JP5236846B2 - ポリエステル組成物の製造方法 - Google Patents

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Description

【発明の属する技術分野】
本発明は、主としてフィルムの形態で用いられるポリエステル組成物の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、ポリエステルフィルムの色調を保持しつつ、その生産性に優れたポリエステル組成物の製造方法に関するものである。
ポリエステルフィルム、特に二軸延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルムは、電気的性質、機械的性質、加工性及び耐薬品性等の点で優れている。このため、従来からポリエステルフィルムは磁気テープ用、コンデンサー用、電気絶縁用、包装用、写真用等の分野で好適に使用されている。
このポリエステルフィルムは、溶融押出装置により押出された後、回転冷却体で冷却され、さらに二軸延伸されることによって製造される。すなわち、溶融押出装置から押出されたポリエステルフィルムは回転冷却体に送られ、その回転冷却体表面を移動することによって冷却される。冷却されたポリエステルフィルムは、縦方向、続いて横方向に延伸され、目的とする二軸延伸されたポリエステルフィルムが得られる。
発明が解決しようとする課題
ところが、従来のポリエステルフィルムはポリエステル中に含有される微量成分の影響で、溶融押出装置により押出された後に回転冷却体に対する密着性が悪い。このため、回転冷却体の回転速度を上げることができず、ポリエステルフィルムの生産性が低下するという問題があった。
この発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、回転冷却体の回転速度を上げることができて、ポリエステルフィルムの生産性を向上させることができるポリエステル組成物の製造方法を提供することにある。
課題を解決するための手段
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明のポリエステル組成物の製造方法は、芳香族ジカルボン酸又はその低級アルキルエステルを主成分とするカルボン酸成分と、エチレングリコールを主成分とするグリコール成分とより形成され、アルカリ土類金属化合物を含有しないポリエステル(A)と、芳香族ジカルボン酸又はその低級アルキルエステルを主成分とするカルボン酸成分と、エチレングリコールを主成分とするグリコール成分とより形成され、アルカリ土類金属化合物として酢酸マグネシウム及びその水和物、並びに酢酸カルシウム及びその水和物から選ばれる少なくとも一種を前記カルボン酸成分に対して0.020〜0.250モル%含有し、かつリン化合物を前記アルカリ土類金属化合物に対して20〜60モル%含有するポリエステル(B)とを混合することにより得られ、混合物中の前記アルカリ土類金属化合物の含有量が0.015〜0.100モル%であるものである。
請求項2に記載の発明のポリエステル組成物の製造方法は、請求項1に記載の発明において、前記混合物中における前記ポリエステル(B)の含有量が20〜70重量%であるものである。
請求項3に記載の発明のポリエステル組成物の製造方法は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記ポリエステル組成物は、前記混合後、電圧の印加により静電気を発生させながら回転冷却体に送られるものである。
以下、本発明のポリエステル組成物の実施形態について詳細に説明する。
ポリエステル組成物は、2種類のポリエステルすなわち下記に示すポリエステル(A)とポリエステル(B)とを混合してなり、混合物中のアルカリ土類金属化合物の含有量が0.015〜0.100モル%であるものである。
ポリエステル(A)は、芳香族ジカルボン酸又はその低級アルキルエステルを主成分とするカルボン酸成分と、エチレングリコールを主成分とするグリコール成分とより形成され、アルカリ土類金属化合物を含有しないものである。「アルカリ土類金属化合物は含有されない」とは、実質的に含有されないことを意味し、具体的には前記カルボン酸成分に対する含有量が0.005モル%以下であることをいう。
芳香族ジカルボン酸としては、具体的にはテレフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、p−ヒドロキシ安息香酸、アジピン酸等が使用される。これらのうち、テレフタル酸が最もよく用いられる芳香族ジカルボン酸である。芳香族ジカルボン酸の低級アルキルエステルは、芳香族ジカルボン酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル及びブチルエステルである。
また、グリコール成分としては、エチレングリコール以外にプロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール等のほか、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が使用される。
そして、カルボン酸成分とグリコール成分とをエステル化反応又はエステル交換反応させた後、重縮合反応を行うことにより、目的とするポリエステル(A)が得られる。この場合、エステル化反応又はエステル交換反応の触媒として、アルカリ土類金属化合物以外の公知の化合物、例えばリチウム化合物、マンガン化合物、亜鉛化合物等が用いられる。また、重縮合反応触媒として、アンチモン(Sb)化合物やゲルマニウム(Ge)化合物、チタン化合物、スズ化合物等が用いられる。さらに、安定剤としてリン(P)化合物等が用いられる。
従って、ポリエステル(A)には、アルカリ土類金属化合物は含有されないが、リン化合物、アンチモン化合物、ゲルマニウム化合物等が含有されることとなる。ポリエステル(A)中にはアルカリ土類金属化合物が含まれないため、このポリエステル(A)のみではポリエステルフィルムを製造する場合に回転冷却体に対する密着性を高めることができない。よって、回転冷却体の回転速度を速くすることができず、ポリエステルフィルムの生産性が低下する。
次に、ポリエステル(B)は、芳香族ジカルボン酸又はその低級アルキルエステルを主成分とするカルボン酸成分と、エチレングリコールを主成分とするグリコール成分とより形成される点では、ポリエステル(A)と同じである。ポリエステル(B)には、さらにアルカリ土類金属化合物が前記カルボン酸成分に対して0.020〜0.250モル%含有され、かつリン化合物がアルカリ土類金属化合物に対して20〜60モル%含有されている。アルカリ土類金属化合物の具体例としては、酢酸マグネシウム又はその水和物、酢酸カルシウム又はその水和物等が挙げられる。これらのうち、アルカリ土類金属化合物の水和物は、エステル化反応又はエステル交換反応を円滑に進行させることができる点で好ましい。リン化合物の具体例としては、リン酸、リン酸トリエチル、亜リン酸トリエチル、酸性リン酸エステル等が挙げられる。酸性リン酸エステルとしては、メチルホスホン酸(メチルアシドホスフェート)、エチルホスホン酸(エチルアシドホスフェート)等が用いられる。
アルカリ土類金属化合物の含有量が前記カルボン酸成分に対して0.020モル%未満の場合、回転冷却体の回転速度を速くすることができず、ポリエステルフィルムの生産性が低下して不適当である。一方、0.250モル%を越える場合、過剰に含有されるアルカリ土類金属化合物によってポリエステルに着色が発生するとともに、過剰のアルカリ土類金属化合物が析出してポリエステルフィルムの表面が粗いものとなる。
また、リン化合物の含有量がアルカリ土類金属化合物に対して20モル%未満又は60モル%を越える場合、回転冷却体の回転速度を速くすることができず、ポリエステルの生産性が低下して不適当である。加えて、この含有量が20モル%未満の場合には、ポリエステルの熱安定性が低下したり、ポリエステルに着色が発生したりする。
ポリエステル(B)において、アルカリ土類金属化合物がマグネシウム(Mg)の場合には、その含有量は前記カルボン酸成分に対して0.040〜0.200モル%であることが好ましい。また、ポリエステル(A)とポリエステル(B)との混合物中におけるMg含有量は0.020〜0.080モル%であることが好ましい。ポリエステル(B)にはアルカリ土類金属化合物及びリン化合物が含有されているものの、それらの含有量が多いため、ポリエステル(B)のみではポリエステルの安定性などの物性が劣る。
本発明では、上記のようなポリエステル(A)とポリエステル(B)とを混合することによって、特にアルカリ土類金属化合物及びリン化合物の含有量が適正範囲に設定される。従って、後述するように、回転冷却体に対するポリエステルフィルムの密着性を向上させて、回転冷却体の回転速度を上げることができ、ポリエステルフィルムの生産性を向上させることができる。
ポリエステル(A)とポリエステル(B)の混合割合は、混合調製されたポリエステル組成物中のアルカリ土類金属化合物の含有量が0.015〜0.100モル%となるように設定される。或いは、ポリエステル(B)の含有量が20〜70重量%となるように、ポリエステル(A)とポリエステル(B)とを混合することが好ましい。後者の場合には、ポリエステル組成物中のアルカリ土類金属化合物とリン化合物の含有量のほか、混合状態等のその他の要因によって回転冷却体の回転速度を速くできて、ポリエステルフィルムの生産性を増大させることができるものと考えられる。ポリエステル(B)の含有量が20重量%未満の場合、主にアルカリ土類金属化合物及びリン化合物の含有量が低下して回転冷却体の回転速度を速くすることができず、ポリエステルフィルムの生産性が低下して好ましくない。一方、その含有量が70重量%を越える場合、過剰に含有されるアルカリ土類金属化合物によってポリエステルに着色が発生しやすくなり好ましくない。
このようにして製造されるポリエステル組成物は、主としてポリエステルフィルムとして利用される。すなわち、ポリエステル組成物は溶融押出装置に供給さコれ、溶融状態で押出され、フィルム状に形成される。形成されたポリエステルフィルムは回転冷却体に送られ、その回転冷却体表面を移動することによって冷却される。冷却されたポリエステルフィルムは、さらに縦方向、続いて横方向に所定の延伸倍率で二軸延伸される。その結果、延伸された一定厚みの目的とするポリエステルフィルムが製造される。
上記のポリエステルフィルムを回転冷却体表面で均一に急冷することにより、厚みの均一なポリエステルフィルムが得られる。つまり、押出装置の口金と回転冷却体との間に、ワイヤ等の電極を設け、その電極に高電圧を印加する。これにより、電極と回転冷却体の間を移動するポリエステルフィルム表面に静電荷を発生させ、フィルムを回転冷却体に均一に強く密着させながら、急冷させることができる。このとき、ポリエステルフィルムにアルカリ土類金属化合物及びリン化合物が所定量含有されることによって導電性を改善でき、ポリエステルフィルム表面に発生する静電荷を増加させることができる。このため、回転冷却体に対するポリエステルフィルムの密着性を良好にすることができる。よって、回転冷却体の回転速度を速くでき、ポリエステルフィルムの生産性の向上を図ることができる。
ポリエステルフィルム、特に二軸延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルムは、電気的性質、機械的性質、加工性及び耐薬品性等の性質が良好であるため、磁気テープ用、コンデンサー用、電気絶縁用、包装用、写真用等の分野で好適に使用される。
以上の実施形態により発揮される効果を以下にまとめて記載する。
・ ポリエステル組成物は、アルカリ土類金属化合物を含有しないポリエステル(A)と、アルカリ土類金属化合物をカルボン酸成分に対して0.020〜0.250モル%含有し、かつリン化合物をアルカリ土類金属化合物に対して20〜60モル%含有するポリエステル(B)とよりなっている。さらに、ポリエステル組成物中のアルカリ土類金属化合物の含有量が0.015〜0.100モル%に設定されている。このため、回転冷却体に対するポリエステルフィルムの密着性を向上させることができ、回転冷却体の回転速度を上げることができて、ポリエステルフィルムの生産性を向上させることができる。
・ ポリエステル(B)の含有量を20〜70重量%に設定することにより、ポリエステル組成物中のアルカリ土類金属化合物及びリン化合物の含有量を上記の範囲に収めることができること等の理由で、ポリエステルフィルムの生産性を確実に向上させることができる。
・ 市販されているポリエステル組成物中のアルカリ土類金属化合物及びリン化合物の含有量を分析し、ポリエステル(A)及びポリエステル(B)に該当するものを混合することにより、目的とするポリエステル組成物を容易に調製することができる。
以下、製造例、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。なお、各例における部は重量部を意味する。また、各種測定は次に示す方法によって行った。
(ポリエステル組成物中のアルカリ土類金属元素及びリン元素の定量)
予め検量線を作成しておき、蛍光X線法によってポリエステル組成物中のマグネシウムなどのアルカリ土類金属元素及びリン元素の定量を行った。
(ポリエステルの極限粘度の測定)
ポリエステル1gをフェノール/テトラクロロエタン(重量比)=50/50の混合溶媒10mlに溶解させ、30.0℃で測定した。
(ポリエステルフィルムの色調)
黄色味の指標であるb値を東京電色(株)製の光電色差計を用いて、10枚重ねのフィルムのb値を測定した。b値が大きくなるほど黄色味が強くなる。
(ポリエステルフィルムの生産性の評価)
ポリエステル組成物を290℃で溶融し、押出機によりシート状に押出し、次いで下記に記載の手法による静電印加冷却法によって無定形シートを得る。その後、縦方向3.0倍、横方向3.5倍に二軸延伸する。このとき、厚さが30μmの2軸延伸フィルムが得られるように、押出し量及び回転冷却体の回転速度を調節する。そして、回転冷却体の回転速度を10m/minから徐々に速くしていくと、ある回転速度以上では押出されたシート状物と回転冷却体との空隙に気泡が入る現象が見られる。これがいわゆる束縛気泡である。気泡が入り始めるときの回転冷却体の回転速度を調べることによってポリエステルフィルムの生産性を評価した。この回転速度が大きい程、生産性が良いということになる。
(静電印加冷却法)
プラス電極として直径0.1mmのタングステン線を用い、これを押出機の口金と回転冷却体との間に、シートの流れと直角方向に張設する。プラス電極と回転冷却体との空隙にシートを流しながら、プラス電極と回転冷却体との間に直流電圧9000Vを印加する。
(製造例1、ポリエステル(A)の製造)
まず、反応缶内でエチレングリコール(以下、EGという)とテレフタル酸(以下、TPAという)を、TPAに対するEGのモル比が1.15となるようにエステル化し、ビス(ヒドロキシルエチル)テレフタレート(以下、BHETという)を得た。続いて、BHETの100部が溶融状態で貯留された反応缶に、TPA86部とEG37部の混合スラリー(TPAに対するEGのモル比1.15)を、250℃で4.5時間かけて連続的に供給し、エステル化反応を行った。この間、生成する水は精留塔頂から連続的に留出させた。
次いで、得られたBHETの105部〔ポリエチレンテレフタレート(以下、PETという)100部相当〕を重縮合缶に移送した後、エチルアシドホスフェート0.014部と三酸化アンチモン0.030部を添加した。その後、常法に従って重縮合反応を行い、極限粘度0.630のPETを得た。
(製造例2、ポリエステル(B)−1の製造)
予め製造例1で製造されたBHETの100部が溶融状態で貯留された反応缶に、TPA86部とEG37部の混合スラリー(TPAに対するEGのモル比1.15)を、250℃で4.5時間かけて連続的に供給し、エステル化反応を行った。この間、生成する水は精留塔頂から連続的に留出させた。
次いで、得られたBHETの105部(PET100部相当)を重縮合缶に移送した後、酢酸マグネシウム4水塩を0.0880部(ポリエステルを構成する酸成分に対して0.080モル%)、エチルアシドホスフェートを0.0230部(酢酸マグネシウム4水塩に対して40モル%)及び三酸化アンチモン0.0300部を添加した。その後、常法に従って重縮合反応を行い、極限粘度0.635のPETを得た。
(実施例1)
次に、前記製造例1で製造されたポリエステル(A)と、製造例2で製造されたポリエステル(B)−1とを重量比で70/30の割合で混合してポリエステル組成物を得た。このポリエステル組成物について、ポリエステルフィルムの生産性の試験を行うとともに、得られたフィルムの色調b値を測定した。その結果を表1に示す。
(製造例3、ポリエステル(B)−2の製造)
予め製造例1で製造されたBHETの100部が溶融状態で貯留された反応缶に、TPA86部とEG37部の混合スラリー(TPAに対するEGのモル比1.15)を、250℃で4.5時間かけて連続的に供給し、エステル化反応を行った。この間、生成する水は精留塔頂から連続的に留出させた。
次いで、得られたBHETの105部(PET100部相当)を重縮合缶に移送した後、酢酸マグネシウム4水塩を0.0176部(ポリエステルを構成する酸成分に対して0.160モル%)、エチルアシドホスフェートを0.046部(酢酸マグネシウム4水塩に対して40モル%)及び三酸化アンチモン0.030部を添加した。その後、常法に従って重縮合反応を行い、極限粘度0.633のPETを得た。
(実施例2)
次に、前記製造例1で製造されたポリエステル(A)と、製造例3で製造されたポリエステル(B)−2とを重量比で30/70の割合で混合してポリエステル組成物を得た。このポリエステル組成物について、ポリエステルフィルムの生産性の試験を行うとともに、得られたフィルムの色調b値を測定した。その結果を表1に示す。
(比較例1)
前記製造例1で製造されたポリエステル(A)のみを使用し、ポリエステルフィルムの生産性の試験を行うとともに、得られたフィルムの色調b値を測定した。この場合、ポリエステル組成物中にはアルカリ土類金属は含有されていない。その結果を表1に示す。
(比較例2)
前記製造例1で製造されたポリエステル(A)と製造例2で製造されたポリエステル(B)−1とを重量比で10/90の割合で混合してポリエステル組成物を得た。この場合、ポリエステル組成物中のアルカリ土類金属の含有量は0.008モル%であった。このポリエステル組成物について、ポリエステルフィルムの生産性の試験を行うとともに、得られたフィルムの色調b値を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 0005236846
表1に示したように、実施例1及び2では回転冷却体の回転速度が速く、ポリエステルフィルムの色調も良好であった。これに対し、アルカリ土類金属の含まれないポリエステルを使用した比較例1及びアルカリ土類金属の含有量が過少である比較例2では回転冷却体の回転速度が遅く、ポリエステルフィルムの生産性が悪いという結果であった。
(実施例3)
次に、前記製造例1で製造されたポリエステル(A)と、製造例3で製造されたポリエステル(B)−2とを重量比で50/50の割合で混合してポリエステル組成物を得た。このポリエステル組成物について、ポリエステルフィルムの生産性の試験を行うとともに、得られたフィルムの色調b値を測定した。その結果を表2に示す。
(実施例4)
次に、前記製造例1で製造されたポリエステル(A)と、製造例3で製造されたポリエステル(B)−2とを重量比で90/10の割合で混合してポリエステル組成物を得た。このポリエステル組成物について、ポリエステルフィルムの生産性の試験を行うとともに、得られたフィルムの色調b値を測定した。その結果を表2に示す。
(比較例3)
次に、前記製造例1で製造されたポリエステル(A)と、製造例3で製造されたポリエステル(B)−2とを重量比で25/75の割合で混合してポリエステル組成物を得た。この場合、ポリエステル組成物中のアルカリ土類金属の含有量は0.120モル%であった。このポリエステル組成物について、ポリエステルフィルムの生産性の試験を行うとともに、得られたフィルムの色調b値を測定した。その結果を表2に示す。
Figure 0005236846
表2に示したように、実施例3及び4では回転冷却体の回転速度が速く、フィルムの色調も良好であった。これに対し、アルカリ土類金属の含有量が過剰な比較例3ではフィルムの色調を示すb値が大きく、色調の悪いものであった。
(製造例4、ポリエステル(B)−3の製造)
予め製造例1で製造されたBHETの100部が溶融状態で貯留された反応缶に、TPA86部とEG37部の混合スラリー(TPAに対するEGのモル比1.15)を、250℃で4.5時間かけて連続的に供給し、エステル化反応を行った。この間、生成する水は精留塔頂から連続的に留出させた。
次いで、得られたBHETの105部(PET100部相当)を重縮合缶に移送した後、酢酸マグネシウム4水塩を0.0880部(ポリエステルを構成する酸成分に対して0.080モル%)、エチルアシドホスフェートを0.046部(酢酸マグネシウム4水塩に対して80モル%)及び三酸化アンチモン0.030部を添加した。その後、常法に従って重縮合反応を行い、極限粘度0.637のPETを得た。
(比較例4)
次に、製造例4で製造されたポリエステル(B)−3のみを使用し、ポリエステルフィルムの生産性の試験を行うとともに、得られたフィルムの色調b値を測定した。この場合、ポリエステル組成物中のアルカリ土類金属に対するリン化合物の含有量は80モル%であった。その結果を表3に示す。
Figure 0005236846
表3に示したように、比較例4ではリン化合物の含有量が過大であるため、回転冷却体の回転速度が遅く、ポリエステルフィルムの生産性が悪いという結果であった。
さらに、前記実施形態及び別例から把握される技術的思想について記載する。
・ 前記ポリエステル(B)は、アルカリ土類金属化合物としてマグネシウムを0.040〜0.200モル%含有するものである前記ポリエステル組成物
・ 前記カルボン酸成分はテレフタル酸であり、グリコール成分はエチレングリコールである前記ポリエステル組成物。このように構成した場合、最も良く使用されるポリエステル組成物からポリエステルフィルムを生産性良く製造することができる。
・ 前記アルカリ土類金属化合物は酢酸マグネシウムの水和物である前記ポリエステル組成物。このように構成した場合、エステル化反応又はエステル交換反応を円滑に進行させることができる。
発明の効果
【発明の効果】
この発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項1,3に記載の発明のポリエステル組成物の製造方法によれば、回転冷却体の回転速度を上げることができて、ポリエステルフィルムの生産性を向上させることができる。
請求項2に記載の発明のポリエステル組成物の製造方法によれば、請求項1に記載の発明の効果を確実に発揮させることができる。

Claims (3)

  1. 芳香族ジカルボン酸又はその低級アルキルエステルを主成分とするカルボン酸成分と、エチレングリコールを主成分とするグリコール成分とより形成され、アルカリ土類金属化合物を含有しないポリエステル(A)と、
    芳香族ジカルボン酸又はその低級アルキルエステルを主成分とするカルボン酸成分と、エチレングリコールを主成分とするグリコール成分とより形成され、アルカリ土類金属化合物として酢酸マグネシウム及びその水和物、並びに酢酸カルシウム及びその水和物から選ばれる少なくとも一種を前記カルボン酸成分に対して0.020〜0.250モル%含有し、かつリン化合物を前記アルカリ土類金属化合物に対して20〜60モル%含有するポリエステル(B)とを混合することにより得られ、混合物中の前記アルカリ土類金属化合物の含有量が0.015〜0.100モル%であるポリエステル組成物の製造方法。
  2. 前記混合物中における前記ポリエステル(B)の含有量が20〜70重量%である請求項1に記載のポリエステル組成物の製造方法。
  3. 前記ポリエステル組成物は、前記混合後、電圧の印加により静電気を発生させながら回転冷却体に送られる請求項1又は請求項2に記載のポリエステル組成物の製造方法。
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