JP2011036932A - 切削工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】チップブレーカを有する切削工具について、切削加工の更なる安定化のために、小切込み、小送りの加工で発生する切屑を確実に良好に処理できるようにすることを課題としている。
【解決手段】ブレーカ主壁6amとブレーカ副壁6asとでブレーカ壁を構成し、基準線S1に対して所定の前切れ刃角λを設定したときにコーナ切れ刃5aが基準線S1に接触するA点と基準線S1から平行方向に0.3mm以下離れた位置に設定されるB点を結ぶ領域にブレーカ主壁6amを対面させ、A点からブレーカ主壁6amまでの距離L1とB点からブレーカ主壁6amまでの距離L2を、L2>L1とし、かつ、距離L1を0.2mm以下に設定した。
【選択図】図4

Description

この発明は、cBN焼結体やダイヤモンド焼結体などの硬質焼結体で切れ刃を形成した旋削用切削工具、特に、コーナ部のすくい面にチップブレーカを設けた切削工具に関する。
超硬合金製工具本体の先端のコーナ部にcBN焼結体などの硬質焼結体を貼り合せ、その硬質焼結体に切れ刃とチップブレーカを形成した切削工具が、特許文献1、2などに開示されている。
この種の切削工具は、工具本体の上面のエッジ部と切れ刃を構成する硬質焼結体の上面の稜線部の強度を向上させるエッジ処理を施している。そして、その処理によって形成された刃先強化用面取部とエッジ強化用面取部(例えば、特許文献1では刃先強化用面取部6と高さHの面取部8)は、共通の角度を有する共通の面で形成されたものが多い。
特許文献1の切削工具は、チップブレーカを、硬質焼結体の上面から段落ちさせて設けたブレーカ底面とそのブレーカ底面から立ち上がるブレーカ壁とで構成しており、ブレーカ壁は一軸方向に延びた断面円弧の単一の面で形成されている。
また、特許文献2の切削工具(スローアウェイチップ)は、ブレーカ壁を、一対の第1のブレーカ壁とその第1のブレーカ壁の外端に連なる一対の第2のブレーカ壁とで構成し、第1のブレーカ壁を先端コーナ部の頂角の二等分線に対して第1の鈍角θ1の傾きをもつ壁にして前記二等分線の位置から左右に延びださせ、さらに、第2のブレーカ壁を前記頂角の二等分線に対して第1の鈍角θ1よりも大きな第2の鈍角θ2の傾きをもつ壁としている。
特開平08−155702号公報 特開2006−95620号公報
特許文献2が開示している切削工具は、ブレーカ幅を特許文献1の工具に比べて小さくすることができる。ブレーカ幅が小さくなれば加工時の切り込みや送りが小さなときに発生する幅や厚みの小さな切屑もブレーカ壁に衝突するようになる。特許文献2の切削工具は、そのことによって特許文献1の切削工具では対応し難い仕上げ加工などでの切屑処理性を向上させようとしている。
ところが、特許文献2の切削工具は、切屑の流出方向の制御に関する配慮がなされておらず、安定した切削加工が必ずしも保証されるものになっていない。
特許文献2の切削工具は、第1のブレーカ壁が切屑の流出方向に対してほぼ直角に向き合うと思われる。その場合、切屑が確実に第1のブレーカ壁に衝突すれば強いカール力が付与されて切屑の分断性が高まる。
しかしながら、特許文献2の構造は、チップブレーカをエッジ強化用面取部(同文献の図1、図2の7)の中に形成しているので、ブレーカ壁の高さを十分に確保するのが難しい。従って、切屑がブレーカ壁にうまく衝突せず、前記面取部に乗り上げて工具の送り方向後方に向って長く延びだすことが懸念される。
また、ブレーカ壁の高さをある程度確保できたとしても、切屑の流出方向に対してほぼ直角に向き合うブレーカ壁には切屑の流出方向をコントロールする機能がない。そのために、ブレーカ壁によるブレーキング歪みが不足したときに、切屑が折れずにブレーカ壁に沿って工具の送り方向後方に向って長く延びだす事態が起こり得る。
この発明は、チップブレーカを有する切削工具に関し、切削加工の更なる安定化のために、小切込み、小送りの加工で発生する切屑を確実に良好に処理できるようにすることを課題としている。
上記の課題を解決するため、この発明においては、工具本体の先端のコーナ部に形成された座溝に硬質焼結体を接合し、その硬質焼結体に、円弧のコーナ切れ刃と、そのコーナ切れ刃の両端からそれぞれ延び出す前切れ刃用及び横切れ刃用の2つの直線の切れ刃と、ブレーカ壁及びブレーカ底面とからなるチップブレーカを形成した切削工具において、
前記ブレーカ壁を、前記コーナ部の中央寄りに配置されるブレーカ主壁とそのブレーカ主壁の外端に角度をもって連なる1乃至複数のブレーカ副壁とで構成し、
切削工具を、前記直線切れ刃の一方が直線の基準線に対して実加工において設定される前切れ刃角をもつように傾斜させたときに前記コーナ切れ刃が前記基準線に接触する位置をA点、
前記基準線と平行、かつ、その基準線から0.3mm以下離れた位置に配置される仮想線が前記コーナ切れ刃に対して交わる箇所をB点として、
前記ブレーカ主壁を、前記A点とB点を結ぶ領域に対面させ、
前記A点から前記ブレーカ主壁までの距離L1と、前記B点から前記ブレーカ主壁までの距離L2について、L2>L1の条件を満足させ、かつ、前記距離L1を0.2mm以下に設定した。
ここで言う直線の基準線とは、ワークの加工後の面を想定したものである。距離L1,L2は、前記A点とB点を結ぶ直線に対して垂直なC方向の距離で表す。A点からブレーカ主壁までのC方向距離をL1、前記B点からブレーカ主壁までのC方向距離をL2とする。
前記ブレーカ壁は、高さHを0.2mm以上確保したものが好ましい。
この切削工具は、ブレーカ主壁を、前記コーナ部の頂角の二等分線に対して鋭角をなす方向に傾けたもの、それとは逆に鈍角をなす方向に傾けたもの、垂直をなす向き(傾き角90°)にしたものの3形態が考えられる。
前記ブレーカ壁は、前記コーナ部の頂角の二等分線を境にして左右対称に設けることができる。
また、この発明の切削工具は、前記コーナ部を対角位置に有する菱形のインサート(スローアウェイチップ)、又は前記コーナ部を3箇所備える正三角形のインサートなどとして構成することができる。
この発明の切削工具によれば、切屑の流出方向がブレーカ主壁によって望ましい方向にコントロールされる。望ましい方向とは、例えば、外径切削ではワークの径方向外方(横切れ刃のある側)を指す。
前記距離L1、L2が、L2>L1に設定されているので、生成された切屑は、A点から流出する部分がB点から流出する部分よりも先にブレーカ主壁に到達する。これにより、切屑のA点から流出する部分とB点側から流出する部分の流出抵抗に差が生じ、流出抵抗の小さいB点側に切屑が誘導される。
そのために、切屑は前述の望ましい方向に流れてワークから離反し、工具の送り方向後方に延びだして工具に絡みついたり、ワークの加工済みの面を傷付けたりすることがなくなる。また、切屑の流出方向が望ましい方向となることで切屑に対してカールする歪が付与され、切屑の分断処理も良好になされるようになる。
なお、前記基準線からB点を決定する仮想線までの距離を0.3mm以下にしたのは、仕上げ加工で想定される最大切り込み量はほぼ0.3mmであり、その切り込み条件での切削においても、前述のL2>L1の条件が維持されるようにするためである。
また、前記A点での距離L1を0.2mm以下に設定したのは次の理由による。仕上げ加工は、一般に、送り量が0.2mm/rev以下の条件でなされる。ブレーカ幅は、その送り量と同程度が適当とされており、A点での距離L1の最大値を0.2mmに設定すれば、最大送り量(0.2mm/rev)での仕上げ加工においても切屑のA点からの流出部を確実にブレーカ主壁に衝突させることができるからである。
上記の設定によって、小切込み、小送りの仕上げ加工でも切屑をB点側に誘導する作用が起こり、切屑の処理が確実かつ良好になされるようになって切削加工の更なる安定化の目的が達成される。
この発明の切削工具の一形態を示す斜視図 図1の切削工具の切削に関与するコーナ部の拡大斜視図 ブレーカ主壁部の拡大断面図 図1の切削工具の切削に関与するコーナ部の拡大平面図 ブレーカ主壁による切屑の誘導作用の説明図 この発明の切削工具の他の形態を示す斜視図 この発明の切削工具のさらに他の形態を示す斜視図 この発明の切削工具のさらに他の形態を示す斜視図 図8の切削工具の切削に関与するコーナ部の拡大平面図 切屑処理の比較試験に用いた既知のチップブレーカ形状の拡大平面図 切屑処理の比較試験で得られた切屑の形状を示す図
以下、添付図面の図1〜図9に基づいて、この発明の切削工具の実施の形態を説明する。
図1〜図4は、この発明を菱形のインサート(スローアウェイチップ)に適用した例である。このインサート1は、工具本体2の先端のコーナ部に硬質焼結体3を接合し、その硬質焼結体3を切削に関与させるものにしている。
図示の工具は、工具本体2として超硬合金で形成された平面視菱形の台金を用いている。その工具本体2の対角位置にある鋭角コーナ部に座溝4を設け、その座溝4に、cBN焼結体やダイヤモンド焼結体などの硬質焼結体3を貼り合せてその硬質焼結体3に切れ刃5とチップブレーカ6を形成している。
切れ刃5は、円弧のコーナ切れ刃5aとそのコーナ切れ刃5aの両端から延びだす2つの直線切れ刃5b,5bで構成される。直線切れ刃5bは少なくとも平面視が直線をなす切れ刃であり、側面視では図2に示すように、終端が硬質焼結体3の上面に向って切れ上っていてもよい。この直線切れ刃5bの一方が前切れ刃として使用され、他方は横切れ刃として使用される。
チップブレーカ6は、ブレーカ壁6aとブレーカ底面6bとからなる。ブレーカ底面6bは切れ刃に沿って設けられている。また、図示のブレーカ壁6aは、ブレーカ底面6bから斜めに立ち上がった面で形成されている。
例示の切削工具は、右、左の勝手違いを無くするために、ブレーカ壁6aとブレーカ底面6bを切削に関与させる鋭角コーナ部の頂角の2等分線CL(図4及び図5参照)を境にして左右対称に設けている。
また、ブレーカ壁6aは、前記鋭角コーナ部の中央寄りに配置されるブレーカ主壁6amとそのブレーカ主壁の外端に角度をもって連なるブレーカ副壁6asとで構成している。ブレーカ副壁6asは、複数の壁が角度をもって連なるものであってもよい。
ブレーカ主壁6amは、図4に示すブレーカ角度α(これはコーナ部の頂角の二等分線CLを基準にした角度)が鋭角をなす壁、そのブレーカ角度αが鈍角をなす壁、そのブレーカ角度αが90°の壁のいずれであってもよい。
ブレーカ主壁6amが以下の条件を満たすことが重要であり、その条件を満たしたブレーカ主壁を備えることで発明の目的が達成される。
ここで言う条件は、下記I)〜III)である。
I)切削工具を、図4に示すように、直線切れ刃5bの一方が直線の基準線S1に対して所定の角度(工具使用時の前切れ刃角λ)をもつように傾斜させたときにコーナ切れ刃5aが基準線S1に接触する位置をA点、前記基準線S1と平行、かつ、その基準線S1から0.3mm以下離れた位置に配置される仮想線S2がコーナ切れ刃5aに対して交わる箇所をB点として、ブレーカ主壁6amを、A点とB点を結ぶ領域に対面させる。
II)A点からブレーカ主壁6amまでのA点とB点を結ぶ直線に対して垂直なC方向の距離L1と、B点からブレーカ主壁6amまでの前記C方向の距離L2について、L2>L1の条件を満足させる。
III)A点での前記距離L1を0.2mm以下に設定する。
A点は、コーナ切れ刃5aと前切れ刃として使用される直線切れ刃5bの交点近くにおいてコーナ切れ刃5a上に設定される。汎用サイズの切削工具の場合、前切れ刃の逃げ角にもよるが、前記交点からの離反距離が大きくても0.1mmぐらいの範囲にそのA点が設定されると思われる。
図3に示したブレーカ壁6aの高さ量Hは、0.2mm以上確保するのがよい。そのようにすることで切屑をブレーカ壁6aに対して確実に衝突させることができる。
なお、ブレーカ壁6aの傾斜角β(図3参照)は、例示の工具では45°としたが、これに限定されるものではない。
また、例示の切削工具は、刃先強化用の面取り部や硬質焼結体及び工具本体の上面と側面の交差部に形成されるエッジ強化用の面取り部が無いものにしたが、これ等の面取り部
の設置は任意に行うことができる。特に、面取り又はRホーニングの量を0.1mm以下の刃先処理を行うことが好ましい。
このほか、この発明は、切削に関与する鋭角コーナ部を3箇所備えた図6に示すような正三角形のインサート1A、対角位置の鋭角コーナの頂角を図1のインサートよりも小さくした図7に示すような菱形のインサート1Bなどにも適用することができる。適用対象はインサート以外の切削工具であってもよい。
図5は、ブレーカ主壁6amによる切屑の誘導作用に関する説明図である。この図において、仮想線S2をワークの加工前外径面、基準線S1を加工後外径面と考えると、コーナ切れ刃5a上に設定した前述のA点がワークの加工後外径面に、B点が加工前外径面にそれぞれ接触する。
この状態で前切れ刃角λを設定してワークの外径加工を進める。その加工は、工具に図中Y方向の送りをかけて行なわれ、ワークが1回転する間に、図においてハッチングを入れた部分が削り取られる。fは、ワーク1回転当たりの工具送り量である。
そのときに生成される切屑は、ワークの加工面(外径切削では加工後外径面)に切れ刃が接触する位置(図中A点)とワークの加工前外径面に接触する位置(例えばB点)を結ぶ直線(S3)に対してほぼ垂直なC方向に流出する。
そして、その切屑は、流出方向前方に配置されたブレーカ主壁6amに主に衝突する。このとき、切屑のA点から流出する側はB点から流出する側よりもブレーカ主壁6amまでの距離が短いためB点から流出する側よりも先にブレーカ主壁6amに衝突する。そのために、切屑のA点から流出する側とB点から流出する側の流出抵抗に差が生じる。これにより、切屑は流出抵抗の小さいB点側、すなわち、横切れ刃側に誘導される。
図4に示したブレーカ幅Wは、通常、切れ刃からブレーカ壁までのブレーカ壁に対して垂直方向の距離によって規定されるが、切屑が前述のC方向に流出するとすれば、A点での実質的なブレーカ幅はL1で表される。この発明では、そのL1を0.2mm以下に設定しているので、送り量が0.2mm/rev以下の条件での切削であれば、切屑のA点からの流出部はB点からの流出部よりも先に確実にブレーカ主壁6amに衝突する。
また、この発明の切削工具は、ブレーカ主壁6amが前記L2>L1の条件を満たす壁として設けられており、ブレーカ主壁6amに対して垂直な線S4(図5参照)の基準線S1に対する傾き角θ2よりも切屑の流出角θ1(切屑の流出方向と基準線S1とのなす角)が大きくなる。そのために、切屑のA点から流出する側とB点から流出する側のブレーカ主壁6amへの到達時間に差が生じ、これにより、上記の誘導作用が確実に起こる。従って、切り込み量0.2mm以下の条件で使用するときに良好な切屑処理性能が発揮される。なお、切屑の大部分がブレーカ主壁6amに衝突すれば本発明の効果を得ることができるため、切屑のわずかな一部がブレーカ副壁6asに当たってもよい。
切屑処理性能の評価を行うために、比較試験を行なった。その比較試験に用いた切削工具は、下記の発明品と比較品である。
発明品:住友電工ハードメタル社製、型番:CCGW09T308のスローアウェイチップ(切れ刃をcBN焼結体で形成した頂角80°の菱形ネガティブチップ)をベースにして、刃先部に図1の形状のチップブレーカを設け、これをホルダに装着した切削工具。
比較品:発明品と同一型番のスローアウェイチップをベースにして、刃先部に図10に示す従来形状のチップブレーカを形成し、それをホルダに装着した切削工具。
発明品は、ノーズR:0.8mm、前切れ刃角λ:5°の設定でのA点からブレーカ主壁までの距離L1:0.06mm、B点からブレーカ主壁までの距離L2:0.21mm、送り量f:0.1mm/rev、切り込み量ap:0.1mmの加工条件での切屑流出角度θ1:77°、ブレーカ主壁の傾斜角度β:45°とした。
また、比較品は、ノーズRとコーナ部の頂角の二等分線を境にして左右対称に設けたブレーカ壁7の傾斜角度については発明品と同一とし、ブレーカ角度αを50°とし、これを前切れ刃角λ:5°の設定で使用した。
今、前切れ刃角λを5°にした図4において、基準線S1から仮想線S2までの距離を0.3mm(これは推奨する切り込み量apの最大値)に設定したと仮定すると、ブレーカ角度αが70°弱で同図の距離L1とL2が等しくなる。従って、ここで用いた発明品は、L2>L1の条件を満たし、比較品はその条件を満たさない。
評価試験における切削条件は以下の通りである。
被削材:SCM415丸棒材、硬さHRC60
切削速度V:150m/min
1)送り量f:0.1mm/rev、切り込み量ap:0.1mmの組み合わせ
2)送り量f:0.15mm/rev、切り込み量ap:0.1mmの組み合わせ
3)送り量f:0.15mm/rev、切り込み量ap:0.2mmの組み合わせ
切削形態:ドライ切削、外径加工
送り量f、切り込み量apについて、前記1)の条件での加工は発明品のみについて行い、また、前記2)の条件での加工は比較品のみについて行った。
この試験の結果、発明品による切削では切屑が良好に処理されたのに対し、比較品による切削では切屑が前切れ刃側に長く延び出した。発明品と比較品によって生成された切屑の形状を図11に示す。この図からわかるように、発明品による切屑は、送り量f:0.1mm/rev、切り込み量ap:0.1mmの加工条件でもブレーカ主壁による処理が良好になされ細かく分断されている。
これに対し、比較品による切屑は、送り量f:0.15mm/rev、切り込み量ap:0.2mmの加工条件でもブレーカ壁による処理がまともになされておらず、折れずに延びだしている。
前掲の特許文献2に開示された切削工具は、本願のブレーカ主壁に相当する第1のブレーカ壁が上記の評価試験で用いた比較品のブレーカ壁に近似しており、従って、同文献の切削工具と比較しても本願発明品は切屑処理性能に勝ることがわかる。
なお、この発明の切削工具は、ワークの外径加工は勿論、内径加工や端面加工にも利用することができる。
1 インサート
2 工具本体
3 硬質焼結体
4 座溝
5 切れ刃
5a コーナ切れ刃
5b 直線切れ刃
6 チップブレーカ
6a ブレーカ壁
6am ブレーカ主壁
6as ブレーカ副壁
6b ブレーカ底面
CL コーナ部の頂角の二等分線
S1 基準線
S2 仮想線
S3 コーナ切れ刃上に設定したA点とB点を結ぶ直線
S4 ブレーカ主壁に対して垂直な線
W ブレーカ幅
α ブレーカ角度
λ 前切れ刃角
β ブレーカ壁の傾斜角
θ1 切屑の流出角
θ2 ブレーカ主壁に対して垂直な線の基準線に対する傾き角

Claims (6)

  1. 工具本体(2)の先端のコーナ部に形成された座溝(4)に硬質焼結体(3)を接合し、その硬質焼結体(3)に、円弧のコーナ切れ刃(5a)と、そのコーナ切れ刃の両端からそれぞれ延び出す前切れ刃用及び横切れ刃用の2つの直線切れ刃(5b,5b)と、ブレーカ壁(6a)及びブレーカ底面(6b)とからなるチップブレーカ(6)を形成した切削工具において、
    前記ブレーカ壁(6a)を、前記コーナ部の中央寄りに配置されるブレーカ主壁(6am)とそのブレーカ主壁(6am)の外端に角度をもって連なる1乃至複数のブレーカ副壁(6as)とで構成し、
    切削工具を、前記直線切れ刃(5b)の一方が直線の基準線(S1)に対して実加工において設定される前切れ刃角(λ)をもつように傾斜させたときに前記コーナ切れ刃(5a)が前記基準線(S1)に接触する位置をA点、
    前記基準線(S1)と平行、かつ、その基準線から0.3mm以下離れた位置に配置される仮想線(S2)が前記コーナ切れ刃(5a)に対して交わる箇所をB点として、
    前記ブレーカ主壁(6am)を、前記A点とB点を結ぶ領域に対面させ、
    前記A点から前記ブレーカ主壁(6am)までの前記A点とB点を結ぶ直線(S3)に対して垂直なC方向の距離L1と、前記B点から前記ブレーカ主壁(6am)までの前記C方向の距離L2について、L2>L1の条件を満足させ、かつ、前記距離L1を0.2mm以下に設定したことを特徴とする切削工具。
  2. 前記ブレーカ壁(6a)の高さ(H)を0.2mm以上とした請求項1に記載の切削工具。
  3. 前記ブレーカ主壁(6am)を、工具の平面視で前記コーナ部の頂角の二等分線(CL)に対して鋭角又は鈍角をなす方向に傾けた請求項1又は2に記載の切削工具。
  4. 前記ブレーカ主壁(6am)を、工具の平面視で前記コーナ部の頂角の二等分線(CL)に対して垂直をなす向きにした請求項1又は2に記載の切削工具。
  5. 前記ブレーカ壁(6a)を、前記コーナ部の頂角の二等分線(CL)を境にして左右対称に設けた請求項1〜4のいずれかに記載の切削工具。
  6. 対角位置に前記コーナ部を有する菱形のインサート、又は前記コーナ部を3箇所備える正三角形のインサートとして構成した請求項1〜5のいずれかに記載の切削工具。
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