JP5214093B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複写機やファクシミリ装置、さらにはプリンタ等として適用される画像形成装置に関するものであり、特に、像担持体に形成されたトナー像を転写材に転写する際に機能する転写手段への電圧印加の改良に関するものである。
画像形成装置は、像担持体としての感光体ドラムの周面に、読み取ったり電送されたりした画像情報に基づき形成された静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成させ、このトナー像を転写手段を介して転写材としての用紙に転写するように構成されている。転写手段は、通常、用紙搬送面が感光体ドラムの周面と対向した状態で当該感光体ドラムと同期駆動する転写ベルトと、周面がこの転写ベルトを介して感光体ドラムの周面と対向配置された転写ローラと、この転写ローラに電圧を印加する電源とを備えて構成されている。
そして、用紙が、転写ベルトによって当該転写ベルトの周回と同期回転している感光体ドラムにまで搬送されてくると、電源から転写ローラに向けてトナーの極性と逆極性の電圧が印加され、これによる用紙のトナー像と逆極性の帯電で感光体ドラム周面のトナー像が剥がされ、これによってトナー像の用紙への転写が行われる。転写処理後の用紙は、転写ベルトの周回で定着装置に搬入され、ここで加熱により定着処理が施されたのち装置外に排出されるようになっている。
この際、用紙が感光体ドラムから外れた時点で電源から転写ローラに向けてトナーの極性と同一の極性の電圧が印加される。このようにされるのは、転写処理終了後に転写ベルトに付着しているトナーを同極性のバイアス印加により感光体ドラムの周面に戻し、これによって転写ベルトの表面を清浄化するためである。感光体ドラムの周面に捕捉された残留トナーは、回転方向の下流側に設けられたクリーニング装置によって取り除かれて回収されるようになっている。
このような転写手段を備えた画像形成装置については、例えば、特許文献1に記載されている。
特許第3508078号公報
ところで、上記のような電圧制御が実行されると、用紙の後端が感光体ドラムから外れた瞬間に転写ローラの電圧がトナーと逆の極性からトナーと同一の極性に急激に変化するため、これに誘引されて感光体ドラムの周面の電位も急激に変動し、この衝撃によって感光体ドラムの周面に残留している残留トナーや、感光体ドラム周面に静電気的に吸着した用紙を剥がすための部材(剥離爪)に付着しているトナー等が弾き飛ばされて用紙の上に落下し、用紙を汚染するという問題点を有している。
因みに、特許文献1には、このような極性の切り換え時に生じる不具合については解決課題として挙げられておらず、従って、かかる不具合の解消策についての記述も存在しない。
本発明は、このような状況に鑑みなされたものであって、トナーの飛散が生じない状態で転写部材へ印加される電圧の極性の変更を行うことができるように構成された転写手段を有する画像形成装置を提供することを特徴としている。
請求項1記載の発明は、周面にトナー像が形成される像担持体と、軸心回りに回転している像担持体のトナー像を転写材に転写する転写手段とを備えてなる画像形成装置であって、前記転写手段は、転写材を像担持体の周面とで挟持したニップ状態で当該転写材に電圧を印加する電圧印加部材と、この電圧印加部材に電圧を供給する電源と、この電源から電圧印加部材へ供給する電圧の極性と電圧値とを制御する電圧制御手段とを備え、前記電圧制御手段は、転写材がニップ状態のとき前記電圧印加部材に対しトナーと逆極性の電圧を印加する順バイアス印加期間と、転写材がニップ状態でないとき前記電圧印加部材に対しトナーと同極性の電圧を印加する逆バイアス印加期間と、転写材がニップ状態から脱する付近にて前記電圧印加部材へ印加する電圧を逆極性から同極性へ切り換える変換期間とを設定し、前記変換期間においては電圧値を段階的に変化させ、かつ、前記順バイアス印加期間から前記変換期間中の0電位になるまでの間は電流値を制御することによって間接的に電圧制御を行い、前記変換期間中の0電位の状態から前記逆バイアス印加期間に至るまでの間は電圧値を制御することによって直接的に電圧制御を行うことを特徴とするものである。
かかる構成によれば、像担持体に形成されているトナー像は、転写材が搬送されて像担持体に到達し、像担持体と電圧印加部材とによりニップされた状態で像担持体の回転に応じて転写材に転写される。この転写に際し電圧印加部材には、転写材がニップ状態のとき電源からトナーと逆極性の電圧が印加されるため、像担持体に担持されていたトナー像は、静電気的な吸引力によって転写材に向けて引き剥がされ、これによって転写材に対する転写処理が確実に行われる。また、転写材への転写処理が完了して転写材がニップ状態でなくなったときには、この状態で電源から電圧印加部材に対しトナーと同極性の電圧が印加されるため、像担持体の近傍に飛散したトナーは、像担持体に静電気的に吸引され、これによって装置内部が飛散したトナーで汚染されたり、飛散したトナーが転写材に付着して転写不良を起こすような不都合の発生が防止される。
そして、特に転写材がニップ状態から脱した瞬間からの電圧印加部材に対する電圧印加の切り換えにおいて、逆極性の電圧(バイアス)印加から同極性の電圧(バイアス)印加への切り換えが段階的に行われるため、急激に切り換えが行われた場合にその衝撃で生じるトナーの飛散や、飛散したトナーが転写材に付着することによる転写画像不良等の不都合の発生が確実に防止される。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記電圧印加部材は、前記像担持体と接触または非接触で前記転写材に電圧を印加する転写ローラであることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、像担持体に到達した転写材は、当該転写ローラから電圧が印加されるため、転写材の電圧印加状態が均一かつ安定したものになる。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記転写ローラと前記像担持体との間には、転写材を搬送する転写ベルトが介設されていることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、転写材は、転写ベルトにより搬送されることによって像担持体に到達し、安定した搬送状態で転写ベルトを介して転写ローラからの電圧が印加される。
因みに本発明において、電圧制御手段による電圧印加部材に対する電圧の制御は、電圧値を直接制御する方式と、電流値を介して間接的に電圧値を制御する方式との双方を含む概念として使用している。
請求項1記載の発明によれば、電源は、転写材がニップ状態から脱した瞬間から逆極性の電圧印加を同極性の電圧印加に向けて段階的に変化させるように制御されるため、急激に切り換えが行われた場合にその衝撃で生じるトナーの飛散や、飛散したトナーが転写材に付着することによる転写不良等の不都合の発生を確実に防止することができる。
請求項2記載の発明によれば、像担持体に到達した転写材は、転写ローラから電圧が印加されるため、転写材の電圧印加状態を均一かつ安定したものにすることができる。
請求項3記載の発明によれば、転写材は、転写ベルトにより搬送されることによって像担持体に到達するため、転写材に対し安定した搬送状態で転写ベルトを介して転写ローラからの電圧を印加することができる。
図1は、本発明に係る画像形成装置の内部構造の一実施形態を説明するための正面断面視の説明図である。図1に示すように、画像形成装置10は、円筒状を呈した感光体ドラム(像担持体)20と、この感光体ドラム20の周面に沿うように時計方向回りに配設された帯電装置11、露光装置12、現像装置13、転写手段30、クリーニング装置14および除電装置15とを備えた基本構成を有している。
本実施形態においては、感光体ドラム20の直上位置に帯電装置11が配設され、この帯電装置11の若干右側に露光装置12が配設されていると共に、感光体ドラム20の図1における右側部に現像装置13が対向配置されている。また、転写手段30は、感光体ドラム20の直下位置に設けられていると共に、クリーニング装置14は、感光体ドラム20の図1における左側部に対向配置され、除電装置15は、クリーニング装置14と帯電装置11との間に設けられている。
前記感光体ドラム20は、その周面にシリコン(Si)を主成分とする光導電性のアモルファス層が積層されることによって形成されている。かかる感光体ドラム20は、当該感光体ドラム20と同心のドラム軸21回りに回転可能に形成され、図1に示す例では時計方向へ回転しつつその周面に露光装置12からの露光によって形成された静電潜像に現像装置13からトナーが供給されることによってトナー像が形成されるようになっている。感光体ドラム20の周面に形成されたトナー像は、当該感光体ドラム20のドラム軸21回りの時計方向へ向かう回転に伴って転写手段30により所定の用紙(転写材)Pに転写される。
前記帯電装置11は、露光装置12による露光に先立って感光体ドラム20の周面に例えばコロナ放電を付与することにより、当該周面に所定の極性の一様な電荷を形成させるものである。本実施形態においては、感光体ドラム20の周面は帯電装置11によってプラスの電荷で一様に帯電された状態にされる。
前記露光装置12は、図略の原稿読取装置によって読み取ったり、他の機器から電送されてきたりした画像情報に基づき強弱が存在するレーザー光線を一様な電荷の形成された感光体ドラム20の周面に照射するものである。こうすることによって当該感光体ドラム20の周面に静電潜像が形成される。そして、プラスの電荷が一様に形成されていた感光体ドラム20の周面は、レーザー光線の照射された部分の電位が略数百Vから略数Vに低下し、感光体ドラム20の周面に静電潜像が形成される。
前記現像装置13は、静電潜像の形成された感光体ドラム20の周面にトナーを供給することによって当該周面にトナー像を形成させるものであり、所定の現像装置本体131内に装填されたトナーを現像ローラ132の軸心回りの回転によってその周面から感光体ドラム20の周面に供給するようになっている。
こうすることによって感光体ドラム20の周面には静電潜像に沿ったトナー像が形成される。本実施形態においては、トナーには予めプラスの電荷が付与されているため、感光体ドラム20の周面に供給されたトナーは、静電潜像以外の部分の高電位のプラス帯電部分に反発して低電位である略数百Vから略数Vの静電潜像に付着し、プラスに帯電されたトナー像が感光体ドラム20の周面に形成されるのである。
前記転写手段30は、前記ドラム軸21回りに回転している感光体ドラム20の周面に形成されたトナー像を用紙Pに転写させるためのものであり、これについては後に詳述する。
前記クリーニング装置14は、用紙Pへの転写処理後の感光体ドラム20の周面に残留しているトナーを取り除いて清浄化するためのものである。かかるクリーニング装置14は、箱形のクリーニング装置本体141と、このクリーニング装置本体141に付設されたブレード142と、回収スクリュー143とを備えて構成されている。前記ブレード142は、感光体ドラム20の周面と対向配置され、その先端縁部が前記周面に当接されることにより感光体ドラム20の時計方向に向かう回転で残留トナーを感光体ドラム20の周面から掻き落とすようになっている。掻き落とされた残留トナーは、回収スクリュー143を経由してクリーニング装置本体141外の図略の回収タンクに回収されるようになっている。
かかるクリーニング装置14の直下位置には、感光体ドラム20の周面に吸着された用紙Pを剥がすための分離爪16が設けられている。このような分離爪16が設けられるのは、ニップ部Nを通過した用紙P(用紙Pの上面はマイナスに帯電している)が静電気的に感光体ドラム20の周面(感光体ドラム20の周面はプラスに帯電している)に吸着された転写材を分離補助するためである。
前記分離爪16は、通常、先端縁部が感光体ドラム20の周面に接触されているが、感光体ドラム20の周面に対し僅かな隙間を設けてもよい。僅かな隙間を設けることによって、感光体ドラム20の周面に残留した残留トナーを遣り過ごさせることが可能になり、感光体ドラム20周面の残留トナーが分離爪16により掻き落されて飛散するような不都合の発生が防止される。なお、分離爪16を潜った残留トナーは、クリーニング装置14のブレード142によって感光体ドラム20の周面から取り除かれることになる。
前記除電装置15は、クリーニング装置14によって清浄化された感光体ドラム20の周面に所定の光を照射することによって形成されている電荷を消去するためのものである。電荷が消去された感光体ドラム20の周面は、次の静電潜像形成のために帯電装置11によって帯電されることになる。
このように構成された画像形成装置10によれば、感光体ドラム20をドラム軸21回りに時計方向に回転させた状態で、まず帯電装置11によりその周面に所定の電荷が一様に付与され、この一様な電荷の付与された感光体ドラム20の周面に露光装置12からの光が照射されることにより当該周面に静電潜像が形成される。引き続きこの静電潜像が形成された感光体ドラム20の周面に現像装置13からトナーが供給されることにより、同周面にはトナー像が形成され、このトナー像は、転写手段30によって図略の用紙貯留部から搬送されてきた用紙Pに転写される。転写処理済の用紙Pは、図略の定着装置において加熱による定着処理が施され、その後、画像形成装置10外に排出される。
一方、用紙Pに転写処理を施した後の感光体ドラム20は、その周面に残留している残留トナーがクリーニング装置14のブレード142によって取り除かれる。そして、清浄化された感光体ドラム20の周面に除電装置15から光が照射されることによって当該周面の電荷が消去される。電荷が消去された後の感光体ドラム20の周面は、再度帯電装置11へ到達し、新たに次の画像の転写処理に供されることになる。
前記転写手段30は、本実施形態においては、前記感光体ドラム20の下方位置で当該感光体ドラム20と対向配置された転写ローラ(電圧印加部材)31と、この転写ローラ31と感光体ドラム20との間に介設された転写ベルト32と、前記転写ローラ31に高電圧を印加して電荷を付与する高圧電源33とを備えて構成されている。
前記高圧電源33としては、商用電源をそのまま利用してもよいし、商用電源からの電力を一旦受け入れた後に所定の変圧処理等を施す、いわゆる電源ユニットを採用してもよい。因みに、本実施形態においては電源ユニットを採用している。
前記転写ローラ31は、ドラム軸21と平行に配設されたローラ軸311回りに回転可能に軸支されている。かかる転写ローラ31は、例えばEPDM(エチレンプロピレンジエン共重合体)のようなゴム材料にカーボンを配合したものによって形成され、高圧電源33から電圧が印加されることによって周面に所定の電荷が形成され得るようになっている。
ローラ軸311には、転写ローラ31を上方に向けて付勢するコイルスプリング312が付設され、このコイルスプリング312の付勢力によって転写ローラ31の周面が転写ベルト32を介して感光体ドラム20の周面に押圧当接された状態になっている。そして、前記転写ベルト32と感光体ドラム20の周面との間に用紙Pをニップするニップ部Nが形成されている。
因みに本発明において、ニップとは、用紙Pが感光体ドラム20と転写ローラ31との間に位置すること(本実施形態では両者の間に転写ベルト32が介在している)を意味するものであり、従って、用紙Pが感光体ドラム20と、転写ベルト32を介して転写ローラ31との間に押圧挟持されている場合、並びに用紙Pと転写ベルト32との間にある程度の隙間が存在する場合の双方を含む概念である。
前記ローラ軸311は、金属材料によって形成されている。かかるローラ軸311には、高圧電源33からの電力が供給され、これによって転写ローラ31の周面に所定の電荷が形成されるようになっている。
前記転写ベルト32は、無端ベルトによって形成され、転写ローラ31の下流側(図1における左方)に設けられた駆動ローラ321と、転写ローラ31の上流側に設けられた従動ローラ322との間に掛け回されている。かかる転写ベルト32は、本実施形態においては、抵抗値が所定の値に設定されたNBR(nitrile butadiene rubber(アクリロニトリルブタジエン共重合ゴム))を基材とし、その表面に用紙Pに対する吸着性を良好にすると共に、トナーに対する良好な剥離性を確保するための、ウレタンバインダにPTFE(polytetrafluoroethylene(四フッ化エチレン樹脂))が分散されたものを被覆することによって形成されている。
前記駆動ローラ321は、駆動モータ34の駆動軸に同心で一体的に接続され、駆動モータ34の駆動によって駆動回転するようになっている。そして、駆動モータ34を駆動させることにより駆動ローラ321が軸心回りに反時計方向に回転し、これによって転写ベルト32は、駆動ローラ321と従動ローラ322との間で感光体ドラム20と同期周回するようになっている。したがって、用紙Pは、転写ベルト32により搬送されてニップ部Nに到達すると、当該ニップ部Nにおいて周回している転写ベルト32とドラム軸21回りに回転している感光体ドラム20の周面との間に押圧挟持され、転写ローラ31の静電気的な作用によって感光体ドラム20の周面に形成されているトナー像が用紙Pに転写されることになる。
そして、高圧電源33は、用紙Pがニップ部Nに位置しているとき前記転写ローラ31に対しトナーと逆極性の電圧を印加する一方、用紙Pがニップ部Nに存在しないときには前記転写ローラ31に対しトナーと同極性の電圧を印加するようにしている。本実施形態においては、用紙Pがニップ部Nに位置した状態で高圧電源33からローラ軸311を介して転写ローラ31に負電圧が印加される一方、用紙Pがニップ部Nに位置していない状態で高圧電源33からローラ軸311を介して転写ローラ31に正電圧が印加されるようになっている。
因みに、用紙Pがニップ部Nに位置しているときに転写ローラ31に負電圧が印加されるのは、用紙Pがニップ部Nに位置した転写処理時において感光体ドラム20の周面でプラスに帯電しているトナー像を静電気的に用紙Pの上面に吸着させるためである。また、用紙Pがニップ部Nに存在しない状態で転写ローラ31にプラスの電圧を印加するのは、転写ベルト32上に飛散したり当該空間に浮遊しているプラスに帯電したトナーを静電気的に転写ベルト32の表面から反発させて感光体ドラム20の周面に向かわせるようにし、これによって飛散トナーを感光体ドラム20の周面に捕捉させるためである。
図2は、ニップ部Nにおける各部材の電荷の形成状態を説明するための部分拡大説明図であり、(イ)は、用紙Pがニップ部Nに存在する順バイアス印加時の状態、(ロ)は、用紙Pがニップ部Nに存在しない逆バイアス印加時の状態をそれぞれ示している。なお、順バイアス印加とは、感光体ドラム20の周面の電圧(感光体ドラム20の周面は、全体的に見てプラスの電荷が形成されている)と逆極性の電圧がローラ軸311に印加される状態のことであり、逆バイアス印加とは、感光体ドラム20の周面の電圧と同極性の電圧がローラ軸311に印加される状態のことである。
まず、図2の(イ)に示すように、用紙Pがニップ部Nに存在する順バイアス印加時においては、高圧電源33からローラ軸311に負電圧「−」が印加されている。そうすると、半導電体からなる転写ローラ31のローラ軸311に密着した内周面位置にプラスの電荷「+」が形成されると共に、同外周面位置にマイナスの電荷「−」が形成される。従って、転写ローラ31の外周面に裏面側が当接した転写ベルト32においては、裏面側にプラスの電荷「+」が形成されると共に、表面側にマイナスの電荷「−」が形成された状態になっている。
一方、感光体ドラム20のアモルファスシリコン感光層からなる周面位置は、全体的にプラスの電荷「+」が形成されているのであるが、プラスの電荷「+」を有するトナーによって形成されたトナー像T(従ってトナー像Tはプラスに帯電している)が形成されている部分は、露光装置12によるレーザー光線の照射で電荷が存在しない非帯電状態になっている。
従って、図2の(イ)に示すように、トナー像Tがニップ部Nに到達すると、プラスの電荷を有するトナー像Tがマイナスの電荷を有する用紙Pの表面に静電気的に吸着され、これによって用紙Pに対する転写処理が行われるのである。
次に、図2の(ロ)に示すように、用紙Pがニップ部Nに存在しない逆バイアス印加時においては、高圧電源33からローラ軸311に正電圧「+」が印加されている。そうすると、半導電体からなる転写ローラ31のローラ軸311に密着した内周面位置にマイナスの電荷「−」が形成されると共に、同外周面位置にプラスの電荷「+」が形成される。これによって、転写ローラ31の外周面に裏面側が当接した転写ベルト32の裏面側にマイナスの電荷「−」が形成されるとともに、表面側にプラスの電荷「+」が形成された状態になる。
従って、プラス同士の感光体ドラム20の周面と転写ベルト32の表面とは静電気的に互いに反発し合った状態になっているのであるが、この状態において、例えばニップ部N近傍の転写ベルト32上にプラスに帯電した飛散トナーT1が存在した場合、この飛散トナーT1は、転写ベルト32と感光体ドラム20の電位差によって、あるいは静電気的に感光体ドラム20周面に付着することになるのである。具体的には、転写ベルト32に略+1400Vの逆バイアスを印加すると、感光体ドラム20は、略+500V程度に帯電することとなり、トナーは、電位の比較的低い感光体ドラム20の周面に引き寄せられるのである。
図3は、第1実施形態における転写ローラ31に対する電圧印加を経時的に示すタイミングチャートである。このタイミングチャートに示すように、用紙Pの先端がニップ部Nに到達してから用紙Pの後端がニップ部Nを抜けるまでの間である転写処理期間bにおいては、高圧電源33からローラ軸311へマイナス電圧が印加されるようになされている。これによって用紙Pの表面側がマイナスに帯電する(図2の(イ)参照)ため、感光体ドラム20表面のプラスに帯電しているトナー像が用紙Pの表面に静電気的に吸着されるようになっている。また、このときの感光体ドラム20の周面の転写後電位は、この転写へのマイナス電圧印加によって影響を受けるため、略十数V以下に電位が低下した状態になっている。
そして、用紙Pに対して転写処理が行われない非転写処理期間a(図3に「紙間」と表示)においては、高圧電源33からローラ軸311へプラス電圧が印加されるようになされている。これによって転写ベルト32の表面側がプラスに帯電する(図2の(ロ)参照)ため、プラスに帯電した転写ベルト32上の飛散トナーT1が転写ベルト32と感光体ドラム20との間の電位差によって、あるいは静電気的に感光体ドラム20に付着し、クリーニング装置14によって回収されることになる。またこのときの感光体ドラム20の周面の転写後電位は、この転写へのマイナス電圧印加によって影響を受けるため、電位が略数百Vに上昇した状態になっている。
そして、本実施形態においては、用紙Pの後端がニップ部Nから抜けた直後、すなわち転写処理期間bが終了した直後に、高圧電源33から転写ローラ31のローラ軸311に印加される電圧値を負電圧から正電圧に切り換えるに際し、図3における非転写処理期間aの部分で示すように、段階的に電圧値を増加させるようにしている。
このようにされるのは、転写ローラ31に所定の低電圧から所定の高電圧にまで急激に電圧を変化させると、これに追随して感光体ドラム20の周面の電圧も急激に変動するため、感光体ドラム20の周面上の未転写トナーが飛散したり、この感光体ドラム20周面の急激な電圧の変動が分離爪16に衝撃を与え、分離爪16に付着しているトナーが飛散して落下し、用紙Pの表面を汚染するという不都合が生じることがあるが、転写ローラ31に印加される電圧値を段階的に上げていくことによりかかる衝撃が和らぎ、これによって分離爪16に付着しているトナーの飛散が防止されるからである。
図4は、第2実施形態における転写ローラ31に対する電圧印加を経時的に示すタイミングチャートである。第2実施形態においては、図4に示すように、用紙Pの先端がニップ部Nに到達する直前、すなわち非転写処理期間aが終了する直前に高圧電源33からローラ軸311に印加されている電圧値を予め設定された正電圧から、予め設定された負電圧に向けて段階的に低下させるようにしている。そして、ローラ軸311に対する印加電圧が所定の負電圧に到達した時点に用紙Pの先端がニップ部Nに到達するように電圧印加のタイミングが制御されている。
第2実施形態の転写ローラ31に対する印加電圧の正負切り換えのタイミングによれば、転写ローラ31が所定の正電圧から所定の負電圧に向けて段階的に下げられるため、急激な電圧降下が回避され、第1実施形態と同様の作用効果が得られる。
図5は、第3実施形態における転写ローラ31に対する電圧印加を経時的に示すタイミングチャートである。第3実施形態は、図5に示すように、第1実施形態と第2実施形態とを合わせたものであり、非転写処理期間aが終了する直前と、転写処理期間bが終了する直前との双方について高圧電源33からのローラ軸311に対する印加電圧の切り換えを段階的に行うようにしている。
第3実施形態の転写ローラ31に対する印加電圧の正負切り換えのタイミングによれば、用紙Pの先端がニップ部Nに到達した時点(すなわち、非転写処理期間aが終了する直前)と、用紙Pの後端がニップ部Nから外れた時点(すなわち、転写処理期間bが終了する直前)との双方において転写ローラ31に対する印加電圧の変化が緩やかになり、非転写処理期間aから転写処理期間bに移るときと、転写処理期間bから非転写処理期間aに移るときとの双方で飛散トナーT1が用紙P上に落下することを防止することができる。
次に、図6を基に、第3実施形態(図5参照)を例に挙げて転写ローラ31に対する電圧印加制御について説明する。図6は、転写ローラ31に対する電圧印加制御の一実施形態を示すブロック図である。転写ローラ31に対する電圧制御を行うために、画像形成装置10の適所にマイクロコンピュータからなる制御部40が設けられている。この制御部40は、中央演算処理装置であるCPU(central processing unit)41と、プログラムや不変の設定数値等を記憶するための読み取り専用の記憶装置であるROM42と、演算途中に発生する一時的な数値などを記憶するためのRAM(random access memory)43とを備えた基本構成を有している。前記RAM43には、時刻を計時するタイマ431が設けられている。
前記CPU41は、電圧の切り換えを判別する電圧切換判別部411と、この電圧切換判別部411の判別結果に基づいて高圧電源33に制御信号を出力する制御信号出力部412とを有している。
前記電圧切換判別部411は、用紙Pがニップ部Nに到達したか否かや用紙Pに対する転写処理が終了したか等の用紙Pの状態を判別するものである。かかる判別を行うために、転写ベルト32の直上流位置の適所には、図1に示すように、用紙Pの先端および後端を検出するための、例えば発光素子と受光素子とを備えた光センサからなる用紙センサ44が設けられ、この用紙センサ44が検出した検出信号は、逐一電圧切換判別部411へ入力されるようになっている。
そして、電圧切換判別部411は、用紙センサ44から用紙Pの先端を検出したことを示す先端検出信号が入力されると、用紙Pの搬送速度に基づいて用紙Pの先端がニップ部Nに到達する時刻より予め設定された時間だけ前の時刻を算出し、この時刻が到来したか否かをタイマ431からの計時情報を基に判別するようになっている。因みに、用紙Pの先端が用紙センサ44によって検出されてからニップ部Nの若干手前位置(上流側の位置)まで到達するに要する時間はROM42に記憶されている。
そして、用紙Pが予め設定されたニップ部Nより若干手前位置まで到達すると、電圧切換判別部411は、制御信号出力部412へ向けて高圧電源33に対し所定の正電圧から所定の負電圧に向けて所定の時間ピッチで段階的に電圧を降下させるための制御信号を出力させるべく指令信号を出力するようになっている。
従って、この指令信号を受けた制御信号出力部412は、高圧電源33に向けて電圧を段階的に降下させる制御信号を出力し、これによって転写ローラ31は、図5に示すように、電位が所定の正電圧から所定の負電圧に段階的に変化することになる。
これに対し、用紙センサ44が用紙Pの後端を検出した場合には、電圧切換判別部411に用紙センサ44からの後端検出信号が入力される。そして、この後端検出信号が入力された電圧切換判別部411は、ROM42に記憶されている用紙Pの搬送速度に基づいて用紙Pの後端がニップ部Nに到達する時刻を算出し、この時刻が到来したか否かをタイマ431からの計時情報を基に判別するようになっている。因みに、用紙Pの後端が用紙センサ44によって検出されてからニップ部Nの若干手前位置(上流側の位置)まで到達するに要する時間はROM42に記憶されている。
そして、用紙Pの後端がニップ部Nに到達すると、電圧切換判別部411は、制御信号出力部412へ向けて高圧電源33に対し所定の負電圧から所定の正電圧に向けて所定の時間ピッチで段階的に電圧を上昇させるための制御信号を出力させるべく指令信号を出力するようになっている。
従って、この指令信号を受けた制御信号出力部412は、高圧電源33に向けて電圧を段階的に上昇させる制御信号を出力し、これによって転写ローラ31は、図5に示すように、電位が所定の負電圧から所定の正電圧に段階的に変化することになる。
以上詳述したように、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置10は、周面にトナー像が形成される感光体ドラム20と、軸心回りに回転可能している感光体ドラム20のトナー像を用紙Pに転写する転写手段30とを備えてなるものであり、転写手段30は、用紙Pをニップ部Nにおいて転写ベルト32を介し感光体ドラム20の周面とで挟持したニップ状態で当該用紙Pに電圧を印加する電圧印加部材としての転写ローラ31と、この転写ローラ31に電圧を供給する高圧電源33とを備え、高圧電源33は、用紙Pがニップ状態のとき転写ローラ31に対しトナーと逆極性の電圧を印加する一方、用紙Pがニップ状態でないとき転写ローラ31に対しトナーと同極性の電圧を印加すると共に、用紙Pがニップ状態から脱した瞬間から逆極性の電圧印加を同極性の電圧印加に向けて段階的に変化させるべく制御されるようになっている。
第1実施形態のこのような構成によれば、感光体ドラム20に形成されているトナー像は、搬送されて感光体ドラム20に到達し、感光体ドラム20と転写ローラ31とにより転写ベルト32を介してニップされた状態で感光体ドラム20の回転に応じて用紙Pに転写される。この転写に際し、転写ローラ31は、用紙Pがニップ状態のとき高圧電源33からトナーと逆極性の電圧が印加されるため、感光体ドラム20に担持されていたトナー像は、静電気的な吸引力によって用紙Pに向けて引き剥がされ、これによって用紙Pに対する転写処理が確実に行われる。
また、用紙Pへの転写処理が完了して用紙Pがニップ状態でなくなったときには感光体ドラム20が若干逆極性になっており、この状態で高圧電源33から転写ローラ31に対しトナーと同極性の電圧が印加されるため、感光体ドラム20の近傍に飛散したトナーは、転写ベルト32と感光体ドラム20との間の電位差によって、あるいは静電気的に感光体ドラム20に吸引され、これによって装置内部が飛散したトナーで汚染されたり、飛散したトナーが用紙Pに付着して転写不良を起こすような不都合の発生が防止される。
そして、特に用紙Pがニップ状態から脱した瞬間からの転写ローラ31に対する電圧印加の切り換えにおいて、逆極性の電圧印加から同極性の電圧印加への切り換えが段階的に行われるため、急激に切り換えが行われた場合にその衝撃で生じるトナーの飛散や、飛散したトナーが用紙Pに付着することによる転写不良等の不都合の発生を確実に防止することができる。
また、本発明に係る第2実施形態の画像形成装置10は、第1実施形態のものと同様の感光体ドラム20、転写手段30および高圧電源33を備えてなるものであるが、高圧電源33による電圧制御が第1実施形態と相違している。すなわち、高圧電源33は、用紙Pがニップ状態のとき転写ローラ31に対しトナーと逆極性の電圧を印加する一方、用紙Pがニップ状態でないとき転写ローラ31に対しトナーと同極性の電圧を印加すると共に、用紙Pがニップ状態に突入する直前から同極性の電圧印加を逆極性の電圧印加に向けて段階的に変化させるべく制御されるようになっている。
第2実施形態のこのような構成によれば、転写処理時の転写ローラ31に対する電圧印加および転写処理時以外の転写ローラ31に対する電圧印加に関し、請求項1と同様の作用効果を得ることができる。
そして、特に用紙Pがニップ部Nに到達した瞬間からの転写ローラ31に対する電圧印加の切り換えにおいて、同極性の電圧印加から逆極性の電圧印加への切り換えが段階的に行われるため、急激に切り換えが行われた場合にその衝撃で生じるトナーの飛散や、飛散したトナーが用紙Pに付着することによる転写不良等の不都合の発生を確実に防止することができる。
さらに、本発明に係る第3実施形態の画像形成装置10によれば、制御部40による高圧電源33の電圧制御が第1実施形態のものと、第2実施形態のものとを合わせたものであるため、用紙Pがニップ部Nから外れるとき、および用紙Pがニップ部Nに突入するときの双方において急激な電圧変動による衝撃でトナーが飛散するような不都合を確実に防止することができる。
そして、上記の各実施形態においては、電圧印加部材として転写ローラ31が採用されているため、感光体ドラム20に到達した用紙Pは、感光体ドラム20と転写ローラ31との間で転写ローラ31から電圧が印加され、これによって、例えばコロナ放電によるものに比較し、用紙Pに対する電圧の印加状態を均一かつ安定したものにすることができる。
また、上記の各実施形態においては、転写ローラ31と感光体ドラム20との間に用紙Pを搬送する転写ベルト32が介設されているため、用紙Pは、転写ベルトにより搬送されることによって感光体ドラム20に到達し、安定した搬送状態で転写ベルトを介して転写ローラ31からの電圧が印加される。
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下の内容をも包含するものである。
(1)上記の実施形態においては、感光体ドラム20と転写ローラ31との間に転写ベルト32が介設され、この転写ベルト32によって搬送されてきた用紙Pに対して高圧電源33からの電圧を転写ローラ31および転写ベルト32を介して用紙Pに印加するようになされているが、特に転写ベルト32を採用することなく、用紙Pを転写ローラ31と感光体ドラム20との間に直接導入するようにしてもよい。
(2)上記の実施形態においては、転写材が用紙Pである場合を例に挙げて説明したが、本発明は、転写材が用紙Pであることに限定されるものではなく、転写ローラ31そのものに転写材としての役割を担わせてもよい。この場合には、感光体ドラム20の周面に形成されているトナー像が一旦転写ベルト32の周面に転写されることになるため、この転写ベルト32の周面に転写されたトナー像をさらに用紙Pに転写する構造を採用すればよい。
(3)上記の実施形態においては、ニップ部Nに到達した用紙Pに転写ベルト32を介して電圧を印加するために転写ローラ31が採用されているが、本発明は、転写ローラ31を採用することに限定されるものではなく、転写ローラ31に代えてブラシやブレード等を採用してもよい。
(4)上記の実施形態においては、感光体ドラム20が1つだけ採用された、いわゆるモノトーン印刷用の画像形成装置10を例に挙げて説明したが、本発明は、画像形成装置10がモノトーン印刷用のものであることに限定されるものではなく、トナーの色毎に複数の感光体ドラム20が転写ベルト32に沿って並設されてなる、いわゆるカラー印刷用のものであってもよい。
(5)上記の第1実施形態においては、用紙Pがニップ部Nを脱した瞬間を起点として転写ローラ31へ印加する電圧値を段階的に変化させるようにしているが、本発明は、電圧印加の段階的変化の起点を用紙Pがニップ部Nを脱した瞬間とすることに限定されるものではなく、状況に応じて用紙Pがニップ部Nを脱する時点の前後の所定の時点を電圧変化の起点として採用してもよい。
(6)上記の第2実施形態においては、用紙Pがニップ部Nに突入する直前を起点として転写ローラ31へ印加する電圧値を段階的に変化させるようにしているが、本発明は、電圧印加の段階的変化の起点を用紙Pがニップ部Nに突入する直前とすることに限定されるものではなく、状況に応じて用紙Pがニップ部Nに突入する直前の時点のさらに前後の所定の時点を電圧変化の起点として採用してもよい。
図7を基に、実際に採用されている段階的な電圧制御の一例について説明する。図7は、用紙Pがニップ部Nから抜け出た瞬間tからのローラ軸311に対する印加電圧の経時的な変化を示す、順バイアス印加期間から逆バイアス印加期間に移るときのグラフである。
実際の電圧制御においては、図7に示すように、順バイアス印加期間中はローラ軸311に−100μAの電流が供給される一方、逆バイアス印加期間中はローラ軸311に1.4kVの電圧が印加されるようになっている。順バイアス印加期間(上記の転写処理期間b(図3〜図5参照))と逆バイアス印加期間(上記の非転写処理期間a(図3〜図5参照))との間には、ローラ軸311に印加する電圧を段階的に上昇させていく変換期間が設定され、この変換期間中に電圧を段階的に上昇させるようにしている。
また、この例の電圧の制御においては、順バイアス印加期間中および変換期間中の電位が「0」になるまでの間は電流値を制御することによって間接的に電圧制御を行う一方、変換期間中の電位が「0」の状態から逆バイアス印加期間に到るまでの間は、電圧値そのものを直接的に制御する方式が採用されている。このような制御を採用したのは、実機を用いた効果確認試験の結果、順バイアス印加期間中および変換期間中の電位が「0」になるまでの間について電流値を介して間接的に電圧制御を行うことによって、その理由は詳らかではないが、確実なトナー飛散防止効果を得ることができることが確認されたからである。
そして、具体的には、用紙Pの後端がニップ部Nから抜け出た瞬間(時刻t)に変換期間に突入し、まず、電流制御によりローラ軸311に供給される電流値が−100μAから−67μAに減少され、この状態が時刻tまで継続された後、時刻tまで−33μAの電流が供給される。そして、時刻tになると電流の供給が停止され、これによって転写ローラ31には電圧が印加されない状態とされる。
この電圧が印加されない状態が時刻tまで継続された後、今度は電圧制御により時刻tまでローラ軸311に467Vの電圧が印加され、時刻tになると933Vの電圧が印加され、時刻tに到達すると逆バイアス印加期間に突入してローラ軸311に1400Vの電圧が印加される。
各時刻間の時間(t−ti―1(i=1〜5))は、15msに設定している。従って、変換期間の合計時間は75ms(15ms×5)になる。
このような電圧制御を行うことにより、ニップ部Nにおける転写処理後の用紙Pに対し、数10枚に1枚程度の割合でトナー汚れが生じていたのが皆無になり、本発明が優れた効果を有するものであることが実証された。
本発明に係る画像形成装置の内部構造の一実施形態を説明するための正面断面視の説明図である。 ニップ部における各部材の電荷の形成状態を説明するための部分拡大説明図であり、(イ)は、用紙がニップ部に存在する順バイアス印加時の状態、(ロ)は、用紙がニップ部に存在しない逆バイアス印加時の状態をそれぞれ示している。 第1実施形態における転写ローラに対する電圧印加を経時的に示すタイミングチャートである。 第2実施形態における転写ローラに対する電圧印加を経時的に示すタイミングチャートである。 第3実施形態における転写ローラに対する電圧印加を経時的に示すタイミングチャートである。 転写ローラに対する電圧印加制御の一実施形態を示すブロック図である。 用紙がニップ部から抜け出た瞬間からのローラ軸に対する印加電圧の経時的な変化を示す、順バイアス印加期間から逆バイアス印加期間に移るときのグラフである。
10 画像形成装置
11 帯電装置
12 露光装置
13 現像装置
131 現像装置本体
132 現像ローラ
14 クリーニング装置
141 クリーニング装置本体
142 ブレード
143 回収スクリュー
15 除電装置
16 分離爪
20 感光体ドラム(像担持体)
21 ドラム軸
30 転写手段
31 転写ローラ(電圧印加部材)
311 ローラ軸
312 コイルスプリング
32 転写ベルト
321 駆動ローラ
33 高圧電源
40 制御部
41 CPU
411 電圧切換判別部
412 制御信号出力部
42 ROM
43 RAM
431 タイマ
44 用紙センサ
N ニップ部
P 用紙(転写材)
T トナー像
T1 飛散トナー

Claims (3)

  1. 周面にトナー像が形成される像担持体と、軸心回りに回転している像担持体のトナー像を転写材に転写する転写手段とを備えてなる画像形成装置であって、
    前記転写手段は、転写材を像担持体の周面とで挟持したニップ状態で当該転写材に電圧を印加する電圧印加部材と、この電圧印加部材に電圧を供給する電源と、この電源から電圧印加部材へ供給する電圧の極性と電圧値とを制御する電圧制御手段とを備え、
    前記電圧制御手段は、
    転写材がニップ状態のとき前記電圧印加部材に対しトナーと逆極性の電圧を印加する順バイアス印加期間と、転写材がニップ状態でないとき前記電圧印加部材に対しトナーと同極性の電圧を印加する逆バイアス印加期間と、転写材がニップ状態から脱する付近にて前記電圧印加部材へ印加する電圧を逆極性から同極性へ切り換える変換期間とを設定し、
    前記変換期間においては電圧値を段階的に変化させ、かつ、前記順バイアス印加期間から前記変換期間中の0電位になるまでの間は電流値を制御することによって間接的に電圧制御を行い、前記変換期間中の0電位の状態から前記逆バイアス印加期間に至るまでの間は電圧値を制御することによって直接的に電圧制御を行うことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記電圧印加部材は、前記像担持体と接触または非接触で前記転写材に電圧を印加する転写ローラであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記転写ローラと前記像担持体との間には、転写材を搬送する転写ベルトが介設されていることを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
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