JP5472727B2 - 水性樹脂分散体及びこれを含有する塗料 - Google Patents

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Description

本発明は、特に水性樹脂を含有する水性塗料に好適な水性分散体、およびこれを含有する塗料に関する。
近年、環境問題への意識の高まりから、塗料分野においても揮発性有機化合物(VOC)を多用した溶剤系塗料からVOCを低減した環境対応型塗料への移行が進められている。中でも建築外装用、橋梁、車両、産業機械、ガスタンク、建設機械、船舶、といった一般工業用途では、粉体塗料のように被塗物に熱をかけることが困難であるため、常温乾燥方式に優れる水系塗料への置換が主流である。
従来、水性塗料を設計する際には、バインダーとなる樹脂中へカルボン酸を導入してアンモニアや有機アミンにて中和することにより、樹脂の水への溶解性や分散性を付与する形が一般的であり、例えば、ビニル変性エポキシエステル樹脂にトリエチルアミンを組み合わせた水性被覆剤が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、従来技術−中和剤にアンモニア、トリエチルアミン、ジメチルエタノールアミン等を用いた場合−では、水性樹脂溶液の経時安定性が不良(保存時に粘度が低下する(以下、減粘と記す。))であり、また、水性樹脂を使用した水性塗料においては溶融亜鉛めっきへの付着が困難(付着させようとすると亜鉛華といった軟質化した顔料を配合せざるを得ず、その結果硬度低下や光沢低下を引き起こす)となり、更に、乾燥性が不良といった課題が存在していた。したがって、溶剤系塗料との比較において、従来技術による樹脂の水性化では貯蔵安定性、乾燥性、基材付着性、顔料分散性、耐食性などの性能をバランスさせ、実用性の高い塗料を得ることが困難であった。
特開平11−269249
従って、本発明の目的は、貯蔵安定性、乾燥性、基材付着性、顔料分散性、耐食性などの性能をバランスさせ、実用性の高い水性樹脂分散体及びこれを含有する水性塗料を得ることにある。
本発明者は、前記課題を解決するため鋭意検討の結果、水性樹脂分散体の中和剤に3級水酸基を有するアミンを用いると、前記の貯蔵時の粘度低下を軽減し、且つ顔料分散性、乾燥性が良好となることを見出し、発明を完成した。
すなわち本発明は、水性樹脂中のカルボキシル基をアミンで中和して水性媒体中に溶解又は分散した水性樹脂分散体であって、前記アミンが、3級水酸基を有する化合物であること特徴とする水性樹脂分散体、該水性樹脂分散体を配合した塗料を提供する。
本発明の水性樹脂分散体によれば、水性樹脂塗料の経時安定性の不良(減粘)、特に、水性樹脂を使用した水性塗料においては溶融亜鉛めっきへの低い付着性を解消でき、顔料の選択の自由度が増加(つまり、配合する顔料などの性質に依存しない)し、更に、乾燥性も良好な塗料を提供できる。
本発明で用いる3級水酸基を有するアミンとしては、例えば一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005472727
(Rは炭素原子数1〜4のアルキル基、R、Rはそれぞれ独立に、水素原子もしくは炭素原子数1〜4のアルキル基、R、Rは、それぞれ独立に炭素原子数1〜4のアルキル基を表す。)
前記一般式(1)で表される化合物の中でも、R、R、R及びRがメチル基、且つ、Rが水素原子である化合物が好ましい。
本発明で用いる水性樹脂としては、樹脂中にカルボキシル基を含有する構造を有していれば特に限定されないが、例えば、それぞれ樹脂中にカルボキシル基を含有する、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、及びビニル変性エポキシエステル樹脂が好ましい。これらの樹脂を中和するアミンとして、前記の3級水酸基を有するアミン以外で、水性化後、減粘しにくいアミンは見出されていない。
また、本発明で用いる3級水酸基を有するアミンは、前記水性樹脂と後述する硬化成分例えばアミノ樹脂、ポリイソシアネート、ブロックイソシアネート樹脂等とを併用する際に、保存時の減粘効果を抑制するのに、特に、顕著な効果を奏する。
前記カルボキシル基を含有するアクリル樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸等のα、β不飽和カルボン酸を必須成分とするビニル重合性の単量体類を重合して得られる樹脂が挙げられる。
前記α、β不飽和カルボン酸としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等のモノカルボン酸ないしはジカルボン酸などが挙げられ、なかでも(メタ)アクリル酸が好ましい。
また、前記ビニル重合性の単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜30のアルキル(メタ)アクリレート類のアクリル系不飽和単量体;スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、クロルメチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族不飽和単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル系不飽和単量体が挙げられる。
また、該水性アクリル樹脂をイソシアネート等の硬化成分と反応させて硬化する場合は、更に、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の水酸基含有不飽和単量体類を用いることができる。
これらの単量体類を共重合する方法としては、種々の方法を用いることができる。例えば、有機溶媒中に重合開始剤を加えて所定温度に昇温後、前記の単量体類を滴下して重合する方法等が挙げられる。
前記カルボキシル基を含有するウレタン樹脂としては、例えば、カルボキシル基を含有するポリオール類とポリイソシアネート類とを反応させて得られる樹脂が挙げられる。
前記カルボキシル基を含有するウレタン樹脂としては、例えば、前記ポリオールを構成する一成分として、カルボキシル基含有ポリオールを使用することによって、得られる。
前記カルボキシル基を含有するウレタン樹脂の製造に使用可能なポリオールとしては、例えば前記カルボキシル基含有ポリオール及びその他のポリオールを組み合わせ使用することができる。
前記カルボキシル基含有ポリオールとしては、例えば2,2’−ジメチロールプロピオン酸、2,2’−ジメチロールブタン酸、2,2’−ジメチロール酪酸、2,2’−ジメチロール吉草酸等のカルボキシル基含有ポリオールや、5−スルホイソフタル酸、スルホテレフタル酸、4−スルホフタル酸、5[4−スルホフェノキシ]イソフタル酸等のスルホン酸基含有ポリオールを使用することができる。また、前記カルボキシル基含有ポリオールとしては、種々のポリオールと、例えばアジピン酸等の各種ポリカルボン酸とを反応させて得られるカルボキシル基含有ポリエステルポリオール等を使用することもできる。
前記カルボキシル基含有ポリオールと組み合わせ使用可能なその他のポリオールとしては、本発明の水性複合樹脂組成物に求められる特性や、水性樹脂組成物を適用する用途等に応じて適宜使用することができ、例えばポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール及びポリカーボネートポリオール等を使用することができる。
前記ポリエーテルポリオールは、本発明の水性樹脂組成物に、特に優れた基材追従性を付与することができるため、前記カルボキシル基含有ポリオールと組み合わせ使用することが好ましい。
前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば活性水素原子を2個以上有する化合物の1種または2種以上を開始剤として、アルキレンオキサイドを付加重合させたものを使用することができる。
前記開始剤としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等を使用することができる。
また、前記アルキレンオキサイドとしては、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフラン等を使用することができる。
また、前記ポリエステルポリオールとしては、例えば低分子量のポリオールとポリカルボン酸とをエステル化反応して得られる脂肪族ポリエステルポリオールや芳香族ポリエステルポリオール、ε−カプロラクトン等の環状エステル化合物を開環重合反応して得られるポリエステルや、これらの共重合ポリエステル等を使用することができる。
前記低分子量のポリオールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコ−ル等を使用することができる。
また、前記ポリカルボン酸としては、例えばコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、及びこれらの無水物またはエステル形成性誘導体などを使用することができる。
また、前記カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂の製造に使用できるポリカーボネートポリオールは、本発明の水性樹脂組成物のプラスチック基材に対する密着性を格段に向上するうえで好ましい。
前記ポリカーボネートポリオールとしては、例えば炭酸エステルとポリオールとを反応させて得られるものや、ホスゲンとビスフェノールA等とを反応させて得られるものを使用することができる。
前記炭酸エステルとしては、メチルカーボネートや、ジメチルカーボネート、エチルカーボネート、ジエチルカーボネート、シクロカーボネート、ジフェニルカーボネ−ト等を使用することできる。
前記炭酸エステルと反応しうるポリオールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2−ブチル−2−エチルプロパンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノール−A、ビスフェノール−F、4,4’−ビフェノール等の比較的低分子量のジヒドロキシ化合物や、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオールや、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリヘキサメチレンサクシネート、ポリカプロラクトン等のポリエステルポリオール等を使用することができる。
前記ポリカーボネートポリオールとしては、前記ジメチルカーボネートと、前記1,6−ヘキサンジオールとを反応させて得られるものを使用することが、優れたプラスチック基材に対する密着性と優れた基材追従性とを両立でき、かつ安価であることからより好ましい。
また、前記ポリカーボネートポリオールとしては、500〜6000の範囲の数平均分子量を有するものを使用することが好ましい。
また、前記カルボキシル基含有ポリウレタンを製造する際に使用するポリイソシアネートとしては、例えばフェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートや、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の脂肪族または脂肪族環式構造含有ジイソシアネート等を、単独で使用または2種以上を併用して使用することができる。なかでも、脂肪族環式構造含有ジイソシアネートを使用することが、長期耐候性に優れる塗膜を形成できるため好ましい。
前記カルボキシル基を含有するポリエステル樹脂としては、ポリオール類とポリカルボン酸類をカルボキシル基過剰となる条件で反応させたものが挙げられる。該ポリエステル樹脂を製造する方法については特に制限はないが、多価カルボン酸と多価アルコールのエステル化反応による種々の製造方法、例えば、溶融法又は溶剤法を用いればよい。
前記ポリオール類としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−エチル−2−ブチルプロパンジオール等の脂肪族グリコール類、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の脂肪族の3官能以上のポリオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリオキシアルキレングリコール類を併用してもよい。また、2,2−ビス[4−(ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパンのようなビスフェノール類(ビスフェノールA)のエチレンオキシド付加体やビス[4−(ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルホンのようなビスフェノール類(ビスフェノールS)のエチレンオキシド付加体等が挙げられる。
また、ポリカルボン酸成分として、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸、3官能以上のカルボン酸等の、末端に2個以上のカルボキシル基を有する多塩基酸が挙げられる。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、無水フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族ジカルボン酸としては、シュウ酸、コハク酸、無水コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、アイコサン二酸、水添ダイマー酸などの飽和脂肪族ジカルボン酸や、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、ダイマー酸などの不飽和脂肪族ジカルボン酸などが挙げられる。脂環式ジカルボン酸としては、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、2,5−ノルボルネンジカルボン酸およびその無水物、テトラヒドロフタル酸およびその無水物などが挙げられる。また、3官能以上のカルボン酸としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、トリメシン酸、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、グリセロールトリス(アンヒドロトリメリテート)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸などが挙げられる。
前記溶融法に関しては、例えば、原料である酸成分(ポリカルボン酸類)とアルコール成分(ポリオール類)を窒素気流中、150〜250℃で加熱し、生成する水を逐次除去しながらエステル化反応を行い、所定の水酸基価、酸価のポリエステル樹脂を得ることができる。
また、前記溶剤法に関しては、例えば、キシレン等の溶剤中で酸成分(ポリカルボン酸類)とアルコール成分(多価アルコール類)をエステル化反応し、次いで溶剤を留去することによってポリエステル樹脂を得ることができる。また、溶剤として、後述する親水性の有機溶剤を使用し、かかる親水性の有機溶剤中で前記した多価カルボン酸及び多価アルコールをエステル化反応することもできる。これにより、前記したエステル化反応に引き続いて後述する塩基性化合物を添加することで、ポリエステル樹脂の水水溶液又は水分散液を得ることができる。
前記カルボキシル基を含有するビニル変性エポキシエステル樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂の不飽和脂肪酸エステル及びカルボキシル基含有ビニル系単量体を含むビニル系単量体を重合して得られた樹脂が挙げられる。
エポキシ樹脂として使用できるものとしては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ポリエチレングリコール系エポキシ樹脂、エポキシ化ポリブタジエン樹脂などが挙げられ、これらを単独又は2種以上併用できる。前記エポキシ樹脂のなかでも、ビスフェノール型エポキシ樹脂を使用することが、耐食性に優れる塗膜を形成できることから好ましい。
前記ビスフェノール型エポキシ樹脂として使用できるものとしては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂が挙げられ、なかでもビスフェノールA型エポキシ樹脂を使用することが、耐食性に優れる塗膜を形成する観点から好ましい。 前記ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、例えばエピクロン850、1050、3050、4050、7050、HM−091、HM−101(以上、何れもDIC株式会社製)等が挙げられる。前記ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、例えば、エピクロン830(DIC株式会社製)等が挙げられる。
前記脂環式エポキシ樹脂としては、例えば、ユノックス201、289(以上、何れも米国ユニオンカーバイド社製)等が挙げられる。
前記フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、例えば、エピクロンN−740、775(以上、何れもDIC株式会社製)等が挙げられる。
前記ポリエチレングリコール系エポキシ樹脂としては、例えば、エピコート812(オランダ国シェル社製)、エポライト40E、200E、400E(以上、何れも株式会社共栄社製)等が挙げられる。
前記エポキシ化ポリブタジエン樹脂としては、例えば、BF−1000(アデカアーガス社製)等が挙げられる。
前記エポキシ樹脂としては、常温での造膜性に優れる水性塗料が得られる観点から、400〜1000(g/当量)の範囲のエポキシ当量を有するものを使用することが好ましく、400〜800の範囲のエポキシ当量を有するものを使用することがより好ましく、400〜600の範囲のエポキシ当量を有するものを使用することが更に好ましい。
前記エポキシ樹脂由来の構造は、本発明で使用するビニル変性エポキシエステル樹脂中に15〜75重量%の範囲内で含まれることが好ましく、なかでも20〜70重量%の範囲内で含まれることがより好ましく、25〜60重量%の範囲内で含まれることが更に好ましい。かかる範囲に調整することで、造膜性に優れ、耐食性に優れた塗膜を形成できる。
前記不飽和脂肪酸としては、桐油、アマニ油、大豆油、サフラワー油、ひまし油、脱水ひまし油、トール油、米糠油、綿実油、やし油等の各種の(半)乾性油類及び不乾性油類の脂肪酸類が挙げられる。
前記カルボキシル基含有ビニル系単量体としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のエチレン性不飽和モノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のエチレン性不飽和ジカルボン酸、さらにマレイン酸、イタコン酸等の酸無水物、さらにこれら酸無水物のモノエステル化物を挙げることができ、これらに限定されるものではない。これらのカルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマーは単独で、あるいは2種以上を併せて用いることができる。
また、前記カルボキシル基含有ビニル系単量体と併用して用いられる他のビニル系単量体としては、ビニル変性エポキシエステル樹脂の特性に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されなく、例えば、スチレン、tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレンおよび/またはスチレン誘導体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリルn−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類が;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等の(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシアルキルエステル類;(メタ)アクリル酸グリシジル等の(メタ)アクリル酸グリシジルエステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の飽和脂肪族カルボン酸のビニルエステル類;(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシブチルアクリルアミド等のアミド基含有ビニル系単量体類が挙げられる。
前記水性樹脂を水性化する方法に関しては、種々の方法が適用できるが、例えば転相乳化法等などが挙げられる。
前記転相乳化法について説明する。前記カルボキシル基を含有する樹脂を転相乳化法で水性化する方法に関しては、前記樹脂に前述の3級水酸基を有するアミン、必要に応じて親水性有機溶剤を添加することで、前記樹脂中のカルボキシル基の一部又は全部を中和し水に溶解又は分散する方法が挙げられる。このとき、親水性有機溶剤及び前記3級水酸基を有するアミンを前記水性樹脂に添加するタイミングに関しては、特に限定されるものではなく、水性媒体(水及び必要に応じて親水性の有機溶剤を加えたもの)中に該アミンを溶解させ、これと樹脂とを混合してもよいし、親水性の有機溶剤と前記3級水酸基を有するアミンを別々に、又はその混合物を適時添加して良いが、粘度の観点から好ましくは前記水性樹脂を親水性の有機溶剤に溶解し、次いで前記3級水酸基を有するアミンを用いて水に溶解又は分散する方法が挙げられる。
前記親水性の有機溶剤としては、エーテルアルコール類、例えばエチレングリコールと、メタノール、エタノール、プロパノール又はブタノールとのモノエーテル化物、プロピレングリコールと、メタノール、エタノール、プロパノール又はブタノールとのモノエーテル化物、ジエチレングリコールと、メタノール、エタノール、プロパノール又はブタノールとのモノエーテル化物、ジプロピレングリコールと、メタノール、エタノール、プロパノール又はブタノールとのモノエーテル化物、1−3−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテル(一般名:3−メトキシブタノール)、3−メチル−3−メトキシブタノール(一般名:ソルフィット)、さらに酢酸メチルセロソルブのような20℃で水に無限可溶するエーテルエステルなどが使用できる。前記した親水性の有機溶剤の使用量としては、水中での安定的な分散及び低VOCの観点などから任意に設定できる。
水性樹脂の中和率については、安定な水性分散体が得られることから、カルボキシル基の40〜120%が好ましく、さらに60〜100%の範囲がより好ましい。
本願の水性樹脂分散体には、例えば塗料配合時に、硬化剤を配合できる。該硬化剤としては、水性樹脂の水酸基と架橋反応可能なものであれば特に制限されないが、例えばアミノ樹脂、ポリイソシアネート、ブロックイソシアネート樹脂等を使用することが好ましい。
ここで前記したアミノ樹脂とは、例えばメラミン、尿素、ベンゾグアナミン等の1種または2種以上とホルムアルデヒドとの反応によって得られるメチロール化アミノ樹脂、イミノ基含有メチロール化アミノ樹脂等であり、水性化の観点からそれらのメチロール基の全部または一部分を炭素数1〜8の1価アルコールでエーテル化したものなどが好ましく、例えば、ブトキシメチルメラミン樹脂、メトキシメチル化メラミン樹脂、メトキシ・ブトキシ混合エーテル化メチルメラミン樹脂等が挙げられる。
前記ポリイソシアネートとしては、例えば、ポリオール類等の活性水素含有化合物とポリイソシアネート化合物とをイソシアネート基が過剰な比率で反応させて得られるイソシアネート基を有する樹脂等が挙げられる。
前記ポリオール類としては、例えばポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール等が挙げられる。
また、前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば活性水素原子を2個以上有する化合物の1種または2種以上を開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフラン、シクロヘキシレン等のアルキレンオキサイドを付加重合させたものを使用することができる。
前記ポリカーボネートポリオールとしては、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等のグリコールと、ジフェニルカーボネートやホスゲン等とを反応して得られたものを使用することができる。
また、イソシアネート化合物としては、例えばフェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートや、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の脂肪族または脂環式ジイソシアネート等が挙げられる。
これらの中でも、水分散性ポリイソシアネート組成物を用いることが、本発明の水性ポリエステル樹脂組成物と配合した際に、安定性と硬化性に優れ、或いは、可使時間の自由度が高い点から好ましい。該水分散性ポリイソシアネート組成物としては、例えば、ポリイソシアネートの一部を片末端がアルコキシ基で封鎖されたポリオキシアルキレングリコールで変性したポリイソシアネート組成物(a)、ポリイソシアネートに含有されるイソシアネート基の一部分を片末端がアルコキシ基で封鎖されたポリオキシアルキレングリコールを脂肪酸エステルで変性した水分散性ポリイソシアネート組成物(b)、或いは、疎水性ポリイソシアネート化合物と親水性の官能基を有するポリイソシアネート化合物を含有する組成物(c)が挙げられる。前記(c)の組成物としては、例えば、疎水性ポリイソシアネートと、ポリオキシアルキレン構造とイソシアネート基を含有するビニル系重合体とを含む組成物が挙げられる。
また、前記ブロックイソシアネート樹脂としては、例えばキシレンジイソシアネートもしくはイソホロンジイソシアネート等の各種環状ジイソシアネート類(脂環式ジイソシアネート類)、トリレンジイソシアネートもしくは4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート等の各種の芳香族ジイソシアネート類、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート類のような有機ジイソシアネート化合物、これら化合物と多価アルコール、低分子量水酸基含有ポリエステル樹脂、低分子量水酸基含有アルキド樹脂又は水等との付加物;前記した有機ジイソシアネート化合物同士の重合体(イソシアヌレート型ポリイソシアネート化合物、ウレトジオン化合物をも含む。)を、オキシム類、フェノール類、アルコール類、ジケトン類等の公知慣用のブロック化剤でブロック化せしめて得られるブロックイソシアネート樹脂が挙げられる。前記したブロックイソシアネート樹脂の水性化の観点から、イソシアネート基の片末端を例えばポリオキシエチレングリコール等で変性し、片末端をアルコキシ基で封鎖したものや、片末端を活性水素含有基を有するポリオキシアルキレン化合物等で変性したものが好ましく挙げられる。
本発明の水性分散体は、顔料、水性媒体、及び必要に応じて、その他の樹脂、分散助剤、塩基性中和剤、その他の添加剤などを配合することにより塗料に調製することができる。
前記顔料としては、例えば、アルミニウム粉、銅粉、ニッケル粉、ステンレス粉、クロム粉、雲母状酸化鉄、酸化チタン被覆マイカ粉、酸化鉄被覆マイカ粉、光輝性グラファイト等の光輝性顔料;ピンクEB、アゾ系やキナクリドン系等の有機赤系顔料、シアニンブルー、シアニングリーンなどの有機青系顔料、ベンゾイミダゾロン系、イソインドリン系及びキノフタロン系等の有機黄色系顔料;酸化チタン、チタンイエロー、ベンガラ、カーボンブラック、黄鉛、酸化鉄、及び各種焼成顔料等の無機着色顔料等が挙げられる。また、体質顔料を含んでもよい。これらの顔料は、それ自体既知の表面処理、例えば酸・塩基処理、カップリング剤処理、プラズマ処理、酸化/還元処理などが施されたものであってもよい。
これらの顔料の配合割合は、特に制限されるものではないが、通常、顔料分散用樹脂100重量部あたり、10〜3,000重量部、特に15〜2,000重量部、さらに特に15〜1,500重量部の範囲内にあることが、顔料分散性、分散安定性、得られる顔料分散体の着色力の面などから好ましい。
水性媒体としては、水、または水に水溶性有機溶媒などの有機溶媒を溶解してなる水−有機溶媒混合溶液などを挙げることができる。ここで用いる有機溶媒としては、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メチル3−メトキシブタノールなどの水溶性有機溶媒;キシレン、トルエン、シクロヘキサノン、ヘキサン、ペンタンなどの難溶性又は不溶性有機溶剤などが挙げられる。該有機溶剤は1種のみ又は2種以上混合して使用できる。有機溶剤としては水溶性有機溶媒を主体とするものが好適である。また、水と有機溶媒との混合割合は特に制限はないが、有機溶媒の含有量は混合溶液の50重量%以下、特に35重量%以下が望ましい。水性媒体の配合割合は、特に制限されるものではないが、通常、水性樹脂100重量部あたり、50〜5,000重量部、特に100〜3,000重量部、さらに特に100〜2,000重量部の範囲内にあることが顔料分散時の粘度、顔料分散性、分散安定性及び生産効率などの面から好ましい。
必要に応じて用いられる分散助剤としては、例えば、ビックケミージャパン社のDisperbyk184やDisperbyk190などを挙げることができ、また、その他の添加剤としては、消泡剤、防腐剤、防錆剤、可塑剤などを挙げることができる。これらの配合量は、顔料の分散性やペーストの安定性、レットダウン安定性や塗膜性能を考慮すると、いずれも顔料分散用樹脂100重量部に対して50重量部以下であることが望ましい。
水性樹脂分散体を含む塗料は、以上に述べた各成分を、例えば、ペイントシェーカー、サンドミル、ボールミル、LMZミル、DCPパールミルなどの分散機を用いて均一に混合、分散させることにより調製することができる。
次に、本発明を、実施例及び比較例により具体的に説明をする。なお、例中の部は、全て重量基準である。
合成例1:二液硬化型アクリルディスパージョン用中間体の合成
攪拌機、温度計、温度調節装置、窒素導入管を装備した、四つ口フラスコに、ジエチレングリコールジメチルエーテルの204部を仕込んで、攪拌しながら135℃に昇温する。135℃に到達したら、スチレン150部、メチルメタクリレートの200部、ブチルメタクリレートの300部、ヒドロキシエチルメタクリレートの230部、ブチルアクリレートの81部、アクリル酸の39部およびt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートの20部の混合物を5時間かけて滴下し、ジ−t−ブチルパーオキサイドの5部を加え、同温度に5時間保持して二液硬化型アクリルディスパージョン用の中間体(M−1)を得た。
合成例2:ビニル変性エポキシエステル樹脂の合成
攪拌機、温度計、温度調節装置、窒素導入管を装備した、四つ口フラスコに、脱水ひまし油脂肪酸の100部と、亜麻仁油脂肪酸の300部、エピクロン1050の500部を仕込んだ。さらに反応容器内にN−N−ジメチルベンジルアミンの0.05部を仕込み、攪拌しながら180℃まで昇温する。内部が180℃近傍に達すると脱水が始まり、脱水状態をみながら220℃まで昇温させ、エステル化を進行させる。約3時間で内容物の固形分酸価が4以下になるまで反応させた。さらにブチルセロソルブの263部を加え、エポキシ樹脂の脂肪酸エステルの不揮発分77%溶液を得た。
次に、内温を120℃に維持し、スチレンの340部、アクリル酸の45部の混合物とt−ブチルパーオキシ−2−エチヘキサノエートの5部を1時間かけて滴下し、ジ−t−ブチルパーオキサイドの5部を加え、同温度に5時間保持してエポキシ樹脂の脂肪酸エステルに対し、ビニル化反応を行った。ビニル変性エポキシエステル樹脂(M−2)を得た。
合成例3:水性ポリエステルディスパージョン用中間体の合成
攪拌機、温度計、温度調節装置、脱水トラップ付還流冷却器および窒素ガ導入管を備えた3リットルの四つ口フラスコに、イソフタル酸の412部、無水ヘキサヒドロフタル酸の892部、ネオペンチルグリコールの428部、1,6ヘキサンジオールの471部、トリメチロールプロパンの129部および分子量1000のポリエチレングリコールの72部を仕込み、240℃まで昇温し、脱水縮合反応を行った。酸価が8以下になるまで反応を行い、165℃まで冷却した時点で、無水トリメリット酸を39部加え1時間反応させた。1時間後冷却し、150℃以下にてジプロピレングリコールモノメチルエーテルを250部加え、十分混合し、水性ポリエステルディスパージョン用中間体(M−3)を得た。
実施例1〜3(水性樹脂分散体液の合成)
前記各合成例で得られたディスパージョン用中間体(M−1〜M−3)を攪拌機、温度調節装置の装備されたフラスコに表1に記載の配合量で投入して70℃まで昇温する。次いでDAMP(アミン)*1を下記表1に示す所定量投入し、十分撹拌して混合する。(*1;BASF社製 N,N−ジメチル−1−アミノ−2−メチル−2−プロパノール:前記一般式(1)において、R、R、R及びRがメチル基、且つ、Rが水素原子である化合物。)引き続き下記表1に示す所定量のイオン交換水を3時間滴下し、水分散体(水性ディスパージョン WSD−1、WSD−2、WSD−3)を得た。なお、下記表中の粘度は、25℃で測定した。
Figure 0005472727
実施例4〜6(水性塗料の作製)
実施例1〜3で得られた水性ディスパージョンを表2に記載の配合量で水性塗料を作製し、それぞれ評価に供した。
Figure 0005472727
表2、4中の略号
R−930;酸化チタン顔料(石原産業社製)
SN−777;消泡剤(サンノプコ社製)
BYK−348;表面調整剤(ビックケミージャパン社製)
比較例1〜4
合成例で得られたディスパージョン用中間体(M−1〜M−3)を攪拌機、温度調節装置の装備されたフラスコに表3に記載の配合量で投入して70℃まで昇温する。次いで中和用アミンを表3に従い投入し、十分撹拌して混合する。引き続き所定量のイオン交換水を3時間滴下し、水分散体(水性ディスパージョン WSD−4、WSD−5、WSD−6、WSD−7)を得た。
Figure 0005472727
比較例5〜8(水性塗料の作製)
比較例1〜4で得られた水性ディスパージョン(水性樹脂)を表4に記載の配合量で水性塗料を作製し、それぞれ評価に供した。
Figure 0005472727


評価
前述の配合で調製した各実施例、比較例の塗料について、粘度安定性と塗膜評価を行なった。
水性樹脂貯蔵安定性
得られた水性樹脂溶液をそれぞれ40℃にて1ヶ月貯蔵し、その粘度挙動を評価した。得られた結果を下記表5に結果を示す。なお、表中の評価は、変化率20%以下を「良好」、20%超を「不良」とした。
Figure 0005472727
顔料分散性(沈降安定性)
各実施例、比較例で得られた水性塗料を50℃にて1ヶ月保管し、分離・沈降の有無を評価した。得られた結果を下記表6に結果を示す。
Figure 0005472727
基材付着性
得られた水性塗料を6ミルアプリケーターにて、溶融亜鉛めっき鋼板に塗装し、その付着性をセロハンテープ剥離試験にて3段階で評価した。なお酸化重合型水性塗料であるWC−2、WC−5、WC−6はDICNATE3111(DIC(株)製水分散型ドライヤー)を配合して塗装後23℃にて乾燥を1週間行い、評価に供した(○:塗膜が剥がれない、△:一部剥がれが見られる、×:セロハンテープの幅で剥離する)。得られた結果を下記表7に結果を示す。
Figure 0005472727
乾燥性および塗膜硬度
得られた水性塗料を6ミルのアプリケーターにて、軟鋼板に塗装し、その乾燥性および塗膜硬度を鉛筆硬度試験(JIS K 5400 9.1準拠)にて評価した。なお酸化重合型水性塗料であるWC−2、WC−5、WC−6はDICNATE3111(DIC(株)製水分散型ドライヤー)を配合して塗装後23℃にて乾燥を1週間行い、評価に供した。得られた結果を下記表8に結果を示す。
Figure 0005472727

Claims (4)

  1. 水性樹脂中のカルボキシル基をアミンで中和して水性媒体中に溶解又は分散した水性樹脂分散体であって、前記アミンが下記一般式(1)で表される化合物であること特徴とする水性樹脂分散体。
    Figure 0005472727
    (Rは炭素原子数1〜4のアルキル基、R、Rはそれぞれ独立に、水素原子もしくは炭素原子数1〜4のアルキル基、R、Rは、それぞれ独立に炭素原子数1〜4のアルキル基を表す。)
  2. 前記一般式(1)において、R、R、R及びRがメチル基、且つ、Rが水素原子である請求項記載の水性樹脂分散体。
  3. 前記水性樹脂が、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、及びビニル変性エポキシエステル樹脂からなる群から選ばれる1種以上の樹脂である請求項1または2記載の水性樹脂分散体。
  4. 前記請求項1〜の何れか1項記載の水性樹脂分散体を配合した塗料。
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