JP6852439B2 - 刃先交換式エンドミルのエンドミル本体および刃先交換式エンドミル - Google Patents

刃先交換式エンドミルのエンドミル本体および刃先交換式エンドミル Download PDF

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Description

本発明は、先端外周部に形成されたインサート取付座に着脱可能に取り付けられる複数の切削インサートの外周側に向けられる切刃によって切削加工を行う円柱状の刃先交換式エンドミルのエンドミル本体、および該刃先交換式エンドミルのエンドミル本体の上記インサート取付座に切削インサートが着脱可能に取り付けられた刃先交換式エンドミルに関するものである。
このようなエンドミル本体に複数の切削インサートが取り付けられた刃先交換式エンドミルとして、例えば特許文献1には、切削インサートのエンドミル本体基端側に隣接してエンドミル本体の軸線に交差する方向に切屑排出用の溝が形成され、この溝は、横断面が円弧状、V字形、U字形とされているものや、エンドミル本体の軸線方向に隣接する2つの切削インサートの間に溝が形成され、この溝は、横断面が円弧状、V字形、U字形とされているとともに、軸線に交差する方向に延在しているものが記載されている。
このような刃先交換式エンドミルでは、チップポケットを構成する軸線方向に延びる1つの凹溝(切屑排出溝)に、複数の切削インサートが軸線方向に間隔をあけて取り付けられている場合に、切削インサートの外周側に向けられた切刃によって生成された切屑が、軸線方向に隣接する切削インサートの間の隙間からエンドミル本体の外周面に入り込んでも、上記溝内を流れてスムーズに排出されて切屑詰まりを生じることがないので、被削材の加工面やエンドミル本体と干渉して擦過することもなく、切削インサートの欠損や切屑の溶着を招くこともない。
特許第3275695号公報
ところで、この特許文献1には、隣接する切削インサートは必ずしも軸線方向に互いに隙間をもって配設される必要はなく、その回転軌跡が互いに重なるように配設されていてもよいとの記載がなされているが、チップポケットとしての1つの切屑排出溝において複数の切削インサートの外周側に向けられた切刃の回転軌跡が互いに重なっていれば、隣接する切削インサートの間に軸線方向に隙間があくことはなく、その隙間から切屑がエンドミル本体の外周面に入り込むこともない。ところが、それにも関わらず、実際に1つの切屑排出溝において切削インサートの切刃の回転軌跡が互いに重なっていても、切屑の一部はエンドミル本体の外周面に入り込んで擦過することにより溶着し、最終的にはエンドミル本体の破損を招くことがある。
ここで、刃先交換式エンドミルのエンドミル本体は円柱状であって、特に切り込み量を大きくする場合には切削インサートが取り付けられる先端部の切刃部も長くなるために剛性を確保し難く、切削時に振動やビビリが発生することにより、針状の微細な切屑が生成され易い。その一方で、1つの切屑排出溝において複数の切削インサートの切刃の回転軌跡を重なり合わせるには、これら複数の切削インサートをエンドミル本体の周方向にずらして取り付けなければならない。
従って、切刃の全長によって生成される幅広の大きな切屑は、切削インサートのすくい面を擦過して切屑排出溝から排出されるため、エンドミル本体の外周面に巻き込まれることはないが、上述のような針状の微細な切屑は、その一部が切屑排出溝の壁面や大きな切屑に弾かれながら周方向にずらされた切削インサートの間を通ってエンドミル本体の外周面に回り込むおそれがある。そして、このようにエンドミル本体の外周面に回り込んだ微細な切屑が、この外周面と擦過して上述のように溶着すると考えられる。
本発明は、このような背景の下になされたもので、切削の際に針状の微細な切屑が生成されてエンドミル本体の外周面に回り込んでも、擦過による溶着を防ぐことが可能な刃先交換式エンドミルのエンドミル本体、および該エンドミル本体に切削インサートを着脱可能に取り付けた刃先交換式エンドミルを提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明の刃先交換式エンドミルのエンドミル本体は、軸線を中心とした円柱状をなして上記軸線回りにエンドミル回転方向に回転させられ、先端外周部に形成されたインサート取付座に着脱可能に取り付けられる切削インサートの外周側に向けられる切刃によって切削加工を行う刃先交換式エンドミルのエンドミル本体であって、このエンドミル本体の先端外周部には、該エンドミル本体の先端から後端側に延びる切屑排出溝が形成されるとともに、この切屑排出溝のエンドミル回転方向を向く壁面に複数の上記インサート取付座が上記軸線方向に並んで形成されていて、これらのインサート取付座に取り付けられる上記切削インサートは周方向にずらされるとともに、外周側に向けられる上記切刃の上記軸線回りの回転軌跡が部分的に重なり合って上記軸線方向に連続し、上記エンドミル本体の外周面には、上記インサート取付座からエンドミル回転方向とは反対側に向けて延びる凹溝が形成され、この凹溝は、上記軸線回りの回転軌跡において、上記軸線方向に隣り合った上記切削インサートの外周側に向けられる上記切刃同士が重なり合う部分が最深部となるように形成され、上記凹溝は、上記軸線に沿った断面において、上記最深部となる上記軸線に平行に延びる溝底面と、この溝底面から上記軸線方向の両端側に向かうに従い互いに離れつつ外周側に延びる2つの溝壁面とを有する台形状に形成されていることを特徴とする。
また、本発明の刃先交換式エンドミルは、このようなエンドミル本体における上記インサート取付座に、上記切削インサートが、外周側に向けられる上記切刃の上記軸線回りの回転軌跡が部分的に重なり合って上記軸線方向に連続するように着脱可能に取り付けられていることを特徴とする。
このように構成される刃先交換式エンドミルのエンドミル本体および刃先交換式エンドミルでは、エンドミル本体の外周面に形成される凹溝が、軸線回りの回転軌跡において、軸線方向に隣り合った切削インサートの外周側に向けられる切刃同士が重なり合う部分が最深部となるように形成されているので、周方向にずらされた隣接する切削インサートの間を通ってエンドミル本体の外周面に回り込む針状の微細な切屑を、この凹溝の最深部に導いて効率的に排出することができる。従って、このような微細な切屑が擦過することによりエンドミル本体の外周面に溶着するのを確実に防ぐことができ、溶着によるエンドミル本体の破損を防止することができる。
ここで、隣接する切削インサートの間を通ってエンドミル本体の外周面に回り込む切屑は針状の微細なものであるので、上記凹溝の上記最深部まで深さは0.07mm以上と、下限が極浅いものであればよい。逆に、この凹溝の最深部までの深さが大きすぎるとエンドミル本体の折損を招くおそれがあるので、凹溝の最深部までの深さの上限は工具径の5%程度とされるのが望ましい。
また、上記凹溝は、上記軸線に沿った断面において、上記最深部となる上記軸線に平行に延びる溝底面と、この溝底面から上記軸線方向の両端側に向かうに従い互いに離れつつ外周側に延びる2つの溝壁面とを有する台形状に形成されている。この凹溝の断面が特許文献1に記載されたような円弧状であると、この円弧の両端部において加工面との間隔が急に狭くなって針状の微細な切屑が噛み込まれ易くなり、やはり溶着を招くおそれがあるのに対して、凹溝が断面台形状であれば、両端部における加工面との間隔は一定の割合で小さくなるだけであるので、噛み込みを生じ難い。
また、同じく特許文献1に記載されたように断面がV字形やU字形の溝では、断面台形の凹溝に比べて同じ断面積を確保するには溝深さを深くしなければならなくなるおそれがあってエンドミル本体の剛性を一層損なうことになり、しかもV字形の断面では最深部を起点にエンドミル本体の折損が生じ易くなる。これに対しても、断面台形状の凹溝であれば、溝深さを深くしなくても断面積を確保することができ、また溝底面と2つの溝壁面とは鈍角に交差するので、その交差稜線部からエンドミル本体に折損が生じるおそれも少ない。
さらに、上述のように切り込み量を大きくする場合には、切削インサートとして長辺と短辺を有する平行四辺形や長方形等の四角形板状のものが用いられ、そのすくい面とされる一方の四角形面の長辺に形成された切刃が外周側に向けられるとともに、このすくい面とは反対側の他方の四角形面が着座面とされてインサート取付座のエンドミル回転方向を向く取付座底面に密着させられ、この取付座底面に、凹溝の溝底面から後端側に延びる上記溝壁面が交差することになる。
そこで、このような切削インサートにおけるインサート取付座への着座安定性を確保するには、上記軸線に沿った断面において、上記凹溝の溝底面から後端側に延びる上記溝壁面が該溝底面の後端側への延長線に対してなす傾斜角を、上記凹溝の溝底面から先端側に延びる上記溝壁面が該溝底面の先端側への延長線に対してなす傾斜角よりも小さくして、インサート取付座の取付座底面と凹溝の後端側に延びる溝壁面との交差稜線が、切削インサートの他方の長方形面の外周側に向けられる長辺に沿うようにするのが望ましい。
なお、この場合には、上記軸線に沿った断面において、上記凹溝の溝底面から後端側に延びる上記溝壁面が上記溝底面の後端側への延長線に対してなす傾斜角を45°以下とすることにより、この後端側に延びる溝壁面と溝底面との交差角をより大きくして、その交差稜線部への切削抵抗による応力集中を抑制し、この交差稜線部を起点とするエンドミル本体の折損等を一層確実に防止することができる。
以上説明したように、本発明によれば、エンドミル本体の振動やビビリによって針状の微細な切屑が生成されて周方向にずらされた切削インサートの間からエンドミル本体の外周面に回り込んでも、軸線回りの回転軌跡において切刃が重なり合う部分に最深部を有する凹溝によって効率的に排出することができ、このような切屑が擦過してエンドミル本体の外周面に溶着することにより破損を生じるのを防止することができる。
本発明の刃先交換式エンドミルのエンドミル本体の一実施形態を示す斜視図である。 図1に示す実施形態の正面図である。 図1に示す実施形態の側面図である。 図1に示す実施形態の平面図である。 図1に示すエンドミル本体に切削インサートを取り付けた本発明の刃先交換式エンドミルの一実施形態を示す斜視図である。 図5に示す実施形態の正面図である。 図5に示す実施形態の側面図である。 図5に示す実施形態の平面図である。 図5ないし図8に示す実施形態における凹溝と切削インサートのすくい面の軸線回りの回転軌跡を示す図である。 図5ないし図8に示す実施形態における凹溝と切削インサートの着座面の軸線回りの回転軌跡を示す図である。
図1ないし図4は、本発明の刃先交換式エンドミルのエンドミル本体の一実施形態を示すものであり、図5ないし図10は、この実施形態のエンドミル本体に切削インサートを取り付けた本発明の刃先交換式エンドミルの一実施形態を示すものである。本実施形態のエンドミル本体1は、鋼材等の金属材料により形成されて、先端部(図3および図4、図7および図8において左側部分)が後端部(図3および図4、図7および図8において右側部分)よりも僅かに小径とされた軸線Oを中心とする多段円柱状をなしている。
このエンドミル本体1の上記先端部は、上記切削インサートが取り付けられる切刃部2とされるとともに、上記後端部はシャンク部3とされる。こうしてエンドミル本体1の切刃部2に切削インサートが取り付けられて構成された本実施形態の刃先交換式エンドミルは、シャンク部3が工作機械の主軸に把持されて軸線O回りにエンドミル回転方向Tに回転されつつ、この軸線Oに交差する方向に送り出されて、被削材に溝加工や肩削り加工を施す。
切刃部2の外周部には、エンドミル本体1の先端に開口して後端側に延びる切屑排出溝4が、後端側に向かうに従いエンドミル回転方向Tとは反対側に捩れるように、周方向に間隔をあけて複数条形成されており、本実施形態では2条の切屑排出溝4が周方向に等間隔に形成されている。そして、これらの切屑排出溝4のエンドミル回転方向Tを向く壁面には複数のインサート取付座5が形成されていて、本実施形態では各切屑排出溝4ごとに4つのインサート取付座5が、切屑排出溝4の捩れに合わせて後端側に向かうに従いエンドミル回転方向Tとは反対側に向けて周方向にずらされるようにして階段状に並んで形成されている。
これらのインサート取付座5は、エンドミル回転方向Tを向く長方形状の取付座底面5aと、この取付座底面5aの内周縁からエンドミル回転方向Tに延びてエンドミル本体1の外周側を向く取付座壁面5bと、最先端のインサート取付座5を除いて、取付座底面5aの先端縁からエンドミル回転方向Tに延びて後端側を向く取付座壁面5cとを備えている。取付座底面5aは後端側に向かうに従いエンドミル回転方向Tとは反対側に向かうように僅かに傾斜しており、この取付座底面5aの中央部にはネジ孔5dが垂直に形成されている。
このようなインサート取付座5に取り付けられる切削インサート10は、超硬合金等の硬質材料により、本実施形態では上述のように長辺と短辺を有する平行四辺形または長方形の四角形板状に形成されている。このような切削インサート10は、一方の四角形面がエンドミル回転方向Tに向けられるすくい面10aとされて、その2つの長辺に主切刃10bが形成されるとともに、2つの短辺には、主切刃10bがエンドミル本体1の外周側に向けられたときに、この主切刃10bのエンドミル本体1先端側に向けられるコーナ刃10cに連なるように副切刃10dが形成されている。なお、主切刃10bは、上記コーナ刃10cから離れるに従い着座面10eとされる他方の四角形面に向けて延びるように傾斜している。
また、すくい面10aの中央部から上記着座面10eの中央部にかけては、切削インサート10を貫通する貫通孔が形成されており、着座面10eは、この貫通孔の中心線に垂直な平面状とされている。さらに、すくい面10aと着座面10eに交差する切削インサート10の4つの側面は逃げ面とされ、本実施形態の切削インサート10は、この逃げ面がすくい面から離れるに従い内方に後退するように傾斜したポジティブタイプの切削インサートとされている。ここで、この逃げ面とされる側面には捩れが与えられていて、これにより着座面10eがなす四角形は、図9および図10に示すようにすくい面10aに対向する方向から見た透視図において、その長辺が上記コーナ刃10c側から離れるに従い該主切刃10bに近づくように傾斜している。
このような切削インサート10は、すくい面10aをエンドミル回転方向Tに向けて上記着座面10eを取付座底面5aに密着させるとともに、4つの側面のうちエンドミル本体1の内周側に向けられる側面を取付座壁面5bに当接させ、また最先端のインサート取付座5に取り付けられる切削インサート10を除いてエンドミル本体1の先端側に向けられる側面を取付座壁面5cに当接させ、1つの主切刃10bをエンドミル本体1の切刃部2の外周側に向けて突出させてインサート取付座5に着座させられ、上記貫通孔に挿通されたクランプネジ11をネジ孔5dにねじ込むことによって着脱可能にエンドミル本体1に取り付けられる。
このようにして1つの切屑排出溝4に形成された複数のインサート取付座5に取り付けられた切削インサート10は、互いに干渉しないようにインサート取付座5と同じく後端側に向かうに従いエンドミル回転方向Tとは反対側に向けて周方向にずらされることになる。このとき、これらの切削インサート10では、その外周側に向けられた主切刃10bが、図9に示されるように軸線O方向に隣接する切削インサート10同士で、軸線O回りの回転軌跡において先端部と後端部とで部分的に重なり合って軸線Oを中心とする概略円筒面状をなすように配置される。
そして、このように軸線O方向に隣接する切削インサート10同士で部分的に重なり合った主切刃10bに対し、上記エンドミル本体1の切刃部2の外周面には、インサート取付座5からエンドミル回転方向Tとは反対側に向けて延びる凹溝6が形成されており、この凹溝6は、軸線O回りの回転軌跡において図9に示すように、軸線O方向に隣り合った切削インサート10の外周側に向けられる主切刃10b同士が重なり合う部分が最深部となるように形成されている。ここで、この凹溝6の上記最深部まで深さAは、本実施形態では0.07mm以上とされている。
また、この凹溝6は、軸線Oに沿った断面において、上記最深部となる軸線Oに平行に延びる溝底面6aと、この溝底面6aから軸線O方向の両端側に向かうに従い互いに離れつつ外周側に延びる2つの溝壁面6b、6cとを有する台形状に形成されている。このうち、軸線Oに沿った断面において、凹溝6の溝底面6aから後端側に延びる溝壁面6bが溝底面6aの後端側への延長線L1に対してなす傾斜角θ1は、凹溝6の溝底面6aから先端側に延びる溝壁面6cが溝底面6aの先端側への延長線L2に対してなす傾斜角θ2よりも小さくされており、この傾斜角θ1は45°以下とされている。
なお、この傾斜角θ1は、本実施形態では上述したすくい面10aに対向する方向から見た透視図において着座面10eの外周側に向けられる長辺がコーナ刃10c側から離れるに従い主切刃10bに近づくように傾斜したときの傾斜角と略等しく設定されており、従ってインサート取付座5の取付座底面5aと凹溝6の溝壁面6bとの交差稜線部は、図10に示すように着座面10eの外周側に向けられる長辺に対して略平行に、僅かにエンドミル本体1の内周側に位置するように配置される。
また、本実施形態では、複数のインサート取付座5からエンドミル回転方向Tとは反対側に延びる複数の凹溝6は軸線O方向に連続しており、すなわち先端側の凹溝6の溝壁面6bと、その後端側に隣接する凹溝6の溝壁面6cとは交差している。さらに、1つの切屑排出溝4のエンドミル回転方向Tを向く壁面に形成されたインサート取付座5からエンドミル回転方向Tとは反対側に向けて延びる凹溝6は、本実施形態では一定の上記深さAおよび断面形状で、この1つの切屑排出溝4のエンドミル回転方向Tとは反対側に隣接した切屑排出溝4に連通している。
このように構成されたエンドミル本体1および該エンドミル本体1に切削インサート10を取り付けた刃先交換式エンドミルでは、上述のようにエンドミル本体1の切刃部2外周面に形成される凹溝6が、軸線O回りの回転軌跡において、軸線O方向に隣り合った切削インサート10の外周側に向けられる主切刃10b同士が重なり合う部分が最深部となるように形成されており、エンドミル本体の振動やビビリによって針状の微細な切屑が生成された場合に、これが周方向にずらされた隣接する切削インサート10の間を通ってエンドミル本体1の外周面に回り込んでも、この凹溝6の最深部に導いて効率的に排出することが可能となる。
従って、上記構成のエンドミル本体1および刃先交換式エンドミルによれば、このような針状の微細な切屑が擦過することによってエンドミル本体1の切刃部2外周面に溶着するのを確実に防ぐことができ、溶着によるエンドミル本体1の破損を防止することが可能となる。なお、本実施形態では、凹溝6がエンドミル回転方向Tとは反対側に隣接した切屑排出溝4に連通しているので、この隣接した切屑排出溝4に微細な切屑を排出することができるが、例えば凹溝6の深さAをエンドミル回転方向Tとは反対側に向かうに従い漸次浅くして、肩削り加工の際などに凹溝6が露出したときに排出されるようにしてもよい。
また、凹溝6の最深部である溝底面6aまでの深さ(本実施形態では、先端側の凹溝6の溝壁面6bと、その後端側に隣接する凹溝6の溝壁面6cとの交差稜線からの深さ)Aは、排出される切屑が針状の微細なものであるので、下限は極浅く上述のように0.07mm以上であればよい。一方、この凹溝6の深さAが深くなりすぎるとエンドミル本体1の剛性不足が助長されて折損を招くおそれがあるので、凹溝6の最深部である溝底面6aまでの深さの上限は工具径(切削インサート10の外周側に向けられる主切刃10bの回転軌跡がなす上記円筒面の直径)の5%程度とされるのが望ましい。
なお、本実施形態では、上述のように複数の凹溝6が軸線O方向に隣接しており、このときの凹溝6の深さAは、隣接する凹溝6の溝壁面6b、6c同士の交差稜線から最深部である溝底面6aまでの深さとなる。また、このように凹溝6が連続せず、間にエンドミル本体1の切刃部2の円筒面状の外周面が残されている場合は、この外周面から最深部である溝底面6aまでの深さが凹溝6の深さAとなる。
さらに、凹溝6の断面形状は、特許文献1に記載されたような円弧状やV字形、U字形であってもよいが、凹溝6の断面が円弧状の場合に上述のように深さAを浅くすると、この円弧の両端部において加工面との間隔が急に狭くなって針状の微細な切屑が噛み込まれ易くなり、やはり溶着を招くおそれがある。また、凹溝6の断面がV字形やU字形では、断面台形の凹溝6に比べて同じ断面積を確保するためには溝深さを深くしなければならなくなるおそれがあってエンドミル本体1の剛性を一層損なうことになる。さらに、V字形断面の凹溝では最深部を起点にエンドミル本体1の切刃部2に折損が生じ易くなる。
これに対して、本実施形態では、凹溝6は、軸線Oに沿った断面において、最深部となる軸線Oに平行に延びる溝底面6aと、この溝底面6aから軸線O方向の両端側に向かうに従い互いに離れつつ外周側に延びる2つの溝壁面6b、6cとを有する台形状に形成されているので、その軸線O方向の両端部における加工面との間隔は一定の割合で小さくなるだけであり、微細な切屑の噛み込みを生じ難い。また、断面がV字形やU字形の凹溝と比べて深さAを浅くしても断面積を確保し易く、さらに溝底面6aと2つの溝壁面6b、6cとは鈍角に交差するので、その交差稜線部からエンドミル本体1に折損が生じるおそれもない。なお、溝底面6aは、凹溝6の深さAが深くなりすぎなければ、溝壁面6b、6cに連なる断面凹曲線状であってもよい。
さらに、本実施形態では、上記切削インサート10として長辺と短辺を有する平行四辺形または長方形の四角形板状のものが用いられ、その一方の四角形面がすくい面10aとしてエンドミル回転方向Tに向けられ、このすくい面10aの2つの長辺のうちの1つがエンドミル本体1の外周側に向けられて切削に使用される。このため、切り込み量を大きくする場合でも、少ない数の切削インサート10によって対応が可能である。
ここで、切削インサート10の他方の四角形面は、インサート取付座5のエンドミル回転方向Tを向く取付座底面5aに密着する着座面10eとなるが、このとき例えば凹溝6の断面形状が、溝底面6aの長さが長くて溝壁面6bの上記傾斜角θ1が溝壁面6cの傾斜角θ2と等しい等脚台形であると、この着座面10eのエンドミル本体1外周側に向けられる長辺と、インサート取付座5の取付座底面5aと凹溝6との間隔(溝底面6aとの間隔)が大きくなって、切削インサート10を支持する部分が小さくなり、切削インサート10の取付安定性が損なわれるおそれがある。
これに対して、本実施形態では、軸線Oに沿った断面において、凹溝6の溝底面6aから後端側に延びる溝壁面6bが溝底面6aの後端側への延長線L1に対してなす傾斜角θ1が、凹溝6の溝底面6aから先端側に延びる溝壁面6cが溝底面6aの先端側への延長線L2に対してなす傾斜角θ2よりも小さくされている。そして、これにより、インサート取付座5の取付座底面5aと凹溝6の後端側に延びる溝壁面6bとの交差稜線は、切削インサート10の着座面10eの外周側に向けられる長辺に沿う方向に延びるように形成されるので、上述のような等脚台形の断面と比べて切削インサート10を支持する部分を大きくして取付安定性を確保することができる。
特に、本実施形態では、図9および図10に示したように切削インサート10をすくい面10aに対向する方向から見た透視図において、着座面10eの外周側に向けられる長辺がコーナ刃10c側から離れるに従い主切刃10bに近づくように傾斜しており、上記傾斜角θ1は、この透視図における主切刃10bに対する着座面10eの外周側に向けられる長辺の傾斜角と略等しく設定されている。このため、インサート取付座5の取付座底面5aと凹溝6の溝壁面6bとの交差稜線部は、図10に示したように着座面10eの外周側に向けられる長辺に略平行に延びることになるので、これらの長辺と交差稜線部の間隔を小さな一定間隔として、切削インサート10の取付安定性を一層向上させることができる。
さらに、本実施形態では、上記傾斜角θ1が45°以下とされていて、軸線Oに沿った断面における凹溝6の溝底面6aと溝壁面6bとの交差角は135°以上の鈍角となる。このため、これら凹溝6の溝底面6aと溝壁面6bとの交差稜線部に切削抵抗による応力が集中するのを防ぐことができ、この交差稜線部を起点としてエンドミル本体1の切刃部2に折損が生じるのも確実に防止することができる。なお、傾斜角θ2についても45°以下とされるのが望ましい。
1 エンドミル本体
2 切刃部
3 シャンク部
4 切屑排出溝
5 インサート取付座
5a 取付座底面
5b、5c 取付座壁面
6 凹溝
6a 溝底面
6b、6c 溝壁面
10 切削インサート
10a すくい面
10b 主切刃(エンドミル本体1の外周側に向けられる切刃)
10e 着座面
O エンドミル本体1の軸線
T エンドミル回転方向
A 凹溝6の深さ
θ1 軸線Oに沿った断面において、凹溝6の溝底面6aから後端側に延びる溝壁面6bが溝底面6aの後端側への延長線L1に対してなす傾斜角
θ2 軸線Oに沿った断面において、凹溝6の溝底面6aから先端側に延びる溝壁面6cが溝底面6aの先端側への延長線L2に対してなす傾斜角

Claims (5)

  1. 軸線を中心とした円柱状をなして上記軸線回りにエンドミル回転方向に回転させられ、先端外周部に形成されたインサート取付座に着脱可能に取り付けられる切削インサートの外周側に向けられる切刃によって切削加工を行う刃先交換式エンドミルのエンドミル本体であって、
    このエンドミル本体の先端外周部には、該エンドミル本体の先端から後端側に延びる切屑排出溝が形成されるとともに、この切屑排出溝のエンドミル回転方向を向く壁面に複数の上記インサート取付座が上記軸線方向に並んで形成されていて、
    これらのインサート取付座に取り付けられる上記切削インサートは周方向にずらされるとともに、外周側に向けられる上記切刃の上記軸線回りの回転軌跡が部分的に重なり合って上記軸線方向に連続し、
    上記エンドミル本体の外周面には、上記インサート取付座からエンドミル回転方向とは反対側に向けて延びる凹溝が形成され、
    この凹溝は、上記軸線回りの回転軌跡において、上記軸線方向に隣り合った上記切削インサートの外周側に向けられる上記切刃同士が重なり合う部分が最深部となるように形成され
    上記凹溝は、上記軸線に沿った断面において、上記最深部となる上記軸線に平行に延びる溝底面と、この溝底面から上記軸線方向の両端側に向かうに従い互いに離れつつ外周側に延びる2つの溝壁面とを有する台形状に形成されていることを特徴とする刃先交換式エンドミルのエンドミル本体。
  2. 上記凹溝の上記最深部まで深さが0.07mm以上であることを特徴とする請求項1に記載の刃先交換式エンドミルのエンドミル本体。
  3. 上記軸線に沿った断面において、上記凹溝の溝底面から後端側に延びる上記溝壁面が該溝底面の後端側への延長線に対してなす傾斜角は、上記凹溝の溝底面から先端側に延びる上記溝壁面が該溝底面の先端側への延長線に対してなす傾斜角よりも小さくされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の刃先交換式エンドミルのエンドミル本体。
  4. 上記軸線に沿った断面において、上記凹溝の溝底面から後端側に延びる上記溝壁面が上記凹溝の溝底面の後端側への延長線に対してなす傾斜角が45°以下とされていることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の刃先交換式エンドミルのエンドミル本体。
  5. 請求項1から請求項のうちいずれか一項に記載の刃先交換式エンドミルのエンドミル本体における上記インサート取付座に、上記切削インサートが、外周側に向けられる上記切刃の上記軸線回りの回転軌跡が部分的に重なり合って上記軸線方向に連続するように着脱可能に取り付けられていることを特徴とする刃先交換式エンドミル。
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