JP5033917B2 - 連続鋳造スラブの移送装置 - Google Patents

Description

本発明は、相互に等間隔で平行配置された複数の連続鋳造経路から、前記各連続鋳造経路のいずれか１つの延長上に配置された１つの生産ラインに連続鋳造スラブを移送するための装置に関する。

この種の装置は多種多様な実施において知られている。

例えば特許文献１に述べられた設備では、２つ以上の連続鋳造機から進出する鋳片が圧延設備に供給され、詳細には旋回可能な案内部によって供給される。この案内部は一方で連続鋳造経路に、他方で圧延ラインに位置合わせ可能である。

旋回台車とも称されるこの旋回可能な案内部は、設備が３つの連続鋳造経路を有する場合中央の連続鋳造経路に付設されており、自由端において、その両隣に配置される各外側連続鋳造経路のライン上へと旋回可能である。圧延ラインは一般に中央の連続鋳造経路と位置合わせされており、両隣の各外側連続鋳造経路から送出される分割スラブは旋回台車によって受容され、この旋回台車によって中央の連続鋳造経路へと方向転換され、次に再び前方に圧延ラインに導入される。

このように３つの連続鋳造経路を１つの旋回台車で操作することは生産フロー全体における顕著なボトルネックとなっている。

仕上げ圧延機に外側連続鋳造経路から実質的にスラブもしくは粗帯材を供給するのに必要な時間のためにサイクル時間が長くなり、それによって、この仕上げ圧延機の潜在能力を全て利用することができない。

例えば、仕上げ圧延機内でロール交換が必要になった場合、連続鋳造経路への供給は緩衝部として利用されなければならない。その後でこの緩衝部を解消する場合、大きなサイクル時間においてかなりの時間が必要となる。

加えて、中央の連続鋳造経路は、旋回台車が配置された分だけ短縮され、それに伴い、一層少ない堰空間または緩衝空間を提供するに過ぎない。

旋回台車への移送時および仕上げ圧延機への転送時の２度の方向反転によって、炉システム内での滞留時間が長くなり、それに伴い、酸化皮膜形成が進行する。酸化皮膜損失の増大による歩留りの低下と、製品の品質への影響を想定しなければならない。

欧州特許第９０８２４４号明細書

本発明の課題は、連続鋳造設備の生産フローを仕上げ圧延機の生産フローに良好に適合できるように充分に短縮されたサイクル時間で動作可能な連続鋳造スラブの移送または転送装置を提供することである。

この課題は、本発明によれば、前記各連続鋳造経路の終端と前記生産ラインの始端との間でステップ式に横移動可能な台車を備え、前記台車が、前記スラブの複数を実質同時に受容可能でありかつ送出可能な複数の載置台を有することによって解決される。

この解決は２つの選択的実施形態を予定している。詳細には、一方は、前記台車が、前記連続鋳造経路の前記間隔に一致した間隔に配置された２つの前記載置台を有し、かつ、前記連続鋳造経路の前記間隔に対応したピッチで横移動可能であるような態様であり、他方は、前記台車が、前記各連続鋳造経路の前記間隔だけ離間された２つの外側載置台およびそれらの間に配置された第３載置台からなる３つの載置台を有し、かつ、前記各連続鋳造経路の前記間隔の半分のピッチで横移動可能であるような態様である。

前記台車上の前記載置台の長さは少なくともスラブ長に一致すべきであろう。

さらに好ましい態様では、前記各載置台は保熱炉として形成されている。

上記解決の利点は、以下の説明を検討すれば明らかなように、サイクル時間が短縮されることにある。

第１実施例を前提にすると、同じ相互間隔に、つまり並べて配置される３つの連続鋳造経路が設けられ、中央の連続鋳造経路に仕上げ圧延機が付設されている。すなわち、中央の連続鋳造経路は仕上げ圧延機と一直線に整列されている。

台車が２つのいわゆる載置台を有し、台車上での載置台の横方向間隔は連続鋳造経路の相互間隔と一致している。

台車は各連続鋳造経路の終端と仕上げ圧延機の始端との間で横方向に、しかもステップ式に、移動可能である。すなわち、横移動時に台車上のいずれか１つの載置台が常に仕上げ圧延機または生産ラインと位置合わせされ、第２載置台は側部連続鋳造経路の一方と位置合わせされている。従って、ステップ式移動とは、台車が各連続鋳造経路の相互間隔に対応したピッチで横方向に移動可能であることを意味する。

先に台車上の２つの載置台に言及した場合、これは当然に、２つの台車が各１つの載置台と連結されており、載置台が運動の点で台車と同様に挙動する可能性も含む。

次に、以下において、個々の運動経過をどのように実施できるのかが述べられる。

上記第２選択的実施は３つの載置台を備えた台車を予定しており、両方の外側載置台は連続鋳造経路の相互間隔に一致した相互間隔を有する。

この解決においても、台車は前期同様にステップ式で横移動するが、各連続鋳造経路の相互間隔の半分のピッチで横移動し、いずれの時点でも、載置台のいずれか１つが常に１つの連続鋳造経路に位置合わせされ、別の載置台は仕上げ圧延機または生産ラインに位置合わせされている。

その場合にも当然に台車は互いに連結された個別台車で構成することができる。

この解決は、後に運動可能性を検討するときなお説明するようにサイクル時間に関して最適である。

しかしこの解決では、中央の連続鋳造経路が場合によっては両方の側部連続鋳造経路の２倍の頻度で始動できる利点がなお興味ある点である。そのことから例えば、中央連続鋳造経路内で一層短いスラブを加工し、またはこの中央連続鋳造経路内で供給速度も、両方の側部連続鋳造経路におけるよりも高く選択する可能性が得られる。

緩衝部を形成する場合、本発明に係るこの解決でもって個々の連続鋳造経路内でも異なる速さの緩衝部解消を達成することもできる。

次に、本発明の理解を深めるために図面を参考に両方の実施形態についての運動経過を説明する。図面には３つの連続鋳造経路と１つの台車とを備えた装置が略示してあるだけである。

３つの連続鋳造経路と１つの台車とを備えた装置の略図である。 ３つの連続鋳造経路と１つの台車とを備えた装置の略図である。 ３つの連続鋳造経路と１つの台車とを備えた装置の略図である。

まず、台車上の載置台の相互間隔が連続鋳造経路の相互間隔に一致した第１実施形態から出発すると、図１ａから明らかとなるように台車は中央連続鋳造経路および右側連続鋳造経路の前にある。右側連続鋳造経路からスラブが積み込まれる間、中央でスラブは仕上げ圧延機に送出されている。台車は次に１ステップ左に移動し（１ｂ）、こうして一方で再び中央でスラブを送出することができ、他方で左側ではスラブが受容される。

図１ｆは中央連続鋳造経路と右側連続鋳造経路から両方の載置台に同時に積み込まれ、同時にまだ台車上にあるスラブが仕上げ圧延機に送出されることを示す。

明白なことであるが台車の相応する移動時に仕上げ圧延機へのスラブ送出の順番は当然変更することもでき、但し新たなスラブの受容が行われるとしても中央連続鋳造経路もしくは仕上げ圧延機を通過することによってはじめてなお第２スラブは受容され、次にやはりこのスラブが最初に送出される。

図１ａ〜図１ｈによる実施において（３つのスラブにわたって平均した）平均サイクル時間は次式で得られる：

図２の個別図に３つの載置台を備えた台車の動作様式が示してあり、両方の外側載置台は連続鋳造経路の相互間隔で配置され、それらの間に第３載置台が配置されている。

その際次に、次の交換位置、つまり受容位置または送出位置に到達するには連続鋳造経路間隔の半分の移動路程が必要であるにすぎない。図２ｂは左側連続鋳造経路からの第３スラブ用の受容位置を示し、図２ｃは左側載置台内での受容と同時に右側載置台から仕上げ圧延機への送出とを示す。他の交換過程は別の図から明白となるが、そのことに詳しくは言及しない。

（４つのスラブにわたって平均した）平均サイクル時間は次式で得られる：

最後に、図３の実施形態をなお指摘しておく。運動経過と個々のスラブ供給もしくは送出は個々の図３ａ〜図３ｊから明らかとなる。

ここでも（３つのスラブにわたって平均した）平均サイクル時間は次式で明示することができる：

なお、以上の説明では、常に用語「スラブ」が使用されたが、本発明に係る解決は、粗帯材または同様の他の生産プロセスにおいて扱うことのできる別の製品の供給または移送に適用可能であることを付言する。

Claims (3)

1. 相互に等間隔で平行配置された複数の連続鋳造経路から、前記各連続鋳造経路のいずれか１つの延長上に配置された１つの生産ラインに連続鋳造スラブを移送するための移送装置において、前記各連続鋳造経路の終端と前記生産ラインの始端との間でステップ式に横移動可能な台車を備え、前記台車は、前記各連続鋳造経路の前記間隔だけ離間された２つの外側載置台およびそれらの間に配置された第３載置台からなる３つの載置台を有し、かつ、前記各連続鋳造経路の前記間隔の半分のピッチで横移動可能であることを特徴とする連続鋳造スラブの移送装置。
2. 前記台車上の前記各載置台の長さは、少なくともスラブ長に一致していることを特徴とする請求項１記載の連続鋳造スラブの移送装置。
3. 前記各載置台が保熱炉として形成されていることを特徴とする先行請求項の何れか一項記載の連続鋳造スラブの移送装置。

Images