JP7134081B2 - ハードディスク用基板用洗浄剤組成物 - Google Patents

ハードディスク用基板用洗浄剤組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP7134081B2
JP7134081B2 JP2018229245A JP2018229245A JP7134081B2 JP 7134081 B2 JP7134081 B2 JP 7134081B2 JP 2018229245 A JP2018229245 A JP 2018229245A JP 2018229245 A JP2018229245 A JP 2018229245A JP 7134081 B2 JP7134081 B2 JP 7134081B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cleaning
substrate
component
cleaning composition
less
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018229245A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020090625A (ja
Inventor
史博 高沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2018229245A priority Critical patent/JP7134081B2/ja
Publication of JP2020090625A publication Critical patent/JP2020090625A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7134081B2 publication Critical patent/JP7134081B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Detergent Compositions (AREA)
  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)

Description

本開示は、ハードディスク用基板用洗浄剤組成物、これを用いた基板の洗浄方法、及びハードディスク用基板の製造方法に関する。
近年、パーソナルコンピュータや各種電子デバイスにおいては動画や音声等の大きなデータが扱われるようになり、大容量の情報記録装置が必要となっている。その結果、情報記録媒体に対する高記録密度化の要求が年々高まっている。これに対応するべく、ハードディスクでは、垂直磁気記録方式の採用、量産化が進められている。垂直磁気記録方式において、情報記録媒体用基板(以下、「ハードディスク用基板」ともいう)には、現在の基板と比較して基板の耐熱性及び表面の平滑性がより高いレベルで求められている。さらに、ハードディスク用基板表面に要求される清浄度も高くなってきている。
このような要求に対応すべく、例えば、特許文献1では、無機粒子、特定の構成単位を有するジアリルアミン重合体、酸及び水を含有し、基板表面の残留無機粒子及びスクラッチを低減可能な磁気ディスク基板用研磨液組成物が提案されている。
特許文献2では、コロイダルシリカスラリーと、特定のカチオン性アミノ基含有ポリマーを含む研磨液組成物を用いることで、基板の表面粗さを低減可能な磁気ディスク用ガラス基板の製造方法が提案されている。
特許文献3では、アルカリ剤と、キレート剤と、アンモニウム基及びアミノ基の少なくとも1つを含む構成単位及び陰イオン性基を含む構成単位を含む両性高分子化合物と、水とを含有し、洗浄性の高いハードディスク用ガラス基板用のアルカリ洗浄剤組成物が提案されている。
特開2012-142064号公報 特開2017-41294号公報 特開2012-140523号公報
近年、ハードディスクの記録密度を高くする上で、基板表面の平滑性の要求及び研磨後の研磨くずや砥粒等の残留による汚染度の低レベル化といった基板表面の清浄度の要求は一段と高くなっている。しかし、従来の洗浄剤組成物の洗浄性では、洗浄後の基板の清浄度及び平滑性が不十分であることが判明した。
そこで、本開示は、一態様において、洗浄性に優れ、洗浄後の基板表面の平滑性を向上できるハードディスク用基板用洗浄剤組成物、該洗浄剤組成物を用いた基板の洗浄方法及びハードディスク用基板の製造方法を提供する。
本開示は、一態様において、下記式(I)で表される構成単位及び下記式(II)で表される構成単位の少なくとも一方を含む重合体又はその塩(成分A)と、少なくとも1つのアミノ基を含有し、窒素原子数が1個以上10個以下である成分A以外のアミノ基含有化合物(成分B)と、を含有する、ハードディスク用基板用洗浄剤組成物に関する。
Figure 0007134081000001
上記式(I)及び式(II)中、R1、R2、R3はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~3のアルキル基である。R4、R5はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~3のアルキル基である。Xは、炭素数1~12のアルキレン基、-COOR6-、-CONHR6-、-OCOR6-及び-R7-OCO-R6-から選ばれる少なくとも1種の基である。ここでR6、R7はそれぞれ独立して、炭素数1~5のアルキレン基である。pは、1以上3以下の数である。m、nはそれぞれ独立して0又は1であり、m+n=1である。*は、結合手を示す。
本開示は、その他の態様において、本開示の洗浄剤組成物を用いて被洗浄基板を洗浄する洗浄工程を含み、前記被洗浄基板は、研磨液組成物で研磨された基板、又は、パーティクルが付着した基板である、基板の洗浄方法に関する。
本開示は、その他の態様において、本開示の洗浄剤組成物を用いて被洗浄基板を洗浄する洗浄工程を含み、前記被洗浄基板は、研磨液組成物で研磨された基板、又は、パーティクルが付着した基板である、ハードディスク用基板の製造方法に関する。
本開示によれば、一態様において、洗浄性に優れ、洗浄後の基板表面の平滑性を向上できるハードディスク用基板用洗浄剤組成物を提供できる。
本開示は、特定の重合体(成分A)と特定のアミノ基含有化合物(成分B)とを組み合わせて用いることで、洗浄後の基板の清浄度及び平滑性を向上できるという知見に基づく。
すなわち、本開示は、一態様において、上記式(I)で表される構成単位及び上記(II)で表される構成単位の少なくとも一方を含む重合体又はその塩(成分A)と、少なくとも1つのアミノ基を含有し、窒素原子数が1個以上10個以下である成分A以外のアミノ基含有化合物(成分B)と、を含有する、ハードディスク用基板用洗浄剤組成物(以下、「本開示の洗浄剤組成物」ともいう)に関する。本開示の洗浄剤組成物によれば、洗浄性に優れ、洗浄後の基板表面の平滑性を向上できる。そして、本開示の洗浄剤組成物を用いた洗浄方法及び製造方法によれば、清浄度に優れるハードディスク用基板が得られうる。さらに、本開示の洗浄剤組成物を用いて洗浄したハードディスク用基板を使用することで、高記録密度のハードディスク記録装置を実現できる。
本開示の効果が発現するメカニズムの詳細は明らかではないが以下のように推定される。
一般的に、研磨後の基板表面に、研磨くずや研磨砥粒等由来のパーティクルが付着又は残留していると、表面欠陥発生の原因となる。また、洗浄剤組成物に含まれる成分により基板表面が腐食して微小なピット欠陥を発生してしまうことがある。
本開示では、特定の重合体(成分A)と特定のアミノ基含有化合物(成分B)とを併用して用いることで、成分Bが基板表面に付着又は残留しているパーティクルを効果的に除去しつつ、成分Aが成分Bによる基板表面の腐食を抑制できると考えられる。
但し、本開示は、これらのメカニズムに限定して解釈されなくてよい。
本開示において「パーティクル」とは、基板表面に残留又は付着する異物をいう。本開示における「パーティクル」は、酸化ニッケル、酸化珪素等の研磨くず由来の異物;酸化珪素(シリカ)、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化セリウム(セリア)等の研磨砥粒由来の異物;等を含む。
以下、本開示の洗浄剤組成物に含まれる各成分について説明する。
[成分A:重合体]
本開示の洗浄剤組成物に含まれる成分Aは、下記式(I)で表される構成単位及び下記式(II)で表される構成単位の少なくとも一方を含む重合体である。成分Aは、1種でもよいし、2種以上の組合せでもよい。
Figure 0007134081000002
上記式(I)及び式(II)中、R1、R2、R3はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~3のアルキル基であり、洗浄性及び平滑性の観点から、R1、R2、R3は水素原子が好ましい。R4、R5はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~3のアルキル基であり、洗浄性及び平滑性の観点から、水素原子又はメチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
Xは、炭素数1~12のアルキレン基、-COOR6-、-CONHR6-、-OCOR6-及び-R7-OCO-R6-から選ばれる少なくとも1種の基である。ここで、R6、R7はそれぞれ独立して、炭素数1~5のアルキレン基である。これらの中でも、Xは、洗浄性及び平滑性の観点から、炭素数1~12のアルキレン基が好ましく、メチレン基がより好ましい。
pは、1以上3以下の数であり、洗浄性及び平滑性の観点から、pは、1以上2以下が好ましく、1がより好ましい。m、nはそれぞれ独立して0又は1であり、m+n=1である。*は、結合手を示す。
成分Aは、一又は複数の実施形態において、上記式(I)で表される構成単位及び上記式(II)で表される構成単位の少なくとも一方を含む重合体の塩であってもよい。すなわち、式(I)で表される構成単位及び式(II)で表される構成単位の少なくとも一方は、塩の形態であってもよく、洗浄性及び平滑性の観点から、酸付加塩の形態であることが好ましい。酸付加塩としては、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、酢酸塩、硫酸塩、硝酸塩、亜硫酸塩、リン酸塩、アミド硫酸塩、炭素数1~10のアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。これらの中でも、洗浄性及び平滑性の観点から、塩酸塩又は酢酸塩が好ましい。
成分Aとしては、一又は複数の実施形態において、洗浄性及び平滑性の観点から、式(I)で表される構成単位を含む重合体又はその塩、及び、式(I)で表される構成単位と式(II)で表される構成単位を含む共重合体又はその塩から選ばれる少なくとも1種が好ましく、アリルアミン重合体又はその塩、及びアリルアミン/ジアリルアミン共重合体又はその塩から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。
成分Aの具体例としては、一又は複数の実施形態において、アリルアミン重合体、ジアリルアミン重合体、アリルアミン塩酸塩/ジアリルアミン塩酸塩共重合体、アリルアミン/ジメチルアリルアミン共重合体、アリルアミン塩酸塩重合体から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
成分Aが式(I)及び式(II)で表される構成単位を含む場合、成分Aの全構成単位中における式(I)で表される構成単位と式(II)で表される構成単位とのモル比(I/II)は、洗浄性及び平滑性の観点から、25/75~100/0が好ましく50/50~100/0がより好ましく、75/25~100/0が更に好ましい。
成分Aの全構成単位中における式(I)及び式(II)で表される構成単位の合計含有量は、洗浄性及び平滑性の観点から、30~100モル%が好ましく、40~100モル%がより好ましく、50~100モル%が更に好ましく、100モル%が更に好ましい。
成分Aは、一又は複数の実施形態において、式(I)で表される構成単位及び式(II)で表される構成単位以外のその他の構成単位をさらに含有することができる。その他の構成単位としては、例えば、下記式(III)で表される構成単位、アクリルアミド、マレイン酸等が挙げられる。
Figure 0007134081000003
成分Aがその他の構成単位をさらに有する場合、成分Aの具体例としては、ジアリルアミン酢酸塩・二酸化硫黄共重合体等が挙げられる。
成分Aが式(III)で表される構成単位を有する場合、成分A(重合体)の全構成単位中における上記式(III)で表される構成単位の含有量は、洗浄性及び平滑性の観点から、10~60モル%が好ましく、20~60モル%がより好ましく、30~60モル%が更に好ましく、40~60モル%より更に好ましい。
式(I)で表される構成単位を形成するモノマーとしては、アリルアミン等が挙げられる。
式(II)で表される構成単位を形成するモノマーとしては、ジアリルアミンが挙げられる。
式(III)で表される構成単位を形成するモノマーとしては、二酸化硫黄が挙げられる。
本開示における成分Aは、一又は複数の実施形態において、極性溶媒中において、ラジカル開始剤の存在下、アリルアミン、ジアリルアミン又はこれらの酸付加塩と、必要に応じて二酸化硫黄及びその他の構成単位を導入するための化合物とを重合させることにより製造することができる。
極性溶媒としては、一又は複数の実施形態において、水、無機酸(例えば、塩酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸など)又はその水溶液、無機酸の金属塩(例えば、塩化亜鉛、塩化カルシウム、塩化マグネシウムなど)の水溶液、有機酸(例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸など)又はその水溶液、あるいは極性有機溶媒(例えば、アルコール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドなど)を挙げることができ、これらの混合物でもよい。
ラジカル開始剤としては、例えば、分子中にアゾ基を有するラジカル開始剤や過硫酸塩系ラジカル開始剤、有機過酸化物等が挙げられる。
本開示における成分Aの重量平均分子量は、洗浄性及び平滑性の観点から、1,000以上が好ましく、2,000以上がより好ましく、3,000以上が更に好ましく、そして、200,000以下が好ましく、150,000以下がより好ましく、50,000以下が更に好ましい。より具体的には、成分Aの重量平均分子量は、1,000以上200,000以下が好ましく、2,000以上150,000以下がより好ましく、3,000以上50,000以下が更に好ましい。本開示において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(ポリエチレングリコール換算)によるものであり、具体的には、実施例に記載の方法により測定できる。
本開示の洗浄剤組成物の洗浄時における成分Aの含有量は、洗浄性及び平滑性の観点から、0.001質量%以上が好ましく、0.005質量%以上がより好ましく、0.01質量%以上が更に好ましく、そして、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、2質量%以下が更に好ましく、1質量%以下がより更に好ましく、0.5質量%以下がより更に好ましく、0.2質量%以下がより更に好ましい。より具体的には、洗浄剤組成物中の洗浄時における成分Aの含有量は、0.001質量%以上10質量%以下が好ましく、0.005質量%以上5質量%以下がより好ましく、0.01質量%以上2質量%以下が更に好ましく、0.01質量%以上1質量%以下がより更に好ましく、0.01質量%以上0.5質量%以下がより更に好ましく、0.01質量%以上0.2質量%以下がより更に好ましい。成分Aが2種以上の組合せの場合、成分Aの含有量はそれらの合計含有量をいう。
本開示の洗浄剤組成物は、後述するように、濃縮物として製造され、洗浄する際に希釈して使用してもよいことから、本開示において「洗浄剤組成物の洗浄時における各成分の含有量」とは、一又は複数の実施形態において、洗浄工程に使用される洗浄剤組成物の各成分の含有量、すなわち、洗浄剤組成物の洗浄への使用を開始する時点での各成分の含有量をいう。よって、本開示において洗浄時の洗浄剤組成物、つまり、洗浄工程に使用される洗浄剤組成物とは、一又は複数の実施形態において、希釈された状態での洗浄剤組成物をいう。
[成分B:アミン]
本開示の洗浄剤組成物に含まれる成分Bは、少なくとも1つのアミノ基を含有し、窒素原子数が1個以上10個以下である成分A以外のアミノ基含有化合物である。成分Bは1種でもよいし、2種以上の組合せでもよい。
成分Bに含まれるアミノ基の数は、洗浄性及び平滑性の観点から、1以上が好ましく、2以上がより好ましく、そして、10以下が好ましく、5以下がより好ましく、4以下が更に好ましい。成分Bの窒素原子数は、洗浄性及び平滑性の観点から、1以上10以下であって、1以上5以下が好ましく、1以上4以下がより好ましく、2以上4以下が更に好ましい。
成分Bとしては、一又は複数の実施形態において、グリシン、窒素原子数が1以上10以下のアミン化合物等が挙げられる。窒素原子数が1以上10以下のアミン化合物としては、例えば、アルカノールアミン、第1アミン、第2級アミン、第3級アミン等が挙げられ、具体例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、メチルプロパノールアミン、メチルジプロパノールアミン、及びアミノエチルエタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、1,3-プロパンジアミン四酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸等が挙げられる。洗浄性及び平滑性の観点から、成分Bは、グリシン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、エチレンジアミン四酢酸、及びジエチレントリアミン五酢酸から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
本開示の洗浄剤組成物の洗浄時における成分Bの含有量は、洗浄性及び平滑性の観点から、0.001質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、0.02質量%以上が更に好ましく、そして、10質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下が更に好ましい。より具体的には、洗浄時における成分Bの含有量は、0.001質量%以上10質量%以下が好ましく、0.01質量%以上1質量%以下がより好ましく、0.02質量%以上0.5質量%以下が更に好ましい。成分Bが2種以上の組合せの場合、成分Bの含有量は、それらの合計含有量をいう。
本開示の洗浄剤組成物における成分Aと成分Bとの質量比A/Bは、洗浄性及び平滑性の観点から、0.001以上が好ましく、0.01以上がより好ましく、0.03以上が更に好ましく、そして、100以下が好ましく、50以下がより好ましく、20以下が更に好ましい。より具体的には、質量比A/Bは、0.001以上100以下が好ましく、0.01以上50以下がより好ましく、0.03以上20以下が更に好ましい。
[成分C:アルカリ剤]
本開示の洗浄剤組成物は、一又は複数の実施形態において、成分B以外のアルカリ剤(成分C)をさらに含有してもよい。成分Cは、1種でもよいし、2種以上の組合せであってもよい。
成分Cとしては、一又は複数の実施形態において、無機アルカリ剤及び有機アルカリ剤等が挙げられる。無機アルカリ剤としては、例えば、アンモニア;水酸化カリウム及び水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物;等が挙げられる。有機アルカリ剤としては、例えば、第四級アンモニウム塩等が挙げられる。第四級アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、及びコリン等が挙げられる。一又は複数の実施形態において、成分Cは、洗浄性及び平滑性の観点から、アルカリ金属水酸化物及び第四級アンモニウム塩の少なくとも一方が好ましく、排水処理負荷低減の観点から、アルカリ金属水酸化物がより好ましく、水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムの少なくとも1種がさらに好ましい。
本開示の洗浄剤組成物の洗浄時における成分Cの含有量は、洗浄性及び平滑性の観点から、0.000005質量%以上(0.05ppm以上)が好ましく、0.00005質量%以上がより好ましく、0.0001質量%以上が更に好ましく、0.001質量%以上が更により好ましく、そして、同様の観点から、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、1質量%以下が更に好ましく、0.5質量%以下がより更に好ましく、0.1質量%以下がより更に好ましい。より具体的には、洗浄時における成分Cの含有量は、0.000005質量%以上10質量%以下が好ましく、0.00005質量%以上10質量%以下がより好ましく、0.0001質量%以上5質量%以下が更に好ましく、0.0001質量%以上1質量%以下がより更に好ましく、0.0001質量%以上0.5質量%以下がより更に好ましく、0.001質量%以上0.1質量%以下がより更に好ましい。成分Cを2種以上の組合せの場合、成分Cの含有量はそれらの合計含有量をいう。
本開示の洗浄剤組成物における成分Aと成分Cとの質量比A/Cは、洗浄性及び平滑性の観点から、0.01以上が好ましく、0.05以上がより好ましく、0.1以上が更に好ましく、そして、50以下が好ましく、20以下がより好ましく、10以下が更に好ましい。より具体的には、質量比A/Cは、0.01以上50以下が好ましく、0.05以上20以下がより好ましく、0.1以上10以下が更に好ましい。
[成分D:水]
本開示の洗浄剤組成物は、一又は複数の実施形態において、水(成分D)をさらに含有してもよい。成分Dとしては、溶媒としての役割を果たすことができるものであれば特に制限はなく、例えば、超純水、純水、イオン交換水、又は蒸留水等を挙げることができるが、超純水、純水、又はイオン交換水が好ましく、超純水がより好ましい。純水及び超純水は、例えば、水道水を活性炭に通し、イオン交換処理し、さらに蒸留したものを、必要に応じて所定の紫外線殺菌灯を照射、又はフィルターに通すことにより得ることができる。
本開示の洗浄剤組成物の洗浄時における成分Dの含有量は、洗浄性向上及び洗浄剤組成物の安定化の観点から、90質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましく、99質量%以上が更に好ましく、そして、同様の観点から、99.99質量%以下が好ましく、99.98質量%以下がより好ましく、99.97質量%以下が更に好ましい。
[その他の成分]
本開示の洗浄剤組成物は、上記成分A~D以外にその他の成分をさらに含有してもよい。その他の成分としては、一又は複数の実施形態において、酸性化合物、キレート剤、アニオンポリマー、ノニオン性界面活性剤、可溶化剤、酸化防止剤、防腐剤、消泡剤、及び抗菌剤等から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。その他の成分は、本開示の効果を損なわない範囲で洗浄剤組成物中に含有されることが好ましく、本開示の洗浄剤組成物の洗浄時におけるその他の成分の含有量は、0質量%以上2質量%以下が好ましく、0質量%以上1.5質量%以下がより好ましく、0質量%以上1.3質量%以下が更に好ましく、0質量%以上1質量%以下がより更に好ましい。
本開示の洗浄剤組成物は、溶媒として上記水に加えて水系溶媒(例えば、エタノール等のアルコール)をさらに含有してもよいが、本開示の洗浄剤組成物に含まれる溶媒は水のみからなることが好ましい。
[洗浄剤組成物のpH]
本開示の洗浄剤組成物の洗浄時のpHは、8以上であって、洗浄性及び平滑性の観点から、9以上が好ましく、9.5以上がより好ましく、10以上がさらに好ましく、10.5以上がよりさらに好ましく、そして、14以下が好ましく、13以下がより好ましく、12.5以下がさらに好ましく、12以下がよりさらに好ましく、11.5以下がよりさらに好ましい。より具体的には、本開示の洗浄剤組成物の洗浄時のpHは、8以上14以下が好ましく、9以上13以下がより好ましく、9.5以上12.5以下がさらに好ましく、10以上12以下がさらに好ましく、10.5以上11.5以下がさらに好ましい。本開示の洗浄剤組成物のpH調整は、例えば、洗浄性向上の観点から、酸や成分Bのアルカリ剤を用いて行うことができる。酸としては、例えば、硝酸、硫酸、塩酸等の無機酸;オキシカルボン酸、アミノ酸等の有機酸;等が挙げられる。本開示において「洗浄時のpH」とは、25℃における洗浄剤組成物の使用時(希釈後)のpHであり、pHメータを用いて測定でき、好ましくはpHメータの電極を洗浄剤組成物に浸漬して3分後の数値である。
[洗浄剤組成物の製造方法]
本開示の洗浄剤組成物は、成分A、成分B、必要に応じて成分C、成分D及びその他の成分を公知の方法で配合することにより製造できる。例えば、本開示の洗浄剤組成物は、少なくとも成分A及び成分Bを配合してなるものとすることができる。したがって、本開示は、少なくとも成分A及び成分Bを配合する工程を含む、洗浄剤組成物の製造方法(以下、「本開示の洗浄剤組成物の製造方法」ともいう)に関する。本開示において「配合」とは、成分A、成分B,必要に応じて成分C、成分D及びその他の成分を同時又は任意の順に混合することを含む。本開示の洗浄剤組成物の製造方法において、各成分の配合量は、上述した本開示の洗浄剤組成物の各成分の含有量と同じとすることができる。
本開示の洗浄剤組成物は、貯蔵及び輸送の観点から、濃縮物として製造され、使用時に希釈されてもよい。洗浄剤組成物の濃縮物は、貯蔵及び輸送の観点から、希釈倍率3倍以上の濃縮物とすることが好ましく、保管安定性の観点から、希釈倍率200倍以下の濃縮物とすることが好ましい。洗浄剤組成物の濃縮物は、使用時に各成分の含有量が、上述した含有量(すなわち、洗浄時の含有量)となるように水で希釈して使用することができる。さらに洗浄剤組成物の濃縮物は、使用時に各成分を別々に添加して使用することもできる。本開示において洗浄剤組成物の濃縮物の「使用時」又は「洗浄時」とは、洗浄剤組成物の濃縮物が希釈された状態をいう。
本開示の洗浄剤組成物の濃縮物のpHは、希釈後の洗浄性向上の観点から、9以上が好ましく、10以上がより好ましく、12以上がさらに好ましく、13以上がよりさらに好ましく、そして、同様の観点から、14以下が好ましく、13.9以下がより好ましく、13.8以下がさらに好ましい。より具体的には、本開示の洗浄剤組成物の濃縮物のpHは、9以上14以下が好ましく、10以上13.9以下がより好ましく、12以上13.9以下がさらに好ましく、13以上13.8以下がよりさらに好ましい。本開示の洗浄剤組成物の濃縮物のpHは、前記本開示の洗浄剤組成物のpHと同様の方法で測定することができる。
[被洗浄基板]
本開示の洗浄剤組成物を用いて洗浄される被洗浄基板は、一又は複数の実施形態において、研磨液組成物で研磨された基板、又は、パーティクルが残留又は付着している基板が挙げられる。基板としては、例えば、Ni-Pメッキされたアルミニウム合金基板、ガラス基板等が挙げられる。ガラス基板としては、結晶化ガラス基板でもよいし、非結晶化ガラス基板でもよい。
被洗浄基板に残留又は付着するパーティクルとしては、一又は複数の実施形態において、酸化ニッケル、シリカ等の研磨くず由来のパーティクル;シリカ、アルミナ、セリア等の研磨砥粒由来のパーティクル;等が挙げられる。
本開示の洗浄剤組成物は、一又は複数の実施形態において、研磨液組成物で研磨された基板、又は、パーティクルが残留又は付着している基板の洗浄に使用されうる。本開示の洗浄剤組成物は、一又は複数の実施形態において、洗浄効果の点から、酸化ニッケル、シリカ等の研磨くず由来のパーティクル、好ましくは酸化ニッケルの研磨くず由来のパーティクルが付着した基板の洗浄に好適に用いられうる。さらに、本開示の洗浄剤組成物は、一又は複数の実施形態において、洗浄効果の点から、Ni-Pメッキされたアルミニウム合金基板、好ましくは研磨液組成物で研磨された後のNi-Pメッキされたアルミニウム合金基板の洗浄、より好ましくはシリカ砥粒を含有する研磨液組成物で研磨された後のNi-Pメッキされたアルミニウム合金基板の洗浄に好適に用いられうる。
[基板の洗浄方法]
本開示は、一態様において、本開示の洗浄剤組成物を用いて、被洗浄基板を洗浄する洗浄工程を含み、前記被洗浄基板が、研磨液組成物で研磨された基板である、基板の洗浄方法(以下、「本開示の洗浄方法」ともいう)に関する。本開示の洗浄方法は、前記本開示の洗浄剤組成物の濃縮液を希釈する希釈工程をさらに含むことができる。被洗浄基板としては、上述した基板を用いることができる。前記洗浄工程は、一又は複数の実施形態において、被洗浄基板に本開示の洗浄剤組成物を接触させる工程を含むことができる。前記洗浄工程は、一又は複数の実施形態において、浸漬洗浄及び/又はスクラブ洗浄を行うことを含むことができる。本開示の洗浄方法であれば、基板表面に付着したパーティクル、好ましくは酸化ニッケル、酸化珪素等の研磨くず由来のパーティクル、より好ましくは酸化ニッケルの研磨くず由来のパーティクルを効率よく除去できる。
(浸漬洗浄)
被洗浄基板の洗浄剤組成物への浸漬条件としては、特に制限はない。例えば、洗浄剤組成物の温度は、作業性及び操業性の観点から、20~100℃が好ましい。例えば、浸漬時間は、洗浄剤組成物による洗浄性の向上の観点から、5秒以上が好ましく、10秒以上がより好ましく、100秒以上がさらに好ましく、そして、洗浄された基板の生産効率の向上の観点から、30分以下が好ましく、10分以下がより好ましく、5分以下がさらに好ましい。残留物の除去性及び残留物の分散性を高める観点から、洗浄剤組成物には超音波振動が付与されていると好ましい。超音波の周波数としては、例えば、20~2000kHzが好ましく、40~2000kHzがより好ましく、40~1500kHzがさらに好ましい。
(スクラブ洗浄)
スクラブ洗浄の方法としては、研磨粒子等の残留物の除去性や油分の溶解性を促進させる観点から、超音波振動が与えられている洗浄剤組成物を射出して、被洗浄基板の表面に洗浄剤組成物を接触させて当該表面を洗浄すること、又は、洗浄剤組成物を被洗浄基板の表面上に射出により供給し、洗浄剤組成物が供給された当該表面を洗浄用ブラシでこすることにより洗浄することが好ましい。さらに、スクラブ洗浄の方法は、同様の観点から、超音波振動が与えられている洗浄剤組成物を射出により洗浄対象の表面に供給し、かつ、洗浄剤組成物が供給された当該表面を洗浄用ブラシでこすることにより洗浄することが好ましい。
洗浄剤組成物を被洗浄基板の表面上に供給する手段としては、例えば、スプレーノズル等の手段を用いることができる。洗浄用ブラシとしては、特に制限はなく、例えばナイロンブラシやポリビニルアルコール(PVA)スポンジブラシ等を使用することができる。超音波の周波数としては、例えば、上述の浸漬洗浄で好ましく採用される値と同様とすることができる。
本開示の洗浄方法は、前記浸漬洗浄及び/又は前記スクラブ洗浄に加えて、揺動洗浄、スピンナー等の回転を利用した洗浄、パドル洗浄等の公知の洗浄を用いる工程を1つ以上含んでもよい。
本開示の洗浄方法では、被洗浄基板を一枚ずつ洗浄してもよいが、複数枚の洗浄すべき被洗浄基板を一度にまとめて洗浄してもよい。洗浄の際に用いる洗浄槽の数は1つでも複数でもよい。
[ハードディスク用基板の製造方法]
本開示は、一態様において、本開示の洗浄剤組成物を用いて、被洗浄基板を洗浄する工程を含む、ハードディスク用基板の製造方法(以下、「本開示の製造方法」ともいう)に関する。被洗浄基板としては上述した基板を用いることができる。
一般に、ハードディスク用基板の基となる基材が、形状加工工程、粗研削工程、精研削工程、粗研磨工程、仕上げ研磨工程等を経ることにより、ハードディスク用基板が製造されうる。そして、前記各工程の間には洗浄工程が含まれることがある。ハードディスク用基板は、例えば、最終の洗浄工程の後に記録部形成工程を経ることで磁気ハードディスクとなりうる。
記録部形成工程は、例えば、スパッタ等の方法により、磁気記録領域を有し金属薄膜を含む磁性層をハードディスク用基板上に形成することにより行うことができる。前記金属薄膜を構成する金属材料としては、例えば、クロム、タンタル、白金等とコバルトとの合金、鉄と白金等との合金等が挙げられる。磁性層は、ハードディスク用基板の両主面側に形成されてもよいし、一方の主面側にのみ形成されてもよい。
前記粗研磨工程と前記仕上げ研磨工程は、例えば、この順で行われる。粗研磨工程の際に用いられる研磨剤組成物に含まれる無機微粒子としては、例えば、高速研磨が可能であるという理由から、酸化セリウム粒子又はアルミナ粒子が好ましい。仕上げ研磨工程の際に用いられる研磨剤組成物に含まれる無機微粒子は、表面の平滑性(表面粗さ)を向上させるという理由から、シリカ粒子が好ましい。
一又は複数の実施形態において、粗研磨工程の後、洗浄剤組成物を用いた洗浄工程(第1洗浄工程)、すすぎ工程(第1すすぎ工程)、乾燥工程(第1乾燥工程)、仕上げ研磨工程、洗浄剤組成物を用いた洗浄工程(第2洗浄工程)、すすぎ工程(第2すすぎ工程)、及び乾燥工程(第2乾燥工程)をこの順で行うことができる。本開示の洗浄方法は、前記第1洗浄工程及び/又は前記第2洗浄工程に適用することができる。本開示の洗浄方法は、洗浄性の向上の観点から、第2洗浄工程に用いることが好ましい。
したがって、本開示は、一態様において、以下の工程(1)及び工程(2)を含むハードディスク用基板の製造方法に関する。
(1)研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する研磨工程。
(2)工程(1)で得られた基板(被洗浄基板)を、本開示の洗浄剤組成物を用いて洗浄する洗浄工程。
前記工程(1)における被研磨基板は、一般に精研削工程を経た後の基板であり、粗研磨工程を経た後の基板であることが好ましい。被研磨基板については、上述の被洗浄基板と同様の基板を用いることができる。工程(1)は、被研磨基板の研磨対象面に研磨液組成物を供給し、前記研磨対象面に研磨パッドを接触させ、所定の圧力(荷重)をかけながら、研磨パッドや被研磨基板を動かすこと等によって行うことができる。工程(1)は、最終の基板の品質を向上させる観点から、シリカ粒子を含む研磨液組成物を用いた仕上げ研磨工程であることが好ましい。仕上げ研磨工程においては、研磨液組成物を繰り返し使用することが好ましい。
前記工程(2)の洗浄工程は、上述した本開示の洗浄方法と同様に行うことができる。
[キット]
本開示は、その他の態様において、洗浄剤組成物を製造するためのキット(以下、「本開示のキット」ともいう)に関する。
本開示のキットの一実施形態としては、成分Aを含む溶液(第1液)と、成分Bを含む溶液(第2液)とを相互に混合されない状態で含み、これらが使用時に混合されるキット(2液型洗浄剤組成物)が挙げられる。第1液及び第2液の各々には、必要に応じて上述した成分C、成分D及びその他の成分が混合されていてもよい。
[ハードディスク記録装置]
本開示は、一態様において、本開示の洗浄剤組成物を用いて洗浄したハードディスク用基板を使用したハードディスク記録装置(以下、「本開示のハードディスク記録装置」ともいう)に関する。本開示の洗浄剤組成物を用いて洗浄したハードディスク用基板を使用することで、高記録密度のハードディスク記録装置を提供できる。
以下に、実施例により本開示を具体的に説明するが、本開示はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
1.重合体(成分A及び非成分A)の調製
表1に示す重合体A1~A15は以下のものを使用した。表1に示す重合体の重量平均分子量はカタログ値である。
A1:アリルアミン重合体[商品名「PAA-15」、ニットーボーメディカル株式会社製、重量平均分子量15,000]
A2:ジアリルアミン重合体[商品名「PAS-21」、ニットーボーメディカル株式会社製、重量平均分子量5,000]
A3:ジアリルアミン酢酸塩/二酸化硫黄共重合体(モル比50/50)[商品名「PAS-92A」、ニットーボーメディカル株式会社製、重量平均分子量5,000]
A4:アリルアミン塩酸塩/ジアリルアミン塩酸塩共重合体(モル比60/40)[商品名「PAA-D41-HCL」、ニットーボーメディカル株式会社製、重量平均分子量20,000]
A5:アリルアミン塩酸塩/ジアリルアミン塩酸塩共重合体(モル比50/50)[商品名「PAA-D19-HCL」、ニットーボーメディカル株式会社製、重量平均分子量40,000]
A6:アリルアミン塩酸塩/ジアリルアミン塩酸塩共重合体(モル比60/40)[商品名「PAA-D11-HCL」、ニットーボーメディカル株式会社製、重量平均分子量100,000]
A7:アリルアミン/ジメチルアリルアミン共重合体(モル比30/70)[商品名「PAA-1112CL」、ニットーボーメディカル株式会社製、重量平均分子量1,000]
A8:アリルアミン重合体[商品名「PAA-01」、ニットーボーメディカル株式会社製、重量平均分子量1,600]
A9:アリルアミン重合体[商品名「PAA-05」、ニットーボーメディカル株式会社製、重量平均分子量5,000]
A10:アリルアミン重合体[商品名「PAA-25」、ニットーボーメディカル株式会社製、重量平均分子量25,000]
A11:アリルアミン塩酸塩重合体[商品名「PAA-HCL-10L」、ニットーボーメディカル株式会社製、重量平均分子量150,000]
A12:メチルジアリルアミン酢酸塩重合体[商品名「PAS-M-1-A」、ニットーボーメディカル株式会社製、重量平均分子量20,000]
A13:ジアリルメチルエチルアンモニウムエチルサルフェイト重合体[商品名「PAS-24」、ニットーボーメディカル株式会社製、重量平均分子量37,000]
A14:ジアリルメチルエチルアンモニウムエチルサルフェイト/マレイン酸共重合体(モル比70/30)[商品名「PAS-2451」、ニットーボーメディカル株式会社製、重量平均分子量30,000]
A15:ジアリルジメチルアンモニウムクロリド/二酸化硫黄/マレイン酸共重合体(モル比50/25/25)[商品名「PAS-84」、ニットーボーメディカル株式会社製、重量平均分子量20,000]
Figure 0007134081000004
2.洗浄剤組成物の調製(実施例1~20及び比較例1~6)
表3に示す各成分を配合し混合することにより実施例1~20及び比較例1~6の洗浄剤組成物を調製した。各洗浄剤組成物における各成分の含有量(質量%、有効分)は、表3に示すとおりである。pHは、25℃における洗浄剤組成物のpHであり、pHメータ(東亜電波工業株式会社、HM-30G)の電極を洗浄剤組成物に浸漬して3分後の数値を測定した。
各洗浄剤組成物の調製に用いた成分Bには、表2に示すものを用いた。
Figure 0007134081000005
各洗浄剤組成物の調製に用いた成分C、その他の成分及び成分Dには、以下に示すものを用いた。
<成分C:アルカリ剤>
水酸化カリウム(KOH)[関東化学株式会社製、鹿特級、固形分48質量%]
水酸化ナトリウム(NaOH)[AGC株式会社製、固形分48質量%]
<その他の成分>
塩酸[富士フイルム和光純薬株式会社製、試薬特級、純度35.0質量%]
<成分D:水>
水:栗田工業株式会社製の連続純水製造装置(ピュアコンティ PC-2000VRL型)とサブシステム(マクエース KC-05H型)を用いて製造した超純水
3.評価方法
[洗浄性試験方法]
Ni-Pメッキされたアルミニウム合金基板(外径:95mmφ、内径:25mmφ、厚さ:0.80mm)を、研磨くずに相当する酸化ニッケル粒子(平均粒径50nm未満)を含有する分散液(濃度:0.0025質量%)に2分間浸漬することにより、汚染された被洗浄基板、すなわち、パーティクルが付着した被洗浄基板を用意した。そして、各洗浄剤組成物を用いて前記被洗浄基板の洗浄を行い、各洗浄剤組成物の洗浄性を評価した。洗浄は以下のようにして行った。
(洗浄)
被洗浄基板5枚を、洗浄装置を用いて以下の条件で洗浄した。すすぎ槽は2セット用意した。
(1)洗浄-1:洗浄に使用する洗浄剤組成物を4000g調製した。調製した洗浄剤組成物を洗浄槽(a)に入れ、洗浄槽(a)内の液温が25℃になるように設定した。そして、洗浄槽(a)内の洗浄剤組成物に被洗浄基板を浸漬し、超音波(200kHz)を照射しながら120秒間洗浄した。
(2)すすぎ-1:超純水をすすぎ槽(b)に入れ、すすぎ槽(b)内の液温が25℃になるように設定した。そして、洗浄槽(a)内の被洗浄基板をすすぎ槽(b)に移してすすぎ槽(b)内の超純水に浸漬し、超音波(600kHz)を照射しながら120秒間すすいだ。
(3)すすぎ槽(b)と同様の条件で準備した超純水を入れたすすぎ槽(c)を使用して、再度(2)を繰り返した。
(4)洗浄-2:すすぎ槽(c)内の被洗浄基板を、洗浄ブラシがセットされたスクラブ洗浄ユニット(A)に移した。そして、洗浄ブラシに25℃の洗浄剤組成物を射出し、該洗浄剤組成物の存在下で洗浄ブラシを被洗浄基板の両面に400rpmで回転させながら押し当てることにより、洗浄を25℃で5秒間行った。洗浄剤組成物には、「(1)洗浄-1」で用いた洗浄剤組成物と同組成のものを用いた。
(5)すすぎ-2:スクラブ洗浄ユニット(A)と同様の条件で準備したスクラブ洗浄ユニット(B)に被洗浄基板を移し、25℃の超純水を射出し、洗浄ブラシを被洗浄基板の両面に(4)と同様に400rpmで回転させながら押し当てることにより、すすぎを25℃で5秒間行った。
(6)スクラブ洗浄ユニット(A)と同様の条件で準備したスクラブ洗浄ユニット(C)、スクラブ洗浄ユニット(B)と同様の条件で準備したスクラブ洗浄ユニット(D)を使用して再度(4)と(5)を繰り返した。
(7)すすぎ-3:超純水をすすぎ槽(e)に入れ、すすぎ槽(e)内の液温が25℃になるように設定した。そして、被洗浄基板をすすぎ槽(e)に移してすすぎ槽(e)内の超純水に浸漬し、超音波(170kHz)を照射しながら600秒間すすいだ。
(8)乾燥:被洗浄基板をスピンドライヤーに移し、回転数700rpmで60秒間かけて完全に基板表面を乾燥させた。
[表面欠陥数(洗浄性)の評価]
10,000rpmで回転している洗浄された基板に、光学式微細欠陥検査装置(Candela7100、KLA-Tencor社製)のMODE Q-Scatterでレーザーを照射して、欠陥数(基板上の異物数)の測定を実施した。各洗浄剤組成物について5枚ずつの基板の表裏合計10点について前記測定を行い、平均値を算出した。比較例1の値を100として相対値を表2に示す。値が小さいほど、欠陥数が少なく、パーティクルの除去性に優れる、すなわち、洗浄性に優れると評価できる。
[NiO/NiP溶解量比(平滑性)の評価]
<NiO溶解量>
(1)各洗浄剤組成物20gを100mlポリエチレン容器に加え、恒温槽中で25℃に保持した。
(2)これに酸化(II)ニッケル粉末(Nickel(II) oxide、純度99.9%以上、Stern Chemicals,Inc.製)0.1gを上記洗浄剤組成物に添加し、マグネチックスターラーを用いて600rpmの回転速度で15分間攪拌した。
(3)懸濁液4mlをシリンジで採取し、フィルターユニット(DISMIC 25HP020AN、孔径:0.2μm、直径:25mm、フィルター材質:親水性PTFE、ADVANTEC製)を取り付けて濾過した。
(4)上記濾液を超純水で20倍に希釈し、ICP発光分光分析装置(Agilent 5110 ICP-OES、アジレント・テクノロジー株式会社製)にてNiの発光強度を測定した。
(5)NiO溶解量は、ニッケル標準液(富士フイルム和光純薬株式会社製)を超純水で希釈した濃度既知のNi溶液のNi発光強度を用いて作成した検量線から求めた。
<NiPエッチング量>
(1)各洗浄剤組成物70gを1Lのポリエチレン容器に加え、恒温槽中で25℃に保持した。
(2)次に、Ni-Pメッキされたアルミニウム合金基板を0.1重量%HF水溶液に室温下で10秒浸漬した後に水で濯ぎ、窒素を吹き付けて乾燥させた。
(3)上記基板を(1)の各洗浄剤組成物に60分間浸漬した。
(4)基板を浸漬させた各洗浄剤組成物を超純水で10倍に希釈し、ICP発光分光分析装置(Agilent 5110 ICP-OES、アジレント・テクノロジー株式会社製)にてNiの発光強度を測定した。
(5)NiPエッチング量は、ニッケル標準液(富士フイルム和光純薬株式会社製)を超純水で希釈した濃度既知のNi溶液のNi発光強度を用いて作成した検量線から求めた。
<NiO/NiP溶解量比>
上記NiO溶解量をNiPエッチング量で除することにより、NiO/NiP溶解量比を算出した。
Figure 0007134081000006
表3に示すとおり、実施例1~20の洗浄剤組成物は、比較例1~6の洗浄剤組成物に比べて、洗浄性及び平滑性に優れていた。
本開示によれば、例えば、高記録密度化に適した磁気ディスク基板を提供できる。

Claims (9)

  1. ハードディスク用基板であるNi-Pメッキされたアルミニウム合金基板の洗浄に使用するための洗浄剤組成物であって、
    下記式(I)で表される構成単位及び下記式(II)で表される構成単位の少なくとも一方を含む重合体又はその塩(成分A)と、
    少なくとも1つのアミノ基を含有し、窒素原子数が1個以上10個以下である成分A以外のアミノ基含有化合物(成分B)と、を含有する、ハードディスク用基板用洗浄剤組成物。
    Figure 0007134081000007
    上記式(I)及び式(II)中、R1、R2、R3はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~3のアルキル基である。R4、R5はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~3のアルキル基である。Xは、炭素数1~12のアルキレン基、-COOR6-、-CONHR6-、-OCOR6-及び-R7-OCO-R6-から選ばれる少なくとも1種の基である。ここでR6、R7はそれぞれ独立して、炭素数1~5のアルキレン基である。pは、1以上3以下の数である。m、nはそれぞれ独立して0又は1であり、m+n=1である。*は、結合手を示す。
  2. pHが8以上である、請求項1に記載の洗浄剤組成物。
  3. 成分Aの重量平均分子量が、1,000以上200,000以下である、請求項1又は2に記載の洗浄剤組成物。
  4. 洗浄剤組成物の洗浄時における成分Aの含有量は、0.001質量%以上10質量%以下である、請求項1から3のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
  5. 成分B以外のアルカリ剤(成分C)をさらに含有する、請求項1から4のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
  6. 成分Cが、アルカリ金属水酸化物及び第四級アンモニウム塩の少なくとも一方である、請求項5に記載の洗浄剤組成物。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の洗浄剤組成物を用いて被洗浄基板を洗浄する洗浄工程を含み、
    前記被洗浄基板は、研磨液組成物で研磨された基板、又は、パーティクルが付着した基板であって、Ni-Pメッキされたアルミニウム合金基板である、基板の洗浄方法。
  8. 前記研磨液組成物が、シリカ砥粒を含有する研磨液組成物である、請求項に記載の洗浄方法。
  9. 請求項1から6のいずれかに記載の洗浄剤組成物を用いて被洗浄基板を洗浄する洗浄工程を含み、
    前記被洗浄基板は、研磨液組成物で研磨された基板、又は、パーティクルが付着した基板であって、Ni-Pメッキされたアルミニウム合金基板である、ハードディスク用基板の製造方法。
JP2018229245A 2018-12-06 2018-12-06 ハードディスク用基板用洗浄剤組成物 Active JP7134081B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018229245A JP7134081B2 (ja) 2018-12-06 2018-12-06 ハードディスク用基板用洗浄剤組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018229245A JP7134081B2 (ja) 2018-12-06 2018-12-06 ハードディスク用基板用洗浄剤組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020090625A JP2020090625A (ja) 2020-06-11
JP7134081B2 true JP7134081B2 (ja) 2022-09-09

Family

ID=71013302

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018229245A Active JP7134081B2 (ja) 2018-12-06 2018-12-06 ハードディスク用基板用洗浄剤組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7134081B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7494084B2 (ja) 2020-10-08 2024-06-03 花王株式会社 磁気ディスク基板用研磨液組成物
JP7052137B1 (ja) 2021-03-31 2022-04-11 日本ペイント・サーフケミカルズ株式会社 化成処理剤、表面処理金属、及び表面処理方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004101849A (ja) 2002-09-09 2004-04-02 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 洗浄剤組成物
JP2005026621A (ja) 2003-07-03 2005-01-27 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 基板の洗浄剤
JP2010250118A (ja) 2009-04-16 2010-11-04 Az Electronic Materials Kk 微細パターン形成方法
JP2013140645A (ja) 2011-12-28 2013-07-18 Kao Corp 磁気ディスク基板の製造方法
JP2018182069A (ja) 2017-04-13 2018-11-15 Jsr株式会社 洗浄用組成物および処理方法
JP2018177974A (ja) 2017-04-13 2018-11-15 Jsr株式会社 洗浄用組成物および処理方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004101849A (ja) 2002-09-09 2004-04-02 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 洗浄剤組成物
JP2005026621A (ja) 2003-07-03 2005-01-27 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 基板の洗浄剤
JP2010250118A (ja) 2009-04-16 2010-11-04 Az Electronic Materials Kk 微細パターン形成方法
JP2013140645A (ja) 2011-12-28 2013-07-18 Kao Corp 磁気ディスク基板の製造方法
JP2018182069A (ja) 2017-04-13 2018-11-15 Jsr株式会社 洗浄用組成物および処理方法
JP2018177974A (ja) 2017-04-13 2018-11-15 Jsr株式会社 洗浄用組成物および処理方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020090625A (ja) 2020-06-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4140923B2 (ja) 洗浄剤組成物
JP5251861B2 (ja) 合成石英ガラス基板の製造方法
JP6234673B2 (ja) ガラス基板の洗浄方法
JP5280774B2 (ja) 垂直磁気記録方式ハードディスク用基板用水系洗浄剤組成物
JP7134081B2 (ja) ハードディスク用基板用洗浄剤組成物
JP2009084565A (ja) アルカリ型非イオン性界面活性剤組成物
JP5403890B2 (ja) ハードディスク用基板用の洗浄剤組成物
JP2010170615A (ja) ハードディスク用基板用の洗浄剤組成物
TWI675913B (zh) 硬碟用基板用之清潔劑組合物
JP6691540B2 (ja) ガラス製ハードディスク基板用洗浄剤組成物
JP5086450B2 (ja) 磁気ディスク基板用洗浄剤
JP6894535B2 (ja) アルミニウム製プラッタの製造方法
WO2017212827A1 (ja) ハードディスク用基板用の洗浄剤組成物
TW201731991A (zh) 磁碟用研磨材及磁碟的製造方法
TW202124691A (zh) 半導體處理用組成物及處理方法
JP6987630B2 (ja) ハードディスク用基板用の洗浄剤組成物
JP7294860B2 (ja) 磁気ディスク基板用洗浄剤組成物
JP6208575B2 (ja) 洗浄剤組成物
JP5377058B2 (ja) ハードディスク用基板用の洗浄剤組成物
JP7294910B2 (ja) 磁気ディスク基板用洗浄剤組成物
JP5073475B2 (ja) ハードディスク用基板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210902

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220412

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220419

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220524

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220816

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220830

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7134081

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151