JP5154466B2 - 旋回作業機のボンネット装置 - Google Patents
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Description
この旋回作業機において、その後ボンネットの前上部が支持フレームに対してヒンジ部材を介して左右方向の軸心回りに回動、開閉自在に取り付けられており、上方へ開くことでエンジンルーム内を後方から開放可能としている。また、この後ボンネットの内面が支持フレーム側に取り付けられたシール部材と当接することで、エンジンルームとその外部とを仕切っている(特許文献1参照)。
本発明は、このような点に鑑みて、開閉自在なボンネットの内面にエンジンルームとその外部とを仕切る仕切板を設けることにより、ボンネットの強度を増大させることができるようにした旋回作業機のボンネット装置を提供することを目的とする。
第1に、旋回台2の後部にエンジン3を搭載し、このエンジン3の左右一方にラジエータ4及び冷却ファン5を設け、左右一対の後脚部6a、6bとこれら左右後脚部6a、6bの上部を前記エンジン3の上方で結ぶ上枠6cとを有する支持フレーム6を設け、前記エンジン3の後方で開閉自在な後ボンネット7と、この後ボンネット7の左右に配置された側部ボンネット8a、8bとを有しており、前記後ボンネット7の内面には前記左右後脚部6a、6bに対向し且つ前記エンジン3を配置したエンジンルーム9とその外部とを仕切る左右仕切板10a、10bを設けていることを特徴とする。
第3に、前記支持フレーム6の上枠6cに前記エンジン3の上方を覆う上ボンネット12を設け、この上ボンネット12と対向する前記後ボンネット7の内面上部に前記仕切板10a、10bの上端をつなぎ且つ前記エンジンルーム9とその外部とを仕切る上シール取付部材13を設けていることを特徴とする。
第5に、旋回台2上にエンジン3を配置したエンジンルーム9を形成し、このエンジンルーム9を開閉ボンネット7によって開閉自在とし、この開閉ボンネット7を枢支する支持フレーム6を設け、この支持フレーム6は、前記エンジン3を跨ぐ脚部を有しており、前記開閉ボンネット7の内面には前記支持フレーム6の脚部のうち前記旋回台2外周側に位置する脚部6a、6bに対向し且つ前記エンジンルーム9とその外部とを仕切る仕切板10a、10bを設けていることを特徴とする。
また、支持フレーム6の後脚部6a、6bが旋回台2に鉛直から若干傾斜して立設されていても、エンジンルーム9のシール性を確保しつつ後ボンネット7の強度を増大させることができる。
さらに、後ボンネット7上部の内面に上ボンネット12と後方で対向する上シール取付部材13を左右にわたって設けることで、エンジンルーム9のシール性を向上させながら後ボンネット7の強度を増大することができる。
また、開閉ボンネット7の内面に支持フレーム6の脚部6a、6bと対向する仕切板10a、10bを設けることで、エンジンルーム9とその外部とを仕切ると共に開閉ボンネット7の強度を増大することができる。
図4〜6、11には、本発明の実施形態に係るボンネット装置1を備えた超小旋回型の旋回作業機31が示されている。
この旋回作業機31は、クローラ式走行装置によって構成された下部の走行装置32と、上部の旋回体33とから構成されている。
旋回体33は、走行装置32上に旋回ベアリング34を介して上下方向の旋回軸X回りに回動自在に支持された旋回台2と、この旋回台2に設けられたエンジン3、ラジエータ4、運転席35、掘削装置36、燃料タンク37、作動油タンク38等を有する。
旋回台2は、骨格となる旋回フレーム41と、この旋回フレーム41の後端側に取り付けられていて旋回台2の後部を構成すると共に掘削装置36との重量バランスを図るカウンタウエイト14と、このカウンタウエイト14の前方側及び前面側を覆い旋回フレーム41の左右の側面に取り付けられた旋回カバー42等を備えて主構成されている。
旋回フレーム41は、旋回台2の底部を構成する厚板からなる旋回基板43を有し、この旋回基板43上の右側であって左右方向中央に寄った位置には、前後方向中央側から前方に延びる左右一対の縦リブ44が設けられ、この左右縦リブ44間に、掘削装置36のブーム45の基部(下部)が左右軸回りに揺動自在に取り付けられるブーム取付部46が設けられている。
なお、支持フレーム6は、図7〜10に示すように、板材又はパイプ材等により形成され、左右一対の後脚部6a、6bと、左右一対の前脚部6d、6eと、これら前後脚部6a、6b、6d、6eの各上部をエンジン3の上方で結ぶ上枠6cとを有する。この上枠6cには上ボンネット12が取り付けられている。
なお、支持フレーム6の左右後脚部6a、6bは、その後面60a、60bが平坦で且つ後ボンネット(開閉ボンネット)7閉鎖時に略鉛直となるように形成されている。
また、支持フレーム6の各脚部6a、6b、6d、6eのうち旋回台2外周側に位置する脚部は、左後脚部6a又は右後脚部6bであり、各脚部6a、6b、6d、6eのうち旋回台2外周側に位置する脚部の外面は、左後脚部6aの後面60a又は右後脚部6bの後面60bである。
ボンネット51内部には、エンジン3と、このエンジン3の右方にラジエータ4とが設けられ、エンジン3が配置されたエンジンルーム9と、このエンジンルーム9右方のラジエータ通風ルーム53とが形成されている。また、エンジン3とラジエータ4との間には、外気をラジエータ通風ルーム53に採り入れてラジエータ4を通過させエンジンルーム9へと導く冷却ファン5を設けている。
後ボンネット7は、全体が平面視で円弧状であって側面視において上下方向中途部が後方に膨出した形状に形成されている。また、後ボンネット7は、その前上部の内面が支持フレーム6の上枠6c下面に蝶番等の枢支具58の横軸11を介して左右2箇所に揺動自在に枢支されており、エンジンルーム9の後方を覆っている。つまり、後ボンネット7を横軸11廻りに揺動させ上方へ開くことで、エンジンルーム9を後方から開放可能としている。また、後ボンネット7内面の後下部には、カウンタウエイト14の係止具14aとの間で閉鎖状態を施錠する施錠具59が設けられている。
図1〜3に示したように、左右の仕切板10a、10bは、リブ状の板体であり、後ボンネット7内面の左右端部における左右の後脚部6a、6bの後方でそれぞれに対向する位置に上下方向に沿って溶接等にて固着されている。
詳しくは、左右の各仕切板10a、10bは、後ボンネット7にその内面から前方へ突出するように形成され、左右の仕切板10a、10bの前縁は直線状に形成されている。この左右各仕切板10a、10bの前縁は、後ボンネット7の閉鎖時において前述した支持フレーム6の左右各後脚部6a、6bの平坦な後面60a、60bに沿って略平行である。なお、各仕切板10a、10bの前縁が鉛直から若干前後、左右に傾斜していてもよい。つまり、後ボンネット7閉鎖時に、各仕切板10a、10bの前縁は略鉛直となるように形成されている。
左右の仕切板10a、10bの前縁には、それぞれ支持フレーム6の左右の後脚部6a、6bの後面60a、60bに当接する細長い左右のシール部材61a、61bが取り付けられている。なお、以下において、シール部材は、トリム、クッション性のあるチューブが付いたトリムシール等である。
これは同時に、左右の仕切板10a、10bを、各後脚部6a、6bの後方でエンジンルーム9とその外部を仕切るように設けているので、エンジンルーム9のシール性を高め、ラジエータ4の冷却ファン5から送られる外気を効率良くエンジンルーム9に導入し、エンジンルーム9内の熱を右側部ボンネット8bの吸気孔55からなるべく遠ざけた位置で外気を放出することができる。
なお、エンジンルーム9は、左の仕切板10a及び左シール部材61aと共に、支持フレーム6の左後脚部6aの前方でも閉鎖されており、エンジンルーム9内の熱風は、旋回台2の下部の吐出孔56から外部へ吐出され、燃料タンク37や油圧ポンプ49等のある旋回台2の左側へ流れ込むことはない。
上シール取付部材13の前縁には、上ボンネット12の後端面57に当接する細長い上シール部材62が取り付けられている。
これは同時に、上シール取付部材13を、上ボンネット12の後方でエンジンルーム9とその外部を仕切るように設けているので、エンジンルーム9のシール性をさらに向上させ、エンジンルーム9内の熱が後ボンネット7の上方から漏れることを防止している。
さらに、上シール取付部材13前縁の上シール部材62が上ボンネット12の後端面57に当接することで、エンジンルーム9の気密性をより高めている。
なお、カウンタウエイト14は、鋼、鉛等の金属からなる鋳物製であり、図1、4〜6に示されたように、左右方向中央部が後ボンネット7の下端部に沿った形状となっている。後ボンネット7下端部の下方に位置するカウンタウエイト14の左右方向中央部には、後ボンネット7の開閉に支障がないよう水平な面が形成され、この水平面の前端縁に後ボンネット7下端部の内面に沿って上方へ立ち上がった平坦な立ち上がり面15が左右にわたって設けられている。また、カウンタウエイト14は、全体として旋回軸Xを曲率中心とする略円弧状となっており、後端が平面視において後ボンネット7の後端よりも外側に位置している。つまり、旋回作業機31の旋回時には後ボンネット7よりも先にカウンタウエイト14が障害物(壁、植込み等)に衝突乃至接触し、後ボンネット7に対する外部からの衝撃を極力減少させている。
これは同時に、下シール取付部材16を、立ち上がり面15の後方でエンジンルーム9とその外部を仕切るように設けているので、エンジンルーム9のシール性を向上してエンジンルーム9内の熱が後ボンネット7の下方から漏れることを防いでいる。さらに、下シール取付部材16前縁の下シール部材63がカウンタウエイト14の立ち上がり面15に当接することで、エンジンルーム9の気密性をさらに高めている。
左側部ボンネット8aは、後ボンネット7の左側から運転席35の左外方までを旋回台2の外周に沿ってエンジン3の左後方を覆うように設けられている。また、左側部ボンネット8aの後部には、エンジンルーム9内とその外部とを連通する通気孔64が複数(本実施形態では6個)設けられている。さらに、左側部ボンネット8aは、左前端部がボンネット51内部にある燃料タンク37の上面にステイを介してネジ等によって取り付けられ、後右端部(後固定部)65aが左後脚部6aの後面60aにネジ等によって取り付けられている。この後固定部65aは後ボンネット7左端部の前方に位置し、後ボンネット7を閉じた場合には完全に覆い隠される。
右側部ボンネット8bは、前上部が前ボンネット52に上方から覆われており、前ボンネット52の後述する把持部52cを把持しやすくなるように、この把持部52cの下方に位置する右側部ボンネット8bの前上部が左右方向内方へ凹んでいる。この凹み部の略中央に前ボンネット52の施錠具における鍵穴66が設けられている。
つまり、右側部ボンネット8bのステイは前ボンネット52を開かなくては露出せず、右側部ボンネット8bの後固定部65bは後ボンネット7を開かなくては露出しない。
前ボンネット52は、図4、6、11に示すように、旋回台2の右側(運転席35の右方)で全体として前後方向に長く形成され、上部カバー52aと、右側部カバー52bとから主構成される。
前ボンネット52の上部カバー52aは、平面視において右側縁が略円弧状に形成され、左側縁が前後方向略一直線状に形成されている。また、上部カバー52aは前部が下方へ延設されており、側面視において略L字型に形成されている。
上部カバー52a後部の右外方には、右外方へ張り出すように一体形成された開閉用の把持部52cを設けられており、上部カバー52a後部の内面には、ラジエータ通風ルーム53の天板上面に設けられた施錠具との間で閉鎖状態を施錠する係止具が設けられている。
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではない。ボンネット装置1等の各構成又は全体の構造、形状、寸法などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
ボンネット装置1(ボンネット51)は、全体もしくは一部が硬質樹脂製であってもよい。なお、後ボンネット7が硬質樹脂製である場合、仕切板10a、10b、上シール取付部材13及び下シール取付部材16は後ボンネット7に一体成形されている。
同様に、後ボンネット7の仕切板10a、10bと下シール取付部材16とを一つの板状体として背面視略コ字状に形成してもよく、下シール部材63と左右シール部材61a、61bとを一体とした略コ字状のシール部材を取り付けていてもよい。
後ボンネット7は、その内面に左右の仕切板10a、10b、上シール取付部材13、下シール取付部材16のうち少なくとも1つを設けることとしてもよい。
後ボンネット7は、支持フレーム6に縦軸を介して枢支されていてもよい。
2 旋回台
3 エンジン
4 ラジエータ
5 冷却ファン
6 支持フレーム
6a、6b 後脚部
6c 上枠
7 後ボンネット(開閉ボンネット)
8a、8b 側部ボンネット
9 エンジンルーム
10a、10b 仕切板
11 横軸
12 上ボンネット
13 上シール取付部材
14 カウンタウエイト
15 カウンタウエイトの立ち上がり面
16 下シール取付部材
Claims (5)
- 旋回台(2)の後部にエンジン(3)を搭載し、このエンジン(3)の左右一方にラジエータ(4)及び冷却ファン(5)を設け、左右一対の後脚部(6a、6b)とこれら左右後脚部(6a、6b)の上部を前記エンジン(3)の上方で結ぶ上枠(6c)とを有する支持フレーム(6)を設け、前記エンジン(3)の後方で開閉自在な後ボンネット(7)と、この後ボンネット(7)の左右に配置された側部ボンネット(8a、8b)とを有しており、
前記後ボンネット(7)の内面には前記左右後脚部(6a、6b)に対向し且つ前記エンジン(3)を配置したエンジンルーム(9)とその外部とを仕切る左右仕切板(10a、10b)を設けていることを特徴とする旋回作業機のボンネット装置。 - 前記左右各仕切板(10a、10b)は、前記後ボンネット(7)内面から前方へ突出し、前縁が直線状に形成されていて、これら仕切板(10a、10b)の前縁は、前記後ボンネット(7)の閉鎖時に前記支持フレーム6の左右各後脚部(6a、6b)の平坦な後面(60a、60b)に沿って略平行に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の旋回作業機のボンネット装置。
- 前記支持フレーム(6)の上枠(6c)に前記エンジン(3)の上方を覆う上ボンネット(12)を設け、この上ボンネット(12)と対向する前記後ボンネット(7)の内面上部に前記仕切板(10a、10b)の上端をつなぎ且つ前記エンジンルーム(9)とその外部とを仕切る上シール取付部材(13)を設けていることを特徴とする請求項1又は2に記載の旋回作業機のボンネット装置。
- 前記旋回台(2)の後端にカウンタウエイト(14)が取り付けられ、このカウンタウエイト(14)の立ち上がり面(15)と対面する後ボンネット(7)の内面下部に前記仕切板(10a、10b)の下部間にわたり且つ前記エンジンルーム(9)とその外部とを仕切る下シール取付部材(16)を設けていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の旋回作業機のボンネット装置。
- 旋回台(2)上にエンジン(3)を配置したエンジンルーム(9)を形成し、このエンジンルーム(9)を開閉ボンネット(7)によって開閉自在とし、この開閉ボンネット(7)を枢支する支持フレーム(6)を設け、この支持フレーム(6)は、前記エンジン(3)を跨ぐ脚部を有しており、
前記開閉ボンネット(7)の内面には前記支持フレーム(6)の脚部のうち前記旋回台(2)外周側に位置する脚部(6a、6b)に対向し且つ前記エンジンルーム(9)とその外部とを仕切る仕切板(10a、10b)を設けていることを特徴とする旋回作業機のボンネット装置。
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