明の第2の態様は、面積密度の異なる複数のパターンを荷電粒子ビームの基準照射量毎に近接効果補正係数を変えて描画し、描画後のパターンの寸法を測定する工程と、
近接効果補正係数毎に、この近接効果補正係数を用いて描画したときのパターンの設計寸法からのずれと基準照射量とを算出する工程と、
算出した設計寸法からのずれと基準照射量の離散値を多項式でフィッティングする工程と、
フィッティングした結果を用いて、設計寸法からのずれと基準照射量を補間および/または外挿する工程とを有することを特徴とする荷電粒子ビーム描画方法に関する。
本発明の第2の態様は、算出した設計寸法からのずれと基準照射量の離散値をスプライン補間する工程をさらに有することができる。
本発明の第1の態様または第2の態様では、算出した離散値に重み付けをしてフィッティングすることが好ましい。
特に、算出した近接効果補正係数と設計寸法からのずれ、または、算出した基準照射量と設計寸法からのずれの内で、設計寸法からのずれが最大または最小となるものに重み付けをしてフィッティングすることが好ましい。
本発明によれば、補正処理の精度を高めて寸法変動を低減することができる。
本実施の形態の電子ビーム描画方法を示すフローチャートの一例である。 図1のS101を導出する手法の一例である。 本実施の形態において、面積密度の異なる複数のパターン毎に近接効果補正係数と寸法との関係を示した一例である。 本実施の形態において、寸法に対する近接効果補正係数と基準照射量の相関を示すグラフの一例である。 面積密度毎に、描画した際のパターン寸法と設計寸法とのずれを示した一例である。 本実施の形態の電子ビーム描画方法を示すフローチャートの一例である。 本実施の形態における電子ビーム描画装置の構成図である。 本実施の形態の電子ビームによる描画方法の説明図である。 本実施の形態における照射量演算方法を示す概念図である。
図1は、本実施の形態による電子ビーム描画方法を示すフローチャートである。
図1に示すように、電子ビーム描画方法は、面積密度U毎に照射量Dとパターン寸法CDの関係を描画実験により求める工程(S101)と、S101で得られた基準照射量毎に最適な近接効果補正係数を求めてCD(η,Dbase)を導出する工程(S102)と、得られた離散的なCD(η,Dbase)の値をフィッティングする工程(S103)と、フィッティング結果からCD(η,Dbase)を補間および/または外挿する工程(S104)と、S102で得られた離散的なCD(η,Dbase)をスプライン補間する工程(S105)と、S104とS105の結果からCD(η,Dbase)を定める工程(S106)と、面積密度U=50%での照射量D50を算出する工程(S107)と、Dbaseとηが所定値以下であるか否かを評価する工程(S108)と、iso−focul doseを用いてDbaseとηを算出する工程(S109)と、Dbaseとηの関係を評価する工程(S110)と、所定の描画範囲におけるパターンの寸法差ΔCD(設計寸法と実際の描画結果との差)毎に近接効果補正誤差を評価する工程(S111)と、描画工程(S112)という一連の工程を有する。
S101では、面積密度U毎に照射量Dとパターン寸法CDの関係が求められる。具体的には、まず、面積密度Uの異なる複数のパターンを電子ビームの照射量Dを変えて描画し、描画後のパターン寸法CDを測定して照射量Dとの関係を求める。ここで、複数のDbaseと近接効果補正係数ηの組を用い、D=Dbase(η、U)を変えて描画する。例えば、図2のように、面積密度Uが、約0%のラインパターンと、50%のラインパターンと、100%のラインパターンとが組になったパターンセットを配置し、電子ビームの照射量Dの値を変えてマスクに描画する。次いで、描画後の各パターンの線幅寸法CDを測定する。
S102では、実験で用いたDbase毎に最適なηを算出する。具体的には、図3に示すように、あるDbaseでのηと寸法CDの関係を面積密度毎に線形補間して定め、面積密度間の寸法差が最小となるηを最適値とする。このようにして、寸法CDに対する近接効果補正係数ηと基準照射量Dbaseとの相関関係CD(η、Dbase)を算出する。
S103では、S102で得られた相関関係CD(η、Dbase)をフィッティングする。すなわち、寸法CDとDbaseまたはηの離散的な組を適当な近似式でフィッティングして連続的な値を得る。ここで、本発明におけるフィッティングは、離散的な値に対し、連続的な関数の最良フィッティングパラメータまたは係数を決定するための数学的最適化法として理解される。この用語は、一般に、曲線フィッティング計算についての全ての数学的方法を包含する。こうした曲線フィッティング計算の目的は、データに対して最もよくフィットする関数を導出する点にある。
本発明者は、鋭意研究した結果、下記の(1)式をフィッティング関数として選択することにより、S102で得られた寸法CDと近接効果補正係数ηの関係を上手く表現できることを見出した。

η=η/erfc(ΔCD/2/σ)/2 (1)

ここで、erfcは誤差関数を示す。また、ηは近接効果補正係数、ΔCDはパターン寸法の設計寸法からのずれである。さらに、ηとσはフィッティングパラメータであって、それぞれ標準の近接効果補正係数と前方散乱の影響範囲を表す。
例えば、石英等の透明ガラス基板上に遮光層となるクロム膜を形成し、さらにクロム膜上にレジスト膜として、富士フィルム株式会社製のレジストFEP−171(商品名)を形成したマスクを用意する。そして、このレジストに対してS101、S102の工程を行う。得られた寸法CDと近接効果補正係数ηの関係は、式(1)のフィッティング関数によって上手く表現される。
また、本発明者は、寸法CDと基準照射量Dbaseの関係については、3次多項式によって上手く表現できることを見出した。したがって、S103、S104の工程においては、(a)算出した近接効果補正係数と設計寸法からのずれの離散値を式(1)でフィッティングする、および、(b)算出した設計寸法からのずれと基準照射量の離散値を多項式でフィッティングする、のいずれか一方または両方を行なうことができる。
式(1)のフィッティング関数は、パラメータがηとσのみであり、CD(Dbase)は3次多項式でフィッティングできる。よって、CD(η)、CD(Dbase)の関係に誤差があった場合にフィッティングを用いれば、この誤差を拾って補間するおそれを低減できる。また、CD(η)およびCD(Dbase)の組の数よりパラメータ数の方が十分に少ないと考えられるので、フィッティングする過程でこれらの組に含まれる誤差を低減または平均化できる。さらに、S101で描画した範囲外のCD(η)を外挿して求める場合、線形など単純な外挿に比べ誤差を低減することもできる。尚、S102で得られたCD(η,Dbase)には誤差が含まれていることを考慮すると、フィッティングして得られた値を用いる方が、外挿点付近の数個のデータを1次式等で外挿して得られる値を用いるよりも信頼性に高いと言える。
S104では、S103のフィッティング結果からCD(η,Dbase)を補間および/または外挿する。尚、本実施の形態では、S103およびS104に代えて、S102で得られた離散的なCD(η,Dbase)をスプライン補間して、CD(η,Dbase)の関係を求めてもよい(S105)。
次に、S104またはS105の結果からCD(η,Dbase)を定める(S106)。ここで、本実施の形態においては、S102で得られたCD(η,Dbase)をスプライン関数または式(1)等のフィッティング結果から補間し、式(1)の関数を用いてフィッティングした結果を用いて外挿することが好ましい。スプライン関数による補間とフィッティングによる外挿を組合せる場合、両者の相関性を高めるために、適当な重みを付けてフィッティングすることが好ましい。例えば、S102で得られたCD(η,Dbase)の内で、寸法差ΔCDの最大値および最小値に対応するデータの重みを大きくしてフィッティングを行う。これにより、補間と外挿の境界でデータが大きく変動するのを防ぐことができる。
本実施の形態においては、最小2乗法によるフィッティングや、別の誤差評価関数によるフィッティングを行ってもよい。関数の係数は、全ての値の対の偏差の2乗の和が最小になるように決定される。例えば、

y=a+ax+a+a

の3次多項式関数をフィッティング関数として選択する場合、係数a、a、aおよびaは、この関数の曲線ができる限り値の対に近接にフィットするように決定される。富士フィルム株式会社製のレジストPRL−009(商品名)の場合には、フィッティング関数として4次多項式を用いることにより、S102で得られたCD(η,Dbase)を上手く表現できる。尚、データの誤差をフィッティングで拾わないようにするため、フィッティングで使用する式の次数はできるだけ低い方が好ましい。それ故、予め次数の最大値を決めておき、この次数以下でフィッティングできないときには、エラーと判断して描画処理を停止することが好ましい。
S107では、S106で得られたCD(η,Dbase)を用いて、パターン面積密度50%のラインパターンの照射量D50を算出する。具体的には、D50=Dbase(η,U)の関係を用いて求め、(Dbase,η,CD,D50)の関係を求める。尚、上式において、Dは近接効果補正照射量である。
S108では、S107で求めた(Dbase,η,CD,D50)の関係から、寸法に対する相関連続線上の近接効果補正係数と基準照射量のうち、50%の面積密度となる線幅1対1のラインパターンにおける照射量がiso−focul doseと一致する近接効果補正係数と基準照射量の組合せ(Dbase,η)を求める。
S108において、(Dbase,η)が所定値以下、すなわち、描画条件の制限内であると判断した場合には、S109に進み、iso−focul doseを用いて(Dbase,η)を算出する(S109)。次いで、S110において、S109で得られた(Dbase,η)を用いたときの面積密度U毎のパターン寸法CDを予測して、(Dbase,η)の関係を評価する。例えば、実験で得られたDと寸法CDの関係を適当に補間してCDを求める。尚、Dbase、η、照射量のいずれかが所定値を超えている場合には、エラーと判断して描画処理を停止し、不正なパラメータで描画が行われるのを防ぐ。
図5は、面積密度U毎に、描画した際のパターン寸法と設計寸法とのずれを示した一例である。このグラフは、図4に示す寸法CD毎のDbaseとηの関係から、各寸法CDにおける面積密度毎の照射量Dを算出し、この照射量DとS106で得られた関係とを用いて求められる。尚、この例では、試料として、石英等の透明ガラス基板に遮光層となるクロム膜を形成し、クロム膜上にレジスト膜を形成したマスクを想定している。また、レジスト膜として、富士フィルム株式会社製のレジストFEP−171(商品名)を想定している。図5において、横軸は、基準照射条件における寸法からのずらし幅であり、縦軸は、近接効果補正後の目標寸法から実際の寸法を引いた値である。但し、図5では、レジストの種類に応じた寸法のばらつきを考慮していない。
図5を用いて、(Dbase,η)の関係を評価することができる。S111において、設計寸法からのずれが所定値以下であり許容範囲内と判断した場合には、(Dbase,η)の関係を用いて描画工程を行う(S112)。具体的には、基準照射量マップDbase(x,y)と近接効果補正係数マップη(x,y)を作成して、近接効果補正照射量D(x,y)を求め、この値から電子ビームの照射量を求める。そして、照射時間を算出して描画工程を行う。尚、S111において、目標寸法からのずれや近接誤差が所定値を超えている場合には、エラーと判断して描画処理を停止し、不正なパラメータで描画が行われるのを防ぐ。
図1は、ローディング補正を行わず近接効果補正のみを行う場合のフローである。次に、図6を用いて、近接効果補正とローディング補正を行う場合のフローについて説明する。
図6において、S201〜S207は、図1のS101〜S107と同様であるため、説明を省略する。
S208では、S207で求めた(Dbase,η,CD,D50)の関係から、寸法に対する相関連続線上の近接効果補正係数と基準照射量のうち、50%の面積密度となる線幅1対1のラインパターンにおけるiso−focul doseと一致する近接効果補正係数と基準照射量の組合せと、このときのパターン寸法CDisoとを求める。具体的には、ΔCD=CD−CDisoとして、(Dbase,η,CD)の関係から(Dbase,η,ΔCD)の関係を求める。このとき、CDをΔCDに置き換えるだけでもよいが、(Dbase,η,CD)の関係を補間して(Dbase,η,ΔCD)の関係を求めてもよい。
S208において、CD(η,Dbase)と照射量が所定値以下、すなわち、描画条件の制限内であると判断した場合には、S209に進み、iso−focul doseを用いてCD(Dbase,η)を算出する(S209)。次いで、S210において、S209で得られたCD(Dbase,η)を用いたときの面積密度U毎のパターン寸法CDを予測してCD(η,Dbase)の関係を評価する。例えば、実験で得られたDと寸法CDの関係を適当に補間してCDを求める。尚、CD(η,Dbase)と寸法予測値の差および照射量のいずれかが所定値を超えている場合には、エラーと判断して描画処理を停止し、不正なパラメータで描画が行われるのを防ぐ。
S210の評価は、図5の関係を用いて行える。そして、S211において、設計寸法からのずれが所定値以下であり許容範囲内と判断した場合には、CD(η,Dbase)の関係を用いて描画工程を行う(S212)。具体的には、基準照射量マップDbase(x,y)と近接効果補正係数マップη(x,y)を作成して、近接効果補正照射量D(x,y)を求め、この値から電子ビームの照射量を求める。そして、照射時間を算出して描画工程を行う。尚、S211において、設計寸法からのずれが所定値を超えている場合には、エラーと判断して描画処理を停止し、不正なパラメータで描画が行われるのを防ぐ。
以上のような描画方法により試料を描画することで、補正処理の精度を高めて寸法変動を低減することができる。
図7は、本実施の形態における電子ビーム描画装置の構成図である。
図7に示すように、電子ビーム描画装置は、試料に電子ビームで描画する描画部と、描画を制御する制御部とを有する。試料室1内には、試料であるマスク2が設置されるステージ3が設けられている。マスク2は、例えば、石英等の透明ガラス基板上に、遮光膜としてクロム膜が形成され、さらにこの上にレジスト膜が形成されたものである。本実施の形態では、レジスト膜に対して電子ビームで描画を行う。ステージ3は、ステージ駆動回路4によりX方向(紙面における左右方向)とY方向(紙面における垂直方向)に駆動される。ステージ3の移動位置は、レーザ測長計等を用いた位置回路5により測定される。
試料室1の上方には、電子ビーム光学系10が設置されている。この光学系10は、電子銃6、各種レンズ7、8、9、11、12、ブランキング用偏向器13、成形偏向器14、ビーム走査用の主偏向器15、ビーム走査用の副偏向器16、および、2個のビーム成型用アパーチャ17、18等から構成されている。
図8は、電子ビームによる描画方法の説明図である。この図に示すように、マスク2上に描画されるパターン51は、短冊状のフレーム領域52に分割されている。電子ビーム54による描画は、ステージ3が一方向(例えば、X方向)に連続移動しながら、フレーム領域52毎に行われる。フレーム領域52は、さらに副偏向領域53に分割されており、電子ビーム54は、副偏向領域53内の必要な部分のみを描画する。尚、フレーム領域52は、主偏向器15の偏向幅で決まる短冊状の描画領域であり、副偏向領域53は、副偏向器16の偏向幅で決まる単位描画領域である。
副偏向領域の基準位置の位置決めは、主偏向器15で行われ、副偏向領域53内での描画は、副偏向器16によって制御される。すなわち、主偏向器15によって、電子ビーム54が所定の副偏向領域53に位置決めされ、副偏向器16によって、副偏向領域53内での描画位置が決められる。さらに、成形偏向器14とビーム成型用アパーチャ17、18によって、電子ビーム54の形状と寸法が決められる。そして、ステージ3を一方向に連続移動させながら、副偏向領域53内を描画し、1つの副偏向領域53の描画が終了したら、次の副偏向領域53を描画する。フレーム領域52内の全ての副偏向領域53の描画が終了したら、ステージ3を連続移動させる方向と直交する方向(例えば、Y方向)にステップ移動させる。その後、同様の処理を繰り返して、フレーム領域52を順次描画して行く。
図7で、符号20は入力部であり、記憶媒体である磁気ディスクを通じて電子ビーム描画装置に、マスク2の描画データが入力される部分である。入力部20には、上述した第1のパターンと第2のパターンを電子ビームの照射量を変えて描画した結果や、ローディング効果補正係数γとローディング効果の影響範囲σのデータ、かぶり効果補正係数θとかぶり効果の影響範囲σのデータも入力される。
入力部20から読み出された情報に基づき、制御計算機19の第1の算出部において、第1のパターンの寸法と照射量の離散値をフィッティングして連続的な値が得られる。次に、制御計算機19の第2の算出部において、第1の算出部で得られた連続的な値から、面積密度の異なる複数の第1のパターン毎に近接効果補正係数と寸法との関係が求められる。そして、この関係から、第1のパターン間における寸法の差が最小となる近接効果補正係数と、この近接効果補正係数を用いたときのパターンの平均寸法とが求められる。
また、制御計算機19の第3の算出部において、第2のパターンの寸法と照射量の離散値をフィッティングして連続的な値が得られる。次に、制御計算機19の第4の算出部において、第3の算出部で得られた連続的な値から、面積密度の異なる複数の第2のパターン毎にかぶり効果補正係数と寸法との関係が求められ、この関係から第2のパターン間における寸法の差が最小となるかぶり効果補正係数が求められる。そして、後述する照射量算出部31cにおいて、近接効果補正係数とかぶり効果補正係数とを用いて電子ビームの照射量が算出される。
入力部20から読み出された描画データは、フレーム領域52毎にパターンメモリ21に一時的に格納される。パターンメモリ21に格納されたフレーム領域52毎のパターンデータ、すなわち、描画位置や描画図形データ等で構成されるフレーム情報は、描画データ補正部31で補正された後、データ解析部であるパターンデータデコーダ22と描画データデコーダ23に送られる。
描画データ補正部31は、ローディング効果補正寸法値算出部31aと、近接効果補正照射量算出部31bと、照射量算出部31cと、照射時間算出部31dと、かぶり効果補正照射量算出部31eとを有する。
かぶり効果補正照射量算出部31eは、かぶり効果補正の単位領域毎に、かぶり効果を補正する電子ビームのかぶり効果補正相対照射量D(x,y)を算出する。ここで、かぶり効果補正相対照射量D(x,y)は、かぶり効果補正の単位領域におけるパターン面積密度Uに依存したパターン密度依存値D(x,y)と、かぶり効果補正の単位領域のマスク面内位置に依存した位置依存値D(x,y)との影響を受ける。パターン密度依存値D(x,y)は、パターン面積密度U(x,y)、かぶり効果補正係数θ、近接効果補正係数ηとなるマスク面内座標xによる分布関数によって求められる。また、パターン密度依存値D(x,y)は、次のようにして求められる。例えば、試料として、石英などの透明ガラス基板に遮光層となるクロム膜とレジスト膜とがこの順に形成されたマスクを準備する。そして、このマスクの描画領域に対し、かぶり効果補正単位領域毎に、パターン面積密度が約0%のラインパターンと、50%のラインパターンと、100%のラインパターンとが組になったパターンセットを電子ビームで描画する。次いで、現像処理を行い、得られたレジストパターンの線幅寸法CDを測定する(測定1)。次に、レジストパターンをマスクとしたクロム膜のエッチングにより、クロム膜をパターニングし、得られたクロムパターンの線幅寸法CDを測定する(測定2)。測定1におけるパターンセット位置毎の各面積密度ラインパターンの線幅寸法CDの差を補正するための相対照射量を、マスク面内依存のかぶり効果補正相対照射量(位置依存相対値)D(x,y)とすればよい。そして、パターン密度依存値D(x,y)と位置依存値D(x,y)とのかぶり効果補正単位領域毎の積を、各かぶり効果補正単位領域におけるかぶり効果補正相対照射量D(x,y)とする。
また、かぶり効果補正照射量算出部31eは、各かぶり効果補正単位領域におけるかぶり効果補正相対照射量D(x,y)を、かぶり効果補正単位領域毎のかぶり効果補正相対照射量マップとして作成する。
ローディング効果補正寸法値算出部31aでは、ローディング効果補正単位領域(第2の領域)におけるローディング効果によるパターン線幅寸法のずれを補正する、ローディング効果補正寸法値CD(x,y)が算出される。次いで、このローディング効果補正寸法値CD(x,y)に基づいて、第2の領域における電子ビームの基準照射量マップが作成される。このマップは、図4に示すCD(η,Dbase)の関係から、ローディング効果補正寸法値CD(x,y)に対応する基準照射量マップDbase(x,y)を求めることにより作成される。
また、ローディング効果補正寸法値算出部31aでは、ローディング効果補正単位領域(第2の領域)におけるローディング効果補正寸法値CD(x,y)に基づいて、第2の領域における近接効果補正係数マップが作成される。このマップは、図4に示すCD(η,Dbase)の関係から、ローディング効果補正寸法値CD(x,y)に対応する近接効果補正係数マップη(x,y)を求めることにより作成される。
図4に示すCD(η,Dbase)の関係から、基準照射量マップDbase(x,y)と近接効果補正係数マップη(x,y)を求めることで、任意のパターンに対して同一の寸法値となる補正を実現できる。
近接効果補正照射量算出部31bでは、ローディング効果補正寸法値算出部31aで求めた基準照射量マップDbase(x,y)と近接効果補正係数マップη(x,y)から、近接効果補正単位領域(第1の領域)における近接効果補正照射量Dが算出される。
照射量算出部31cでは、実際の照射位置での電子ビームの照射量が算出される。すなわち、かぶり効果補正相対照射量D(x,y)と近接効果補正照射量Dに基づいて、電子ビームの照射量Dが求められる。
照射時間算出部31dでは、描画領域の各位置における電子ビームの照射時間Tが算出される。ここで、照射量Dは、照射時間Tと電流密度Jの積になるので、照射時間Tは、照射量Dを電流密度Jで徐することにより求められる。
パターンデータデコーダ22からの情報は、ブランキング回路24とビーム成型器ドライバ25に送られる。具体的には、パターンデータデコーダ22で上記データに基づいたブランキングデータが作成され、ブランキング回路24に送られる。また、所望とするビーム寸法データも作成されて、ビーム成型器ドライバ25に送られる。そして、ビーム成型器ドライバ25から、電子光学系10の成形偏向器14に所定の偏向信号が印加されて、電子ビーム54の寸法が制御される。
図7の偏向制御部30は、セトリング時間決定部29に接続し、セトリング時間決定部29は、副偏向領域偏向量算出部28に接続し、副偏向領域偏向量算出部28は、パターンデータデコーダ22に接続している。また、偏向制御部30は、ブランキング回路24と、ビーム成型器ドライバ25と、主偏向器ドライバ26と、副偏向器ドライバ27とに接続している。
描画データデコーダ23の出力は、主偏向器ドライバ26と副偏向器ドライバ27に送られる。そして、主偏向器ドライバ26から、電子光学系10の主偏向部15に所定の偏向信号が印加されて、電子ビーム54が所定の主偏向位置に偏向走査される。また、副偏向器ドライバ27から、副偏向器16に所定の副偏向信号が印加されて、副偏向領域53内での描画が行われる。
次に、電子ビーム描画装置による描画方法について説明する。
まず、試料室1内のステージ3上にマスク2を載置する。次いで、ステージ3の位置検出を位置回路5により行い、制御計算機19からの信号に基づいて、ステージ駆動回路4によりステージ3を描画可能な位置まで移動させる。
次に、電子銃6より電子ビーム54を出射する。出射された電子ビーム54は、照明レンズ7により集光される。そして、ブランキング用偏向器13により、電子ビーム54をマスク2に照射するか否かの操作を行う。
第1のアパーチャ17に入射した電子ビーム54は、第1のアパーチャ17の開口部を通過した後、ビーム成型器ドライバ25により制御された成形偏向器14によって偏向される。そして、第2のアパーチャ18に設けられた開口部を通過することにより、所望の形状と寸法を有するビーム形状になる。このビーム形状は、マスク2に照射される電子ビーム54の描画単位である。
電子ビーム54は、ビーム形状に成形された後、縮小レンズ11によって縮小される。そして、マスク2上における電子ビーム54の照射位置は、主偏向器ドライバ26によって制御された主偏向器15と、副偏向器ドライバ27によって制御された副偏向器16とにより制御される。主偏向器15は、マスク2上の副偏向領域53に電子ビーム54を位置決めする。また、副偏向器16は、副偏向領域53内で描画位置を位置決めする。
マスク2への電子ビーム54による描画は、ステージ3を一方向に移動させながら、電子ビーム54を走査することにより行われる。具体的には、ステージ3を一方向に移動させながら、各副偏向領域53内におけるパターンの描画を行う。そして、1つのフレーム領域52内にある全ての副偏向領域53の描画を終えた後は、ステージ3を新たなフレーム領域52に移動して同様に描画する。
上記のようにして、マスク2の全てのフレーム領域52の描画を終えた後は、新たなマスクに交換し、上記と同様の方法による描画を繰り返す。
次に、制御計算機19による描画制御について説明する。
制御計算機19は、入力部20で磁気ディスクに記録されたマスクの描画データを読み出す。読み出された描画データは、フレーム領域52毎にパターンメモリ21に一時的に格納される。
パターンメモリ21に格納されたフレーム領域52毎の描画データ、つまり、描画位置や描画図形データ等で構成されるフレーム情報は、描画データ補正部31で上記のようにして補正された後、データ解析部であるパターンデータデコーダ22と描画データデコーダ23を介して、副偏向領域偏向量算出部28、ブランキング回路24、ビーム成型器ドライバ25、主偏向器ドライバ26、副偏向器ドライバ27に送られる。
パターンデータデコーダ22では、描画データに基づいてブランキングデータが作成されてブランキング回路24に送られる。また、描画データに基づいて所望とするビーム形状データが作成されて副偏向領域偏向量算出部28とビーム成型器ドライバ25に送られる。
副偏向領域偏向量算出部28は、パターンデータデコーダ22により作成したビーム形状データから、副偏向領域53における、1ショットごとの電子ビームの偏向量(移動距離)を算出する。算出された情報は、セトリング時間決定部29に送られ、副偏向による移動距離に対応したセトリング時間が決定される。
セトリング時間決定部29で決定されたセトリング時間は、偏向制御部30へ送られた後、パターンの描画のタイミングを計りながら、偏向制御部30より、ブランキング回路24、ビーム成型器ドライバ25、主偏向器ドライバ26、副偏向器ドライバ27のいずれかに適宜送られる。
ビーム成型器ドライバ25では、光学系10の成形偏向器14に所定の偏向信号が印加されて、電子ビーム54の形状と寸法が制御される。
描画データデコーダ23では、描画データに基づいて副偏向領域53の位置決めデータが作成され、このデータは主偏向器ドライバ26に送られる。次いで、主偏向器ドライバ26から主偏向器15へ所定の偏向信号が印加されて、電子ビーム54は、副偏向領域53の所定位置に偏向走査される。
描画データデコーダ23では、描画データに基づいて、副偏向器16の走査のための制御信号が生成される。制御信号は、副偏向器ドライバ27に送られた後、副偏向器ドライバ27から副偏向器16に所定の副偏向信号が印加される。副偏向領域53内での描画は、設定されたセトリング時間が経過した後、電子ビーム54を繰り返し照射することによって行われる。
図9は、本実施の形態における照射量演算方法の流れの一例を示す概念図である。この図は、電子ビーム描画方法の中で、特に、電子ビーム照射量を算出するまでのフローを示している。
まず、グローバルな領域として、μm〜mmオーダー、例えば、0.5mm〜1mmの寸法でメッシュ状に分割されたかぶり効果補正用の単位領域(第1のメッシュ領域)を定義する。同様に、μm〜mmオーダー、例えば、0.5mm〜1mmの寸法でメッシュ状に分割されたローディング効果補正用の単位領域(第2のメッシュ領域)を定義する。ここでは、一例として、かぶり効果補正用の単位領域とローディング効果補正用の単位領域とを同じ寸法の領域として定義した例について説明する。すなわち、グローバルな領域としてμm〜mmオーダー、例えば、0.5〜1mmの寸法でメッシュ状に分割されたかぶり・ローディング効果補正用の単位領域を定義する。但し、これに限るものではなく、かぶり効果補正用の単位領域とローディング効果補正用の単位領域とを異なる寸法の領域として定義してもよい。また、ローカルな領域として、かぶり効果補正用の単位領域の寸法およびローディング効果補正用の単位領域の寸法よりも小さいμmオーダー、例えば、1μm以下の寸法でメッシュ状に分割された近接効果補正用の単位小領域(第3のメッシュ領域)を定義する。
上述したように、図7のかぶり効果補正照射量算出部31eは、かぶり・ローディング効果補正単位領域毎に、かぶり効果を補正する荷電粒子ビームのかぶり効果補正相対照射量D(x,y)を算出する。具体的には、まず、かぶり・ローディング効果補正単位領域におけるかぶり補正データV(x,y)を計算する。V(x,y)は、図9に示すように、次の式で求められる。
Figure 2010225811
g(x,y)は、かぶり効果の分布関数であり、かぶり効果の影響範囲σのガウス分布で近似できる。かぶり効果散乱半径はcmのオーダーであり、かぶり・ローディング効果補正単位領域をかぶり効果散乱半径の10分の1以下とすることで、V(x,y)は下記式から求められる。
Figure 2010225811
ρ(x,y)は、各かぶり・ローディング効果単位領域のパターン面積密度、Smeshは、かぶり・ローディング効果単位領域の面積である。ここで、かぶり補正用単位領域とローディング補正用単位領域とが異なる場合には、それぞれρ(x,y)を計算すればよい。
上述したように、かぶり効果補正相対照射量D(x,y)は、かぶり効果補正の単位領域におけるパターン面積密度Uに依存したパターン密度依存値D(x,y)と、かぶり効果補正の単位領域のマスク面内位置に依存した位置依存値D(x,y)との影響を受ける。したがって、パターン密度依存値D(x,y)と位置依存値D(x,y)とのかぶり効果補正単位領域毎の積を、各かぶり効果補正単位領域におけるかぶり効果補正相対照射量D(x,y)とする。
かぶり効果補正照射量算出部31eは、各かぶり効果補正単位領域におけるかぶり効果補正相対照射量D(x,y)に基づいて、かぶり効果補正単位領域毎のかぶり効果補正相対照射量マップを作成する。
図7のローディグ効果補正寸法値算出部31aは、各かぶり・ローディング効果補正単位領域におけるローディング効果によるパターン線幅寸法のずれを補正する補正寸法値CD(x,y)を計算する。ここで、ローディグ効果補正寸法値CD(x,y)は、かぶり・ローディング効果補正単位領域におけるパターン面積密度に依存したパターン密度依存値L(x,y)と、かぶり・ローディング効果補正単位領域のマスク面内位置に依存した位置依存値P(x,y)との影響を受ける。そこで、まず、パターン密度依存のローディグ効果補正寸法値(パタン密度依存値)L(x,y)を計算する。この値は、下記式から求められる。
Figure 2010225811
ローディグ効果補正係数γ、g(x,y)は、ローディング効果の分布関数である。ここでは、g(x,y)は、ローディング効果影響範囲(効果半径)σのガウス分布で近似できる。ローディング効果半径をcmのオーダーとし、かぶり・ローディング効果補正単位領域をローディング効果半径の10分の1以下とすることで、L(x,y)は次式から求められる。
Figure 2010225811
ρ(x,y)は、各かぶり・ローディング単位領域のパターン面積密度、Smeshは、かぶり・ローディング効果単位領域の面積である。
次に、実験により、位置依存のローディグ効果補正寸法値(位置依存値)P(x,y)を求める。かぶり効果補正相対照射量(位置依存相対値)D(x,y)を求める手法を参照して、測定2におけるパターンセット位置毎の線幅寸法CDから測定1におけるパターンセット位置毎の線幅寸法CDを引いた差分値を、位置依存のローディング効果補正寸法値(位置依存値)P(x,y)とすればよい。さらに、このローディング効果補正寸法値はパターンセット位置毎の値であるが、内挿してかぶり・ローディング効果単位領域毎の値となるようにすれば、より高精度なローディング効果補正寸法値P(x,y)を得ることができる。
パターン面積密度に依存したローディグ効果補正寸法値(パタン密度依存値)L(x,y)と、マスク面内位置に依存したローディグ効果補正寸法値(位置依存値)P(x,y)のかぶり・ローディング効果単位領域毎の和を、各かぶり・ローディング効果補正単位領域におけるローディグ効果補正寸法値CD(x,y)とする。パターン密度依存値だけではなく、位置依存値をも考慮することで、より高精度なローディグ効果補正寸法値を得ることができる。
ここで、かぶり・ローディング効果補正単位領域におけるローディグ効果補正寸法値は、ローディング効果に起因する寸法のみならず、エッチング起因以外のマスク面内不均一を補正するような寸法を加算しても好適である。例えば、現像装置における現像むらによる寸法不均一が挙げられる。
図7のローディグ効果補正寸法値算出部31aは、各かぶり・ローディング効果補正単位領域におけるローディグ効果補正寸法値CD(x,y)に基づいて、各かぶり・ローディング効果補正単位領域における電子ビーム54の基準照射量マップを作成する。このマップは、本実施の形態で得られたCD(η,Dbase)の関係から、ローディグ効果補正寸法値CD(x,y)に対応する基準照射量マップDbase(x,y)を求めて作成される。
ローディグ効果補正寸法値算出部31aは、各かぶり・ローディング効果補正単位領域におけるローディグ効果補正寸法値CD(x,y)に基づいて、各かぶり・ローディング効果補正単位領域における近接効果補正係数マップを作成する。このマップは、本実施の形態で得られたCD(η,Dbase)の関係から、ローディグ効果補正寸法値CD(x,y)に対応する近接効果補正係数η(x,y)を求めて作成される。そして、CD(η,Dbase)の関係から、基準照射量マップDbase(x,y)と近接効果補正係数マップη(x,y)を求めることで、任意のパタンカテゴリで同一な寸法値の補正を実現することができる。
図7の近接効果補正照射量算出部31bは、上記の基準照射量マップと近接効果補正係数マップとから、近接効果補正用の単位小領域における近接効果を補正する電子ビーム54の近接効果補正照射量Dを計算する。そして、実際の照射位置(x,y)での近接効果補正照射量Dを計算する。ここで、近接効果補正照射量Dは、実際の照射位置(x,y)を取り囲む周囲の4つの近接効果補正単位領域における近接効果補正照射量Dを使って内挿計算して求める。
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、種々変形して実施することができる。
例えば、本実施の形態で述べた荷電粒子ビーム描画装置は、フィッティングの精度を評価する評価部を有していてもよい。例えば、図7の入力部20に、得られたパラメータを用いて描画した際のパターン寸法と設計寸法を入力する。次いで、評価部において、図5に示すような関係を求める。この関係を基に、フィッティングの精度に問題があると判断した場合には、描画処理を停止する。これにより、予備段階で電子ビームの描画精度を判断することができる。
また、上記実施の形態では電子ビームを用いたが、本発明はこれに限られるものではなく、イオンビームなどの他の荷電粒子ビームを用いた場合にも適用可能である。
1 試料室
2 マスク
3 ステージ
4 ステージ駆動回路
5 位置回路
6 電子銃
7、8、9、11、12 各種レンズ
10 光学系
13 ブランキング用偏向器
14 成形偏向器
15 主偏向器
16 副偏向器
17 第1のアパーチャ
18 第2のアパーチャ
19 制御計算機
20 入力部
21 パターンメモリ
22 パターンデータデコーダ
23 描画データデコーダ
24 ブランキング回路
25 ビーム成形器ドライバ
26 主偏向器ドライバ
27 副偏向器ドライバ
28 副偏向領域偏向量算出部
29 セトリング時間決定部
30 偏向制御部
31 描画データ補正部
31a ローディング効果補正寸法値算出部
31b 近接効果補正照射量算出部
31c 照射量算出部
31d 照射時間算出部
31e かぶり効果補正照射量算出部
51 描画されるパターン
52 フレーム領域
53 副偏向領域
54 電子ビーム




Claims (5)

  1. 面積密度の異なる複数のパターンを荷電粒子ビームの基準照射量毎に近接効果補正係数を変えて描画し、描画後のパターンの寸法を測定する工程と、
    前記基準照射量毎に、最適な近接効果補正係数と、この近接効果補正係数を用いて描画したときの前記パターンの設計寸法からのずれとを算出する工程と、
    算出した前記近接効果補正係数と前記設計寸法からのずれの離散値を下記式でフィッティングする工程と、
    η=η/erfc(ΔCD/2/σ)/2
    (但し、erfcは誤差関数、ηは近接効果補正係数、ΔCDは寸法の設計寸法からのずれ、ηとσはフィッティングパラメータであって、それぞれ標準の近接効果補正係数と前方散乱の影響範囲を表す。)
    前記フィッティングした結果を用いて、前記近接効果補正係数と前記設計寸法からのずれを補間および/または外挿する工程とを有することを特徴とする荷電粒子ビーム描画方法。
  2. 算出した前記近接効果補正係数と前記設計寸法からのずれの離散値をスプライン補間する工程をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の荷電粒子ビーム描画方法。
  3. 面積密度の異なる複数のパターンを荷電粒子ビームの基準照射量毎に近接効果補正係数を変えて描画し、描画後のパターンの寸法を測定する工程と、
    前記近接効果補正係数毎に、この近接効果補正係数を用いて描画したときの前記パターンの設計寸法からのずれと基準照射量とを算出する工程と、
    算出した前記設計寸法からのずれと前記基準照射量の離散値を多項式でフィッティングする工程と、
    前記フィッティングした結果を用いて、前記設計寸法からのずれと前記基準照射量を補間および/または外挿する工程とを有することを特徴とする荷電粒子ビーム描画方法。
  4. 算出した前記設計寸法からのずれと前記基準照射量の離散値をスプライン補間する工程をさらに有することを特徴とする請求項3に記載の荷電粒子ビーム描画方法。
  5. 算出した前記離散値に重み付けをしてフィッティングすることを特徴とする請求項2または4に記載の荷電粒子ビーム描画方法。
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