JP2003275907A - スローアウェイインサート - Google Patents

スローアウェイインサート

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JP2003275907A
JP2003275907A JP2002082542A JP2002082542A JP2003275907A JP 2003275907 A JP2003275907 A JP 2003275907A JP 2002082542 A JP2002082542 A JP 2002082542A JP 2002082542 A JP2002082542 A JP 2002082542A JP 2003275907 A JP2003275907 A JP 2003275907A
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JP
Japan
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angle
rake face
breaker
throw
rake
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Application number
JP2002082542A
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English (en)
Inventor
Masafumi Chiba
眞文 千葉
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Moldino Tool Engineering Ltd
Original Assignee
Hitachi Tool Engineering Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】内径の仕上げ加工等の低切込みの切削加工にお
いて、良好な切屑処理ができるインサートを提供する。 【解決手段】内径加工に用いる多角形板状のスローアウ
ェイインサートにおいて、コーナ部近傍の上面には、ボ
ス面方向に向かい、角度θ1で立ち上がる第1ブレーカ
壁、ブレーカ突起及び角度θ2で立ち上がる第2ブレー
カ壁とが設けられており、該ブレーカ突起はθ1以下の
角度θ2で立ち上がる第2ブレーカ壁を介して連なり、
該インサートの着座面を基準として、該コーナ部までの
寸法をH1、該ブレーカ突起までの寸法をH2、該ボス
面までの寸法をH3としたとき、H1<H2<H3とす
ることを特徴とするスローアウェイインサートである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、切削工具の工具本
体に着脱自在に装着して使用されるスローアウェイイン
サートに関し、特に内径仕上げ加工において切屑の処理
を円滑に行うことができるブレーカの構成に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】低切込みや送り量が小さい仕上げ切削加
工を行うときには、スローアウェイインサートのコーナ
部近傍の切刃を使用した加工が行われる。このようなコ
ーナ部近傍の切刃を使用した仕上げ切削加工を行うと、
発生する切屑は薄肉で幅が小さくなる。従来からこのよ
うな切屑を円滑に処理するために、コーナ部近傍にブレ
ーカ突起を設け、このブレーカ突起を利用して切屑処理
を行うインサートが多数提案されている。例えば、特開
平6−55312号公報には、仕上げ切削、軽切削及び
中切削における切屑処理を円滑に行うために、コーナ部
分に第1のブレーカ突起及び第2のブレーカ突起を近接
して成形し、中央ボス面の立上り壁によって第3のブレ
ーカ突起を形成したインサートが開示されている。同公
報には、仕上げ切削では第1のブレーカ突起のみで切屑
処理を行い、軽切削では第1のブレーカ突起及び第2の
ブレーカ突起で切屑処理を行い、中切削では第1〜第3
のブレーカ突起によって切屑処理を行うことが記載され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平6−553
12号公報に記載のインサートは、内径の仕上げ加工時
においては、インサートの切刃中央部(横切刃)が底部
に当たって、薄肉で幅広の切屑を発生させながら加工を
行う場合がある。同公報記載のインサートでは、このよ
うな薄肉で幅広の切屑に対する処理は必ずしも円滑であ
るとはいえない。また、
【0004】本発明の目的は、低切込みの仕上げ加工、
特に、内径加工において、被切削材の底部に切刃の中央
部(横切刃)が当たって幅広の切屑が発生した場合にお
いても、円滑な切屑処理を行なうことができるインサー
トを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】そのため、本願発明は、
内径加工に用いる多角形板状のスローアウェイインサー
トにおいて、コーナ部近傍の上面には、ボス面方向に向
かい、角度θ1で立ち上がる第1ブレーカ壁、ブレーカ
突起及び角度θ2で立ち上がる第2ブレーカ壁とが設け
られており、該ブレーカ突起はθ1以下の角度θ2で立
ち上がる第2ブレーカ壁を介して連なり、該インサート
の着座面を基準として、該コーナ部までの寸法をH1、
該ブレーカ突起までの寸法をH2、該ボス面までの寸法
をH3としたとき、H1<H2<H3とすることを特徴
とするスローアウェイインサートである。
【0006】実施の態様として、切屑処理より、該第1
ブレーカ壁の立ち上がり角度θ1は20°〜40°、該
第2ブレーカ壁の立ち上がり角度θ2は5°〜20°と
し、該第1ブレーカ壁は該H1と同等の高さとなる部位
Pまでの距離Hを、0.3mm〜1.0mmとし、該距
離Hを該切刃の中央部方向に向かうに従ってその幅が漸
次縮小したスローアウェイインサートである。更に、該
切刃の中央部近傍又は該切刃の中央部近傍からコーナ部
寄りのボス面に、該切刃方向に広がる溝部を設けたもの
であり、該溝部の深さは、ボス面から0.1〜0.5m
mとしたことを特徴とするスローアウェイインサートで
ある。また、該切刃のすくい面は、該切刃側からすくい
角がβ1である第1すくい面、該第1すくい面に連なり
そのすくい角がβ2である第2すくい面、該第2すくい
面に連なりそのすくい角がβ3である第3すくい面とを
有し、かつ、β1≦β2、β2≦β3、該第1すくい面
のすくい角β1は0°〜4°、第2すくい面のすくい角
β2は4°〜10°、第3すくい面のすくい角β3は1
0°〜15°としスローアウェイインサートである。
【0007】本発明のスローアウェイインサートにおい
て、H1<H2<H3とした理由は、低切込みや送り量
が小さい仕上げ切削加工を行う場合には、切削により発
生する細く薄肉な切屑は、コーナ部近傍の切刃から立ち
下がり傾斜面を有するすくい面に沿って下降し、続い
て、角度θ1で立ち上がるブレーカ突起の第1のブレー
カ壁に衝突してボス面方向に進み、更に、立ち上がり角
度がθ2である第2のブレーカ壁に衝突してその向きを
変えてカールしながら分断される。このとき、H1<H
2<H3、及びθ1≧θ2の関係を満たしていないと、
薄肉な切屑は適切な大きさにカールしなくなるととも
に、分断されなくなるからである。
【0008】上記第1ブレーカ壁の立ち上がり角度θ1
を20°〜40°に設定した理由は、角度θ1が20°
より小さいと、ブレーカ突起としての機能を果たすこと
ができないからである。すなわち、切屑が第1のブレー
カ壁に衝突してもその速度を適切に低下させることがで
きず、切屑が延びた状態になってカールしなくなる。ま
た、角度θ1が40°を超えると、第1のブレーカ壁に
衝突した切屑は大きくその向きを変えてカールし、切屑
の詰りが発生しやすくなるからである。次に、第2ブレ
ーカ壁の立ち上がり角度θ2を5°〜20°に設定した
理由は、角度θ2が5°より小さいと、第2のブレーカ
壁に衝突した切屑は、カールされない状態でそのまま前
進し、適切な切屑処理が行なわれなくなる。また、角度
θ2が20°を超えると、切屑は第1及び第2ブレーカ
壁により大きくその前進方向の向きが変えられるように
なるので、径が小さいカールが発生しやすくなって、切
屑の詰りが生じやすくなるからである。
【0009】距離Hを0.3mm〜1.0mmとした理
由は、距離Hが0.3mmより小さいと、コーナ部の切
刃とブレーカ突起とが近かすぎるために、切屑の詰りが
発生しやすくなる。一方、1.0mmを越えると、コー
ナ部の切刃とブレーカ突起とが離れ過ぎるため、細く薄
肉の切屑は延びた状態で前進して適切な大きさにカール
しなくなるからである。より望ましくは、この距離Hは
0.5mm〜0.7mmに設定するとよい。
【0010】ボス面に形成した溝部の深さは、ボス面か
ら0.1〜0.5mmとした理由は、0.1mmより浅
いと幅広の切屑をその幅が小さくなるように絞り込むこ
とができなくなる。また、0.5mmを超えると、すく
い面に沿って進行する切屑を上向きに変える立ち上がり
面の長さを十分確保することができなくなり、切屑を適
切な大きさにカールするように向きを変えることができ
なくなるからである。
【0011】切刃方向に広がる溝部を形成した理由は、
低切り込み量の仕上げ切削加工、例えば内径の仕上げ加
工を行っているとき、底部コーナ部において切刃の中央
部(横切刃)がこの底部に当たる場合がある。このよう
な加工では、薄肉で幅広の切屑が発生するため、切屑の
詰りが生じやすい。この不具合を防止するためには、切
刃の中央部近傍に位置するボス面に形成された溝部にこ
の幅広の切屑を導き、この溝部により切屑の幅が縮小さ
れるように拘束してカールさせると、切屑を分断するこ
とが可能になるからである。
【0012】すくい角及び第1すくい面、第2すくい
面、第3すくい面及びそのすくい角β1≦β2、β2≦
β3になるように2段又は3段のすくい面を構成した理
由は、コーナ部近傍の切刃により発生した薄肉で幅狭な
切屑は、まず、このすくい面に沿ってこの面と接触しな
がら速度を低下して下降する。このとき、低切込みで行
なう仕上げ切削加工の送り速度は、被切削材の材質や、
仕上げ面の要求精度等により適切な値に設定される。従
って、この送り速度によって切屑が前進する速度は変わ
るので、上記のようなすくい面のすくい角がβ1≦β
2、β2≦β3となるような2段又は3段のすくい面を
形成すると、確実に切屑をこれらのすくい面に接触させ
ることができるからである。尚、第1すくい面は、切刃
の内側に形成したランド部と兼用してもよい。本発明に
おいては、β1<β2<β3となるような第1、第2、
第3の3段のすくい面を形成して切削抵抗を少なくする
ことがより好ましい。また、上記第1すくい面のすくい
角β1を0°〜4°に限定する理由は、角度β1が4°
を超えると切刃の強度が低下し、切刃の損傷が発生しや
すくなるからである。第2すくい面のすくい角β2を4
°〜10°に限定する理由は、β2が10°を超えると
切刃の強度が低下し、4°より小さいと切れ味の低下、
すなわち切削抵抗が増加するからである。第3すくい面
のすくい角β3を10°〜15°に限定する理由は、β
3が15°を超えると切刃の強度が低下し、10°より
小さいと切れ味の低下、すなわち切削抵抗が増加するか
らである。従って、切刃の強度を保ちつつ、切れ味を持
たせるためには、本発明のスローアウェイインサートは
2段又は3段、好ましくは3段のすくい面を形成し、そ
のすくい角は上記の範囲に設定するとよい。以下、本発
明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は本発明のスローアウェイイ
ンサートの一実施形態を示す正面図、図2は図1におけ
るA−A線に沿う矢視図、図3は同じくB−B線に沿う
矢視図である。図1において、インサート本体1は、超
硬合金あるいはサーメット等の硬質材料を菱形の板状に
形成したものである。このインサート本体1の平面形状
としては図示のような菱形の他、三角形状等の多角形を
採用することができる。インサート本体1は、その厚さ
方向に一対の上下面と、これら上下面の間に設けられた
4つの側面を有している。一対の上下面は、上面2と着
座面となる下面(図示せず)とから構成され、上面2に
は、取付孔3と、取付孔3の外側に平坦な面をなすボス
面4が形成されている。ボス面4は取付孔3の周辺に形
成されている。また、上記4つの側面は切削時の逃げ面
5(図2に示す)を構成している。
【0014】上面2と各逃げ面5との稜線部には切刃6
が形成され、隣接する切刃6が交わる角部がコーナ部7
となっている。切刃6の内側には、この切刃6に沿って
インサート本体1の全周にわたってランド部8が設けら
れ、ランド部8の内側にはインサート本体1の着座面方
向に緩やかに傾斜するすくい面9が構成されている。こ
のすくい面9は、図2に示すように、切刃6側からすく
い角がβ1である第1のすくい面10、すくい角がβ2
である第2のすくい面11、すくい角がβ3である第3
のすくい面12から構成されている。なお、第1のすく
い面10はランド部8と兼用させてもよい。また、すく
い面9の内側、すなわち、ボス面4方向には立ち上がり
面13が形成されている。また、ボス面4は、コーナ部
7方向に突出するように形成されている。
【0015】コーナ部7の近傍ですくい面9とボス面4
との間にはブレーカ突起14が構成されている。このブ
レーカ突起14は、コーナ部7方向に凸状曲面15を有
するように形成されている。また、図2に示すように、
ブレーカ突起14の凸状曲面15は、第3すくい面12
に続く底部16から角度θ1で立ち上がる第1ブレーカ
壁17を有している。更に、ブレーカ突起14は、立ち
上がり角度をθ2とした第2ブレーカ壁18を介して平
坦なボス面4に接続されている。
【0016】更に、図1に示すように、切刃6の中央部
近傍において、ボス面4には切刃6の方向に向いた溝部
19が形成されている。この溝部19は、立ち上がり面
13の途中からボス面4を貫通するように構成する。ま
た、溝部19の幅W3は、切刃6方向に向かうに従って
幅W3が拡大するように、溝部19の両端にはコーナ部
7方向に曲がる壁20、20が形成されている。図3に
示すように、溝部19の深さD、すなわち、ボス面4か
ら溝部19の底面迄の距離は、0.1から0.5mmに
設定することが好ましい。なお、溝部19の位置は、ボ
ス面4が切刃6の中央部近傍に位置する箇所、あるいは
切刃6の中央部近傍から若干コーナ部7寄りに構成する
とよい。
【0017】図1に示すように、すくい面9の幅はコー
ナ部7から距離L1ほどはなれた位置でその幅は最大W
1になり、コーナ部7からの距離L1を越えて切刃6の
中央部に近づくにつれてその幅が漸次縮小され、切刃6
のほぼ中央部において最小の幅W2になるように構成さ
れている。このように切刃6の中央部近傍に配設された
すくい面9は、切刃6の中央部方向に向かうに従ってそ
の幅が漸次縮小するように構成すると、切刃6の中央部
を使用した加工を行って幅広の切屑が発生した場合、こ
の切屑の幅を絞り、カールしやすいように変形させる効
果が生じる。
【0018】図2に示すように、インサート本体1の着
座面を基準として、コーナ部7迄の寸法をH1、凸曲面
状ブレーカ突起14迄の寸法をH2、ボス面4迄の高さ
をH3としたとき、H1<H2<H3となるように構成
する。更に、第1のブレーカ壁17は、着座面からコー
ナ部7迄の寸法H1と同等の高さとなる部位Pを有し、
コーナ部7からこの部位P迄の距離Hを0.3mm〜
1.0mmとなるようにすることが好ましい。更に本発
明のインサートにおいては、第1のブレーカ壁17の立
ち上がり角度をθ1、第2のブレーカ壁18の立ち上が
り角度をθ2とした場合、θ1≧θ2となるようにす
る。このθ1、θ2の角度としては、θ1は20°〜4
0°、θ2は5°〜20°になるように構成することが
好ましい。
【0019】また、すくい面9のすくい角については、
第1すくい面10のすくい角をβ1、第2すくい面11
のすくい角をβ2、第3すくい面12のすくい角をβ3
とした場合、β1≧β2、β2≧β3となるように構成
する。このβ1、β2、β3の角度としては、β1は0
°〜4°、β2は4°〜10°、β3は10°〜15°
になるように構成することが好ましい。
【0020】続いて、本発明のインサートを使用して低
切り込みの仕上げ加工を行ったときの切屑処理について
説明する。まず、コーナ部7近傍の切刃6を使用した仕
上げ加工について説明する。この仕上げ加工では、薄肉
で幅狭な切屑が発生する。このような切屑は、まず、コ
ーナ部7における切刃6の内側に形成されたすくい面9
に沿って下降する。このとき、送り速度が比較的低い仕
上げ加工の場合には、切屑は第1すくい面10、第2す
くい面11と接触しながら下降する。また、送り速度が
比較的高い仕上げ加工の場合には、切屑は第2すくい面
11あるいは第3すくい面12と接触しながら下降す
る。続いて、切屑はブレーカ突起14に形成されている
第1ブレーカ壁17に衝突して速度を低下させつつ、上
方に向きを変えながら前進し、第2ブレーカ壁18に衝
突する。第2ブレーカ壁18に衝突した切屑は、その向
きを更に変えて適度な大きにカールされることになる。
送り速度が比較的高い仕上げ加工の場合には、切屑は第
1ブレーカ壁17の部位Pより若干上方に衝突し、その
速度は十分低下させることができない場合が生じるが、
更に切屑は第2のブレーカ壁18に衝突して速度を低下
させてその向きを変え、適度な大きさにカールし分断さ
れることになる。
【0021】一方、切刃6の中央部近傍を使用した加工
を行った場合には、薄肉で幅広な切屑が発生する。この
ような切屑は、まず、切刃6の内側に形成されたすくい
面9に沿って下降する。このとき、上記コーナ部7を使
用した仕上げ加工と同様に、送り速度が比較的低い仕上
げ加工の場合には、切屑は第1すくい面10、第2すく
い面11と接触しながら下降する。また、送り速度が比
較的高い仕上げ加工の場合には、切屑は第2すくい面1
1あるいは第3すくい面12と接触しながら下降する。
続いて、切屑は立ち上がり面13に沿って上昇しながら
溝部19方向に導かれる。溝部19の両側には切刃6の
方向にハ状に形成された壁20、20が配置され、しか
も溝部19の幅W3は切刃6方向に拡大している。この
ため、切屑はこの壁20、20に衝突した後、溝部19
と壁20、20とによりその幅が小さくなるように絞ら
れながら前進し、適度な大きさにカールし分断されるこ
とになる。更に本発明においては、切刃6の中央部近傍
に配設されたすくい面9は、切刃6の中央部方向に向か
うに従ってその幅が漸次縮小するように構成されている
ので、幅広の切屑がすくい面に沿って下降するときこの
すくい面の幅の差により切屑はより変形しやすくなる。
すなわち、このようにすくい面の幅を変化させることに
より、幅広の切屑の幅を絞りながらカールしやすいよう
に変形させる効果を助長させることができる。
【0022】
【実施例】本発明のインサートにおいて、第1のブレー
カ壁は、着座面からコーナ部迄の寸法H1と同等の高さ
となる部位Pを有し、更にコーナ部からこの部位P迄の
距離Hが円滑な切屑処理を行なうために重要になる。そ
こで、この距離Hを0.2〜1.2mmに設定した超硬
合金製のインサートを作成し、コーナ部近傍の切刃6を
使用した内径仕上げ加工の繰り返しテストを行って、切
屑の処理状況を観察した。なお、切削条件は、送り速度
を0.05〜0.30mm/revに変えてテストし、
切削速度は170m/分とした。また、この切削加工テ
ストに使用した被切削材の材質はS53Lである。ま
た、テストに使用したインサートの仕様は次の通りであ
る。 コーナ部の高さ(H1):3.15mm ブレーカ突起の高さ(H2):3.40mm ボス面の高さ(H3):3.48mm 第1のブレーカ壁の立ち上がり角度(θ1):30° 第2のブレーカ壁の立ち上がり角度(θ2):15° 第1のすくい面のすくい角(β1):0° 第2のすくい面のすくい角(β2):4° 第3のすくい面のすくい角(β3):13°
【0023】上記した切削加工テストの結果を図4に示
す。図4において、◎印は良好な切屑処理が行なわれた
場合、△印は繰り返しテストのほとんどについて良好な
切屑処理が行なわれたが、一部のテストにおいて切屑が
適切な大きさにカールしない場合、あるいは若干の切屑
の詰りが認められた場合、×印は切屑の伸びあるいは切
屑の詰りが発生し、正常な切屑処理ができなかった場合
を示す。図4に示すテスト結果から次のことが明らかに
なった。 1)コーナ部7から第1のブレーカ壁17の部位P迄の
距離Hが0.3mmより少ないか、あるいは1.0mm
より大きいと、適切な切屑処理ができなかった。 2)コーナ部7から第1のブレーカ壁17の部位P迄の
距離Hを0.3〜1.0mmに設定すると、ほぼ良好な
切屑処理ができ、特に距離Hを0.5〜0.7mmに設
定すると良好な切屑処理を行なうことができた。本発明
のインサートの形状の平面形状は、菱形形状について説
明したが、菱形形状の他に、平行四辺形などの四辺形、
三角形等の多角形状についても実施することができる。
【0024】
【発明の効果】以上に説明した本発明は、内径の仕上げ
切削加工を行っているときに、被切削材の底部に切刃の
中央部(横切刃)が当たって幅広の切屑が発生した場合
においても、良好な切屑処理を行なうことができる仕上
げ切削加工用インサートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインサートの実施の形態を示す正面図
である。
【図2】図1のA−A線に沿う矢視図である。
【図3】図2のB−B線に沿う矢視図である。
【図4】本発明例、比較例の切屑処理の状況を説明する
ための図である。
【符号の説明】
1:インサート本体 2:上面 3:取付孔 4:ボス面 5:逃げ面 6:切刃 7:コーナ部 8:ランド部 9:すくい面 10:第1すくい面 11:第2すくい面 12:第3すくい面 13:立ち上がり面 14:ブレーカ突起 15:凸状曲面 16:底部 17:第1のブレーカ壁 18:第2のブレーカ壁 19:溝部 20:壁。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内径加工に用いる多角形板状のスローアウ
    ェイインサートにおいて、コーナ部近傍の上面には、ボ
    ス面方向に向かい、角度θ1で立ち上がる第1ブレーカ
    壁、ブレーカ突起及び角度θ2で立ち上がる第2ブレー
    カ壁とが設けられており、該ブレーカ突起はθ1以下の
    角度θ2で立ち上がる第2ブレーカ壁を介して連なり、
    該インサートの着座面を基準として、該コーナ部までの
    寸法をH1、該ブレーカ突起までの寸法をH2、該ボス
    面までの寸法をH3としたとき、H1<H2<H3とす
    ることを特徴とするスローアウェイインサート。
  2. 【請求項2】請求項1記載のスローアウェイインサート
    において、該第1ブレーカ壁の立ち上がり角度θ1は2
    0°〜40°、該第2ブレーカ壁の立ち上がり角度θ2
    は5°〜20°としたことを特徴とする請求項1に記載
    のスローアウェイインサート。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載のスローアウェイイン
    サートにおいて、該第1ブレーカ壁は該H1と同等の高
    さとなる部位Pまでの距離Hを、0.3mm〜1.0m
    mとしたことを特徴とするスローアウェイインサート。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3記載のスローアウェイイン
    サートにおいて、該距離Hを該切刃の中央部方向に向か
    うに従ってその幅が漸次縮小することを特徴とするスロ
    ーアウェイインサート。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4記載のスローアウェイイン
    サートにおいて、該切刃の中央部近傍又は該切刃の中央
    部近傍からコーナ部寄りのボス面に、該切刃方向に広が
    る溝部を設けたことを特徴とするスローアウェイインサ
    ート。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5記載のスローアウェイイン
    サートにおいて、該溝部の深さは、ボス面から0.1〜
    0.5mmとしたことを特徴とするスローアウェイイン
    サート。
  7. 【請求項7】請求項1乃至6記載のスローアウェイイン
    サートにおいて、該切刃のすくい面は、該切刃側からす
    くい角がβ1である第1すくい面、該第1すくい面に連
    なりそのすくい角がβ2である第2すくい面、該第2す
    くい面に連なりそのすくい角がβ3である第3すくい面
    とを有し、かつ、β1≦β2、β2≦β3としたことを
    特徴とするスローアウェイインサート。
  8. 【請求項8】請求項7記載のスローアウェイインサート
    において、該第1すくい面のすくい角β1は0°〜4
    °、第2すくい面のすくい角β2は4°〜10°、第3
    すくい面のすくい角β3は10°〜15°としたことを
    特徴とするスローアウェイインサート。
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