JP6659449B2 - 無電解ニッケル−リンめっきされたアルミニウム磁気ディスク基板用研磨剤組成物 - Google Patents

無電解ニッケル−リンめっきされたアルミニウム磁気ディスク基板用研磨剤組成物 Download PDF

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Description

本発明は、ハードディスクといった磁気記録媒体などの電子部品の研磨に使用される研磨剤組成物に関する。特に、ガラス磁気ディスク基板やアルミニウム磁気ディスク基板などの磁気記録媒体用基板の表面研磨に使用される無電解ニッケル−リンめっきされたアルミニウム磁気ディスク基板用研磨剤組成物に関する。さらには、アルミニウム合金製の基板表面に無電解ニッケル−リンめっき皮膜を形成した磁気記録媒体用アルミニウム磁気ディスク基板の仕上げ研磨に好ましく使用される無電解ニッケル−リンめっきされたアルミニウム磁気ディスク基板用研磨剤組成物に関する。
従来、アルミニウム磁気ディスク基板の無電解ニッケル−リンめっき皮膜表面を研磨するための研磨剤組成物として、磁気記録密度向上を目的として、種々の研磨特性向上が求められている。例えば、スクラッチについてはスクラッチ部分が書き込みや読み込みのエラー原因となったり、スクラッチの周りに生じたバリの部分でヘッドの衝突等の原因となったりすることもある。
そこで、スクラッチ低減の観点から、研磨剤組成物の機械研磨を担う砥粒成分として、コロイダルシリカがアルミニウム磁気ディスク基板の仕上げ研磨に使用されるようになってきている。その際、工業的な研磨においては、研磨剤組成物の機械研磨を担う砥粒成分と、化学研磨を担う薬剤成分とが、実際の研磨の直前に混合して使用されることが多い。
しかし、砥粒成分としてのコロイダルシリカと薬剤成分とが混合されると、コロイダルシリカは凝集傾向になる。そこで、研磨剤組成物のpHをコロイダルシリカの準安定状態である強酸領域に設定して、コロイダルシリカの凝集をある程度抑制し、それでも生成する凝集体はフィルターで除去するという手法が、仕上げ研磨においては一般的である。そして、品質要求の高度化に伴って、フィルター目開きは狭くなる傾向にある。このような状況から、仕上げ研磨においては、コロイダルシリカの凝集を抑制する手法の開発が課題となっていた。
これに対し粗大粒子や凝集粒子を除去したり、粒子の形状を調整したり、研磨剤の腐食性を調整することでスクラッチを低減する試みがなされている。例えば、研磨剤の腐食性の調整(特許文献1)、粒子の形状の調整(特許文献2)、凝集粒子の含有量の調整(特許文献3)などの提案がなされている。
特開2009−120850号公報 特開2009−172709号公報 特開2010−170650号公報
しかしながら、改善を求められているスクラッチのレベルがより小さく、浅くなってきており、前述の対策では不十分となっている。さらにコロイダルシリカの凝集抑制も課題となっている。
本発明の課題は、コロイダルシリカの凝集を抑制し、研磨後の基板のスクラッチを低減するための無電解ニッケル−リンめっきされたアルミニウム磁気ディスク基板用研磨剤組成物を提供することにある。さらに多数回研磨において、研磨パッド等の汚れなどにより研磨速度が低下していくため、生産性が低下していくという問題についても改良することを目的としている。
上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、以下の無電解ニッケル−リンめっきされたアルミニウム磁気ディスク基板用研磨剤組成物を用いることにより、コロイダルシリカの凝集を抑制しつつ、スクラッチ低減と多数回研磨時の研磨速度低下抑制を実現し、本発明に到達した。
[1] コロイダルシリカと、リン含有化合物と、水溶性高分子化合物と、水と、を含み、前記リン含有化合物が、無機リン化合物、有機ホスホン酸および/またはその塩、からなる群のそれぞれから1種以上が選択される2種以上の化合物であり、前記水溶性高分子化合物が不飽和脂肪族カルボン酸に由来する構成単位と不飽和アミドに由来する構成単位とを含有する共重合体であって、前記不飽和脂肪族カルボン酸が、アクリル酸および/またはその塩、メタクリル酸および/またはその塩から選ばれる少なくとも1種以上であり、前記不飽和アミドが、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−n−プロピルアクリルアミド、N−iso−プロピルアクリルアミド、N−n−ブチルアクリルアミド、N−iso−ブチルアクリルアミド、N−sec−ブチルアクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−n−プロピルメタクリルアミド、N−iso−プロピルメタクリルアミド、N−n−ブチルメタクリルアミド、N−iso−ブチルメタクリルアミド、N−sec−ブチルメタクリルアミド、N−tert−ブチルメタクリルアミドから選ばれる少なくとも1種以上である、無電解ニッケル−リンめっきされたアルミニウム磁気ディスク基板用研磨剤組成物。
[2] 前記コロイダルシリカの平均粒子径(D50)が1〜100nmであり、組成物中の濃度が1〜50質量%である前記[1]に記載の無電解ニッケル−リンめっきされたアルミニウム磁気ディスク基板用研磨剤組成物。
[3] 前記水溶性高分子化合物は、不飽和脂肪族カルボン酸に由来する構成単位と不飽和アミドに由来する構成単位の量比が、mol比で95:5〜5:95の範囲にある共重合体である前記[1]または[2]に記載の無電解ニッケル−リンめっきされたアルミニウム磁気ディスク基板用研磨剤組成物。
] 前記水溶性高分子化合物の重量平均分子量が500〜50,000である前記[1]〜[]のいずれかに記載の無電解ニッケル−リンめっきされたアルミニウム磁気ディスク基板用研磨剤組成物。
] 前記水溶性高分子化合物の濃度が0.0001〜2.0質量%である前記[1]〜[]のいずれかに記載の無電解ニッケル−リンめっきされたアルミニウム磁気ディスク基板用研磨剤組成物。
] 前記無機リン化合物が、リン酸、およびこれらの塩から選ばれる少なくとも1種以上の化合物である前記[1]〜[]のいずれかに記載の無電解ニッケル−リンめっきされたアルミニウム磁気ディスク基板用研磨剤組成物。
] 前記有機ホスホン酸および/またはその塩が、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、およびこれらの塩から選ばれる少なくとも1種以上の化合物である前記[1]〜[]のいずれかに記載の無電解ニッケル−リンめっきされたアルミニウム磁気ディスク基板用研磨剤組成物。
] さらに、分子中に繰り返し単位とスルホン酸(塩)基とを有し、繰り返し単位の主鎖中に芳香族基を有する界面活性剤を含有する前記[1]〜[]のいずれかに記載の無電解ニッケル−リンめっきされたアルミニウム磁気ディスク基板用研磨剤組成物。
] 前記界面活性剤がナフタレンスルホン酸系化合物、リグニンスルホン酸系化合物、芳香族アミノスルホン酸系化合物およびこれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する前記[]に記載の無電解ニッケル−リンめっきされたアルミニウム磁気ディスク基板用研磨剤組成物。
10] 前記ナフタレンスルホン酸系化合物が、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、メチルナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、およびこれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項[]に記載の無電解ニッケル−リンめっきされたアルミニウム磁気ディスク基板用研磨剤組成物。
本発明の無電解ニッケル−リンめっきされたアルミニウム磁気ディスク基板用研磨剤組成物は、コロイダルシリカが凝集しにくく、研磨効率を向上させ、研磨後のスクラッチを低減できる。さらに多数回研磨の際に研磨速度の低下が起こりにくくなる効果もある。
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、変更、修正、改良を加え得るものである。
1.研磨剤組成物
本発明の無電解ニッケル−リンめっきされたアルミニウム磁気ディスク基板用研磨剤組成物は、コロイダルシリカと、リン含有化合物と、水溶性高分子化合物と、水と、を含むものである。
(1)水溶性高分子化合物
本発明で使用される水溶性高分子化合物は、不飽和脂肪族カルボン酸に由来する構成単位と不飽和アミドに由来する構成単位とを含有する共重合体である。即ち、水溶性高分子化合物は、不飽和脂肪族カルボン酸および/またはその塩と、不飽和アミドとを必須単量体として共重合された高分子化合物である。つまり、本発明で使用される水溶性高分子化合物は、不飽和脂肪族カルボン酸に由来する構成単位および不飽和アミドに由来する構成単位を必須の構成単位とする高分子化合物である。
(1−1)不飽和脂肪族カルボン酸
不飽和脂肪族カルボン酸およびその塩としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸およびこれらの塩などが挙げられる。
不飽和脂肪族カルボン酸に由来する構成単位は、水溶性高分子化合物中、その少なくとも一部がカルボン酸の塩として含有されていても良い。カルボン酸の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、アミン塩、アルキルアンモニウム塩などが挙げられる。
水溶性高分子化合物中、不飽和脂肪族カルボン酸に由来する構成単位を、カルボン酸として含有させるには、不飽和脂肪族カルボン酸を単量体として重合しても良いし、不飽和脂肪族カルボン酸の塩を単量体として重合した後、陽イオン交換することによりカルボン酸へと変換しても良い。また、水溶性高分子化合物中、不飽和脂肪族カルボン酸に由来する構成単位をカルボン酸の塩として含有させるには、不飽和脂肪族カルボン酸の塩を単量体として重合しても良いし、不飽和脂肪族カルボン酸を単量体として重合した後、塩基で中和することによりカルボン酸の塩を形成しても良い。
水溶性化合物中、カルボン酸として含有される構成単位と、カルボン酸の塩として含有される構成単位との割合を評価するには、水溶性高分子化合物のpH値を用いることができる。水溶性高分子化合物のpH値が低い場合には、カルボン酸として含有される構成単位の割合が高いと評価できる。一方、水溶性高分子化合物のpH値が高い場合には、カルボン酸の塩として含有される構成単位の割合が高いと評価できる。本発明においては、例えば、濃度10質量%の水溶性高分子化合物水溶液におけるpH値(25℃)が1〜13の範囲の水溶性高分子化合物を用いることができる。
(1−2)不飽和アミド
不飽和アミドとしては、α,β−エチレン性不飽和アミドを用いることが好ましい。より具体的には、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミドなどのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸アミドが挙げられる。
さらに好ましくは、N−アルキルアクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミドなどが挙げられる。N−アルキルアクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミドなどの好ましい具体例としては、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−n−プロピルアクリルアミド、N−iso−プロピルアクリルアミド、N−n−ブチルアクリルアミド、N−iso−ブチルアクリルアミド、N−sec−ブチルアクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−n−プロピルメタクリルアミド、N−iso−プロピルメタクリルアミド、N−n−ブチルメタクリルアミド、N−iso−ブチルメタクリルアミド、N−sec−ブチルメタクリルアミド、N−tert−ブチルメタクリルアミドなどが挙げられる。なかでも、N−n−ブチルアクリルアミド、N−iso−ブチルアクリルアミド、N−sec−ブチルアクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−n−ブチルメタクリルアミド、N−iso−ブチルメタクリルアミド、N−sec−ブチルメタクリルアミド、N−tert−ブチルメタクリルアミドが特に好ましい。
(1−3)共重合体
本発明で使用される水溶性高分子化合物は、これらの単量体成分を組み合わせて重合することにより、共重合体とすることが好ましい。共重合の組み合わせとしては、アクリル酸および/またはその塩とN−アルキルアクリルアミドの組み合わせ、アクリル酸および/またはその塩とN−アルキルメタクリルアミドの組み合わせ、メタクリル酸および/またはその塩とN−アルキルアクリルアミドの組み合わせ、メタクリル酸および/またはその塩とN−アルキルメタクリルアミドの組み合わせが好ましく用いられる。なかでも、N−アルキルアクリルアミドまたはN−アルキルメタクリルアミドのアルキル基が、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基からなる群より選択される少なくとも1つであるものが特に好ましく用いられる。
水溶性高分子化合物中の不飽和脂肪族カルボン酸に由来する構成単位と不飽和アミドに由来する構成単位の割合は、不飽和脂肪族カルボン酸に由来する構成単位と不飽和アミドに由来する構成単位の量比として、mol比で95:5〜5:95の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは、mol比で90:10〜10:90の範囲である。
(1−4)水溶性高分子化合物の製造方法
水溶性高分子化合物の製造方法は特に制限されないが、水溶液重合法が好ましい。水溶液重合によれば、均一な溶液として水溶性高分子化合物を得ることができる。
上記水溶液重合の重合溶媒としては、水性の溶媒であることが好ましく、特に好ましくは水である。また、上記単量体成分の溶媒への溶解性を向上させるために、各単量体の重合に悪影響を及ぼさない範囲で有機溶媒を適宜加えてもよい。上記有機溶媒としては、イソプロピルアルコール等のアルコール類、アセトン等のケトン類が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
以下に、上記水性溶媒を用いた水溶性高分子化合物の製造方法を説明する。重合反応では公知の重合開始剤を使用できるが、特にラジカル重合開始剤が好ましく用いられる。
ラジカル重合開始剤として、例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム及び過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、t−ブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類、過酸化水素等の水溶性過酸化物、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド類等の油溶性の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライド等のアゾ化合物が挙げられる。これらの過酸化物系のラジカル重合開始剤は、1種類のみ使用しても又は2種類以上を併用してもよい。
上述した過酸化物系のラジカル重合開始剤の中でも、生成する水溶性高分子化合物の分子量の制御が容易に行えることから、過硫酸塩やアゾ化合物が好ましく、アゾビスイソブチロニトリルが特に好ましい。
上記ラジカル重合開始剤の使用量は、特に制限されないが、水溶性高分子化合物の全単量体合計質量に基づいて、0.1〜15質量%、特に0.5〜10質量%の割合で使用することが好ましい。この割合を0.1質量%以上にすることにより共重合率を向上させることができ、15質量%以下とすることにより、水溶性高分子化合物の安定性を向上させることができる。
また、場合によっては、水溶性高分子化合物は、水溶性レドックス系重合開始剤を使用して製造してもよい。レドックス系重合開始剤としては、酸化剤(例えば上記の過酸化物)と、重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸アンモニウム、亜硫酸ナトリウム、ハイドロサルファイトナトリウム等の還元剤や、鉄明礬、カリ明礬等の組み合わせを挙げることができる。
水溶性高分子化合物の製造において、分子量を調整するために、連鎖移動剤を重合系に適宜添加してもよい。連鎖移動剤としては、例えば、亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、メルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸、チオグリコール酸、2−プロパンチオール、2−メルカプトエタノール及びチオフェノール等が挙げられる。
水溶性高分子化合物を製造する際の重合温度は、特に制限されないが、重合温度は60〜100℃で行うのが好ましい。重合温度を60℃以上にすることで、重合反応が円滑に進行し、かつ生産性に優れるものとなり、100℃以下とすることで、着色を抑制することができる。
また、重合反応は、加圧又は減圧下で行うことも可能であるが、加圧あるいは減圧反応用の設備にするためのコストが必要になるので、常圧で行うことが好ましい。重合時間は2〜20時間、特に3〜10時間程度で行うことが好ましい。
重合反応後、必要に応じて塩基性化合物で中和を行う。中和に使用する塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物、アンモニア水、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アミン類等が挙げられる。中でもアンモニア水が、生成した水溶性高分子化合物の分散性と研磨対象基板の汚染を避ける点から好ましい。中和後のpH値(25℃)は、水溶性高分子化合物濃度が10質量%の水溶液の場合、2〜9が好ましく、さらに好ましくは3〜8である。
(1−5)重量平均分子量
水溶性高分子化合物の重量平均分子量は、500以上、50,000以下であることが好ましく、より好ましくは1,000以上、30,000以下である。なお、水溶性高分子化合物の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリアクリル酸換算で測定したものである。
(1−6)濃度
水溶性高分子化合物の研磨剤組成物中の濃度は、固形分換算で、0.0001質量%以上、2.0質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.001質量%以上、1.0質量%以下であり、さらに好ましくは0.005質量%以上、0.5質量%以下であり、特に好ましくは0.01質量%以上、0.3質量%以下である。
(2)コロイダルシリカ
本発明で使用されるコロイダルシリカは、平均粒子径(D50)が1〜100nmであることが好ましい。より好ましくは2〜80nmである。コロイダルシリカは、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等のケイ酸アルカリ金属塩を原料とし、当該原料を水溶液中で縮合反応させて粒子を成長させる水ガラス法で得られる。またはテトラエトキシシラン等のアルコキシシランを原料とし、当該原料をアルコール等の水溶性有機溶媒を含有する水中で、酸またはアルカリでの加水分解による縮合反応によって粒子を成長させるアルコキシシラン法等でも得られる。
コロイダルシリカは球状、鎖状、金平糖型(表面に凹凸状の突起を有する粒子形状)、異形型などの形状が知られており、水中に一次粒子が単分散してコロイド状をなしている。本発明で使用されるコロイダルシリカとしては、球状または球状に近いコロイダルシリカが特に好ましい。球状、または球状に近いコロイダルシリカを用いることでスクラッチを少なくできる。
研磨剤組成物中のコロイダルシリカの濃度は1〜50質量%であることが好ましい。より好ましくは2〜40質量%である。
(3)酸および/またはその塩
本発明ではpH調整のために、または任意成分として酸および/またはその塩を使用することができる。
使用される酸および/またはその塩としては、無機酸および/またはその塩と有機酸および/またはその塩が挙げられる。無機酸および/またはその塩としては、硝酸、硫酸、塩酸、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸等の無機酸および/またはこれらの塩が挙げられる。有機酸および/またはその塩としては、グルタミン酸、アスパラギン酸等のアミノカルボン酸および/またはこれらの塩、クエン酸、酒石酸、シュウ酸、ニトロ酢酸、マレイン酸、リンゴ酸、コハク酸等のカルボン酸および/またはこれらの塩が挙げられる。これらの酸および/またはその塩は、1種あるいは2種以上を用いることができる。
(4)リン含有化合物
本発明で使用されるリン含有化合物は、無機リン化合物、有機ホスホン酸および/またはその塩から選ばれる少なくとも1種以上の化合物であることが好ましい。
無機リン化合物としては、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸などの無機酸またはその塩が挙げられる。
有機ホスホン酸および/またはその塩としては、2−アミノエチルホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2−ジカルボン酸、1−ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボン酸、α−メチルホスホノコハク酸、およびこれらの塩から選ばれる少なくとも1種以上の化合物が挙げられる。
上記の化合物は2種以上を組み合わせて使用することも好ましい実施形態であり、具体的にはリン酸と有機ホスホン酸の組み合わせ、またはリン酸と有機ホスホン酸塩との組み合わせなどが挙げられる。
研磨剤組成物中のリン含有化合物の濃度は、0.1〜20質量%であることが好ましい。より好ましくは0.2〜10質量%である。リン含有化合物の濃度が0.1質量%以上であることにより、仕上げ研磨でのフィルター交換の頻度が低下し、研磨の生産性が向上する。リン含有化合物の濃度が20質量%以下であることにより、必要以上のリン含有化合物を使用することなく、十分な研磨性能を維持することができる。
(5)酸化剤
本発明では、研磨促進剤として酸化剤を使用することができる。使用される酸化剤としては、過酸化物、過マンガン酸またはその塩、クロム酸またはその塩、ペルオキソ酸またはその塩、ハロゲンオキソ酸またはその塩、酸素酸またはその塩、それらの酸化剤を二種以上混合したもの、等を用いることができる。
具体的には、過酸化水素、過酸化ナトリウム、過酸化バリウム、過マンガン酸カリウム、クロム酸の金属塩、ジクロム酸の金属塩、過硫酸、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、ペルオキソリン酸、ペルオキソホウ酸ナトリウム、過ギ酸、過酢酸、次亜塩素酸、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、等が挙げられる。中でも過酸化水素、過硫酸およびその塩、次亜塩素酸およびその塩などが好ましく、さらに好ましくは過酸化水素である。
研磨剤組成物中の酸化剤含有量は、0.01〜10.0質量%であることが好ましい。より好ましくは、0.1〜5.0質量%である。
(6)その他の成分
本発明においては、さらに分子中に繰り返し単位とスルホン酸(塩)基とを有し、繰り返し単位の主鎖中に芳香族基を有する界面活性剤を研磨剤組成物中に含有することができる。
界面活性剤の具体例としては、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、メチルナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物などのナフタレンスルホン酸系化合物、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等のメラミンホルマリン樹脂スルホン酸系化合物、リグニンスルホン酸、変性リグニンスルホン酸などのリグニンスルホン酸系化合物、アミノアリールスルホン酸−フェノール−ホルムアルデヒド縮合物などの芳香族アミノスルホン酸系化合物およびこれらの塩などが挙げられる。これらの中でもナフタレンスルホン酸系化合物、リグニンスルホン酸系化合物、芳香族アミノスルホン酸系化合物およびこれらの塩が好ましい。
また、それぞれ塩とした場合の対イオンとしては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩、カルシウムなどのアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、モノエタノールアミンなどの一級アミン塩、ジエタノールアミンなどの二級アミン塩、トリエタノールアミンなどの三級アミン塩、テトラメチルアンモニウムなどの四級アンモニウム塩等が挙げられる。
ナフタレンスルホン酸系化合物、リグニンスルホン酸系化合物、芳香族アミノスルホン酸系化合物およびこれらの塩としては、酸および上述のナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩、カルシウムなどのアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、モノエタノールアミンなどの一級アミン塩、ジエタノールアミンなどの二級アミン塩、トリエタノールアミンなどの三級アミン塩、テトラメチルアンモニウムなどの四級アンモニウム塩等の塩が挙げられる。
中でもナフタレンスルホン酸系化合物の塩が好ましく、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルムアルデヒド縮合物、メチルナフタレンスルホン酸ナトリウムホルムアルデヒド縮合物等が好ましく用いられる。
研磨剤組成物中のこれらの界面活性剤の含有量は、0.0001質量%以上、2質量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.001質量%以上、1質量%以下である。
2.物性
本発明の研磨剤組成物のpH値(25℃)は、好ましくは0.1〜4.0である。さらに好ましくは0.5〜3.0である。研磨剤組成物のpH値(25℃)が0.1以上であることにより、表面平滑性の悪化を抑制することができる。研磨剤組成物のpH値(25℃)が4.0以下であることにより、研磨速度の低下を抑制することができる。
本発明の研磨剤組成物は、ハードディスクといった磁気記録媒体などの種々の電子部品の研磨に使用することができる。特に、アルミニウム磁気ディスク基板の研磨に好適に用いることができる。さらに好適には、無電解ニッケル−リンめっきされたアルミニウム磁気ディスク基板の研磨に用いることができる。無電解ニッケル−リンめっきは、通常pH値(25℃)が4〜6の条件下でめっきされる。pH値(25℃)が4以下の条件ではニッケルが溶解傾向に向かうため、めっきが進行しにくくなる。一方、研磨においては、例えば、pH値(25℃)が4.0以下の条件下でニッケルが溶解傾向となるため、本発明の研磨剤組成物を用いることにより、研磨速度を高めることが可能となる。
3.磁気ディスク基板の研磨方法
本発明の研磨剤組成物は、アルミニウム磁気ディスク基板やガラス磁気ディスク基板等の磁気ディスク基板の研磨での使用に適している。特に、無電解ニッケル−リンめっきされたアルミニウム磁気ディスク基板の仕上げ研磨での使用に適している。
本発明の研磨剤組成物を適用することが可能な研磨方法としては、例えば、研磨機の定盤に研磨パッドを貼り付け、研磨対象物の研磨する表面または研磨パッドに研磨剤組成物を供給し、研磨する表面を研磨パッドで擦り付ける方法がある。例えば、アルミニウム磁気ディスク基板のおもて面と裏面を同時に研磨する場合には、上定盤および下定盤それぞれに研磨パッドを貼り付けた両面研磨機を用いる方法がある。この方法では、上定盤および下定盤に貼り付けた研磨パッドでアルミニウム磁気ディスク基板を挟み込み、研磨面と研磨パッドの間に研磨剤組成物を供給し、2つの研磨パッドを同時に回転させることによって、アルミニウム磁気ディスク基板のおもて面と裏面を研磨する。
研磨パッドは、ウレタンタイプ、スウェードタイプ、不織布タイプ、その他いずれのタイプも使用することができる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下の各実施例、各参考例、各比較例の研磨においては、あらかじめ粗研磨された無電解ニッケル−リンめっきアルミニウム合金基板を100枚用意して、1枚目から100枚目まで連続して仕上げ研磨を実施した。この連続仕上げ研磨における途中の10枚目と50枚目、および最後の100枚目の基板について、仕上げ研磨した際の研磨速度とスクラッチの評価結果を表2に示し、各実施例および比較例における、仕上げ研磨工程の研磨速度とスクラッチの推移を比較した。以下、具体的に説明する。
[研磨剤組成物の調製方法]
実施例1〜4、参考例1〜4、比較例1〜6で使用した研磨剤組成物は、表1に記載の材料を、表1に記載の含有量または添加量で含んだ研磨剤組成物である。
Figure 0006659449
コロイダルシリカIは、平均粒子径(D50)が21nmの市販品である。コロイダルシリカIIは、平均粒子径(D50)が29nmの市販品である。
リン酸は、研磨剤組成物全体のpH(25℃)が1.6になるような量として、1.4質量%含有させた。硫酸は、研磨剤組成物全体のpH(25℃)が1.6になるような量として、0.4質量%含有させた。
1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸は、有機ホスホン酸であり、以下ではHEDPと略す。酸化剤として、過酸化水素を用いた。
アクリルポリマーAは、アクリル酸/N−tert−ブチルアクリルアミドが86/14(mol比)の共重合体で、重量平均分子量が6,000であった。アクリルポリマーAの10質量%水溶液のpH値(25℃)は通常3.6である。アクリルポリマーBは、アクリル酸/N−tert−ブチルアクリルアミドが86/14(mol比)の共重合体で、重量平均分子量が8,000であった。アクリルポリマーBの10質量%水溶液のpH値(25℃)は通常3.6である。アクリルポリマーCは、ポリアクリル酸ナトリウム塩で、重量平均分子量が6,000であった。アクリルポリマーCの10質量%水溶液のpH値(25℃)は通常7.0である。アクリルポリマーA、Bは、不飽和脂肪族カルボン酸に由来する構成単位と不飽和アミドに由来する構成単位とを含有する共重合体である。アクリルポリマーCは、アクリル酸(塩)の単独重合体である。
界面活性剤として、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルムアルデヒド縮合物のラベリンFM−45(第一工業製薬(株)製)を用いた。
[コロイダルシリカの粒子径]
コロイダルシリカの粒子径(Heywood径)は、透過型電子顕微鏡(TEM)(日本電子(株)製、透過型電子顕微鏡 JEM2000FX(200kV))を用いて倍率10万倍の視野の写真を撮影し、この写真を解析ソフト(マウンテック(株)製、Mac−View Ver.4.0)を用いて解析することによりHeywood径(投射面積円相当径)として測定した。コロイダルシリカの平均粒子径は前述の方法で2000個程度のコロイダルシリカの粒子径を解析し、小粒子径側からの積算粒径分布(累積体積基準)が50%となる粒子径を上記解析ソフト(マウンテック(株)製、Mac−View Ver.4.0)を用いて算出した平均粒子径(D50)である。
[研磨条件]
無電解ニッケル−リンめっきした外径95mmのアルミニウム磁気ディスク基板を粗研磨したものを研磨対象として研磨を行った。
研磨機:スピードファム(株)製、9B両面研磨機
研磨パッド:(株)FILWEL社製 P2用パッド
定盤回転数:上定盤 −8.3min−1
下定盤 25.0min−1
研磨剤組成物供給量: 100ml/min
研磨時間: 300秒
加工圧力: 11kPa
各成分を混合して研磨剤組成物を調製した後、目開き0.45μmのフィルターを通して研磨機に導入し、研磨試験を実施した。
[研磨したディスク表面の評価]
[研速度比]
速度は、研磨後に減少したアルミニウム磁気ディスク基板の質量を測定し、下記式に基づいて算出した。
研磨速度(μm/min)=アルミニウム磁気ディスク基板の質量減少(g)/研磨時間(min)/アルミニウム磁気ディスク基板の片面の面積(cm)/無電解ニッケル−リンめっき皮膜の密度(g/cm)/2×10
(ただし、上記式中、アルミニウム磁気ディスク基板の片面の面積は65.9cm,無電解ニッケル−リンめっき皮膜の密度は8.0g/cm
研磨速度比は、比較例3で10枚目の基板を研磨した時に上記式を用いて求めた研磨速度を1(基準)とした場合の相対値である。尚、比較例3で10枚目の基板を研磨した時の研磨速度は0.0985μm/minであった。
[スクラッチ比]
スクラッチ本数は(有)ビジョンサイック製のMicroMAX VMX−4100を用いて、基板にあるスクラッチの本数を、測定条件チルト角−5°、倍率20倍で測定した。スクラッチ比は、比較例3で10枚目の基板を研磨したときのスクラッチ本数を1(基準)とした場合の相対値である。
[フィルター交換回数]
各研磨剤組成物を600リットル調製し、100時間連続して目開き0.45μmのフィルターに通液し、フィルターカートリッジの差圧が0.2MPaまで上昇した段階で新しいフィルターに交換した。表2に各研磨剤組成物のフィルター交換回数を示した。回数が少ない程フィルター閉塞が起こりにくいことを示す。つまり、フィルター交換回数が少ないものは、コロイダルシリカの凝集を抑制できたことを示す。
Figure 0006659449
[考察]
比較例1と比較例3の対比、および比較例2と比較例4の対比から、アクリル酸(塩)の単独重合体添加(アクリルポリマーC)により、研磨速度は向上するものの、スクラッチが悪化することがわかる。
これに対して、参考例1と比較例1の対比、および参考例2と比較例2の対比から、アクリル酸(塩)と不飽和アミドの共重合体添加(アクリルポリマーA)の場合には、初期研磨速度の向上のみならず、多数回研磨時の研磨速度低下も抑制され、さらにスクラッチも改善されることがわかる。
参考例1および参考例2に対して、アクリル酸(塩)と不飽和アミドの共重合体の重量平均分子量を大きくしたもの(アクリルポリマーB)が参考例3および参考例4であり、スクラッチ改善効果がより顕著となっている。
参考例1および参考例2に対して、さらに有機ホスホン酸(塩)(HEDP)を添加することにより、研磨速度がさらに向上し、スクラッチもさらに改善されることがわかる(実施例参考例1の対比、および実施例参考例2の対比から)。
さらにスクラッチ改善を目的として、実施例および実施例の研磨剤組成物に、それぞれナフタレンスルホン酸系化合物(塩)(ラベリンFM−45)を添加したものが実施例および実施例であり、添加前に比べてスクラッチが大幅に改善されていることがわかる。
参考例1と比較例5の対比、および参考例2と比較例6の対比から、リン含有化合物を存在させることにより、研磨速度が高く、スクラッチも良好で、しかもフィルターの詰まりを改善できることがわかる。
以上のことから、本発明の研磨剤組成物を用いることにより、フィルターの詰まりを改善しつつ、研磨後のスクラッチを低減でき、さらに多数回研磨の際に研磨速度の低下が抑制されることがわかる。
本発明の研磨剤組成物は、半導体、ハードディスクといった磁気記録媒体などの電子部品の研磨に使用することができる。特に、ガラス磁気ディスク基板やアルミニウム磁気ディスク基板などの磁気記録媒体用基板の表面研磨に使用することができる。さらには、アルミニウム合金製の基板表面に無電解ニッケル−リンめっき皮膜を形成した磁気記録媒体用アルミニウム磁気ディスク基板の仕上げ研磨に使用することができる。

Claims (10)

  1. コロイダルシリカと、リン含有化合物と、水溶性高分子化合物と、水と、を含み、前記リン含有化合物が、無機リン化合物、有機ホスホン酸および/またはその塩、からなる群のそれぞれから1種以上が選択される2種以上の化合物であり、前記水溶性高分子化合物が不飽和脂肪族カルボン酸に由来する構成単位と不飽和アミドに由来する構成単位とを含有する共重合体であって、前記不飽和脂肪族カルボン酸が、アクリル酸および/またはその塩、メタクリル酸および/またはその塩から選ばれる少なくとも1種以上であり、前記不飽和アミドが、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−n−プロピルアクリルアミド、N−iso−プロピルアクリルアミド、N−n−ブチルアクリルアミド、N−iso−ブチルアクリルアミド、N−sec−ブチルアクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−n−プロピルメタクリルアミド、N−iso−プロピルメタクリルアミド、N−n−ブチルメタクリルアミド、N−iso−ブチルメタクリルアミド、N−sec−ブチルメタクリルアミド、N−tert−ブチルメタクリルアミドから選ばれる少なくとも1種以上である、無電解ニッケル−リンめっきされたアルミニウム磁気ディスク基板用研磨剤組成物。
  2. 前記コロイダルシリカの平均粒子径(D50)が1〜100nmであり、組成物中の濃度が1〜50質量%である請求項1に記載の無電解ニッケル−リンめっきされたアルミニウム磁気ディスク基板用研磨剤組成物。
  3. 前記水溶性高分子化合物は、不飽和脂肪族カルボン酸に由来する構成単位と不飽和アミドに由来する構成単位の量比が、mol比で95:5〜5:95の範囲にある共重合体である請求項1または2に記載の無電解ニッケル−リンめっきされたアルミニウム磁気ディスク基板用研磨剤組成物。
  4. 前記水溶性高分子化合物の重量平均分子量が500〜50,000である請求項1〜3のいずれか一項に記載の無電解ニッケル−リンめっきされたアルミニウム磁気ディスク基板用研磨剤組成物。
  5. 前記水溶性高分子化合物の濃度が0.0001〜2.0質量%である請求項1〜4のいずれか一項に記載の無電解ニッケル−リンめっきされたアルミニウム磁気ディスク基板用研磨剤組成物。
  6. 前記無機リン化合物が、リン酸、およびこれらの塩から選ばれる少なくとも1種以上の化合物である請求項1〜5のいずれか一項に記載の無電解ニッケル−リンめっきされたアルミニウム磁気ディスク基板用研磨剤組成物。
  7. 前記有機ホスホン酸および/またはその塩が、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、およびこれらの塩から選ばれる少なくとも1種以上の化合物である請求項1〜6のいずれか一項に記載の無電解ニッケル−リンめっきされたアルミニウム磁気ディスク基板用研磨剤組成物。
  8. さらに、分子中に繰り返し単位とスルホン酸(塩)基とを有し、繰り返し単位の主鎖中に芳香族基を有する界面活性剤を含有する請求項1〜7のいずれか一項に記載の無電解ニッケル−リンめっきされたアルミニウム磁気ディスク基板用研磨剤組成物。
  9. 前記界面活性剤がナフタレンスルホン酸系化合物、リグニンスルホン酸系化合物、芳香族アミノスルホン酸系化合物およびこれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する請求項に記載の無電解ニッケル−リンめっきされたアルミニウム磁気ディスク基板用研磨剤組成物。
  10. 前記ナフタレンスルホン酸系化合物が、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、メチルナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、およびこれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項に記載の無電解ニッケル−リンめっきされたアルミニウム磁気ディスク基板用研磨剤組成物。
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