JP5139949B2 - スローアウェーインサート - Google Patents

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Description

本発明は、金属材料を切削加工するために、ホルダーに取り付けて使用するスローアウェーインサートに関する。
ステンレス鋼、合金鋼、炭素鋼のような延性高い材料を切削加工するスローアウェーインサートとして、従来より、平面視多角形の略平板状ですくい面の周縁に切れ刃を形成し、該切れ刃に沿ってブレーカ溝を形成すると共にそのブレーカ溝を挟んだ切れ刃の対岸相当部位に突起部を形成し、さらに多角形の隣接する辺部同士の交点をノーズ部としたスローアウェーインサートがある(特許文献1参照。)。
かかるスローアウェーインサートによれば、切れ刃の先端部からブレーカ溝に入った切り屑が、ブレーカ溝を横断して突起部に当り、カールさせられた後、破砕される。したがって、切り屑が連続して延びることがない。
特開2006−110667号公報
ステンレス鋼、合金鋼、炭素鋼のような延性高い材質を高切り込みで切削加工する場合、切り屑が延びて被削材やホルダーに絡まって作業が中断させられたり、或いは延びた切り屑が加工面に当たって面粗度が低下する等の問題がある。それでも、そのような延性高い材質の切削加工について、高能率化を推進させるために1パスにて仕上げを行う傾向にあり、ますます高切り込みになっている。
従って、市場では、延性高い材質の切削加工において、現状よりさらなる高能率化が可能なスローアウェーインサートが求められている。
本発明は、上記に鑑みなされたもので、その目的は、延性高い材質の切削加工において、さらなる高能率化が可能なスローアウェーインサートを提供することにある。
請求項1に記載したように、平面視多角形の略平板状で、すくい面の周縁に切れ刃を形成し、該切れ刃に沿ってブレーカ溝を形成すると共にそのブレーカ溝を挟んだ切れ刃の対岸相当部位に突起部を形成し、さらに多角形の隣接する辺部同士の交点をノーズ部としたスローアウェーインサートにおいて、
前記ノーズ部の先端から該ノーズ部を二等分する厚さ方向の断面形状を、次の(a)〜(f)のように設定したスローアウェーインサートを提供する。
(a)ブレーカ溝を、切れ刃の頂部から溝の内側に向かって傾斜する刃側傾斜部と、該刃側傾斜部につながる平坦な溝底部と、該溝底部と前記突起部の頂部を結ぶ斜面であって平坦な前記溝底部に対して第1アール面をもってなだらかに接続する突起側傾斜部と、で構成する。
(b)ブレーカ溝の溝底部と刃側傾斜部とのなす角度(αx1)を16〜18°にする。
(c)ブレーカ溝の突起側傾斜部と、溝底部の垂線とのなす角度(αx2)を29〜31°にする。
(d)ブレーカ溝の刃側傾斜部の幅(Lx1)と溝底部の幅(Lx2)の合計の長さ(Lx3)を0.53〜0.57mmにする。
(e)ブレーカ溝の平坦な溝底部の幅(Lx2)を刃側傾斜部の幅(Lx1)より小さくする。
(f)切れ刃の頂部から突起部の頂部までの高さ(Lx4)を0.29〜0.31mmにする。
請求項2に記載したように、請求項1に記載のスローアウェーインサートにおいて、一つの切れ刃の直線部分を延長した線分に対して垂直な仮想面と前記ノーズ部の円弧とが接するポイントを基準にして、その仮想面を切れ刃の直線部分側に1mm平行移動させた箇所の断面形状を、次の(g)〜(i)のように設定したスローアウェーインサートを提供する。
(g)ブレーカ溝の溝底部と刃側傾斜部とのなす角度(αy1)を16〜18°にする。
(h)ブレーカ溝の突起側傾斜部と、溝底部の垂線とのなす角度(αy2)を29〜31°にする。
(i)切れ刃の頂部から突起部の頂部までの高さ(Ly1)を0.29〜0.31mmにする。
請求項3に記載したように、請求項1又は2に記載のスローアウェーインサートにおいて、一つの切れ刃の直線部分を延長した線分に対して垂直な仮想面と前記ノーズ部の円弧とが接するポイントを基準にして、その仮想面を切れ刃の直線部分側に3mm平行移動させた箇所の断面形状を、次の(j)〜(m)のように設定したスローアウェーインサートを提供する。
(j)ブレーカ溝の溝底部と刃側傾斜部とのなす角度(αz1)を16〜18°にする。
(k)ブレーカ溝の突起側傾斜部と、溝底部の垂線とのなす角度(αz2)を29〜31°にする。
(l)ブレーカ溝の刃側傾斜部の幅(Lz1)と溝底部の幅(Lz2)の合計の長さ(Lz3)を0.51〜0.55mmにする。
(m)切れ刃の頂部から突起部の頂部までの高さ(Lz4)を0.29〜0.31mmにする。
本発明のスローアウェーインサートによれば、ステンレス鋼、合金鋼、炭素鋼のような延性高い材質を高切り込みで切削加工する場合においても、切り屑が延びずに適度な長さで破砕される。従って、延性高い材質の切削加工について、さらなる高能率化が可能である。
以下に本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。なお、図1はスローアウェーインサートの平面図、図2はスローアウェーインサートの正面図、図3は図1のX−X線断面図、図4は図1X−X線矢示の要部拡大断面図、図5は図1Y−Y線矢示の要部拡大断面図、図6は図1Z−Z線矢示の要部拡大断面図である。
スローアウェーインサート1は、例えばサーメット又は超硬製であって、平面視多角形(実施形態は菱形)の略平板状で、図2において上面がすくい面である。そして、そのすくい面の全周縁に切れ刃2を形成し、該切れ刃2に沿ってブレーカ溝3が形成されている。また、そのブレーカ溝3を挟んだ切れ刃2の対岸相当部位に頂部が平らな台地状の突起部4を形成し、さらに菱形の隣接する辺部同士の交点であって鋭角部に弧状のノーズ部5が形成されている。
前記ブレーカ溝3は、切れ刃2の頂部から溝の内側に向かって下り傾斜する刃側傾斜部6と、該刃側傾斜部6につながる平坦な溝底部7と、該溝底部7と前記突起部4の頂部を結ぶ斜面であって平坦な前記溝底部7に対して第1アール面8を介してなだらかに接続する突起側傾斜部9と、からなる。なお、突起側傾斜部9は、突起部4の頂部に対して第2アール面10を介してなだらかに接続している。
さらに本発明のスローアウェーインサート1は、各部が次のように設定されている。
まず、図4に、前記ノーズ部5の先端から該ノーズ部5を二等分する厚さ方向の断面形状(図1においてX−X線矢示断面)を示す。
この図4において、ブレーカ溝3の溝底部7と刃側傾斜部6とのなす角度(αx1)を16〜18°の範囲に設定した。もし、このαx1が16°未満であると、切れ刃2が被削材を切削する際の切削抵抗が高くなり、切れ刃2が摩耗しやすくなる。逆にαx1が18°を越えると、切れ刃2の強度が低下するため、切れ刃2が欠損しやすい。
また、図4において、ブレーカ溝3の突起側傾斜部9と、溝底部7の垂線とのなす角度(αx2)を29〜31°の範囲に設定した。もし、このαx2が29°未満であると、切れ刃2の先端からの切り屑が、突起側傾斜部9に当った際、切れ刃2および被削材の方向に戻されてしまう可能性が高く、戻された切り屑により加工面が傷付けられたり、被削材に切り屑が絡まる問題が生じ得る。逆にαx2が31°を超える場合、切れ刃2の先端から突起部4頂部までの寸法を大きく、つまり突起部4を高く調整した場合においても、切り屑が突起側傾斜部9に沿ってすり抜けるため、切り屑が破砕されない問題および、延びた被削材により加工面が傷つけられる問題が生じ得る。
また、図4において、ブレーカ溝3の刃側傾斜部6の幅(Lx1)と溝底部7の幅(Lx2)の合計の長さ(Lx3)を0.53〜0.57mmの範囲に設定した。もし、Lx3が0.53mm未満であると、切削時に発熱した切り屑が、切れ刃2の先端から短い距離で突起部4まで導かれることになるため、切れ刃2及び切れ刃2の先端から突起部4までの箇所が摩耗し、同箇所の形状が崩れて、次第に切り屑が破砕されなくなる問題が生じ得る。逆にLx3が0.57mmを越える場合、高切り込みの範囲内であっても切り込み量が比較的小さい条件の場合に、切り屑が突起側傾斜部9に当らず破砕出来ない問題があり、さらにこれを解決するために切削送り量を小さくすると、切り屑がブレーカ溝3に詰まって破砕されない問題および、延びた被削材により加工面が傷つけられる問題が生じ得る。
また、図4において、ブレーカ溝3の平坦な溝底部7の幅(Lx2)を刃側傾斜部6の幅(Lx1)より小さく設定した。もし、平坦な溝底部7の幅(Lx2)が、刃側傾斜部6の幅(Lx1)を越える寸法であると、溝底部7が平坦であることによる切り屑破砕効果(仮に、溝底部7がR形状であると、切り屑がR形状に倣ってスムースに移動するため、破砕のための応力が発生しない。)が充分に発揮されないおそれがある。切り屑は、適度なタイミングで次の突起側傾斜部9に当てることが必要であり、長すぎる溝底部7にも不都合がある。
また、図4において、切れ刃2の頂部から突起部4の頂部までの高さ(Lx4)を0.29〜0.31mmに設定した。もし、Lx4が0.29mm未満であると切れ刃2の先端で生じた切り屑が、突起側傾斜部9に当たらない場合があり、ブレーカ溝3による破砕効果が不十分になるおそれがある。逆にLx4が0.31mmを越える場合、突起側傾斜部9に当たった切り屑が、その突起側傾斜部9を越えることが困難になり、ブレーカ溝3で詰まって破砕されず、その結果、切り屑が延びて被削材やホルダーに絡まる問題と、延びた被削材により加工面が傷つけられる問題が生じ得る。
次に、図5に、一つの切れ刃2の直線部分を延長した線分に対して垂直な仮想面と前記ノーズ部5の円弧とが接するポイントβを基準にして、その仮想面を切れ刃2の直線部分側に1mm平行移動させた箇所(図1においてY−Y線矢示の箇所)の要部断面形状を示す。
この図5において、ブレーカ溝3の溝底部7と刃側傾斜部6とのなす角度(αy1)を16〜18°に設定した。その理由は、前記αx1と同じである。
また、図5において、ブレーカ溝3の突起側傾斜部9と、溝底部7の垂線とのなす角度(αy2)を29〜31°に設定した。その理由は、前記αx2と同じである。
また、図5において、切れ刃2の頂部から突起部4の頂部までの高さ(Ly1)を0.29〜0.31mmに設定した。その理由は、前記Lx4と同じである。
次に、図6に、前記ポイントβを基準にして、前記仮想面を切れ刃2の直線部分側に3mm平行移動させた箇所(図1においてZ−Z線矢示の箇所)の要部断面形状を示す。
この図6において、ブレーカ溝3の溝底部7と刃側傾斜部6とのなす角度(αz1)を16〜18°に設定した。その理由は、前記αx1と同じである。
また、図6において、ブレーカ溝3の突起側傾斜部9と、溝底部7の垂線とのなす角度(αz2)を29〜31°に設定した。その理由は、前記αx2と同じである。
また、図6において、ブレーカ溝の刃側傾斜部6の幅(Lz1)と溝底部7の幅(Lz2)の合計の長さ(Lz3)を0.51〜0.55mmに設定した。その理由は、前記Lx3と同じである。但し、このLz3と前記Lx3とでは、上限値と下限値に若干のズレがあるが、これは切断箇所が相違することによるものである。
以上図5と図6のように、異なる箇所の断面形状を上記のように特定することにより、切り込み量・送り量などの切削条件の変更および、被削材の変更により切り屑の流れが変わった場合にも安定した切り屑の破砕効果を得ることができる。
その他、菱形の中心たるスローアウェーインサート1の中心には、図示しないホルダーの取付座にネジ止めするための段付き貫通孔11が形成され、さらにその貫通孔11のノーズ部5に向かう側の両横には、複数のノーズ部5を区別するための識別表示部12が形成されている。なお、実施形態の識別表示部12はローマ数字を使用したが、ドットの個数で表示したり、アラビア数字で表示するなど複数のノーズ部5が識別できればどのような表示でもよい。
本発明のスローアウェーインサート1は以上のように構成されているため、回転する被削材に切れ刃2を当てて切削すると、切り屑が先ずブレーカ溝3の刃側傾斜部6に沿って斜めに送られ、平坦な溝底部7に当たって突起部4側に向きを変え、さらに第1アール面8から突起側傾斜部9に当たり、さらに突起側傾斜部9から第2アール面10を越えて突起部4の頂部側に抜ける。こうして切り屑がスローアウェーインサートの各要素に当たって向きを変えられる作用により一体となって発生した切り屑に対し、破砕のための力を与えることができる。その結果、切り屑が適度な長さで破砕される。
なお、本発明のスローアウェーインサート1は、前記のように突起側傾斜部9と突起部4の頂部との境界に第2アール面10を設けたことにより、突起側傾斜部9に切り屑が溶着し難くなっている。
すなわち、同箇所がR形状ではなく鋭利なエッジ形状である場合、ブレーカ溝3より導かれた切り屑が鋭利なエッジ部に当った際、該エッジ部にチッピングが発生する。チッピングによりエッジ部の稜線が凹凸となると、切り屑がブレーカ溝3の外へ導かれる際に凹凸へ引っかかり溶着しやすくなる問題が生じる。一度、溶着が生じると同箇所には切り屑が堆積し、切削加工で連続して生じる切り屑の排出を阻害するとともに、切り屑が破砕されず伸びた状態でブレーカ溝3で詰まったり、切り屑が切削箇所に戻されて加工面が傷つけられる問題が生じ得る。そのため、突起側傾斜部9と突起部4の頂部との境界にR形状の第2アール面10を設けた。
以上、本発明を実施の形態について説明したが、もちろん本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば実施形態では、スローアウェーインサートの片面をすくい面にしたが、両面をすくい面にしてもよく、また、形状も菱形はもちろん、四角形にも限定されない。
好ましいスローアウェーインサートの実施例は、図1〜図6に示された形状のものであって、各要素の具体的な寸法は、図4においてαx1=17゜、αx2=30゜、Lx1=0.25mm、Lx3=0.55mm、Lx3=0.3mm、図5においてαy1=17゜、αy2=30゜、Ly1=0.3mm、Ly2=0.46mm、図6においてαz1=17゜、αz2=30゜、Lz1=0.25mm、Lz3=0.535mm、Lz4=0.3mmであり、さらに第1アール面8と第2アール面10の半径が共に0.2mmになっている。
[切削試験1]
公知の粉末冶金法によりサーメットにてISO形状:DCMT11T304素材を製造し、これに研摩加工を施して本発明の実施例A〜Cと比較例1〜9を製造した。各スローアウェーインサート1は平面視菱形で略平板状であり、各部の具体的な寸法は表1のとおりである。なお、各スローアウェーインサート1には、切れ刃2のエッジ部分にR0.04の丸ホーニング加工が施されている。
Figure 0005139949
上記実施例A〜Cと比較例1〜9のスローアウェーインサート1を使って次の切削条件にて切削試験1を行った。
・被削材:JIS−SCM415(φ16×1500L)
・切削速度:V=150m/min
・切削送り量:f=0.1mm/rev
・切削切り込み量:d=1.0mm
・切削距離:1500mm
切削は湿式で行い、1パスごとにスローアウェーインサート1のコーナーを変えて評価した。その結果を表2に示す。
なお、表2において、「欠損率」とは3つのコーナーで切削試験を行い、その際欠損したコーナーの割合である。
また、「被削材の加工面」について「×」は目視で明確な加工傷があるもの、「△」は目視で明確な傷はないが面粗度の数値に問題があるもの、「○」は加工傷がないものを示す。
また、「切り屑の状態」について「×」は切り屑が破砕されていないもの、「△」は切り屑が完全には破砕されていないもの、「○」は切り屑がチップ状に破砕されていたものを示す。
Figure 0005139949
上記切削試験1の結果、実施例A〜Cについては刃先の欠損がなく、切り屑も細かく破砕され、良好な加工面が得られた。
一方、比較例1,2については、角度αx2が小さく、高さLx4が大きいため、突起側傾斜部9での切り屑破砕の応力が十分でなく、切り屑が突起部4に当たっても破砕されずに伸び、被削材方向に戻され絡み付いて加工面を悪化させた。さらに比較例1は角度αx1が小さいため、切削する際の切削抵抗が高くなり、切れ刃2が摩耗して加工面をより悪化させた。
また、比較例3については、角度αx2が大きく、高さLx4が小さいため、切り屑が突起側傾斜部9に沿って突起部4の上部へすり抜けてしまい、切り屑が破砕されずにスローアウェーインサート1に絡み付き、切削の継続が困難になった。加えて破砕されなかった切り屑の一部は、被削材方向に戻されて絡み付き、加工面を悪化させた。
また、比較例4については、比較例3より角度αx2がさらに大きく高さLx4がさらに小さいため、突起部4上部からの切り屑のすり抜けが顕著であった。その結果、より顕著に切り屑がスローアウェーインサート及びホルダーに絡み付き、切削の継続が困難となった。さらに切削時の切れ刃2に切り屑が噛み込み、刃先が欠損した。
また、比較例5については、高さLx4が大きいため、突起側傾斜部9に当たった切り屑が突起側傾斜部9を越えられず、ブレーカ溝3で詰まって破砕されなかった。その結果、切り屑が伸び被削材とホルダーに絡まり、加工面を悪化させた。
また、比較例6については、平坦な溝底部7の幅Lx2が大きいため、切り屑破砕効果が十分でなかった。その結果、切り屑が伸び被削材に絡まり、加工面を悪化させた。
また、比較例7については、ブレーカ溝7の刃側傾斜部6の幅Lx1と、溝底部7の幅Lx2の合計の長さLx3が大きいため、切り屑がうまく突起部4に当たらず破砕されなかった。
また、比較例8については、角度αx1が大きく切れ刃2が鋭利であるため、切削時に切れ刃2が欠損した。
また、比較例9については、ブレーカ溝3の底部が平坦でなくR形状になっているため、切り屑破砕の応力が十分でなく、切り屑が破砕できなかった。
[切削試験2]
上記実施例A〜Cにより次の切削条件にて切削試験2を行った。
・被削材:JIS−SCM415(φ16×1500L)
・切削速度:V=150m/min
・切削距離:1500mm
切削は1パスを湿式で行い、切削送り量f(mm/rev)及び切削切り込み量d(mm)を変化させることにより、実施例A〜Cの切り屑破砕が可能な範囲を評価した。その結果を図7のグラフに示す。なお、図7のグラフ中、墨網を施した領域が切り屑破砕可能な範囲である。
[切削試験3]
上記実施例A〜Cにより次の切削条件にて切削試験3を行った。
・被削材:SUS304(φ16×1500L)
・切削速度:V=150m/min
・切削距離:1500mm
切削は1パスを湿式で行い、切削送り量f(mm/rev)及び切削切り込み量d(mm)を変化させることにより、実施例A〜Cの切り屑破砕が可能な範囲を評価した。その結果を図8のグラフに示す。なお、図8のグラフ中、墨網を施した領域が切り屑破砕可能な範囲である。
切削試験2、3の結果から本発明のスローアウェーインサート1は、切り屑破砕が広範囲で可能であり、延性高い材質の被削材に対しても高能率で切削可能であることが確認できた。
スローアウェーインサートの平面図である。 スローアウェーインサートの正面図である。 図1のX−X線断面図である。 図1X−X線矢示の要部拡大断面図である。 図1Y−Y線矢示の要部拡大断面図である。 図1Z−Z線矢示の要部拡大断面図である。 切削試験2の結果を示すグラフである。 切削試験3の結果を示すグラフである。
符号の説明
1 …スローアウェーインサート
2 …切れ刃
3 …ブレーカ溝
4 …突起部
5 …ノーズ部
6 …刃側傾斜部
7 …溝底部
8 …第1アール面
9 …突起側傾斜部
β …ポイント
αx1…溝底部7と刃側傾斜部6とのなす角度
αx2…突起側傾斜部9と、溝底部7の垂線とのなす角度
Lx1…刃側傾斜部6の幅
Lx2…溝底部7の幅
Lx3…Lx1とLx2の合計の長さ
Lx4…切れ刃2の頂部から突起部4の頂部までの高さ
αy1…溝底部7と刃側傾斜部6とのなす角度
αy2…突起側傾斜部9と溝底部7の垂線とのなす角度
Ly1…切れ刃2の頂部から突起部4の頂部までの高さ
αz1…溝底部7と刃側傾斜部6とのなす角度
αz2…突起側傾斜部9と溝底部7の垂線とのなす角度
Lz1…刃側傾斜部6の幅
Lz2…溝底部7の幅
Lz3…Lz1とLz2の合計の長さ
Lz4…切れ刃2の頂部から突起部4の頂部までの高さ

Claims (3)

  1. 平面視多角形の略平板状で、すくい面の周縁に切れ刃を形成し、該切れ刃に沿ってブレーカ溝を形成すると共にそのブレーカ溝を挟んだ切れ刃の対岸相当部位に突起部を形成し、さらに多角形の隣接する辺部同士の交点をノーズ部としたスローアウェーインサートにおいて、
    前記ノーズ部の先端から該ノーズ部を二等分する厚さ方向の断面形状を、次の(a)〜(f)のように設定したことを特徴とするスローアウェーインサート。
    (a)ブレーカ溝を、切れ刃の頂部から溝の内側に向かって傾斜する刃側傾斜部と、該刃側傾斜部につながる平坦な溝底部と、該溝底部と前記突起部の頂部を結ぶ斜面であって平坦な前記溝底部に対して第1アール面をもってなだらかに接続する突起側傾斜部と、で構成する。
    (b)ブレーカ溝の溝底部と刃側傾斜部とのなす角度(αx1)を16〜18°にする。
    (c)ブレーカ溝の突起側傾斜部と、溝底部の垂線とのなす角度(αx2)を29〜31°にする。
    (d)ブレーカ溝の刃側傾斜部の幅(Lx1)と溝底部の幅(Lx2)の合計の長さ(Lx3)を0.53〜0.57mmにする。
    (e)ブレーカ溝の平坦な溝底部の幅(Lx2)を刃側傾斜部の幅(Lx1)より小さくする。
    (f)切れ刃の頂部から突起部の頂部までの高さ(Lx4)を0.29〜0.31mmにする。
  2. 請求項1に記載のスローアウェーインサートにおいて、一つの切れ刃の直線部分を延長した線分に対して垂直な仮想面と前記ノーズ部の円弧とが接するポイントを基準にして、その仮想面を切れ刃の直線部分側に1mm平行移動させた箇所の断面形状を、次の(g)〜(i)のように設定したことを特徴とするスローアウェーインサート。
    (g)ブレーカ溝の溝底部と刃側傾斜部とのなす角度(αy1)を16〜18°にする。
    (h)ブレーカ溝の突起側傾斜部と、溝底部の垂線とのなす角度(αy2)を29〜31°にする。
    (i)切れ刃の頂部から突起部の頂部までの高さ(Ly1)を0.29〜0.31mmにする。
  3. 請求項1又は2に記載のスローアウェーインサートにおいて、一つの切れ刃の直線部分を延長した線分に対して垂直な仮想面と前記ノーズ部の円弧とが接するポイントを基準にして、その仮想面を切れ刃の直線部分側に3mm平行移動させた箇所の断面形状を、次の(j)〜(m)のように設定したことを特徴とするスローアウェーインサート。
    (j)ブレーカ溝の溝底部と刃側傾斜部とのなす角度(αz1)を16〜18°にする。
    (k)ブレーカ溝の突起側傾斜部と、溝底部の垂線とのなす角度(αz2)を29〜31°にする。
    (l)ブレーカ溝の刃側傾斜部の幅(Lz1)と溝底部の幅(Lz2)の合計の長さ(Lz3)を0.51〜0.55mmにする。
    (m)切れ刃の頂部から突起部の頂部までの高さ(Lz4)を0.29〜0.31mmにする。
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