JP2003049054A - ポリエステル組成物 - Google Patents

ポリエステル組成物

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JP2003049054A
JP2003049054A JP2001236447A JP2001236447A JP2003049054A JP 2003049054 A JP2003049054 A JP 2003049054A JP 2001236447 A JP2001236447 A JP 2001236447A JP 2001236447 A JP2001236447 A JP 2001236447A JP 2003049054 A JP2003049054 A JP 2003049054A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転冷却体の回転速度を上げることができ
て、ポリエステルフィルムの生産性を向上させることが
できるポリエステル組成物を提供する。 【解決手段】 ポリエステル組成物は、ポリエステル
(A)とポリエステル(B)との混合物よりなり、アル
カリ土類金属化合物を0.015〜0.100モル%含
有するものである。ポリエステル(A)は、芳香族ジカ
ルボン酸又はその低級アルキルエステルを主成分とする
カルボン酸成分と、エチレングリコールを主成分とする
グリコールとより形成され、アルカリ土類金属化合物を
含有しないものである。ポリエステル(B)は、ポリエ
ステル(A)と同様の骨格を有し、アルカリ土類金属化
合物をカルボン酸成分に対して0.020〜0.250
モル%含有し、かつリン化合物をアルカリ土類金属化合
物に対して20〜60モル%含有するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主としてフィルム
の形態で用いられるポリエステル組成物に関するもので
ある。さらに詳しくは、ポリエステルフィルムの色調を
保持しつつ、その生産性に優れたポリエステル組成物に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルフィルム、特に二軸延伸さ
れたポリエチレンテレフタレートフィルムは、電気的性
質、機械的性質、加工性及び耐薬品性等の点で優れてい
る。このため、従来からポリエステルフィルムは磁気テ
ープ用、コンデンサー用、電気絶縁用、包装用、写真用
等の分野で好適に使用されている。
【0003】このポリエステルフィルムは、溶融押出装
置により押出された後、回転冷却体で冷却され、さらに
二軸延伸されることによって製造される。すなわち、溶
融押出装置から押出されたポリエステルフィルムは回転
冷却体に送られ、その回転冷却体表面を移動することに
よって冷却される。冷却されたポリエステルフィルム
は、縦方向、続いて横方向に延伸され、目的とする二軸
延伸されたポリエステルフィルムが得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のポリ
エステルフィルムはポリエステル中に含有される微量成
分の影響で、溶融押出装置により押出された後に回転冷
却体に対する密着性が悪い。このため、回転冷却体の回
転速度を上げることができず、ポリエステルフィルムの
生産性が低下するという問題があった。
【0005】この発明は、このような従来技術に存在す
る問題点に着目してなされたものである。その目的とす
るところは、回転冷却体の回転速度を上げることができ
て、ポリエステルフィルムの生産性を向上させることが
できるポリエステル組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明のポリエステル組成物は、
芳香族ジカルボン酸又はその低級アルキルエステルを主
成分とするカルボン酸成分と、エチレングリコールを主
成分とするグリコール成分とより形成され、アルカリ土
類金属化合物を含有しないポリエステル(A)と、芳香
族ジカルボン酸又はその低級アルキルエステルを主成分
とするカルボン酸成分と、エチレングリコールを主成分
とするグリコール成分とより形成され、アルカリ土類金
属化合物を前記カルボン酸成分に対して0.020〜
0.250モル%含有し、かつリン化合物をアルカリ土
類金属化合物に対して20〜60モル%含有するポリエ
ステル(B)とを混合してなり、混合物中のアルカリ土
類金属化合物の含有量が0.015〜0.100モル%
であるものである。
【0007】請求項2に記載の発明のポリエステル組成
物は、請求項1に記載の発明において、前記ポリエステ
ル(B)の含有量が20〜70重量%であるものであ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明のポリエステル組成
物の実施形態について詳細に説明する。ポリエステル組
成物は、2種類のポリエステルすなわち下記に示すポリ
エステル(A)とポリエステル(B)とを混合してな
り、混合物中のアルカリ土類金属化合物の含有量が0.
015〜0.100モル%であるものである。
【0009】ポリエステル(A)は、芳香族ジカルボン
酸又はその低級アルキルエステルを主成分とするカルボ
ン酸成分と、エチレングリコールを主成分とするグリコ
ール成分とより形成され、アルカリ土類金属化合物を含
有しないものである。「アルカリ土類金属化合物は含有
されない」とは、実質的に含有されないことを意味し、
具体的には前記カルボン酸成分に対する含有量が0.0
05モル%以下であることをいう。
【0010】芳香族ジカルボン酸としては、具体的には
テレフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸、2,6−ナ
フタレンジカルボン酸、p−ヒドロキシ安息香酸、アジ
ピン酸等が使用される。これらのうち、テレフタル酸が
最もよく用いられる芳香族ジカルボン酸である。芳香族
ジカルボン酸の低級アルキルエステルは、芳香族ジカル
ボン酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエ
ステル及びブチルエステルである。
【0011】また、グリコール成分としては、エチレン
グリコール以外にプロピレングリコール、トリメチレン
グリコール、テトラメチレングリコール等のほか、ポリ
エチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が使
用される。
【0012】そして、カルボン酸成分とグリコール成分
とをエステル化反応又はエステル交換反応させた後、重
縮合反応を行うことにより、目的とするポリエステル
(A)が得られる。この場合、エステル化反応又はエス
テル交換反応の触媒として、アルカリ土類金属化合物以
外の公知の化合物、例えばリチウム化合物、マンガン化
合物、亜鉛化合物等が用いられる。また、重縮合反応触
媒として、アンチモン(Sb)化合物やゲルマニウム
(Ge)化合物、チタン化合物、スズ化合物等が用いら
れる。さらに、安定剤としてリン(P)化合物等が用い
られる。
【0013】従って、ポリエステル(A)には、アルカ
リ土類金属化合物は含有されないが、リン化合物、アン
チモン化合物、ゲルマニウム化合物等が含有されること
となる。ポリエステル(A)中にはアルカリ土類金属化
合物が含まれないため、このポリエステル(A)のみで
はポリエステルフィルムを製造する場合に回転冷却体に
対する密着性を高めることができない。よって、回転冷
却体の回転速度を速くすることができず、ポリエステル
フィルムの生産性が低下する。
【0014】次に、ポリエステル(B)は、芳香族ジカ
ルボン酸又はその低級アルキルエステルを主成分とする
カルボン酸成分と、エチレングリコールを主成分とする
グリコール成分とより形成される点では、ポリエステル
(A)と同じである。ポリエステル(B)には、さらに
アルカリ土類金属化合物が前記カルボン酸成分に対して
0.020〜0.250モル%含有され、かつリン化合
物がアルカリ土類金属化合物に対して20〜60モル%
含有されている。アルカリ土類金属化合物の具体例とし
ては、酢酸マグネシウム又はその水和物、酢酸カルシウ
ム又はその水和物等が挙げられる。これらのうち、アル
カリ土類金属化合物の水和物は、エステル化反応又はエ
ステル交換反応を円滑に進行させることができる点で好
ましい。リン化合物の具体例としては、リン酸、リン酸
トリエチル、亜リン酸トリエチル、酸性リン酸エステル
等が挙げられる。酸性リン酸エステルとしては、メチル
ホスホン酸(メチルアシドホスフェート)、エチルホス
ホン酸(エチルアシドホスフェート)等が用いられる。
【0015】アルカリ土類金属化合物の含有量が前記カ
ルボン酸成分に対して0.020モル%未満の場合、回
転冷却体の回転速度を速くすることができず、ポリエス
テルフィルムの生産性が低下して不適当である。一方、
0.250モル%を越える場合、過剰に含有されるアル
カリ土類金属化合物によってポリエステルに着色が発生
するとともに、過剰のアルカリ土類金属化合物が析出し
てポリエステルフィルムの表面が粗いものとなる。
【0016】また、リン化合物の含有量がアルカリ土類
金属化合物に対して20モル%未満又は60モル%を越
える場合、回転冷却体の回転速度を速くすることができ
ず、ポリエステルの生産性が低下して不適当である。加
えて、この含有量が20モル%未満の場合には、ポリエ
ステルの熱安定性が低下したり、ポリエステルに着色が
発生したりする。
【0017】ポリエステル(B)において、アルカリ土
類金属化合物がマグネシウム(Mg)の場合には、その
含有量は前記カルボン酸成分に対して0.040〜0.
200モル%であることが好ましい。また、ポリエステ
ル(A)とポリエステル(B)との混合物中におけるM
g含有量は0.020〜0.080モル%であることが
好ましい。ポリエステル(B)にはアルカリ土類金属化
合物及びリン化合物が含有されているものの、それらの
含有量が多いため、ポリエステル(B)のみではポリエ
ステルの安定性などの物性が劣る。
【0018】本発明では、上記のようなポリエステル
(A)とポリエステル(B)とを混合することによっ
て、特にアルカリ土類金属化合物及びリン化合物の含有
量が適正範囲に設定される。従って、後述するように、
回転冷却体に対するポリエステルフィルムの密着性を向
上させて、回転冷却体の回転速度を上げることができ、
ポリエステルフィルムの生産性を向上させることができ
る。
【0019】ポリエステル(A)とポリエステル(B)
の混合割合は、混合調製されたポリエステル組成物中の
アルカリ土類金属化合物の含有量が0.015〜0.1
00モル%となるように設定される。或いは、ポリエス
テル(B)の含有量が20〜70重量%となるように、
ポリエステル(A)とポリエステル(B)とを混合する
ことが好ましい。後者の場合には、ポリエステル組成物
中のアルカリ土類金属化合物とリン化合物の含有量のほ
か、混合状態等のその他の要因によって回転冷却体の回
転速度を速くできて、ポリエステルフィルムの生産性を
増大させることができるものと考えられる。ポリエステ
ル(B)の含有量が20重量%未満の場合、主にアルカ
リ土類金属化合物及びリン化合物の含有量が低下して回
転冷却体の回転速度を速くすることができず、ポリエス
テルフィルムの生産性が低下して好ましくない。一方、
その含有量が70重量%を越える場合、過剰に含有され
るアルカリ土類金属化合物によってポリエステルに着色
が発生しやすくなり好ましくない。
【0020】このようにして製造されるポリエステル組
成物は、主としてポリエステルフィルムとして利用され
る。すなわち、ポリエステル組成物は溶融押出装置に供
給され、溶融状態で押出され、フィルム状に形成され
る。形成されたポリエステルフィルムは回転冷却体に送
られ、その回転冷却体表面を移動することによって冷却
される。冷却されたポリエステルフィルムは、さらに縦
方向、続いて横方向に所定の延伸倍率で二軸延伸され
る。その結果、延伸された一定厚みの目的とするポリエ
ステルフィルムが製造される。
【0021】上記のポリエステルフィルムを回転冷却体
表面で均一に急冷することにより、厚みの均一なポリエ
ステルフィルムが得られる。つまり、押出装置の口金と
回転冷却体との間に、ワイヤ等の電極を設け、その電極
に高電圧を印加する。これにより、電極と回転冷却体の
間を移動するポリエステルフィルム表面に静電荷を発生
させ、フィルムを回転冷却体に均一に強く密着させなが
ら、急冷させることができる。このとき、ポリエステル
フィルムにアルカリ土類金属化合物及びリン化合物が所
定量含有されることによって導電性を改善でき、ポリエ
ステルフィルム表面に発生する静電荷を増加させること
ができる。このため、回転冷却体に対するポリエステル
フィルムの密着性を良好にすることができる。よって、
回転冷却体の回転速度を速くでき、ポリエステルフィル
ムの生産性の向上を図ることができる。
【0022】ポリエステルフィルム、特に二軸延伸され
たポリエチレンテレフタレートフィルムは、電気的性
質、機械的性質、加工性及び耐薬品性等の性質が良好で
あるため、磁気テープ用、コンデンサー用、電気絶縁
用、包装用、写真用等の分野で好適に使用される。
【0023】以上の実施形態により発揮される効果を以
下にまとめて記載する。 ・ ポリエステル組成物は、アルカリ土類金属化合物を
含有しないポリエステル(A)と、アルカリ土類金属化
合物をカルボン酸成分に対して0.020〜0.250
モル%含有し、かつリン化合物をアルカリ土類金属化合
物に対して20〜60モル%含有するポリエステル
(B)とよりなっている。さらに、ポリエステル組成物
中のアルカリ土類金属化合物の含有量が0.015〜
0.100モル%に設定されている。このため、回転冷
却体に対するポリエステルフィルムの密着性を向上させ
ることができ、回転冷却体の回転速度を上げることがで
きて、ポリエステルフィルムの生産性を向上させること
ができる。
【0024】・ ポリエステル(B)の含有量を20〜
70重量%に設定することにより、ポリエステル組成物
中のアルカリ土類金属化合物及びリン化合物の含有量を
上記の範囲に収めることができること等の理由で、ポリ
エステルフィルムの生産性を確実に向上させることがで
きる。
【0025】・ 市販されているポリエステル組成物中
のアルカリ土類金属化合物及びリン化合物の含有量を分
析し、ポリエステル(A)及びポリエステル(B)に該
当するものを混合することにより、目的とするポリエス
テル組成物を容易に調製することができる。
【0026】
【実施例】以下、製造例、実施例及び比較例を挙げて前
記実施形態をさらに具体的に説明する。なお、各例にお
ける部は重量部を意味する。また、各種測定は次に示す
方法によって行った。 (ポリエステル組成物中のアルカリ土類金属元素及びリ
ン元素の定量)予め検量線を作成しておき、蛍光X線法
によってポリエステル組成物中のマグネシウムなどのア
ルカリ土類金属元素及びリン元素の定量を行った。 (ポリエステルの極限粘度の測定)ポリエステル1gを
フェノール/テトラクロロエタン(重量比)=50/5
0の混合溶媒10mlに溶解させ、30.0℃で測定し
た。 (ポリエステルフィルムの色調)黄色味の指標であるb
値を東京電色(株)製の光電色差計を用いて、10枚重
ねのフィルムのb値を測定した。b値が大きくなるほど
黄色味が強くなる。 (ポリエステルフィルムの生産性の評価)ポリエステル
組成物を290℃で溶融し、押出機によりシート状に押
出し、次いで下記に記載の手法による静電印加冷却法に
よって無定形シートを得る。その後、縦方向3.0倍、
横方向3.5倍に二軸延伸する。このとき、厚さが30
μmの2軸延伸フィルムが得られるように、押出し量及
び回転冷却体の回転速度を調節する。そして、回転冷却
体の回転速度を10m/minから徐々に速くしていく
と、ある回転速度以上では押出されたシート状物と回転
冷却体との空隙に気泡が入る現象が見られる。これがい
わゆる束縛気泡である。気泡が入り始めるときの回転冷
却体の回転速度を調べることによってポリエステルフィ
ルムの生産性を評価した。この回転速度が大きい程、生
産性が良いということになる。 (静電印加冷却法)プラス電極として直径0.1mmの
タングステン線を用い、これを押出機の口金と回転冷却
体との間に、シートの流れと直角方向に張設する。プラ
ス電極と回転冷却体との空隙にシートを流しながら、プ
ラス電極と回転冷却体との間に直流電圧9000Vを印
加する。 (製造例1、ポリエステル(A)の製造)まず、反応缶
内でエチレングリコール(以下、EGという)とテレフ
タル酸(以下、TPAという)を、TPAに対するEG
のモル比が1.15となるようにエステル化し、ビス
(ヒドロキシルエチル)テレフタレート(以下、BHE
Tという)を得た。続いて、BHETの100部が溶融
状態で貯留された反応缶に、TPA86部とEG37部
の混合スラリー(TPAに対するEGのモル比1.1
5)を、250℃で4.5時間かけて連続的に供給し、
エステル化反応を行った。この間、生成する水は精留塔
頂から連続的に留出させた。
【0027】次いで、得られたBHETの105部〔ポ
リエチレンテレフタレート(以下、PETという)10
0部相当〕を重縮合缶に移送した後、エチルアシドホス
フェート0.014部と三酸化アンチモン0.030部
を添加した。その後、常法に従って重縮合反応を行い、
極限粘度0.630のPETを得た。 (製造例2、ポリエステル(B)−1の製造)予め製造
例1で製造されたBHETの100部が溶融状態で貯留
された反応缶に、TPA86部とEG37部の混合スラ
リー(TPAに対するEGのモル比1.15)を、25
0℃で4.5時間かけて連続的に供給し、エステル化反
応を行った。この間、生成する水は精留塔頂から連続的
に留出させた。
【0028】次いで、得られたBHETの105部(P
ET100部相当)を重縮合缶に移送した後、酢酸マグ
ネシウム4水塩を0.0880部(ポリエステルを構成
する酸成分に対して0.080モル%)、エチルアシド
ホスフェートを0.0230部(酢酸マグネシウム4水
塩に対して40モル%)及び三酸化アンチモン0.03
00部を添加した。その後、常法に従って重縮合反応を
行い、極限粘度0.635のPETを得た。 (実施例1)次に、前記製造例1で製造されたポリエス
テル(A)と、製造例2で製造されたポリエステル
(B)−1とを重量比で70/30の割合で混合してポ
リエステル組成物を得た。このポリエステル組成物につ
いて、ポリエステルフィルムの生産性の試験を行うとと
もに、得られたフィルムの色調b値を測定した。その結
果を表1に示す。 (製造例3、ポリエステル(B)−2の製造)予め製造
例1で製造されたBHETの100部が溶融状態で貯留
された反応缶に、TPA86部とEG37部の混合スラ
リー(TPAに対するEGのモル比1.15)を、25
0℃で4.5時間かけて連続的に供給し、エステル化反
応を行った。この間、生成する水は精留塔頂から連続的
に留出させた。
【0029】次いで、得られたBHETの105部(P
ET100部相当)を重縮合缶に移送した後、酢酸マグ
ネシウム4水塩を0.0176部(ポリエステルを構成
する酸成分に対して0.160モル%)、エチルアシド
ホスフェートを0.046部(酢酸マグネシウム4水塩
に対して40モル%)及び三酸化アンチモン0.030
部を添加した。その後、常法に従って重縮合反応を行
い、極限粘度0.633のPETを得た。 (実施例2)次に、前記製造例1で製造されたポリエス
テル(A)と、製造例3で製造されたポリエステル
(B)−2とを重量比で30/70の割合で混合してポ
リエステル組成物を得た。このポリエステル組成物につ
いて、ポリエステルフィルムの生産性の試験を行うとと
もに、得られたフィルムの色調b値を測定した。その結
果を表1に示す。 (比較例1)前記製造例1で製造されたポリエステル
(A)のみを使用し、ポリエステルフィルムの生産性の
試験を行うとともに、得られたフィルムの色調b値を測
定した。この場合、ポリエステル組成物中にはアルカリ
土類金属は含有されていない。その結果を表1に示す。 (比較例2)前記製造例1で製造されたポリエステル
(A)と製造例2で製造されたポリエステル(B)−1
とを重量比で10/90の割合で混合してポリエステル
組成物を得た。この場合、ポリエステル組成物中のアル
カリ土類金属の含有量は0.008モル%であった。こ
のポリエステル組成物について、ポリエステルフィルム
の生産性の試験を行うとともに、得られたフィルムの色
調b値を測定した。その結果を表1に示す。
【0030】
【表1】 表1に示したように、実施例1及び2では回転冷却体の
回転速度が速く、ポリエステルフィルムの色調も良好で
あった。これに対し、アルカリ土類金属の含まれないポ
リエステルを使用した比較例1及びアルカリ土類金属の
含有量が過少である比較例2では回転冷却体の回転速度
が遅く、ポリエステルフィルムの生産性が悪いという結
果であった。 (実施例3)次に、前記製造例1で製造されたポリエス
テル(A)と、製造例3で製造されたポリエステル
(B)−2とを重量比で50/50の割合で混合してポ
リエステル組成物を得た。このポリエステル組成物につ
いて、ポリエステルフィルムの生産性の試験を行うとと
もに、得られたフィルムの色調b値を測定した。その結
果を表2に示す。 (実施例4)次に、前記製造例1で製造されたポリエス
テル(A)と、製造例3で製造されたポリエステル
(B)−2とを重量比で90/10の割合で混合してポ
リエステル組成物を得た。このポリエステル組成物につ
いて、ポリエステルフィルムの生産性の試験を行うとと
もに、得られたフィルムの色調b値を測定した。その結
果を表2に示す。 (比較例3)次に、前記製造例1で製造されたポリエス
テル(A)と、製造例3で製造されたポリエステル
(B)−2とを重量比で25/75の割合で混合してポ
リエステル組成物を得た。この場合、ポリエステル組成
物中のアルカリ土類金属の含有量は0.120モル%で
あった。このポリエステル組成物について、ポリエステ
ルフィルムの生産性の試験を行うとともに、得られたフ
ィルムの色調b値を測定した。その結果を表2に示す。
【0031】
【表2】 表2に示したように、実施例3及び4では回転冷却体の
回転速度が速く、フィルムの色調も良好であった。これ
に対し、アルカリ土類金属の含有量が過剰な比較例3で
はフィルムの色調を示すb値が大きく、色調の悪いもの
であった。 (製造例4、ポリエステル(B)−3の製造)予め製造
例1で製造されたBHETの100部が溶融状態で貯留
された反応缶に、TPA86部とEG37部の混合スラ
リー(TPAに対するEGのモル比1.15)を、25
0℃で4.5時間かけて連続的に供給し、エステル化反
応を行った。この間、生成する水は精留塔頂から連続的
に留出させた。
【0032】次いで、得られたBHETの105部(P
ET100部相当)を重縮合缶に移送した後、酢酸マグ
ネシウム4水塩を0.0880部(ポリエステルを構成
する酸成分に対して0.080モル%)、エチルアシド
ホスフェートを0.046部(酢酸マグネシウム4水塩
に対して80モル%)及び三酸化アンチモン0.030
部を添加した。その後、常法に従って重縮合反応を行
い、極限粘度0.637のPETを得た。 (比較例4)次に、製造例4で製造されたポリエステル
(B)−3のみを使用し、ポリエステルフィルムの生産
性の試験を行うとともに、得られたフィルムの色調b値
を測定した。この場合、ポリエステル組成物中のアルカ
リ土類金属に対するリン化合物の含有量は80モル%で
あった。その結果を表3に示す。
【0033】
【表3】 表3に示したように、比較例4ではリン化合物の含有量
が過大であるため、回転冷却体の回転速度が遅く、ポリ
エステルフィルムの生産性が悪いという結果であった。
【0034】なお、本実施形態は、次のように変更して
具体化することも可能である。 ・ アルカリ土類金属化合物を含有しないポリエステル
(A)に対して、アルカリ土類金属化合物及びリン化合
物の含有量の異なる複数のポリエステル(B)を配合し
てポリエステル組成物を調製してもよい。このように構
成した場合、ポリエステル組成物中のアルカリ土類金属
化合物及びリン化合物の含有量を容易に調整することが
できる。
【0035】・ ポリエステル(A)とポリエステル
(B)とを混合した後に、アルカリ土類金属化合物又は
リン化合物を添加し、ポリエステル組成物中におけるそ
れらの成分の含有量を調整してもよい。
【0036】・ ポリエステル(A)とポリエステル
(B)とを混合して、アルカリ土類金属化合物及びリン
化合物の含有量を所定値に設定したマスターバッチを予
め調製してもよい。そして、そのマスターバッチに対し
てポリエステル(A)又はポリエステル(B)を混合し
てアルカリ土類金属化合物及びリン化合物の含有量を目
標値に設定してもよい。
【0037】さらに、前記実施形態及び別例から把握さ
れる技術的思想について記載する。 ・ 前記ポリエステル(B)は、アルカリ土類金属化合
物としてマグネシウムを0.040〜0.200モル%
含有するものである請求項1又は請求項2に記載のポリ
エステル組成物。このように構成した場合、請求項1又
は請求項2に記載の発明の効果を有効に発揮させること
ができる。
【0038】・ 前記カルボン酸成分はテレフタル酸で
あり、グリコール成分はエチレングリコールである請求
項1又は請求項2に記載のポリエステル組成物。このよ
うに構成した場合、最も良く使用されるポリエステル組
成物からポリエステルフィルムを生産性良く製造するこ
とができる。
【0039】・ 前記アルカリ土類金属化合物は酢酸マ
グネシウムの水和物である請求項1又は請求項2に記載
のポリエステル組成物。このように構成した場合、エス
テル化反応又はエステル交換反応を円滑に進行させるこ
とができる。
【0040】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
るため、次のような効果を奏する。請求項1に記載の発
明のポリエステル組成物によれば、回転冷却体の回転速
度を上げることができて、ポリエステルフィルムの生産
性を向上させることができる。
【0041】請求項2に記載の発明のポリエステル組成
物によれば、請求項1に記載の発明の効果を確実に発揮
させることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ジカルボン酸又はその低級アルキ
    ルエステルを主成分とするカルボン酸成分と、エチレン
    グリコールを主成分とするグリコール成分とより形成さ
    れ、アルカリ土類金属化合物を含有しないポリエステル
    (A)と、芳香族ジカルボン酸又はその低級アルキルエ
    ステルを主成分とするカルボン酸成分と、エチレングリ
    コールを主成分とするグリコール成分とより形成され、
    アルカリ土類金属化合物を前記カルボン酸成分に対して
    0.020〜0.250モル%含有し、かつリン化合物
    をアルカリ土類金属化合物に対して20〜60モル%含
    有するポリエステル(B)とを混合してなり、混合物中
    のアルカリ土類金属化合物の含有量が0.015〜0.
    100モル%であるポリエステル組成物。
  2. 【請求項2】 前記ポリエステル(B)の含有量が20
    〜70重量%である請求項1に記載のポリエステル組成
    物。
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