JP5280774B2 - 垂直磁気記録方式ハードディスク用基板用水系洗浄剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、垂直磁気記録方式ハードディスク用基板用水系洗浄剤組成物、それを用いた垂直磁気記録方式ハードディスクの製造方法に関する。
近年のメモリーハードディスクドライブには、高容量・小径化を目的として、記録密度を上げるために磁気ヘッドの浮上量を低下させて、単位記録面積を小さくすることが求められている。それに伴い、ハードディスクの製造工程においても、研磨対象物を研磨して得られる研磨面に要求される表面品質が高くなってきている。即ち、ヘッドの低浮上化に応じて、研磨により得られる研磨面の表面粗さや微小うねりを小さくする必要があり、ロールオフ(端面ダレ)及び突起の数を低減する必要がある。また、単位記録面積の減少に応じて、研磨面のスクラッチ数を減らす必要があり、しかもその大きさと深さも小さくする必要がある。
ハードディスクにおける記録方式は、大容量化の要請に伴い、水平磁気記録方式(面内磁気記録方式とも呼ばれる。)から垂直磁気記録方式へとシフトしつつある。
水平磁気記録方式のハードディスクの製造過程には、サブストレート形成工程とメディア工程とが含まれる。サブストレート形成工程では、基材に対して研磨処理と洗浄処理とがこの順で複数回行われることにより、ハードディスク用基板が作製される。上記メディア工程では、研磨によりハードディスク用基板の両主面に浅い凸凹をつけた後(テクスチャー工程)、洗浄がなされ(洗浄工程)、次いで、基板の両主面側に各々磁性層が形成される(磁性層形成工程)。テクスチャー工程では、研磨により、サブストレート形成工程においてハードディスク用基板に付着した粒子が除去される。上記ハードディスク用基板が、例えば、Ni−P含有層を両最外層として有するアルミニウム基板(以下、「Ni−P含有層含有基板」と略する場合もある。)である場合、酸性度の高い洗浄剤組成物を用いるとNi−P含有層が過剰溶解(腐食)されるという理由から、上記洗浄工程において、水のみ、又は、アルカリ性非イオン界面活性剤を用いた洗浄が行われていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−003081号公報
一方、垂直磁気記録方式のハードディスクの製造過程では、サブストレート形成工程後は、テクスチャー工程を経ることなく洗浄工程が行われる。テクスチャー工程を経ていないNi−P含有層含有基板には、サブストレート形成工程で発生した粒子が付着しているが、水平磁気記録方式のハードディスクの製造過程で行われる、水、またはアルカリ性非イオン界面活性剤を用いた洗浄では上記粒子を除去できず、高度に清浄化された表面を得ることは困難であった。
本発明では、Ni−P含有層の腐食を抑制しながら、かつ、高い洗浄能を有する、垂直磁気記録方式ハードディスク用基板用水系洗浄剤組成物、それを用いた垂直磁気記録方式ハードディスクの製造方法を提供する。
本発明の、Ni−P含有層を有する垂直磁気記録方式ハードディスク用基板用水系洗浄剤組成物は、下記(式1)で表される陽イオン性界面活性剤、下記(式2)で表される両性界面活性剤、下記(式3)で表される両性界面活性剤、下記(式4)で表される両性界面活性剤、下記(式5)で表される両性界面活性剤、および下記(式6)で表される両性界面活性剤からなる群から選ばれる1種以上の界面活性剤を含有し、25℃におけるpHが5以下である。
Figure 0005280774
ただし、前記(式1)において、R1は、炭素数10〜16のアルキル基であり、Xはハロゲン原子である。
Figure 0005280774
ただし、前記(式2)において、R2は、炭素数10〜16のアルキル基である。
Figure 0005280774
ただし、前記(式3)において、R3は、炭素数10〜16のアルキル基である。
Figure 0005280774
ただし、前記(式4)において、R4は、炭素数10〜16のアルキル基である。
Figure 0005280774
ただし、前記(式5)において、R5は、炭素数10〜16のアルキル基である。
Figure 0005280774
ただし、前記(式6)において、R6は、炭素数10〜16のアルキル基である。
本発明の垂直磁気記録方式ハードディスクの製造方法は、Ni−P含有層を両最外層として有する垂直磁気記録方式ハードディスク用基板と、前記ハードディスク用基板の一方の主面側に配置された磁性層又は両主面側に各々配置された磁性層とを含む、垂直磁気記録方式ハードディスクの製造方法であって、前記ハードディスク用基板を形成するサブストレート形成工程と、前記ハードディスク用基板を洗浄する洗浄工程と、一つ以上の前記磁性層を形成する工程と、を含み、前記洗浄工程において、本発明の垂直磁気記録方式ハードディスク用基板用水系洗浄剤組成物を用いて、前記ハードディスク用基板を洗浄する。
本発明によれば、Ni−P含有層の腐食を抑制しながら、かつ、高い洗浄能を有する、垂直磁気記録方式ハードディスク用基板用洗浄剤組成物、それを用いた垂直磁気記録方式ハードディスクの製造方法を提供できる。
本発明者らは、ハードディスク用基板には、Ni−P含有層の表面が空気中で酸化されることにより酸化ニッケル層が形成されており、サブストレート形成工程で発生した粒子が、酸化ニッケル層の研磨くず(酸化物微粒子)またはNi−P含有層の研磨くずの酸化物(酸化物微粒子)であり、酸化物微粒子が酸化ニッケル層に固着していることを発見した。そして、本発明者らは、Ni−P含有層が過剰溶解(腐食)されるという理由から、従来からその使用が避けられていた酸性度の高い洗浄剤組成物をあえて用いて、酸化ニッケル層を溶解することにより、酸化物微粒子の固着状態を緩和し、酸化物微粒子を除去することを検討した。
酸性度の高い洗浄剤組成物の一例は、例えば、(a)曇点が30〜70℃の非イオン界面活性剤、(b)分子内にエステル結合を有し加水分解によって脂肪酸を生成しうる陽イオン界面活性剤、(c)両性界面活性剤、および(d)水を含む(特開2005−97432号公報)。この洗浄剤組成物の20℃におけるpHは、例えば、0.5〜6であり、好ましくは1〜4、さらに好ましくは、2〜4である。
酸性度の高い洗浄剤組成物の他の一例は、例えば、市販の酢酸とアンモニア水との混合液(80℃、pH=5)である(特開平11−28431号公報)。
そして、本発明者らは、試行錯誤の末、特開2005−97432号公報や特開平11−28431号公報には記載されていない、特定の陽イオン界面活性剤および特定の両性界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤を洗浄剤組成物が含有することにより、酸化ニッケル層と酸化物微粒子とを、水平磁気記録方式のハードディスクの製造過程のテクスチャー工程で行われる処理と同じ処理をした場合と同等以上に除去可能でありながら、Ni−P含有層の腐食を抑制できることを見出した。
本発明の垂直磁気記録方式ハードディスク用基板用水系洗浄剤組成物(以下「洗浄剤組成物」と略する場合もある。)に含まれる、上記特定の陽イオン界面活性剤は、下記(式1)で表される。
Figure 0005280774
(式1)において、R1は、炭素数10〜16のアルキル基であるが、酸化ニッケルの溶解性を高めかつNi−Pi含有層の腐食を効果的に抑制する観点から、炭素数は、10〜14であると好ましく、10〜12であるとより好ましい。Xはハロゲン原子であるが、例えば、Cl,Br,I等が挙げられる。
(式1)で表される陽イオン界面活性剤は、具体的には、デシルトリメチルアンモニウムクロリド(C10)、ウンデシルトリメチルアンモニウムクロリド(C11)、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド(C12)、トリデシルトリメチルアンモニウムクロリド(C13)、テトラデシルトリメチルアンモニウムクロリド(C14)、ペンタデシルトリメチルアンモニウムクロリド(C15)、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド(C16)等が挙げられるが、これらの陽イオン界面活性剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。なかでも、デシルトリメチルアンモニウムクロリド(C10)、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド(C12)、テトラデシルトリメチルアンモニウムクロリド(C14)が、酸化ニッケルの溶解性を高め、Ni−P含有層の腐食を効果的に抑制し、かつ、工業的入手性が良好であるという観点から好ましく、デシルトリメチルアンモニウムクロリド(C10)、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド(C12)が同様の観点からさらに好ましい。
上記特定の両性界面活性剤の一例は、例えば、(式2)で表される。
Figure 0005280774
(式2)において、R2は、炭素数10〜16のアルキル基であるが、酸化ニッケルの溶解性を高め、かつ、Ni−P含有層の腐食を効果的に抑制する観点から、炭素数は、10〜14であると好ましく、10〜12であるとより好ましい。
(式2)で表される両性界面活性剤は、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインであるが、具体的には、デシルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ウンデシルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、トリデシルジメチルアミノ酢酸ベタイン、テトラデシルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ペンタデシルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヘキサデシルジメチルアミノ酢酸ベタイン等が挙げられる。これらのアルキルジメチルアミノ酢酸ベタインは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。なかでも、デシルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、テトラデシルジメチルアミノ酢酸ベタインが、酸化ニッケルの溶解性を高め、Ni−P層の腐食を効果的に抑制し、かつ、工業的入手性が良好であるという観点から好ましく、デシルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインが同様の観点からさらに好ましい。
上記特定の両性界面活性剤の他の一例は、例えば、(式3)で表される。
Figure 0005280774
(式3)において、R3は、炭素数10〜16のアルキル基であるが、酸化ニッケルの溶解性を高め、かつ、Ni−P含有層の腐食を効果的に抑制する観点から、炭素数は、10〜14であると好ましく、10〜12であるとより好ましい。
(式3)で表される両性界面活性剤は、アルキルジメチルアミンオキサイドであるが、具体的には、デシルジメチルアミンオキサイド、ウンデシルジメチルアミンオキサイド、ラウリルジメチルアミンオキサイド、トリデシルジメチルアミンオキサイド、テトラデシルジメチルアミンオキサイド、ペンタデシルジメチルアミンオキサイド、ヘキサデシルジメチルアミンオキサイド等が挙げられる。これらのアルキルジメチルアミンオキサイドは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。なかでも、デシルジメチルアミンオキサイド、ラウリルジメチルアミンオキサイド、テトラデシルジメチルアミンオキサイドが、酸化ニッケルの溶解性が高く、Ni−P含有層の腐食を効果的に抑制し、かつ、工業的入手性が良好であるという観点から好ましく、デシルジメチルアミンオキサイド、ラウリルジメチルアミンオキサイドが同様の観点からさらに好ましい。
上記特定の両性界面活性剤の他の一例は、例えば、(式4)で表される。
Figure 0005280774
(式4)において、R4は、炭素数10〜16のアルキル基であるが、酸化ニッケルの溶解性を高め、かつ、Ni−P含有層の腐食を効果的に抑制する観点から、炭素数は、10〜14であると好ましく、10〜12であるとより好ましい。
(式4)で表される両性界面活性剤は、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインであるが、具体的には、2−デシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、2−ウンデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、2−ラウリル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、2−トリデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、2−テトラデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、2−ペンタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、2−ヘキサデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン等が挙げられる。これらのアルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。なかでも、2−デシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、2−ラウリル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、2−テトラデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタインが、酸化ニッケルの溶解性が高く、Ni−P含有層の腐食を効果的に抑制し、かつ、工業的入手性が良好となるという観点から好ましく、2−デシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、2−ラウリル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタインが同様の観点からさらに好ましい。
上記特定の両性界面活性剤の他の一例は、例えば、(式5)で表される。
Figure 0005280774
(式5)において、R5は、炭素数10〜16のアルキル基であるが、酸化ニッケルの溶解性を高め、かつ、Ni−P含有層の腐食を効果的に抑制する観点から、炭素数は、10〜14であると好ましく、10〜12であるとより好ましい。
(式5)で表される両性界面活性剤は、アルキルアミドプロピルベタインであるが、具体的には、カプリン酸アミドプロピルベタイン、ウンデシル酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、トリデシル酸アミドプロピルベタイン、ミリスチン酸アミドプロピルベタイン、ペンタデシル酸アミドプロピルベタイン、パルミチン酸アミドプロピルベタイン等が挙げられる。これらのアルキルアミドプロピルベタインは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。なかでも、カプリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ミリスチン酸アミドプロピルベタインが、酸化ニッケルの溶解性を高め、Ni−P層の腐食を効果的に抑制し、かつ、工業的入手性が良好であるという観点から好ましく、カプリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタインが同様の観点からさらに好ましい。
上記特定の両性界面活性剤の他の一例は、例えば、(式6)で表される。
Figure 0005280774
(式6)において、R6は、炭素数10〜16のアルキル基であるが、酸化ニッケルの溶解性を高め、かつ、Ni−P含有層の腐食を効果的に抑制する観点から、炭素数は、10〜14であると好ましく、10〜12であるとより好ましい。
(式6)で表される両性界面活性剤は、アルキルヒドロキシスルホベタインであるが、具体的には、デシルヒドロキシスルホベタイン、ウンデシルヒドロキシスルホベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、トリデシルヒドロキシスルホベタイン、テトラデシルヒドロキシスルホベタイン、ペンタデシルヒドロキシスルホベタイン、ヘキサデシルヒドロキシスルホベタイン、等が挙げられる。これらのアルキルヒドロキシスルホベタインは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。なかでも、デシルヒドロキシスルホベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、テトラデシルヒドロキシスルホベタインが、酸化ニッケルの溶解性が高まり、Ni−P含有層の腐食が効果的に抑制され、かつ、工業的入手性が良好であるという観点から好ましく、デシルヒドロキシスルホベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタインが同様の観点からさらに好ましい。
本発明の洗浄剤組成物における、上記(式1)〜(式6)で表される界面活性剤からなる群から選ばれる1種以上の界面活性剤の含有量は、Ni−P含有層の腐食を効果的に抑制する観点から、0.0005重量%以上であると好ましく、0.001重量%以上であるとより好ましく、0.005重量%以上であるとさらに好ましい。すすぎ性を高める観点から、0.5重量%以下であると好ましく、0.3重量%以下であるとより好ましく、0.1重量%以下であるとさらに好ましい。よって、上記含有量は、0.0005〜0.5重量%であると好ましく、0.001〜0.3重量%であるとより好ましく、0.005〜0.1重量%であるとさらに好ましい。
本発明の洗浄剤組成物に含まれる水系媒体として水が挙げられるが、水は、例えば、超純水、純水、イオン交換水、蒸留水等を含む概念である。これらのなかでも、超純水、純水およびイオン交換水が好ましく、超純水および純水がより好ましく、超純水がさらに好ましい。ここで、純水および超純水とは、水道水を活性炭に通し、イオン交換処理し、さらに蒸留したものに、必要に応じて所定の紫外線殺菌灯の光を照射しまたはフィルターに通したものを言う。例えば、25℃における電気伝導率は、多くの場合、純水で1μS/cm以下であり、超純水で0.1μS/cm以下である。
本発明の洗浄剤組成物における水系媒体の含有量は、洗浄剤組成物の安定性、作業性、および廃液処理性等の環境への配慮の観点から、99.5重量%以上である好ましく、99.7重量%以上であるとより好ましく99.9重量%以上であるとさらに好ましい。酸化ニッケルの溶解性を高め、かつ、Ni−P含有層の腐食を効果的に抑制する観点から、99.9995重量%以下であると好ましく、99.999重量%以下であるとより好ましく、99.995重量%以下であるとさらに好ましい。よって、上記含有量は、99.5〜99.9995重量%であると好ましく、99.7〜99.999重量%であるとより好ましく、99.9〜99.995重量%であるとさらに好ましい。
本発明の洗浄剤組成物の25℃におけるpHは、5pH以下であるが、酸化ニッケル層の高溶解性の観点から、4.5以下が好ましく、4以下がより好ましく、3以下がさらに好ましい。本発明の洗浄剤組成物の25℃におけるpHは、1以上が好ましく、1.5以上がより好ましい。よって、上記pHは、1〜4.5が好ましく、1〜4がより好ましく、1.5〜4が更に好ましく、1.5〜3が更により好ましい。ここで、25℃におけるpHは、pHメータ(東亜電波工業株式会社、HM−30G)を用いて測定できる。
洗浄剤組成物のpHは、必要に応じてpH調整剤を用いて調整される。pH調整剤には、例えば、リンゴ酸、酢酸やシュウ酸等の有機酸、硫酸や硝酸等の無機酸、アミノアルコールやアルキルアミン等のアミン類、アンモニア等を用いることができるが、強酸であり、低pHへの調整が容易であるという理由から、有機酸よりも無機酸の方が好ましい。
本発明の洗浄剤組成物には、本発明の効果が妨げられない範囲で、非イオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シリコン系の消泡剤、EDTA、有機ホスホン酸等のキレート剤、アルコール類、防腐剤、酸化防止剤等が任意成分として含まれていてもよい。
洗浄剤組成物中の水を除く成分の合計含有量を100重量%とすると、上記(式1)〜(式6)で表される界面活性剤からなる群から選ばれる1種以上の界面活性剤の含有量と無機酸の含有量の合計は、酸化ニッケルの溶解性を高め、かつ、Ni−P含有層の腐食を効果的に抑制するという本発明の効果を十分に発揮しうるという理由から、好ましくは90〜100重量%、より好ましくは95〜100重量%、更に好ましくは98〜100重量%、更により好ましくは100重量%である。
洗浄剤組成物は、pHについて緩衝作用を有していることにより、所望のpHの洗浄剤組成物を調整しづらく、かつ、廃水処理設備による処理が必要な、例えば、含フッ素化合物が、過剰に含まれていないことが好ましく、含まれていないことがより好ましい。
本実施形態の洗浄剤組成物の調製方法については特に制限はない。例えば、上記(式1)〜(式6)で表される界面活性剤からなる群から選ばれる1種以上の界面活性剤と、任意成分とを、水に添加して混合すればよい。そして必要に応じてpH調整剤を添加して所望のpHに調整すればよい。混合方法も公知の方法を採用すればよい。各成分を水に溶解させる順序等についても特に制限はない。
なお、上記において説明した各成分の配合割合は、使用時(基板の洗浄時)における配合割合であるが、本実施形態の洗浄剤組成物は、その安定性が損なわれない範囲で濃縮された状態で製造、保存および洗浄工程に供給されてもよい。
製造、保存および供給時の、洗浄剤組成物における、上記(式1)〜(式6)で表される界面活性剤からなる群から選ばれる1種以上の界面活性剤の含有量は、洗浄剤組成物が水溶性であることと良好な保存安定性とを確保する観点から、洗浄剤組成物総量中、0.05〜50重量%が好ましく、0.1〜25重量%がより好ましく、0.5〜10重量%がさらに好ましく、1〜10重量%がさらに好ましく、3〜7重量%がさらに好ましい。
保存および供給時(即ち、濃縮された状態)の、洗浄剤組成物における、水の含有量は、洗浄剤組成物が水溶性であることと良好な保存安定性とを確保する観点から、洗浄剤組成物総量中、40〜99.9重量%が好ましく、50〜97重量%がより好ましく、60〜95重量%がさらに好ましい。
(垂直磁気記録方式ハードディスクの製造方法)
本発明の垂直磁気記録方式ハードディスクの製造方法は、垂直磁気記録方式ハードディスク用基板(以下「ハードディスク用基板」とも言う。)と、ハードディスク用基板上に配置された磁性層とを含む垂直磁気記録方式ハードディスクの製造方法であって、ハードディスク用基板を形成するサブストレート形成工程と、ハードディスク用基板を洗浄する洗浄工程と、ハードディスク用基板上に磁性層を形成する磁性層形成工程と、を含む。
サブストレート形成工程では、例えば、まず、アルミニウム板などの金属板をディスク状に切断し、面取りがなされる。次いで、ディスク状の金属板に対して、熱処理がなされた後、両主面が研削され、再度、熱処理がなされる。次に、金属板の全面に例えばNi−Pメッキ処理がなされ、次いで、熱処理されて、金属板がNi−Pメッキ被膜によって覆われた基材が形成される。その後、基材の一方の主面または両主面に対して、アルミナ等の研磨剤を含む研磨剤組成物を用いて1回目の化学的機械的研磨処理がなされた後,例えば、本発明の洗浄剤組成物または水を用いて洗浄処理がなされる。次いで、シリカ等の研磨剤を含む研磨剤組成物を用いて2回目の化学的機械的研磨がなされた後、例えば、本発明の洗浄剤組成物を用いて洗浄処理がなされる。さらに必要に応じてアルカリ洗浄処理がなされる場合もある。後述のとおり、本発明の洗浄剤組成物は、サブストレート形成工程と、磁性層形成工程との間に行われる洗浄工程で用いられるが、上述のように、サブストレート形成工程で行われる洗浄処理の際に使用されてもよい。
本発明の洗浄剤組成物は、上記洗浄工程で用いられる。この洗浄工程では、例えば、(a)洗浄対象であるハードディスク用基板を本発明の洗浄剤組成物に浸漬するか、および/または、(b)本発明の洗浄剤組成物を射出して、ハードディスク用基板上に本発明の洗浄剤組成物が供給される。
上記方法(a)において、ハードディスク用基板の洗浄剤組成物への浸漬条件としては、特に制限はないが、例えば、洗浄剤組成物の温度は、安全性および操業性の観点から20〜100℃であると好ましく、浸漬時間は、洗浄性と生産効率の観点から10秒〜30分間であると好ましい。また、粒子の除去性および粒子の分散性を高める観点から、洗浄剤組成物には超音波振動が付与されていると好ましい。超音波の周波数としては、好ましくは20〜2000kHzであり、より好ましくは100〜2000kHzであり、さらに好ましくは1000〜2000kHzである。
上記方法(b)では、粒子の洗浄性や油分の溶解性を促進させる観点から、超音波振動が与えられている洗浄剤組成物を射出して、ハードディス用基板の一方の主面または両主面に洗浄剤組成物を接触させて洗浄するか、又は、洗浄剤組成物をハードディス用基板の一方の主面上または両主面上に射出により供給し、一方の主面または両主面を洗浄用ブラシでこすることにより洗浄することが好ましい。さらには、超音波振動が与えられている洗浄剤組成物を射出により一方の主面または両主面に供給し、かつ、洗浄剤組成物が供給された一方の主面または両主面を洗浄用ブラシでこすることにより洗浄することが好ましい。
洗浄剤組成物をハードディスク用基板の一方の主面上または両主面上に各々供給する手段としては、スプレーノズル等の公知の手段を用いることができる。また、洗浄用ブラシとしては、特に制限はなく、例えばナイロンブラシやPVAスポンジブラシ等の公知のものを使用することができる。超音波の周波数としては、上記方法(a)で好ましく採用される値と同様であればよい。
本発明の洗浄剤組成物を用いた洗浄方法は、上記方法(a)及び/又は上記方法(b)に加えて、揺動洗浄、スピンナー等の回転を利用した洗浄、パドル洗浄等の公知の洗浄方法を用いる工程を1つ以上含んでもよい。
ハードディスク用基板の一方の主面側に形成される磁性層または両主面側の各々に形成される磁性層の材料としては、例えば、鉄、ジルコニウム、ニオブ、クロム、タンタル、または白金等とコバルトとの合金であるコバルト合金等が挙げられる。磁性層の形成方法について特に制限はなく、従来から公知の形成方法、例えば、スパッタ法等を採用すればよい。
本発明の洗浄剤組成物を用いた洗浄では、ハードディスク用基板を一枚ずつ洗浄してもよいが、複数枚の洗浄すべき基板を一度にまとめて洗浄してもよい。また、洗浄の際に用いる洗浄槽の数は1つでも複数でも良い。
1.洗浄剤組成物の調製
表1及び表2の組成となるように各成分を配合及び混合することにより、実施例1〜17及び比較例1〜23の洗浄剤組成物の濃縮液を得た。
2.評価項目
得られた洗浄剤組成物の濃縮液を、その濃度が1重量%となるように水で希釈し、この希釈液(洗浄剤組成物)を用いて下記方法で、NiOの溶解量(ppm)およびNiPの腐食量(Å)を得、さらにNiOとNiPの溶解選択比(NiO溶解量/NiP腐食厚み)を得た。NiOとNiPの溶解選択比(NiO溶解量/NiP腐食厚み)が大きければ、酸化ニッケル層と酸化物微粒子の除去性が良好で(即ち洗浄性が良好であり)、かつ、NiPの腐食量が少ないことを意味するが、(NiO溶解量/NiP腐食厚み)が30以上であると、洗浄性がより良好となり好ましい。結果は表1及び表2に示している。
2.NiOの溶解量の測定
1)容積が100mlのポリエチレン容器に、洗浄剤組成物の濃縮液の1重量%水溶液(洗浄剤組成物)20gを入れ、25℃の恒温槽中で恒温化する。
2)次に、酸化ニッケル粉末(Nickel(II) oxide,nanopowder 純度99.8重量%、Aldrich製)0.1gを上記洗浄剤組成物に添加し、10分間スタラーで十分撹拌する。
3)上澄み液10gをシリンジで採取し、シリンジフィルター(DISMIC 25HP020AN, 孔径0.2μm、ADVANTEC製)でろ過を行い、ろ液を採取する。
4)3)で採取したろ液を、超純水を用いて10〜50倍希釈し、ICP発光分析装置((株)パーキンエルマー製、商品名「Optima5300 」)にてニッケルの発光強度を測定する。
5)NiOの溶解量を、ICP発光分析装置を用いて定量されたNi溶解量と、既知の濃度のNiO水溶液(原子吸光分析用)を超純水にて希釈しその希釈液を用いて作成した検量線とから求める。
3.NiPの腐食厚みの測定
1)容積が2Lのポリエチレン容器に、洗浄剤組成物の濃縮液の1重量%水溶液(洗浄剤組成物)70gを入れ、25℃の恒温槽中で恒温化して、試験液とする。
2)次に、Ni−Pメッキされたハードディスク用基板を0.1重量%HF水溶液に室温下10秒間浸漬し、次いで、水でリンスし、その後、窒素ブローで乾燥することにより前洗浄を行う。
3)前洗浄を行ったハードディスク用基板を試験液に10分間浸漬する。
4)ハードディスク基板を取り出した後、試験液についてICP発光分析装置((株)パーキンエルマー製、商品名「Optima5300 」)にてニッケルの発光強度を測定する。
5)NiP腐食厚みを、ICP発光分析装置を用いて定量されたNi溶解量を下式に代入することにより得る。
NiPの腐食厚み[Å]=[(A+A×B)/1000000]×C/D/E/0.00000001
A:Ni溶解量[ppm]
B:メッキ中のP/Ni比率[0.12/0.88]
C:試験薬液量[70g]
D:P/Ni比重[8.4g/cm3]
E:基板面積[131.88cm2]
洗浄剤組成物を用いて洗浄された被洗浄基板の歩留まりを向上させる観点から、NiPの腐食厚みは薄ければ薄いほど好ましい。
4.被洗浄基板の洗浄性試験
4−1.被洗浄基板の調製
アルミナ研磨剤を含有するスラリーで予め粗研磨して得たNi−Pメッキ基板(外径:95mmφ、内径:25mmφ、厚さ:1.27mm、表面粗さ(Ra):1nm)をさらに下記研磨条件で研磨して得た基板を被洗浄基板とした。
<研磨条件>
研磨機:両面9B研磨機(スピ−ドファム(株)製)
研磨パッド:スエードタイプ(厚さ:0.9mm、平均開孔径:30μm、フジボウ(株)製)
研磨液:コロイダルシリカスラリー(品番:メモリード2P-2000、花王(株)製)
本研磨:荷重 100g/cm2、時間 300秒、研磨液流量 100mL/min
水リンス:荷重 30g/cm2、時間 20秒、リンス水流量 約2L/min
4−2.洗浄試験
被洗浄基板を洗浄装置にて以下の条件で洗浄した。
(1)洗浄:研磨後の被洗浄基板を、洗浄剤組成物の濃縮液を1%に希釈して得た洗浄剤組成物に5分間浸漬し洗浄を行った。
(2)すすぎ:被洗浄基板を洗浄機にセットし、ロールブラシ部(1段目)へ搬送し、次いで、被洗浄基板の両主面の各々に、回転しているロールブラシを押し当て、常温の超純水を被洗浄基板の両主面の各々に1分間あたり1.2Lで射出しながら20秒間洗浄した。さらに被洗浄基板を、別のロールブラシ部(2段目)へ搬送し、次いで、1段目のロールブラシ部と同様に被洗浄基板の両主面の各々に、回転しているロールブラシを押し当て、常温の超純水を被洗浄基板の両主面の各々に1分間あたり1.2Lで射出しながら20秒間すすぎを行った。その後、被洗浄基板を超音波すすぎ部へ搬送し、950kHzの超音波が付与された常温の超純水を被洗浄基板の両主面の各々に1分間あたり2.7Lで射出しながら20秒間すすぎを行った。
(3)乾燥:スピンチャックに保持されたすすぎ後の基板を、高速回転(3000rpm)させて液切り乾燥を1分間行った。
4−3.粒子の洗浄性評価
4−2.(1)〜(3)を経た基板表面における微粒子の洗浄性を、以下の方法で評価した。
走査電子顕微鏡を用いて1000倍(視野範囲:約100μm角)の倍率下で、乾燥後の基板を観察し、観察視野内で観察される基板表面に残存する微粒子の数を数えた。この観察を5枚の基板について、基板の両主面でランダムにそれぞれ10点、合計100点(10点×2×5枚=100点)実施した。観察された100点における全微粒子個数及び下記評価基準に基づき、微粒子の洗浄性を4段階で評価した。
<微粒子の洗浄性評価基準>
◎:全微粒子個数が0個である。
○:全微粒子個数が1〜2個である。
△:全微粒子個数が3〜5個である。
×:全微粒子個数が6個以上である。
尚、ハードディスクの記録密度が高くなるほど、要求される洗浄精度は向上するが、△のものであれば使用できる場合があり、○のものであれば現状の要求レベルに対応できる。今後、さらに要求される洗浄精度が向上した場合でも、◎のものがそのような要求に応える事ができる。
表1及び表2に示すように、上記洗浄性が○又は◎であるためには、NiOの溶解量が80ppm以上であればよく、上記洗浄性が◎であるためには、NiOの溶解量が200ppm以上、好ましくは250ppm以上、より好ましくは300ppm以上、さらに好ましくは350ppm以上、よりさらに好ましくは400ppm以上であればよい。以上のとおり、上記(式1)〜(式6)で表される界面活性剤からなる群から選ばれる1種以上の界面活性剤を含有し、25℃におけるpHが5以下の洗浄剤組成物を用いれば、Ni−P含有層の腐食を抑制しながら、高度に清浄化された基板が得られることがわかる。
Figure 0005280774
Figure 0005280774
本発明の洗浄剤組成物を使用して垂直磁気記録方式ハードディスク用基板を洗浄することにより、Ni−P含有層の腐食を抑制しながら、酸化ニッケル層と酸化物微粒子を除去できる。よって、本発明は、製品の歩留まり向上に寄与し得る。

Claims (6)

  1. 下記(式1)で表される陽イオン性界面活性剤、下記(式2)で表される両性界面活性剤、下記(式3)で表される両性界面活性剤、下記(式4)で表される両性界面活性剤、下記(式5)で表される両性界面活性剤、および下記(式6)で表される両性界面活性剤からなる群から選ばれる1種以上の界面活性剤を含有し、
    25℃におけるpHが2.2以下である、Ni−P含有層を有する垂直磁気記録方式ハードディスク用基板用水系洗浄剤組成物。
    Figure 0005280774
    ただし、前記(式1)において、R1は、炭素数10〜16のアルキル基であり、Xは
    ハロゲン原子である。
    Figure 0005280774
    ただし、前記(式2)において、R2は、炭素数10〜16のアルキル基である。
    Figure 0005280774
    ただし、前記(式3)において、R3は、炭素数10〜16のアルキル基である。
    Figure 0005280774
    ただし、前記(式4)において、R4は、炭素数10〜16のアルキル基である。
    Figure 0005280774
    ただし、前記(式5)において、R5は、炭素数10〜16のアルキル基である。
    Figure 0005280774
    ただし、前記(式6)において、R6は、炭素数10〜16のアルキル基である。
  2. 含フッ素化合物を含まない請求項1に記載の垂直磁気記録方式ハードディスク用基板用水系洗浄剤組成物。
  3. 垂直磁気記録方式ハードディスク用基板用水系洗浄剤組成物は水と無機酸とを含み、
    前記水を除く成分の含有量の合計を100重量%とすると、前記界面活性剤の含有量と前記無機酸の含有量の合計が90〜100重量%である請求項1または2に記載の垂直磁気記録方式ハードディスク用基板用水系洗浄剤組成物。
  4. 前記界面活性剤の含有量が、0.0005〜0.5重量%である請求項1〜3のいずれかの項に記載の垂直磁気記録方式ハードディスク用基板用水系洗浄剤組成物。
  5. Ni−P含有層を両最外層として有する垂直磁気記録方式ハードディスク用基板と、前記ハードディスク用基板の一方の主面側に配置された磁性層又は両主面側に各々配置された磁性層とを含む、垂直磁気記録方式ハードディスクの製造方法であって、
    前記ハードディスク用基板を形成するサブストレート形成工程と、
    前記ハードディスク用基板を洗浄する洗浄工程と、
    一つ以上の前記磁性層を形成する工程と、を含み、
    前記洗浄工程において、請求項1〜4のいずれかの項に記載の垂直磁気記録方式ハードディスク用基板用水系洗浄剤組成物を用いて、前記ハードディスク用基板を洗浄する、垂直磁気記録方式ハードディスクの製造方法。
  6. 前記サブストレート形成工程で、
    ハードディスク用基板の基材の一方の主面又は両主面に対して、研磨処理と洗浄処理とをこの順で行い、
    請求項1〜4のいずれかの項に記載の垂直磁気記録方式ハードディスク用基板用水系洗浄剤組成物を用いて、前記洗浄処理を行う、垂直磁気記録方式ハードディスクの製造方法。
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