JP5209716B2 - 圧電体膜を用いた振動ジャイロ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、圧電体膜を用いた振動ジャイロ及びその製造方法に関するものである。
近年、圧電材料を用いた振動ジャイロは盛んに開発されている。従来から、特許文献1に記載されているような振動体自体が圧電材料で構成されるジャイロが開発される一方、振動体上に形成される圧電体膜を利用するジャイロも存在する。例えば、特許文献2では、圧電材料であるPZT膜を用いて、振動体の一次振動を励起し、かつその振動体に角速度が与えられた際に発生するコリオリ力によって生じるジャイロの一部の歪みを検出する技術が開示されている。
他方、ジャイロが搭載される各種機器のサイズが日進月歩で小型化されている中で、ジャイロ自身の小型化も重要な課題である。ジャイロの小型化を達成するためには、ジャイロを構成する各部材の加工精度を格段に高めることが必要となる。また、小型化と同時に、角速度の検出精度を更に高めたジャイロや、不測の振動(外乱)に対して強いジャイロを提供することが産業界の強い要望といえる。しかしながら、下記の特許文献に示されているジャイロの構造は、ここ数年来の小型化及び高性能化の要求を満足するものではない。
特開平8−271258号公報 特開2000−9473号公報
上述の通り、圧電体膜を用いた振動ジャイロの小型化と高い加工精度を達成しつつ、ジャイロとしての高性能化の要求を同時に満足することは非常に難しい。一般的には、ジャイロが小型化されると、振動体に角速度が与えられた場合に、ジャイロの検出電極によって検出される信号が微弱になるという問題がある。従って、小型化された振動ジャイロは本来検出すべき信号と外部からの不意の衝撃(外乱)によって発生する信号との差が小さくなるため、ジャイロとしての検出精度を高めることが難しくなる。
ところで、外部からの不意の衝撃の中には、様々な種類の衝撃が存在する。例えば、上述の特許文献2に記載されたリング状の振動体では、リングの中心の固定ポストを軸として、リングの存在する面の上下方向にシーソーのような動きを与える衝撃がある。この衝撃により、ロッキングモードと呼ばれる振動が励起される。他方、前述の固定ポストに支持された振動体のリング状部材の全周が同時に、リングの存在する面の上方又は下方に曲げられる衝撃も存在する。この衝撃により、バウンスモードと呼ばれる振動が励起される。これらのような衝撃が振動ジャイロに生じたとしても、正確な角速度を検出する技術を確立することは極めて困難である。
また、振動ジャイロに対して一次振動を励起する駆動電極や、角速度によって生じる二次振動を検出する検出電極の信号を取り込むために形成される引き出し電極が、製造プロセス上、やむを得ず圧電素子を構成する場合もある。そのような場合に、その引き出し電極自身が生じさせる圧電効果を出来る限り低減することは、振動ジャイロとしての検出精度を高めるために極めて有益である。
本発明は、上述の技術課題を解決することにより、圧電体膜を用いた振動ジャイロの小型化及び高性能化に大きく貢献するものである。発明者らは、外乱に対する影響が比較的小さいと考えられる円環状又は多角形状の振動ジャイロを基本構造として採用した。しかしながら、ジャイロの小型化と製造プロセスの簡便化を図る過程で、上述の引き出し電極の形成によって生じるノイズ出力が、比較的小さい出力ではあるが検出精度の更なる向上のためには弊害となることを知見した。そこで、所定の絶縁膜を所定位置にのみ形成することにより、加工精度の高いドライプロセス技術を適用しつつ、その引き出し電極からのノイズ出力を著しく低減することが可能であることを見出した。本発明はこのような視点で創出された。なお、本出願では、「円環状又は多角形状の振動ジャイロ」を、簡略化して「リング状振動ジャイロ」とも呼ぶ。
本発明の1つの振動ジャイロは、円環状又は多角形状の振動体と、その振動体を柔軟に支持するとともに固定端を有するレッグ部と、その振動体上に形成されるとともに上層金属膜及び下層金属膜により圧電体膜を厚み方向に挟む複数の電極と、そのレッグ部上に形成されるとともに、前述の上層金属膜及び前述の下層金属膜により圧電体膜及び低誘電率の絶縁膜を厚み方向に挟む引き出し電極とを備えている。尚、本出願において「柔軟な」とは、「振動体が振動可能な程度に」という意味である。
この振動ジャイロは、その引き出し電極が、レッグ部上に形成されるとともに、前述の上層金属膜及び前述の下層金属膜によって圧電体膜及び低誘電率の絶縁膜を厚み方向に挟んでいるため、レッグ部上の圧電効果、逆圧電効果、及び静電容量を大幅に低減することができる。すなわち、コンデンサーとしても機能する圧電体膜及び絶縁膜が直列に接続されるため、例えば、その領域に電圧が印加された場合、前述の絶縁体が無い場合と比べて、いわゆる逆圧電効果によって生じる圧電体の歪みは大幅に低減されるため、振動体の一次振動に対する悪影響を減らすことができる。また、レッグ部上のコンデンサーとしての圧電体膜と絶縁膜とが合成された静電容量が、前述の絶縁体が無い場合と比べて大幅に低減される。その結果、上述のような外乱が発生しても、レッグ部上の圧電体膜内には弱い分極(表面電荷)しか発生しなくなって圧電効果が小さくなるため、そのような外乱に対するノイズの発生が抑制される。また、前述のとおり、その領域の合成された静電容量が大幅に低減すると、外乱によらないノイズ信号の強度も顕著に弱まるため、角速度の測定精度が向上する。
本発明の1つの振動ジャイロの製造方法は、振動体と、その振動体を柔軟に支持するとともに固定端を有するレッグ部とを備える振動ジャイロの製造方法である。具体的には、上層金属膜と下層金属膜との間に圧電体膜を厚み方向に挟んだ複数の電極を、円環状又は多角形状をした前述の振動体の上方にドライエッチングによって形成する工程と、その上層金属膜とその下層金属膜との間にその圧電体膜と低誘電率の絶縁膜を厚み方向に挟んだ前述の複数の電極の引き出し電極を、そのレッグ部の上方にドライエッチングによって形成する工程とを有している。
上述の振動ジャイロの製造方法によれば、ドライプロセス技術による加工が可能となるため、上述の振動体上には駆動や検出を実行する圧電素子を形成するとともに、レッグ部上には、逆圧電効果や圧電効果が抑制される圧電素子を精度良く形成することが可能となる。すなわち、上述の製造方法によって低誘電率の絶縁膜をレッグ部上の所定位置にのみに精度良く形成することにより、レッグ部上の圧電効果、逆圧電効果、及び静電容量を大幅に低減することができる。その結果、不要な振動体の励起を生じさせず、外乱にも強く、さらに、外乱によらないノイズ信号の強度をも顕著に弱めた振動ジャイロを製造することができる。
本発明の1つの振動ジャイロによれば、一次振動の励起状態の信頼性を高めるとともに、角速度が生じた際に高精度に角速度を検出することができる。また、本発明の1つの振動ジャイロの製造方法によれば、ドライプロセス技術による加工により、上述の振動体上には駆動や検出を実行する圧電素子を形成するとともに、レッグ部上には、逆圧電効果や圧電効果が抑制される圧電素子を精度良く形成することが可能となる。その結果、不要な振動体の励起を生じさせず、外乱にも強く、さらに、外乱によらないノイズ信号の強度も顕著に弱めた振動ジャイロを製造することができる。
本発明の1つの実施形態におけるリング状振動ジャイロの中心的役割を果たす構造体の正面図である。 図1のA−A断面図である。 本発明の1つの実施形態におけるリング状振動ジャイロの一部の製造工程の過程を示す断面図である。 本発明の1つの実施形態におけるリング状振動ジャイロの一部の製造工程の過程を示す断面図である。 本発明の1つの実施形態におけるリング状振動ジャイロの一部の製造工程の過程を示す断面図である。 本発明の1つの実施形態におけるリング状振動ジャイロの一部の製造工程の過程を示す断面図である。 本発明の1つの実施形態におけるリング状振動ジャイロの一部の製造工程の過程を示す断面図である。 本発明の1つの実施形態におけるリング状振動ジャイロの一部の製造工程の過程を示す断面図である。 本発明の1つの実施形態におけるリング状振動ジャイロの一部の製造工程の過程を示す断面図である。 本発明の1つの実施形態におけるリング状振動ジャイロの一部の製造工程の過程を示す断面図である。 本発明の1つの実施形態におけるリング状振動ジャイロの製造装置の構成を示す断面図である。 本発明の他の実施形態における図2に相当する断面図である。 本発明の他の実施形態における図2に相当する断面図である。 第1検出電極と第2検出電極の電気的信号の正負を概念的に説明する図である。 本発明の他の実施形態における振動体形状を説明する図である。
本発明の実施形態を、添付する図面に基づいて詳細に述べる。尚、この説明に際し、全図にわたり、特に言及がない限り、共通する部分には共通する参照符号が付されている。また、図中、本実施形態の要素は必ずしもスケール通りに示されていない。また、各図面を見やすくするために、一部の符号が省略され得る。
<第1の実施形態>
図1は、本実施形態におけるリング状振動ジャイロ100の中心的役割を果たす構造体の正面図である。また、図2は、図1のA−A断面図である。
図1及び図2に示すとおり、本実施形態のリング状振動ジャイロ100は、大きく3つの領域に分類される。第1の領域は、シリコン基板10から形成されるリング状振動体11の上部の平面(以下、上面という)上に、複数の膜が積層された領域である。
図1に示す複数の電極13a〜13dは、その上面上に、第1シリコン酸化膜20を備え、その上に、圧電体膜40であるPZT膜が、下層金属膜30である白金(Pt)と上層金属膜60である白金(Pt)との間に挟まれることにより形成される複数の電極13a〜13dを備えた領域である。本実施形態では、複数の電極13a〜13dを構成する上層金属膜60は、約46μm幅の上面を有するリング状振動体11の外周縁から約1μm内側に形成され、その幅は約21μmである。また、リング状振動体11の上層金属膜60は、リング状振動体11の上面の幅の両端間の中央を結ぶ線(以下、単に中央線という)よりも外側に形成されている。
他方、その複数の電極13a〜13dに電圧を印加し、又は電気信号を取得するために引き出し電極14,・・・,14が、リング状振動体11の上面上に形成される。具体的には、リング状振動体11の上面上に第1シリコン酸化膜20を備え、その上に、低誘電率の絶縁膜としての第2シリコン酸化膜50と圧電体膜40が、下層金属膜30である白金と上層金属膜60である白金との間に挟まれることにより形成されている。なお、本出願においては、「引き出し電極」とは、上層金属膜60と下層金属膜30により、圧電体膜40及び低誘電率の絶縁膜(本実施形態では第2シリコン酸化膜50)が厚み方向に挟まれた場所乃至領域を指す。
ところで、本実施形態では、イン・プレーンのcos2θの振動モードでリング状振動ジャイロ100の一次振動が励起される。従って、前述の複数の電極13a〜13dの内訳は、互いに円周方向に180°離れた角度に配置された2つの駆動電極13a,13aと、駆動電極13a,13aから円周方向であって90°離れた角度に配置された2つのモニタ電極13c,13cと、リング状振動ジャイロ100に角速度が与えられたときに発生する二次振動を検出する、第1検出電極13b,13b及び第2検出電極13d,13dである。本実施形態では、第1検出電極13b,13bは、駆動電極13a,13aから円周方向であって時計回りに45°離れた角度に配置される。また、第2検出電極13d,13dは、第1検出電極13b,13bから円周方向であって90°離れた角度、換言すれば、駆動電極13a,13aから円周方向であって反時計回りに45°離れた角度に配置される。
また、本実施形態では、下層金属膜30及び上層金属膜60の厚みは100nmであり、圧電体膜40の厚みは、3μmである。また、シリコン基板10の厚みは100μmであり、第2シリコン酸化膜50の厚みは120nmである。なお、図1においてVで示される斜線領域は、リング状振動ジャイロ100を構成する構造体が何も存在しない空間又は空隙部分であり、図面を分かりやすくするために便宜上設けられた領域である。
第2の領域は、リング状振動体11の一部と連結しているレッグ部15,・・・,15である。このレッグ部15,・・・,15もシリコン基板10から形成されている。また、レッグ部15,・・・,15上には、リング状振動体11上のそれらと連続する上述の第1シリコン酸化膜20、下層金属膜30、圧電体膜40、及び第2シリコン酸化膜50がレッグ部15,・・・,15の上面全体に形成されている。さらに、一部の圧電体膜40及び第2シリコン酸化膜50の上面の中央線上には、幅約8μmの上層金属膜60が形成されることにより、引き出し電極14,・・・,14が形成されている。
第3の領域は、上述のレッグ部15,・・・,15に連結しているシリコン基板10から形成される支柱19及び電極パッド18,・・・,18を備えた電極パッド用固定端部17,・・・,17である。本実施形態では、支柱19が、図示しないリング状振動ジャイロ100のパッケージ部に連結し、固定端としての役割を果たしている。また、本実施形態のリング状振動ジャイロ100は、支柱19以外の固定端として、電極パッド用固定端部17,・・・,17を備えている。この電極パッド用固定端部17,・・・,17は、支柱19及び上述のパッケージ部のみに連結しているため、実質的にリング状振動体11の動きを阻害しない。また、図2に示すように、支柱19及び電極パッド用固定端部17,・・・,17の上面には、グラウンド電極である固定電位電極16を除き、レッグ部15,・・・,15上のそれらと連続する上述の第1シリコン酸化膜20、下層金属膜30、圧電体膜40、及び第2シリコン酸化膜50が形成されている。ここで、第1シリコン酸化膜20上に形成された下層金属膜30が固定電位電極16の役割を担っている。また、支柱19及び電極パッド用固定端部17,・・・,17の上方に形成されている第2シリコン酸化膜50の上面には、レッグ部15,・・・,15の上方のそれと連続する上層金属膜60によって形成される引き出し電極14,・・・,14及び電極パッド18,・・・,18が形成されている。
上述の構造が採用されることにより、レッグ部15,・・・,15上の引き出し電極14,・・・,14が、上層金属膜60と下層金属膜30との間に圧電体膜40及び低誘電率の絶縁膜である第2シリコン酸化膜50を厚み方向に挟むことになる。ここで、圧電体膜40と第2シリコン酸化膜50は、コンデンサーとしても機能する。本実施形態では、圧電体膜40の比誘電率が約1000であるのに対し、第2シリコン酸化膜50の比誘電率は約4である。そうすると、圧電体膜40と第2シリコン酸化膜50が直列に接続されることにより、本実施形態における合成された静電容量は、第2シリコン酸化膜50が形成されていない場合の静電容量の約9%にまで低減する。
その結果、例えば、リング状振動ジャイロ100が外部からの不意の衝撃(外乱)を受けても、レッグ部15,・・・,15上の圧電体膜40内には弱い分極(表面電荷)しか発生しなくなって圧電効果が小さくなる。従って、引き出し電極14,・・・,14に起因するそのような外乱に対するノイズの発生が大幅に抑制される。換言すれば、本実施形態のリング状振動ジャイロ100は、いわゆるバウンスモードやロッキングモードの振動を励起する外部衝撃に対する耐衝撃性が高められている。また、前述のとおり、引き出し電極14,・・・,14の領域の合成された静電容量が大幅に低減すると、外乱によらないノイズ信号の強度も顕著に弱まるため、角速度の測定精度が向上する。
さらに、例えば、その領域に駆動電極13a,13aに与えられる電圧が印加された場合であっても、静電容量の小さい第2シリコン酸化膜50が形成されているため、引き出し電極14,・・・,14の圧電体膜40に対しては殆ど電圧が印加されなくなる。すなわち、第2シリコン酸化膜50が無い場合と比べて、いわゆる逆圧電効果によって生じる圧電体膜40の歪みは大幅に低減される。その結果、リング状振動ジャイロ100の一次振動に対する悪影響を減らすことができる。
特に、本実施形態では、駆動電極13aと各検出電極13b,13dの引き出し電極14,・・・,14が、レッグ部15,・・・,15の上面の外縁と内縁との略中央のみ(換言すれば、中央線付近のみ)に形成されている。従って、レッグ部15,・・・,15上の略全面上に引き出し電極14,・・・,14が形成されている場合と比較して、検出の際の不要なノイズの発生及び不要な一次振動の励起をさらに抑えることができる。
ところで、本実施形態では、駆動電極13aと各検出電極13b,13dの双方の引き出し電極14,・・・,14がレッグ部15,・・・,15の中央線付近のみに形成されているが、これに限定されない。例えば、駆動電極13aのみの引き出し電極14,14がレッグ部15,15の中央線付近のみに形成された場合、レッグ部15,15上の略全面上に引き出し電極14,14が形成されている時と比較して不要な一次振動の励起が抑制される。他方、各検出電極13b,13dのみの引き出し電極14,・・・,14がレッグ部15,・・・,15の中央線付近のみに形成された場合は、レッグ部15,・・・,15上の略全面上に引き出し電極14,・・・,14が形成されている時と比較して不要なノイズの発生が抑えられる。
他方、駆動電極13a及び各検出電極13b,13dは、上層金属膜60と下層金属膜30との間に上述の第2シリコン酸化膜50が挟まれていない。従って、圧電体膜40の性能がそのまま発揮されることになる。
従って、本実施形態のリング状振動ジャイロ100を用いることにより、振動体の駆動や角速度の検出の性能を維持しつつ、不要なノイズの発生や不要な一次振動の励起を顕著に抑えることができる。なお、本実施形態のモニタ電極13c,13cは、その他の各電極13a,13b,13dと同様、上層金属膜60と下層金属膜30との間に圧電体膜40を厚み方向に挟んでいる。
次に、本実施形態のリング状振動ジャイロ100の製造方法について、図3A乃至図3Hに基づいて説明する。なお、図3A乃至図3Hは、図2における一部の範囲に対応する断面図である。
まず、図4に示すシリコン基板10のエッチング装置500の構成について説明する。エッチング対象となるシリコン基板10は、チャンバー520の下部側に設けられたステージ521に載置される。チャンバー520には、エッチングガス、有機堆積物形成ガス(以下、保護膜形成ガスともいう)から選ばれる少なくとも一種類のガスが、各ボンベ522a,522bからそれぞれガス流量調整器523a,523bを通して供給される。これらのガスは、第1高周波電源525により高周波電力を印加されたコイル524によりプラズマ化される。その後、第2高周波電源526を用いてステージ521に高周波電力が印加されることにより、これらの生成されたプラズマはシリコン基板10に引き込まれる。このチャンバー520内を減圧し、かつプロセス後に生成されるガスを排気するため、チャンバー520には真空ポンプ527が排気流量調整器528を介して接続されている。尚、このチャンバー520からの排気流量は排気流量調整器528により変更される。上述のガス流量調整器523a,523b、第1高周波電源525、第2高周波電源526及び排気流量調整器528は、制御部529により制御される。なお、図4は、シリコン基板10をエッチングするための装置構成として説明されたが、上述の圧電体膜40や金属膜のためのエッチング装置としても利用され得る。例えば、エッチング装置500を用いれば、チャンバー520内に導入するガスの種類を適宜選定することによって、後述のシリコン以外の対象をエッチングすることもできる。
本実施形態のリング状振動ジャイロ100の製造方法では、最初に、図3Aに示すように、シリコン基板10上に、第1シリコン酸化膜20、下層金属膜30、圧電体膜40、第2シリコン酸化膜50が積層される。前述の各膜は公知の成膜手段によって形成されている。本実施形態では、第1シリコン酸化膜20は公知の手段による熱酸化膜である。また、下層金属膜30、及び圧電体膜40は、いずれも公知のスパッタリング法により形成されている。また、第2シリコン酸化膜50は、公知のスパッタリング法によって形成されている。なお、これらの膜の形成は、前述の例に限定されず、他の公知の手段によっても形成され得る。
次に、第2シリコン酸化膜50の一部がエッチングされる。本実施形態では、第2シリコン酸化膜50上に公知のレジスト膜を形成した後、フォトリソグラフィ技術により形成されたパターンに基づいてドライエッチングを行うことにより、図3Bに示される第2シリコン酸化膜50が形成される。ここで、第2シリコン酸化膜50のドライエッチングは、上述のエッチング装置500を用いて、アルゴン(Ar)、又は、アルゴン(Ar)と酸素(O)との混合ガスを用いた公知のエッチング条件によって行われた。なお、第2シリコン酸化膜50のその他の製造方法には、公知のシャドーマスクやリフトオフ法も適用され得る。
その後、図3Cに示すように、第2シリコン酸化膜50及び圧電体膜40上に、上層金属膜60が一様に積層される。尚、本実施形態の上層金属膜60は、公知のスパッタリング法により形成されている。
次に、上層金属膜60の一部がエッチングされる。本実施形態では、上層金属膜60上に公知のレジスト膜を形成した後、フォトリソグラフィ技術により形成されたパターンに基づいてドライエッチングを行うことにより、図3Dに示される上層金属膜60が形成される。ここで、上層金属膜60のドライエッチングは、上述のエッチング装置500を用いて、アルゴン(Ar)又はアルゴン(Ar)と酸素(O)の混合ガスを用いた公知のエッチング条件によって行われた。
その後、図3Eに示すように、第2シリコン酸化膜50の一部がエッチングされる。まず、上述と同様、フォトリソグラフィ技術によりパターニングがされた新たなレジスト膜に基づいて、第2シリコン酸化膜50がドライエッチングされる。なお、本実施形態の第2シリコン酸化膜50のドライエッチングは、上述のエッチング装置500を用いて、アルゴン(Ar)又はアルゴン(Ar)と酸素(O)の混合ガスを用いた公知のエッチング条件によって行われた。なお、本実施形態では、第2シリコン酸化膜50のために新たなレジスト膜が形成されたが、上述の上層金属膜60のためのレジスト膜の残留分が、第2シリコン酸化膜50のエッチングのためのエッチングマスクとして利用されてもよい。その場合は、後述する図6に示す断面構造が形成される。すなわち、上述の上層金属膜60のためのレジスト膜の残留分を利用すれば、パターニングされたレジスト膜の形成工程が1回削減できる。なお、本実施形態では、第2シリコン酸化膜50が圧電体膜40上に形成されている。この場合、下層金属膜30上に第2シリコン酸化膜50がパターニングされて形成される場合と比較して、下層金属膜30の表面が第2シリコン酸化膜50のパターニングによってダメージを受けることが無いため、その上層である圧電体膜40への影響は生じない。その結果、第2シリコン酸化膜50を形成しない駆動電極13aと各検出電極13b,13dの性能の信頼性がより高まると考えられる。
その後、図3Fに示すように、圧電体膜40の一部がエッチングされる。まず、上述と同様、フォトリソグラフィ技術によりパターニングされた新たなレジスト膜に基づいて、圧電体膜40がドライエッチングされる。なお、本実施形態の圧電体膜40のドライエッチングは、上述のエッチング装置500を用いて、アルゴン(Ar)とCガスの混合ガス、又はアルゴン(Ar)とCガスとCHFガスの混合ガスを用いた公知のエッチング条件によって行われた。なお、本実施形態では、圧電体膜40のために新たなレジスト膜が形成されたが、上述の第2シリコン酸化膜50のためのレジスト膜の残留分が、圧電体膜40のエッチングのためのエッチングマスクとして利用されてもよい。この場合も、第2シリコン酸化膜50のための新たなレジスト膜が1回形成されるだけで、第2シリコン酸化膜50及び圧電体膜40がエッチングされるため、好ましい一態様である。
続いて、図3Gに示すように、下層金属膜30の一部がエッチングされる。本実施形態では、下層金属膜30を利用した固定電位電極16が形成されるように、残留するレジスト膜、上層金属膜60、又は第2シリコン酸化膜50を用いて下層金属膜30の一部がドライエッチングされる。本実施形態では、固定電位電極16は、グラウンド電極として利用される。なお、本実施形態の下層金属膜30のドライエッチングは、上述のエッチング装置500を用いて、アルゴン(Ar)又はアルゴン(Ar)と酸素(O)の混合ガスを用いた公知のエッチング条件によって行われた。
ところで、本実施形態では、圧電体膜40をエッチングするために形成されたレジスト膜、上層金属膜60、第2シリコン酸化膜50、又は圧電体膜40をエッチングマスクとして、その後の第1シリコン酸化膜20及びシリコン基板10を連続的にエッチングする。そのため、このレジスト膜の厚みは、約6μmになるように形成されている。但し、万一、このレジスト膜が、シリコン基板10のエッチング中に消失した場合であっても、シリコン基板10に用いられるエッチャントに対するエッチングレートの選択比が有利に働くため、前述のエッチングによって上層金属膜60、上層金属膜60直下の第2シリコン酸化膜50、圧電体膜40、及び下層金属膜30の性能は実質的に影響を受けない。
次に、図3Hに示すように、上述の通り圧電体膜40をエッチングするために形成されたレジスト膜を利用して、上述のエッチング装置500を用いて第1シリコン酸化膜20及びシリコン基板10のドライエッチングが行われる。本実施形態の第1シリコン酸化膜20のドライエッチングは、アルゴン(Ar)又はアルゴン(Ar)と酸素(O)の混合ガスを用いた公知のエッチング条件によって行われた。
その後、本実施形態のシリコン基板10のドライプロセスによる貫通エッチングが行われる。本実施形態では、保護膜形成ガスが導入される保護膜形成工程とエッチングガスが導入されるエッチング工程とを順次繰り返す方法が採用される。尚、本実施形態の保護膜形成ガスはCであり、エッチングガスはSFである。
また、前述のドライエッチングは、貫通時にシリコン基板10を載置するステージをプラズマに曝さないようにするための保護基板をシリコン基板10の下層に伝熱性の優れたグリース等により貼り付けた状態で行われる。そのため、例えば、貫通後にシリコン基板10の厚さ方向に垂直な方向の面、換言すればエッチング側面が侵食されることを防ぐために、特開2002−158214に記載されているドライエッチング技術が採用されることは好ましい一態様である。
上述の通り、シリコン基板10及びシリコン基板10上に積層された各膜のエッチングによって、リング状振動ジャイロ100の中心的な構造部が形成されたのち、公知の手段によるパッケージへの収容工程、及び配線工程を経ることにより、リング状振動ジャイロ100が形成される。本実施形態では、全てドライエッチングが採用されているため、加工精度の高い振動ジャイロが製造できる。
次に、リング状振動ジャイロ100が備える各電極の作用について説明する。上述の通り、本実施形態はイン・プレーンのcos2θの振動モードの一次振動が励起される。なお、固定電位電極16が接地されるため、固定電位電極16と連続して形成されている下層電極膜30は一律に0Vになっている。
最初に、図1に示すように、2つの駆動電極13a,13aに1VP−0の交流電圧が印加される。その結果、圧電体膜40が伸縮して一次振動が励起される。ここで、本実施形態では上層金属膜60がリング状振動体11の上面における中央線よりも外側に形成されているため、リング状振動体11の側面に形成されることなく圧電体膜40の伸縮運動をリング状振動体11の一次振動に変換することが可能となる。
次に、図1に示すモニタ電極13c,13cが、上述の一次振動の振幅及び共振周波数を検出して、図示しない公知のフィードバック制御回路に信号を送信する。本実施形態のフィードバック制御回路は、駆動電極13a,13aに印加される交流電圧の周波数とリング状振動体11が持つ固有周波数が一致するように制御するとともに、リング状振動体11の振幅がある一定の値となるようにモニタ電極13c,13cの信号を用いて制御している。その結果、リング状振動体11は、一定の振動が持続される。
上述の一次振動が励起された後、図1に示すリング状振動ジャイロ100の配置された平面に垂直な軸(紙面に垂直な方向の軸、以下、単に「垂直軸」という)の回りで角速度が加わると、cos2θの振動モードである本実施形態では、コリオリ力により一次振動の振動軸に対して両側に45°傾いた新たな振動軸を有する二次振動が生じる。
この二次振動が2つの第1検出電極13b,13bと、2つの第2検出電極13d,13dによって検出される。本実施形態では、図1に示すように、第1検出電極13b,13b及び第2検出電極13d,13dは、それぞれ二次振動の振動軸に対応して配置されている。また、全ての第1検出電極13b,13b及び第2検出電極13d,13dは、リング状振動体11の上面における中央線よりも外側に形成されている。従って、角速度を受けて励起される二次振動によって生じる第1検出電極13b,13bと第2検出電極13d,13dの電気的信号の正負が逆になる。これは、図7に示すように、例えば、リング状振動体11が縦に楕円となる振動体11aの振動状態に変化した場合、中央線より外側に配置されている第1検出電極13bの位置の圧電体膜40は、Aに示す矢印の方向に伸びる一方、中央線より外側に配置されている第2検出電極13dの位置の圧電体膜40は、Aに示す矢印の方向に縮むため、それらの電気的信号は逆になる。同様に、リング状振動体11が横に楕円となる振動体11bの振動状態に変化した場合、第1検出電極13bの位置の圧電体膜40は、Bに示す矢印の方向に縮む一方、第2検出電極13dの位置の圧電体膜40は、Bに示す矢印の方向に伸びるため、この場合も、それらの電気的信号が逆になる。
ここで、公知の差分回路である演算回路70において、第1検出電極13b,13bと第2検出電極13d,13dの電気信号の差が算出される。その結果、検出信号は第1検出信号又は第2検出信号のいずれか一方のみの場合と比較して約2倍の検出能力を備えることになる。
<第1の実施形態の変形例(1)>
図5は、本実施形態におけるもう一つのリング状振動ジャイロ200の図2に相当する断面図である。本実施形態のリング状振動ジャイロ200は、第1の実施形態における第2シリコン酸化膜50の位置を除き、第1の実施形態のリング状振動ジャイロ100と同一の構成を備える。また、その製造方法は一部を除いて第1の実施形態と同じである。さらに、本実施形態の振動モードは、駆動及び検出に関して第1の実施形態と同様、イン・プレーンのcos2θの振動モードである。従って、第1の実施形態と重複する説明は省略される。
図5に示すとおり、本実施形態の第2シリコン酸化膜50は、圧電体膜40と下層金属膜30との間に形成されている。第1の実施形態の製造工程との違いの1つは、圧電体膜40が下層金属膜30上に形成される前に、上述の第2シリコン酸化膜50がフォトリソグラフィ技術によりパターニングがされている点である。また、本実施形態では、上層金属膜60と圧電体膜40上にレジスト膜をパターニングする工程の後、そのレジスト膜をエッチングマスクとして、第2シリコン酸化膜50、下層金属膜30、第1シリコン酸化膜20、及びシリコン基板10をドライエッチングする。これにより、圧電体膜40用のエッチングマスクが、その下層の全ての膜又は基板の形状を決めることになるため、製造工程が非常に簡略化される。但し、万一、前述のレジスト膜が、シリコン基板10のエッチング中に消失した場合であっても、シリコン基板10に用いられるエッチャントに対するエッチングレートの選択比が有利に働くため、上層金属膜60又は圧電体膜40が、その下層に対するエッチングマスクとして機能しうる。
本実施形態においても、駆動電極13a,13aや第1検出電極13b,13b等の各電極が形成されている領域には、第2シリコン酸化膜50が形成されていない。他方、引き出し電極14の領域では、第2シリコン酸化膜50及び圧電体膜40が、上層金属膜60と下層金属膜30との間に厚み方向に挟まれている。従って、本実施形態のリング状振動ジャイロ200も、第1の実施形態と同様の効果が奏される。
<第1の実施形態の変形例(2)>
図6は、本実施形態におけるもう一つのリング状振動ジャイロ300の図2に相当する断面図である。本実施形態のリング状振動ジャイロ300は、第1の実施形態における第2シリコン酸化膜50のパターニングを除き、第1の実施形態のリング状振動ジャイロ100と同一の構成を備える。また、その製造方法は一部を除いて第1の実施形態と同じである。さらに、本実施形態の振動モードは、駆動及び検出に関して第1の実施形態と同様、イン・プレーンのcos2θの振動モードである。従って、第1の実施形態と重複する説明は省略される。
図6に示すとおり、本実施形態の第2シリコン酸化膜50は、平面視において上層金属膜60と略同じ形状を有する。第1の実施形態の製造工程との違いは、第2シリコン酸化膜50のエッチングの際、上層金属膜60のエッチングの際に用いたレジスト膜の残留分を利用している点である。
本実施形態においても、駆動電極13a,13aや第1検出電極13b,13b等の各電極が形成されている領域には、第2シリコン酸化膜50が形成されていない。他方、引き出し電極14の領域では、第2シリコン酸化膜50及び圧電体膜40が、上層金属膜60と下層金属膜30との間に厚み方向に挟まれている。従って、本実施形態のリング状振動ジャイロ300も、第1の実施形態と同様の効果が奏される。
ところで、上述の各実施形態では、中央線より外側に駆動電極と検出電極が形成されていたが、これに限定されない。駆動電極と検出電極が、中心線よりも内側に配置されていても本発明の効果と同様の効果が奏される。
また、上述の各実施形態は、円環状の振動体を用いた振動ジャイロで説明されているが、円環状の代わりに、多角形状の振動体であってもよい。例えば、正六角形、正八角形、正十二角形、正二十角形等の正多角形状の振動体であっても、本発明の効果と実質的に同様の効果が奏される。また、図8に示すリング状振動ジャイロ400の八角形状の振動体111のような振動体であってもよい。振動体の正面視において点対象形状となる多角形状の振動体が採用されれば、振動体の振動時の安定性の観点で好ましい。また、「円環状」には楕円形状が含まれる。
また、上述の各実施形態では、引き出し電極14が、圧電体膜40と第2シリコン酸化膜50を上層金属膜60と下層金属膜30との間に挟む構成を採用しているが、これに限定されない。他の低誘電率の絶縁膜である、シリコン酸窒化膜、シリコン窒化膜、フルオロカーボン膜、又はポリイミド膜は、シリコン酸化膜の代替物として適用できる。また、前述の低誘電率の各絶縁膜のうち、複数の種類の絶縁膜が適用されても本発明の効果と同様の効果が奏される。
他方、上述の各実施形態の第1シリコン酸化膜の代わりに、例えば、シリコン窒化膜や、シリコン酸窒化膜が形成されていても、本発明の効果と実質的に同様の効果が奏される。
さらに、上述の各実施形態では、シリコンを母材とするリング状振動ジャイロが採用されているが、これにも限定されない。例えば、振動ジャイロの母材がシリコンゲルマニウムであってもよい。以上、述べたとおり、各実施形態の他の組合せを含む本発明の範囲内に存在する変形例もまた、特許請求の範囲に含まれるものである。
本発明は、振動ジャイロとして種々のデバイスの一部として広く適用され得る。

Claims (7)

  1. 円環状又は多角形状の振動体と、
    前記振動体を柔軟に支持するとともに固定端を有するレッグ部と、
    前記振動体上に形成されるとともに上層金属膜及び下層金属膜により圧電体膜を厚み方向に挟む複数の電極と、
    前記レッグ部上に形成されるとともに、前記上層金属膜及び前記下層金属膜により圧電体膜及び低誘電率の絶縁膜を厚み方向に挟む引き出し電極とを備える
    振動ジャイロ。
  2. 前記複数の電極が、前記振動体が配置される面と平行な面内の振動を検出するための検出電極を含み、
    前記検出電極の前記引き出し電極が、前記レッグ部の上面の外縁と内縁との略中央のみに形成される
    請求項1に記載の振動ジャイロ。
  3. 前記複数の電極が、前記振動体が配置される面と平行な面内の振動を励起するための駆動電極を含み、
    前記駆動電極の前記引き出し電極が、前記レッグ部の上面の外縁と内縁との略中央のみに形成される
    請求項1に記載の振動ジャイロ。
  4. 前記絶縁膜が、シリコン酸化膜、シリコン酸窒化膜、シリコン窒化膜、フルオロカーボン膜、及びポリイミド膜の群から選ばれる少なくとも1つの絶縁膜である
    請求項1に記載の振動ジャイロ。
  5. 振動体と、前記振動体を柔軟に支持するとともに固定端を有するレッグ部とを備える振動ジャイロの製造方法であって、
    上層金属膜と下層金属膜との間に圧電体膜を厚み方向に挟んだ複数の電極を、円環状又は多角形状の前記振動体の上方にドライエッチングによって形成する工程と、
    前記上層金属膜と前記下層金属膜との間に前記圧電体膜と低誘電率の絶縁膜を厚み方向に挟んだ前記複数の電極の引き出し電極を、前記レッグ部の上方にドライエッチングによって形成する工程とを有する
    振動ジャイロの製造方法。
  6. 前記レッグ部の上方に形成される前記圧電体膜上に前記絶縁膜が形成されている
    請求項5に記載の振動ジャイロの製造方法。
  7. 前記引き出し電極は、一部の前記上層金属膜のみ、又はそれに加えて一部の前記絶縁膜をドライエッチングすることにより形成される
    請求項5又は請求項6に記載の振動ジャイロの製造方法。
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