JP5480014B2 - 床構造及び固定具 - Google Patents

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Description

本発明は、鉄骨等の梁部材にALC等からなる床板部材を固定する床構造及び当該床構造に用いられる固定具に関する。
従来、床板部材と梁部材との取合いにおいては、例えば特許文献1に示す如く、H型鋼からなる梁部材のフランジ上に平板状の床板部材を載置し、該床板部材に貫通孔を形成すると共に、当該貫通孔にL字状の固定治具の一方の軸部を挿通すると共に他方の軸部を梁部材のフランジの下方に位置付け、床板部材の上部にて該一方の軸部にナットを締め込むことで当該固定治具とナットとで床板部材と梁部材とを狭持する構成が公知である。かかる固定治具においては、先ず、作業者は床板部材の下方から固定治具の一方の軸部を貫通孔に挿通すると共に、他方の軸部をフランジ下方に位置付け、その後、床板部材の上方に回り込んで固定治具の一方の軸部をナットにて締め込む作業が必要となり、作業者が床板部材の下方と上方とを行き交うこととなり、施工性が悪いという問題がある。
かかる問題を解消すべく、床板部材の下方側の作業を一の作業者に任せると共に、床板部材の上方側での作業を他の作業者に依頼することが考えられるが、作業者が2人以上必要となってコスト管理の観点からも好ましくない。また、床下空間が著しく狭い等、床の下方に回りこめない工法を採用する場合には、この種の固定方法を採用することができないという問題がある。
ところで、特許文献2には、梁に取り付けられた取付部材の所定位置に設けられた取付穴と、該取付穴に装着されて回転したとき端部が躯体の一部に当接して回転を阻止される板状片と、前記板状片に形成された穴に対し回転不能に挿通されるボルトを有し、板状片の穴にボルトを回転不能に挿通し、さらに、該ボルトに壁パネルの貫通穴を嵌合すると共に壁パネルの表面側からボルトにナットを締結して該壁パネルを躯体に取り付けるパネル取付構造が開示されており、上記問題を解決すべく、かかる構成を上記特許文献1の床板部材の梁部材への固定に適用することが考えられる。すなわち、特許文献1の固定治具の他方の端部を板状片として梁部材の一部に当接して回転を阻止できる構成とすることで、床板部材の上方からの作業のみで床板部材を梁部材に固定することができる。
特開2007-254959号公報 特開2004-278680号公報
しかしながら、上記特許文献2の構成においては、板状片が平板状に形成されているため、上述の如く単に特許文献2の構成を特許文献1の構成に適用する場合、フランジ下方に板状片を位置付けると、板状片が床板部材の下面を擦った状態で回転するため、板状片をナットの締め込みに伴って供回りさせ難く、これによって板状片の位置がフランジ下方に位置していない状態でボルトが締め込まれてしまうことが考えられ、梁部材に床板部材を固定されないままボルトが締め込まれてしまう虞がある。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、床板部材を梁部材上に設置するに際し、床板部材の上方のみから取付け作業を行う場合にも、確実に床板部材を梁部材に固定することができる床構造及び該床構造に用いる固定具を提供することを目的とする。
(1)本発明に係る床構造は、梁部材と、該梁部材上に載置される床板部材と、該床板部材を梁部材に固定する固定具とを備え、前記梁部材は、前記床板部材を受けるフランジと、該フランジから垂下されるウェブとを備え、前記床板部材には、前記フランジと重なり合わない位置に表裏を貫通する貫通孔が設けられており、前記固定具は、前記貫通孔に挿通される軸状に形成されて前記床板部材表面側にてナットに締め込まれる雄螺子部を上端部に備える主軸部と、少なくとも前記床板部材を前記梁部材上に載置した状態で前記貫通孔から梁部材のウェブまでの長さよりも大きく前記主軸部の径外方向に延出して前記フランジ下方に達し、且つ、前記主軸部に対する前記ナットの締込みに伴って前記フランジを前記床板部材に圧着させる横軸部とを備え、前記主軸部と横軸部の間のなす角が鋭角に形成され、前記横軸部は、前記梁部材のフランジに接する先端部を除いて梁部材及び床板部材から離間していることを特徴としている。
上記構成からなる床構造の施行に際し、固定具の主軸部を床板部材の貫通孔に挿通させ、床板部材上に突出する主軸部の雄螺子部とナットとを仮締めした状態で当該床部材を梁部材上に載置し、その後、ナットを本締めすることにより、当該固定具はナットの回転に伴って供回りし、やがて横軸部は梁部材のフランジの下方に回り込み、先端部がウェブに当接して供回りが止められることとなる。
その後、さらにナットを締め込んでいくことで、固定具の主軸部に対してナットのみが回転し、これによって、ナットが固定具の雄螺子部に締め込まれていき、これに伴って固定具の横軸部は梁部材のフランジを床板部材に向けて押圧することとなる。この結果、梁部材が床板部材に圧着され、これによって、床板部材は梁部材に固定されることとなる。
かかる工程において、固定具の横軸部は、主軸部との間で有角状に形成されているため、上記ナットの締め込み工程において、固定具は梁部材のフランジに接触する横軸部の先端部を除いて梁部材及び床板部材から離間しているので、固定具とこれら梁部材や床板部材との間に摩擦力が生じる虞はなく、固定具をナットの締め込み初期において容易に供回りさせ、これによって横軸部を確実に梁部材のフランジの下方に回りこませ、ウェブに当接させて供回りを終了させることが可能となる。
従って、上記構成からなる床構造においては、床板部材の上方のみから取付け作業を行う場合にも、確実に床板部材を梁部材に固定することができる。
また、固定具は、横軸部と主軸部との間のなす角が鋭角状に形成され、貫通孔に挿通された状態で横軸部の基端部が床板部材の下面から離間するため、主軸部を屈曲させて横軸部を形成する場合には、当該屈曲の湾曲率を大きく取ることができ、容易に形成することができるものとなる。また、主軸部に横軸部を溶接接合により形成する場合でも、当該溶接部の余盛り部分を床板部材に接触した状態に形成することができ、容易に固定具を形成することがきるのみならず、係る固定具であっても床板部材との接触を可及的抑制することができるものとなる。
(2)また、前記主軸部の上端には、前記横軸部の先端部の位置を判断可能な判断手段が設けられていることが好ましい。該判断手段により、横軸部が床板部材の下方に位置する場合であっても、床板部材の上方から横軸部の先端部の位置を容易に確認することができ、主軸部へのナットの本締めの可否の判断を容易に行うことができる。
(3)また、前記床板部材の上面には、ナットを収容するための座彫り部が凹設されており、前記固定具の主軸部に形成される雄螺子部は、当該座彫り部の深さを最大として前記主軸部の先端部に形成されていることが好ましい。
これによれば、固定具の主軸部に対してナットを最大限締めこんだとしても、主軸部の上端部は座彫り部内に位置して床板部材の上面よりも上方に突出することがなく、床板部材表面の平坦さを維持することが可能となる。また、ナットを最大限締め込むと、ナットの下面が主軸部に当接し、これによって、充分な締め付けトルクが得られるのみならず、ナットの過度な締め込みも防止されることとなる。これによって、当該ナットの締め込みに伴う過剰な挟持力を当該ナットと横軸部の先端部との間で発生させることを防止することが可能となっている。
(4)また、前記床板部材の貫通孔には、内周壁面を保護するスリーブが嵌挿されていることが好ましい。貫通孔内にスリーブを設けることにより、当該主軸部による押圧力はスリーブによって受け止められ、これによって貫通孔の内壁の損傷を防止することができる。
(5)また、前記ナットには、前記床板部材の上面を保護する鍔部が設けられていることが好ましい。これによれば、ナットと床板部材との接触面積が拡大することとなり、ナットの締め付けに伴う押圧力は鍔部の分だけ分散されることとなり、この結果、床板部材の損傷を防止することができる。
(6)また、前記ナットと床板部材との間には、少なくとも当該ナットの外径よりも幅広に形成される座金が設けられていることが好ましい。
これによれば、ナットの締め付けに伴ってナットと床板部材との間で過度の押圧力を床板部材に受けるとしても、これらの間にナットよりも接触面積の大きい座金が設けられるので、当該押圧力は弱められて床板部材に伝達され、これによって床板部材の損傷を防止することができる。
(7)また、前記固定具の横軸部は、前記梁部材のウェブ及びフランジに接する先端部が突円弧状に形成されていることが好ましい。
これによれば、固定具の横軸部の先端部は、梁部材のフランジに点状に接触することとなって接触領域を可及的小さく且つ摩擦力の発生し難い状態となるので、ナットの締め込みに伴う固定具の供回りを良好に発生させることができる。また、当該突円弧状の部分がウェブ及びフランジに接触することとなるので、締め込みに伴い横軸部の先端部がウェブやフランジの表面を擦る場合であっても、これらの表面に傷が入ってしまうことを抑制することが可能となっている。
(8)また前記固定具の横軸部は、前記梁部材のフランジに接する先端部に所定の押圧力を受けることで、前記主軸部から離間する方向に塑性変形することが好ましい。
これによれば、固定具がナットの締め込みに伴って塑性変形することとなり、よりナットによる締め込み力を高めることができるのみならず、横軸部が先端部のみならず先端部から所定の範囲に亘って梁部材のフランジに面接触することとなり、固定具による床板部材の梁部材への固定をさらに強固なものとすることができる。
(9)また、本発明にかかる固定具は、フランジと、該フランジから垂下されるウェブとを備える梁部材のフランジ上に載置される床板部材を当該梁部材に固定する固定具であって、前記床板部材に形成される貫通孔に挿通される軸状に形成されて床板部材上にてナットに締め込まれる雄螺子部を上端部に備える主軸部と、少なくとも前記床板部材を前記梁部材上に載置した状態で前記貫通孔から梁部材のウェブまでの長さよりも大きく前記主軸部の径外方向に延出して前記フランジ下方に達し、且つ、前記主軸部に対するナットの締込みに伴って前記フランジを床板部材に圧着させる横軸部とを備え、前記主軸部と横軸部の間のなす角が鋭角に形成されていることを特徴としている。
上記構成からなる固定具は、横軸部が主軸部との間で有角状に形成されているため、ナットの締め込み工程において、梁部材のフランジに接触する先端部を除いて梁部材及び床板部材から離間しているので、固定具とこれら梁部材や床板部材との間の摩擦力が生じる虞がなく、固定具をナットの締め込み初期において容易に供回りさせ、これにより横軸部を確実に梁部材のフランジの下方に回りこませ、ウェブに当接させて供回りを終了させることが可能となる。その後、さらにナットを締め込んでいくことで、固定具の主軸部に対してナットのみが回転し、これによって、ナットが固定具の雄螺子部に締め込まれ、これに伴い固定具の横軸部は梁部材のフランジを床板部材に向けて押圧することとなる。この結果、梁部材が床板部材に圧着され、これにより床板部材は梁部材に固定されることとなる。
従って、上記構成からなる固定具を用いることにより、床板部材の上方のみから取付け作業を行う場合にも、確実に床板部材を梁部材に固定することができる。
また、固定具は、横軸部と主軸部との間のなす角が鋭角状に形成され、貫通孔に挿通された状態で横軸部の基端部が床板部材の下面から離間するため、主軸部を屈曲させて横軸部を形成する場合には、当該屈曲の湾曲率を大きく取ることができ、容易に形成することができるものとなる。また、主軸部に横軸部を溶接接合により形成する場合でも、当該溶接部の余盛り部分を床板部材に接触した状態に形成することができ、容易に固定具を形成することがきるのみならず、係る固定具であっても床板部材との接触を可及的抑制することができるものとなる。
本発明にかかる床構造及び該床構造に用いられる固定具よれば、床板部材を梁部材上に設置するに際し、床板部材の上方のみから取付け作業を行う場合にも、適正な狭持力を付与して確実に床板部材を梁部材に固定することできる。
本発明の一実施形態に係る床構造の縦断面図である。 本発明の一実施形態に係る固定具を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る固定具による床構造の施行方法を説明する図である。 図3の床構造を床板部材の平面方向から見た図である。 本発明の別実施形態に係る床構造の断面図である。
A 床構造
1 梁部材
2 床板部材
3 固定具
4 ナット
5 フランジ
6 ウェブ
7 断熱材
8 貫通孔
9 座彫り部
10 主軸部
11 横軸部
12 雄螺子部
13 先端部
14 判断手段
15 鍔部
16 座金
17 スリーブ
以下に、実施形態に基づいて本発明に係る床構造及び固定具について詳細に説明するが、これらの実施形態は本発明の理解を助けるために記載するものであって、本発明を記載された実施形態に限定する趣旨で無いことは自明である。
本実施形態に係る床構造Aは、図1に示すように、梁部材1と、該梁部材1上に載置される床板部材2と、該床板部材2を梁部材1に固定する固定具3と、該固定具3に螺合するナット4とを備えている。
梁部材1は、H型鋼により形成されており、床板部材2を受けるフランジ5と、該フランジ5から垂下されるウェブ6とを備えている。
また、梁部材1の外側に断熱材7が設置されている。これにより、床板部材2の下方は断熱材7により包囲されることとなり、当該床板部材2下方の床下空間を床板部材2上方の居住空間に近い温熱環境に維持することが可能となっている。
また、床板部材2は、ALC(Autoclaved Light-weight Concrete;軽量気泡コンクリート)製の平板状に形成されており、周縁部が梁部材1のフランジ4上に載置されることで梁部材1に支持されるものとなっている。また、床板部材2には、梁部材1のフランジ4上に載置された状態で当該フランジ4と重なり合わない位置に、表裏を貫通する貫通孔8が設けられている。また、床板部材2の表面側には、貫通孔8の周縁部となる位置に座彫り部9が凹設されている。
固定具3は、梁部材1上に載置される床板部材2を当該梁部材1に締結固定する部材であって、図1及び図2(a)に示すように、床板部材2の貫通孔8を挿通可能な径を有する鉄筋等の直線状の軸部材を屈曲形成して構成されており、主軸部10と、該主軸部10の下端部から屈曲形成されて当該主軸部10の径外方向に延在する横軸部11とを備えている。また、主軸部10と横軸部11との間のなす角θが鋭角になるように屈曲形成がなされる。あるいは、主軸部10と横軸部11とを別々に形成し、溶接等により一体とした構成としてもよい。この場合、横軸部11を平板状の部材により構成してもよいが、横軸部11と主軸部10との間の角θが鋭角であることが必要である。
主軸部10には、上端部に雄螺子部12が形成されている。当該雄螺子部12の長さは、床板部材2に形成された座彫り部9の深さと同一若しくは僅かに小さいものとなっている。これにより、固定具3の主軸部10に対してナット4を最大限締めこんだとしても、主軸部10の上端部は座彫り部9内に位置して床板部材2の上面よりも上方に突出することがなく、床板部材2表面の平坦さを維持することが可能となる。
また、主軸部10の上端には、横軸部11の先端部13の位置を判断可能なマーキング(判断手段)14が設けられている。該マーキング14により、横軸部11の先端部13の位置を容易に確認することができ、主軸部10へのナット4の本締めの可否の判断を容易に行うことができる。該マーキング14は、図2(b)に例示するように、主軸部10の上面に形成されたものが好ましく、固定具3を床板部材2に取り付けた状態であっても、床板部材2の上面部より横軸部11の先端部の方向が判断できるものであれば、どのようなものであってもよい。
横軸部11は、主軸部10との間でなす角θを鋭角状として主軸部10の先端部13から屈曲形成して延在している。また、図2に示す如く、当該主軸部10から横軸部11の先端部13までの長さLは、少なくとも床板部材2を梁部材1のフランジ5上に載置した状態での貫通孔8から梁部材のウェブ6までの長さよりも大きなものとされている。
また、横軸部11は、前記梁のフランジ5に接する先端部13が曲面形状に形成されている。先端部13を曲面形状に形成することにより、横軸部11の先端部13は、梁部材1のフランジ5に点状に接触することとなって接触領域を可及的小さく且つ摩擦力の発生し難い状態となるので、ナット4の締め込みに伴う固定具3の供回りを良好に発生させることができる。
また、固定具3は、主軸部10の長さが床板部材2の貫通孔8に挿通され、ナット4を雄螺子部12の最下部まで締め込んだ状態で横軸部11の先端部13と床板部材2の間の間隔を梁部材1のフランジ5の厚さと同一か僅かに小さなものとなる長さに設定されている。これにより、固定具3は横軸部11の先端13部以外は床板部材2の裏面や梁部材1のウェブ6に一切接触しないものとなり、これによって、ナット4の螺合による固定具3の供回りを良好に発生させることができるものとなる。
また、図1に示す如く、固定具3の主軸部10の雄螺子部12に螺合するナット4は、床板部材2の上面を保護する鍔部15が設けられている。これにより、ナット4と床板部材2との接触面積が拡大することとなり、ナット4の締め付けに伴う押圧力は鍔部15の分だけ分散されることとなり、この結果、床板部材2の損傷を防止することができる。
また、ナット4と床板部材2との間には、少なくとも当該ナット4よりも床板部材2への接触面積を大とする座金16が設けられている。
該座金16を介することにより、ナット4の締め付けに伴ってナット4と床板部材2との間で過度の押圧力を床板部材2に受けるとしても、これらの間にナット4よりも接触面積の大きい座金16が設けられるので、当該押圧力は分散して床板部材2に伝達され、これによってナット7の締め込みに伴う床板部材2の損傷を防止することができる。
また、図1に示すように、床板部材2の貫通孔8は、内周壁面を保護するスリーブ17が嵌挿されている。また、該スリーブ17は単なる円筒状の部材であってもよいが、本実施形態においては、床板部材2を保持すべく、図1に示す如く、ナット4と対向することとなる一端に鍔が設けられている。
固定具3の横軸部11の先端部13を梁部材1のフランジ5に当接させた状態でナット4を主軸部10に対して本締めしていくと、当該横軸部11を支点として主軸部10が貫通孔8内にて傾斜してしまう軸ずれが発生してしまうことが考えられる。床板部材2は、圧縮強度を3〜5N/mm2として圧縮に対する強度がそれほど大きくないALCを用いているので、上記軸ずれにより当該主軸部10が貫通孔8内の内壁に点接触又は線接触した状態で当該内壁を大きな荷重によって押圧すると、これに伴って、貫通孔8の内周壁を損傷させてしまうことが考えられる。これに対し、貫通孔8内にスリーブ17を設けることにより、当該主軸部10による押圧力はスリーブ17によって受け止められ、これによって貫通孔8の内壁の損傷が防止されるものとなる。また、当該スリーブ17内に主軸部10が挿通されるため、主軸部10の姿勢はスリーブ17により矯正されることとなり、上述の如き軸ずれの発生や進行も可及的抑制されるものとなる。
次に、本発明に係る床構造Aの施行方法について、図3及び4を用いて説明する。
1.先ず、図3(a)に示す如く、床板部材2の裏面側から貫通孔8に固定具3の主軸部10を挿通し、当該主軸部10の雄螺子部12を床板部材2の表面側に露出させ、該雄螺子部12にナット4を仮締めする。現段階ではナット4は仮締めであるので、固定具3は主軸部10の軸心廻りに自由に回転するものとなっている。また、この状態での固定具3の先端部13と床板部材2の裏面の間との間隔は、少なくとも梁部材1のフランジ5の厚さ以上に設定されるものとなる。この様に床板部材2に固定具3を取り付けた後、床板部材2を梁部材1上に載置する。
なお、図4(a)は、梁部材1へ床板部材2を載置した状態を床板部材2の上面方向から見た図であり、固定具3の横軸部10は梁部材1と接触しない方向へ位置している。
2.梁部材1へ床板部材2を載置した後、ナット4を締める方向へ回転させ、ナット4を本締めする。これにより、固定具3がナット4と共に回転し、横軸部11の先端部13がウェブ6に当接する(図3(b)及び図4(b))。この時、先端部13がウェブ6に当接したかどうかの判断は、判断手段14によって確実に行える。
なお、この状態では、横軸部11の先端部13とフランジ5の下部との間隔が1ないし5mm程度であることが好ましい。
3.ナット4をさらに締め込んで行くことにより、横軸部11の先端部13がフランジ5の下面に当接し、その後も本締めを継続することで、当該横軸部11の先端部13が梁部材1のフランジ5を押圧し、これによってフランジ5が床部材2に圧着されるものとなる(図3(c))。この様に床板部材2と梁部材1のフランジ5とが固定具3とナット4により締結されることで、当該施工を完了する。
上記図3(b)の状態から図3(c)の状態までは、図4(b)に示すように、横軸部11はウェブ6に接触した状態にある。
以上説明したように、本実施形態に係る床構造Aの施工に際し、固定具3の横軸部11が主軸部10との間で有角状に形成されているため、上記ナット4の締め込み工程において、固定具3は梁部材1のフランジ5に接触する横軸部11の先端部13を除いて梁部材1及び床板部材2から離間しているので、固定具3とこれら梁部材1や床板部材2との間に摩擦力が生じる虞はなく、固定具3をナット4の締め込み初期において容易に供回りさせ、これによって横軸部11を確実に梁部材1のフランジ5の下方に回りこませ、ウェブ6に当接させて供回りを終了させることが可能となる。
従って、上記構成からなる床構造Aにおいては、床板部材2の上方のみから取付け作業を行う場合にも、確実に床板部材2を梁部材1に固定することができる。
また、固定具3の主軸部10と横軸部11の間のなす角θが鋭角状であるため、横軸部11がフランジ5を押圧する際に当該横軸部11に作用する反力の一部は主軸部10の径方向に流れることとなり、これによって、当該横軸部11に作用するモーメントを減じてナット4の締め込みに伴うトルクの付与による横軸部11の変形を抑制することが可能となっている。
以上の説明のように、固定具3は、横軸部11と主軸部10との間のなす角θが鋭角状に形成され、貫通孔8に挿通された状態で横軸部11の基端部が床板部材2の下面から離間するため、主軸部10を屈曲させて横軸部11を形成する場合には、当該屈曲の湾曲率を大きく取ることができ、容易に形成することができるものとなる。また、主軸部10に横軸部11を溶接接合により形成する場合でも、当該溶接部の余盛り部分を床板部材2に接触した状態に形成することができ、容易に固定具3を形成することがきるのみならず、係る固定具3であっても床板部材2との接触を可及的抑制することができるものとなる。
また、本実施形態の如く主軸部10を屈曲させて横軸部11を形成する構成では、当該屈曲部の剛性は著しく高められる。かかる性質を利用して、主軸部10の長さ又は横軸部11と主軸部10の間のなす角θの角度を調節すると、図3(d)に示す如く、ナット4の締め込みに伴って主軸部10が上昇し、それによって横軸部11の基端から中軸部が弾性変形をした状態で先端部13が上フランジを押圧するものとなる。これによって、固定具3からフランジ5には、常に横軸部11の当該弾性変形部を介して荷重が作用することとなり、適正な荷重でフランジと床板部材を挟み込むことができるのみならず、当該弾性変形部が衝撃や振動を吸収するものとして機能するものとなり、当該固定具3よる固定状態が長期に亘って維持されるものとなる。
このように、本実施形態によれば、床板部材2を梁部材1上に設置するに際し、床板部材2の上方のみから取付け作業を行う場合にも、適正な狭持力を付与して確実に床板部材2を梁部材1に固定されるものとなる。
また、主軸部10の上端には、横軸部11の先端部13の位置を判断可能な判断手段14が設けられているため、該判断手段14により、横軸部11が床板部材2の下方に位置する場合であっても、床板部材2の上方から横軸部11の先端部13の位置を容易に確認することができ、主軸部10へのナット4の本締めの可否が容易に判断されるものとなる。
また、床板部材2の上面には、ナット4を収容するための座彫り部9が凹設されているので、固定具3の主軸部10に対してナット4を最大限締めこんだとしても、主軸部10の上端部は座彫り部9内に位置して床板部材2の上面よりも上方に突出することがなく、床板部材2の表面よりも固定具の上端部が突出することが回避され、当該床板部材2の表面の平坦さは維持されるものとなる。また、ナット4を最大限締め込むと、ナット4の下面が主軸部10に当接し、これによって、充分な締め付けトルクが得られるのみならず、ナット4の過度な締め込みも防止されることとなる。これによって、当該ナット4の締め込みに伴う過剰な挟持力の発生は回避されるものとなる。
また、床板部材2の貫通孔8には、内周壁面を保護するスリーブ17が嵌挿されていることにより、当該主軸部10による押圧力はスリーブ17によって受け止められ、これによって貫通孔8の内壁の損傷を防止することができる。
また、ナット4に床板部材2の上面を保護する鍔部15が設けられていることにより、ナット4と床板部材2との接触面積が拡大することとなり、ナット4の締め付けに伴う押圧力は鍔部15の分だけ分散されることとなり、この結果、ナット4の締め込みに伴う床板部材2の損傷は防止されるものとなる。
また、ナット4と床板部材2との間に、少なくとも当該ナット4の外径よりも幅広に形成される座金16が設けられていることにより、ナット4の締め付けに伴ってナット4と床板部材2との間で過度の押圧力を床板部材2に受けるとしても、これらの間にナット4よりも接触面積の大きい座金が設けられるので、当該押圧力は分散されて床板部材2に伝達され、これによっても床板部材2の損傷が防止される。
また、固定具3の横軸部11が梁部材1のウェブ6及びフランジ5に接する先端部13が突円弧状に形成されていることにより、固定具3の横軸部11の先端部13は、梁部材1のフランジ5に点状に接触することとなって接触領域を可及的小さく且つ摩擦力の発生し難い状態となるので、ナット4の締め込みに伴う固定具3の供回りが良好に生じるものとなる。また、当該突円弧状の部分がウェブ6及びフランジ5に接触することとなるので、締め込みに伴い横軸部11の先端部13がウェブ6やフランジ5の表面を擦る場合であっても、これらの表面に傷が入ってしまうことを抑制することが可能となっている。
以上、本発明の特に好ましい実施形態を説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、様々な変形態様で実施することが可能である。
例えば、図5に示す如く、固定具3を形成する棒材の組成を調整することで、ナット4の本締め後にさらにナット4を締め込んで横軸部11の先端部13に所定の押圧力を付与することにより、横軸部11を主軸部10から離間する方向に塑性変形させる固定具3を採用することも可能である。かかる固定具3であれば、上記3.の工程後、さらにナット4を締め込んでいくと、当該先端部13に作用する荷重が上記所定の押圧力に達し、これに伴って固定具3の横軸部11は主軸部10から離間する方向に変形しつつ先端部13のみならず当該先端部13から基端部に向かう中途部までが梁部材1のウェブ6に接触し、横軸部11が梁部材1のウェブ6に線接触した状態で梁部材1と床板部材2とがこれら固定具3とナット4に狭持される。
また、本実施形態を1階床の床部材を固定するのみならず、2階やR階等、他の階の床部材を固定する場合にも採用することが可能である。

Claims (9)

  1. 梁部材と、該梁部材上に載置される床板部材と、該床板部材を梁部材に固定する固定具とを備え、
    前記梁部材は、前記床板部材を受けるフランジと、該フランジから垂下されるウェブとを備え、
    前記床板部材には、前記フランジと重なり合わない位置に表裏を貫通する貫通孔が設けられており、
    前記固定具は、前記貫通孔に挿通される軸状に形成されて前記床板部材表面側にてナットに締め込まれる雄螺子部を上端部に備える主軸部と、
    少なくとも前記床板部材を前記梁部材上に載置した状態で前記貫通孔から梁部材のウェブまでの長さよりも大きく前記主軸部の径外方向に延出して前記フランジ下方に達し、且つ、前記主軸部に対する前記ナットの締込みに伴って前記フランジを前記床板部材に圧着させる横軸部とを備え、
    前記主軸部と横軸部の間のなす角が鋭角に形成され、前記横軸部は、前記梁部材のフランジに接する先端部を除いて梁部材及び床板部材から離間していることを特徴とする床構造。
  2. 前記主軸部の上端には、前記横軸部の先端部の位置を判断可能な判断手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の床構造。
  3. 前記床板部材の上面には、ナットを収容するための座彫り部が凹設されており、
    前記固定具の主軸部に形成される雄螺子部は、当該座彫り部の深さを最大として前記主軸部の先端部に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の床構造。
  4. 前記床板部材の貫通孔には、内周壁面を保護するスリーブが嵌挿されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の床構造。
  5. 前記ナットには、前記床板部材の上面を保護する鍔部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の床構造。
  6. 前記ナットと床板部材との間には、少なくとも当該ナットの外径よりも幅広に形成される座金が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の床構造。
  7. 前記固定具の横軸部は、前記梁のフランジに接する先端部が突円弧状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の床構造。
  8. 前記固定具の横軸部は、前記梁のフランジに接する先端部に所定の押圧力を受けることで、前記主軸部から離間する方向に塑性変形することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の床構造。
  9. フランジと、該フランジから垂下されるウェブとを備える梁部材のフランジ上に載置される床板部材を当該梁部材に固定する固定具であって、
    前記床板部材に形成される貫通孔に挿通される軸状に形成されて床板部材上にてナットに締め込まれる雄螺子部を上端部に備える主軸部と、
    少なくとも前記床板部材を前記梁部材上に載置した状態で前記貫通孔から梁部材のウェブまでの長さよりも大きく前記主軸部の径外方向に延出して前記フランジ下方に達し、且つ、前記主軸部に対するナットの締込みに伴って前記フランジを床板部材に圧着させる横軸部とを備え、
    前記主軸部と横軸部の間のなす角が鋭角に形成されていることを特徴とする固定具。
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