JP4935247B2 - プロピレン−エチレンブロック共重合体およびその成形体 - Google Patents

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Description

本発明は、プロピレン−エチレンブロック共重合体およびその成形体に関するものである。さらに詳細には、靭性、外観、耐熱性に優れるプロピレン−エチレンブロック共重合体およびその成形体に関するものである。
ポリプロピレンは、剛性や耐衝撃性が必要とされる用途、例えば、自動車の内外装材や電気製品の部品として、広く用いられている。ポリプロピレンの中でも、剛性や耐衝撃性が必要とされる用途には、プロピレン−エチレンブロック共重合体が用いられている。
例えば、特開平9−48831号公報には、プロピレン−エチレンブロック共重合体の耐衝撃性、剛性及び成形性の改良を目的として、ホモポリプロピレン部分と、極限粘度が2〜5dl/gの低エチレン濃度のプロピレンエチレン共重合部分と、極限粘度が3〜6dl/gの高エチレン濃度のプロピレンエチレン共重合部分とからなるプロピレン−エチレンブロック共重合体が記載されている。
また、特開2003−327642号公報には、成形体の剛性、硬度および成形性の改良、さらに靭性および低温耐衝撃性のバランスの改良を目的として、結晶性ポリプロピレン部分と、極限粘度が1.5dl/g以上4dl/g未満のプロピレン−エチレンランダム共重合体と極限粘度が0.5dl/g以上3dl/g未満のプロピレン−エチレンランダム共重合体とからなるプロピレン−エチレンランダム共重合体部分とを含有するプロピレン−エチレンブロック共重合体が記載されている。
特開平9−48831号公報 特開2003−327642号公報
しかし、上記公報等に記載されているプロピレン−エチレンブロック共重合体についても、靭性、外観、耐熱性については、さらなる改良が望まれていた。
かかる状況の下、本発明の目的は、靭性、外観、耐熱性に優れるプロピレン−エチレンブロック共重合体およびその成形体を提供することにある。
本発明者は、鋭意検討した結果、本発明が、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
プロピレン単独重合体または、プロピレンと含有量が1モル%以下のエチレンまたは炭素数4以上のα-オレフィンとの共重合体である結晶性ポリプロピレン部分60〜85重量%と、プロピレンとエチレンの重量比(プロピレン/エチレン(重量/重量))が75/25〜35/65であるプロピレン−エチレンランダム共重合体部分15〜40重量%とを含有し、下記要件(1)および要件(2)を満足するプロピレン−エチレンブロック共重合体(ただし、プロピレン−エチレンブロック共重合体の全量を100重量%とする)、および、その成形体に係るものである。
要件(1)プロピレン−エチレンランダム共重合体部分が、プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(EP−A)とプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(EP−B)とを含有し、
共重合体成分(EP−A)の極限粘度[η]EP-Aがdl/g以上8dl/g未満、エチレン含有量[(C2’)EP-A]が20〜60重量%であり(ただし、共重合体成分(EP−A)の全量を100重量%とする)、
共重合体成分(EP−B)の極限粘度[η]EP-Bが0.5dl/g以上3dl/g未満、エチレン含有量[(C2’)EP-B]が40〜60重量%である(ただし、共重合体成分(EP−B)の全量を100重量%とする)。
要件(2)プロピレン−エチレンブロック共重合体のメルトフローレート(MFR)が5〜120g/10分である。
本発明によれば、靭性、外観、耐熱性に優れるプロピレン−エチレンブロック共重合体およびその成形体を得ることができる。
本発明のプロピレン−エチレンブロック共重合体は、プロピレン単独重合体または、プロピレンと含有量が1モル%以下であるエチレンまたは炭素数4以上のα−オレフィンとの共重合体である結晶性ポリプロピレン部分60〜85重量%と、プロピレンとエチレンの重量比(プロピレン/エチレン(重量比/重量比))が75/25〜35/65であるプロピレン−エチレンランダム共重合体部分15〜40重量%とを含有するものである(ただし、プロピレン−エチレンブロック共重合体の全量を100重量%とする)。
結晶性ポリプロピレン部分が60重量%未満の場合(すなわちプロピレン−エチレンランダム共重合体部分が40重量%を超えた場合)、剛性や硬度が低下したり、メルトフローレート(MFR)が低下して十分な成形性が得られないことがあり、結晶性ポリプロピレン部分が85重量%を超えた場合(すなわちプロピレン−エチレンランダム共重合体部分が15重量%未満の場合)、靭性や耐衝撃性が低下することがある。
本発明のプロピレン−エチレンブロック共重合体に含有される結晶性ポリプロピレン部分は、プロピレン単独重合体または、プロピレンと含有量が1モル%以下であるエチレンまたは炭素数4以上のα−オレフィンとの共重合体である結晶性ポリプロピレンである(ただし、結晶性ポリプロピレンの全量を100モル%とする)。エチレンまたは炭素数4以上のα-オレフィンの含有量が1モル%を超えると、剛性、耐熱性または硬度が低下する場合がある。
本発明のプロピレン−エチレンブロック共重合体に含有される結晶性ポリプロピレン部分としては、剛性、耐熱性または硬度を高めるという観点から、プロピレン単独重合体が好ましく、さらに好ましくは13C−NMRにより計算されるアイソタクチックペンタッド分率が0.95以上であるプロピレン単独重合体である。アイソタクチック・ペンタッド分率とは、A.ZambelliらによってMacromolecules,6,925(1973)に記載されている方法、すなわち13C−NMRを使用して測定されるポリプロピレン分子鎖中のペンタッド単位でのアイソタクチック連鎖、換言すればプロピレンモノマー単位が5個連続してメソ結合した連鎖の中心にあるプロピレンモノマー単位の分率である(ただし、NMR吸収ピークの帰属は、その後発刊されたMacromolecules,8,687(1975)に基づいて同定されるものである)。具体的には、13C−NMRスペクトルのメチル炭素領域の全吸収ピーク中のmmmmピークの面積分率としてアイソタクチック・ペンタッド分率を測定する。この方法により英国 NATIONAL PHYSICAL LABORATORYのNPL標準物質 CRM No.M19-14Polypropylene PP/MWD/2のアイソタクチック・ペンタッド分率を測定したところ、0.944であった。
本発明のプロピレン−エチレンブロック共重合体の結晶性ポリプロピレン部分の極限粘度[η]Pは、溶融時の流動性と成形体の靭性とのバランスを良好にするという観点から、好ましくは1.5dl/g以下であり、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)で測定した分子量分布(Q値、Mw/Mn)として、好ましくは3以上7未満であり、より好ましくは3以上5以下である。
本発明のプロピレン−エチレンブロック共重合体に含有されるプロピレン−エチレンランダム共重合体部分のプロピレンとエチレンの重量比(プロピレン/エチレン(重量/重量))は75/25〜35/65であり、好ましくは70/30〜40/60である。プロピレンとエチレンの重量比が上記の範囲にない場合、十分な耐衝撃性が得られないことがある。
本発明のプロピレン−エチレンブロック共重合体のプロピレン−エチレンランダム共重合体部分は、プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(EP−A)とプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(EP−B)とを含有する。
プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(EP−A)のエチレン含量[(C2’)EP-A]は20〜60重量%であり、好ましくは25〜45重量%であり、より好ましくは35〜45重量%である。(ただし、共重合体成分(EP−A)の全量を100重量%とする)。エチレン含量[(C2’)EP-A]が上記の範囲にない場合、機械的物性バランス、例えば、靭性や耐熱性や耐衝撃性が低下することがある。
プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(EP−A)の極限粘度[η]EP-Aは、4dl/g以上8dl/g未満であり、好ましくは5dl/g以上8dl/g未満である。極限粘度[η]EP-Aが4dl/g未満の場合、剛性や硬度が低下したり、外観が悪化したり、靭性や耐衝撃性や耐熱性も低下することがある。極限粘度[η]EP-Aが8dl/g以上の場合、成形品にブツが多発したり、プロピレン−エチレンランダム共重合体部分の含有量が多いプロピレン−エチレンブロック共重合体において、プロピレン−エチレンブロック共重合体全体のメルトフローレート(MFR)が低下し、流動性が低下することがある。
プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(EP−B)のエチレン含量[(C2’)EP-B]は40〜60重量%であり、好ましくは42〜60重量%であり、より好ましくは45〜60重量%である(ただし、共重合体成分(EP−B)の全量を100重量%とする)。エチレン含量[(C2’)EP-B]が上記範囲にない場合、機械的物性バランス、例えば、低温での耐衝撃性が低下することがある。
プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(EP−B)の極限粘度[η]EP-Bは0.5dl/g以上3dl/g未満であり、好ましくは1dl/g以上3dl/g未満である。極限粘度[η]EP-Bが0.5dl/g未満の場合、剛性や硬度が低下したり、靭性や耐衝撃性も低下することがある。極限粘度[η]EP-Bが3dl/g以上の場合、靭性や耐衝撃性が低下することがある。また、プロピレン−エチレンランダム共重合体部分の含有量が多いプロピレン−エチレンブロック共重合体においては、プロピレン−エチレンブロック共重合体全体のメルトフローレート(MFR)が低下し、流動性が低下することがある。
本発明のプロピレン−エチレンブロック共重合体のメルトフローレート(MFR)は5〜120g/10分であり、好ましくは10〜100g/10分である。メルトフローレート(MFR)が、5g/10分未満の場合、成形性が悪化したり、フローマーク発生を防止する効果が不充分なことがあり、120g/10分を超えた場合、耐衝撃性が低下することがある。
本発明のプロピレン−エチレンブロック共重合体の製造方法は、公知の重合触媒を用いて、公知の重合方法によって製造する方法が挙げられる。
公知の重合触媒としては、例えば、(a)マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび電子供与体を必須成分として含有する固体触媒成分、(b)有機アルミニウム化合物、および(c)電子供与体成分から形成される触媒系が挙げられる。この触媒の製造方法は、例えば、特開平1−319508号公報、特開平7−216017号公報、特開平10−212319号公報、特開2003−105020号公報等に詳しく記載されている。
公知の重合方法としては、例えば、バルク重合、溶液重合、スラリー重合、気相重合等が挙げられる。これらの重合方法は、バッチ式、連続式のいずれでも可能であり、また、これらの重合方法を任意に組合せもよい。より具体的な製造方法としては、前述の固体触媒成分(a)、有機アルミニウム化合物(b)及び電子供与体成分(c)からなる触媒系の存在下に少なくとも3槽からなる重合槽を直列に配置し、
(1)結晶性ポリプロピレン部分を重合後、該結晶性ポリプロピレン部分を次の重合槽へ移し、その重合槽でプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(EP−A)を重合し、該共重合体成分(EP−A)を次の重合槽へ移し、その重合槽でプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(EP−B)を連続的に重合する重合法や、
(2)結晶性ポリプロピレン部分を重合後、該結晶性ポリプロピレン部分を次の重合槽へ移し、その重合槽でプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(EP−B)を重合し、該共重合体成分(EP−B)を次の重合槽へ移し、その重合槽でプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(EP−A)を連続的に重合する重合法
が挙げられる。工業的かつ経済的な観点から、連続式の気相重合法が好ましく、また、
プロピレンの濃度が低下する順に重合する方法が好ましい。
上記の重合方法における固体触媒成分(a)、有機アルミニウム化合物(b)および電子供与体成分(c)の使用量や、各触媒成分を重合槽へ供給する方法は、触媒の使用方法によって、適宜、決めることができる。
重合温度は、通常、−30〜300℃であり、好ましくは20〜180℃である。重合圧力は、通常、常圧〜10MPaであり、好ましくは0.2〜5MPaである。分子量調整剤として、例えば、水素を用いることができる。
本発明のプロピレン系重合体の製造において重合(本重合)の実施前に、公知の方法によって、予備重合を行っても良い。公知の予備重合の方法としては、例えば、固体触媒成分(a)および有機アルミニウム化合物(b)の存在下、少量のプロピレンを供給して溶媒を用いてスラリー状態で実施する方法が挙げられる。
本発明のプロピレン−エチレンブロック共重合体には、必要に応じて、本発明の前記ブロック共重合体以外の樹脂や、各種添加剤を加えてもよい。
前記ブロック共重合体以外の樹脂としては、例えば、エラストマー等が挙げられる。また、添加剤としては、例えば、酸化防止剤や紫外線吸収剤、無機充填剤や有機充填剤等が挙げられる。
本発明のプロピレン−エチレンブロック共重合体を、一般に公知の成形方法によって、成形体に成形することができる。好ましくは、射出成形体であり、より好ましくは、自動車用射出成形体であり、例えば、ドアートリム、ピラー、インストルメンタルパネル、バンパー等が挙げられる。
以下、実施例により本発明を説明する。実施例で用いる重合体の物性の測定方法を、以下に示す。
(1)極限粘度(単位:dl/g)
ウベローデ型粘度計を用いて濃度0.1、0.2および0.5g/dlの3点について還元粘度を測定した。極限粘度は、「高分子溶液、高分子実験学11」(1982年共立出版株式会社刊)第491頁に記載の計算方法すなわち、還元粘度を濃度に対しプロットし、濃度をゼロに外挿する外挿法によって求める。テトラリンを溶媒として用いて、温度135℃で測定した。
(2)プロピレン−エチレンブロック共重合体の極限粘度
(2−1)結晶性ポリプロピレン部分の極限粘度:[η]P
プロピレン単独重合体又は、プロピレンと1モル%以下のエチレン若しくは炭素数4以上のα−オレフィンが共重合された結晶性ポリプロピレン部分の極限粘度[η]Pは、その製造時に、結晶性ポリプロピレン部分の重合後に重合槽から、重合体パウダーを取り出し、上記(1)の方法で測定して求める。
(2−2a)プロピレン−エチレンランダム共重合体部分の極限粘度:[η]EP
プロピレン−エチレンランダム共重合体部分の極限粘度:[η]EPは、プロピレン単独重合体部分の極限粘度:[η]Pとプロピレン−エチレンブロック共重合体全体の極限粘度:[η]Tをそれぞれ上記(1)の方法で測定し、プロピレン−エチレンランダム共重合体部分のプロピレン−エチレンブロック共重合体全体に対する重量比率:Xを用いて次式から計算によって求める。(プロピレン−エチレンブロック共重合体全体に対する重量比率:Xは、下記(4)の測定方法によって求める。)
[η]EP=[η]T/X−(1/X−1)[η]P
[η]P:プロピレン単独重合体部分の極限粘度(dl/g)
[η]T:プロピレン−エチレンブロック共重合体全体の極限粘度(dl/g)
(2−2b)プロピレン−エチレンランダム共重合体部分が、プロピレン−エチレン−ブテンランダム共重合体成分(EPB)とプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(EP)からなるような2段の重合で得られるプロピレン−エチレンランダム共重合体の場合は、第1段目の共重合体部分(EP−1)の極限粘度[η]EP-1と、第2段目に重合される共重合体部分(EP−2)の極限粘度[η]EP-2と、EP−1とEP−2を含む最終的に得られるプロピレン−エチレンブロック共重合体に含有されるプロピレン−エチレンランダム共重合体部分の極限粘度[η]EPをそれぞれ以下の方法で求める。
(2-2b-1)[η]EP-1
第1段目の共重合体部分(EP−1)を重合した後に重合槽から取り出したサンプルの極限粘度([η](1))を測定し、上記(2−2a)と同様に第1段目の共重合体部分(EP−1)の極限粘度[η]EP-1を求める。
[η]EP-1=[η](1)/X(1)−(1/X(1)−1)[η]P
[η]P:プロピレン単独重合体部分の極限粘度(dl/g)
[η](1):EP−1重合後のプロピレン−エチレンブロック共重合体全体の極限粘度(dl/g)
X(1):EP−1重合後のプロピレン−エチレンブロック共重合体全体に対するEP−1の重量比率
(2-2b-2)[η]EP
EP−1とEP−2を含む最終的に得られるプロピレン−エチレンブロック共重合体に含有されるプロピレン−エチレンランダム共重合体部分の極限粘度[η]EPは、上記(2−2a)と同様に求める。
[η]EP=[η]T/X−(1/X−1)[η]P
[η]P:プロピレン単独重合体部分の極限粘度(dl/g)
[η]T:最終的に得られるプロピレン−エチレンブロック共重合体全体の極限粘度(dl/g)
X:最終的に得られたプロピレン−エチレンブロック共重合体全体に対する最終的に得られるプロピレン−エチレンランダム共重合体部分の重量比率
(2-2b-3)[η]EP-2
第2段目に重合される共重合体部分(EP−2)の極限粘度[η]EP-2は、最終的に得られるプロピレン−エチレンブロック共重合体のプロピレン−エチレンランダム共重合体部分の極限粘度[η]EPと、第1段目の共重合体部分(EP−1)の極限粘度[η]EP-1とそれぞれの重量比率から求める。
[η]EP-2=([η]EP×X−[η]EP−1×X1)/X2
X1:最終的に得られるプロピレン−エチレンブロック共重合体全体に対するEP−1の重量比率
X1=(X(1)−X×X(1))/(1−X(1))
X2:最終的に得られるプロピレン−エチレンブロック共重合体全体に対するEP−2の重量比率
X2=X−X1
(3)プロピレン−エチレンブロック共重合体に含有されるプロピレン−エチレンランダム共重合体部分のエチレン含量[(C2’)EP]
下記の条件で測定する13C−NMRスペクトルから、Kakugoらの報告(Macromolecules 1982,15,1150-1152)に基づいて求める。10mmΦの試験管中で約200mgのプロピレン−エチレンブロック共重合体を3mlのオルソジクロロベンゼンに均一に溶解させて試料を調整し、その試料の13C−NMRスペクトルを下記の条件下で測定する。
測定温度:135℃
パルス繰り返し時間:10秒
パルス幅:45°
積算回数:2500回
(3−1)プロピレン−エチレンブロック共重合体に含有される第1段目の共重合体部分(EP−1)のエチレン含量[(C2’)EP-1]
第1段目の共重合体部分(EP−1)を重合した後に重合槽から取り出したサンプルを用い、上記(3)の方法によって、共重合体部分(EP−1)のエチレン含量[(C2’)EP-1]を求めた。
(3−2)プロピレン−エチレンブロック共重合体に含有される第2段目の共重合体部分(EP−2)のエチレン含量[(C2’)EP-2]
エチレン含量[(C2’)EP-2]は、プロピレン−エチレンランダム共重合体部分のエチレン含量[(C2’)EP]、第1段目の共重合体成分(EP−1)のエチレン含量[(C2’)EP-1]、プロピレン−エチレンブロック共重合体全体に対する共重合体部分(EP−1)の重量比率X1、およびプロピレン−エチレンブロック共重合体全体に対する共重合体部分(EP−2)の重量比率X2から、下記式により求めた。
[(C2’)EP-2]=([(C2’)EP]−[(C2’)EP-1]×(X1/(X1+X2)))×(X1+X2)/X2
(4)プロピレン−エチレンランダム共重合体部分のプロピレン−エチレンブロック共重合体全体に対する重量比率X
結晶性ポリプロピレン部重合工程で生成した重合体の重量比率量Xp、EP−1部の重合工程で生成した重合体の重量比率量X1およびEP−2部の重合工程で生成した重合体の重量比率量X2、プロピレン−エチレンランダム共重合体部分のプロピレン−エチレンブロック共重合体全体に対する重量比率Xは、下記式により算出した。
Xp=ΔH2/ΔHP
X1=(ΔHP/ΔH1−1)×ΔH2/ΔHP
X2=1−Xp−X1
X=X1+X2
ΔHP:結晶性ポリプロピレン部重合工程後の重合体の融解熱量(J/g)
ΔH1:EP−1部重合工程後の重合体の融解熱量(J/g)
ΔH2:EP−2部重合工程後の重合体の融解熱量(J/g)
(5)メルトフローレート(MFR)(単位:g/10分)
JIS−K−6758に規定された方法に従って、測定した。特に断りのない限り、測定温度は230℃で、荷重は2.16kgで測定した。
(6)破断点伸び(UE、単位:%)
ASTM D638に準拠し、射出成形により成形された3.2mm厚の試験片を使用して、23℃における破断点伸びを測定した。引っ張り速度は20mm/分で測定した。
(7)滞留後の破断点伸び(耐熱性、UE、単位:%)
射出成形の際、シリンダ設定温度200℃で20分間溶融樹脂を滞留させ保持した後、射出成形を行い成形された3.2mm厚の試験片を使用して、ASTM D638に準拠し、23℃における破断点伸びを測定した。引っ張り速度は50mm/分で測定した。
(8)ダイスウェル
(株)東洋精機製作所製キャピログラフ1Bを使用して、下記条件で測定した。
測定温度:220℃
L/D:40
せん断速度:2.432×103 sec-1
なお、ダイスウェルが高い場合、フローマークの発生が起こりにくく外観が良好になることは、例えば、特開2005−146160等に記載されている。
〔固体触媒成分の製造〕
本発明のプロピレン系重合体プロピレン−エチレンブロック共重合体の製造に使用する固体触媒成分は、減圧乾燥する前の105℃のトルエン洗浄3回を6回にしたこと以外は、特開2003−105020の実施例1(1)、(2)と同様にして製造した。
〔プロピレン系重合体プロピレン−エチレンブロック共重合体(BCPP1)の製造〕
[予備重合]
内容積3Lの撹拌機付きSUS製オートクレーブに、充分に脱水、脱気処理したn−ヘキサン1.5L、トリエチルアルミニウム30.0ミリモル、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン3.0ミリモルと上記固体触媒成分16gを添加し、オートクレーブ内の温度を約10℃に保ちながらプロピレン16gを約30分かけて連続的に供給して予備重合を行った後、予備重合スラリーを内容積200Lの攪拌機付きSUS製オートクレーブに移送し、液状ブタン80Lを加えて、予備重合触媒成分のスラリーとした。
[重合工程(1)]
内容積40L(液レベル18L)/200L(液レベル50L)/200L(液レベル50L)攪拌気付きベッセルタイプ反応器3槽(前段)および1m3/1m3の攪拌機付き流動床気相反応器を2槽(後段)、合計5槽を直列に配置し、第1槽〜3槽において結晶性ポリプロピレン部分を重合し、第4槽および第5槽においてプロピレン−エチレンランダム共重合体部分(第4槽でEP−B部、第5槽でEP−A部を重合した)を重合するプロセスで、各槽の生成ポリマーを失活することなく下流槽に連続的に移送し、連続的に重合する方法で実施した。
第1〜3槽目において、重合温度73/70/67(℃)、重合圧力4.6/4.0/3.8(MPa)、供給するプロピレン(C’3)量を25/15/0(Kg/H)、また供給する水素(H2)量を、300/70/0(NL/h)とし、1槽目にはトリエチルアルミニウムを40(mmol/h)、シクロヘキシルエチルジメトキシシランを6(mmol/h)および上記予備重合体スラリーを固体触媒成分として1.03(g/h)で供給し、連続重合を行った(重合時間0.3/0.5/0.5(時間))。
[重合工程(2)]
排出された生成ポリマーは失活することなく後段4槽目の流動床気相反応器に連続的に供給した。重合温度を70(℃)、重合圧力を1.6(MPa)、気相部の水素濃度を6.5(vol%)、エチレン濃度を42.2(vol%)を保持するようにプロピレン、エチレンおよび水素を連続的に供給した条件下に、24(mmol/h)のテトラエトキシシラン(TES)を供給しながら連続重合を3.4時間継続した。
[重合工程(3)]
排出された生成ポリマーは失活することなく後段5槽目の流動床気相反応器に連続的に供給した。重合温度を70(℃)、重合圧力を1.4(MPa)、気相部の水素濃度を0.41(vol%)、エチレン濃度を27.9(vol%)を保持するようにプロピレン、エチレンおよび水素を連続的に供給した条件下に、連続重合を3.0時間継続した。結果、プロピレン−エチレンブロック共重合体が得られた。重合活性は18.2(kg/h)であった。重合条件とプロピレン−エチレンブロック共重合体の分析結果を表1に示す。
〔プロピレン−エチレンブロック共重合体(BCPP2)の製造〕
重合工程(2)の連続重合を3.4時間行ったことに替えて、2.8時間行ったことと、重合工程(3)の気相部の水素濃度を0.41(vol%)に保持することに替えて0.20(vol%)に保持することとしたこと、エチレン濃度を27.9(vol%)に保持することに替えて28.6(vol%)に保持することとしたことと、連続重合を3.0時間行ったことに替えて、2.5時間行ったこと以外は、BCPP1と同様に重合を行った。重合活性は21.9(kg/h)であった。重合条件とプロピレン−エチレンブロック共重合体の分析結果を表1に示す。
〔プロピレン−エチレンブロック共重合体(BCPP3)の製造〕
重合工程(2)の気相部の水素濃度を6.5(vol%)に保持することに替えて7.0(vol%)に保持することとしたこと、エチレン濃度を42.2(vol%)に保持することに替えて49.9(vol%)に保持することとしたこと、連続重合を3.4時間行ったことに替えて、3.2時間行ったことと、重合工程(3)の気相部の水素濃度を0.41(vol%)に保持することに替えて0.40(vol%)に保持することとしたこと、エチレン濃度を27.9(vol%)に保持することに替えて28.3(vol%)に保持することとしたことと、連続重合を3.0時間行ったことに替えて、2.9時間行ったこと以外は、BCPP1と同様に重合を行った。重合活性は18.9(kg/h)であった。重合条件とプロピレン−エチレンブロック共重合体の分析結果を表1に示す。
〔プロピレン−エチレンブロック共重合体(BCPP4)の製造〕
重合工程(2)の連続重合を3.4時間行ったことに替えて、2.9時間行ったことと、重合工程(3)の気相部の水素濃度を0.41(vol%)に保持することに替えて1.6(vol%)に保持することとしたこと、エチレン濃度を27.9(vol%)に保持することに替えて28.1(vol%)に保持することとしたことと、連続重合を3.0時間行ったことに替えて、2.6時間行ったこと以外は、BCPP1と同様に重合を行った。重合活性は21.2(kg/h)であった。重合条件とプロピレン−エチレンブロック共重合体の分析結果を表1に示す。
〔プロピレン−エチレンブロック共重合体(BCPP5)の製造〕
重合工程(1)の第1〜3槽目において、重合温度73/70/67(℃)としたことに替えて、72/71/64(℃)としたことと、供給する水素(H2)量を、300/70/0(NL/h)としたことに替えて、300/120/20(NL/h)としたことと、重合工程(2)の気相部の水素濃度を6.5(vol%)に保持することに替えて3.5(vol%)に保持することとしたこと、エチレン濃度を42.2(vol%)に保持することに替えて49.6(vol%)に保持することとしたこと、連続重合を3.4時間行ったことに替えて、2.9時間行ったことと、重合工程(3)の気相部の水素濃度を0.41(vol%)に保持することに替えて1.60(vol%)に保持することとしたこと、エチレン濃度を27.9(vol%)に保持することに替えて28.0(vol%)に保持することと、連続重合を3.0時間行ったことに替えて、2.7時間行ったこと以外は、BCPP1と同様に重合を行った。重合活性は20.5(kg/h)であった。重合条件とプロピレン−エチレンブロック共重合体の分析結果を表1に示す。
〔プロピレン−エチレンブロック共重合体(BCPP6)の製造〕
重合工程(1)の第1〜3槽目において、重合温度73/70/67(℃)としたことに替えて、72/71/64(℃)としたことと、供給する水素(H2)量を、300/70/0(NL/h)としたことに替えて、300/120/20(NL/h)としたことと、重合工程(2)の気相部の水素濃度を6.5(vol%)に保持することに替えて3.6(vol%)に保持することとしたこと、エチレン濃度を42.2(vol%)に保持することに替えて50.8(vol%)に保持することとしたこと、連続重合を3.4時間行ったことに替えて、3.6時間行ったことと、重合工程(3)の気相部の水素濃度を0.41(vol%)に保持することに替えて0.34(vol%)に保持することとしたこと、エチレン濃度を27.9(vol%)に保持することに替えて28.3vol%)に保持することと、連続重合を3.0時間行ったことに替えて、3.4時間行ったこと以外は、BCPP1と同様に重合を行った。重合活性は16.0(kg/h)であった。重合条件とプロピレン−エチレンブロック共重合体の分析結果を表1に示す。
Figure 0004935247
[実施例1]
〔射出成形体の製造〕
上記表1記載のBCPP1 100重量部に対し、安定剤としてステアリン酸カルシウム(日本油脂製)0.05重量部、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(スミライザーGA80、住友化学製)0.10重量部、6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,6,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1.3.2]ジオキサホスフェピン(スミライザーGP、住友化学製)0.20重量部を添加し、2軸押出し機(東芝機械製 TEM50A シリンダー設定温度150℃、スクリーンパック:日本精線製金属繊維焼結フィルターNF14N使用)を用いてペレット化した。得られたペレットを射出成形(東芝機械性IS100EN シリンダー設定温度200℃)によって試験片を作成して物性を測定した。また、得られたペレットを用いてダイスウェルの測定を行なった。結果を表2に示す。
[実施例2]
BCPP1に替えてBCPP2を使用したこと以外は、実施例1と同様にして行った。結果を表2に示す。
[実施例3]
BCPP1に替えてBCPP3を使用したこと以外は、実施例1と同様にして行った。結果を表2に示す。
[比較例1]
BCPP1に替えてBCPP4を使用したこと以外は、実施例1と同様にして行った。結果を表2に示す。
[比較例2]
BCPP1に替えてBCPP5を使用したこと以外は、実施例1と同様にして行った。結果を表2に示す。
[比較例3]
BCPP1に替えてBCPP6を使用したこと以外は、実施例1と同様にして行った。結果を表2に示す。
Figure 0004935247
[実施例4]
〔射出成形体の製造〕
上記実施例2で使用したBCPP2のペレット82重量部、[η]=0.90のホモポリプロピレン18重量部に対し、安定剤としてステアリン酸カルシウム(日本油脂製)0.05重量部、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(スミライザーGA80、住友化学製)0.10重量部、6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,6,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1.3.2]ジオキサホスフェピン(スミライザーGP、住友化学製)0.20重量部を添加し、2軸押出し機(テクノベル製15φ2軸押出し機 シリンダー設定温度200)を用いてペレット化した。得られたペレットを射出成形(東芝機械性IS100EN シリンダー設定温度200℃)によって試験片を作成して物性を測定した(ただし、引張り試験の試験速度は50mm/分で行った。)。また、射出成形の際、シリンダ設定温度200℃で20分間溶融樹脂を滞留させ保持した後、射出成形を行った試験片を用いて、引張り試験を行った(ただし、引張り試験の試験速度は50mm/分で行った。)。結果を表3に示す。
[実施例5]
BCPP2のペレットに替えてBCPP3のペレットを100重量部、[η]=0.90のホモポリプロピレンを使用しなかったこと以外は、実施例4と同様にして行った。結果を表3に示す。
[比較例4]
BCPP2のペレットに替えてBCPP4のペレットを89重量部、[η]=0.90のホモポリプロピレンを11重量部使用したこと以外は、実施例4と同様にして行った。結果を表3に示す。
[比較例5]
BCPP2のペレットに替えてBCPP5のペレットを94重量部、[η]=0.90のホモポリプロピレンに替えて[η]=0.87のホモポリプロピレンを6重量部使用したこと以外は、実施例4と同様にして行った。結果を表3に示す。
Figure 0004935247
本発明の要件を満足する実施例1〜5は、成形体にした場合、靭性、外観、耐熱性に優れるプロピレン−エチレンブロック共重合体であることが分かる。
比較例1〜5は成形体にした場合、靭性、外観、耐熱性のいずれかが十分でないプロピレン−エチレンブロック共重合体であることが分かる。

Claims (4)

  1. プロピレン単独重合体または、プロピレンと含有量が1モル%以下のエチレンまたは炭素数4以上のα-オレフィンとの共重合体である結晶性ポリプロピレン部分60〜85重量%と、プロピレンとエチレンの重量比(プロピレン/エチレン(重量/重量))が75/25〜35/65であるプロピレン−エチレンランダム共重合体部分15〜40重量%とを含有し、下記要件(1)および要件(2)を満足するプロピレン−エチレンブロック共重合体(ただし、プロピレン−エチレンブロック共重合体の全量を100重量%とする)。
    要件(1)プロピレン−エチレンランダム共重合体部分が、プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(EP−A)とプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(EP−B)とを含有し、
    共重合体成分(EP−A)の極限粘度[η]EP-Aがdl/g以上8dl/g未満、エチレン含有量[(C2’)EP-A]が20〜60重量%であり(ただし、共重合体成分(EP−A)の全量を100重量%とする)、
    共重合体成分(EP−B)の極限粘度[η]EP-Bが0.5dl/g以上3dl/g未満、エチレン含有量[(C2’)EP-B]が40〜60重量%である(ただし、共重合体成分(EP−B)の全量を100重量%とする)。
    要件(2)プロピレン−エチレンブロック共重合体のメルトフローレート(MFR)が5〜120g/10分である。
  2. プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(EP−A)のエチレン含有量[(C2’)EP-A]が25〜45重量%であり、プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(EP−B)のエチレン含有量[(C2’)EP-B]が42〜60重量%である請求項1記載のプロピレン−エチレンブロック共重合体。
  3. 結晶性ポリプロピレン部分の極限粘度[η]Pが1.5dl/g以下である請求項1記載のプロピレン−エチレンブロック共重合体。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のプロピレン−エチレンブロック共重合体を含有する成形体。
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