JP5157304B2 - 車両用走行制御装置 - Google Patents
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Description
以上のように、設定車速を制限車速に設定(変更)することが、運転者に違和感を与えてしまうという課題があった。
本発明の課題は、運転者の意思に合致させて、自車両を制限車速で走行させることである。
(第1の実施形態)
先ず第1の実施形態を説明する。
(構成)
第1の実施形態は、車両の走行制御をする走行制御システムである。
図1は、走行制御システムの構成を示す。
図1に示すように、走行制御システムは、GPS1、進路推定部2、加減速制御装置3、自車速取得部10、ナビゲーション装置20、先行車情報取得部30及びクルーズ車速設定部40を備える。
図2に示すように、先ずステップS1において、自車速演算部12は、車輪速を読み込む。具体的には、自車速演算部12は、車輪速センサ11から車輪速信号を読み込む。例えば、後輪駆動の車両の場合は、前輪の車輪速VW1,VW2を読み込む。
V=(VW1+VW2)/2 ・・・(1)
続いてステップS3において、自車速演算部12は、前記ステップS2で算出した自車速Vを進路選択部2、加減速制御装置3及びクルーズ車速設定部40(クルーズ車速選択部43)に出力する。そして、該図2に示す処理を終了する。
ナビゲーション装置20は、地図DB(データベース)21、道路情報取得部22、プレビューデータ作成部23及び制御目標車速演算部24を備える。道路情報取得部22は、地図DB21からの地図データ(電子地図データ)、GPS1からの自車位置情報、及び車輪速センサ11からの車輪速信号を基に、地図データ上の自車位置を特定する。道路情報取得部22は、特定した自車位置及び地図DB21からの地図データを基に、現在の自車位置を含めて自車位置前方の道路情報をプレビュー情報として取得する。道路情報取得部22は、取得したプレビュー情報をプレビューデータ作成部23に出力する。
図3に示すように、先ずステップS11において、道路情報取得部22は、自車位置情報を読み込む。具体的には、道路情報取得部22は、GPS1から自車位置緯度経度情報を読み込む。
続いてステップS12において、道路情報取得部22は、車輪速を読み込む。具体的には、道路情報取得部22は、車輪速センサ11から車輪速信号を読み込む。
続いてステップS13において、道路情報取得部22は、地図データを読み込む。具体的には、道路情報取得部22は、地図DB21から、自車両からの距離が一定範囲内の地図データを読み込む。
続いてステップS15において、プレビューデータ作成部23は、プレビューデータを作成する。具体的には、プレビューデータ作成部23は、前記ステップS13及びステップS14で得た地図データ及び自車位置情報に基づいて、自車位置前方の一定範囲内の道路に関する情報を検出し、現在の自車位置を含めて自車位置前方の道路についてのプレビューデータを作成する。例えば、プレビューデータ作成部23は、前方道路に関し、道路種別、分岐角度、分岐先距離、GPS情報、点種別、移行距離、制限車速、ノード点座標、リンク種別、リンク角、分岐数及び各ノード点のリンク関係を検出して、所定のフォーマットに基づいたプレビューデータを作成する。
以上のように、ナビゲーション装置20は、地図データ及び自車位置情報を基に、プレビューデータを作成し、作成したプレビューデータを制御目標車速演算部24及び進路選択部2に出力する。また、制御目標車速演算部24がプレビューデータを基に算出したプレビュー範囲の各点における制御目標車速を含め各種情報を、進路推定部2、加減速制御装置3及びクルーズ車速設定部40(クルーズ車速選択部43)に出力する。
図4に示すように、先ずステップS21において、先行車情報処理部32は、レーザーレーダ31からの出力信号を基に、先行車情報を得る。具体的には、先行車情報は、自車両と同一車線を走行している先行車両についての、先行車捕捉フラグ、先行車車速Vf、先行車両と自車両との車速差Vd及び車間距離Dである。
以上のように、先行車情報取得部30は、レーザーレーダ31を用いて先行車捕捉フラグ、車速差Vd及び車間距離Dを得て、それら情報を、進路選択部2及び加減速制御装置3に出力する。
クルーズ車速設定部40は、設定車速セットスイッチ41、推奨車速設定スイッチ42及びクルーズ車速設定処理部43を備える。
クルーズ車速設定処理部43は、設定車速セットスイッチ41からの設定車速セットスイッチ操作情報(操作信号)、及び推奨車速設定スイッチ42からの推奨車速設定スイッチ操作情報(操作信号)に基づいて、クルーズ走行制御(クルーズ走行制御機能)の設定車速を設定する。クルーズ車速設定処理部43は、設定車速情報を加減速制御装置3に出力する。
図5に示すように、先ずステップS31において、クルーズ走行制御機能のON/OFF判断(クルーズ走行制御機能がONになっているか否か)を行う。ここで、クルーズ走行制御機能がON状態の場合、ステップS32に進み、クルーズ走行制御機能がOFF状態の場合、ステップS36に進む。
ステップS34では、自車速取得部10から得た現在の自車速をクルーズ走行制御機能の設定車速に設定する。そして、ステップS35に進む。
ステップS36では、運転者によるクルーズ走行制御機能のキャンセル操作の有無を判定する。例えば、運転者がブレーキ操作を行った場合や運転者がクルーズ走行制御機能そのものをキャンセル操作した場合等、クルーズ走行制御機能をOFFにする条件を満たした場合、ステップS37に進む。それ以外の場合、ステップS38に進む。
ステップS38では、運転者による設定車速の変更操作の有無を判定する。ここで、運転者が設定車速セットスイッチ41を操作して、設定車速を上方に変更する操作(設定車速上方変更操作、設定車速増加操作)を行った場合、ステップS39に進み、運転者が設定車速を下方に変更する操作(設定車速下方変更操作、設定車速減少操作)を行った場合、ステップS40に進み、それ以外の場合、ステップS41に進む。
ステップS40では、クルーズ走行制御機能の設定車速を一定量(Vdown)、下方に変更し、ステップS41に進む。Vdownは例えば5km/hである。
ステップS41では、ナビゲーション装置20から制限車速情報(制御目標車速として制限車速情報)を取得する。そして、ステップS42に進む。
なお、このステップS42の処理は、本発明との比較のために示す従来例の処理であり、後述するように、本発明では、ここでの処理内容を変更している(後述の図6のステップS64)。
ステップS43では、クルーズ走行制御機能の設定車速を制限車速に設定する。そして、該図5に示す処理を終了する。
加減速制御装置3は、自車速取得部10から得た自車速、ナビゲーション装置20から得た制御目標車速、クルーズ車速設定部40から得たクルーズ走行制御機能の設定車速、先行車情報取得部30から得た先行車との車速差、及び進路選択部2から得た進路推定結果に基づいて、自車両を加減速制御する。
図6に示すように、ステップS62、ステップS63及びステップS64の処理を追加するとともに、ステップS32の処理内容を変更したステップS61の処理を設けている。他のステップの処理については、特に言及しない限り、図5を用いて説明した処理内容と同じである。
これにより、クルーズ走行制御機能がOFF状態にあり、運転者が推奨車速選択スイッチ42を操作した場合、現在のクルーズ走行制御機能の設定車速を走行路の制限車速に設定するとともに、クルーズ走行制御機能をONにする(ステップS31→ステップS61→ステップS62→ステップS35の処理手順)。
ステップS64では、制限車速に設定する判定をする。ここで、クルーズ走行制御機能の設定車速を、システムが検出した制限車速(現在走行中の走行路の制限車速)に設定する条件を満たした場合、ステップS43に進み、そうでない場合、該図6に示す処理を終了する。ステップS43では、クルーズ走行制御機能の設定車速を制限車速に設定する。
(1)クルーズ走行制御機能の設定車速を制限車速に設定する条件(第1例)
i)推奨車速選択スイッチ42が操作されていないが、以前の推奨車速選択スイッチ42の操作により、クルーズ走行制御機能の現在の設定車速が制限車速に設定されている場合。
ii)制限車速の変化(現在走行中の走行路の制限車速の変化)を検出し、その検出した制限車速が、変化前の制限車速よりも小さい場合(制限車速が減少する方向に変化した場合)。
走行制御システムは、クルーズ走行制御機能がOFF状態にある場合に、運転者による設定車速セットスイッチ41の自車速セット操作を検出したため、クルーズ走行制御機能の設定車速を自車速に設定するとともに、クルーズ走行制御機能をONにする(前記ステップS31→ステップS34→ステップS35)。
このとき、設定車速(クルーズ走行制御機能のON時の自車速相当)は、ナビゲーション装置20で検出した制限車速よりも大きい値になっている。しかし、推奨車速選択スイッチ42を操作しなければ、設定車速は、自車速セット操作時の値に維持される。これにより、運転者は、クルーズ走行制御機能において、制限車速よりも大きい設定車速で走行することを希望する場合、推奨車速選択スイッチ42を操作しなければ、設定車速で走行することを維持できる。
なお、従来であれば、クルーズ走行制御機能がON状態のときに、走行路の制限車速を検出したときには、設定車速は、その制限車速に自動的(一定時間経過後)に設定される(前記ステップS42→ステップS43)。すなわち、運転者の意思に関係なく、設定車速が制限車速に設定される。
走行制御システムは、運転者による推奨車速選択スイッチ42の操作を検出したため、クルーズ走行制御機能の設定車速を制限車速に設定する(前記ステップS63→ステップS43)。
これにより、運転者は、制限車速で自車両を走行させた場合、推奨車速選択スイッチ42を操作することで、設定車速を制限車速にして走行することができる。すなわち、推奨車速選択スイッチ42の操作の検出を前提に、設定車速を制限車速に設定することで、設定車速を制限車速にする設定を運転者の意思に合致させることができる。
走行制御システムは、設定車速を制限車速に設定している状態で、該制限車速の減少を検出したため、設定車速を、そのように減少する制限車速に設定する(前記ステップS64→ステップS43)。すなわち、走行制御システムは、設定車速を制限車速に追従させて、減少させる。
ここで、制限車速が変化する以前に運転者自身の操作により設定車速を制限車速に設定していることから、運転者が制限車速を超過した設定車速にすることを希望していない可能性が高い。すなわち、運転者が制限車速を超過した速度で走行することを希望していない可能性が高い。このような事情を考慮し、運転者に特に操作を要求することなく、運転者の意思に合致させて、変化する制限車速に設定車速を設定(追従)させることができる。
走行制御システムは、設定車速を制限車速に設定している状態で、該制限車速の変化を検出したが、その変化が増加する方向のものであるため、設定車速を変化前の制限車速に維持(設定)する(前記ステップS64→ステップS43)。すなわち、走行制御システムは、制限車速が増加する場合には、設定車速を、その制限車速に追従させることなく、維持する。
ここで、設定車速が自動的に減少する場合(ポイント(1−3))と異なり、設定車速が自動的に増加する場合、その増加による自車両の加速が運転者に違和感を与える可能性が高くなる。このようなことから、走行制御システムは、制限車速が変化する以前に設定車速が制限車速に設定されている場合でも、制限車速が増加するときには、設定車速をその制限車速に設定しない(追従させない)ようにして、運転者に違和感を与えるのを防止している。
走行制御システムは、運転者による推奨車速選択スイッチ42の操作を検出したため、設定車速を制限車速に設定する(前記ステップS63→ステップS43)。
これにより、運転者は、推奨車速選択スイッチ42を操作することで、設定車速を制限車速に設定できる。すなわち、制限車速が増加した場合でも、推奨車速選択スイッチ42を操作した場合にはその操作を優先させることで、制限車速で自車両を走行させたいといった運転者の意思に合致させて、設定車速を制限車速に設定する。
i)今回は推奨車速選択スイッチ42が操作されていないが、以前の推奨車速選択スイッチ42の操作により、現在の設定車速が制限車速に設定されている場合。
ii)設定車速上方変更操作がなされた場合、設定車速を制限車速に設定しない(設定車速を制限車速に設定する処理を解除する)。
走行制御システムは、クルーズ走行制御機能がOFF状態にある場合に、運転者による設定車速セットスイッチ41の自車速セット操作を検出したため、設定車速を自車速に設定するとともに、クルーズ走行制御機能をONにする(前記ステップS31→ステップS34→ステップS35)。
このとき、設定車速(クルーズ走行制御機能のON時の自車速相当)は、走行制御システムが検出した制限車速よりも小さい値になっている。しかし、推奨車速選択スイッチ42を操作しなければ、設定車速は、自車速セット操作時の値に維持される。これにより、運転者は、クルーズ走行制御機能において、制限車速よりも小さい設定車速で走行することを希望する場合、推奨車速選択スイッチ42を操作しなければ、設定車速で走行することを維持できる。
走行制御システムは、制限車速の減少を検出したが、運転者による推奨車速選択スイッチ42の操作を未だ検出していないため、設定車速(例えばクルーズ走行制御機能のON時の自車速相当)に維持する(前記ステップS63→ステップS64→該図6の処理を終了)。
ここで、運転者が推奨車速選択スイッチ42を操作していないのであるから、制限車速の変化を検出したことを理由に、設定車速を該制限車速に設定するのは好ましくない。これにより、設定車速を運転者の意思に合致させることができる。
走行制御システムは、運転者による推奨車速選択スイッチ42の操作を検出したため、設定車速を制限車速に設定する(前記ステップS63→ステップS43)。
これにより、運転者は、推奨車速選択スイッチ42を操作することで、設定車速を制限車速に設定できる。すなわち、制限車速が設定車速よりも大きい場合でも、推奨車速選択スイッチ42を操作した場合にはその操作を優先させることで、運転者の意思に合致させて、設定車速を制限車速に設定する。
走行制御システムは、設定車速を制限車速に設定している状態で、運転者による設定車速上方変更操作を検出したため、設定車速を、それまで設定していた制限車速から設定車速上方変更操作に応じた値に増加させる(前記ステップS64→該図6の処理を終了)。
これにより、運転者は、設定車速上方変更操作だけで、設定車速が制限車速に設定されている場合でも、設定車速を制限車速よりもさらに大きい値に設定できる。
走行制御システムは、運転者による推奨車速選択スイッチ42の操作を検出したため、設定車速を制限車速に設定する(前記ステップS63→ステップS43)。
これにより、運転者は、推奨車速選択スイッチ42を操作することで、設定車速を制限車速に設定できる。すなわち、設定車速上方変更操作により設定車速を制限車速よりも大きくした場合でも、推奨車速選択スイッチ42を操作した場合にはその操作を優先させることで、運転者の意思に合致させて、設定車速を制限車速に設定する。
例えば、先行車両を追い抜く場合等、設定車速を一時的に増加させた後、運転者は、推奨車速選択スイッチ42を操作するだけで、設定車速を制限車速に再び設定(自車両を減速)できる。
i)設定車速を制限車速に設定していないが、制限車速の変化(現在走行中の走行路の制限車速の変化)を検出し、その検出した制限車速が、変化前の制限車速よりも小さい場合(制限車速が減少する方向に変化した場合)。
ii)運転者が設定車速を制限車速に設定する意思が強いと判断できる場合。
走行制御システムは、クルーズ走行制御機能がOFF状態にある場合に、運転者による設定車速セットスイッチ41の自車速セット操作を検出したため、設定車速を自車速に設定するとともに、クルーズ走行制御機能をONにする(前記ステップS31→ステップS34→ステップS35)。
(3−2)図9のポイント3−2(前記図7のポイント1−2と同様)
走行制御システムは、運転者による推奨車速選択スイッチ42の操作を検出したため、設定車速を走行制御システムが検出した制限車速に設定する(前記ステップS63→ステップS43)。
走行制御システムは、設定車速を制限車速に設定していない状態で制限車速の減少を検出した場合において、運転者が設定車速を制限車速に設定する意思が強いときには、設定車速を制限車速に設定する(前記ステップS64→ステップS43)。
例えば、図9に示すように、設定車速を制限車速に設定していない状態で、制限車速の減少を検出(ポイント3−3の時点)した直前に、運転者が推奨車速選択スイッチ42を操作して、設定車速を一時的ではあるが制限車速に設定しているような場合、運転者が設定車速を制限車速に設定する意思が強いと判断する。なお、運転者が設定車速を制限車速に設定する意思が強いとの判断基準はこれに限定されるものではない。
(3−4)図9のポイント3−4
走行制御システムは、設定車速を制限車速に設定している状態で、運転者による設定車速上方変更操作等に応じて設定車速を増加させる(前記ステップS64→該図6の処理を終了)。
走行制御システムは、制限車速の増加を検出したが、運転者による推奨車速選択スイッチ42の操作を未だ検出していないため、設定車速を維持する(前記ステップS63→ステップS64→該図6の処理を終了)。
ここで、運転者が推奨車速選択スイッチ42を操作していないのであるから、制限車速の変化を検出したことを理由に、設定車速を該制限車速に設定するのは好ましくない。これにより、設定車速を運転者の意思に合致させることができる。
(3−6)図9のポイント3−6
走行制御システムは、運転者による推奨車速選択スイッチ42の操作を検出したため、クルーズ走行制御機能の設定車速を走行制御システムが検出した制限車速に設定する(前記ステップS63→ステップS43)。
また、前記第1の実施形態は、設定車速を目標車速として、自車速を制御するとともに、自車両の走行路の制限車速を検出した場合には、運転者が目標車速を制限車速にする設定操作したときに、前記制限車速を目標車速として自車速を制御する車両用走行制御方法を実現している。
(1)制御目標車速を設定車速に設定するとともに、自車両の走行路の制限車速を検出した場合、運転者が推奨車速選択スイッチ42を操作したときに、制御目標車速を制限車速に設定(制御目標車速を設定車速から制限車速に変更して設定)している。これにより、運転者の意思に合致させて、制御目標車速を制限車速に設定でき、自車両を制限車速で走行させることができる。ここで、自車速セット操作や前回設定車速セット操作によるものに限らず、設定車速上方変更操作や設定車速下方変更操作により制御目標車速(設定車速)が変更された後でも、運転者が推奨車速選択スイッチ42を操作したときには、制御目標車速を制限車速に設定できる。
(3)制御目標車速を制限車速に設定している場合(設定車速を制限車速に設定している場合)において、制限車速が減少するときには、該減少する制限車速に制御目標車速を追従させて設定している。これにより、運転者に何ら操作を要求することなく、減少する制限速度に制御目標車速を追従させることができる。さらに、制限車速が減少する場合にのみ、該減少する制限車速に制御目標車速を追従させることを許容することで、増加する制限車速に制御目標車速が追従してしまい、自車両の加速が運転者に違和感を与えてしまうのを防止できる。
次に第2の実施形態を説明する。
(構成)
第2の実施形態は、車両を走行制御する走行制御システムである。
第2の実施形態では、前記図6に示す処理内容の一部を変更している。すなわち、図10に示すように、前記図6に示す処理内容に対して、ステップS71〜ステップS74の処理を追加するとともに、前記ステップS64の処理内容を変更したステップS75の処理を設けている。他のステップの処理については、特に言及しない限り、図5及び図6を用いて説明した処理内容と同じである。
ステップS72では、前方走行路で制限車速が変化することを運転者に報知する。
図11に示すように、車載のモニタ100内に、ナビゲーション情報(地図情報)100aとともに、前方走行路の制限車速情報100bを表示する。
続いてステップS73において、前記ステップS72で制限車速の変化を報知した後、その報知に対応して、運転者が推奨車速選択スイッチ42を操作したか否かを判定する。ここで、運転者による推奨車速選択スイッチ42の操作があった場合、ステップS74に進み、それ以外の場合、該図10に示す処理を終了する。例えば、制限車速の変化を報知してから一定時間内(例えば数秒以内)に推奨車速選択スイッチ42が操作された場合、その報知に対応して運転者が推奨車速選択スイッチ42を操作したと判定する。また、制限車速の変化を表示するモニタをタッチパネル式のモニタで構成し、該モニタ内に表示した制限車速の表示部の押圧操作を、推奨車速選択スイッチの操作として検出することもできる。
一方、前記ステップS71にて変化後の制限車速が現在の設定車速よりも大きくないと判定した場合等に進むステップS63では、前記第1の実施形態と同様、運転者による推奨車速選択スイッチ42の操作の有無を判定する。ここで、運転者が推奨車速選択スイッチ42を操作した場合、前記ステップS43に進み、運転者による奨車速選択スイッチ42の操作がない場合、ステップS75に進む。
前記ステップS75にて判定に用いる設定車速を制限車速に設定する条件を、該条件により実現される動作例を図12に示しつつ説明する。
i)今回は推奨車速選択スイッチ42が操作されていないが、以前の推奨車速選択スイッチ42の操作により、クルーズ走行制御機能の現在の設定車速が制限車速に設定されている場合。
ii)前方走行路の制限車速が変化(ここでは増加)する報知に対応して、運転者が推奨車速選択スイッチ42を操作し、設定車速を変更する予約(前記ステップS74にて予約)を行っている場合。
iii)現在地の走行路の制限車速の増加を検出した場合(制限車速が変化するとされた走行路を自車両が走行開始した場合)。
走行制御システムは、クルーズ走行制御機能がOFF状態にある場合に、運転者による推奨車速選択スイッチ42の操作を検出したため、設定車速を制限車速に設定するとともに、クルーズ走行制御機能をONにする(前記ステップS61→ステップS62→ステップS35)。
これにより、運転者は、推奨車速選択スイッチ42を操作するだけで、クルーズ走行制御機能をOFFからONにするとともに、ONした直後の設定車速を制限車速にすることができる。
走行制御システムは、クルーズ走行制御機能がONになっている状態で、前方走行路で制限車速が増加することを検出したため、該増加後の制限車速をモニタ等を介して運転者に報知する(前記ステップS36→ステップS71→ステップS72)。
(4−3)図12のポイント4−3
走行制御システムは、制限車速が変化する旨の報知に対応し、運転者が推奨車速選択スイッチ42を操作したことを検出したため、設定車速を制限車速(変化後の制限車速)に変更する予約をする(前記ステップS73→ステップS74)。
走行制御システムは、設定車速を制限車速に変更する予約をした後、実際に制限車速の増加を検出したため(制限車速が増加するとされた走行路を自車両が走行開始したため)、設定車速にその増加後の制限車速を設定する(前記ステップS75→ステップS43)。
すなわち、運転者が事前に予約操作した場合のみ、制限車速とともに設定車速を変化させる。言い換えれば、運転者が事前の予約操作をしていない場合、運転者が設定車速を変更すること、又は運転者が制限車速とともに設定車速を変化させることを希望していないと判断し、変化する制限車速に設定車速を追従させないようにする。このようにすることで、運転者の意思に合致させて、変化する制限車速に設定車速を自動的に追従させることができる。
なお、前記第2の実施形態を次のような構成により実現することもできる。
(1)自車両前方の走行路における制限車速が、現在走行中の走行路の制限車速から変化する場合、その旨を報知する。そして、その報知に対応して運転者が推奨車速選択スイッチ42を操作した場合、自車両が前記自車両前方の走行路を実際に走行開始したときに、該走行路で変化する制限車速に制御目標車速を追従させて設定している。これにより、運転者の意思に合致させて、変化する制限車速に制御目標車速を自動的に追従させて設定できる。
次に第3の実施形態を説明する。
(構成)
第3の実施形態は、車両を走行制御する走行制御システムである。
第3の実施形態では、先行車両の検出情報を参照して、クルーズ走行制御機能の設定車速を制限車速に設定している。
具体的には、先行車両を検出した場合、又は自車両が先行車両に追従している場合には、運転者による推奨車速選択スイッチ42の操作を検出したときでも、そのときの状況によって、クルーズ走行制御機能の設定車速を制限車速にする設定を禁止する。
以上のような処理により、先行車両を検出した場合、又は自車両が先行車両に追従している場合には、自車速が増加するような制限車速への設定車速の設定を禁止することで、自車両が先行車両に接近してしまうのを防止できる。これにより、クルーズ走行制御機能が運転者に違和感を与えてしまうのを防止できる。
(1)制御目標車速を制限車速に設定するとした場合に、自車両が先行車両に接近する場合、制御目標車速を該制限車速にする設定を禁止している。これにより、先行車両を検出した場合、又は自車両が先行車両に追従している場合には、自車速を加速させてしまう制限車速となるように自車速を制御してしまうのを抑制し、自車両が先行車両に接近してしまうのを防止できる。
次に第4の実施形態を説明する。
(構成)
第4の実施形態は、車両を走行制御する走行制御システムである。
第4の実施形態では、運転者による推奨車速選択スイッチ42の操作があった時点の設定車速を記憶する。すなわち、制限車速に設定する直前の設定車速として、例えば前回車速やクルーズ走行制御機能のON時の自車速を記憶する。そして、後に制限車速に制限車速を設定する際に、その記憶した設定車速を参照して、その設定を行う。
図14を用いて、第4の実施形態において、クルーズ走行制御機能の設定車速を制限車速に設定する処理を説明する。
走行制御システムは、クルーズ走行制御機能がOFF状態にある場合に、運転者による設定車速セットスイッチ41の自車速セット操作を検出したため、設定車速を自車速に設定するとともに、クルーズ走行制御機能をONにする(前記ステップS31→ステップS34→ステップS35)。
走行制御システムは、運転者による推奨車速選択スイッチ42の操作を検出したため、設定車速を制限車速に設定する(前記ステップS63→ステップS43)。このとき、特に第4の実施形態では、そのように制限車速に変更する前の設定車速(例えば自車速セット操作により設定された自車速相当)をメモリ等の記憶手段に記憶(保持)しておく。例えば、この記憶処理を前記ステップS43の処理内で行う。
走行制御システムは、クルーズ走行制御機能の設定車速を制限車速に設定している状態で、該制限車速の変化を検出したが、その変化が増加する方向のものであるため、設定車速を維持する(前記ステップS64→ステップS43)。すなわち、走行制御システムは、制限車速が増加する場合、設定車速をそれに追従させることなく、現在の値に維持する。
走行制御システムは、運転者による推奨車速選択スイッチ42の操作を検出したため、設定車速を変更する(前記ステップS63→ステップS43)。このとき、特に第4の実施形態では、先に記憶した設定車速記憶値よりも、制限車速が大きい場合には、設定車速を前記設定車速記憶値に設定する。
運転者が自らの操作で設定した設定車速は、運転者の意思に合致していると言える。このようなことから、運転者による推奨車速選択スイッチ42の操作を検出した場合、運転者が以前、設定していた値に設定車速を設定することで、再び運転者の意思に合致させた車速で走行させることができる。
なお、設定車速記憶値と制限車速のうち、小さい方の値に設定車速を設定(セレクトローによる設定)することもできる。すなわち、制限車速が増加した場合でも、制限車速が設定車速記憶値よりも未だ小さいままであれば、設定車速を制限車速に設定する。
走行制御システムは、運転者による推奨車速選択スイッチ42の操作をさらに検出したため、設定車速を制限車速に設定する(前記ステップS63→ステップS43)。
これにより、前述のように、設定車速を前記設定車速記憶値に設定した場合でも(図14のポイント5−4)、運転者は、推奨車速選択スイッチ42を操作することで、設定車速を前記設定車速記憶値から制限車速に変更できる。
(1)制御目標車速を設定車速から該設定車速よりも小さい制限車速に変更して設定した場合、該設定車速を記憶する。そして、制限車速が増加して記憶した設定車速よりも大きくなった場合において、推奨車速選択スイッチ42の操作を検出したとき、制御目標車速を前記記憶した設定車速に設定し、推奨車速選択スイッチ42の操作をさらに検出したとき、制御目標車速を増加後の制限車速に設定している。これにより、運転者の意思に合致させて、制御目標車速を設定できる。
Claims (6)
- 自車両の走行路の制限車速を検出する制限車速検出手段と、
運転者が操作して前記制限車速を設定車速として設定する推奨車速選択スイッチを含む操作手段と、
前記操作手段の操作により前記設定車速の下方変更を検出する設定車速変更操作検出手段と、
前記設定車速変更操作検出手段が、前記推奨車速選択スイッチが操作されて前記設定車速の下方変更を検出した後に、前記制限車速検出手段が検出した前記制限車速が減少変化した場合には、前記下方変更後の前記設定車速が前記減少変化後の前記制限車速より高くなったときに、前記設定車速検出手段が検出した前記減少変化後の前記制限車速を自車両の目標車速として設定する目標車速設定手段と、
前記目標車速設定手段で設定した前記目標車速に一致するように自車速を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする車両用走行制御装置。 - 前記操作手段は、前記推奨車速選択スイッチの他に、任意の車速を前記設定車速として設定する設定車速セットスイッチを有するとともに、それら設定車速セットスイッチと推奨車速選択スイッチとのいずれか一方の操作に基づいて前記設定車速を設定することを特徴とする請求項1に記載の車両用走行制御装置。
- 前記設定車速変更操作検出手段は、さらに、前記設定車速の上方変更を検出し、
前記目標車速設定手段は、前記制限車速検出手段が検出した前記制限車速が増加変化する前に、前記設定車速変更操作検出手段が前記設定車速セットスイッチによって前記制限車速が増加変化した後の前記制限車速を上回る前記設定車速の前記上方変更を検出した場合、前記設定車速セットスイッチによって前記上方変更された後の前記設定車速を目標車速として設定することを特徴とする請求項2に記載の車両用走行制御装置。 - 前記制限車速検出手段は、自車両前方の走行路における制限車速をも検出するものであり、前記制限車速検出手段が検出した前記自車両前方の走行路における制限車速が、自車両が現在走行中の走行路の制限車速から変化する場合に、その旨を報知する報知手段を備え、前記目標車速設定手段は、前記報知手段による報知に対応して運転者が前記操作手段を操作したときには、自車両が前記自車両前方の走行路に実際に走行開始したときに、前記目標車速を該走行路で変化する制限車速に追従させて設定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用走行制御装置。
- 前記操作手段の操作を検出する操作検出手段をさらに備え、
前記制限車速検出手段は、前記制限車速検出手段が前記制限車速を検出し、かつ前記操作検出手段が前記操作手段の操作を検出することで、前記目標車速を設定車速から該設定車速よりも小さい制限車速に変更して設定した場合、該設定車速を記憶するとともに、その後、前記制限車速が増加して前記記憶した設定車速よりも大きくなったときには、前記操作検出手段が前記操作手段の操作を検出した場合、前記目標車速を前記記憶した設定車速に設定し、前記操作検出手段が前記操作手段の操作をさらに検出した場合、前記目標車速を前記増加後の制限車速に設定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用走行制御装置。 - 前記目標車速設定手段は、前記目標車速を前記制限車速に設定するとした場合に、自車両が先行車両に接近する場合、前記目標車速を該制限車速にする設定を禁止することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の車両用走行制御装置。
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