JP4018804B2 - 芳香族ポリエステルの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は芳香族ポリエステルの製造方法および該ポリエステルからフイルムを製造する方法に関する。さらに詳しくは、静電キャスト法により芳香族ポリエステルフィルムを製造する際回転冷却ドラム上への密着性に優れ、かつ静電ワイヤー汚れが少なく、高いフイルム生産性が得られる芳香族ポリエステルの製造方法、および該芳香族ポリエステルを用いたフイルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンテレフタレートフイルムに代表される芳香族ポリエステルフイルムは、優れた物理的、化学的性質を有することから磁気テープ、電気絶縁、コンデンサー、写真、包装等の多岐にわたる用途に用いられている。
【0003】
ポリエステルフィルムは通常、押出口金より溶融押出しされたフイルム状ポリエステル溶融物を回転冷却ドラムの表面で急冷した後、縦、横方向に延伸して製造される。この場合、フイルムの表面欠点をなくし厚みの均一性を高めるためには、溶融押出しされたフイルム状ポリエステルと回転冷却ドラムの表面との密着性を高める必要がある。その方法として、押出口金と回転冷却ドラムの表面との間にワイヤー状の金属電極(以下、静電ワイヤーという)を設けて該フイルム状溶融物の表面に静電荷を析出させる方法(以下、静電キャスト法という)が知られている。
【0004】
フイルムの製膜において生産性を高めて製造コストを低減することは、フイルム品質の向上とともに重要な課題であるが、そのためには前記回転冷却ドラムの周速を速くして製膜速度を向上させることが最も効果的な方法である。そこで、前記静電キャスト法において回転冷却ドラムの周速を速めていくとフイルム状物表面への単位面積静電荷量が少なくなり回転冷却ドラムとの密着性が低下し、フイルム表面上に表面欠点を生じたり、フイルム厚みが不均一になったりするなどの問題が生じる。この密着性を高めるべく前記電極に印加する電圧を高めて溶融ポリエステル上に析出させる静電荷量を多くする方法を講じることができるが、印加電圧を高めすぎると電極と回転冷却ドラムとの間にアーク放電が生じ、冷却ドラム面上のフイルム状物が破壊され、冷却ドラム表面にも損傷を与えることがある。従って、電極に印加する電圧はある程度以上に高めることは実質上不可能である。
【0005】
このような静電キャスト法の限界を克服し、製膜速度を向上させて高効率でポリエステルフイルムを製造する方法として、溶融ポリエステルの比抵抗を下げる方法が提案されている。
【0006】
米国特許第5188774号明細書には、二官能性カルボン酸成分に対し0.1〜45mmo1%のエステル形成性官能基を有するスルホン酸4級ホスホニウム塩を重合体鎖中に含有し且つ溶融フイルムの交流体積低折率の値が6.5×l08 Ωcm以下の芳香族ポリエステルを使用することが提案されている。しかしながら、かかるフイルム製膜方法を実施した場合には、押出口金から押し出されたフイルム状溶融ポリエステルから発生したと考えられる昇華物が静電ワイヤーに汚れとして付着し、電流低下や放電スパークを生じて密着性が減少するため、短時間で静電ワイヤーの交換を余儀なくされ却って生産性に劣るという問題が発生することが判明した。また、この明細書には、ポリエステルの溶融安定性が向上する理由から、二官能性カルボン酸成分に対し0.1〜45mmol%のエステル形成性官能基を有するスルホン酸4級ホスホニウム塩を重合体鎖中に含有する他に、さらに二官能性力ルボン酸成分に対し0.1〜20mmo1%のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の化合物を含有する芳香族ポリエステルを使用することも開示されている。
【0007】
しかしながら、同明細書には、スルホン酸4級ホスホニウム塩の共重合量とアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の化合物の添加重との間には、とくに効果が大きくなる特定の量比は存在しない、ことも示されている。また、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の化合物の添加と静電ワイヤー汚れとの関係については一切言及されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、静電キャスト法により芳香族ポリエステルフイルムを製造する際、回転冷却ドラム上への密着性に優れ、かつ静電ワイヤー汚れ問題が少なく、高い生産性が得られる芳香族ポリエステルを製造する方法を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、上記芳香族ポリエステルを用い、静電密着法により芳香族ポリエステルフイルムを回転冷却ドラム上に密着せしめかつ静電ワイヤーの汚れを抑えて高い生産性で芳香族ポリエステルフイルムを製造する方法を提供することにある。
【0010】
本発明のさらに他の目的および利点は以下の説明から明らかになろう。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第1に、
芳香族ジカルボン酸から主としてなるジカルボン酸とエチレングリコールから主としてなるグリコールとをエステル化し、次いで重縮合させて芳香族ポリエステルを製造する方法において、エステル化をジカルボン酸に基づいて1〜30mmol%のエステル形成性官能基を有するスルホン酸4級ホスホニウム塩の共存下に実施し、そしてエステル化が実質的に終了した後、反応系に、リチウム化合物、カルシウム化合物、マグネシウム化合物、セリウム化合物およびコバルト化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属化合物またはそれとリン化合物を、下記式(1)〜(3);
【0012】
【数9】
1≦M≦100 ……(1)
0≦P≦20 ……(2)
1.0≦M/(S+P)≦5.0 ……(3)
(ここで、M、PおよびSはそれぞれ、ジカルボン酸に基づく、金属化合物、リン化合物およびエステル形成性官能基を有するスルホン酸4級ホスホニウム塩のmmol%を表わす。)
を満足する割合で添加し、次いで重縮合触媒の存在下に重縮合を実施することを特徴とする芳香族ポリエステルの製造方法によって達成される。
【0013】
本発明方法は、芳香族ジカルボン酸から主としてなるジカルボン酸とエチレングリコールから主としてなるグリコールとをエステル化し、次いで重縮合させて芳香族ポリエステルを製造する方法である。
【0014】
芳香族ジカルボン酸から主としてなるジカルボン酸は、芳香族ジカルボン酸を好ましくは少なくとも70モル%、より好ましくは少なくとも80モル%、さらに好ましくは少なくとも85モル%含有する。芳香族ジカルボン酸以外の他のジカルボン酸は、それ故、好ましくは30モル%以下、より好ましくは20モル%以下、さらに好ましくは15モル%以下で含有される。
【0015】
芳香族ジカルボン酸としては例えば、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸等を挙げることができる。かかる芳香族ジカルボン酸は単独で用いても、また2種以上を併用してもよい。
【0016】
芳香族ジカルボン酸以外の他のジカルボン酸としては、脂肪族ジカルボン酸または脂環族ジカルボン酸を挙げることができる。例えばアジピン酸、セバシン酸等の如き脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサン―1,4―ジカルボン酸の如き脂環族ジカルボン酸等を挙げることができる。
【0017】
一方、エチレングリコールから主としてなるグリコールは、エチレングリコールを、好ましくは少なくとも80モル%、より好ましくは少なくとも90モル%、さらに好ましくは少なくとも95モル%含有する。エチレングリコール以外の他のグリコールは、それ故、好ましくは20モル%以下、より好ましくは10モル%以下、そさらに好ましくは5モル%以下で含有される。
【0018】
エチレングリコール以外の他のグリコールとしては、炭素数3〜10のポリメチレングリコール、脂環族グリコールまたは芳香族グリコールを挙げることができる。例えばトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール等の如き炭素数3〜10のポリメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノールの如き脂環族グリコール、あるいはハイドロキノン、レゾルシン、2,2―ビス(4―ヒドロキシフェニル)プロパン等の如き芳香族グリコールを挙げることができる。
【0019】
本発明における芳香族ポリエステルは、上記から理解できるように、芳香族ジカルボン酸を主たる醸成分とし、エチレングリコールを主たるグリコール成分とするポリエステルであり、かかるポリエステルは実貢的に線状であってフイルム形成性、とくに溶融成形によるフイルム形成性を有する。
【0020】
かかる芳香族ポリエステルの中でも特にポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンー2,6−ナフタレートをはじめとし、例えば全ジカルボン酸成分の80モル%以上がテレフタル酸または2,6―ナフタレンジカルボン酸であり、全グリコール成分の80モル%以上がエチレングリコールである共重合体が好ましい。
【0021】
前記芳香族ポリエステルには、また、本発明の効果を損なわないかぎり、例えばヒドロキシ安息香酸の如き芳香族オキシ酸、ω―ヒドロキシカプロン酸の如き脂肪族オキシ酸等のオキシカルボン酸に由来する成分を、ジカルボン酸およびオキシカルボン酸成分の総量に対して10モル%以下の割合で共重合または結合させることができる。
【0022】
さらに、前記ポリエステルには実質的に線状である範囲の量であり、かつ本発明の効果を損なわないかぎり、例えば全酸成分に対して2モル%以下の量で、3官能以上のポリカルボン酸またはポリヒドロキシ化合物、例えばトリメリット酸、ペンタエリスリトール等を共重合させることができる。
【0023】
本発明方法は、上記エステル化反応をジカルボン酸に基づいて1〜30mmol%のエステル形成性官能基を有するスルホン酸4級ホスホニウム塩の共存下に実施される。エステル化反応は、それ自体公知のエステル化触媒の存在下に実施することができ、あるいはそれらのエステル化触媒の非存在下においても進行するので、それらの触媒の実質的に非存在下において実施することもできる。また、エステル化は、芳香族ジカルボン酸のグリコールエステルまたはそのオリゴマーの共存下で開始することができる。
【0024】
上記エステル形成性官能基を有するスルホン酸4級ホスホニウム塩としては、例えば下記式
【0025】
【化3】
【0026】
(ここで、Aは炭素数1〜12のアルキル基で置換されていてもよい炭素数6〜18の芳香族基であり、Y1 およびY2 は同一もしくは異なり、水素原子またはエステル形成性官能基であり、R1 、R2 、R3 およびR4 は同一もしくは異なり、炭素数1〜18のアルキル基、ベンジル基または炭素数6〜12のアリール基であり、そしてnは1または2である。但し、Y1 とY2 が同時に水素原子であることはない。)
で表わされる化合物が好ましく用いられる。
【0027】
上記式中において、Aが表わす炭素数6〜18の芳香環としては例えばベンゼン環、ナフタレン環およびビフェニル環を好ましいものとして挙げることができる。かかる芳香環は炭素数1〜12のアルキル基で置換されていてもよい。炭素数1〜12のアルキル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、例えばメチル、エチル、n―プロピル、iso―プロピル、n―ブチル、sec―ブチル、iso―ブチル、tert―ブチル、n―ペンチル、n―ヘキシル、n―オクチル、n―ノニル、n―デシル、n―ウンデシル、n―ドデシルを挙げることがきる。
【0028】
Y1 およびY2 は、同一もしくは異なり、水素原子またはエステル形成性官能基である。但し、Y1 とY2 が同時に水素原子であることはなく、少なくともいずれか一方はエステル形成性官能基である。
【0029】
エステル形成性官能基としては、たとえば―COOH、―COOR′、―OCOR′、―(CH2 )m OH、―(OCH2 )m OH等を挙げることができる。これらの基中、R′は炭素数l〜4の低級アルキル基またはフェニル基であり、mはl〜10の整数である。R′としてはメチル、エチル、n―プロピル、iso−プロピル、n―ブチル等を好ましいものとして挙げることができる。また、スルホン酸4級ホスホニウム塩基の部分を構成する基R1 、R2 、R3 およびR4 は、同一もしくは互いに異なり、炭素数l〜18のアルキル基、ベンジル基または炭素数6〜12のアリール基である。炭素数l〜18のアルキル基としては、例えば上記炭素数1〜12のアルキル基の例示基と同じ基およびステアリル基等を挙げることができる。
【0030】
炭素数6〜12のアリール基としては、例えばフェニル、ナフチル、ビフェニル等を挙げることができる。
【0031】
上記スルホン酸4級ホスホニウム塩の好ましい具体例としては、3,5―ジカルボキシベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、3,5―ジカルボキシベンゼンスルホン酸エチルトリブチルホスホニウム塩、3,5―ジカルボキシベンゼンスルホン酸ベンジルトリブチルホスホニウム塩、3,5―ジカルボキシベンゼンスルホン酸フェニルトリブチルホスホニウム塩、3,5―ジカルボキシベンゼンスルホン酸テトラフェニルホスホニウム塩、3,5―ジカルボキシベンゼンスルホン酸ブチルトリフェニルホスホニウム塩、3,5―ジカルボメトキシベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、3,5―ジカルボメトキシベンゼンスルホン酸エチルトリブチルホスホニウム塩、3,5―ジカルボメトキシベンゼンスルホン酸ベンジルトリブチルホスホニウム塩、3,5―ジカルボメトキシベンゼンスルホン酸フェニルトリブチルホスホニウム塩、3,5―ジ(β―ヒドロキシエトキシカルボニル)ベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、3,5―ジ(β―ヒドロキシエトキシカルボニル)ベンゼンスルホン酸テトラフェニルホスホニウム塩、3―ジカルボキシベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、3―ジカルボキシベンゼンスルホン酸テトラフェニルホスホニウム塩、3―ジ(β―ヒドロキシエトキシカルボニル)ベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、3―ジ(β―ヒドロキシエトキシカルボニル)ベンゼンスルホン酸テトラフェニルホスホニウム塩、4―ジ(β―ヒドロキシエトキシカルボニル)ベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、ビスフエノールA−3,3―ジ(スルホン酸テトラブチルホスホニウム塩)、2,6―ジカルボキシナフタレン―4―スルホン酸テトラブチルホスホニウム塩等を挙げることができる。上記スルホン酸4級ホスホニウム塩は一種のみを単独で用いても二種以上を併用してもよい。
【0032】
本発明方法は、上記スルホン酸4級ホスホニウム塩の共存下でのエステル化が実質的に終了したのち、好ましくはエステル化反応の少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%が終了した後、反応系中に、リチウム化合物、カルシウム化合物、マグネシウム化合物、セリウム化合物およびコバルト化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属化合物または、該金属化合物とリン化合物とを添加する。
【0033】
その添加量は、下記式(1)〜(3)
【0034】
【数10】
1≦M≦100 ……(1)
0≦P≦20 ……(2)
1.0≦M/(S+P)≦5.0 ……(3)
(ここで、M、PおよびSはそれぞれ、ジカルボン酸に基づく、金属化合物、リン化合物およびエステル形成性官能基を有するスルホン酸4級ホスホニウム塩のmmol%である。)
を満足する必要がある。
【0035】
前記金属化合物は、本発明の目的のひとつである静電ワイヤーへの汚れの付着を低減する役割を担っていると考えられる。すなわち、静電ワイヤーの汚れは溶融状態の芳香族ポリエステルから発生するスルホン酸4級ホスホニウム塩の分解物であり、ポリエステル中の金属化合物を共存させることにより、このスルホン酸4級ホスホニウム塩の分解が抑制されるか、もしくは分解物がポリエステル中に捕捉される効果があるものと推察される。
【0036】
上記式(1)の関係に関し、金属化合物が10mmol%を超える場合には、ポリエステルの熱安定性が低下し、フイルムの着色や表面欠点の発生などの弊害を生じ、一方1mmol%未満では静電ワイヤー汚れの付着を低減することができなくなり、好ましくない。
【0037】
また、上記式(2)の関係に関し、リン化合物が20mmol%を超えると、ポリエステルの熱安定性向上効果が飽和してしまうだけでなく、静電ワイヤー汚れの原因のひとつとなり易い。
【0038】
さらに、上記式(3)の関係に関し、M/(S+P)の値が1.0未満では上述の静電ワイヤー汚れ抑制の効果が実質的に得られず、一方5.0を超えるとその効果が飽和してしまう。
【0039】
金属化合物の添加時期が早すぎると、ジエチレングリコールの副生量が多くなり、このためポリエステルの融点が低下し、回転冷却ドラムへのフイルム粘着あるいはフイルム延伸時の破れ発生等の問題を生じやすい。
【0040】
上記式(1)の関係は、好ましくは下記式(1)−1
【0041】
【数11】
10≦M≦90 ……(1)−1
ここでMの定義は上記式に同じである。
上記式(2)の関係は、好ましくは下記式(2)−1である。
【0042】
【数12】
1≦P≦20 ……(2)−1
ここでPの定義は上記式に同じである。
上記式(3)の関係は、好ましくは下記式(3)−1である。
【0043】
【数13】
1.3≦M/(S+P)≦4.0 ……(3)−1
【0044】
上記式(2)−1の関係に関し、リン化合物が1mmol%より多いと、得られる芳香族ポリエステルの熱安定性が十分となり静電ワイヤー汚れが発生し難くなり、好ましい。
【0045】
リチウム化合物としては、例えば酢酸リチウム、塩化リチウムおよび水酸化リチウムが好ましく用いられる。
【0046】
カルシウム化合物としては、例えば酢酸カルシウム、酸化カルシウムおよび塩化カルシウムが好ましく用いられる。
【0047】
マグネシウム化合物としては、例えば酸化マグネシウム、塩化マグネシウム、水素化マグネシウム、水酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、燐酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、安息香酸マグネシウムおよびフタル酸マグネシウムが好ましく用いられる。
【0048】
セリウム化合物としては、例えば酢酸セリウム、塩化セリウムおよび酸化セリウムが好ましく用いられる。
【0049】
コバルト化合物としては、例えば酢酸コバルトおよび塩化コバルトが好ましく用いられる。
【0050】
上記の如き、金属化合物は1種または2種以上一緒に使用される。
金属化合物のうち、マグネシウム化合物が特に好ましく用いられる。
【0051】
また、リン化合物としては、例えばトリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリ―n―ブチルホスフェート、リン酸等が挙げられる。これらの中トリメチルホスフェートが好ましい。リン化合物の使用は芳香族ポリエステルの熱安定性を向上させるので好ましい。
【0052】
本発明方法は、次いで、重縮合触媒の存在下に、重縮合を実施する。重縮合は、減圧下に実施される。重縮合触媒は、前記金属化合物の添加前、添加後あるいは同時に反応系に添加することができる。
【0053】
重縮合触媒としては、例えばチタン化合物、亜鉛化合物、マンガン化合物、ゲルマニウム化合物およびアンチモン化合物を挙げることができる。
【0054】
チタン化合物としては、例えばチタニウムテトラブトキシド、チタニウムテトラ―iso―プロポキシドおよびトリメリット酸チタンを挙げることができる。
【0055】
亜鉛化合物としては、例えば酢酸亜鉛、安息香酸亜鉛および水酸化亜鉛を挙げることができる。
【0056】
マンガン化合物としては、例えば酢酸マンガン、安息香酸マンガンおよび塩化マンガンを挙げることができる。
【0057】
ゲルマニウム化合物としては、例えば酸化ゲルマニウムおよび塩化ゲルマニウムを挙げることができる。
【0058】
アンチモン化合物としては、例えば三酸化アンチモンおよび酢酸アンチモンを挙げることができる。
【0059】
これら重縮合触媒は1種または2種以上一緒に用いることができる。
【0060】
かくして、本発明によれば、固有粘度が好ましくは0.45〜0.75の芳香族ポリエステルが得られる。
【0061】
また、本発明方法により得られる上記芳香族ポリエステルは、溶融時の交流体積抵抗率が好ましくは2.0×108 Ωcm以下、より好ましくは1.0×108 〜6.0×106 Ωcmの範囲にある。
【0062】
溶融時の交流体積抵抗率が2.0×108 Ωcm以下の芳香族ポリエステルは、比較的速く回転する冷却ドラム上にも密着するに十分な電荷量を付与でき、本発明のひとつの目的である製膜速度の向上を達成することができる。
【0063】
さらに、本発明における芳香族ポリエステルには、表面平坦性、乾熱劣化性を損なわない程度であれば、例えば顔料、染料、酸化防止剤、光安定剤、遮光剤(例えばカーボンブラック、酸化チタン等)の如き添加剤を必要に応じて含有させることができる。
【0064】
なお、本発明においてエステル化反応、重縮合反応におけるその他の条件は従来から知られている条件を採用することができる。
【0065】
また、本発明者の研究によれば、本発明の上記目的および効果は、下記本発明方法により、同様に達成されることが明かとなった。
【0066】
すなわち、本発明によれば、第2に、
芳香族ジカルボン酸から主としてなるジカルボン酸とエチレングリコールから主としてなるグリコールとをエステル化し、次いで重縮合させて芳香族ポリエステルを製造する方法において、エステル化をジカルボン酸に基づいて1〜30mmol%のエステル形成性官能基を有するスルホン酸4級ホスホニウム塩の共存下に実施し、そしてエステル化が実質的に終了した後、反応系に、亜鉛化合物、チタン化合物、マンガン化合物およびゲルマニウム化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属化合物またはそれとリン化合物を、下記式(1)〜(3);
【0067】
【数14】
1≦M≦100 ……(1)
0≦P≦20 ……(2)
1.0≦M/(S+P)≦5.0 ……(3)
(ここで、M、PおよびSはそれぞれ、ジカルボン酸に基づく、金属化合物、リン化合物およびエステル形成性官能基を有するスルホン酸4級ホスホニウム塩のmmol%を表わす。)
を満足する割合で添加し、次いで重縮合触媒の存在下に混合したのち重縮合を実施することを特徴とする芳香族ポリエステルの製造方法(以下、本発明の第2方法という)が同様に提供される。
【0068】
本発明の第2方法は、前記した本発明方法(以下、本発明の第1方法ということがある)と対比すると、下記の点で本発明の第1方法と相違する。
(i)金属化合物が亜鉛化合物、チタン化合物、マンガン化合物またはゲルマニウム化合物であること、および
(ii)金属化合物を反応系に添加したのち、重縮合を実施する前に、常圧下で混合する。
【0069】
金属化合物としての亜鉛化合物、チタン化合物、マンガン化合物およびゲルマニウム化合物はいずれも本発明の第1方法において重縮合触媒として使用されたものである。すなわち、本発明の第2方法では、これらの金属化合物は、重縮合を実施する前に反応系中に添加され、それ故、重縮合を実施する際には重縮合触媒を改めて添加する必要は必ずしもない。
【0070】
本発明の第2方法において、金属化合物を反応系に添加した後、重縮合を実施する前に、常圧下で好ましくは約5分〜約30分間混合するのが好ましい。
【0071】
なお、本発明の第2方法についてその他の特に記載のない事項は前記本発明の第1方法と同じであることを理解されるべきである。
【0072】
本発明方法(第1方法および第2方法を含む)により得られた芳香族ポリエステルは、上記の如く、回転する冷却ドラムに密着するに十分な電荷を付与しうる性能を有する。
【0073】
それ故、本発明によれば、さらに、本発明方法により得られた芳香族ポリエステルを静電キャスト法により製膜せしめることを特徴とする芳香族ポリエステルフイルムの製造方法が同様に提供される。
【0074】
本発明によれば、上記芳香族ポリエステルは、例えば融点(T;℃)ないし(Tm+70)℃の温度でスリットから回転冷却ドラム上に押出され、急冷して例えば10〜5000μmの末延伸フイルムとされる。該未延伸フイルムは一軸方向(縦方向または横方向)に(Tg−10)〜(Tg+70)℃の温度(ただし、Tg:ポリエステルのガラス転移温度)で2.5〜6.0倍の倍率で延伸され、続いて上記延伸方向と直角方向(―段目延伸が縦方向の場合には、二段目延伸は横方向となる)にTg〜(Tg+70)℃の温度で2.5〜6.0倍の倍率で延伸され二軸延伸フイルムとすることができる。この場合、面積延伸倍率は9〜32倍、さらには12〜30倍にするのが好ましい。延伸手段は同時二軸延伸、逐次二軸延伸のいずれでもよい。さらに得られたフイルムは、(Tg+70)〜Tm℃の温度で熱固定することができる。例えばポリエチレンテレフタレートフイルムにおいては、200〜240℃で熱固定するのが好ましい。熱固定時間は例えば1〜60秒である。
【0075】
この方法において、回転冷却ドラム上に押し出された溶融フイルムは、該ドラム上に到達する近傍(直前)において、非接触的に例えばフイルム面から3〜10mm離れた空間に設けられた電極(金属製ワイヤー;静電ワイヤー)から電荷を強制的に付与される。芳香族ポリエステルは、上記の如くスルホン酸4級ホスホニウム塩をl〜30mmol%ポリマー主鎖中に含有し、且つ好ましくはその溶融状態で2.0×108 Ωcm以下の交流体積抵抗率を示すことから、かかる電荷の付与を受けて比較的速く回転する冷却ドラムにさえも均一に密着する。
【0076】
そして、前述のように、該芳香族ポリエステルはマグネシウム化合物の如き金属化合物を特定量含有するため、静電ワイヤーへの汚れ付着が非常に少なく、静電ワイヤーの交換頻度を少なくするという重要な利点を有する。
【0077】
以上のように、本発明の芳香族ポリエステルは静電キャスト法を基本とする製膜方法において、回転冷却ドラムの回転周速度を向上させ、フイルムの生産効率を高める作用効果を奏する。
【0078】
本発明により製造される芳香族ポリエステルを用いたフイルムは、例えば磁気テープ、電気絶縁、コンデンサー、写真、包装等の幅広い用途のフイルム分野に好適に使用される。
【0079】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例での「部」は重量部を意味する。また、実施例での各特性値の測定はつぎの方法による。
【0080】
(l)固有粘度:
o―クロロフェノールを溶媒として35℃にて測定する。
【0081】
(2)静電キャスト性
ポリマーを口金を通してフイルム上に押出して冷却ドラム上にキャスティングする際、口金の近くでかつ押出したフイルムの上部に設置した電極により、冷却ドラムとの間に7000Vの電圧を印加する。このとき、表面欠点を生じず、厚みの均一性を低下することなく安定に製膜できる最大の冷却ドラムの速度を求める。冷却ドラムの最大速度によって次の如くランク付けして評価できる。
ランクA:冷却ドラムの速度70m/分以上で安定に製膜できる。
ランクB:冷却ドラムの速度60m/分以上、70m/分未満で安定に製膜できる。
ランクC:冷却ドラムの速度55m/分以上、60m/分未満で安定に製膜できる。
ランクD:冷却ドラムの速度55m/分未満でしか安定に製膜できない。
【0082】
(3)静電ワイヤーの汚れ性
上記(2)の静電キャスト性テストにおいて、テスト時間を延長して、静電ワイヤーヘの汚れ付着に基づく静電ワイヤーの電流値の低下率を調べる。テスト開始時の電流値とテスト終了時の電流値を読み取り、その差をテスト時間で除して単位時間あたりの電流低下率を求める。その値により次の如くランク付けして評価できる。
ランクA:電流低下率1%/hr未満。
ランクB:電流低下率1%/hr以上5%/hr未満。
ランクC:電流低下率5%/hr以上10%/hr未満。
ランクD:電流低下率10%/hr以上。
ランクAならば実用上とくに問題はない。ランクB、Cでは静電ワイヤーの交換頻度が多くなり生産効率の点からやや不利となる。ランクDでは実用に供することはできない。
【0083】
(4)溶融ポリマーの交流体積抵抗率
測定しようとするポリマーを含有し、その中に一対の電極を挿入した容器を加熱媒体中に浸し、ポリマーを285℃の温度に加熱溶融し、この温度に保つ。ポリマー中に挿入した電極に外部より接続した交流電源から100V―50Hzの電圧を印加する。この時の電流計と電圧計の指示値および電極面積、電極間距離より計算により交流体積抵抗率を求める。
【0084】
(5)フイルム表面欠点
ポリエステルの重合ないし押出し工程で副生する粒子状異物が評価される。溶融ポリマーを285℃で押出し、回転冷却ドラムに密着させて冷却して実質的に非晶状態のフイルムを得、その後、これを縦方向に3.6倍、横方向に3.9倍の延伸を行って、厚さ15μmのフイルムを製造する。このフイルムを位相差顕微鏡を用いて観察し、画像解析装置ルーゼックス500(日本レギュレーター製)で顕微画像内の最大長が10μm以上の粒子数をカウントする。この粒子数が10個/cm2 以下のものは実用に供することができる。
【0085】
[実施例1]
テレフタル酸のビス―β―ヒドロキシエチルエステル100部とテレフタル酸65部にエチレングリコール30部と3,5―ジカルボキシベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩0.04部の混合物を加え、210〜230℃の温度でエステル化反応を行った。反応により生成する水の量が13部となった時点で反応終了とし、酢酸マグネシウム4水塩0.034部およびトリメチルホスフェート0.006部を添加して10分間撹拌した後、真球状シリカ粒子(平均粒径0.5μm)0.075部のエチレングリコールスラリーおよび三酸化アンチモン0.046部を添加した。その後、反応生成物を重合反応器に移し、290℃まで昇温し0.2mmHg以下の高真空下にて重縮合反応を行って固有粘度0.62のポリエステルを得た。このポリエステルの285℃における交流体積抵抗率の値は5.8×107 Ωcmであった。
【0086】
このポリエステルのペレットを170Cで3時間乾燥後、押出し機ホッパーに供給し、溶融温度290℃で1mmのスリット状ダイを通して200μmに溶融押出しし、線状電極を用いて表面仕上げ0.3s程度、表面温度20℃の回転冷却ドラム上に密着固化させた。この時、冷却ドラムの速度を徐々に高めて、密着不良因に起因するフイルムの表面欠点を生じることなく、安定に冷却フイルムが製造できる最高のキャスティング速度は100m/分であった。次いで、この未延伸フイルムを75℃にて予熱し、低速、高速のロール間で15mm上方より900℃の表面温度のIRヒータl本にて加熱して3.6倍に延伸し、つづいてステンターに供給し、105℃にて横方向に3.9倍に延伸した。得られた二軸延伸フイルムを230℃の温度で5秒間熱固定処理し、厚み14μmの熱固定二軸延伸フイルムを得た。
このフイルムの特性を表1に示す。
【0087】
[実施例2〜4]
実施例lにおいて3,5―ジカルボキシベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、酢酸マグネシウムおよびリン酸トリメチルの量を表1に示す量に変更する以外は実施例1と同様に行い、ポリエステル及びポリエステルフイルムを得た。このフイルムの特性を表1に示す。
【0088】
[実施例5]
2,6―ナフタレンジカルボン酸のビス―β―ヒドロキシエチルエステル120部と2,6―ナフタレンジカルボン酸85部にエチレングリコール30部と3,5―ジカルボキシベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩0.04部の混合物を加え、210〜230℃の温度でエステル化反応を行った。反応により生成する水の量が13部となった時点で反応終了とし、酢酸マグネシウム4水塩0.076部およびトリメチルホスフェート0.006部を添加して10分間撹拌した後、真球状シリカ粒子(平均粒径0.5μm)0.075部のエチレングリコールスラリーおよび三酸化アンチモン0.046部を添加した。その後、反応生成物を重合反応器に移し、295℃まで昇温し0.2mmHg以下の高真空下にて重縮合反応を行って固有粘度0.61のポリエステルを得た。
【0089】
このポリエステルを用いて、溶融温度を300℃とする以外は実施例lと同様にしてポリエステルフイルムを得た。このフイルムの特性を表1に示す。
【0090】
[実施例6]
実施例1において、3,5―ジカルボキシベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩0.04部のかわりに3,5―ジカルボキシベンゼンスルホン酸テトラフェニルホスホニウム塩0.05部を用い、また酢酸マグネシウムの量を表1に記載の量に変更する以外は実施例1と同様に行い、ポリエステルおよび二軸配向フイルムを得た。このフイルムの特性を表1に示す。
【0091】
[実施例7]
実施例lにおいて、酢酸マグネシウム0.034部のかわりに酸化マグネシウム0.054部を用いて実施例1と同様に行い、ポリエステルおよび二軸配向フイルムを得た。このフイルムの特性を表1に示す。
【0092】
[比較例l〜3]
実施例1において3,5―ジカルボキシベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、酢酸マグネシウムおよびリン酸トリメチルの量を表1に示す量に変更する以外は実施例1と同様に行い、ポリエステル及びポリエステルフイルムを得た。このフイルムの特性を表1に示す。いずれも静電ワイヤーの汚れ度が大きく、不満足な結果であった。
【0093】
[比較例4]
実施例lにおいて、酢酸マグネシウムのかわりに表1に示す量の酢酸ナトリウムを用いる以外は実施例1と同様に行い、ポリエステル及びポリエステルフイルムを得た。このフイルムの特性を表1に示す。静電ワイヤーの汚れ度が大きく、不満足な結果であった。
【0094】
[比較例5、6]
実施例1において3,5―ジカルボキシベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、酢酸マグネシウムおよびリン酸トリメチルの量を表1に示す量に変更する以外は実施例1と同様に行い、ポリエステル及びポリエステルフイルムを得た。このフイルムの特性を表1に示す。いずれも得られたフイルムの表面欠点が多く、不満足な結果であった。
【0095】
[比較例7、8]
実施例1において3,5―ジカルボキシベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩の量を表1に示す量に変更する以外は実施例1と同様に行い、ポリエステル及びポリエステルフイルムを得た。このフイルムの特性を表lに示す。いずれもスルホン酸4級ホスホニウム塩の含有量が少ないため十分な静電密着性が得られず、不満足な結果であった。
【0096】
[比較例9〜11]
実施例1において3,5―ジカルボキシベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩および酢酸マグネシウムを表1に示す化合物種および量に変更する以外は実施例1と同様に行い、ポリエステル及びポリエステルフイルムを得た。このフイルムの特性を表1に示す。いずれも十分な静電密着性が得られず、不満足な結果であった。
【0097】
【表1】
【0098】
[実施例8〜15]
実施例1において3,5―ジカルボキシベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩の添加量を15mmolに変更し、またマグネシウム化合物及びリン酸トリメチルを表2に示す金属化合物および使用量に変更する他は実施例1と同様に実施した。結果を表2に示した。
【0099】
なお、実施例10、12、13および15では、金属化合物を添加した後、常圧下で約10分間撹拌したのち、三酸化アンチモンを添加することなく減圧下で重縮合を開始した。
【0100】
【表2】
【0101】
【発明の効果】
本発明の製造方法で得られる芳香族ポリエステルは、静電キャスト法により芳香族ポリエステルフイルムとする際に、回転冷却ドラム上への密着性に優れ、かつ静電ワイヤー汚れ問題が少ないため製膜工程において高い生産性が得られ、なおかつそのフイルムは表面欠点が少なく、磁気テープ、電気絶縁、コンデンサー、写真、包装等の多岐にわたる用途のフイルムとして好適に使用できる。
Claims (11)
- 芳香族ジカルボン酸から主としてなるジカルボン酸とエチレングリコールから主としてなるグリコールとをエステル化し、次いで重縮合させて芳香族ポリエステルを製造する方法において、エステル化をジカルボン酸に基づいて1〜30mmol%のエステル形成性官能基を有するスルホン酸4級ホスホニウム塩の共存下に実施し、そしてエステル化が実質的に終了した後、反応系に、亜鉛化合物、チタン化合物、マンガン化合物およびゲルマニウム化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属化合物またはそれとリン化合物を、下記式(1)〜(3);
- 芳香族ジカルボン酸から主としてなるジカルボン酸が芳香族ジカルボン酸を少なくとも70モル%含有する請求項1記載の方法。
- 芳香族ジカルボン酸以外のジカルボン酸が脂肪族ジカルボン酸または脂環族ジカルボン酸である請求項3記載の方法。
- エチレングリコールから主としてなるグリコールがエチレングリコールを少なくとも80mmol%含有する請求項1記載の方法。
- エチレングリコール以外のグリコールが炭素数3〜10のポリメチレングリコール、脂環族グリコールまたは芳香族グリコールである請求項5記載の方法。
- エステル化をエステル化触媒の実質的に非存在下で実施する請求項1記載の方法。
- エステル化を芳香族ジカルボン酸のジグリコールエステルまたはそのオリゴマーの存在下で開始する請求項1記載の方法。
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